胸が大きくても太って見えないコート|前を閉める日と開ける日の選び方

**コートを着て鏡の前に立ったとき、前を閉めた姿と開けた姿、どちらで「太って見える」と感じましたか。**胸に厚みのある人のコート選びは、この2つで見るところが違います。
前を閉める日に見るのは、**胸の頂点の高さでボタンの間に横じわが出ないか。**前を開ける日に見るのは、**胸の高さで内側の服が縦の帯として何cm見えているか。**寒い朝や屋外の行事で閉める日と、電車や屋内で開ける日では、合うコートの条件が変わります。
ニットの選び方は胸が大きくても太って見えないニットに、通年の総論は胸が大きいと太って見える服装に分けてあります。この記事はコートだけを扱います。
結論:閉める日と開ける日で、見る場所が違う
先に答えを並べます。自分がその冬に、前を閉める日と開ける日のどちらが多いかで、優先する行を決めてください。
| 比べる点 | 前を閉める日 | 前を開ける日 |
|---|---|---|
| 太って見える原因 | 胸の高さで布が横に引かれる | 前端が胸から浮いて、胸から裾が一枚の面になる |
| 見る場所 | 胸の頂点の高さのボタンの間 | 胸の高さで見える内側の縦の帯 |
| 合格の目安 | ボタンの間に横じわが出ない | 縦の帯が10〜15cmで裾まで続く |
| 身幅のゆとり | 中の服の厚みに合わせて多め | 少なめでも開けて着られる |
| 襟の形 | 胸の上で縦の線を作れる形 | 開いたときに前端がまっすぐ落ちる形 |
| ボタン | 胸の頂点の高さに1つある | 閉めないので位置は問わない |
| ベルト | 本来のウエスト位置で締める | 後ろで結んで背中だけ絞る |
| 素材 | 目の詰んだ、ハリのある厚手 | 前端が落ちる重さのある布 |
**両方の日がある人は、閉める日の条件を先に満たし、開けた姿を試着で確かめてください。**閉めて合わないコートは寒い日に着られませんが、開けた姿は着方で整えられることが多いからです。
なぜコートで太って見えるのか
胸に厚みのある人がコートを着ると、コートの布は胸の頂点でいちばん前に出ます。そこから下へ落ちる布は、胸の頂点の位置を起点に、まっすぐ裾まで下ります。
前を閉めた日は、胸の頂点で布が横に引かれ、ボタンの間に横じわができます。横じわは胸の高さに横の線を何本も作るので、視線が胸の高さに集まり、胴の幅がその高さで読まれます。
前を開けた日は、左右の前端が胸の頂点から前に浮いて、そのまま裾まで落ちます。前端のあいだに見える内側の服の幅が胸の高さで広がり、コートの左右の身頃と内側の服が、胸から裾まで一枚の大きな面に見えます。体の幅より、コートがつくる面の幅で胴が読まれるので、実際より厚く見えます。
どちらの日も、起きていることは同じです。胸の頂点という1点で、布の行き先が決まってしまうことです。閉めた日は、その1点で布が横に引かれ、開けた日は、その1点から布が前へ押し出されます。コート選びは、この1点のあとで布がどこへ向かうかを選ぶことだと考えると、見る場所がぶれません。ボタンの位置、襟の形、ベルトの高さ、素材の重さ。このあとの節は、どれも胸の頂点から先の布の向きを決める道具です。
前を閉める日の寸法
前を閉める日は、身幅のゆとりとボタンの位置が効きます。平置きのコートの身幅を2倍し、自分のバストのいちばん高い位置の周囲を引いたものが、ゆとりです。
| 見るところ | 測り方 | 目安 |
|---|---|---|
| ゆとり(薄手のニットの上) | 平置き身幅×2 − バスト | 10〜14cm |
| ゆとり(厚手のニットの上) | 平置き身幅×2 − バスト | 14〜18cm |
| ボタンの位置 | 胸の頂点の高さにボタンがあるか | 頂点の上下2cm以内に1つ |
| ボタンの間の引き | 閉めて正面を見る | 横じわが出ない |
| 打ち合わせの深さ | 前身頃の重なり | 深いほど引かれても開かない |
| 身頃の前の長さ | 横から見て前裾が上がるか | 後ろ裾と同じ高さ |
| 腕を前に出したとき | 胸の上の布が引かれるか | ボタンの間が開かない |
| 座ったとき | ボタンの間が開くか | 開かないか、1つ外せば収まる |
**ボタンの位置は見落とされやすい場所です。**胸の頂点の高さにボタンがないと、ボタンとボタンのあいだの布が胸で引かれて開き、そこから中の服がのぞきます。試着のときは、胸の頂点の高さに指を当てて、その高さにボタンがあるかを最初に見てください。
前を開ける日の寸法
前を開ける日は、左右の前端がどう落ちるかが効きます。開けた前端のあいだに見える内側の服の幅を、胸の高さで測ります。
| 見るところ | 測り方 | 目安 |
|---|---|---|
| 縦の帯の幅(胸の高さ) | 左右の前端のあいだ | 10〜15cm |
| 縦の帯の幅(裾) | 左右の前端のあいだ | 胸の高さと同じか、少し広い |
| 前端の落ち方 | 横から見る | 胸の頂点から前へ5cm以上浮かない |
| 前端の位置 | 正面から見る | 胸の頂点の内側を通る |
| 襟の開き | 首元から胸まで | 前端と同じ線でつながる |
| 歩いたとき | 前端が左右に大きく開くか | 帯の幅が20cmを超えない |
| 腕を下ろしたとき | 袖と前端のすき間 | 前端が腕の内側に収まる |
**縦の帯が10〜15cmで胸から裾まで続くと、内側の服が体の中心を通る1本の線になり、胴の幅がその帯で読まれます。**前端が胸の頂点の外へ逃げて帯が20cmを超えると、帯そのものが太くなり、コートの左右と内側が一枚の面に見えてしまいます。
襟の形で、縦の線が変わる
コートの襟は、閉めたときにも開けたときにも、首元から胸への縦の線を作ります。
| 襟の形 | 閉めたとき | 開けたとき |
|---|---|---|
| テーラード襟 | Vの開きで胸の上に縦の線 | 襟と前端が1本の線でつながる |
| ステンカラー | 首元まで閉じると胸まで一面 | 襟を立てずに開けると縦の線 |
| ノーカラー(Vの開き) | 胸の上に縦の線 | 前端がまっすぐ落ちやすい |
| ノーカラー(丸い開き) | 首元から胸まで一面 | 前端の落ち方次第 |
| スタンドカラー | 首元から胸まで一面になりやすい | 襟が立つぶん前端が浮きやすい |
| ショールカラー | 胸の上で丸く重なる | 襟の丸みが胸の高さで広がる |
| フード付き | 首元の後ろに量が出る | 前は前端の落ち方次第 |
| 大きな返り襟 | 胸の上に横幅が出る | 襟が胸の上で外へ開く |
**前を閉める日が多い人は、テーラード襟かVの開きのノーカラーが扱いやすい形です。**閉めても胸の上にVの縦の線が残り、胸から下が一枚の面になりません。ステンカラーやスタンドカラーは、首元まで閉じると胸まで布が一面になるので、第一ボタンを開けて首元にVを作ると、同じ働きをします。
ボタンの並び|シングルかダブルか
ボタンの並びは、胸の高さに横の線が何本できるかを決めます。
| ボタンの並び | 胸の高さの線 | 選び方 |
|---|---|---|
| シングル・ボタン3つ以上 | 縦に点が並ぶ | 胸の頂点の高さにボタンがあるものを |
| シングル・ボタン1〜2つ | 胸の上は開いてVになる | 閉める日にいちばん扱いやすい |
| 比翼仕立て(ボタンが見えない) | 前立てが1本の縦の線 | 閉める日に縦の線が残る |
| ダブル・胸の高さから並ぶ | 胸の高さに2列の横の線 | 閉める日は胸の高さに線が集まる |
| ダブル・胸の頂点より下から並ぶ | 横の線が胸から外れる | ダブルを選ぶならこの形 |
| ボタンなし(ガウン) | ベルトの高さに横の線 | ベルトの高さで決まる |
**ダブルのコートを避ける必要はありません。**胸の高さに2列のボタンが並ぶと、胸の高さに横の線が増えるので、ボタンの列が胸の頂点より下から始まる一着を選べば、線が胸から外れます。
着丈は、胸から裾までの面の長さ
着丈が長いほど、胸の頂点から裾までの布の面も長くなります。前を開けた日は、この面の長さがそのまま胴の見え方になります。
| 着丈 | 前を閉めた日 | 前を開けた日 |
|---|---|---|
| 腰骨の上まで(ショート丈) | 胸から裾が短く、脚の長さが出る | 前端が浮いても面が短い |
| 腰が隠れる(ハーフ丈) | 胸から裾がちょうどよい長さ | 前端の落ち方がいちばん目立つ |
| ひざ上 | 胸から裾が長くなる | 縦の帯が長く続くと縦長に見える |
| ひざ下 | 胸から裾が長い面になる | 縦の帯が続けば、全身が縦長にまとまる |
| ふくらはぎ | 布の重さで前端が落ちやすい | 縦の帯がいちばん長くつながる |
| くるぶし近く | 閉めると胸から下が一面に | 開けて歩く日に向く |
**長い丈のコートは、前を開けた日に縦の帯を裾まで通せれば、全身が縦長にまとまります。**前を閉めて着る日が多い人は、ハーフ丈からひざ上の丈のほうが、胸から裾の面が短くなり、厚みが目立ちにくくなります。
ベルトの高さ
ベルト付きのコートは、胸の下で布を体に戻せるので、胸に厚みのある人に向く形です。ただし、締める高さで結果が変わります。
| ベルトの締め方 | 見え方 | 合う日 |
|---|---|---|
| 本来のウエスト位置で前で締める | 胸の下で布が戻り、胸から裾が一面にならない | 前を閉める日 |
| ウエストの2cm上で締める | 胸の下がいちばん細く見える | 前を閉める日 |
| 胸のすぐ下で締める | 胸の丸みが強調される | 避けたい |
| 腰骨の高さでゆるく締める | 胸から腰が一面になる | 避けたい |
| 後ろで結んで背中だけ絞る | 前の縦の帯を残して、横から薄く見える | 前を開ける日 |
| ベルトを外して開けて着る | 前端の落ち方次第 | 布の重いコートなら可 |
前で締めたベルトの結び目は、胸の下に横の塊を作ります。結び目を体の中心から少し横にずらして結ぶと、横の塊が中心から外れ、胸の下の縦の線が残ります。
素材の厚みと重さ
コートの素材は、前端の落ち方と、胸の高さでの引かれ方を決めます。
| 素材 | 前を閉めた日 | 前を開けた日 |
|---|---|---|
| 目の詰んだ厚手ウール | ハリがあり、引かれても横じわが出にくい | 重さで前端がまっすぐ落ちる |
| 起毛の厚いウール | 面が厚く見えやすい | 前端が重く、よく落ちる |
| 薄手のウール | 胸で引かれて横じわが出やすい | 前端が軽く、外へ浮きやすい |
| トレンチの綿ギャバジン | ハリがあり、形が保たれる | 前端がやや浮く |
| ツイード | 織りの凹凸で面が厚く見える | 重さで落ちる |
| ボア・フリース | 面が厚く、胸が大きく見える | 前端が広がりやすい |
| キルティング | 横の縫い線が胸の高さに出る | 縫い線の向きを見る |
| ダウン | 胸の高さでふくらむ | 前端が浮いて広がる |
**迷ったら、目の詰んだ厚手のウールが扱いやすい素材です。**ハリがあるので閉めても横じわが出にくく、重さがあるので開けても前端がまっすぐ落ちます。
売り場で素材の重さを確かめるときは、コートの前端を片手でつまんで持ち上げ、手を離してみてください。**すっと真下に落ちて揺れが1〜2回で止まる布は、開けた日に前端がまっすぐ落ちます。**ふわりと広がりながらゆっくり落ちる布は、胸の頂点で前へ浮きやすい布です。
ダウンとキルティングの日
ダウンやキルティングのコートは、寒い日や自転車の日に欠かせない一方、胸に厚みのある人にとってはふくらみが胸の高さに集まりやすい素材です。
見るのは、縫い線の向きと間隔です。横の縫い線が胸の頂点の高さを通ると、胸の高さに横の線が1本増えます。縫い線の間隔が狭く、胸の高さに2本以上の線が並ぶ一着を選ぶと、1本の線が目立たなくなります。縦や斜めの縫い線のものなら、胸の高さの横線がそもそも出ません。
前を開けて着る日は、ダウンの前端がふくらんで外へ広がりやすくなります。中に着る服を体の中心で縦の線が通るもの、たとえば前立てのあるシャツやVネックのニットにしておくと、広がった前端のあいだにも縦の帯が残ります。
場面ごとに、閉めるか開けるか
コートを閉めるか開けるかは、その日の場面でおおよそ決まります。秋から冬の予定を、閉める日と開ける日に分けました。
| 場面 | 閉めるか開けるか | 優先する条件 |
|---|---|---|
| 寒い朝の通勤(歩く・待つ) | 閉める | ボタンの位置、ゆとり |
| 電車・バスの中 | 開ける | 縦の帯の幅 |
| 職場や店に入る前後 | 開ける | 前端の落ち方 |
| 車での移動 | 開ける | 座ったときの前端 |
| 七五三・屋外の行事 | 閉める時間が長い | 閉めたまましゃがめるか |
| 紅葉狩り・散策 | 日差しで変わる | 両方を試しておく |
| 結婚式・式典の行き帰り | 開けてクロークに預ける | 開けた姿、脱ぎ着のしやすさ |
| 初詣・年始の挨拶 | 閉める | ボタンの位置、ベルト |
**七五三のように屋外で子どもの目線までしゃがむ場面では、閉めたまましゃがんだときのボタンの間を確かめてください。**しゃがむと胸から腰の前が縮み、立っているときより強く布が引かれます。動きの確認は七五三のママ服を骨格タイプで選ぶにもまとめています。
中に着るもので、コートの見え方が変わる
同じコートでも、中に着る服で、閉めた日のゆとりと、開けた日の縦の帯の見え方が変わります。
| 中に着るもの | 閉めた日 | 開けた日 |
|---|---|---|
| 薄手のハイゲージニット | ゆとりが残る | 縦の帯が平らに見える |
| 厚手のローゲージニット | ゆとりが足りなくなる | 帯が厚く、面が広がる |
| Vネックのニット | 首元のVがコートの襟と重なる | 帯の上にVが加わる |
| タートルネック | 首元から胸まで一面になる | 帯が首から続いて縦長 |
| 前立てのあるシャツ | 厚みが少なく、ゆとりが残る | 前立てが帯の中心に縦の線を作る |
| ワンピース | ウエストの切り替えが帯に見える | 切り替えの高さで横線が入る |
| 長めのカーディガン | 胸まわりが厚くなる | 帯の中にもう1本の前端ができる |
**開けて着る日は、中の服を縦の帯として見せる前提で選んでください。**帯の中に前立てやVのような縦の線がもう1本あると、帯の幅が同じでも細く見えます。反対に、帯の色がコートと近すぎると、帯が見えなくなり、胸から裾までがまた一枚の面に戻ります。コートと中の服は、明るさを一段変えておきます。
コートの色と、中の服の明るさ
前を開けた日の縦の帯は、コートと中の服の明るさの差で見え方が変わります。帯が見えなければ、帯の幅を整えても効きません。
| コートの色 | 中の服 | 縦の帯の見え方 |
|---|---|---|
| 濃い色(黒・濃紺・チャコール) | 白・生成り・明るいグレー | 帯がはっきり1本の線になる |
| 濃い色 | 同じ濃さの服 | 帯が消えて、胸から裾が一面 |
| 明るい色(ベージュ・キャメル) | 濃い色の服 | 帯がはっきり1本の線になる |
| 明るい色 | 同じ明るさの服 | 帯が消えて、面が大きく見える |
| 中間の色(グレー・カーキ) | 一段明るいか、一段暗い服 | 帯がやわらかく見える |
| どの色でも | 柄のある服 | 帯の中の柄が横に広がって見える |
**明るさを一段変えるだけで、帯は1本の縦の線として見えるようになります。**柄のある服を中に着るなら、縦の縞のように帯の向きに沿う柄を選んでください。横縞や大きな柄は、帯の中で横の広がりを作ります。
マフラーとストールで、胸の上に縦を作る
秋冬はコートの上にマフラーやストールを重ねます。巻き方によって、胸の上の縦の線を足すことも、消してしまうこともあります。
| 巻き方 | 胸の上の見え方 | 合う日 |
|---|---|---|
| 首にかけて両端を縦に垂らす | 胸の上に縦の線が2本できる | 前を開ける日 |
| 一周させて片側に垂らす | 胸の上に縦の線が1本 | 前を閉める日にも開ける日にも |
| ぐるぐると高く巻く | 首元に塊ができ、胸は空く | 前を閉める日 |
| 大判を肩に広げてかける | 胸の上が一面の布になる | 避けたい |
| 胸の前で結ぶ | 胸の高さに横の塊ができる | 避けたい |
| 三角にして前に垂らす | 胸の上に三角の面ができる | 三角の先が胸の頂点より下なら可 |
**胸に厚みのある人にとって、マフラーは縦の線を足せる道具です。**両端を縦に垂らすと、胸の上に2本の縦の線ができ、コートの前端とあわせて胸の高さを縦に分けます。反対に、大判を肩に広げたり、胸の前で結んだりすると、胸の高さに横の面や塊ができて、コートで整えた縦が消えます。
バッグの持ち方で、前端が引かれる
通勤でショルダーバッグを肩にかけると、ストラップがコートの前端を肩から斜めに引きます。前を開けた日は、ストラップの重さで片側の前端が胸の頂点の外へ寄り、縦の帯が片側だけ広がります。
前を開けて着る日は、ストラップをコートの内側、中の服の上にかけると、前端が引かれず、まっすぐ落ちます。斜めがけにする日は、ストラップが胸の頂点の上を横切らないよう、胸の間を通る向きにかけてください。胸の頂点の上を通ると、胸の高さに斜めの線が1本増えます。
手持ちのバッグなら、前端を引くものはありません。前を閉める日は肩にかけるバッグ、開ける日は手に持つバッグ、と分けると、どちらの日も前端の形が崩れません。
手持ちのコートを、着方で整える
新しいコートを買う前に、手持ちのコートを着方で整えられないかを試してください。どれも自宅の鏡の前でできます。
- 前を閉めて横じわが出るなら、中のニットを薄手に替えてもう一度閉める
- それでも横じわが出るなら、閉める日は第一ボタンを外し、首元にVを作る
- 前を開けて前端が浮くなら、ベルトを後ろで結んで背中だけ絞る
- 帯が消えるなら、中の服をコートより一段明るいか暗いものに替える
- 帯が太いなら、中の服に前立てのあるシャツか、Vネックのニットを選ぶ
- マフラーを両端を縦に垂らす巻き方に替える
**1から3で整わないときは、そのコートは前を閉める日には向かないと考えてください。**開けて着る日専用にして、閉める日のための一着を別に探すほうが、冬のあいだ迷いません。
どちらとも取れるとき①|肩に合わせると胸が閉まらない
肩に合うサイズでは胸のボタンが閉まらず、胸に合わせると肩が落ちる、という人は少なくありません。このときは、その冬に前を閉める日がどれくらいあるかで決めます。
閉める日が週に1〜2日なら、肩に合わせて、前は開けて着る前提で選びます。肩が合っていると全体の輪郭が整い、開けた日の縦の帯もまっすぐ落ちます。寒い日は、コートの前を開けたまま、中をタートルや厚手のニットにして補ってください。
閉める日が週の半分以上なら、胸に合うサイズを選び、肩が少し落ちても目立ちにくい形にします。ラグラン袖やドロップショルダーのコートは、肩の縫い目がもともと肩先にないので、サイズを上げても肩が落ちて見えにくくなります。
どちらとも取れるとき②|骨格タイプで向きが違う
胸に厚みがあっても、骨格タイプで向くコートの形が変わることがあります。
骨格ストレートの人は、胸の位置が高く、上半身に厚みがあります。ハリのある素材で、肩に合う一着を選び、前は開けて縦の帯を作ると、厚みが帯に分かれます。閉める日は、ボタンが胸の頂点の高さにあるかを最優先にしてください。
骨格ウェーブの人は、胸に厚みがあっても上半身全体は薄く、胸の下で体が細くなります。ベルトを本来のウエストの2cm上で締めて、胸の下で布を戻す形が合います。前を開けた日は、前端が胸から浮きやすいので、重さのある布を選んでください。
骨格ナチュラルの人は、胸の厚みより肩の枠が印象を作ります。肩の落ちるゆったりしたコートでも、前を開けて縦の帯を通せば、胸の厚みは目立ちません。コートの形は骨格が混合タイプのコートの肩と丈の分け方も参考になります。
どちらとも取れるとき③|背が低い
背が低い人は、コートの着丈が同じでも、体に対して布の面が長くなります。前を開けた日に縦の帯が裾まで続けば縦長にまとまりますが、帯の幅が20cmを超えると、帯そのものが太い面になって、縦長の効果が消えます。
**背が低い人は、縦の帯の幅を10cmに近いほうに寄せてください。**帯を細くすると、同じ着丈でも縦の線が強く出ます。前を閉める日が多いなら、ハーフ丈で胸から裾の面を短くすると、胸の厚みと着丈の長さが重ならずに済みます。
どちらとも取れるとき④|中に着るものの厚みが日によって違う
秋の終わりから冬にかけては、同じコートの中に、薄手のシャツを着る日も、厚手のニットを着る日もあります。ゆとりの目安は中の服の厚みで変わるので、1着のコートでどちらにも合わせたいときに迷います。
このときは、いちばん厚い中の服で閉めたときに横じわが出ないサイズを選び、薄い服の日は前を開けて着るのが決め方です。薄い服の日に閉めるとゆとりが余りますが、余りは前端の浮きではなく、ボタンの間のゆるみとして出るだけなので、ベルトを締めれば整います。反対に、薄い服に合わせたサイズを選ぶと、厚手のニットの日に閉められなくなります。
雨の日と、はっ水のコート
秋は長雨の時期があり、はっ水の薄手のコートやレインコートを着る日があります。はっ水の素材は軽く、ハリが強いものが多いので、前を開けた日に前端が胸から浮きやすく、閉めた日は胸の高さで布が張って光ります。
**光る素材は、胸の高さで布が張ると、その部分だけが明るく光って前に出て見えます。**はっ水のコートを選ぶときは、光沢の控えめなマットなものを選び、閉める日はボタンの位置を、開ける日は前端の落ち方を、ウールのコートと同じ手順で確かめてください。傘を持つ日は片手がふさがるので、前を閉めて出かけることが多くなります。雨の日用の一着は、閉める日の条件を優先して選びます。
写真に写るコート姿
秋冬の行事や旅行では、コートを着たまま写真に写ることが多くなります。写真は正面から撮られることが多く、前を開けた日の縦の帯がそのまま写ります。
**写真を撮る前に、左右の前端を指でそろえて、縦の帯を10〜15cmに整えてください。**歩いたあとや座ったあとは前端が左右に広がり、帯が20cmを超えていることがよくあります。前を閉めて写る日は、腕を体から少し離して立つと、袖と身頃のあいだにすき間ができ、胴の幅が袖と分かれて写ります。
試着室で3分でやること
コートの試着は、閉めた姿と開けた姿の両方を見ます。売り場の鏡の前で、次の順番で確かめてください。
| 順番 | やること | 見る点 |
|---|---|---|
| 1 | その冬によく着る厚みのニットを着ていく | ゆとりが中の服に合うか |
| 2 | 胸の頂点の高さに指を当てる | その高さにボタンがあるか |
| 3 | 前を閉めて正面を見る | ボタンの間に横じわが出ないか |
| 4 | 閉めたまま腕を前に出す | ボタンの間が開かないか |
| 5 | 閉めたまましゃがむ | 胸から腰の前が突っ張らないか |
| 6 | 前を開けて正面を見る | 縦の帯が胸の高さで10〜15cmか |
| 7 | 開けたまま横を向く | 前端が胸の頂点から5cm以上浮かないか |
| 8 | 開けたまま3歩歩く | 帯の幅が20cmを超えて広がらないか |
8つのうち、閉める日が多い人は2〜5を、開ける日が多い人は6〜8を先に見てください。両方の日がある人は、3と7だけでも確かめておくと、冬のあいだに「思っていたのと違った」と感じる一着をかなり減らせます。
**1つめがいちばん大切です。**薄いブラウスで試着したコートを、冬に厚手のニットの上に着ると、ゆとりが足りなくなって閉めた日に横じわが出ます。試着の日は、その冬によく着るいちばん厚いニットを着て行ってください。
10月から1月のコートの予定
コートは一度に全部そろえる必要はありません。時期ごとに、閉めるか開けるかの割合が変わります。
| 時期の目安 | よく着るコート | 閉める日と開ける日 |
|---|---|---|
| 10月後半 | 薄手のトレンチ、ステンカラー | 開ける日が多い。縦の帯を優先 |
| 11月 | ウールのコート(ハーフ丈〜ひざ上) | 朝は閉め、日中は開ける |
| 12月 | 厚手のウール、ダウン | 閉める日が増える。ボタンの位置を優先 |
| 1月 | 厚手のコート、ロング丈 | 屋外は閉める。ベルトで胸の下を戻す |
| 2月 | 同上、晴れた日は開ける | 両方を行き来する |
**秋の初めに薄手のコートを、冬の前に厚手のコートを、と2回に分けて考えると、**それぞれで閉める日と開ける日のどちらを優先するかが決めやすくなります。
よくある行き違い
**「胸が大きい人はゆったりしたコートがいい」。**ゆとりが多すぎると、前を開けた日に前端が胸の頂点から大きく浮いて、胸から裾までが一枚の大きな面に見えます。ゆとりは中の服の厚みに合わせた範囲に収め、余った分を足さないほうが、結果としてすっきりします。
**「暗い色のコートなら太って見えない」。**暗い色は面の広さを狭く見せますが、閉めた日の横じわは影として、開けた日の前端の浮きは輪郭として残ります。色を変えるより、ボタンの位置と縦の帯の幅を合わせるほうが、印象は大きく変わります。
**「前を開けていれば、どんなコートでも同じ」。**開けた日の見え方は、前端が胸の頂点の内側を通るか外側に逃げるかで変わります。前端が外へ逃げるコートは、開けても縦の帯が太くなり、閉めた日と同じくらい胴が厚く見えます。
**「ダブルのコートは胸が大きい人には無理」。**ボタンの列が胸の頂点より下から始まる一着なら、胸の高さの横線は外れます。形の名前で外すより、ボタンの列がどの高さから始まるかを見てください。
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よくある問い
- Q. 胸が大きいと、コートを着ると太って見えます。何を見て選べばいいですか
- その日にコートの前を閉めるか開けるかを先に決めてください。閉める日は、胸の頂点の高さでボタンの間に横じわが出ないかを見ます。開ける日は、胸の高さで内側の服が縦の帯として10〜15cmの幅で見えるかを見ます。太って見える原因は、閉める日なら胸の高さで布が横に引かれること、開ける日なら前端が胸から前へ浮いて、胸から裾まで一枚の大きな面になることです。
- Q. 胸が大きい人は、ダブルのコートは避けたほうがいいですか
- 避けなくても選べます。ダブルのコートは、胸の高さに左右2列のボタンが並ぶので、胸の高さに横の線が1本増えます。閉めて着る日が多い人は、打ち合わせが深く、ボタンの列が胸の頂点より下から始まる一着を選ぶと、横の線が胸の高さから外れます。前を開けて着る日が多い人は、ダブルの広い前身頃が開いたときに大きく外へ逃げやすいので、開けた姿を試着で確かめてください。
- Q. 肩に合わせると、胸が閉まりません
- 胸に合わせて1サイズ上げると、肩が落ちて全体が大きく見えることがあります。まず、その冬に前を閉める日がどれくらいあるかを考えてください。閉める日が少ないなら、肩に合わせて、前は開けて着る前提で選ぶほうが全体は整います。閉める日が多いなら、肩が少し落ちても目立ちにくいラグラン袖やドロップショルダーの一着で、胸に合うサイズを選びます。
- Q. ベルト付きのコートは、胸が大きい人に合いますか
- 合います。ただしベルトの高さが効きます。前を閉めてベルトを締める日は、本来のウエスト位置か、そこから2cm上で締めると、胸の下で布が体に戻り、胸から裾までが一枚の面になりません。胸のすぐ下で締めると、胸の丸みがかえって強調されます。前を開ける日は、ベルトを後ろで結んで背中だけ絞ると、前の縦の帯を残したまま、横から見たときの厚みが減ります。
— メグラシ編集部





