60代 ファッション 秋|柄物は柄ひとつの大きさを手のひらで測る

**いま手元にある秋の柄物を一枚、平らな場所に広げてください。**その柄のひとつに、自分の手のひらを重ねてみます。柄ひとつは、指先より小さいですか。指2本ぶんくらいですか。手のひらと同じくらいですか。
60代の柄選びは、好みや年齢の決まりごとより先に、柄ひとつの大きさで分かれます。同じ花柄でも、指先ほどの花と手のひらほどの花では、離れて見たときの見え方がまったく違うからです。
この記事では、柄の大きさを4つの帯に分けて、それぞれの着方を書いています。あわせて、どの帯にも入れにくい柄、大小が混ざった柄、白髪や眼鏡と重なるときにどう決めるかも、手元で確かめられる順にまとめました。
重ね着の枚数で迷っている方は60代ファッション 秋冬|着ぶくれする重ね着を何枚目で止めるか、前の裾が上がって見える悩みは60代 ファッション 秋の前裾の上がりで扱っています。ここでは柄だけを見ます。
結論:柄ひとつが手のひらの半分より大きいか小さいかで、着方が分かれる
最初に全体の地図を置いておきます。柄ひとつの大きさを、自分の手で測った4つの帯に分けます。
| 柄ひとつの大きさ | 2m離れたときの見え方 | 着方 |
|---|---|---|
| 指先より小さい | 柄が消えて、一色の面に見える | 無地として扱う。色だけを見る |
| 指2本〜手のひらの半分 | 柄があることは分かるが、形は読めない | 地色との明るさの差で決める |
| 手のひらと同じくらい | 柄の形まで読める | 主役として一か所に置く |
| 手のひらを超える | 柄が服の形より先に目に入る | 面積を半分以下に絞る |
**いちばん迷うのは2段目、指2本から手のひらの半分の帯です。**60代の方の「柄を着ると老けて見える」という相談は、ほとんどがこの帯の柄から出てきます。理由はあとで詳しく書きますが、柄があることは分かるのに形が読めないので、遠目には少しくすんだ一色の面として受け取られやすいのです。
逆に言うと、1段目と3段目は迷いにくい帯です。1段目は無地と同じに扱えばよく、3段目は主役として扱えば成り立ちます。4段目は面積を絞れば使えます。迷う帯を一つに絞れるだけで、手持ちの柄物の仕分けはずいぶん楽になります。
測り方|柄ひとつは「いちばん大きく見える単位」を測る
測る前に、何を「柄ひとつ」と数えるかを決めておきます。基準は、2m離れて見たときに、ひとかたまりに見える単位です。
花柄なら花ひとつ、ペイズリーならしずく形ひとつ、チェックなら同じ配色が繰り返すひとマスです。近くで見ると、花びらの中に細かい線があったり、チェックの中に細い糸が走っていたりします。でも2m離れると、それらは一つのかたまりにまとまって見えます。そのまとまりの大きさを測ります。
測る道具は、自分の手です。
- 指先:人差し指の先の幅。だいたい1.5cm前後の人が多い
- 指2本:人差し指と中指をそろえた幅。3〜4cmくらい
- 手のひらの半分:親指を除いた4本の指の付け根の幅の半分。4〜5cmくらい
- 手のひら:親指を除いた4本の指の付け根の幅。7〜9cmくらい
数字は目安で、大事なのは自分の手で測ることです。この物差しは柄と着る人の体の釣り合いを見るためのものなので、手の小さい人は小さい手で測ったほうが、自分の体との比率に合います。売り場でも鏡がなくても使えるのが、手で測るいちばんの利点です。
測るときの手順は次の通りです。
- 服を平らに広げる。ハンガーにかけたままだと、布が縦に伸びて柄が細長く見える
- 2m離れて、ひとかたまりに見える単位を決める
- 近づいて、その単位の上に手を置く。縦と横の長いほうを測る
- 柄が場所によって大きさを変える服なら、胸のあたりの柄を測る
4番目は見落としやすい点です。裾に向かって柄が大きくなるスカートや、前身頃だけ柄の大きさが違うブラウスがあります。人の目がまず行くのは顔と胸まわりなので、上半身の服は胸の柄、下半身の服は太ももの前の柄で判断してください。
指先より小さい柄|遠目には一色の無地として扱う
指先より小さい柄は、2m離れると柄として見えなくなります。細かい千鳥格子、小さなドット、細かい織り柄、霜降りのような糸の混ざりがこの帯です。
この帯の服は、柄物ではなく、色のついた無地として扱ってください。判断に使うのは、柄ではなく、柄と地色が混ざって見える「平均の色」です。
平均の色の見方は簡単です。服を広げて、目を細めて見ます。細かい柄がにじんで一色に見えたら、それが遠目の色です。紺と白の細かい千鳥なら、遠目には少し明るい紺から灰色がかった紺に見えます。茶と黒の細かいヘリンボーンなら、深い焦げ茶に見えます。
この平均の色が、自分の手持ちのどの無地に近いかを考えると、合わせ方がすぐ決まります。灰色がかった紺に見える千鳥のジャケットなら、灰色の無地のジャケットと同じように組めばいいのです。
ひとつ注意があります。指先より小さい柄でも、柄の色と地色の明るさの差がとても大きいと、2m離れても細かくちらついて見えることがあります。白と黒のごく細かい千鳥がそうです。目を細めても一色にまとまらず、ざわついて見えるなら、その服は次の帯と同じように扱ってください。
60代の秋の装いでこの帯が役に立つのは、無地だけでは平板に見える日です。無地のニットに無地のパンツでは物足りないけれど、柄を着ると主張が強すぎる、という日に、細かい柄のジャケットを一枚羽織ると、近くで会う人にだけ柄が伝わります。会食の席で向かい合う距離、1m前後で初めて柄だと分かる、という使い方ができます。
指2本から手のひら半分|60代がいちばん迷う帯
ここが本題です。指2本から手のひら半分、だいたい3cmから5cmくらいの柄は、2m離れると「何か柄がある」ことは分かるけれど、形までは読めません。小花柄、中くらいのドット、小さめのチェック、小さなペイズリーがこの帯に入ります。
この帯の柄が難しいのは、見る人の目に、柄としても無地としても受け取られないからです。柄として読めれば「柄の服」として見えますし、一色にまとまれば「その色の服」として見えます。どちらでもないと、見る人の目は柄の上で落ち着かず、全体として少しくすんだ、はっきりしない面として受け取ります。
この帯の柄を着るかどうかは、柄の大きさではもう決まりません。決めるのは、次の章で詳しく書く柄と地色の明るさの差です。
- 明るさの差がはっきりしている(白地に紺の小花、黒地に生成りのドット):2m離れても柄の存在がはっきり見える。柄物として成り立つ
- 明るさの差が小さい(茶地にえんじの小花、灰地に紺のチェック):2m離れると柄が溶けかけて、くすんだ面になる
60代の方の「柄を着ると老けて見える」という相談で、実際に手持ちを見せてもらうと、ほとんどが後者でした。秋の柄物は、地色も柄の色も深い色どうしで作られていることが多いので、この帯で明るさの差が小さい柄が、売り場にたくさん並びます。
明るさの差が小さいこの帯の柄を持っていて、手放したくない場合は、次の3つのうちどれかで扱いを変えます。
- 顔から離す:ブラウスやワンピースではなく、スカートやストールの端など、顔から40cm以上離れた場所で使う
- 顔の近くに明るい無地を挟む:首元に白や生成りの無地のインナーを1〜2cm見せるだけで、柄の面と顔の間に区切りができる
- 近い距離で会う日に着る:1m前後で向かい合う日なら、柄の形まで読めるので、くすんだ面には見えにくい
3番目は見落とされがちですが、大事な考え方です。柄の見え方は、相手との距離で変わります。駅や街ですれ違う距離と、喫茶店で向かい合う距離では、同じ柄でも別の服に見えます。この帯の柄は、近い距離で会う日のための服だと割り切ると、手持ちの使い道が見えてきます。
手のひら大の柄|主役として一か所だけに置く
手のひらと同じくらい、7〜9cmくらいの柄は、2m離れても形がはっきり読めます。大きめの花柄、中くらいのペイズリー、ひとマスが手のひら大のチェックがこの帯です。
この帯の柄は、その日の主役です。柄の形が読めるので、見る人の目はまず柄に行きます。だからこそ、主役を一か所に絞ることが大事になります。
一か所に絞るというのは、柄を着る場所を、上半身か下半身かストールか、どこか一つに決めることです。柄のブラウスを着る日はボトムを無地に、柄のスカートを履く日はトップスを無地にします。ストールを柄にする日は、服は上下とも無地にします。
主役の柄の色から一色を拾って、無地の側に置くと、全体がまとまります。紺・からし・えんじのペイズリーのスカートなら、トップスは紺の無地か、からしに近い生成りの無地にします。柄の中にない色を無地側に持ってくると、柄と無地が別々の服に見えます。
この帯の柄は、60代の秋の装いでいちばん扱いやすい柄です。形がはっきり読めるので、くすんだ面にはなりません。主張はありますが、手のひら大までなら体の大きさに対して柄が勝ちすぎることも少なく、服の形と柄が両方とも見える釣り合いになります。
手のひらを超える大柄|面積を半分以下に絞る
手のひらを超える柄、10cmを超えるような大きな花や大きなチェックは、服の形より先に柄が目に入ります。着ている人より柄のほうが先に覚えられる、と言い換えてもいいかもしれません。
大柄を使うときは、柄の見える面積を、その服の半分以下に絞ります。
- 大柄のワンピースなら、上から無地のカーディガンかジャケットを羽織り、前を開けて着る。前から見える柄の面積が半分以下になる
- 大柄のスカートなら、上にやや長めの無地のトップスを合わせて、腰まわりの柄を隠す
- 大柄のストールなら、広げずに細長くたたんで首にかける。柄の一部だけが見える
面積を絞ると、大柄は「大きな柄の一部分」として見えるようになり、柄が服の形を押しのけなくなります。大柄の服を持っていて、着ると柄だけが歩いているように感じる方は、この方法で一度試してみてください。
もう一つ、大柄を使いやすいのは、顔から遠い場所です。スカートの裾に向かって大きな柄が入っているようなデザインは、柄の主張が足元に下りるので、上半身は落ち着いて見えます。
もう一つの物差し|柄と地色の明るさの差を写真で見る
柄ひとつの大きさと並ぶ、もう一つの物差しが、柄と地色の明るさの差です。迷う帯の柄は、ほとんどこちらで決まります。
明るさの差は、目で見て判断しようとすると、色の印象に引っ張られます。えんじと茶は色としては違って見えますが、明るさはほとんど同じです。そこで、スマホのカメラで白黒の写真を撮って見ます。
手順はこうです。
- 服を平らに広げるか、ハンガーにかけて壁の前に吊るす
- 2m離れて、カメラのモノクロの設定か、撮ったあとに白黒の加工をかける
- 写真を画面の中で小さくして見る
白黒にすると、色の違いが消えて、明るさの差だけが残ります。写真の中で柄がはっきり見えれば、明るさの差は十分です。柄が灰色の面に溶けて見えれば、明るさの差が小さい柄です。
| 白黒写真での見え方 | 判断 |
|---|---|
| 柄の形がはっきり残る | 明るさの差が十分。迷う帯でも柄物として成り立つ |
| 柄があることは分かるが、輪郭がぼやける | 境目。顔から離すか、明るい無地を挟む |
| 柄が灰色の面に溶ける | 明るさの差が小さい。顔の近くでは避ける |
写真を小さくして見るのは、2m離れて見るのと同じ効果を作るためです。画面いっぱいに見ると、近くで見ているのと同じになって、細かい柄まで読めてしまいます。
60代の装いでこの物差しが効くのは、顔まわりの明るさと関係しているからです。髪の色が明るくなってきた方、肌の色が年齢とともに少し落ち着いてきた方は、顔のすぐ下に明るさの差が小さい柄の面があると、顔と服の境目がぼやけやすくなります。逆に、明るさの差がはっきりした柄は、顔の近くにあっても境目を作ってくれます。
顔から何cm離すか|柄の大きさと置き場所
柄の大きさが決まったら、次はどこに置くかです。考え方は一つで、大きい柄ほど顔から離します。
目安として、顔の下端、あごの先からの距離で考えます。
- あごから20cm以内(首元・胸の上):指先より小さい柄か、手のひら大で明るさの差がはっきりした柄
- あごから20〜50cm(胸から腰):手のひら大までの柄。迷う帯の柄は、明るさの差が十分なものだけ
- あごから50cm以上(腰から下):どの大きさでも置ける。大柄はここがいちばん扱いやすい
あごから20cm以内に手のひら大の柄を置く場合は、面積を上半身の半分までにしてください。前を開けたジャケットの内側に柄のブラウスを着るような形です。首元から胸まで一面に手のひら大の柄が広がると、顔と柄が同じ強さで目に入り、どちらも見づらくなります。
自分のあごからの距離は、鏡の前で手を使って確かめられます。あごの下に手のひらを縦に当てて、手の下端がだいたい20cm弱の位置になる人が多いはずです。そこから下に、もう一つ半ぶん手のひらを並べたあたりが50cmの目安です。
ストールやスカーフは、この距離を自分で動かせる道具です。首に巻けばあごのすぐ下、肩にかけて垂らせば胸から腰に柄が下ります。同じストールでも、巻き方で柄の置き場所が変わるので、柄の大きさに合わせて巻き方を選んでください。
秋の定番柄ごとの測り方
秋の売り場に並ぶ柄は、種類によって「柄ひとつ」の取り方が少しずつ違います。測り方だけを書いておきます。柄の名前で迷う方はチェック柄の名前も参考にしてください。
チェック:同じ配色が繰り返すひとマスを測ります。細い線が何本も交差していても、2m離れて同じ模様が繰り返して見える単位がひとマスです。グレンチェックのように、大きなマスの中に細かいマスが入っている柄は、大きなマスを測ります。ただし、大きなマスの線が細くて薄い場合は、遠目に大きなマスが見えず、細かいマスだけがにじんで見えることがあります。そのときは、白黒写真で見えるほうのマスを測ってください。
千鳥格子:鳥の形ひとつを測ります。ほとんどが指先より小さいか、指2本くらいです。指先より小さい千鳥は無地として扱えますが、白と黒のように明るさの差が大きい千鳥は、遠目にちらつきます。紺と灰、茶と生成りのように明るさの差を抑えた千鳥のほうが、無地として扱いやすくなります。
ペイズリー:しずく形ひとつを測ります。ペイズリーは一つのしずくの中に細かい模様が詰まっているので、近くで見ると細かい柄に見えますが、2m離れるとしずく形が単位になります。地色が深く、しずくの色も深い秋のペイズリーは、迷う帯で明るさの差が小さくなりやすい柄です。白黒写真で一度確かめてください。
小紋・小花:花ひとつ、模様ひとつを測ります。花と花の間隔が詰まっているほど、遠目には一色にまとまります。間隔が花ひとつぶん以上あると、地色が見えるので、柄の存在が分かりやすくなります。
ボーダー・ストライプ:線の太さと、線と線の間隔の両方を見ます。線の太さと間隔を足した幅を「柄ひとつ」として測ってください。1cmの線が1cm間隔で並ぶボーダーなら、柄ひとつは2cmで、迷う帯の手前です。線の幅と間隔が違う場合は、太いほうの幅に引っ張られて見えます。
ドット:ドットひとつの直径と、ドットとドットの間隔を見ます。直径が指先より小さく、間隔も狭いドットは無地に近く見えます。直径が指2本以上あるドットは、間隔にかかわらず柄として読めます。
どちらとも取れるとき① 大小が混ざった柄
ここからは、4つの帯のどこに入れるか決めにくい柄の扱いです。検索結果の短い答えでは出てこない部分なので、少し丁寧に書きます。
最初は、一枚の中に大きい柄と小さい柄が混ざっている場合です。大きな花の間に小さな花が散っている柄、大きなマスの中に細かい格子が入るチェック、大小のペイズリーが重なった柄がこれに当たります。
判断の手順は次の通りです。
- 2m離れて見る。いちばん先に目に入る柄の大きさを測る
- 白黒写真を撮る。写真の中で残っている柄の大きさを測る
- 1と2が同じ帯なら、その帯で扱う
- 1と2が違う帯なら、白黒写真で残ったほうの帯で扱う
4番目の理由は、色の印象は時間とともに慣れるけれど、明るさの差は最後まで目に残るからです。大きい花が鮮やかな色で目を引いていても、明るさの差が小さければ、しばらく見ていると柄は溶けて、その間の小さな花のほうがちらついて見えてきます。
大きい柄と小さい柄の大きさの差が、3倍以上あるかどうかも見てください。3倍以上離れていれば、大きい柄が主役、小さい柄が地の一部として働き、手のひら大の柄と同じように扱えます。差が2倍くらいだと、どちらも主役になろうとして、全体として迷う帯の柄と同じ見え方になります。
どちらとも取れるとき② 小さいのに強い柄、大きいのに弱い柄
二つ目は、大きさと明るさの差が逆向きに働いている柄です。
小さいのに強い柄は、指先より小さいのに、白と黒のように明るさの差がとても大きい柄です。無地として扱うつもりで着ると、遠目にちらついて落ち着きません。この柄は、大きさの帯を一つ上げて、迷う帯として扱ってください。つまり、顔から20cm以内には大きな面積で置かず、首元に無地を挟むか、ジャケットやスカートなど顔から離れた場所で使います。
大きいのに弱い柄は、手のひら大なのに、柄と地色の明るさがほとんど同じ柄です。秋の深い色どうしで作られた大柄に多く、近くで見ると柄の形が読めるのに、2m離れると大きな濃淡のむらのように見えます。この柄は、大きさの帯を一つ下げて、迷う帯として扱います。主役として一か所に置いても、遠目には柄として働かないので、顔の近くに明るい無地を挟んで区切りを作ってください。
どちらの場合も、大きさの帯と明るさの差の判断が食い違ったら、明るさの差のほうを優先すると覚えておくと迷いません。大きさは近くで見たときの情報、明るさの差は遠くから見たときの情報です。人に見られるのは、ほとんどが遠くからだからです。
どちらとも取れるとき③ 白髪・眼鏡・アクセサリーとの重なり
三つ目は、柄そのものではなく、顔まわりにすでにある「柄のようなもの」との重なりです。60代の装いでは、ここが判断を分けることが少なくありません。
白髪や、明るい色が混ざった髪は、遠目には細かい柄のように見えることがあります。黒い髪と白い髪が細かく混ざっていると、指先より小さい柄と同じ働きをするのです。この場合、首元にも細かい柄を置くと、髪と服の柄が一続きに見えて、顔の輪郭がぼやけることがあります。髪の色が混ざってきた方は、首元には無地か、手のひら大で明るさの差のはっきりした柄を置くと、髪と服の間に区切りができます。
眼鏡のフレームも、顔の中に線を引く要素です。太めのフレームや柄の入ったフレームをかけている日は、顔のまわりにすでに一つ主張があります。その日は首元の柄を控えめにするか、柄を顔から50cm以上離した場所に置いてください。細い金属のフレームなら、ほとんど影響はありません。
大ぶりのアクセサリーも同じです。大きなネックレスやブローチをつける日は、それが柄の主役と同じ働きをします。手のひら大の柄のブラウスに大きなネックレスを重ねると、主役が二つになります。どちらか一方にしてください。
髪・眼鏡・アクセサリーのうち、二つ以上が「強め」に当たる日は、首元から胸の柄を指先より小さいものに替えるか、無地にしてください。顔まわりに主張が集まりすぎると、どれも見えにくくなります。
柄と柄を合わせる日|大きさを3倍以上離す
柄物どうしを合わせたい日もあると思います。60代になると柄を重ねるのは避けたほうがいいと言われることもありますが、条件を守れば重ねられます。
条件は一つです。二つの柄の大きさを3倍以上離すことです。
- 手のひら大のチェックのスカートに、指先より小さいドットのブラウス:大きさの差は5倍以上。ブラウスは遠目に無地として働く
- 指2本くらいの小花のブラウスに、手のひら大のペイズリーのストール:大きさの差は2〜3倍。境目。色をそろえないとぶつかる
- 手のひら大の花柄のワンピースに、手のひら大のチェックのストール:大きさの差がない。主役が二つになる
大きさの差が3倍に届かない場合は、二つの柄に共通する色を一つ以上入れてください。紺の小花と紺のペイズリーなら、紺でつながるので、大きさが近くても一続きの装いに見えやすくなります。
柄の種類が違うことは、あまり気にしなくてかまいません。チェックと花柄、ストライプとドットのように種類が違っても、大きさが3倍以上離れていれば、小さいほうが地の役に回ります。むしろ同じ種類の柄どうしで大きさが近いと、似た柄が二つ並んで、合わせ間違えたように見えやすくなります。
去年まで似合っていた柄が、急に合わなく感じるとき
「若いころから好きだった柄が、最近しっくりこない」という相談もよくあります。この場合、柄の好みが変わったというより、柄と顔まわりの明るさの釣り合いが動いたことが多いのです。
髪の色が明るくなる、肌の色が落ち着く、眉や目元の印象がやわらかくなる。こうした変化は、顔まわりの明るさの差が小さくなる方向に働きます。以前は顔まわりにはっきりした明暗があったので、明るさの差が小さい柄を着ても、顔のほうが区切りになっていました。いまは顔まわりのほうがやわらかくなったので、柄の明るさの差が小さいと、全体がひと続きに溶けて見えるのです。
この場合の対処は、好きな柄を手放すことではありません。
- 好きな柄の、明るさの差がはっきりした配色を探す。同じペイズリーでも、地色が明るいものや、柄の色が明るいものがある
- 好きな柄を、顔から離した場所に移す。ブラウスで着ていた柄を、スカートやストールの先で使う
- 好きな柄の服を着るとき、首元に無地を1〜2cm挟む
どれも、柄の種類はそのままで、見え方だけを調整する方法です。手持ちの好きな柄を残しながら、いまの顔まわりに合わせることができます。
40代のころの「若作りか地味か」の迷いについては40代の秋の装いで若作りと地味の間を決める記事で書いています。60代は、その迷いが柄の大きさと明るさの差という、もう少し測りやすいところに降りてきます。
手持ちの柄物を仕分ける順番
最後に、手持ちの秋の柄物を一度に見直すときの順番をまとめておきます。
- 柄物を全部出して、床に並べる。ハンガーではなく、平らに広げる
- 一枚ずつ手のひらを当てて、4つの帯に分ける。指先より小さい・指2本〜手のひら半分・手のひら大・手のひら超え
- 指先より小さい帯は、平均の色で無地の仲間に入れる。目を細めて一色にまとまるかを確かめる。ちらつくものは次の帯へ
- 指2本〜手のひら半分の帯は、白黒写真を撮る。柄がはっきり残るもの、ぼやけるもの、溶けるものの3つに分ける
- 溶けるものは、顔から離して使う服に回す。スカート、パンツ、ストールの先。ブラウスやワンピースなら、首元に無地を挟む前提で残す
- 手のひら大の帯は、主役として着る日の服にする。合わせる無地を、柄の中の色から一色ずつ決めておく
- 手のひら超えの帯は、面積を絞る方法を決めておく。何を羽織るか、どう巻くか
この順番で分けると、手放すかどうかを決める前に、それぞれの柄の使い道が見えてきます。一枚も手放さずに、置き場所と合わせ方だけを変えて解決することも多いはずです。
秋の羽織りそのものの選び方は、70代向けに書いた70代 ファッション 秋|羽織りは重さと袖口の広さで選ぶの考え方が、60代でもそのまま使えます。柄の主役を一か所に絞る日の、無地の羽織り選びに役立ててください。
売り場で柄物を手に取ったときに見る3つのこと
新しく柄物を買うときは、売り場で次の3つだけ確かめてください。
**一つ目は、柄ひとつの大きさです。**手のひらを当てて、4つの帯のどれかを決めます。売り場では服がハンガーにかかっていることが多いので、柄が縦に伸びて見えやすい点に気をつけてください。手で軽く布を持ち上げて、伸びていない状態で測ります。
**二つ目は、2m離れた見え方です。**売り場の通路の端まで下がって、柄が読めるか、ぼやけるか、溶けるかを見ます。売り場の照明は明るいので、家で見るより明るさの差がはっきり見える傾向があります。迷ったら、スマホで白黒の写真を一枚撮っておきましょう。
**三つ目は、どこに着るかです。**その柄を顔から何cmの位置に置くつもりかを決めます。ブラウスなら20cm以内、スカートなら50cm以上です。迷う帯で明るさの差が小さい柄を、顔のすぐ下に置く服として買うなら、首元に挟む無地のインナーを持っているかを思い出してください。
この3つは、どれも自分の手と目で確かめられます。柄の流行や、年齢にふさわしい柄の種類を覚えるより、自分の体と柄の釣り合いを測るほうが、手持ちの服とも合わせやすく、売り場でも迷わずに済みます。
よくある問い
- Q. 60代になってから柄物を着ると老けて見える気がします。柄はやめたほうがいいですか
- やめる前に、柄ひとつの大きさを測ってください。老けて見えると感じる柄の多くは、指2本から手のひら半分の帯で、しかも地色との明るさの差が小さいものです。2m離れると柄が読めず、くすんだ一色の面に見えるので、顔まわりの明るさが足りなく見えます。同じ帯でも明るさの差がはっきりした柄に替えるか、指先より小さい柄にして無地として扱うと、印象が変わります。
- Q. 柄の大きさは、どこからどこまでを測ればいいですか
- 2m離れて見たときに、ひとかたまりに見える単位を測ります。花柄なら花ひとつ、チェックなら同じ配色が繰り返すひとマス、ペイズリーならしずく形ひとつです。近くで見ると細かい線があっても、離れて一つに見えるならそれが単位です。大小が混ざっている柄は、いちばん大きく見える単位を測ってください。
- Q. 手のひらの大きさは人によって違いますが、それでも物差しになりますか
- なります。この物差しは、柄と着る人の体の釣り合いを見るためのものなので、むしろ自分の手で測るほうが合います。手の小さい人は体も小さめのことが多く、同じ柄が相対的に大きく見えます。メジャーで測りたい場合は、自分の手のひらの幅を一度測って覚えておくと、売り場でもそのまま使えます。
- Q. 柄物と柄物を合わせてもいいですか
- 合わせてかまいません。条件は、二つの柄の大きさを3倍以上離すことです。手のひら大のチェックのスカートに、指先より小さいドットのブラウスなら、ブラウスは遠目に無地として働くので、柄がぶつかりません。同じくらいの大きさの柄を二つ重ねると、どちらが主役か分からなくなります。
— メグラシ編集部





