胸が小さい人の秋ニット|胸の前の余りと編み柄の高さで決まる

**秋のニットを着て鏡を見たとき、前身頃が平らに落ちて、ニットだけが目立って見えることはありませんか。**胸の厚みが控えめな人がそう感じるとき、合っていないのは体ではなく、ニットの2か所です。
1つは、**胸のいちばん高い位置で、前身頃を何cmつまめるか。**もう1つは、**編み柄がどの高さから始まっているか。**この2つが分かれば、サイズ表記に頼らずに秋ニットを選べます。
胸の厚みが控えめな体は、編み柄や布の表情がそのまま読める体でもあります。この記事は、それを活かす側から書いています。通年の服選びの全体は胸が小さいことを活かす装いにまとめてあります。
結論:秋ニットは、胸の前の余りと柄の高さで決まる
| 胸の前でつまめる量 | 前身頃の見え方 | 合わせやすいニット |
|---|---|---|
| 2cm以内 | 体に沿い、編み目の凹凸がそのまま出る | 細い畝のリブ、ハイゲージ |
| 2〜5cm | 布が少し浮き、平らな面になりやすい | ミドルゲージで、胸の高さに柄のあるもの |
| 5cm以上 | 胸の厚みに関係なく布が落ちる | 肩線で着るオーバーサイズ |
のっぺり見えやすいのは、真ん中の2〜5cmの帯です。体に沿うほど近くもなく、形として落ちるほど大きくもない。ここに入るニットは、柄の位置で立体を足します。
測る①|胸のいちばん高い位置で、何cmつまめるか
ニットを着て鏡の前に立ち、胸のいちばん高い位置の高さで、前身頃の布を左右から中央に向けてつまみます。つまんだ布の山の高さが、余りの量です。
- 指先でつまむのがやっと……1cm前後
- 指の第一関節まで入る……2〜3cm
- 指の第二関節まで入る……4〜5cm
- それ以上……5cm以上
つまむときは、背すじを伸ばし、腕を下ろした状態で測ってください。腕を上げたり前に出したりすると、前身頃が引かれて余りが少なく出ます。
測る②|編み柄が始まる高さは、胸より上か下か
次に、ニットの前身頃の柄を見ます。ケーブル編み(縄のような立体の柄)、畝の太いリブ、ボーダー、切り替え。どの柄でも、その柄がいちばん上で始まる高さを見てください。
- 胸のいちばん高い位置より上から始まっている
- 胸の高さのあたりから始まっている
- 胸より下、みぞおちや裾の近くから始まっている
柄のある位置は、布が立体に見える位置です。胸の高さから上に柄があると、前身頃の上半分に凹凸が生まれ、平らな面に見えにくくなります。裾だけに柄があるニットは、上半分が平らなまま残ります。
余りが2cm以内|細い畝のリブと、体に沿うハイゲージ
余りが2cm以内のニットは、体に沿って落ちます。このとき、編み目の細かな凹凸がそのまま前身頃に出るので、無地でも表情があります。
合わせやすいのは、畝が3mm前後の細いリブ編みや、編み目の細かいハイゲージです。細い畝の縦の線が胸から裾まで通ると、前身頃が縦に分かれ、平らな一枚の面に見えません。
気をつけたいのは、薄すぎて下着の線が出るものです。手に持って光にかざしたとき、向こうが透けて見える薄さなら、インナーを1枚重ねるか、もう少し厚みのあるものを選んでください。
余りが2〜5cm|ミドルゲージで、胸の高さに柄
この帯のニットは、いちばん迷いやすいところです。布が少し浮いて、胸から裾までまっすぐ落ち、平らな面になりやすいからです。
選ぶときは、胸の高さのあたりから柄が始まっているミドルゲージを探してください。ケーブル編みが胸の上から縦に走っているもの、ヨーク(肩から胸にかけての切り替え)に柄があるもの、胸の高さに横の切り替えがあるもの。どれも、浮いた布に凹凸を与えて、前身頃に立体を作ります。
無地のミドルゲージを着る日は、裾を前だけ5cmほど入れてください。布がウエストに向かって引かれ、胸の前に小さなたるみができて、平らな面が崩れます。
余りが5cm以上|オーバーサイズは肩線で着る
余りが5cm以上あるオーバーサイズのニットは、胸の厚みに関係なく布が落ちます。どんな体の人が着ても前身頃は平らに見えるので、**胸で合わせる必要がありません。**そのかわり、形がまとまるかどうかは肩と裾で決まります。
- 肩線が、腕の付け根から下へ指2本以内に落ちている
- 袖口と裾にリブがあって、布の終わりがはっきりしている
- 裾が腰骨のあたりで終わっている
この3つがそろっていれば、大きなニットでも体の枠が伝わり、着られている印象になりません。オーバーサイズは、胸の厚みが控えめな人にとって、もっとも選びやすい形の1つです。
首元|クルーネックは鎖骨の上、Vは深さ指3本まで
ニットの首元も、胸の前の見え方に関わります。
クルーネックは、襟ぐりの縁が左右の鎖骨のあいだのくぼみより上にあるものを選ぶと、首元から胸へのつながりがすっきりします。襟ぐりが広く、くぼみより下まで開くものは、胸の上に平らな面が大きく出ます。
Vネックは、くぼみからVの底まで指3本以内が目安です。指4本を超えると、Vの内側で布が胸から離れて浮きやすくなります。深いVネックを着たい日は、首元の詰まったインナーを内側に重ねて、見えるVの底をインナーの縁で作ってください。
タートルネックやハイネックは、首元に面積が集まるので、胸の前の見え方をあまり気にせずに着られる首元です。
縦の柄と横の柄では、働きが逆になる
柄の向きも、効き方が違います。
縦の柄、つまりケーブル編みや太めのリブは、前身頃を縦に分けます。胸から裾までを細長い帯に区切るので、平らな一枚の面になりません。胸の高さから始まっていれば、そこに立体の起点ができます。
横の柄、つまりボーダーや横の切り替えは、線のある高さに視線を止めます。胸の高さに横の線があると、そこに視線が集まって前身頃の上半分に厚みが出たように見えます。反対に、横の線が胸より下の低い位置にだけあると、視線が下に流れて上半分が平らに残ります。
どちらを選ぶかは好みで構いません。縦の柄は胸の高さから、横の柄は胸の高さに、というのが合わせる位置の目安です。
どちらとも取れるとき①|肩幅に合わせると胸が余る
肩幅がしっかりしている人は、肩に合わせてサイズを選ぶと、胸の前が3〜5cm余ることがあります。
このときは、**肩を優先してください。**肩線がずれると、体の枠そのものが合っていないように見えます。胸の余りは、柄の位置や、裾を前だけ入れる着方であとから調整できますが、肩線のずれは着方では戻りません。
どうしても余りが気になる場合は、肩線がもともと落ちる前提のドロップショルダーのニットを選んでください。肩幅に縛られずに、胸に合わせたサイズを選べます。
どちらとも取れるとき②|下着で余りの量が変わる
同じニットでも、合わせる下着によって、胸の前の余りが1〜2cm変わります。厚みのある下着の日は2cm以内に収まり、薄い下着の日は3cm以上余る、ということがよくあります。
試着や手持ちの判定は、そのニットを実際によく着るときの下着で行ってください。秋冬は、インナーを1枚重ねる日も増えます。インナーの厚みでも余りは変わるので、重ねる予定があるなら、重ねた状態で測ります。
どちらとも取れるとき③|上にカーディガンやジャケットを羽織る
10月から11月にかけて、ニットの上に何かを羽織る日が増えます。前を開けた上着は、前身頃の左右を縦の線で区切るので、ニットの見えている幅が狭くなります。
**見えている幅が狭くなると、胸の前の余りは目に入りにくくなります。**羽織る前提のニットなら、余りが2〜5cmの無地でも、平らな面は気になりません。そのかわり、見えている中央の帯に何か1つ表情を置くと、全体がまとまります。細い畝、小さな柄、首元のインナーの縁。どれか1つで足ります。
試着室で1分でやること
- 背すじを伸ばし、腕を下ろして、胸のいちばん高い位置で前身頃をつまむ(余りの量)
- 前身頃の柄が、胸より上・胸の高さ・胸より下のどこから始まっているかを見る
- 肩線が腕の付け根から指2本以内にあるかを見る
- 鏡から2歩下がって、前身頃が一枚の平らな面に見えるか、凹凸があるかを見る
4つ目で平らに見えたら、1と2に戻って、余りを減らすか、柄の位置が高いものに替えます。サイズを1つ下げるより、柄の位置を変えるほうが、着心地を変えずに解決できることが多いです。
よくある行き違い
**「胸が小さいなら、フリルや飾りで足すしかない」。**飾りは面積が大きいので、胸の前だけでなく上半身全体の印象を変えます。秋ニットでは、飾りより編み柄の凹凸のほうが、前身頃に自然な立体を作ります。
**「ぴったりしたニットは避けたほうがいい」。**余りが2cm以内のニットは、編み目の凹凸がそのまま出るので、むしろ胸の厚みが控えめな体でいちばん表情が出る形です。薄すぎないものを選べば、ぴったりしていても着やすいはずです。
**「サイズ表記で決めればいい」。**同じ表記でも、身幅や編み方で胸の前の余りは大きく変わります。表記は目安にとどめて、つまめる量で確かめてください。胸の厚みがある人の選び方と比べたいときは胸が大きい人の装いも参考になります。
年代で変わるところ
2つの測り方は、年代で変わりません。変わるのは、どの帯のニットがいちばん着やすいかです。
20代から30代は、余りが2cm以内の体に沿うニットを、そのまま1枚で着やすい時期です。細い畝のリブは、編み目の凹凸がくっきり出て、無地でも表情が出ます。
40代から50代は、余りが2〜5cmの帯のニットを、柄の位置で選ぶ機会が増えます。体に沿うものより少しゆとりのある形を選ぶ人が多くなるからです。胸の高さから始まるケーブル編みや、ヨークに柄のあるものを基準にすると、ゆとりを残したまま前身頃が平らになりません。
60代以降は、首元の詰まったクルーネックや低めのハイネックに、ミドルゲージの柄を合わせると落ち着きます。オーバーサイズを選ぶなら、肩線が落ちすぎないもの、指1本以内のものを選ぶと、体の枠がはっきり伝わります。
装いに活かすなら
秋は、ニットを着る日が一年でいちばん多くなる季節です。胸の厚みが控えめな人がニットを楽しむために見るのは、胸の前でつまめる量と、編み柄が始まる高さの2つだけです。
余りが2cm以内なら、細い畝で編み目を見せる。2〜5cmなら、胸の高さから柄のあるものを選ぶ。5cm以上なら、肩線と裾で形をまとめる。手持ちのニットを一度この3つに分けておくと、買い足すときに、どの帯のどんな柄が足りないのかがすぐに分かります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 胸が小さいと、ニットがのっぺり見えてしまいます
- ニットそのものより、胸の前に余っている布の量と、編み柄の位置を見てください。胸のいちばん高い位置で前身頃をつまんで、2cmを超えて余っていると、布が胸から裾までまっすぐ落ちて、平らな面に見えます。余りを2cm以内に収めるか、胸の高さに編み柄のあるニットを選ぶと、前身頃に凹凸が生まれて、のっぺりとした印象が消えます。
- Q. オーバーサイズのニットは合いますか
- 合います。ただし、胸で着るのではなく肩線で着てください。余りが5cm以上あるオーバーサイズは、胸の厚みに関係なく布が落ちるので、どんな体でも前身頃は平らに見えます。そのぶん、肩線が腕の付け根から指2本以内に落ちているか、袖と裾にリブがあって布の終わりがはっきりしているかで、形がまとまって見えるかが決まります。
- Q. Vネックは胸元が開いて見えませんか
- 深さで決まります。左右の鎖骨のあいだのくぼみから、Vの底まで指3本以内なら、胸の厚みに関係なく首元がすっきり見えます。指4本を超えると、Vの内側に浮きができやすくなります。深いVネックを着たい日は、内側に首元の詰まったインナーを重ねて、Vの底の高さをインナーの縁で作ってください。
- Q. 肩幅に合わせてサイズを選ぶと、胸が余ってしまいます
- 肩と胸のどちらかを優先するなら、肩を優先してください。肩線がずれると、体の枠そのものが合っていないように見えます。胸の余りは、編み柄の位置や、裾を前だけ入れる着方で調整できます。どうしても余りが気になる場合は、肩線が落ちる前提のドロップショルダーのニットを選ぶと、肩幅に縛られずに胸に合わせたサイズを選べます。
— メグラシ編集部





