50代ファッション|長く着た秋冬服がくたびれて見えるときの直し方

**衣替えで出した秋冬服を1枚、昼間の窓際に持っていって、首元と袖口と脇の下を見てください。首元が波打っていたり、脇の下に毛玉があったりしませんか。**あるなら、くたびれて見える原因は服の形や色ではなく、服そのものの疲れです。
50代のクローゼットには、10年近く大切に着てきた服が多くあります。よい服を長く着るのは素敵なことですが、そのぶん、服の側には少しずつ疲れがたまります。くたびれて見えるのは、服が似合わなくなったからではなく、服の疲れが目に入る量を超えたからです。
この記事では、長く着た秋冬服のくたびれを7か所に分けて確かめ、家で直せるもの、店に頼むもの、着方で目立たなくするもの、手放すものに分けます。手持ちの定番を丈と首元と厚みで選び直す方法は50代ファッションのカジュアルに、秋の深い色の入れ方は50代の秋のファッションにまとめてあります。
結論:くたびれて見えるのは、7か所のどこか
| くたびれが出る場所 | 確かめ方 | 家で直せるか | 直せないときは |
|---|---|---|---|
| 首元の伸び | 首元が波打っていないか | 浅いものはスチームで | 上にスカーフか襟のあるものを重ねる |
| 袖口と裾のリブ | 伸びて戻らないか | ほぼ戻らない | 袖をまくる、裾を出さずに着る |
| 毛玉と毛羽立ち | 脇の下・袖の内側・胸元 | 取れる | 顔から遠い場所なら着てよい |
| 色あせ | 新しい同じ色と並べる | 戻らない | 同じ色でそろえず、別の色と組む |
| テカリ | 膝・お尻・肘を光にかざす | 浅いものはスチームとブラシで | 丈の長い上で隠す |
| 形崩れ | 肩・ポケット・コートの前 | 吊るし方で戻ることがある | 前を留めて着る |
| 靴とバッグの角 | かかと・つま先・バッグの底の角 | 色を補う、かかとを替える | 店に頼むか替える |
**7か所のうち、顔に近い場所から順に見てください。**首元と胸元のくたびれは、相手の目にいちばん入るので、ほかの場所より大きく印象に響きます。逆に、膝やお尻のくたびれは、上に重ねるもので隠せることが多い場所です。
50代のクローゼットで、くたびれが起きやすい理由
くたびれは誰の服にも起きますが、50代のクローゼットでは、いくつかの理由が重なります。
| 起きていること | くたびれへの影響 | 気をつける場所 |
|---|---|---|
| よい服を長く着ている | 1着あたりの着た回数が多い | 首元と脇の下 |
| 定番の色を何年も買い足していない | 黒や紺が同じ時期に一斉に褪せる | 上下の黒の差 |
| 洗える服を家で洗う回数が増えた | 縮みや伸びが進む | 袖口と裾のリブ |
| バッグを同じ肩にかけ続けている | 片側の肩と脇だけ擦れる | コートとニットの片側 |
| 気に入った靴を履き続けている | かかととつま先がすり減る | 靴の後ろ姿 |
**よい服ほど長く着るので、くたびれが目に入るまでに時間がかかり、気づいたときには一斉に出ていることがあります。**秋冬の始まりに一度点検しておくと、季節の途中で慌てずに済みます。
確かめ方|窓際の自然の光で見る
くたびれは、部屋の照明の下ではほとんど見えません。毛羽立ちや色あせ、テカリは、横から差し込む自然の光で初めてはっきりします。
| 見る場所 | 光の当て方 | 見えるもの |
|---|---|---|
| 首元と胸元 | 窓に向かって服を持ち、正面から見る | 伸び、波打ち、毛羽立ち |
| 脇の下と袖の内側 | 腕の部分を窓にかざして、横から光を当てる | 毛玉 |
| 黒や紺の生地 | 手持ちの新しい同じ色と並べて窓際に置く | 色あせ |
| 膝とお尻と肘 | 生地を斜めに傾けて光を滑らせる | テカリ |
| 肩と前 | ハンガーに掛けて正面から見る | 形崩れ |
**時間は昼の11時から14時くらいがいちばん見やすくなります。**夕方の光は赤みが強く、色あせが分かりにくくなります。服を着た状態で見たいときは、窓際に立ってスマートフォンで写真を撮ると、自分では見えない背中や脇も確かめられます。
首元|襟ぐりの伸びと波打ち
首元は、くたびれがいちばん目に入る場所です。かぶって着るニットやカットソーは、着るたびに首元が引っぱられるので、少しずつ伸びていきます。
| 首元の状態 | 見え方 | 扱い |
|---|---|---|
| 首に沿って平らに収まる | くたびれていない | そのまま着る |
| わずかに波打つ | 近くで見ると分かる | スチームを当てて、平らに置いて乾かす |
| はっきり波打つ | 1m離れても分かる | 上にスカーフか、襟のあるものを重ねる |
| 首元が広がって肩が見える | 形が変わっている | 外に着ていく服からは外す |
| リブの端がほつれている | 近くで見ると分かる | 縫い直すか、家で着る服に回す |
**わずかな波打ちなら、スチームを当てて平らに置いて乾かすと、かなり戻ります。**はっきり波打っている首元は、スチームでは戻りきりません。その場合は、首元を隠す着方に切り替えてください。シャツを中に着て襟を出す、薄いスカーフを巻く、襟のある羽織りを重ねるといった着方で、首元の伸びは目に入らなくなります。
袖口と裾のリブ|伸びて戻らない
ニットやスウェット地の袖口と裾のリブは、伸びると元に戻りにくい場所です。袖をまくったり、裾を引っぱったりする癖があると、さらに早く伸びます。
| リブの状態 | 見え方 | 扱い |
|---|---|---|
| 手首と腰にきゅっと沿う | くたびれていない | そのまま着る |
| 少しゆるいが、形は残る | ほとんど分からない | そのまま着る |
| 広がって手首から浮く | 袖口が開いて見える | 袖を2回折り返して着る |
| 裾が波打って広がる | 腰まわりが乱れて見える | 裾をボトムスに入れるか、上に羽織る |
| リブが薄くなって透ける | 近くで見ると分かる | 家で着る服に回す |
**伸びた袖口は、折り返すと目立たなくなります。**2回折り返すと、伸びた部分が内側に入り、外から見える袖口はまだ伸びていない部分になります。裾が波打っているニットは、裾をボトムスに軽く入れるか、丈の長い羽織りを重ねると、波打ちが見えなくなります。
毛玉と毛羽立ち|擦れる場所に出る
毛玉は、生地どうしが擦れる場所に出ます。脇の下、袖の内側、バッグが当たる腰や肩、座ったときに擦れるお尻です。
| 毛玉の出る場所 | 原因 | 扱い |
|---|---|---|
| 脇の下 | 腕を下ろすたびに擦れる | 着る前の晩に取る |
| 袖の内側 | 机や体に擦れる | 着る前の晩に取る |
| 胸元 | バッグの持ち手や上着と擦れる | 取って、薄くなっていないか確かめる |
| 腰の横 | バッグが当たる | 取って、バッグを反対の肩にかける |
| コートの脇や袖口 | 腕を振るたびに擦れる | 取って、ブラシで整える |
**毛玉は取れば見た目がかなり戻りますが、取るたびに生地が少しずつ薄くなります。**取ったあとに地の編み目が透けて見えるようなら、その場所は薄くなりかけています。素材ごとの取り方はセーターの毛玉の取り方は素材で変わるに、コートの毛玉はコートの毛玉の取り方に詳しく書いてあります。
毛羽立ちは、毛玉になる前の段階です。表面がけば立って白っぽく見えるときは、洋服ブラシで毛の流れに沿って整えると、毛羽が寝てまとまり、表面の白っぽさが消えます。
色あせ|黒と紺は、新しいものと並べて分かる
黒や紺は、洗うたびと日に当たるたびに、少しずつ褪せていきます。1着だけを見ていると気づきにくく、新しい同じ色と並べて初めて分かります。
| 色あせの具合 | 見え方 | 扱い |
|---|---|---|
| 新しいものと並べても差が分からない | 褪せていない | そのまま着る |
| 並べるとわずかに明るい | 単独で着れば分からない | 上下を別の色で組む |
| 並べるとはっきり明るい | 赤みや茶色みが出る | 顔から遠い場所に回す |
| 縫い目やポケットの口だけ色が濃い | 色あせがまだらに見える | 外に着ていく服からは外す |
| 黒が灰色に見える | 1m離れても分かる | 家で着る服に回す |
**色あせた黒は、新しい黒と組むと差が強く出ます。**上下を同じ黒でそろえたいときは、上下の色の差を窓際で確かめてください。差があるなら、上を別の色にすると、色あせが目立たなくなります。白や生成りのような明るい色と組むと、黒の褪せはほとんど分かりません。
紺は、褪せると少し紫みや緑みが出ることがあります。窓際で新しい紺と並べて、色の向きが違って見えたら、それも色あせです。紺の褪せは黒より目立ちにくいので、グレーやベージュと組めば、まだ外で十分に着られます。黒と紺の褪せた服を同じ日に重ねると、どちらの褪せも強調されるので、片方は新しいものにしてください。
テカリ|膝・お尻・肘
パンツの膝やお尻、ジャケットやコートの肘は、擦れや押されることで表面が平らになり、光って見えるようになります。
| テカリの具合 | 見え方 | 扱い |
|---|---|---|
| 光にかざすとわずかに光る | 普段は分からない | スチームを浮かせて当て、ブラシで起こす |
| 普段の光でも光る | 座ったあとに目立つ | 上に丈の長いものを重ねる |
| 表面が薄くなって光る | 近くで見ると地の糸が見える | 外に着ていく服からは外す |
| 肘が光って丸く出ている | 腕を下ろすと分かる | 上着として着る日を減らす |
**浅いテカリは、スチームを生地から少し浮かせて当て、洋服ブラシで毛を起こすと目立たなくなります。**アイロンを直接当てると、かえって光ることがあるので、当て布を使うか、浮かせて蒸気だけを当ててください。表面が薄くなっているテカリは、戻りません。
テカリは、同じ場所が繰り返し押されることで進みます。パンツなら座る時間の長い日、コートなら肘をつく机仕事の日です。テカリの出始めたパンツは、長く座る日には履かず、立っている時間の長い日に回すと、それ以上進みにくくなります。
形崩れ|肩・ポケット・コートの前
ジャケットやコートは、掛け方と着方の癖で形が崩れます。
| 崩れる場所 | 原因 | 扱い |
|---|---|---|
| 肩に角のような出っぱりができる | 細い針金のハンガーに掛けている | 肩の厚いハンガーに替える |
| ポケットの口が開いて戻らない | 物を入れて歩いている | 口を軽く縫い閉じる |
| コートの前が波打つ | 前を開けて着ることが多い | 前を留めて吊るす |
| 襟の先が反り返る | 首元を何度も直している | スチームを当てて形を整える |
| 背中に縦のしわが残る | 座るときに脱がない | 座る前に脱ぐか、裾を広げて座る |
**肩の出っぱりは、ハンガーを替えるだけで戻ることがあります。**肩の厚い木のハンガーに掛けて1週間ほど吊るしておくと、肩の丸みが戻ってきます。ポケットの口は、物を入れないなら軽く縫い閉じておくと、開いた形が目立たなくなります。
コートの前の波打ちは、着ていない間の掛け方で大きく変わります。前を開けたまま掛けると、前の端が自分の重さで外に反り、着たときにも波打ちが残ります。掛けるときはいちばん上のボタンだけでも留め、前の端をそろえてください。玄関の壁に掛けたままにしているコートは、湿気でも形が崩れるので、帰ったら一晩風を通してからクローゼットに戻します。
靴とバッグ|かかとと角のすれ
足元と手元の小物も、くたびれが出やすい場所です。服はきれいでも、靴のかかとやバッグの角がすれていると、全体の印象がそちらに引っぱられます。
| 小物の場所 | くたびれ方 | 扱い |
|---|---|---|
| 靴のかかと | ゴムが斜めにすり減る | かかとのゴムを替える |
| 靴のつま先 | 表面がすれて色が抜ける | 同じ色の手入れ用の色で補う |
| 靴の履き口 | 形がゆがむ | 中に詰め物をして保管する |
| バッグの底の角 | 擦れて色が抜ける | 同じ色の手入れ用の色で補う |
| バッグの持ち手 | 手の脂で光る、ひびが入る | ひびがあるなら持ち手を直すか替える |
**靴は後ろから見てください。**自分では見えない場所ですが、歩いているときに人の目に入るのはかかとです。かかとのゴムが斜めに減っていると、靴全体がくたびれて見えます。
バッグは、底を上にして見てください。床や机に置くときに当たる底の角は、持ち主が気づかないうちに色が抜けていきます。手入れ用の色で補うと、ほとんど分からなくなります。持ち手のひびは、補っても広がっていくので、早めに修理の店に見せるほうが確実です。
直せるか、手放すか|分け方の表
点検したくたびれを、どう扱うかを決めます。
| くたびれの場所と深さ | 顔に近いか | 扱い |
|---|---|---|
| 首元の浅い波打ち | 近い | 家で直して、外に着る |
| 首元のはっきりした伸び | 近い | 首元を隠す着方にするか、家で着る |
| 胸元の毛玉で透けがある | 近い | 家で着る服に回す |
| 膝やお尻の浅いテカリ | 遠い | 家で直して、外に着る |
| 黒の色あせ | 場所による | 顔から遠い場所に回して、別の色と組む |
| この一季節に一度も着なかった | ― | 手放す |
**分け目は、顔に近いかどうかです。**顔に近い場所のくたびれは、相手の目にいちばん入るので、外に着ていく服からは外します。顔から遠い場所なら、隠せるうちは残して構いません。
外に着る服から外した1枚は、すぐに手放さなくても構いません。家の中や庭仕事、近所への用事で着る服として、もう一季節働いてもらえます。
家でできる直し方
家で直せるくたびれは、思っているより多くあります。道具は3つで足ります。
| 道具 | 直せるもの | 使い方 |
|---|---|---|
| 洋服ブラシ | 毛羽立ち、浅いテカリ、ほこり | 毛の流れに沿って上から下へ |
| スチームの出るアイロン | 首元の浅い波打ち、浅いテカリ、しわ | 生地から少し浮かせて蒸気だけ当てる |
| 毛玉取りの道具 | 毛玉 | 生地を平らな台に置いて、軽く当てる |
| 肩の厚いハンガー | 肩の出っぱり、背中のしわ | 1週間吊るしておく |
| 手入れ用の色 | 靴やバッグの角の色抜け | 同じ色を少しずつ塗る |
**いちばん効くのは、着る前の晩の10分です。**翌日に着る1枚だけをブラシで整え、毛玉があれば取り、首元に蒸気を当てて平らに置いておく。全部の服をまとめて直そうとすると手が止まるので、着る1枚ずつ直すほうが続きます。前の晩の手順は毛玉を取る方法、簡単なのはにまとめてあります。
店に頼む直し方
家では直せないくたびれも、店に頼めば直るものがあります。
| くたびれ | 頼む先 | 直り方 |
|---|---|---|
| 靴のかかとのすり減り | 靴の修理の店 | ゴムを新しくする |
| バッグの持ち手のひび | 革の修理の店 | 持ち手を作り直す |
| 小さな穴や虫食い | 衣類の修理の店 | 周りの糸で目立たなく埋める |
| ポケットの口の破れ | 衣類の修理の店 | 補強して縫い直す |
**気に入っている1着なら、修理の店に一度見せる価値があります。**直せるかどうかは店で見てもらうまで分からないことが多いので、まず相談だけしてみてください。
修理の店に持っていくときは、気になる場所に小さな付箋を貼っておくと、話が早く進みます。1着だけでなく、同じ季節に着る靴やバッグもまとめて見てもらうと、どれを直してどれを替えるかを一度に決められます。直すほうが買い替えるより手間に感じるときは、その1着がどれだけ気に入っているかで決めて構いません。
着方で、くたびれを目立たなくする
直せないくたびれも、着方で目に入らなくできます。
| くたびれ | 着方 |
|---|---|
| 首元の伸び | シャツを中に着て襟を出す、薄いスカーフを巻く |
| 袖口の伸び | 2回折り返す、上に袖のある羽織りを重ねる |
| 裾の波打ち | 裾をボトムスに入れる、丈の長い羽織りを重ねる |
| パンツの膝のテカリ | 膝まで届く丈のニットや羽織りを重ねる |
| 黒の色あせ | 上下を別の色にする、明るい色と組む |
**くたびれた場所の上に、新しい1枚を重ねるのがいちばん確実です。**新しい1枚が顔に近い場所にあれば、相手の目はそちらに行き、下のくたびれはほとんど目に入りません。
重ねる1枚は、首元から胸までに明るさのあるものを選ぶと、さらに効果があります。明るい色のスカーフや、生成りのシャツの襟は、くたびれた黒や紺のニットの上で、顔のすぐ下に新しい面を作ります。
買い替えるなら、顔に近いものから
点検の結果、何かを買い替えるなら、顔に近いものから順番に替えます。
| 買い替える順番 | もの | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 首元の見えるトップス | 相手の目にいちばん入る |
| 2 | 羽織り | 顔のすぐ下に面積が広い |
| 3 | コート | 外で人に会うときにまず見られる |
| 4 | 靴 | 歩くたびにかかとが見られる |
| 5 | ボトムス | 上で隠せることが多い |
**新しいトップスが1枚あると、くたびれた羽織りやボトムスもまだ使えます。**顔に近い場所が新しければ、全体の印象はそちらに引っぱられるからです。買い替えるのは1枚ずつで十分です。
買い替えるときは、くたびれた1着と同じものを探すより、くたびれの出た場所を確かめてから選んでください。首元が伸びたニットの次は、首元のリブがしっかりしたもの。脇に毛玉ができたニットの次は、表面のなめらかなもの。同じ場所でくたびれが繰り返されないように選ぶと、次の点検が楽になります。
長く着られる服の見分け方
次に買う服を、くたびれにくいものにしておくと、点検の手間も減ります。
| 見る場所 | くたびれにくいもの | くたびれやすいもの |
|---|---|---|
| ニットの首元 | 首元のリブが2重になっている | 首元が1枚の薄いリブ |
| ニットの表面 | 糸がよく撚られて表面がなめらか | 糸がふんわりして毛が立っている |
| 袖口と裾 | リブの幅が広く、目が詰まっている | リブの幅が狭く、目が粗い |
| パンツの生地 | 表面に凹凸のある織り | 表面がなめらかで光沢がある |
| コートの生地 | 目の詰まった厚い織り | 毛足の長い柔らかい生地 |
**ふんわりした柔らかいニットは着心地がよい反面、毛玉ができやすい素材です。**長く外で着たいなら、表面がなめらかで目の詰まったものを選び、ふんわりしたものは家で着る1枚として楽しむという分け方もあります。
売り場で見分けるときは、ニットの表面を手のひらで軽くこすってみてください。こすったあとに毛が立って表面が白っぽくなるものは、着ているうちに毛玉になりやすい素材です。袖口のリブは、指で横に引っぱって離し、すぐに元の幅に戻るかを見ます。戻りの遅いリブは、何度か着るうちに伸びたままになります。
洗い方で、くたびれの進み方が変わる
くたびれの多くは、着ているときより洗っているときに進みます。洗い方を少し変えるだけで、同じ服をもう1〜2年きれいに着られることがあります。
| くたびれ | 進ませる洗い方 | 進みにくい洗い方 |
|---|---|---|
| 首元の伸び | 洗濯機で他の服と絡まる | 裏返して洗濯ネットに入れる |
| 毛玉 | 表のまま、タオルなどと一緒に洗う | 裏返して、同じような素材だけで洗う |
| 黒の色あせ | 日の当たる場所に干す | 裏返して日陰に干す |
| ニットの伸び | 吊るして干す | 平らに置いて干す |
| リブの伸び | 乾燥機にかける | 形を整えて自然に乾かす |
**いちばん効くのは、裏返して洗濯ネットに入れることです。**表面が他の服と擦れなくなるので、毛玉も色あせも進みにくくなります。黒や紺の服は、裏返したまま日陰に干すだけで、色の褪せ方がかなりゆっくりになります。
ニットを吊るして干すと、水を含んだ重さで首元と肩が下に引っぱられ、乾いたときには伸びています。平らな台やネットの上に、形を整えて置いて干してください。家で洗える表示があっても、気に入っている1着は、洗う回数そのものを減らすのも1つの方法です。1回着るごとに洗うのではなく、ブラシをかけて風を通し、においや汚れが気になったときだけ洗います。
しまい方で、次の秋のくたびれを減らす
秋冬の服は、半年近くしまっておく服でもあります。しまい方によっては、出したときにくたびれが進んでいることがあります。
| しまうときの状態 | 次の秋に起きること | しまう前にやること |
|---|---|---|
| 汚れが残ったまま | 黄ばみや虫食いが出る | 一度洗うかクリーニングに出す |
| ニットをハンガーに掛けたまま | 肩に出っぱりができ、首元が伸びる | たたんで引き出しにしまう |
| コートを細いハンガーに掛けたまま | 肩の形が崩れる | 肩の厚いハンガーに掛ける |
| 詰め込んで押しつぶされたまま | しわが固まり、毛足が寝る | 少し余裕を持たせて並べる |
| 靴を箱に入れただけ | 履き口がゆがむ | 中に詰め物をする |
**ニットはたたんで、コートは肩の厚いハンガーで、と分けてしまうだけで、次の秋に出したときの形がかなり違います。**春にしまう手間が、そのまま次の秋の点検の手間を減らします。
人に会う予定ごとに、どこまで点検するか
くたびれをどこまで気にするかは、その日に会う人と場所で変えて構いません。
| その日の予定 | 点検する場所 | 気にしなくてよい場所 |
|---|---|---|
| 近所の買い物 | なし | ほぼ全部 |
| 仕事や地域の集まり | 首元、胸元、靴のかかと | 膝やお尻の浅いテカリ |
| 友人との食事 | 首元、胸元、袖口 | 座って隠れるボトムス |
| 法事や式 | 全部、とくに黒の色あせ | なし |
| 旅行 | 首元と靴、コート | 移動中だけ着るもの |
**法事や式は、黒の服が並ぶ場です。**色あせた黒は、新しい黒の隣ではっきり差が出るので、ほかの日よりも丁寧に確かめてください。逆に、近所の買い物の日にまで全部を点検する必要はありません。くたびれた服を気持ちよく着られる日を残しておくと、手放す判断も焦らずにできます。
秋冬の始まりにやる点検
- 秋冬に着る服を、クローゼットから全部出す
- 昼の窓際で、1枚ずつ首元・袖口・脇の下を見る
- 黒と紺は、いちばん新しいものと並べて色の差を見る
- パンツとコートは、膝とお尻と肘を光にかざす
- 顔に近い場所にくたびれがあるものを、外に着る服から外す
- 家で直せるものは、着る前の晩に1枚ずつ直す
- 靴とバッグを後ろと底から見る
**全部で1時間ほどかかります。**一度に終わらなければ、トップス・羽織り・ボトムス・小物の4回に分けてください。
点検が終わったら、外に着る服、家で着る服、直してから着る服、手放す服の4つに分けて置いておきます。直してから着る服は、着る前の晩に1枚ずつ直せばよいので、まとめて片付ける必要はありません。
どちらとも取れるとき①|気に入っている1着がくたびれた
いちばん気に入っている1着に、くたびれが出てしまった。手放したくない気持ちは自然です。
この場合は、**くたびれた場所を顔から遠ざける着方に切り替えてください。**首元が伸びたニットなら、中にシャツを着て襟を出し、首元の伸びを隠します。胸元に毛玉が出たカーディガンなら、羽織りとして前を開けて着ると、胸元は中の服が見えるようになります。
それでも気になるなら、家で着る服や、近所に出かけるときの服に回してください。外に着ていく服から外しても、着る場面が変われば、気に入った1着はまだ長く楽しめます。
どちらとも取れるとき②|くたびれた感じが味にも見える
デニムや革のように、着込むほど味が出ると言われる素材もあります。その場合、くたびれと味の境目に迷うはずです。
**境目は、形が保たれているかどうかです。**デニムの色が落ちても、形がまっすぐ保たれていれば味として見えます。膝が抜けて形が変わっていたら、くたびれです。革のバッグも、色が深くなるのは味ですが、角がすれて地が見えていたり、持ち手にひびが入っていたりすれば、くたびれです。
ニットや、なめらかなウールの生地は、着込んで味が出る素材ではありません。こうした素材の毛玉や色あせは、くたびれとして扱ってください。
どちらとも取れるとき③|家族に言われたが、自分では分からない
家族に「その服、くたびれてない?」と言われたけれど、自分で見ても分からない。
この場合は、**昼の窓際で、その服を着た姿をスマートフォンで撮ってください。**自分の目は、毎日見ている服のくたびれに慣れています。写真にすると、首元の波打ちや脇の毛玉、色の褪せ方が、他人の目で見たときに近い形で見えます。
写真で見ても分からないなら、くたびれはまだ目に入る量を超えていません。そのまま着て構いません。写真で見て気になる場所があったら、その1か所だけを直してください。
よくある行き違い
**「くたびれて見えるのは、年齢のせい」。**多くの場合、くたびれているのは服のほうです。首元の伸びや毛玉、色あせを直すと、同じ人が同じ服を着ていても印象が変わります。
**「よい服だから、何年でも大丈夫」。**よい服は長く着られますが、着た回数と洗った回数だけ疲れはたまります。よい服ほど、点検と手入れで長持ちします。
**「くたびれたら全部買い替えるしかない」。**家で直せるもの、店に頼めば直るもの、着方で隠せるものがあります。買い替えるのは、顔に近い場所のくたびれが直らないときだけで足ります。
**「新しい服を買えば解決する」。**新しい服を1枚足しても、隣に並ぶ服のくたびれは残ります。先に点検して、くたびれた場所を顔から遠ざけてから買い足すと、新しい1枚がよく生きます。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 去年まで普通に着ていた服が、今年はくたびれて見えます。何が変わったのでしょうか
- 多くの場合、変わったのは服の状態です。秋冬の服は1シーズンに何十回も着て洗うので、首元の伸びや毛玉、色あせが少しずつ進みます。1年前は気にならなかった程度でも、もう1年分が重なると目に入るようになります。窓際の光の中で、首元・袖口・脇の下・膝を見てください。くたびれて見える場所は、たいていその4か所のどこかです。
- Q. 毛玉は取れば元に戻りますか
- 毛玉は取れば見た目はかなり戻りますが、取るたびに生地が少しずつ薄くなります。取ったあとに地の編み目が透けて見えるようなら、その場所は薄くなりかけています。顔から遠い場所なら気にせず着られますが、首元や胸元で透けが出ているなら、その1枚は家で着る服に回すか、上に何かを重ねて着てください。
- Q. 黒のパンツが色あせてきました。染め直せますか
- 染め直しを受けてくれる店はありますが、生地の種類や縫い糸によっては色が均一に入らないことがあります。まずは手持ちのもっと新しい黒と並べて、色の差がどれだけあるかを見てください。並べてはっきり差が分かるほど褪せているなら、上下を同じ黒でそろえる組み方は避けて、上を別の色にすると色あせが目立たなくなります。
- Q. くたびれた服を手放すかどうか、決められません
- 顔に近い場所にくたびれが出ているかどうかで分けてください。首元の伸びや胸元の毛玉のように、顔の近くに出ているくたびれは、相手の目にいちばん入るので、外に着ていく服からは外します。膝やお尻のテカリのように顔から遠い場所なら、上に丈の長いものを重ねて隠せるうちは残して構いません。どちらでもなく、ただ着ていない服なら、この一季節に一度も着なかったときに手放す、と決めておくと迷いません。
— メグラシ編集部





