ニットの形の名前|秋冬は1枚で着るか上に重ねるかで選ぶ

**そのニットの上に、コートを着ますか。**形の名前で迷ったら、最初に決めるのはこれだけです。コートを着るなら肩の名前で、1枚で着るなら身ごろと裾の名前で探します。
ニットには、肩の形、身ごろの形、丈、裾の始末と、名前のつく場所がいくつもあります。ドロップショルダー、ラグラン、ドルマン、ボクシー、クロップド、チュニック丈、リブ裾、ロールヘム。売り場のタグや通販の説明には、これらの名前が並んでいます。
名前を全部覚えても、選べるようにはなりません。どの名前が自分に合うかは、そのニットをどう着るかで決まるからです。とくに秋冬は、同じニットを1枚で着る日と、上にコートを重ねる日があります。1枚で着たときに魅力的な形が、コートを重ねると袖の中でつかえて腕が上がらなくなる、ということがよく起きます。
この記事では、ニットの形の名前を、1枚で着る日と重ねる日に分けて書きます。測るのは3か所だけです。肩の縫い目の位置、平らに置いたときの身幅、着丈。メジャーと手持ちのコートがあれば、家で確かめられます。
襟の形の名前はネックラインの名前と見分け方で、袖の名前を広く見たい場合は袖の形と名前で扱っています。この記事は、ニットの身ごろと肩の形を、重ね方から選ぶための話です。
結論:重ねるなら肩の名前、1枚で着るなら身ごろと裾の名前で探す
答えを先に書きます。
| 着方 | 先に見る名前 | 測るところ |
|---|---|---|
| 上にコートを重ねる | 肩の名前(セットイン・ラグラン・ドロップショルダー・ドルマン) | 肩の縫い目が肩先の骨から何cm落ちているか |
| 1枚で着る | 身ごろと丈の名前(ボクシー・クロップド・チュニック丈) | 平置きの身幅と、着丈が腰骨のどこで止まるか |
| 1枚の日と重ねる日が半々 | 肩はラグラン、身ごろはほどほどのゆとり | コートとの身幅の差が6cm以上あるか |
重ねる日に肩の名前を見るのは、コートの中で一番つかえやすいのが肩と袖だからです。身幅が少し大きくても、コートの前を閉めればある程度は収まります。ところが肩の縫い目が落ちて袖が太い形は、コートの袖の中で生地がたまり、腕を上げたときに引っ張られます。
1枚で着る日に身ごろと裾の名前を見るのは、上に何も重ねないぶん、全体の形がそのまま見えるからです。肩の形より、身幅のゆとりと着丈が、全体の印象を大きく左右します。
先に決めること|このニットの上にコートを着るか
形の名前を見る前に、そのニットを着る日を思い浮かべてください。秋のはじめの、コートなしで出かけられる日に着るのか。冬の寒い日に、コートの中に着るのか。両方なのか。
これが決まらないまま名前を見ていくと、どの形も魅力的に見えて、選べなくなります。売り場では1枚で着た姿しか見られないので、肩が落ちたゆったりした形のほうが、こなれて見えます。そのまま選ぶと、家でコートを重ねたときに初めて、袖の中のつかえに気づきます。
決め方の目安は、手持ちのニットの着方を振り返ることです。去年の秋冬に、いちばんよく着たニットを思い出してください。そのニットを着ていた日に、上にコートを着ていたことのほうが多かったか、1枚で着ていたことのほうが多かったか。
- 職場まで電車で通い、外を歩く時間が長い:重ねる日が多い
- 車で移動することが多く、室内にいる時間が長い:1枚で着る日が多い
- 秋のはじめに買って、冬の入り口まで着たい:半々
どれにあたるかが決まれば、この先で見る名前は半分に減ります。半々の場合は、後半の「迷ったとき」に、両方で使える形の選び方を書いています。
肩の名前は、縫い目の位置で見分ける
ニットの肩の形の名前は、肩の縫い目がどこにあるかで分かれます。名前は難しく聞こえますが、見分け方は単純です。ニットを着て、肩先の骨(腕を上げたときにくぼむところの少し外側)を指で押さえ、縫い目がそこからどれくらい離れているかを見ます。
| 名前 | 縫い目の位置 | コートの下で |
|---|---|---|
| セットインスリーブ | 肩先の骨の上か、1cm以内 | つかえにくい |
| ラグランスリーブ | 首元から脇の下へ斜めに走る | 腕が動かしやすい |
| ドロップショルダー | 肩先の骨から3cm以上、腕側に落ちる | つかえやすい |
| ドルマンスリーブ | 縫い目がなく、袖が身ごろから続く | 袖の太いコートか羽織りなら合う |
この4つを見分けられれば、ニットの肩の名前で迷うことはほとんどありません。売り場のタグに名前が書いていなくても、縫い目を見れば、どの形に近いかがわかります。
肩の縫い目の位置が大事なのは、コートの肩の縫い目との関係で、袖の中のつかえ方が決まるからです。手持ちのコートの肩の縫い目がどこにあるかも、同じように確かめておいてください。コートの縫い目が肩先にある形なら、中のニットも縫い目が肩先にある形のほうが、肩の線が重なって袖の中がすっきりします。
セットインスリーブ|重ねる前提なら、まずここ
セットインスリーブは、肩先の骨の上で袖を縫い合わせた、いちばん基本の肩の形です。肩の線が体の肩の位置と重なるので、上に何を重ねても、肩まわりに生地がたまりにくい形です。
上にコートを重ねる日が多いなら、まずこの形から探してください。とくに、手持ちのコートが肩の縫い目のはっきりしたテーラード型やチェスター型なら、中のニットもセットインのほうが、コートの肩の線と重なって収まりがよくなります。
セットインのニットを選ぶときは、袖幅も確かめてください。肩の形が合っていても、袖が太いと、コートの袖の中で生地がたまります。目安は、ニットとコートの袖を平らに置いて、肘のあたりで比べたときに、コートの袖幅のほうが2cm以上広いことです。2cmの差があれば、腕を曲げたときにも中のニットが引っ張られにくくなります。
1枚で着たときのセットインは、肩の線がきちんと見えるので、すっきりした印象になります。職場で上に何も羽織らずに着る日にも使いやすい形です。逆に、ゆったりした雰囲気で着たい日には、少し物足りなく感じるかもしれません。その場合は、身幅にゆとりのあるものを選ぶと、肩はすっきりしたまま、全体にやわらかさが出ます。
セットインの中でも、肩幅の取り方には差があります。肩の縫い目が肩先の骨よりわずかに内側にあるものは、肩がきゅっと小さく見え、上に重ねたコートの肩との間に少しすき間ができます。肩先の骨の真上か、ほんの少し外側にあるものは、肩の線が自然に見え、コートの肩とも重なりやすくなります。試着のときに、肩先の骨を指で押さえて縫い目との位置関係を確かめておくと、コートを重ねたときの収まりが想像しやすくなります。
また、セットインのニットは、袖の付け根の太さ(アームホールの深さ)も見ておくと安心です。脇の下の縫い目が、体の脇の下から指2本ぶんくらい下にあるものは、腕を上げても身ごろが引っ張られにくく、コートの中でも動きやすくなります。脇の下にぴったり沿うものは、1枚で着たときにはすっきりしますが、コートの中では腕を上げたときに窮屈に感じることがあります。
ラグランスリーブ|肩を動かす日に
ラグランスリーブは、首元から脇の下に向かって斜めに縫い目が走る形です。肩先に縫い目の角がないので、腕を上げたり回したりしても、肩が引っ張られにくくなります。
コートの下に着るときも、肩先に縫い目の厚みがないぶん、コートの肩の中で生地が重なりにくい形です。荷物を持って歩く日や、自転車に乗る日、子どもを抱き上げる日など、腕をよく動かす日に向いています。
1枚で着たときは、肩の線が斜めに流れるので、セットインより肩まわりがやわらかく見えます。カジュアルな印象になりやすい形ですが、細い糸で目の詰まった編み地を選ぶと、職場でも使える落ち着いた雰囲気になります。
ラグランを選ぶときに見るのは、斜めの縫い目の角度です。首元から脇の下へ、まっすぐ斜めに走っているものは肩がなだらかに見え、肩先のあたりで少しカーブしているものは、セットインに近い肩の線が出ます。肩の線をはっきり見せたい日はカーブのあるもの、肩をやわらかく見せたい日はまっすぐなものを選んでください。
ラグランは、1枚で着る日とコートの下に着る日の両方で使いやすい形です。どちらの日が多いか決められない場合は、まずラグランから探すと、外れることが少なくなります。
ラグランで気をつけたいのは、袖の太さです。肩に縫い目の角がないぶん、袖の付け根から肘にかけてゆったり作られているものも多く、袖幅が広すぎると、コートの袖の中では結局生地がたまります。ラグランを重ねる前提で選ぶなら、セットインと同じく、肘のあたりの袖幅がコートより2cm以上細いかを確かめてください。
もう1つ、ラグランは首元の縫い目の位置で、首まわりの見え方が変わります。斜めの縫い目が首元の前のほうから始まるものは、正面から見たときに肩の線が内側に入って見え、上半身が細く見えます。首元の横から始まるものは、肩の線が外側に流れ、肩まわりが広く見えます。1枚で着る日が多いなら、この違いも鏡の前で見比べておくと、自分の好きな肩の見え方を選べます。
ドロップショルダー|1枚で着る日の形
ドロップショルダーは、肩の縫い目が肩先の骨より腕側に落ちた形です。落ちる幅は、浅いもので2〜3cm、深いものでは10cmを超えるものもあります。肩の線が腕の途中にくるので、全体がゆったりとして、力の抜けた雰囲気になります。
この形は、1枚で着る日にいちばん魅力が出ます。肩が落ちているぶん、上半身にゆとりが生まれ、ボトムスとの組み合わせ次第で、カジュアルにもきれいめにも寄せられます。
一方で、上にコートを重ねる日には注意が必要です。肩の縫い目が腕の途中にあると、そこから下の袖も太めにできていることが多く、コートの袖の中で生地がたまりやすくなります。とくに、手持ちのコートが肩先に縫い目のある形だと、コートの肩とニットの肩の縫い目がずれて、肩まわりがごろつきます。
境目の目安は、落ちる幅が3cmです。肩先の骨から3cm以内で縫い目があるものなら、多くのコートの下でも大きくつかえません。3cmを超えるものは、1枚で着る日に回すか、肩の落ちたコートと組み合わせてください。
ドロップショルダーのニットをコートの下に着たい場合は、コートの側も肩が落ちた形にすると、肩の線が重なって収まります。手持ちのコートの肩の形を確かめてから、どちらに合わせるかを決めてください。
落ちる幅がちょうど3cm前後で、どちらに入れるか迷うものもあります。そのときは、ニットを着たまま手持ちのコートを羽織り、腕を前に伸ばして、次に頭の上まで上げてみてください。前に伸ばしたときに袖口からニットの袖が5cm以上はみ出す、または上げたときに肩のあたりが突っ張る、のどちらかが起きたら、そのニットはコートの下には向いていません。どちらも起きなければ、落ちる幅が3cmを少し超えていても、そのコートとの組み合わせでは問題なく着られます。数字の目安は出発点で、最後に決めるのは、手持ちのコートと重ねたときの腕の動きです。
ドロップショルダーは、落ちる幅が大きいほど、1枚で着たときの肩まわりのゆとりも大きくなります。肩の落ちた形で、全体をきちんと見せたい日は、編み地が細かく、表面のなめらかなものを選ぶと、ゆとりがあってもだらしなく見えません。
ドルマンスリーブ|上に羽織るなら、ケープ型か袖の広いコート
ドルマンスリーブは、肩と袖の間に縫い目がなく、身ごろから袖が続いている形です。脇の下が深く、腕を広げるとコウモリの羽のような形になります。肩の線がまったくないので、上半身がやわらかく、ゆったり見えます。
この形は、1枚で着る日に向いています。上半身にたっぷりしたゆとりがあるぶん、ボトムスは細めのものと合わせると、全体の形にメリハリが出ます。
上に重ねる場合は、普通の袖のあるコートは合いにくい形です。脇の下の生地が多いので、コートの袖の中に入れると、脇のあたりで生地がかたまります。重ねるなら、袖のないケープ型やポンチョ型の羽織りか、袖が広く肩の落ちたコートを選んでください。
ドルマンのニットを持っていて、コートの下に着られずに困っている場合は、羽織りを替えるのが一番の近道です。ケープ型の羽織りなら、ニットのゆとりをそのまま生かせます。袖のある普通のコートしかない場合は、ドルマンのニットは秋のはじめや室内で1枚で着る日に回して、コートの下には別のニットを着るほうが快適です。
身ごろと丈の名前|ボクシー・クロップド・チュニック丈
1枚で着る日に見るのは、身ごろの形と丈の名前です。ここでは、売り場でよく見る3つの名前を、測り方と合わせて書きます。
ボクシーは、身ごろが脇から裾までまっすぐに落ちる、箱のような形です。身幅にゆとりがあり、裾に向かって絞られていません。測り方は、平らに置いて、脇の下の身幅と裾の身幅を比べることです。差が2cm以内ならボクシーに近い形です。
クロップドは、着丈が腰骨の上で止まる短い丈です。腰骨に手を当てて、ニットの裾がそれより上にあればクロップド丈と考えてください。ハイウエストのボトムスと合わせると、ウエストの位置がはっきり見えます。
チュニック丈は、お尻がほとんど隠れる長い丈です。脚の付け根より下で裾が止まります。細めのボトムスやレギンス、タイツと合わせると、上が長く下が細い形になります。
この3つの名前は、組み合わせて使われることもあります。ボクシーでクロップド、という形はよく見かけます。名前の組み合わせで迷ったら、身幅と着丈を分けて測れば、どの形かがわかります。
1枚で着る日には、この身ごろと丈の名前のほうが、肩の名前より全体の印象を左右します。同じセットインスリーブでも、ボクシーなクロップドと、細身のチュニック丈では、まったく違う雰囲気になります。
着丈は、腰骨と脚の付け根で見分ける
身ごろの形の中でも、着丈はとくに迷いやすいところです。売り場では「短め」「長め」と書かれていても、自分の体のどこで止まるかは、着てみないとわかりません。そこで、自分の体の目印を2つ決めておきます。
1つは腰骨です。手を腰に当てたときに触れる骨の出っ張りで、ここより上で止まる丈が、短い側になります。もう1つは脚の付け根です。座ったときに折れ曲がる位置で、ここより下で止まる丈が、長い側になります。
この2つの間で止まる丈が、いちばん一般的な長さです。ボトムスのウエストにかかって、少し下で止まります。裾をボトムスに入れずにそのまま出して着る場合に、上下のバランスが取りやすい長さです。
秋冬の1枚着では、この着丈とボトムスの組み合わせで、全体の形が決まります。
- 短い丈(腰骨より上):ハイウエストのボトムスに合わせる。ウエストの位置が上に見える
- 真ん中の丈(腰骨と脚の付け根の間):ほとんどのボトムスに合わせやすい。裾を前だけ入れる着方もできる
- 長い丈(脚の付け根より下):細めのボトムスに合わせる。上を長く、下を細く見せる
裾を前だけ入れる着方はニットの裾の入れ方にまとめています。
裾の名前|リブ裾、ロールヘム、スリット
裾の始末にも名前があります。1枚で着る日は裾がそのまま見えるので、この違いが全体の印象に出ます。
リブ裾は、裾に伸縮性のあるゴム編みを入れて、少し絞った形です。裾が腰まわりに沿うので、身ごろにゆとりがあっても、裾でまとまって見えます。ボクシーな形でリブ裾のものは、上がふんわり、下がきゅっとした形になります。
ロールヘムは、裾を縫い返さずに、編み終わりがくるりと丸まった形です。裾が絞られていないので、身ごろの形がそのまま裾まで続きます。やわらかく、少しくだけた雰囲気になります。
スリットは、裾の脇に切れ込みを入れた形です。長い丈のニットに多く、歩いたときに裾が開くので、長い丈でも動きやすくなります。座ったときにも、裾が腰に引っかかりにくくなります。
上にコートを重ねる日は、裾の名前はあまり気にしなくて構いません。コートに隠れて、裾はほとんど見えないからです。ただし、コートの丈がニットより短い場合は別です。短いコートの下から長いニットの裾が出るときは、リブ裾よりもロールヘムやスリットのほうが、コートの裾との重なりが自然に見えます。
リブ裾で迷いやすいのは、リブの幅です。裾のゴム編みの幅が指1本ぶん(約2cm)くらいの細いものは、絞りがゆるく、身ごろの形が裾まで自然に続きます。手のひらの幅に近い太いものは、裾がしっかり絞られ、腰まわりで形が切り替わって見えます。ボトムスの腰まわりを見せたい日は太いリブ、身ごろの形を見せたい日は細いリブ、と覚えておくと選びやすくなります。
裾の始末は、洗ったあとの形の変わり方にも関わります。ロールヘムは洗うたびに丸まり方が少しずつ変わり、リブ裾は伸びると戻りにくくなることがあります。どちらも、平らに置いて形を整えてから干すと、長く同じ形を保てます。
首の名前は、重ねる上着の襟で決める
首元の形にも名前がありますが、ニットの首元を選ぶときは、上に重ねる上着の襟の形で決めると迷いません。首元の名前そのものは、別の記事で詳しく扱っているので、ここでは重ね方との関係だけを書きます。
上に襟の高いコートを重ねる日は、ニットの首元は低いもの(丸首やVネック)のほうが、コートの襟の中で首まわりがもたつきません。上に襟のないコートや、襟の浅いジャケットを重ねる日は、ニットの首元を少し高く(首に沿う短い立ち襟や、折り返す高い襟)しても、コートの首元からニットの首元がのぞいて、きれいに収まります。
1枚で着る日は、首元の形がそのまま顔まわりに出ます。首元が詰まっているか、開いているかで、印象は大きく変わります。この選び方は、上で紹介したネックラインの名前の記事を参考にしてください。
迷ったとき1|1枚の日と重ねる日が半々のとき
1枚で着る日と、コートの下に着る日が同じくらいある場合は、両方で困らない形を選びます。いちばん外れにくい組み合わせは、次の3つを満たすものです。
- 肩はラグラン。セットインでもよいが、ドロップショルダーなら落ちる幅が3cm以内
- 平置きの身幅が、手持ちのコートの平置き身幅より6cm以上小さい
- 着丈は腰骨と脚の付け根の間で止まる
この3つを満たすニットは、1枚で着たときに肩がやわらかく、ほどよいゆとりがあり、コートを重ねても中で生地がたまりません。
身幅の差を6cmとしているのは、コートの前を閉めたときに、中のニットの生地が寄って重なる分を見込んでいるからです。平らに置いて測った幅の差が6cmあれば、体に着たときの周囲では12cmの差になります。厚手のニットなら、この差が8cm以上あるほうが安心です。
この3つで迷ったら、手持ちのコートを床に平らに置いて、その上に候補のニットを重ねてみてください。ニットの身幅と袖幅が、コートの内側に収まっているかが、ひと目でわかります。
この重ね置きは、売り場で選ぶときにも使えます。手持ちのコートの身幅と袖幅をメジャーで測り、スマートフォンのメモに控えておいてください。売り場では、候補のニットを台の上に平らに置かせてもらい、同じ場所を測ります。差が6cmと2cmに届くかどうかを、その場で確かめられます。試着室でコートを羽織れない場合でも、数字があれば重ねたときの様子はかなり想像できます。
半々の日に使うニットは、色も選び方の手がかりになります。1枚で着る日は、ニットの色がそのまま全体の印象になります。コートの下に着る日は、首元と袖口から少しのぞくだけです。両方の日に使うなら、手持ちのコートの色と並べて、首元からのぞいたときに浮かない色を選んでおくと、1枚で着る日にも、重ねる日にも迷わずに済みます。
迷ったとき2|持っているコートの袖が細いとき
手持ちのコートの袖が細めにできている場合は、中に着られるニットの形がさらに絞られます。この場合は、ニットの形を選ぶ前に、コートの袖幅を測っておいてください。
測り方は、コートを平らに置いて、肘のあたりの袖幅を測ることです。次に、候補のニットも同じように肘のあたりの袖幅を測ります。コートの袖幅のほうが2cm以上広ければ、袖の中でつかえにくくなります。
差が2cmに届かない場合は、次のどれかを選んでください。
- ニットの編み地を薄いものにする。指でつまんで厚みが5mmを超えるものは、袖の中で生地がたまりやすい
- ニットの袖を細いものにする。肩はセットイン、袖は手首に向かって細くなる形
- コートの下には、ニットではなく、薄手のカットソーやシャツを着る日を作る
袖の細いコートに、ゆったりしたニットを無理に合わせると、袖口からニットの袖がたまって出てきます。それが気になる場合は、ニットを替えるより、コートの下に着るものの役割を分けたほうが、毎日の着方が楽になります。
迷ったとき3|ゆったりした形を着たいけれど、重ねると厚みが出るとき
ゆったりした形のニットは、1枚で着ると雰囲気がよく出ます。ところが、上にコートを重ねると、中のニットの生地が寄って、上半身に厚みが出てしまうことがあります。
これを避けるには、ゆとりの場所を選ぶことです。ゆったりしたニットにも、ゆとりが身幅にあるものと、袖にあるものと、肩にあるものがあります。コートの下に着る日に困るのは、主に袖と肩のゆとりです。身幅のゆとりは、コートの前を閉めれば、ある程度は収まります。
つまり、ゆったりした形を選ぶなら、肩はセットインかラグランのまま、身幅にゆとりがある形を選ぶと、1枚でも重ねてもうまく着られます。ボクシーな形でセットインのもの、という組み合わせです。
もう1つの方法は、編み地の厚みで調整することです。同じゆったりした形でも、細い糸で薄く編んだものは、重ねたときに生地が寄っても厚みが出にくくなります。太い糸でざっくり編んだものは、1枚で着る日に回すと割り切ると、どちらの日も快適に過ごせます。
迷ったとき4|売り場の表示と、実物の形が違うとき
売り場のタグや通販の説明で、形の名前が書かれていても、実物とずれていることがあります。同じ「ドロップショルダー」でも、落ちる幅が2cmのものと10cmのものでは、着たときの印象がまったく違います。「ゆったり」「オーバーサイズ」と書かれていても、どこにゆとりがあるのかは、名前からはわかりません。
このようなときは、名前ではなく、この記事で書いた3か所を自分で確かめてください。
- 肩の縫い目が、肩先の骨から何cm落ちているか
- 平らに置いた身幅が、手持ちのコートの身幅より何cm小さいか
- 着丈が、腰骨と脚の付け根のどこで止まるか
通販で選ぶ場合は、商品のサイズ表を見て、肩幅・身幅・着丈・袖丈の数字を、手持ちのニットやコートの実寸と比べます。手持ちの中で着心地のいいニットを1枚決めておき、その実寸を控えておくと、比べる基準ができます。名前に頼らず、数字で比べるほうが、届いてからの「思っていたのと違う」が減ります。
買う前に、手持ちの1枚で測っておく3か所
最後に、ニットを選ぶ前に家でできる準備をまとめます。手持ちのニットの中から、着心地がよく、コートの下にもよく着ている1枚を選んで、次の3か所を測っておいてください。
- 肩の縫い目の位置。肩先の骨から何cm落ちているか
- 平置きの身幅と、肘のあたりの袖幅
- 着丈。腰骨と脚の付け根のどこで止まるか
この3つの数字が、あなたにとって「ちょうどいいニット」の基準になります。新しいニットを選ぶときは、形の名前を見る前に、この基準と比べてください。肩の縫い目の位置が基準より大きく落ちているなら、それはコートの下では着にくい形かもしれません。着丈が基準より大きく短いなら、ボトムスの合わせ方を変える必要があります。
あわせて、手持ちのコートの肩の縫い目と袖幅も測っておくと、中に着られるニットの範囲がはっきりします。コートとニットの両方の数字がそろえば、売り場で形の名前に迷う時間はぐっと短くなります。
測った数字は、季節が変わるたびに見直す必要はありません。手持ちのコートを買い替えたときと、よく着るニットが変わったときだけ、測り直してください。基準の1枚が決まっていれば、新しいニットを選ぶたびに、その1枚と比べて「肩は同じくらい、身幅は少し大きい、丈は同じ」のように、差だけを見ればよくなります。
形の名前は、売り場や通販で探すときの入り口として使ってください。重ねる日が多いなら「セットイン」「ラグラン」で探し、1枚で着る日が多いなら「ボクシー」「クロップド」で探す。入り口で絞ったあとは、名前ではなく、肩・身幅・着丈の3か所の数字で決める。この順番を守れば、名前の数が多くても、選ぶときに迷うことはほとんどなくなります。
ほかの服の形の名前も、同じように「何を重ねるか」から選べます。スカートならスカートの形の名前|秋冬はブーツと重ねる裾の広がりで選ぶ、ドレスならパーティードレスの形の名前にまとめています。
よくある問い
- Q. ドロップショルダーのニットは、コートの下に着られませんか
- 着られないわけではありません。肩の縫い目が肩先の骨から3cm以内に収まるものと、コートの肩も落ちている形の組み合わせなら、袖の中でつかえにくくなります。手持ちのコートの肩の縫い目が肩先にぴったりある形なら、ドロップショルダーのニットは1枚で着る日に回し、重ねる日はセットインかラグランのものを選んでください。
- Q. 売り場のタグに形の名前が書いていないときはどうすればいいですか
- 名前がなくても、肩の縫い目の位置、平置きの身幅、着丈の3か所を見れば、どの形に近いかは判断できます。肩の縫い目が肩先にあればセットイン、首元から脇へ斜めに走っていればラグラン、縫い目がなく袖が身ごろから続いていればドルマンです。名前よりも、その3か所が手持ちのコートと合うかどうかを確かめてください。
- Q. 1枚で着る日と、コートの下に着る日が半々です。どの形を選べばいいですか
- 肩はラグラン、身幅は手持ちのコートの平置き身幅より6cm以上小さいもの、着丈は腰骨にかかる長さを選ぶと、両方の日に使えます。ラグランは肩に縫い目の角がないので、1枚で着たときに肩がやわらかく見え、コートの中でも腕が動かしやすい形です。
- Q. クロップド丈のニットは、秋冬にどう着ればいいですか
- 腰骨の上で止まる短い丈は、ハイウエストのボトムスと合わせると、ウエストの位置がはっきり見えます。上にコートを着る日は、コートの丈が長いほど、中のクロップド丈との差が大きくなって縦の線が強く出ます。ボトムスの腰まわりが見えるかどうかを、コートの前を開けた状態で確かめてください。
— メグラシ編集部





