胸が大きいとスーツが似合わない|座る・お辞儀・腕を出す動きで選ぶ

**スーツを試着したら、鏡の前に立つ前に、まず椅子に座ってください。**胸が大きい人がスーツを「似合わない」と感じる場面の多くは、立っているときではなく、座ったとき、お辞儀をしたとき、腕を前に出したときに起きています。
立って鏡を見るだけの試着では、この3つの場面が確かめられません。この記事では、3つの動きを試着室で再現して、それぞれ1つの基準で見る方法を書きます。スーツの型そのもの、ボタンの数やVゾーンの深さは胸が大きい人に似合う服の選び方で整理しているので、あわせて読んでください。
結論:スーツは、立った鏡ではなく3つの動きで選ぶ
胸の丸みには、前身頃の布がいくらか取られています。立っているときはそれで足りていても、動くと布がさらに引かれ、足りなくなった場所から崩れます。
見るのは、座る・お辞儀・腕を前に出すの3つです。それぞれ1つずつ基準を置き、外れた数で直し方を決めます。
動き①|座る|ボタンの両脇の横じわは2本まで
椅子に浅く腰かけ、背すじを伸ばして、ボタンを留めたまま正面の鏡を見ます。座ると前身頃が下から押し上げられ、ボタンの両脇に横じわが出ます。
**横じわが左右それぞれ2本までなら、崩れていません。**3本以上になると、ボタンを中心に放射状の線が出て、胸の前だけが張って見えます。ボタンとボタンの間から中のブラウスがのぞく場合も、外れと数えてください。
動き②|お辞儀|襟と胸の間に指1本まで
立ったまま、30度ほど上半身を前に倒します。そのまま、襟の折り返しと胸の間に指を差し入れます。
お辞儀をすると、胸の重みで前身頃が前へ引かれ、襟の折り返しが胸から浮きます。**指1本までなら、正面から見ても浮きは目立ちません。**2本入ると、相手から見て襟が胸から離れ、中のブラウスが大きく見えます。内定式や面接で最初にする動きなので、ここは必ず確かめてください。
動き③|腕を前に出す|前の裾の上がりは3cmまで
書類を受け取るように、両腕を肩の高さまで前に伸ばします。そのまま、前の裾がどれだけ上がったかを鏡で見ます。
腕を前に出すと、背中の布が前へ引かれ、そのぶん前の裾が上がります。胸の丸みに布が取られていると、上がる量が大きくなります。**3cmまでなら、腕を下ろしたときに裾が元の位置へ戻ります。**それ以上だと、戻りきらずに前の裾だけが短い形で残ります。
📋 3つの動きと、見る場所
| 動き | 見る場所 | 崩れていない | 外れ |
|---|---|---|---|
| 座る | ボタンの両脇の横じわ | 左右とも2本まで | 3本以上、またはブラウスがのぞく |
| お辞儀 | 襟の折り返しと胸の間 | 指1本まで | 指2本以上 |
| 腕を前に出す | 前の裾の上がり | 3cmまで | 3cmを超える |
3つの動きは、それぞれ違う方向に布を引きます。1つ合っていても、ほかが合っているとは限らないので、3つとも確かめてください。
外れた数で、直し方を決める
- 1つ外れた:型もサイズもそのままで、着方で直す。座る動きだけならインナーの色、お辞儀だけならインナーの襟の形
- 2つ外れた:サイズより先に型を替える。留め位置の低い1つボタン、ストレッチのある素材
- 3つ外れた:サイズを1つ上げる。ただし肩の線を先に確かめる
いきなりサイズを上げると、肩や袖まで大きくなり、別の場所が合わなくなります。外れた数が少ないうちは、サイズに手をつけないほうが、全体の形を保てます。
試着で候補が2着あるときは、外れた数が少ないほうを選んでください。数が同じなら、当日の場面で長くする動きのほうで外れていない1着を選びます。どの動きを重く見るかは、下の10月の場面の表にまとめてあります。
型と素材|留め位置の低い1つボタンと、秋冬のウール
型で最も効くのは、ボタンの留め位置です。留め位置がバストトップより低いほど、座ったときの横じわは減り、お辞儀をしたときの襟の浮きも小さくなります。1つボタンで、留め位置がウエストのくびれの高さにある型が、3つの動きのどれにも強い型です。
素材は、秋冬のウールに注意してください。夏のスーツに多い、伸びのある素材に比べて、秋冬のウールは伸びが少なく、動いたときの布の余りがそのまま足りなくなります。同じサイズでも、秋冬の生地では3つの動きの結果が1つ悪くなると考えて、試着で確かめなおしてください。
伸びを確かめるには、ジャケットの前身頃の端を両手で持ち、横に軽く引いてみます。引いたぶんだけ布が伸びて、放すとすぐ戻るなら、動いたときの余りを布が補ってくれます。引いても伸びず、硬さだけが手に残るなら、そのジャケットは型の余りだけで動きを受けることになります。
襟の形も効きます。襟の折り返しの幅が広く、折り返しの終わりが低い位置にあるほど、お辞儀をしたときに襟が胸から浮きにくくなります。反対に、折り返しの幅が細く、終わりが高い位置にある型は、胸の丸みで折り返しが押し上げられやすい型です。
肩で合わせるか、胸で合わせるか
3つとも外れてサイズを上げるときは、肩を先に見ます。肩の線が肩先の骨の上にあれば問題ありません。1.5cm以上外へ落ちると、上半身全体が四角く見え、動いたときの崩れとは別の違和感が出ます。
サイズを上げても肩が落ちない型を探すか、肩で合わせたサイズのまま、身幅にゆとりのある型を探すかのどちらかです。前身頃の丸みを出すダーツの直しで、座ったときの横じわが減ることもあります。直しでできる範囲は胸が大きい人に似合う服の選び方の直しの項にまとめています。
インナー|動いたときに見える面をそろえる
1つだけ外れたときは、インナーで目立たなくできます。
- 座る動きで外れたなら、ボタンの間からのぞいても目立たないよう、インナーをジャケットと近い色にする
- お辞儀で外れたなら、襟の浮きから見える面を小さくするため、首元の開きが浅いインナーにする
インナーのボタンの開き方や、布が胸で張る位置の見分け方は胸が大きい人の服選び|ボタンの開き幅とダーツの先端位置にあります。ジャケットの下に着るブラウスを選ぶときに使えます。
どちらとも取れるとき①|座ったときだけ、少し外れる
横じわがちょうど3本で、ほかの2つの動きは問題ない。そんなときは、座っている時間の長さで決めてください。
座っている時間が長い場面、たとえば説明会や式典なら、外れと数えて型を替えます。座るのは数分で、ほとんど立っている場面なら、着方の直しで足ります。当日にどの姿勢でいる時間が長いかを先に考えると、決めやすくなります。
どちらとも取れるとき②|サイズを上げると、今度は袖が長い
サイズを上げると、胸は合っても袖が手の甲にかかるほど長くなることがあります。袖丈は、直しで比較的動かしやすい場所です。
袖が長いことだけが理由なら、サイズを上げたほうを選び、袖を直してください。反対に、肩まで落ちているなら、袖を直しても上半身の形は戻らないので、型を替えるほうに戻ります。
どちらとも取れるとき③|上と下で合うサイズが違う
ジャケットは胸で1つ上、スカートやパンツはいつものサイズ、ということは珍しくありません。上下を同じサイズで買うスーツでは、どちらかが合わなくなります。
上下を別々のサイズで選べるセットアップを探してください。売り場で上下を別に選べない場合は、同じ生地・同じ色の組み合わせを、ジャケットとボトムスで別々に選んでもよいか、売り場の人に確かめてください。
10月の場面|内定式・秋の面接・七五三・法事
10月は、スーツを着る場面が続きます。場面ごとに、どの動きを重く見るかが変わります。
| 場面 | 重く見る動き | 理由 |
|---|---|---|
| 内定式 | お辞儀と座る | 立礼のあと、長く着席する |
| 秋の面接 | お辞儀と座る | 入室の礼と、着席しての受け答え |
| 七五三の付き添い | 腕を前に出す | 子どもの手を引く、抱き上げる |
| 法事 | 座る | 長い時間、着席する |
内定式の服装全体は内定式の服装(女子)に、面接のスーツの選び方は面接スーツ(女性)にまとめてあります。
試着室での手順(5分)
- ボタンを留めて、まず椅子に座る。横じわを数える
- 立ち上がって、30度お辞儀をする。襟と胸の間に指を入れる
- 腕を肩の高さまで前に出す。裾の上がりを見る
- 外れた数を数えて、着方・型・サイズのどれで直すかを決める
- 最後に、立って鏡で全体を見る
立って鏡で見るのを最後に回すのは、立った姿で合っていても、動きで外れるものがあるからです。
試着には、当日に中に着る予定のブラウスかインナーを着ていってください。中に着るものの厚みで、3つの動きの結果は変わります。薄いカットソーで試着して合っていても、当日に襟のあるブラウスを着ると、座ったときの横じわが1本増えることがあります。
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よくある問い
- Q. 胸が大きいとスーツが似合わないのはなぜですか
- 立っているときは合っていても、動いたときに胸の前で布が足りなくなるからです。座ると前身頃が上に押し上げられ、お辞儀をすると襟が胸から浮き、腕を前に出すと背中から前へ布が引かれます。どれも、胸の丸みに前身頃の布が取られているぶん、動いたときの余りが残っていないことが原因です。体が合っていないのではなく、動いたときの余りが足りないだけなので、試着で動きを確かめれば選べます。
- Q. 試着では何を見ればいいですか
- 3つの動きを1回ずつしてください。椅子に座ってボタンの両脇の横じわが何本出るか。30度ほどお辞儀をして、襟と胸の間に指が何本入るか。腕を前に伸ばして、前の裾が何cm上がるか。横じわ2本まで、指1本まで、裾3cmまでなら、そのスーツは動いても崩れません。立って鏡を見るのは、その3つを確かめたあとで十分です。
- Q. サイズを上げると肩が合いません
- サイズを上げるのは、3つの動きのすべてで外れたときだけにしてください。1つか2つなら、サイズではなく、留め位置の低い型や、ストレッチのある素材に替えるほうが、肩を合わせたまま直せます。3つとも外れてサイズを上げる場合は、肩の線が肩先の骨から1.5cm以上外へ落ちないかを先に確かめます。落ちるなら、ジャケットだけ別のサイズを選べるセットアップを探してください。
- Q. 座るときにボタンを外してもいいですか
- 場面の決まりによります。改まった場では留めたままのほうが無難なことが多いので、迷ったら、留めたまま座っても崩れない1着を選ぶほうが安心です。そのための確かめ方が、この記事の座る動きです。前を開けて着てよい場面なら、胸の左右に前立ての縦の線が2本通るので、動いたときの崩れは起きにくくなります。
— メグラシ編集部





