胸が大きくても太って見えないニット|身幅のゆとりと裾の浮きで選ぶ

**秋のニットを着て鏡の横に立ったとき、胸から裾までがまっすぐ落ちて、胴まで厚く見えることはありませんか。**胸に厚みのある人が「ニットを着ると太って見える」と感じるとき、合っていないのは体ではなく、ニットの3か所です。
1つは、身幅にどれだけゆとりがあるか。2つめは、横から見て、前裾が体から何cm浮いているか。3つめは、編み地がどれだけ厚いか。どれも売り場や自宅で測れます。
胸の厚みがある体で太って見えるしくみと、通年の服選びの全体は胸が大きいと太って見える服装にまとめてあります。この記事は、秋冬のニット1品目だけを扱います。
結論:ニットは、ゆとり・裾の浮き・厚みの3つで決まる
| 見る場所 | 測り方 | 合う目安 | 外れるとどう見えるか |
|---|---|---|---|
| 身幅のゆとり | 平置きの身幅×2 − 自分のバスト | 6〜12cm | 4cm未満で畝が曲がる/14cm超で筒になる |
| 前裾の浮き | 横から見て、胸の頂点の真下で裾と体のあいだ | 3cm以内 | 5cm以上で前身頃がテントになる |
| 編み地の厚み | 前身頃をつまんだ厚さ | 5mm以下 | 厚いほど胸の前で厚みが重なる |
ニットで太って見えるしくみは、ひとことで言えば布が胸の頂点で止まり、そこから真下に落ちることです。落ちた布が裾まで体に戻らないと、胴の細さが隠れて、胴全体が胸の厚みで読まれます。3つの数字は、どれもこの落ち方を見ています。
測る①|身幅のゆとりは、平置きで出す
売り場でも自宅でも、ニットを平らな台に置いて、脇の下の縫い目から反対の脇の下までの幅を測ります。これが身幅です。
身幅を2倍して、自分のバストのいちばん高い位置の周囲を引いた数字が、ゆとりです。バストの周囲が分からなければ、メジャーで一度測っておきます。測り方の詳しい手順は胸のサイズ・大きさとバストの測り方でも触れています。
- ゆとり4cm未満……体にぴったり沿う。編み目が横に引かれる
- ゆとり6〜12cm……胸の高さで編み目が引かれず、裾に向かって自然に落ちる
- ゆとり14cm超……胸の頂点から布がまっすぐ落ち、胴との間に空間ができる
表示のサイズが同じでも、身幅はニットごとに数cm違います。サイズ表記より、身幅の数字で比べてください。
ゆとり6〜12cmの理由|縦の畝がまっすぐ通るか
ゆとりが足りているかは、着てみると一目で分かります。リブ編みやケーブル編みのような縦の畝が、胸の高さでまっすぐ通っているかを見てください。
ゆとりが4cmを下回ると、胸のいちばん高い位置で編み目が横に引かれて、縦の畝が外側へ弧を描くように曲がります。曲がった畝は、それ自体が胸の丸みをなぞる線になり、胸の高さに視線を集めます。
ゆとりが6〜12cmあれば、畝は胸の前でもまっすぐ下へ通ります。**まっすぐな縦の線が胸から裾まで続くと、前身頃が縦に分かれて、胸の厚みより縦の長さが先に読まれます。**無地のハイゲージでも、胸の高さで編み目がつぶれて光り方が変わっていないかを見れば、同じ判断ができます。
測る②|横から見て、前裾が何cm浮いているか
次に、ニットを着て鏡に横向きで立ちます。胸の頂点の真下で、前裾と体のあいだが何cm空いているかを見てください。指を横にして1本が約2cmです。
- 3cm以内……前裾が体に戻っている。胴の細さが横から見える
- 3〜5cm……少し浮いている。正面からは気にならないことが多い
- 5cm以上……前身頃が胸の頂点から裾へ斜めに張られ、テントのような形になる
浮きが5cmを超えると、正面から見たときも、胸の下の胴が前身頃の影に入って見えなくなります。**「太って見える」と感じる多くは、この浮きです。**前後の裾の長さの差も浮きに関わるので、裾の形から選ぶ方法は胸が大きい人の服は前裾と後ろ裾の差で選ぶを見てください。
浮きを3cm以内に戻す|裾リブ・前だけ入れる・着丈
浮きは、着方とニットの選び方で戻せます。
**裾にリブのあるものを選ぶ。**裾のリブは、腰のあたりで布を体の側へ引き戻します。リブの幅が3cm以上あり、手で横に引いてすぐ戻るものなら、胸から落ちた布が裾で体に戻り、浮きが減ります。
**前だけ裾を入れる。**裾をボトムスに前だけ5cmほど入れると、布が胸の下からウエストへ向かって引かれ、胸の真下に布の戻る場所ができます。後ろは出したままで構いません。
**着丈を腰骨で止める。**裾が腰骨より下、腰のいちばん張る位置まであると、そこで布が止まって浮きが残ります。着丈が腰骨のあたりで終わるものは、布が体に戻る前に裾が終わるので、浮きの面積が小さくなります。
測る③|つまんで厚さ5mmを超えるか
最後が編み地の厚みです。前身頃の布を、胸より少し下の位置で指でつまんで、つまんだ厚さを見ます。
- 3mm以下……ハイゲージ。体の形がそのまま出るので、ゆとりの数字がいちばん効く
- 3〜5mm……ミドルゲージ。ほどよく形を拾い、畝や柄が見えやすい
- 5mm超……ローゲージ。胸の前で布が重なり、厚みがもう一段足される
**5mmを超えるローゲージは、胸の前で布の厚みが倍になって読まれます。**冬に厚手を着たい日は、前身頃に縦の畝があるもの、あるいは胸の前だけ編みが細かく切り替わっているものを選んでください。厚みがあっても、縦の線が面を分けます。
編み柄の向き|縦の畝は、胸の前をまっすぐ通るもの
柄のあるニットは、柄の向きと位置で効き方が変わります。
縦の畝やケーブル編みは、前身頃を縦に分けます。胸の頂点を通る位置に縦の畝があり、それが裾までまっすぐ続いているものが扱いやすい形です。ゆとりが足りていれば、畝は曲がらずに通ります。
胸の高さの横の柄やボーダーは、線のある高さに視線を止めます。胸の頂点の高さに横の線がくると、そこが最も幅のある位置として読まれます。横の柄を着たい日は、線が胸より下、みぞおちより下から始まるものを選んでください。
胸の中央に大きなケーブルや立体の柄が1本だけあるものは、柄の厚みが胸の頂点の前に重なります。柄の立体が大きいほど、厚みが一段足されます。
首元|Vの底と、ハイネックの無地の面
首元の形も、胸の高さの見え方に関わります。
Vネックは、左右の鎖骨のあいだのくぼみから、Vの底まで指3〜4本(6〜8cm)が目安です。Vの底が胸の頂点より上にあると、首元から縦の線が伸びて、胸の前の面が分かれます。Vが深すぎて胸の頂点より下まで開くと、Vの縁が胸の丸みに沿って広がり、横に開いて見えます。
ハイネックやタートルネックは、首から胸の頂点までが1枚の無地の面になります。この面の縦が長いほど、胸の高さに視線が集まります。首元から胸まで細い縦の畝が通っているものを選ぶか、長めのネックレスを胸の頂点より下まで垂らして、面に縦の線を1本足してください。タートルネックと体の合わせ方はタートルネックが似合わない骨格は?にもまとめてあります。
どちらとも取れるとき①|肩に合わせると胸がきつい
肩幅に合わせてサイズを選ぶと、胸のゆとりが4cmを下回ることがあります。反対に、胸に合わせると、肩線が落ちすぎます。
このときは、肩線が落ちる前提のドロップショルダーのニットを探してください。肩の縫い目がもともと腕の側にあるので、肩幅に縛られずに、胸のゆとりで選べます。肩線は、肩のいちばん外側の骨から指2〜3本(4〜6cm)までの落ち方なら、きちんと見えます。
ドロップショルダーが好みでなければ、肩に合わせたうえで、前を開けて着られるカーディガンに替えるのも1つです。
どちらとも取れるとき②|ゆったり着たい
ゆとり14cmを超える大きめのニットを着たい日もあります。その場合は、布が体に戻る場所を1か所だけ作ってください。
- 裾にリブのあるものを選んで、腰の位置で布を戻す
- 前だけ裾を入れて、胸の下に戻る場所を作る
- 袖口にリブがあるものを選び、手首で布が止まるようにする
3つのうち1つあれば、大きめのニットでも、胴全体が1枚の筒になりません。3つとも無いと、胸から裾、肩から袖口まで、どこにも布の止まる場所がなくなります。
どちらとも取れるとき③|カーディガンとして前を開けて着る
カーディガンや前開きのニットを、前を開けて着る日は、測る場所が変わります。前を開けると、左右の前端が縦の線になり、胸の前は内側の服が見えるからです。
このとき見るのは、前端がまっすぐ下に落ちているかです。胸の頂点で前端が外へ押し出されて、裾に向かって開いていく形になると、胸の高さがいちばん広く見えます。ボタンを胸の下の1つだけ留めると、前端が胸の下で内側に戻り、縦の線が保てます。ボタンの位置の決め方は胸が大きい人の服選び|ボタンの開き幅でも扱っています。
秋口と真冬で変わるところ
10月の秋口は、薄手から中厚手のニットを1枚で着る日が多い時期です。この時期はゆとりと裾の浮きの2つを見れば足ります。編み地が薄いので、厚みの問題はあまり出ません。
11月から冬にかけては、ローゲージの厚手や、ニットの上にコートを重ねる日が増えます。厚みの5mmがいちばん効く時期です。厚手を選ぶなら縦の畝のあるもの、コートを重ねるならニットの首元を低めにして、コートの襟と首元の厚みが重ならないようにしてください。
試着室で2分でやること
- 平置きの身幅を見て、×2から自分のバストを引く。6〜12cmか
- 着て正面を見る。縦の畝や編み目が、胸の高さで曲がっていないか
- 横を向く。胸の頂点の真下で、前裾が体から3cm以内か
- 前身頃をつまむ。厚さが5mm以下か
- 前だけ裾を入れてみて、浮きがどれだけ戻るかを見る
5つめで浮きが戻るなら、そのニットは着方で使えます。戻らないときは、ゆとりが14cmを超えているか、裾が腰のいちばん張る位置まで長いことがほとんどです。
よくある行き違い
**「胸が大きい人はゆったりしたニットがいい」。**ゆとりが大きすぎると、布が胸の頂点から裾までまっすぐ落ちて、胴全体が胸の厚みで読まれます。大切なのはゆったりしているかではなく、布が裾で体に戻るかどうかです。
**「ぴったりしたニットは胸が強調される」。**ゆとり4cm未満のものは畝が曲がって胸の高さに視線が集まりますが、6〜12cmなら体に沿っていても畝がまっすぐ通ります。沿うこと自体は問題ではありません。
**「暗い色を着れば目立たない」。**暗い色は面の広さを狭く見せますが、裾の浮きは影として残ります。色を替えるより、浮きを3cm以内に戻すほうが印象は大きく変わります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 胸が大きいと、ニットを着ると太って見えます。どんなニットを選べばいいですか
- 形の名前より、3つの数字を見てください。平置きした身幅を2倍して自分のバストのいちばん高い位置の周囲を引いたゆとりが6〜12cmか。横から見て、胸の頂点の真下で前裾が体から3cm以内に収まっているか。前身頃をつまんだ厚さが5mm以下か。この3つがそろうと、胸から裾へ布がまっすぐ落ちる筒の形にならず、胴の細さが伝わります。
- Q. 大きめのニットを選べば目立たないのでは
- ゆとりが14cmを超えると、布が胸の頂点から裾までまっすぐ落ちて、胴全体が胸の厚みで読まれます。これが太って見える原因の多くです。大きめを着たい日は、裾にリブがあって腰の位置で布が体に戻るものを選ぶか、前だけ裾を入れて、胸の下に布の戻る場所を作ってください。
- Q. ぴったりしたニットは避けたほうがいいですか
- ゆとりが4cmを下回るほどぴったりしたものは、編み目が胸の高さで横に引かれて、縦の畝が外へ曲がって見えます。曲がった畝は、胸の高さに視線を集めます。避けるのは、ゆとり4cm未満のものだけで構いません。6〜12cmなら、体に沿っていても畝がまっすぐ通り、すっきり見えます。
- Q. タートルネックやハイネックは着られますか
- 着られます。首元が詰まると、首から胸の頂点までが1枚の無地の面になり、その面の縦が長いほど胸の高さに視線が集まります。首元に細い縦の畝があるもの、胸の前に縦の線が通るものを選ぶと、面が縦に分かれて気になりません。長めのネックレスを胸の頂点より下まで垂らすのも同じ働きをします。
— メグラシ編集部





