60代ファッション 秋冬|着ぶくれする重ね着を何枚目で止めるか

**いま着ている上着の下に、何枚重ねていますか。**肌着を数えずに3枚までなら、止める位置は合っています。4枚目を足したくなった日は、足す前に2枚目を薄いものに入れ替えてください。
60代の秋冬で「着ぶくれして見える」と感じるとき、原因はたいてい枚数そのものではありません。同じ3枚でも、厚みが一か所に集まれば着ぶくれして見え、散らばれば着ぶくれして見えません。体型のせいでもありません。服の重なり方のせいです。
この記事では、鏡の前で自分で測れる3つの目安で、あなたの重ね着を何枚目で止めるかを決めます。脇の下でつまんだ厚み、肩の縫い目の並び、首・手首・足首の空け方の3つです。寒がりの日、室内で脱ぐ日、細く見せたい日のように、目安どおりにいかない日の決め方も書きました。
服1枚ずつの寸法の選び方は60代の服は4つの開口部の内寸で選ぶにまとめています。ここでは、選んだ服を重ねたときにどう見えるかだけを扱います。
結論:室内で着る服は3枚まで。足したい日は「入れ替え」で
肌着を除いて、室内で着ている服は3枚までにしてください。外に出るときは、その上にコートを1枚。これが60代の秋冬で着ぶくれしない上限です。
3枚にはそれぞれ役目があります。役目が重なっている2枚があると、そこで厚みが集まります。
| 層 | 役目 | 選ぶときに見る場所 | 止めるサイン |
|---|---|---|---|
| 1枚目(肌着の上) | 熱を逃がさない | 薄さ。服だけつまんで3mm以内 | 襟ぐりや袖口から1枚目がのぞく |
| 2枚目 | 身体に沿って形の土台になる | 肩の縫い目が肩の骨の上にあるか | 脇の下に横じわが寄る |
| 3枚目 | 外側の形をつくり、脱ぎ着で温度を調節する | 前が開くか、肩の縫い目が2枚目より外にあるか | 腕を前に伸ばすと背中がつっぱる |
| コート | 外の寒さを受ける | 3枚目の上から袖がすっと通るか | 袖口から3枚目がはみ出す |
**4枚目を足したい日は、足さずに入れ替えます。**2枚目を薄いものに替えるか、1枚目を保温性のある薄手のものに替える。枚数を変えずに温かさを上げる方法は、あとの「寒がりで3枚では足りない」の章で詳しく書きます。
3枚という数は、きっちり守る規則ではありません。後で説明する厚みの目安を満たしていれば、薄いもの4枚でも着ぶくれは起きません。ただ、毎朝つまんで測るのは手間なので、まずは「3枚まで」で組んで、迷った日だけ測ってください。
測る1|脇の下でつまんだ厚みが1.5cmを超えたら着ぶくれ側
着ぶくれして見えるかどうかは、胴の横の厚みでほぼ決まります。正面から見たとき、身体の輪郭の外側にどれだけ布がはみ出すか。そのはみ出しの量が、脇の下の厚みです。
測り方は、脇の下から10cm下を、服だけつまむことです。肌はつままず、着ている服の層を全部まとめて、親指と人差し指ではさみます。指の間に定規を当てるか、指を離さずに定規の上に移して測ってください。
- 1.5cm以内:平らに見えます。この厚みなら、色や丈の組み方がどうであっても着ぶくれとは見られにくいです
- 1.5cmを超えて2.5cmまで:組み方しだいです。肩の縫い目と首まわりの空け方(次の2章)がそろっていれば平らに見え、そろっていなければ着ぶくれして見えます
- 2.5cmを超える:どう組んでも厚く見えます。いちばん厚い1枚を抜くか、薄いものに替えてください
脇の下を測る理由は、そこがいちばん層の集まる場所だからです。肩や胸は布がぴんと張りますが、脇の下は腕を下ろすと布が寄ります。寄った布の厚みは、つまんだ厚みよりさらに目立ちます。
厚手のニットは1枚で1cm前後あることが多いので、厚手ニットの上に厚手の羽織を重ねると、それだけで2.5cmに届きます。逆に、薄手のニット2枚と薄手の羽織なら、3枚でも1.5cmに収まることがあります。枚数より、つまんだ厚みです。
一度測っておくと、手持ちの服それぞれの「厚みの感覚」がつかめます。慣れてくれば、手に取った瞬間に「これは厚い側」とわかるようになります。
測る2|肩の縫い目が、内側から外側へ順に並んでいるか
厚みが1.5〜2.5cmのあいだで、着ぶくれして見える日と見えない日が分かれるのは、肩の縫い目の並び方のせいです。
肩には、袖と身頃をつなぐ縫い目があります。重ね着をしたとき、内側の服の縫い目ほど内(首寄り)に、外側の服の縫い目ほど外(腕寄り)に並んでいれば、布は順番に肩をすべり落ちて、腕の付け根で重なりません。
逆に、内側の服の縫い目が外側の服より腕寄りにあると、内側の服の余った布が、外側の服の袖の付け根に押し込まれます。腕の付け根がふくらみ、肩幅が広がって見え、腕を動かすたびに脇が引っぱられます。60代の重ね着で「なぜか肩が大きく見える」というのは、たいていこれです。
確かめ方は簡単です。
- 2枚目を着て、肩の縫い目がどこにあるかを指で触って確かめる
- 3枚目を着て、同じように縫い目を触る
- 3枚目の縫い目が、2枚目の縫い目と同じ位置か、それより外にあれば合格
縫い目が肩の骨の上にない服(腕のほうへ落ちている服、首から脇へ斜めに縫い目が走る服)を重ねるときは注意がいります。たとえば、縫い目が腕に5cm落ちたゆったりしたニットの上に、縫い目が肩の骨の上にあるきちんとしたジャケットを着ると、ニットの肩の余りがすべてジャケットの袖の付け根に集まります。袖の形と縫い目の位置の見分け方は袖の形の名前|コートの下で腕がつかえるときに見る肩の縫い目に詳しく書きました。
測る3|首・手首・足首のうち、1か所は空ける
厚みと肩がそろっていても、まだ重たく見えることがあります。そのときは首・手首・足首を見てください。
この3か所は身体のなかでいちばん細い場所です。3か所とも布で覆うと、身体の細いところがすべて隠れて、輪郭が太い円柱のように見えます。1か所でも肌か、肌に近い薄い層が見えていれば、目はそこに「ここが細い」と読み取って、全体の重さが抜けます。
- 首:襟ぐりが鎖骨の上で止まるもの、または襟元を開けて着るシャツ。首にぴったり沿う高い襟を着る日は、首は空かない日です
- 手首:袖を手首の骨の上まで3cmほどたくし上げる。または袖丈が手首の骨で止まるもの
- 足首:パンツの裾が足首の骨の上で止まるもの、靴下と靴のあいだに肌色かそれに近い薄い色が見えるもの
寒い日に首を覆いたいなら、手首か足首を空けます。足首を冷やしたくないなら、首を開けて、外に出るときだけ首に布を巻きます。空ける場所を変えるだけで、枚数は増やさない。この考え方を持っておくと、真冬に近づいても3枚のまま組めます。
首と手首と足首の3か所が全部覆われる日は、秋冬に何日かはあります。その日は、3か所のうちいちばん目に入りやすい首まわりだけ、内側の服と色を変えてください。色の境目が1本あると、そこが首の位置として読まれ、覆っていても輪郭が締まります。
1枚目は「薄さ」だけで選ぶ
肌着の上に着る1枚目は、温かさを持たせる層ですが、選ぶ基準は薄さだけにしてください。目安は、服だけつまんで3mm以内です。
1枚目が厚いと、その上に着る2枚目と3枚目がすべて外へ押し出されます。つまり1枚目の厚みは、3枚分の輪郭に効いてきます。1枚目で1mm増えると、外から見た輪郭は2mm分(左右で)広がります。
温かさは、生地の厚さではなく、肌に触れる面の起毛や編み方で出すものを選びます。薄くても温かいものは、量販の売り場にも百貨店の売り場にもあります。触って薄く、内側がわずかに起毛しているものが目安です。
1枚目の襟ぐりと袖口にも気をつけてください。2枚目より襟ぐりが高かったり、袖が長かったりすると、外から1枚目がのぞきます。のぞいた1枚目は「中に何枚も着ている」という合図になり、実際の厚みよりも重ねて見えます。1枚目の襟ぐりは2枚目より1cm以上低く、袖は2枚目より短く。これだけで、のぞきは防げます。
1枚目の色も選んでおくと楽です。2枚目の襟ぐりが開いた形の日に、1枚目の白がのぞくと、そこだけ線が増えます。1枚目は肌になじむ色か、2枚目と同じ系統の色にしておくと、のぞいても目に入りにくくなります。手持ちの1枚目が白ばかりなら、肌になじむ色を1枚だけ足しておくと、2枚目の襟ぐりを選ばなくなります。
2枚目は身体に沿わせ、3枚目で形をつくる
2枚目と3枚目は、役目をはっきり分けてください。
**2枚目は、身体に沿う土台です。**肩の縫い目が肩の骨の上にあり、身幅は身体より少しゆとりがある程度。ぴったりでなくてかまいません。脇の下に横じわが寄らないかを見てください。横じわは、身幅がきつすぎるか、袖の付け根が浅すぎる合図です。
**3枚目は、外側の形をつくる層です。**前が開くもの(カーディガン、シャツ、軽い羽織)を選ぶと、着たり脱いだりで温度を調節でき、前を開けた幅で縦の線もつくれます。かぶるタイプのニットを3枚目にすると、温度の調節ができず、脇の下の厚みも逃げ場がありません。
2枚目と3枚目の両方に「形をつくる」役目を持たせると、着ぶくれします。たとえば、2枚目に大きく身幅の広いニット、3枚目にも身幅の広い羽織を重ねると、両方が外に広がろうとして、身体の輪郭の外側に布が二重に張り出します。形をつくるのは3枚目だけ、と決めてください。
逆に、3枚とも身体に沿うものを重ねると、着ぶくれはしませんが、体の線がそのまま出て、本人が落ち着かない日もあります。その場合は3枚目だけゆとりのあるものにします。ゆとりは3枚目に集めて、2枚目までは沿わせる。これが厚みを一か所に集めない組み方です。
裾の段差は、1cm以内でそろえるか5cm以上ずらす
重ね着をすると、裾が何段にもなります。この段差の幅が、着ぶくれの印象を大きく左右します。
段差が1〜4cmだと、目には「たまたまずれている」と映り、何枚着ているのかが数えられて重たく見えます。1cm以内でそろえるか、5cm以上はっきりずらすか、どちらかにしてください。
- そろえる場合:2枚目と3枚目の裾をほぼ同じ高さにすると、2枚が1枚の面に見えます。最も平らに見える組み方です
- ずらす場合:内側を長くするなら5〜10cm、外側を長くするなら10cm以上。内側が10cmを超えて長いと、内側の裾だけが目立ちます
腰まわりの段差は特に目立ちます。腰骨のあたりで2枚目と3枚目の裾が2〜3cmずれて重なっていると、そこに横の線が2本でき、腰の幅が広がって見えます。手持ちの服でこうなる組み合わせがあれば、どちらかの裾を内側に入れる(タックする)か、組み合わせを変えてください。
ジャケットやコートの丈そのものをどう選ぶかは、50代のコート選び|秋冬の1着は、下の丈と脱いで持つ回数で選ぶが年代は違いますが同じ考え方で読めます。
色は、3枚のうち2枚を近い色にする
3枚の色を全部変えると、それぞれの層の端が線になります。襟ぐりで1本、前の開きで1本、裾で1本。線の数が多いほど、重ねた枚数が数えられ、厚く見えます。
3枚のうち2枚は近い色にしてください。近い色とは、同じ色の濃淡か、並べたときに境目がぼやける程度の差のことです。どの2枚を近くするかで、見え方が変わります。
- 1枚目と2枚目を近くする:襟元と袖口の線が消えます。首と手首まわりがすっきりします
- 2枚目と3枚目を近くする:前の開きの線が弱くなり、全体が1枚のように見えます。最も着ぶくれして見えにくい組み方です
- 1枚目と3枚目を近くする:2枚目が帯のように浮きます。2枚目を明るい色にして顔まわりに光を集めたい日に向きます
迷ったら、2枚目と3枚目を近くしてください。秋冬は3枚目が羽織になることが多いので、羽織と内側を近い色にしておけば、前を開けても閉じても線が増えません。
どちらとも取れるとき1|寒がりで3枚では足りない
ここからは、目安どおりにいかない日の決め方です。
いちばん多いのが「3枚では寒い」という声です。60代になって寒さがこたえるようになったと感じる方は多く、3枚に止めると外で冷えて、結局4枚目を着てしまう。これはごく自然なことです。
温かさは、外側ではなく内側と首まわりに足してください。足す場所によって、着ぶくれへの効き方がまったく違います。
| 足し方 | 温かさ | 脇の下の厚み | 肩・腕の厚み |
|---|---|---|---|
| 袖のある服を4枚目として外に足す | 上がる | 大きく増える | 大きく増える |
| 1枚目を保温性のある薄手に替える | 上がる | ほとんど変わらない | ほとんど変わらない |
| 2枚目と3枚目の間に袖のないベストを入れる | 上がる | 少し増える | 変わらない |
| 首に外せる布を巻く | 上がる | 変わらない | 変わらない |
**袖のないベストは、半分の枚数として数えます。**腕まわりの厚みが増えないので、肩の縫い目の並びも崩れません。胴の厚みは少し増えるので、ベストを入れる日は3枚目を薄手のものにして、脇の下の厚みを2.5cm以内に収めてください。
それでも寒い日は、下半身で温かさを足します。厚手のタイツやパンツの裏地は、上半身の輪郭にはまったく効きません。上半身はそのままで、足元から温める。寒い日に着ぶくれを避けるいちばん確実な方法です。
どうしても袖のあるものを4枚着たい日は、4枚のうち3枚を薄手にして、つまんだ厚みが2.5cmを超えないことだけ確かめてください。超えなければ、4枚でも外からはそう見えません。
どちらとも取れるとき2|室内で脱ぐ日と脱がない日が混ざる
秋冬の外出は、外の寒さと室内の暖かさを行き来します。病院の待合、孫の家、百貨店の売り場、公民館の教室。暖房の効いた場所で、3枚目を脱ぐことになります。
ここで困るのが「脱いだら下が頼りない」ことです。3枚目を形をつくる層にしていると、脱いだあとに残る2枚目は、身体に沿う土台だけ。肌着のように見えたり、下に何も着ていないような心細さを感じたりします。
決め方は、その日、室内に30分以上いるかどうかです。
- 30分以上いる日:2枚目だけで完成して見える服を選びます。家を出る前に、2枚目まで着た姿を鏡で見てください。襟ぐりや袖口がしっかりしていて、それ1枚で人前に出られると思えたら合格です
- 30分未満の日:3枚目を着たまま過ごせます。2枚目は土台に徹して、3枚目で形をつくって構いません
30分以上いる日に2枚目が頼りないと感じたら、2枚目を襟つきのシャツ、または襟ぐりと袖口がリブで締まったきれいめのニットに替えます。この2つは、1枚で着ても「中に着る服」に見えにくい形です。
脱いだ3枚目をどう持つかも決めておきます。3枚目が厚手だと、脱いで腕にかけたときにかさばり、持っている姿が重たく見えます。室内にいる時間が長い日ほど、3枚目は薄く軽いものにして、小さくたためることを優先してください。
どちらとも取れるとき3|細く見せたいが、締めつける服は苦手
「着ぶくれを避けたい」の裏には、多くの場合「細く見せたい」という気持ちがあります。けれど60代の秋冬に、身体を締めつける服を何枚も重ねるのはつらい。この2つがぶつかる日の決め方です。
答えは、締めずに、縦の線をつくることです。
3枚目を前の開く羽織にして、前を開けて着ます。胸の高さで左右の前端の間が10〜15cm開いていると、その間に見える内側の服が1本の縦の帯になります。目はこの帯の幅を読むので、身体全体の幅は意識されにくくなります。
- 開きが10cmより狭い:帯が細すぎて目に入らず、羽織の面が大きく見えます
- 開きが15cmより広い:羽織が肩から落ちかけて見え、両脇にだけ布が寄って、かえって幅が出ます
- 開きが10〜15cm:内側の帯と、左右の羽織の面がほどよく分かれて、縦の線がいちばん通ります
このとき、2枚目は身体に沿わせる必要はありません。肩の縫い目が肩の骨の上にあれば、身幅にゆとりがあっても前から見て平らに見えます。締めつけるのは避けて、肩の縫い目と前の開きだけで細さを出す。60代の秋冬にいちばん合っているのは、この組み方です。
羽織の前を閉めたい日は、ボタンをいちばん上ではなく、みぞおちのあたりの1つだけ留めてください。上と下が開いて、胸から上とおなかから下に縦の線が残ります。
下半身の重ねは、ウエストのゴムを2本重ねない
着ぶくれは上半身だけの話ではありません。秋冬は下半身にもタイツやレギンスを重ねるので、腰まわりで厚みが集まります。
下半身で気をつけるのは、ウエストのゴムやベルトの帯が何本重なっているかです。レギンスのゴム、パンツのウエストのゴム、さらに上の服の裾をパンツの中に入れると、おなかのまわりに3本の帯が重なります。一本一本は細くても、重なると段ができて、上の服の上からも浮き出て見えます。
- レギンスやタイツを重ねる日は、上に穿くパンツやスカートをウエストの帯の幅が広く平らなものにする
- 上の服の裾は、中に入れない。入れたい日は、1枚目だけを入れて、2枚目と3枚目は外に出す
- パンツの中にレギンスを重ねる日は、座ったときに膝の上でパンツがつっぱらないか確かめる。つっぱるなら、パンツの膝まわりにゆとりが足りません
スカートを選ぶ日は、下にタイツを1枚重ねる前提で、ウエストがゴムだけで留まるものより、平らな帯で留まるものを選ぶと腰まわりの段差が出にくくなります。
足首の空け方は、さきほどの「首・手首・足首」の考え方がそのまま使えます。厚手のタイツで足首を覆う日は、首か手首を空けてください。
去年まで平気だった組み合わせが、今年は着ぶくれして見えるとき
60代の方からとても多いのが、「同じ服を同じように重ねているのに、今年は着ぶくれして見える」という相談です。
多くの場合、変わったのは身体ではなく服のほうです。ニットは洗うたびに少しずつ目が詰まって厚くなります。毛玉が出ると表面が膨らみ、さらに厚く見えます。去年の秋に1cmだった厚手ニットが、1シーズン着て洗ったあとには1.3cmになっていることは珍しくありません。それが2枚重なれば、合わせて0.6cmの差になり、1.5cmの目安を越えてしまいます。
確かめるには、去年と同じ組み合わせで脇の下をつまんでください。1.5cmを超えていれば、服の厚みが原因です。どの1枚が厚くなったかは、1枚ずつつまめばわかります。いちばん厚くなった1枚を、薄いものに入れ替えるだけで、同じ組み合わせが戻ります。
肩の縫い目の位置も見てください。洗濯で縮んだり、逆に伸びたりして、縫い目が去年と違う位置に来ていることがあります。2枚目の縫い目が外にずれて、3枚目の縫い目を追い越していれば、肩が大きく見えます。
長く着た服が全体にくたびれて見える場合の見直し方は、50代ファッション|長く着た秋冬服がくたびれて見えるときの直し方にまとめています。60代の手持ちの服でも、同じ順番で確かめられます。
鏡の前で5分|手持ちの服で一度組んでみる手順
ここまでの目安を、手持ちの服で一度試してください。最初の1回だけ5分かかりますが、2回目からは、どの組み合わせが着ぶくれするかが感覚でわかるようになります。
- よく着る3枚を出す。1枚目、2枚目、3枚目の候補を、いつも重ねている組み合わせで用意します
- 1枚ずつ着て、そのつど鏡を見る。1枚目を着たら襟ぐりと袖口を、2枚目を着たら脇の下の横じわを、3枚目を着たら腕を前に伸ばして背中のつっぱりを見ます
- 3枚着たら、脇の下をつまむ。服だけつまんで厚みを測ります。1.5cm以内か、2.5cm以内か、それを超えるか
- 肩の縫い目を触る。内側から外側へ、順に外へ並んでいるかを確かめます
- 首・手首・足首を見る。1か所でも空いているか。空いていなければ、どこを空けるかを決めます
- 裾の段差を見る。1cm以内か、5cm以上か。2〜4cmなら、どちらかをタックするか組み合わせを変えます
- 3枚目を脱いで、2枚目だけの姿を見る。室内に長くいる日に、それで人前に出られるかを確かめます
7つのうち、ひとつでも引っかかったら、その場で1枚を入れ替えて、もう一度3と4を繰り返してください。合格した組み合わせは、スマートフォンで鏡越しに写真を撮っておくと、次の朝に迷いません。
外に出る日は、コートを3枚目の厚みに合わせて選び直す
室内の3枚が平らに組めても、その上にコートを着た途端に着ぶくれして見えることがあります。原因は、コートの袖と身幅が、内側の3枚の厚みを受け止めきれていないことです。
確かめる場所は2つあります。
- 袖の付け根:3枚を着た上からコートに腕を通し、腕を前にまっすぐ伸ばします。背中がつっぱる、二の腕が締めつけられる、どちらかを感じたら、コートの袖幅が足りません
- 前の打ち合わせ:コートの前を閉めたとき、ボタンのまわりに横じわが放射状に出るなら、身幅が足りません。前を開けて着るか、3枚目を薄いものに替えます
コートを持っている枚数が少ない方は、コートに合わせて3枚目を選ぶのが現実的です。手持ちのコートが細身なら、3枚目は前の開く薄手の羽織にし、厚手のニットは2枚目にまわさずコートを着ない日に着る。手持ちのコートがゆったりしているなら、3枚目に厚みのあるカーディガンを持ってきても収まります。
コートの肩の縫い目の位置も、さきほどの「内側ほど首寄り、外側ほど腕寄り」の順番に入れて考えます。コートの縫い目が3枚目より首寄りにあると、3枚目の肩がコートの袖の付け根に押し込まれて、外から肩が盛り上がって見えます。この場合、コートを着る日は3枚目を袖のないベストに替えると、肩の重なりがひとつ減ってすっきりします。
外では寒く、室内では暑いという日は、コートを少し厚めにして、内側の3枚を薄くする組み方も有効です。外の寒さはコート1枚で受け、室内ではコートを脱ぐだけで済むので、3枚目を脱ぎ着する手間が減ります。脱いだコートを持つ時間が長い日は、この組み方は向きません。その日は内側を厚めに、コートを軽くして、持つ荷物を軽くしてください。
迷ったときは、この順番で見る
朝の支度で時間がないときは、次の順番だけ見てください。上から順に、効き目の大きいものです。
- 脇の下でつまんで、2.5cmを超えていないか。超えていたら、何を置いてもいちばん厚い1枚を抜きます
- 肩の縫い目が、内側から外側へ順に外へ並んでいるか。逆になっていたら、内側の服を替えます
- 首・手首・足首のどこか1か所が空いているか。全部覆われていたら、袖をたくし上げるか、襟元を開けます
- 3枚のうち2枚が近い色か。全部違う色なら、3枚目を内側に近い色に替えます
この4つを満たしていれば、枚数が3枚でも4枚でも、外からは着ぶくれには見えません。60代の秋冬の重ね着は、寒さをがまんして減らすものではありません。厚みが集まる場所を散らして、温かいまま平らに見せるものです。
秋から冬にかけての旅先で、限られた枚数をどう重ねるかは60代の冬の旅行コーデも参考にしてください。荷物の枚数が限られるぶん、ここで書いた「入れ替え」の考え方がそのまま役に立ちます。
よくある問い
- Q. 60代になってから、去年と同じ重ね着でも着ぶくれして見えます。なぜですか
- まず服のほうを疑ってください。ニットは洗うたびに少しずつ目が詰まって厚くなり、毛玉が出ると表面も膨らみます。去年の3枚を脇の下でつまんで、厚みが1.5cmを超えていれば、身体ではなく服の厚みが原因です。いちばん厚くなった1枚を薄いものに替えるだけで、同じ組み合わせが戻ります。
- Q. 寒がりなので、3枚ではどうしても足りません
- 外側に足さず、内側と首まわりで温かさを足してください。1枚目を薄手の保温肌着に替える、2枚目と3枚目の間に袖のないベストを入れる、首に外せる布を巻く。この3つは腕まわりと胴の厚みをほとんど増やしません。袖のある服を4枚重ねるのがいちばん着ぶくれします。
- Q. 病院や孫の家など、暖房の効いた室内に長くいる日は何を着ればいいですか
- 30分以上室内にいる日は、3枚目を脱ぐ前提で選びます。家を出る前に、2枚目だけの姿を鏡で見て、それで完成して見えるかを確かめてください。2枚目だけでは下着のように見えるなら、2枚目を襟や袖口のしっかりした1枚に替えます。
- Q. 細く見せたいのですが、身体を締めつける服は苦手です
- 締めずに、縦の線をつくってください。3枚目を前の開く羽織にして、胸の高さで10〜15cmの幅だけ内側の色を見せると、身体の幅ではなく内側の帯の幅が目に入ります。2枚目を身体に沿わせる必要はありません。肩の縫い目が肩の骨の上にあれば、身幅にゆとりがあっても平らに見えます。
— メグラシ編集部





