ニットコーデ 秋|裾を入れる?出す? ニット丈と股上の差を先に測る

**いま着ようとしているニットとボトムスを、両方身につけて鏡の前に立ってください。**ニットの裾は、ボトムスのいちばん上から何cm下まで落ちていますか。
ニットの裾を入れるか出すかは、その差でほぼ決まります。5cm未満なら、出したままにします。5cmから15cmなら、前だけ入れます。15cm以上なら、ニットの厚みを見て、薄ければ全部入れ、厚ければ入れずに合わせるボトムスか丈を替えます。
この差は、同じニットでも、合わせるボトムスによって変わります。股上が深いパンツと浅いパンツでは、ボトムスの上端の位置が10cm近くちがうことがあるからです。だから「このニットは入れる派か出す派か」をニットだけで決めようとすると、いつまでも迷います。ニットを1枚ずつ判定するのではなく、ニットとボトムスの組み合わせごとに、差を測って決めます。
秋は、薄手のニットを着始める時期から、厚手のニットに替わる時期まで、同じ週のうちに裾の扱いが何度も変わります。この記事では、その判断を、鏡の前で測れる数字に置き換えていきます。
結論:ニットの裾とボトムスの上端の差で、3つに分かれる
| ニットの裾がボトムスの上端から下に落ちる長さ | 裾の扱い | 薄手(2枚で4mm以下) | 厚手(2枚で10mm超) |
|---|---|---|---|
| 5cm未満 | 出したまま | 出したまま | 出したまま |
| 5〜15cm | 前だけ入れる | 前だけ、または全部入れる | 前中心だけ3cm入れる |
| 15cm以上 | 厚みで分ける | 全部入れる | 入れずに、ボトムスか丈を替える |
差が5cm未満のときに出したままにするのは、入れても見え方がほとんど変わらないからです。むしろ、入れた裾が抜けてきたときに、ボトムスの上端の上で中途半端にたるみ、出したままよりも整っていない印象になります。
差が5cmから15cmのときに前だけ入れるのは、この長さのニットを出したままにすると、ボトムスの上端からヒップの上あたりまでが一枚の布で覆われ、上半身と下半身の境目がどこにあるのかわからなくなるからです。前だけ入れると、前中心に境目がひとつできて、脚がどこから始まるかが目で追えるようになります。後ろと脇は出したままなので、座ったときも抜けにくい。この帯がいちばん人数の多い帯で、いちばん効く帯でもあります。
差が15cm以上になると、前だけ入れても、出したままの脇と後ろの裾が長すぎて、前と後ろで丈の差が大きくなりすぎます。ここで初めて、全部入れるかどうかを考えます。全部入れられるかどうかを決めるのは、ニットの厚みです。
測るのは2か所:ニットの裾の位置と、ボトムスの上端の位置
差を測る方法を、順に書いておきます。メジャーがあればいちばん正確ですが、なければ指の幅でもかまいません。人差し指から小指までの4本をそろえた幅が、多くの人でおよそ7cmから8cmです。
- ボトムスを、いつも穿く高さで穿きます。ベルトを締めるなら締めます
- その上からニットを着て、裾を引っぱらずに自然に落とします
- ニットの裾のいちばん下に、指を1本当てます。脇ではなく、前中心で測ります
- そこから上に向かって、ボトムスの上端までの長さを測ります
ニットの裾がボトムスの上端より上で止まる場合は、差はマイナスです。この場合は、入れるか出すかを考える必要はありません。出したままで、ボトムスの上端が少し見えるくらいがちょうどいい丈です。
測るときに気をつけたいのは、ニットの裾のゴム編みです。裾がリブになっているニットは、着ているうちにリブがボトムスの上端の上にたまり、測ったときより丈が短く見えるようになります。リブの裾のニットは、測った差から2cmほど引いて考えてください。反対に、裾が平らに編まれて広がっているニットは、測ったとおりの丈のまま落ちます。
測った数字は、ニットごとではなく、組み合わせごとに覚えておきます。「白いニットとグレーのワイドパンツは12cm」「同じ白いニットと黒いタイトスカートは8cm」のように。服の数が多い人は、スマートフォンのメモに組み合わせと数字を並べておくと、朝の支度でそのまま使えます。
差が5cm未満:出したままにする
差が5cm未満なら、ニットは出したままにします。この丈のニットは、ボトムスの上端をほんの少し隠すくらいで、上半身と下半身の境目がもともと見えています。入れる必要がありません。
この帯で気をつけたいのは、ボトムスの上端とニットの裾のあいだに、すき間ができないかです。腕を上げたり、前かがみになったりしたときに、肌着や肌がのぞく丈だと、職場や人前で気になります。両腕を前に伸ばしてみて、ニットの裾がボトムスの上端より上に上がるようなら、ニットの下に裾の長い肌着を着るか、ボトムスを股上の深いものに替えてください。
ニットの裾がちょうどボトムスの上端で止まる丈は、ボトムスの上端の形がそのまま見える丈でもあります。ベルトをするなら、ベルトの上端がニットの裾から1cmほどのぞくくらいが、いちばん境目がはっきり見えます。ボタンやファスナーの金具がちょうど裾の位置に来ると、そこだけ盛り上がって見えることがあるので、鏡で横からも見ておきます。
差が5〜15cm:前だけ入れる
いちばん多いのが、この帯です。手持ちのニットの多くは、ふつうの股上のパンツと合わせると、この範囲に入ります。
前だけ入れるときは、入れる幅と、入れる深さと、入れたあとのふくらませ方の3つを決めます。
入れる幅は、前中心から左右に5cmずつ、合わせて10cmくらいが基本です。それより広く入れると、ほとんど全部入れたのと同じになり、脇の裾だけが残って中途半端に見えます。片側に寄せて入れるなら、前中心から片側に8cmくらいまで。寄せた側の脚が長く見えるので、体の向きで見せたい側に寄せると、写真に撮られたときにきれいに見えます。
入れる深さは、8cm以上です。ボトムスの上端から指を差し込んで、ニットの裾を8cmほど中に押し込みます。浅く入れると、歩いたり座ったりしたときにすぐ抜けてきます。
入れたあとは、入れたところの上で、ニットを2cmほど引き出してふくらませます。両手でニットの前を持って、少しだけ上に引き、ボトムスの上端にかぶせるように落とします。ぴったり入れると、裾をボトムスに押し込んでいることが目立ちます。少しふくらませると、わざとこの形にしたように見えます。
入れていない脇と後ろの裾が、ボトムスの上端から5cm以上下に落ちていることも確かめてください。前を入れたぶん、前の丈が短くなり、前と後ろで丈に差がつきます。この差がはっきりしているほど、前だけ入れた形が意図したものに見えます。
前中心に入れるか、片側に寄せるかで迷う人もいます。決め手は、ボトムスの前にある線です。センタープレスのパンツや、前中心にボタンが縦に並ぶスカートのように、前の真ん中に縦の線があるボトムスなら、前中心に入れます。入れたところから下へ、ボトムスの線がまっすぐ続いて、縦に長く見えます。前に線のないボトムスや、ポケットの口が斜めに入っているパンツなら、片側に寄せても形が崩れません。寄せる側は、バッグを持つ手と反対の側にしておくと、バッグに隠れずに見えます。
前だけ入れる帯の中でも、差が5cmに近いか15cmに近いかで、入れる幅を変えます。差が5cmから8cmくらいの短めのニットは、入れる幅を6cmほどに狭めます。広く入れると、出したままの脇の裾との差がほとんどなくなって、入れたことが伝わりません。差が12cmから15cmくらいの長めのニットは、入れる幅を14cmほどまで広げてかまいません。脇と後ろの裾が長いぶん、前を広めに入れても、前後の丈の差がはっきり残ります。
差が15cm以上:ニットの厚みで、全部入れるかを決める
差が15cm以上ある長めのニットは、前だけ入れると、出したままの脇と後ろの裾が長くなりすぎます。ここでは、全部入れるかどうかを考えます。
全部入れられるのは、生地が薄いニットだけです。厚いニットを全部入れると、ボトムスの中に生地が15cm以上たまって、腰まわりにかさが出ます。かさが出ると、ボトムスのファスナーやボタンが浮き、ボトムス自体のシルエットが崩れます。
全部入れるときは、前と後ろと脇を、同じ深さで入れます。入れたあと、両腕を一度上げてから下ろすと、ニットがボトムスの上端に少しかぶさって、ちょうどいいふくらみが出ます。そのふくらみが前と後ろでそろっているかを、鏡で横から確かめてください。
厚手のニットで差が15cm以上あるときは、無理に入れずに、ボトムスを替えるか、ニットを替えます。股上の深いボトムスに替えれば、上端の位置が上がって、差が5cmから10cm縮みます。それで前だけ入れる帯に入れば、前中心だけ少し入れるか、出したまま長めの丈として着ます。長めのニットを出したまま着るときは、裾がヒップのいちばん高いところより下まであるかを見ます。そこより下まであれば、出したままでも丈の長いトップスとして収まります。
厚みの測り方:指でつまんだ生地2枚分
ニットの厚みは、つまんで測ります。ニットの脇の、平らに編まれたところを親指と人差し指でつまみ、2枚重なった生地の厚みを定規に当ててください。
目安は次のとおりです。
- 2枚で4mm以下:薄手。全部入れても、ボトムスの中でかさになりません
- 2枚で4〜10mm:中厚。前だけ入れるのに向いています。全部入れると、腰まわりに少しかさが出ます
- 2枚で10mmを超える:厚手。入れるのは前中心の3cmくらいまで。基本は出したまま、丈で合わせます
秋の着始めの、細い糸で目を詰めて編んだニットは、たいてい2枚で3mm前後です。この時期のニットは、差が15cmあっても全部入れられます。秋が深まって着るようになる、太い糸でざっくり編んだニットは、2枚で10mmを超えることが多く、全部入れるのは向きません。
同じ厚みでも、糸の種類で入れやすさが変わります。ふくらみのある糸のニットは、測った厚みより入れたときのかさが大きくなります。表面がなめらかで、指でつまんでもすぐに平らに戻るニットは、測った厚みどおりに収まります。迷ったら、一度入れてみて、ボトムスのファスナーが浮かないかで判断してください。
股上が深いボトムス:上端がへその上に来るとき
ボトムスの上端がへそより上に来る、股上の深いパンツやスカートは、差が小さくなりやすい組み合わせです。同じニットでも、ふつうの股上のパンツと比べて、差が5cmから10cm縮みます。
この組み合わせでは、前だけ入れるか、出したままにするかの2択になることが多くなります。差が5cm以上あるなら、前だけ入れます。前だけ入れると、ボトムスの上端の高い位置がそのまま見えて、脚の始まりが高い位置に見えます。股上の深いボトムスを選んだ意味がいちばん出る着方です。
差が5cm未満なら、出したままにしますが、このとき、ニットの裾がボトムスの上端のわずかに下で止まっているかを確かめてください。上端を隠しきってしまうと、股上の深いボトムスを穿いている意味がなくなり、上半身が長く見えます。上端が隠れてしまうなら、少しだけ前中心を入れて、上端の位置を見せてください。
股上の深いボトムスは、上端の位置が高いぶん、ニットを全部入れたときに腰の位置がいちばんはっきり見えます。薄手のニットで、上端の位置を見せたい日は、全部入れる選択もあります。
股上が浅いボトムス:上端が腰骨のあたりに来るとき
ボトムスの上端が腰骨のあたりに来る、股上の浅いパンツは、反対に差が大きくなります。ふつうの丈のニットでも、差が15cmを超えることがあります。
この組み合わせで全部入れると、ボトムスの上端が低い位置に見えて、上半身が長く、脚の始まりが低く見えます。薄手のニットでも、全部入れるのは避けたほうが無難です。
前だけ入れる場合も、入れる幅を前中心から左右に3cmずつ、合わせて6cmくらいに狭めます。入れるところを小さくすると、境目が一点だけで示されて、低い位置の上端が目立ちにくくなります。
もうひとつの方法は、出したまま、ニットの丈でヒップを覆ってしまうことです。差が15cm以上ある長めのニットなら、裾がヒップのいちばん高いところより下まで来ます。この長さで出したままにすると、ボトムスの上端は見えなくなり、ニットの裾の位置が新しい境目になります。ワイドパンツと合わせるときは、ニットの裾の幅と、パンツの裾の幅がそろっているかも見てください。裾の幅の合わせ方はワークブーツにワイドパンツは合う?で書いた、裾のかぶり方と幅の差の考え方がそのまま使えます。
スカートのとき:タイト・フレア・プリーツで一段ずらす
スカートでも差の測り方は同じですが、スカートの形によって、結論を一段ずらします。
タイトスカートは、腰まわりに余白がありません。入れたニットの生地がそのまま腰まわりのかさになるので、パンツのときより一段「出す」寄りにします。差が12cmなら、パンツでは前だけ入れるところを、タイトスカートでは前中心だけ3cm入れるか、出したままにします。差が15cm以上でも、全部入れるのは2枚で4mm以下のごく薄いニットだけにしてください。
フレアスカートやプリーツスカートは、上端から下に向かってふくらみがあります。入れたニットの生地がふくらみの中に隠れるので、パンツのときより一段「入れる」寄りにできます。差が12cmなら、全部入れても腰まわりはもたつきにくくなります。全部入れると、上半身がすっきりして、スカートのふくらみとの対比がはっきりします。
スカートの丈も、入れるか出すかに影響します。膝下からふくらはぎ丈の長いスカートは、全部入れて上端の位置を見せたほうが、脚の始まりが見えて重く見えません。膝丈より短いスカートは、出したままでも全体の長さの釣り合いがとりやすく、どちらでも合わせられます。
スカートの裏地も見ておきます。裏地がつるつるした素材のスカートは、入れたニットの裾が裏地の上で滑って、歩くたびに少しずつ上がってきます。パンツより抜けるのが早いので、入れる深さを2cmほど深くしてください。裏地のない、ウールや起毛のスカートは、ニットの裾が生地に引っかかって止まるので、ふつうの深さで足ります。
ウエストがゴムのスカートやパンツは、上端が平らに見えないぶん、入れたときに上端のギャザーがニットの下で波打ちます。全部入れるなら、ニットのふくらみを少し大きめに、3cmほど引き出して、ギャザーの上に生地をかぶせてください。前だけ入れるなら、入れるところを前中心の狭い幅に絞ると、ギャザーが見える範囲が小さくなります。上端が平らなベルト付きのボトムスと比べて、一段「出す」寄りに考えておくと、外れません。
どちらとも取れるとき① 差がちょうど5cm・15cm前後
差がちょうど境目にかかるときは、2つ目の物差しで決めます。それは、横から見たときの、ニットの前の落ち方です。
鏡に対して横を向いて立ち、ニットの前の裾が、ボトムスの上端からまっすぐ下に落ちているか、少し前に浮いているかを見てください。胸のあたりで生地が前に出て、裾が前に浮いているなら、入れる寄りにします。浮いた裾を入れると、ニットの前がボトムスの上端に向かって落ち着いて、横から見たときの線が整います。胸まわりのゆとりと裾の浮き方の関係は胸が大きい人のニットのゆとりと裾に詳しく書いています。
反対に、裾がまっすぐ下に落ちているなら、出す寄りにします。浮いていない裾は、出したままでも境目がはっきり見えます。
差が5cm前後なら、前が浮いている人は前だけ入れる、浮いていない人は出したまま。差が15cm前後なら、前が浮いている人は全部入れる(薄手のとき)、浮いていない人は前だけ入れる。境目で迷ったら、この順番で決めてください。
もうひとつ、ニットの身幅も見ておきます。身幅にゆとりのあるニットは、同じ差でも入れたときのかさが大きくなるので、一段「出す」寄りに。身幅がからだに沿うニットは、一段「入れる」寄りにできます。胸まわりが控えめで、ニットの前が平らに落ちる人の合わせ方は胸が小さい人の秋のニットも参考になります。
どちらとも取れるとき② 座る時間が長い日
入れるか出すかを決めても、座る時間が長い日は、入れた裾が抜けてきます。デスクワークで、朝から夕方まで座っている日は、この抜けを前提に決め直します。
前だけ入れた裾は、座って前かがみになるたびに、少しずつ上に引っぱられて抜けてきます。昼までに半分抜けて、前の中心だけが中途半端に入っている状態になると、出したままより整って見えません。
座る時間が長い日の選び方は、2つあります。
1つは、入れる深さを深くすることです。8cmではなく、10cmから12cm入れておきます。深く入れたぶん、抜けるまでに時間がかかります。トイレに立ったついでに、鏡の前で入れ直す習慣をつけておくと、一日もちます。
もう1つは、ニットの下に裾の長い肌着を着て、肌着の裾をボトムスに入れ、ニットの裾をその肌着にかぶせるように入れる方法です。肌着の生地が滑り止めになって、ニットの裾が抜けにくくなります。全部入れるときのもたつきも減ります。
どちらも面倒なら、座る時間が長い日は、最初から出したままでいい組み合わせを選びます。差が5cm未満に収まるニットとボトムスの組み合わせを、平日用に1つか2つ決めておくと、朝の迷いが減ります。
どちらとも取れるとき③ 上に羽織る日:前を開けるか閉めるかで決め直す
秋の後半になると、ニットの上に何かを羽織る日が増えます。羽織りがあると、ニットの裾の見え方が変わるので、入れ方を決め直します。
決め手は、羽織りの前を開けて着るか、閉めて着るかです。
前を開けて着る日は、ニットの前中心だけが見えます。このときは、前だけ入れる形がいちばん効きます。羽織りの縦の線と、ニットの前の境目が重なって、羽織りの内側で脚の始まりがはっきり見えます。羽織りの丈がヒップより長いなら、ニットの脇と後ろは羽織りに隠れるので、前だけ入れても脇の裾の長さは気になりません。
前を閉めて着る日は、ニットの裾はほとんど見えません。この日は、羽織りを脱いだときの見え方で決めます。職場の中で脱ぐなら、ふだんどおりの基準で。一日脱がないなら、出したままのほうが、羽織りの中で裾がもたつかず、着心地が楽です。
羽織りがカーディガンのように薄いものなら、ニットの裾とカーディガンの裾の位置の差も見ておきます。カーディガンの裾がニットの裾より5cm以上長いと、2枚の裾が段になって見えて、重ねたことがわかりやすくなります。2枚の裾がほとんど同じ位置だと、1枚の厚いトップスのように見えます。どちらがよいかは好みですが、前だけ入れるなら、カーディガンの裾は長いほうが、入れた前中心が引き立ちます。
秋の着始めと、冬の立ち上がりで変わること
秋のニットは、着始めの時期と、冬に向かう時期で、厚みも合わせるボトムスも変わります。同じ基準でも、時期によって選ぶ答えが動きます。
着始めの時期は、薄手のニットを、夏に穿いていた軽い素材のボトムスと合わせることが多くなります。薄手のニットは全部入れられるので、差が15cm以上あっても入れて構いません。夏のあいだ、トップスを出したまま着ていた人は、この時期に一度、全部入れる着方を試してみてください。同じボトムスでも、季節が変わったことがはっきり見えます。
朝晩が冷えてくると、ニットの下にシャツや薄いカットソーを重ねる日が出てきます。下に着たものの裾をニットの裾から出すかどうかも、同じ差の考え方で決められます。下に着たものがニットの裾より3cm以上長ければ、段にして見せる。3cm未満なら、ニットの中に収めます。朝と昼の寒暖差で何を重ねるかは秋の寒暖差の服装にまとめています。
冬に向かう時期は、ニットが厚くなり、ボトムスも厚手のウールや起毛の素材になります。厚いニットと厚いボトムスの組み合わせは、全部入れるとかさが2倍になります。この時期は、前中心だけ3cm入れるか、出したまま丈で合わせるかの2択と考えておくと迷いません。黒いニットを冬に重く見せない合わせ方は黒ニットコーデも見てください。
入れた裾を崩さないための、小さなやり方
前だけ入れる、全部入れる、どちらを選んでも、入れた裾が一日のうちに崩れていくことはあります。崩れにくくする方法を、いくつか挙げておきます。
ベルトを締める日は、ベルトを締める前に裾を入れます。入れてからベルトを締めると、裾がベルトに押さえられて抜けにくくなります。前だけ入れるときは、入れたところの上にベルトのバックルが来るようにすると、入れた形が固定されます。
ニットの裾を入れる前に、裾を一度、内側に1cmほど折ってから入れると、入れた部分がボトムスの中で丸まって、抜けにくくなります。とくに、薄手でなめらかな糸のニットは、そのまま入れると滑って出てきやすいので、この一手間が効きます。
入れたところのふくらみは、朝に整えたあと、昼にもう一度整えます。座ったり歩いたりするうちに、ふくらみが片側に寄っていくからです。トイレで鏡を見たついでに、両手でニットの前を軽く引いて、ふくらみを左右にそろえ直してください。
鏡の前で確かめる順番
最後に、朝の鏡の前で迷ったときの順番をまとめておきます。
- ニットとボトムスを着て、前中心で、ニットの裾がボトムスの上端から何cm下に落ちるかを測る
- 5cm未満なら出したまま。5〜15cmなら前だけ入れる。15cm以上なら3へ
- 指でつまんだ生地2枚分の厚みを見る。4mm以下なら全部入れる。10mmを超えるなら入れずに、ボトムスかニットを替える
- スカートなら、タイトは一段「出す」寄り、フレアやプリーツは一段「入れる」寄りにずらす
- 横から見て、ニットの前が浮いていれば一段「入れる」寄り、まっすぐ落ちていれば一段「出す」寄りに
- 座る時間が長い日は、入れる深さを10cm以上にするか、肌着の上から入れる
- 羽織りの前を開ける日は、前だけ入れる形を優先する
この順番で、たいていの組み合わせは1分以内に決まります。決めた組み合わせと答えを書き留めておけば、次からは測らなくても着られます。
鏡だけで決めきれないときは、スマートフォンで全身を1枚撮ってみてください。鏡の中の自分は、どうしても顔や上半身に目が行き、裾の位置は見落としがちです。写真にすると、全身の中で境目がどの高さにあるかが、ほかの人の目で見るように確かめられます。入れた写真と出した写真を2枚並べて、境目の位置が高く見えるほう、全体の長さの釣り合いが取れて見えるほうを選びます。撮るときは、カメラを胸の高さに構えて、少し離れたところから撮ると、脚の長さが実際に近く写ります。
2枚の写真で迷ったら、その日の予定で選びます。人に会う時間が長い日は、境目がはっきり見えるほう。移動や作業が多い日は、裾が抜けても気にならないほう。どちらを選んでも、測った差に沿っていれば、大きく外れることはありません。
ニットの裾をどうするかは、ニットの好みの問題に見えて、実はボトムスとの位置の問題です。秋のニットを出す最初の週に、手持ちのボトムスと一通り組み合わせて差を測っておくと、冬の終わりまで、毎朝の迷いがひとつ減ります。
よくある問い
- Q. ニットの前だけ入れると、だらしなく見えませんか
- 入れる幅が広すぎるか、入れた裾を引き上げすぎているときにそう見えます。前中心から左右に5cmずつ、合わせて10cmくらいを入れて、入れたところの上に2cmほど生地をふくらませて落とすと、わざと入れた形に見えます。左右どちらかに寄せるなら、前中心から片側に8cmくらいまで。入れていない部分の裾が、ボトムスの上端から5cm以上下に落ちているかも確かめてください。
- Q. 厚手のニットを全部入れると、腰まわりがもたつきます
- 生地2枚分を指でつまんで10mmを超えるニットは、全部入れると腰まわりに布がたまりやすくなります。この厚みのニットは入れずに、裾がボトムスの上端から10cm前後で止まる丈を選ぶか、前中心だけを3cmほど入れて裾の線を少し上げる程度にしてください。全部入れたいときは、ニットの下に薄い肌着を着て、肌着の裾だけをボトムスに入れ、ニットはその上にかぶせると、もたつきが減ります。
- Q. 座っているとニットの裾が出てきてしまいます
- 入れた裾がボトムスの上端から5cmしか入っていないと、座って前かがみになるたびに抜けてきます。入れる深さを8cm以上にするか、ニットの下に着た肌着の裾をボトムスに入れて、ニットの裾をその肌着にかぶせるように入れてください。肌着の生地が滑り止めの役をして、抜けにくくなります。座る時間が長い日は、最初から出したままにする前提で、裾がボトムスの上端から5cm未満に収まるニットを選ぶのも手です。
- Q. スカートのときも、同じ基準で決めていいですか
- 差の数え方は同じですが、スカートの形で一段ずらします。タイトスカートは腰まわりに余白がないので、パンツより一段「出す」寄りに。フレアやプリーツのスカートは、上端から下にふくらみがあるので、パンツより一段「入れる」寄りにしてください。たとえば差が12cmのニットなら、パンツでは前だけ入れますが、フレアスカートなら全部入れても腰まわりがもたつきにくくなります。
— メグラシ編集部





