アラフィフ 服 秋冬|写真で最初に目が行く場所で残す服を決める

**手持ちの秋冬服を1着着て、3歩離れたところから、全身の写真を1枚撮ってみてください。**撮ったら、画面を2秒だけ見て、すぐに伏せます。
いちばん最初に目が止まったのは、どこでしたか。
顔なら、その服は残してください。首元、肩、腰まわり、裾、色のかたまり。顔以外のどこかに目が止まったなら、その服は、止まった場所に手を入れれば、また顔のほうへ目を送ってくれる服になります。
アラフィフの秋冬服を見直すとき、鏡の前で「似合う・似合わない」を考えていると、答えが毎日変わってしまいます。昨日は似合うと思った1枚が、今日はなんとなく違って見える。ここではその迷いを、写真の中で目が止まる場所というひとつの物差しに置き換えます。
試着室で着替えたあと、自分の顔に目が行けば似合っている、服に目が行けば似合っていない。そう言われることがあります。この記事は、その見方を、手持ちの服を見直す手順にしたものです。顔以外に目が行ったとき、どこを測って、どう手を入れるかまで書いていきます。
結論:目が顔に行く服は残し、服に行く服は止まった場所から手を入れる
判定はふたつに分かれるだけです。
写真を2秒見て、最初に目が止まったのが顔なら、その服は残します。服が顔の引き立て役として働いているということで、細かな理由を探さなくて構いません。
最初に目が止まったのが服のどこかなら、その場所を書き留めます。首元なのか、肩なのか、腰まわりなのか、裾なのか、それとも服の色の面そのものなのか。その場所ごとに、確かめる寸法と手の入れ方が決まっています。
ここで大事なのは、顔以外に目が行った服を、すぐに手放す側に入れないことです。目が止まる場所がわかれば、多くの服は着方を変えるだけで顔のほうへ目を戻せます。手放すのは、着方も小物も試したあとで、それでも服に目が止まり続ける1枚だけです。
この見方のよいところは、服の値段や買った時期、流行りかどうかとは関係なく、いまの自分の上で服がどう働いているかだけを取り出せることです。長く着ている服でも目が顔に行くなら残せますし、買ったばかりの服でも目が服に止まるなら、着方から手を入れる対象になります。何年着たか、いくらだったかで判断が揺れることがなくなるので、見直しの手が止まりにくくなります。
もうひとつ、この見方は、体の形を評価しないところも大事です。目が腰まわりに止まったとしても、それは腰まわりの形の話ではなく、服の裾がその高さで終わっているという、服の側の話です。手を入れるのは服の側であって、体の側ではありません。そう考えると、写真を見るときの気持ちが少し軽くなります。
アラフィフの秋冬は、手持ちの服の数が多く、それぞれに思い出もあります。全部を残すか全部を見直すかの二択にしないために、1着ずつ、目が止まる場所を確かめていきます。
鏡ではなく写真で見る理由
鏡で見ると、目は自分の見たいところへ先に行きます。気にしている場所があれば、そこを真っ先に確かめてしまう。だから、鏡の前で見た印象は、服の印象ではなく、自分の気がかりの印象になりやすいのです。
鏡は左右が反対に映るうえ、自分が動けば映る姿も動きます。少し体をひねるだけで、肩のしわは消え、裾の線もまっすぐに見えます。人から見られているときの自分は、そんなふうに都合のいい角度を探してくれません。
写真は、撮った瞬間の姿を止めて見せます。人が自分を見るときの距離と角度に近い姿です。そして、見る時間を2秒に区切ると、気がかりの場所を探しに行く前に、服そのものが目を引く場所が先に目に入ります。
もうひとつ、写真は並べて比べられます。同じ距離・同じ高さで撮った写真を、服ごとに並べると、どの服で目が顔に行き、どの服で服に行くかが、一覧ではっきりします。鏡ではこれができません。
撮り方|3歩・腰の高さ・窓を横に
写真どうしを比べるために、撮り方を毎回そろえます。
距離は、カメラから3歩です。床に目印を置き、毎回そこに立ちます。3歩より近いと上半身しか入らず、遠いと服の細部が見えなくなります。3歩は、人と立ち話をするときの距離に近く、相手から見える自分の全身に近い姿が写ります。
高さは、腰くらいです。スマートフォンを棚や椅子の上に置いて、カメラの位置を自分の腰の高さにそろえます。目の高さから撮ると、上から見下ろす写真になり、頭が大きく脚が短く写ります。腰の高さなら、全身の比がいちばん実際に近くなります。
光は、窓を体の横に置きます。窓を正面にすると顔も服も平らに写り、窓を背にすると全身が暗くなります。横から光が入ると、服のしわや厚みに影ができて、実際の着姿に近い写真になります。
立ち方は、いつも通りで構いません。姿勢をよく見せようと背筋を伸ばすより、駅のホームで電車を待っているときのような立ち方のほうが、ふだんの自分に近い1枚になります。10秒のタイマーを使い、タイマーが鳴る直前に一度だけ深く息を吐いてから立つと、肩の力が抜けた姿が写ります。
秋冬は、上に重ねる1枚がある日とない日があります。羽織りを着て出かける服なら、羽織りを着た状態で1枚、脱いだ状態で1枚、の2枚を撮ってください。どちらで目が顔に行くかで、その服の残し方が変わります。
見方|2秒で、目が止まった場所を1語だけ書く
撮った写真は、すぐに見ないでください。何着か撮り終えてから、まとめて見ます。撮った直後は、自分がどう立っていたかを覚えているので、写真ではなく記憶を見てしまいます。
見るときは、画面を2秒だけ見て、すぐに伏せます。そして、最初に目が止まった場所を1語だけ書きます。顔、首元、肩、腰まわり、裾、足元、色。この中のどれかひとつです。
2秒より長く見ると、目は自分の気がかりを探しに行きます。2秒で区切るのは、服が勝手に目を引く場所だけを取り出すためです。
書いた1語は、写真と一緒に残しておきます。メモ帳でも、写真に書き込んでも構いません。服ごとに、目が止まった場所が1語ずつそろうと、自分の秋冬服のどこに手を入れればいいかが、全体で見えてきます。
書き留めた1語を並べてみると、同じ場所が何度も出てくることがあります。たとえば、首元という言葉が5着のうち3着で出てくる。この場合、手を入れるべきなのは1着ずつの服ではなく、首元に重ねる1枚のほうかもしれません。首の詰まった薄い1枚をひとつ持っておけば、3着分の首元が一度に整います。同じ場所が繰り返し出てくるのは、自分の秋冬服に共通する癖があるということです。その癖は、1着ずつ直すより、共通して使える1枚で受け止めるほうが早く片づきます。
反対に、目が止まる場所がばらばらなら、服ごとに手を入れていけば済みます。ばらばらであることは、特定の場所に癖がないということなので、悪い知らせではありません。
目が止まる場所ごとの、確かめる寸法と手の入れ方を、比べる軸だけ表にします。
| 目が止まった場所 | 確かめる寸法 | 最初に試す手の入れ方 |
|---|---|---|
| 顔 | 確かめなくてよい | そのまま残す |
| 首元 | 鎖骨のくぼみから首元の端までの距離 | 下に1枚重ねるか、えりを立てる |
| 肩 | 肩の縫い目と自分の肩先のずれ | 上に1枚羽織り、肩の線を上書きする |
| 腰まわり | 上の服の裾と腰の骨の上下の距離 | 前だけ入れるか、裾の長い羽織りを足す |
| 裾・足元 | 裾と靴のあいだに見える脚の長さ | 靴か、下に重ねるものを替える |
| 色 | 同じ色の面が全身に占める割合 | 顔の近くに別の色を1つ置く |
顔に目が行った服は、理由を探さずに残す
写真を見て最初に顔に目が行った服は、残す側に入れます。
ここで、なぜ顔に目が行ったのかを分析したくなるかもしれません。でも、理由は探さなくて構いません。色が肌になじんでいるのかもしれないし、首元の開きがちょうどいいのかもしれないし、形が全身にすっと収まっているのかもしれない。理由がひとつに決まらなくても、結果として目が顔に行っているなら、その服は働いています。
残すと決めた服は、写真を撮った日の着方をそのまま覚えておきます。袖をどこまで上げていたか、裾を入れていたか出していたか、どの靴を合わせていたか。同じ服でも、着方が変わると目の止まる場所は変わります。顔に目が行った着方を、その服の基本の着方にしてください。
顔に目が行った服が何着もあるなら、それがあなたの秋冬の土台です。新しく買い足すときは、これらの服と何が共通しているかを見て、その共通点を持つ1着を探すと、外れが少なくなります。
首元・肩に目が行った服は、縫い目と開きを測る
首元に目が止まった服は、首まわりの開きが、顔と服のあいだで目を止めてしまっています。
鎖骨のくぼみに指を当てて、そこから服の首元の端までの距離を見てください。首元が詰まりすぎていると、首と服の境目に横の線が強く出て、目はそこで止まります。開きすぎていると、首元の肌の面が広くなり、そこに目が行きます。
詰まりすぎているときは、えりを立てたり、首元に細い布を巻いたりして、境目の線を一本ではなく二本にすると、目が上へ抜けやすくなります。開きすぎているときは、下に首の詰まった薄い1枚を重ねます。重ねる1枚がのぞく深さの考え方は、ネックラインの名前|秋冬は下に重ねる1枚がのぞく深さで選ぶに詳しく書いています。
肩に目が止まった服は、肩の縫い目の位置を見ます。両腕を下ろした状態で、肩の縫い目が自分の肩先、つまり腕の付け根の骨のいちばん外側から、指1本分以上ずれていないかを確かめます。内側にずれていると肩が引っぱられて横じわが出ます。外側に大きく落ちているのに、それがデザインとしてではなく、サイズの違いとして見えると、そこで目が止まります。
肩の縫い目がずれている服は、上に1枚羽織って、羽織りの肩の線で上書きすると、目が肩に止まらなくなります。秋冬は羽織る機会が多いので、肩に目が行った服は、羽織りと組み合わせる服として残す、という残し方もあります。
腰まわり・裾・足元に目が行った服は、終わる位置を測る
腰まわりに目が止まった服は、多くの場合、上の服の裾が終わる位置が、目を止めています。
立った状態で、腰の骨のいちばん出ているところに指を当て、上の服の裾がそこから上下どれくらいの位置で終わっているかを見てください。腰の骨とほぼ同じ高さで終わっていると、全身の真ん中に横の線が引かれて、目がそこで止まりやすくなります。
この場合は、裾を前だけ少し入れて、前と後ろで終わる高さをずらします。あるいは、腰の骨より手のひらひとつ分以上長い羽織りを上に重ねて、裾の線を下へ移します。どちらも、横の線を一本の位置から外すための手の入れ方です。生地が柔らかく腰まわりでたるむ服は、たるみそのものに目が行くこともあります。その場合は、裾を前だけ入れるほうが、たるみが整います。
裾や足元に目が止まった服は、裾と靴のあいだに見える部分を見ます。スカートやパンツの裾から靴までのあいだに、脚や靴下がどれくらい見えているか。秋冬は、その部分が中途半端に見えると、そこに目が行きます。
見えている部分が手のひらの幅より狭いときは、靴を足首の隠れるものに替えるか、裾と靴の色をつなげると、目が下で止まらなくなります。手のひらの幅より広く見えているなら、タイツや厚手の靴下の色を、スカートか靴のどちらかにそろえてください。裾の長さそのものの見直しは、年代の違う記事ですが30代 ファッション 秋冬|20代の服は肩と裾の位置で残すか決めるの測り方がそのまま使えます。
色の面に目が行った服は、同じ色の割合を見る
最初に目が行ったのが、服のどこかの場所ではなく、色のかたまりそのものだった場合があります。濃い色のコートの面、明るいニットの面、全身同じ色の面。
秋冬は、深い色や濃い色の服が増えます。濃い色が全身の大部分を占めると、その面が強く目を引き、顔より先に色に目が行きます。
写真の中で、同じ色の面が全身のどれくらいを占めているかを、ざっくり見てください。全身を縦に3つに分けて、そのうち2つ以上が同じ色なら、色の面が強く出ています。
この場合は、顔の近くに別の色をひとつ置きます。首元に明るい色の1枚をのぞかせる、首に巻く布を顔になじむ色にする。顔の近くに色の切り替わりがひとつあると、目は色の面から、その切り替わりのほうへ、つまり顔のほうへ上がっていきます。
明るい色の面に目が行った場合は、逆に、下半身か足元に深い色をひとつ置くと、明るい面が上半身にまとまり、目が顔の近くに留まります。
どちらとも取れるとき① 目が2か所に分かれた
2秒見たときに、目がふたつの場所を行き来して、どちらが先かわからないことがあります。顔と首元、顔と裾、というように。
この場合は、まず、その2か所のうちどちらかが顔かどうかを見ます。顔と、もうひとつの場所に目が分かれたなら、その服は半分は働いている服です。残す側に入れたうえで、もうひとつの場所だけに手を入れます。首元なら首元、裾なら裾。手を入れたあとにもう一度撮って、目が顔ひとつに絞られれば、その服は完全に残す1枚になります。
2か所とも顔以外だった場合、たとえば肩と裾に分かれたなら、手を入れる順番を決めます。顔に近い場所から手を入れてください。肩と裾なら肩から、首元と腰まわりなら首元からです。顔に近い場所を整えると、目はそこから顔へ上がりやすくなるので、遠いほうの場所が気にならなくなることがよくあります。
ひとつ手を入れて撮り直し、まだ遠いほうに目が行くなら、そこで初めて、遠いほうにも手を入れます。顔に近い場所から整える理由は、目の動き方にあります。人の目は、写真の中で強く目を引く場所に止まったあと、その近くにある別の場所へ移っていきます。首元や肩に止まった目は、そこから少し上がるだけで顔に届きます。裾や足元に止まった目は、顔まで遠く、途中の腰まわりや色の面で止まりやすい。だから、顔に近い場所を先に整えて、目が上へ抜ける道を作っておくと、遠い場所の気がかりが薄まるのです。
2か所を同時に変えると、どちらが効いたのかがわからなくなります。1か所ずつ変えて、1枚ずつ撮る。手間に見えますが、結局は早く答えが出ます。
もうひとつの判断の手がかりは、その服を着て過ごす場面です。座っている時間が長い服なら、上半身の場所を優先します。座ると下半身は机やテーブルに隠れて、人の目に入りにくくなるからです。立って歩く時間が長い服なら、全身の場所を同じ重さで見ます。
どちらとも取れるとき② 好きな服なのに、顔以外に目が行く
いちばん迷うのは、自分がとても気に入っている服で、写真を見ると目が服のほうに行ってしまう場合です。
まず、好きな気持ちを否定しないでください。この見方は、似合う似合わないを決めるためのものではなく、手を入れる場所を見つけるためのものです。好きな服こそ、手を入れて顔のほうへ目を戻す価値があります。
好きな服で目が服に行ったときは、手を入れる順番を、ほかの服より丁寧に踏みます。いちばん手軽なのは着方を変えること、次が小物を足すこと、その次が直しに出すことです。
着方を変えるのは、袖を手首の骨が見えるところまでたくし上げる、前だけ裾を入れる、ボタンをひとつ外す、といったことです。費用はかかりません。小物を足すのは、首元の布、靴、羽織りを替えることです。直しに出すのは、裾の長さや肩の位置そのものを変えることです。
この3段を試して、それでも目が服に止まり続けるなら、その服は、写真に写る場面ではなく、家の中で着る服として残すという道もあります。人に会う予定のある日には選ばない。でも、手放さない。好きな服を、自分のためだけに着る1枚として持っておくことは、立派な残し方のひとつです。
逆に、それほど好きではない服で目が服に行った場合は、手を入れる順番を急いでも構いません。着方を1つ試して変わらなければ、そこで手放す側に入れる判断をしてもいいのです。好きの度合いで、どこまで手を入れるかを変えてください。
どちらとも取れるとき③ 撮るたびに目が行く場所が変わる
同じ服を何度か撮ると、そのたびに目が止まる場所が違う、ということがあります。
この場合、まず撮り方の条件が毎回同じかを確かめてください。立つ位置が3歩からずれていないか、カメラの高さが腰から上下していないか、窓の光が時間帯で変わっていないか。午前と午後で光の向きが変わると、服のしわの影の出方が変わり、目の止まる場所も動きます。
条件をそろえて撮り直しても、まだ毎回変わる場合は、その服は目を強く引く場所がない服です。どこにも目を強く止めず、そのときの姿勢や光で少しずつ目が動いている。これは、悪いことではありません。顔に目が行く服ほどではないけれど、服が出しゃばっていない、ということです。
こうした服は、残す側に入れて、顔の近くに小さな色をひとつ置いて撮り直してみてください。目を引く場所のない服は、顔の近くにひとつ目を引くものを置くだけで、目が顔のほうへまとまりやすくなります。
3回撮って、3回とも違う場所に目が行ったら、それ以上撮るのはやめて、着る場面で決めます。改まった場で着る服なら首元を、日常の外出で着る服なら足元を、それぞれ整えておく。場面ごとに整える場所を決めておけば、撮り直しを繰り返さずに済みます。
どちらとも取れるとき④ 羽織りを着た写真と脱いだ写真で答えが割れる
撮り方の章で、羽織りを着て出かける服は、着た状態と脱いだ状態の2枚を撮ってほしいと書きました。この2枚で、目が止まる場所が違うことがよくあります。羽織りを着ると顔に目が行くのに、脱ぐと腰まわりに目が行く。あるいは、その逆です。
この場合は、その服を着て過ごす時間のうち、羽織りを着ている時間と脱いでいる時間のどちらが長いかで決めます。外を歩く時間が長く、屋内にいる時間が短い日に着る服なら、羽織りを着た写真の答えを取ります。屋内で座って過ごす時間が長い日に着る服なら、脱いだ写真の答えを取ります。
時間の長さで決めきれないときは、人と会う時間がどちらに多いかで決めてください。駅や道で人と会うことは少なく、会うのはたいてい屋内に入ってからです。人に会う予定のある日に着る服なら、脱いだ写真の答えのほうを重く見ます。
脱いだ写真で顔以外に目が行った服は、羽織りと組で着る服として残す、という扱いもできます。羽織りを脱がない場面、たとえば移動の多い日や、屋外で過ごす行事の日にだけ選ぶ服です。この扱いにすると、手放さずに済む服がかなり増えます。
反対に、羽織りを着た写真でだけ目が服に行く場合は、羽織りのほうに原因があることが多いです。羽織りの丈や色が、下の服とぶつかっている。その場合は、下の服ではなく、羽織りのほうを、ほかの服と組み合わせて撮り直してみてください。羽織りを替えるだけで、下の服の答えが顔に変わることがあります。
手を入れる順番|着方、小物、直し、手放す
ここまで書いてきた手の入れ方を、順番としてまとめておきます。
最初は着方です。袖の上げ方、裾の入れ方、ボタンの留め方、えりの立て方。服そのものには何もせず、着る形だけを変えます。費用はかからず、元にも戻せます。目が止まる場所の多くは、この段で変わります。
次は小物です。首元の布、靴、羽織り。服の上や近くに何かを足して、目の行き先を変えます。手持ちの小物で試せるなら、ここも費用はかかりません。
その次が直しです。裾の長さ、袖の長さ、肩の位置。服そのものを変えるので費用がかかり、元にも戻せません。着方と小物を試してから、それでも同じ場所に目が止まるときだけ進みます。
最後が手放すことです。着方も小物も直しも試したあと、または試す価値がないと判断したあとに、初めてここに来ます。
この順番を守ると、手放す服の数は思っていたより少なくなります。そして、手放すと決めた服には、ちゃんと理由が残ります。理由がわかっていれば、次に似た服を買って同じことを繰り返すことがなくなります。
秋冬の1週間で、手持ちを一巡させる手順
一度に全部の服を撮る必要はありません。毎朝、その日に着る服で1枚撮る、を1週間続けると、秋冬によく着る服がひと通り写真に残ります。
朝、着替えたら玄関や部屋の決まった場所で、3歩・腰の高さ・窓を横に、で1枚撮ります。見るのはその場ではなく、夜か週末にまとめてです。
週末に、1週間分の写真を並べて、1枚ずつ2秒で見て、目が止まった場所を1語ずつ書きます。顔に目が行った服は、来週も同じ着方で着る服です。顔以外に目が行った服は、来週は着方を変えて着てみる服です。
翌週も同じように撮り、着方を変えた服で目が顔に行ったかを確かめます。2週間で、秋冬の手持ちのうち、よく着る服のほとんどに答えが出ます。
あまり着ていない服は、この2週間の写真には出てきません。それ自体が、ひとつの答えです。季節の変わり目に、写真に一度も出てこなかった服だけを取り出して、まとめて撮ってみてください。
まとめて撮るときは、1着ごとに着替えて撮ることになるので、時間をとれる休日の午前がおすすめです。午前の窓の光は向きが安定しているので、何着撮っても同じ条件で比べられます。午後になると光が傾き、色が黄みを帯びて写るので、午前に撮った写真と並べると、服の色の見え方が違ってしまいます。
着ていなかった服を撮ってみると、意外にも目が顔に行く服が出てくることがあります。着ていなかった理由が、服の働きではなく、合わせる服が思いつかなかったことや、出しにくい場所にしまっていたことだった、ということです。そういう服は、写真と一緒に、手前の取り出しやすい場所に移してください。写真で顔に目が行くと確かめた服は、手に取る回数が自然と増えていきます。
撮り終えた写真は、季節ごとにひとつのまとまりとして残しておくと、翌年の同じ季節にもう一度使えます。翌年に同じ服を撮り直して、目が止まる場所が変わっていないかを比べれば、その服をもう一年残すかどうかも、同じ物差しで決められます。
年代が上の世代の見直し方は70代 ファッション 秋冬|ゴムのウエストは上着の裾で隠すか決めるにも書いています。同じ考え方で、着方から先に手を入れる順番は共通です。
買い足すときも、試着室で1枚撮ってから決める
手持ちの服を見直したあとは、買い足す1着にも同じ物差しを使えます。
試着室で着替えたら、鏡を見る前に、スマートフォンを試着室の台に立てかけて、できるだけ離れた位置から1枚撮ります。試着室は狭いので3歩は取れませんが、扉の前まで下がって、全身が入るように撮ってください。カーテンを開けて、外の通路側から撮れる売り場なら、そのほうが3歩に近い距離が取れます。
撮ったら、その場では見ません。元の服に着替えてから、試着室を出る前に2秒だけ見ます。着ている最中に見ると、鏡で見た印象が写真の見え方に混ざるからです。着替えたあとなら、少しだけ距離を置いて写真を見られます。
目が顔に行けば、その1着は候補に残します。顔以外に目が行ったら、その場所が、手持ちの服で手を入れれば直せる場所かどうかを考えます。首元なら下に重ねる1枚で直せるかもしれません。肩の縫い目のずれなら、羽織りで上書きするか、直しに出す必要があります。買ったあとに手を入れる手間と費用まで含めて、その1着を選ぶかどうかを決めてください。
いちばん確かなのは、手持ちの服で顔に目が行った服の写真を、売り場に持っていくことです。試着した1着の写真と並べて見て、同じように目が顔に行くかどうかを比べます。並べてみると、新しい1着が手持ちの土台の服と同じ働きをするのか、違う働きをするのかがよくわかります。
秋冬の服は、ほかの季節より値の張るものが多く、買う回数も少なくなります。1着ずつ、写真の2秒で確かめてから選ぶと、家に帰ってから着ない服がクローゼットに増えることはなくなっていきます。
写真で自分を見るのが苦手な人へ
アラフィフになって、自分の写真をあまり見たくない、という声はとても多く聞きます。この方法は、自分を評価するためのものではありません。服の働きを確かめるためのものです。
どうしても顔を見るのがつらいときは、顔の部分を指で隠してから2秒見てください。顔を隠した状態で、服のどこにも目が止まらなければ、その服は目を顔のほうへ送っている服です。指を外さなくても、判定はできます。
慣れてきたら、指を外して2秒だけ見る、を試してみてください。服に手を入れて目が顔に行くようになった写真は、手を入れる前の写真より、自分の表情が自然に見えることが多いです。服が目を引かなくなると、写真の中の自分の表情に気づく余裕が生まれます。
秋冬は、光が弱く、上に重ねる服が増えて、全身の印象が重くなりやすい季節です。だからこそ、3歩離れて撮った1枚で、目がどこへ行くかを確かめる価値があります。今日着ている服で、まず1枚撮ってみてください。
よくある問い
- Q. 自分の写真を見るのが苦手で、どうしても目をそらしてしまいます
- 顔の部分を指で隠してから見ても構いません。この方法で見たいのは、服のどこに目が止まるかなので、顔を隠した状態で目が止まる場所がなければ、その服は顔のほうへ目を送っている服です。慣れてきたら指を外し、2秒だけ見る、を繰り返してください。
- Q. 撮ってくれる人がいません。ひとりでも撮れますか
- 撮れます。スマートフォンを棚や椅子の上に置いて、腰くらいの高さにそろえ、10秒のタイマーで撮ります。置く場所から3歩離れた位置に、床に目印を置いておくと、毎回同じ距離で撮れます。立ち位置と高さが毎回同じなら、写真どうしを並べて比べられます。
- Q. どの服も顔以外に目が行きます。全部手放すべきですか
- 手放す前に、まず着方を変えてください。袖を手首の骨が見える位置までたくし上げる、裾を前だけ少し入れる、首元に1枚足す、靴を替える。この記事で書いた順番で手を入れていくと、多くの服は着方だけで目が行く場所が変わります。手放すのは、着方も小物も試したあとで、それでも目が服に止まる1枚だけです。
- Q. 季節が進んで、秋に撮った写真と冬で目が行く場所が変わりました
- 変わって当然です。冬は上に重ねる1枚が増え、光も弱くなるので、同じ服でも目の止まる場所が動きます。季節の切り替わりで、残すと決めた服だけを撮り直してください。撮り直しで目が顔に行ったままなら、その服は冬も残す1枚です。
— メグラシ編集部





