胸が大きい人のコーデ|首元・前裾・ウエストの3か所で着太りを止める

胸が大きい人のコーデが着太りして見える理由は、ひとつです。布が胸のいちばん高いところで止まって、そこから下にまっすぐ落ちないこと。胸で止まった布は、そのまま胸と同じ幅で裾まで下りるので、胸の下からウエストへ細くなっていく体の線が服の外に出てきません。
だから直す場所は3つしかありません。首元・前裾・ウエストです。首元で鎖骨の下に縦の空きを作る、前裾が胸の分だけ持ち上がっていないかを見る、胸の下で布が体に戻る場所を1か所示す。この3か所のうち2か所が整えば、同じ体、同じサイズのままでも、上半身は縦に見え始めます。
順番も決まっています。首元、前裾、ウエストの順に1か所ずつ見てください。サイズを上げる、色を暗くする、といった手当ては3か所を見たあとで足りなければ考えるもので、最初の一手ではありません。ここから先は、首元の形、丈と裾、アウター、ワンピース、場面、骨格、下着、秋冬の重ね着の順に、自分で測れる目安と、どちらとも取れるときの決め方を置いていきます。
着太りして見える仕組み|布が胸の高さで止まる
体を横から見ると、胸のいちばん高いところから、胸の下、ウエストへと内側に入っていく線があります。布は体のいちばん前に出ている点に乗るので、胸が大きい人ほど、布は胸の頂点で支えられて、そこから下は空中を落ちていきます。
このとき起きていることは3つです。1つ目に、胸の下にできるはずの影が消えます。2つ目に、前裾が胸の分だけ持ち上がって、後ろ裾より短くなります。3つ目に、胸からお腹までが一枚の面としてつながり、体の幅のいちばん広いところがそのまま服の幅になります。
「太って見える」と感じるのは、この3つが重なった状態です。体の大きさが変わったわけではなく、胸の下から先の線が服の上に出ていないだけです。仕組みをもっと細かく知りたいときは、素材・襟ぐり・丈・横線・サイズの5つの条件に分けて整理した記事があります(この記事の最後の地図にまとめています)。
| 起きていること | 見える印象 | 直す場所 |
|---|---|---|
| 首元が詰まって胸までが一枚の面になる | 上半身が大きく見える | 首元 |
| 前裾が持ち上がり後ろより短くなる | お腹が前に出て見える | 前裾 |
| 胸の下で布が体に戻らない | 腰の位置がわからない | ウエスト |
直す場所は3つ|首元・前裾・ウエストの順で見る
首元を最初に見るのは、顔にいちばん近く、目が最初に止まる場所だからです。ここで鎖骨の下に縦の空きができると、目線が上下に動き、胸の幅に目が止まりにくくなります。
前裾を2番目に見るのは、横から見たときの形を決めるからです。前裾が後ろより短い服は、正面から見ても裾が斜めに上がり、お腹のあたりに空間ができます。この空間が「着太り」の正体の半分です。
ウエストを3番目にするのは、首元と前裾が整ったあとなら、ウエストは「示す」だけで足りることが多いからです。ベルトで締めなくても、胸下の切り替え、前だけ入れた裾、ボタンを1つ留めた羽織りのどれかで、布が体に戻る場所がわかれば十分です。
3か所すべてを毎日完璧にする必要はありません。2か所が整えば、残り1か所は場面と好みで選んでかまいません。 たとえば首元が詰まったタートルの日は、前裾とウエストで縦の線を作れば成り立ちます。
自分がどこで止まっているかを鏡で見分ける
直す場所を決める前に、いま着ている服のどこで布が止まっているかを確かめます。必要なのは全身が映る鏡と、スマートフォンのカメラだけです。
まず正面から。首の付け根から胸の頂点までの間に、肌か、縦に通る線(前立て・ボタン・ネックレス)が見えているかを確認します。何も見えなければ首元で止まっています。
次に真横から。前裾と後ろ裾の高さを比べます。床から前裾までと、床から後ろ裾までを比べて、前のほうが2cm以上高ければ前裾で止まっています。自分では見えにくいので、横向きの写真を撮って見るのが確実です。
最後に正面に戻って、胸の下からおへその間で、布が体に近づいている場所があるかを見ます。脇から裾まで同じ幅で落ちていれば、ウエストで止まっています。
| 確かめる場所 | 見方 | 止まっている目安 |
|---|---|---|
| 首元 | 正面・首の付け根から胸の頂点まで | 縦の線や肌が何も見えない |
| 前裾 | 真横の写真で前後の裾の高さを比べる | 前のほうが2cm以上高い |
| ウエスト | 正面で脇線を上から下までたどる | 脇から裾まで同じ幅で落ちる |
3つとも止まっていたら、首元から1か所ずつ直します。1つだけなら、その1か所を直すだけで印象は大きく変わります。
首元① Vネック|深さと横幅の目安
Vネックは、胸が大きい人の首元でいちばん扱いやすい形です。鎖骨の下に縦の空きをそのまま作れるからです。ただし、深ければよいわけではありません。
目安は、鎖骨の中央のくぼみからVの底までが5〜8cmです。3cm未満だと丸首とほとんど変わらず、縦の空きになりません。逆に深すぎると、Vの底が胸の谷間の高さに近づき、視線がそこで止まってしまいます。場面によっては落ち着かない深さにもなります。
深さと同じくらい効くのが横幅です。Vの両端が首の付け根から鎖骨の中ほどまでに収まっていると、縦の線として読まれます。横幅が肩先に向かって広がるほど、縦ではなく横の印象が強くなります。
Vネックのニットやカットソーの下に何を着るか、シャツインのときにインナーの首元をどう合わせるかは、Vネックのインナーとシャツインの合わせ方で場合分けしています。骨格ストレートの人がVの深さをどう決めるかは、骨格ストレートのVネックの選び方が詳しく扱っています。
首元② ボートネック|横に開くのに効く条件
ボートネックは横に開いた首元なので、胸が大きい人には向かないと言われがちです。でも、条件がそろえば着られます。
条件は2つです。1つ目は、首の前の開きが鎖骨より下まで下がっていること。前から見て、鎖骨の線が首元のラインの上に見えていれば、横に開いていても胸の上に縦の空きが少しできます。鎖骨が完全に布で覆われる浅いボートネックは、首から胸までを一枚の面にします。
2つ目は、素材が肩から落ちること。ハリのある生地で横にまっすぐ張るボートネックは、肩幅と胸幅を同じ線でつなげてしまいます。とろみのある生地で、肩先から自然に落ちる型を選びます。
ボートネックの定義や、横何cmからをボートと呼ぶかは、ネックラインの種類の記事にまとめています。迷ったら、ボートネックの日は首元以外の2か所、前裾とウエストを必ず整えてください。
首元③ タートルネック|着られる条件と足し方
タートルネックは首元を完全に覆うので、3か所のうち1か所を最初から手放す形になります。だから、ほかの2か所で縦の線を作れるかどうかが着られるかの分かれ目です。
着やすいのは、薄手のリブで体に沿う生地、首の折り返しが一重か折り返さない型です。首元に厚みが出ないので、胸の上に重さが積まれません。逆に厚手のローゲージで折り返しが二重になる型は、首から胸までの厚みが増え、胸の位置がさらに前に出て見えます。
足し方は3つあります。前を開けた羽織りで縦の線を2本作る、鎖骨より下まで届く長いネックレスで中央に1本作る、前裾を少しだけ入れて胸の下に影を作る。どれか1つで十分です。
タートルが似合わないと感じる理由を首の長さや顔の大きさの側から見たいときは、タートルネックが似合わない理由が参考になります。
首元④ シャツ襟|第2ボタンと襟の開き
シャツはボタンの前立てが縦に1本通るので、胸が大きい人にとって本来は味方になる形です。困るのは、胸の位置でボタンの間が開く、前立てが胸の上で波打つ、の2つです。
まず第2ボタンを外して、襟を自然に開いてみてください。襟が鎖骨の上で左右に開き、Vネックと同じ縦の空きができます。第1と第2を留めたままだと、首元が詰まって前立ての縦の線も胸の手前で止まります。
ボタンの間が開くのは、胸の頂点とボタンの位置が重なっているときです。胸の頂点の高さにボタンが来ない型、または比翼仕立てでボタンが表に出ない型を選ぶと、開きが目立ちません。サイズを上げて解決しようとすると肩線が外に落ちるので、それは最後の手段です。
素材は、ハリの強い生地より、少し柔らかく落ちる生地のほうが胸の下に影ができます。シャツを着る日は、裾を前だけ入れるとウエストの位置も同時に示せます。
襟の大きさも見ておきます。襟先が鎖骨の端より外に出る大きな襟は、首元の縦の空きを横に広げてしまいます。襟先が鎖骨の中ほどで止まる小さめの襟か、襟のないバンドカラーを開けて着るほうが、縦の線がまっすぐ通ります。スキッパーカラーは前の開きが最初から縦に作られているので、ボタンの開きに迷う人には扱いやすい形です。
首元の形を迷ったときの決め方
4つの形のどれにするか迷ったら、その日のほかの2か所で決めます。首元だけで正解を選ぼうとしないことが、いちばん失敗が少ない方法です。
| その日の前裾・ウエスト | 首元の選び方 |
|---|---|
| 前裾もウエストも整う(前だけイン・切り替えあり) | 4つのどれでもよい。タートルも可 |
| 前裾だけ整う | Vネックかシャツ襟で首元にも縦を作る |
| ウエストだけ整う | Vネックが最優先。ボートは鎖骨が見える型だけ |
| どちらも整わない(チュニック・ストンと落ちる型) | Vネック5〜8cm+前を開けた羽織り |
どちらとも取れるとき、たとえばVネックとシャツ襟で迷ったときは、その日に羽織るものの襟の形に合わせます。テーラードの羽織りならシャツ襟、襟のないカーディガンならVネックにすると、首元の線が2重にならず整理されます。
トップスの丈|胸下から裾までの長さで選ぶ
トップスの丈を総丈だけで選ぶと、胸が大きい人は失敗しやすくなります。胸の分だけ前の布が持ち上がり、同じ総丈でも前の丈が短く見えるからです。
見るのは、胸の下から裾までの長さです。胸下にメジャーを当てて、裾までを測ります。目安は次のとおりです。
| 胸下からの丈 | 向く着方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 15cm以内 | 出して着る。ハイウエストのボトムスと | 腰より上で裾が終わるので短めの丈に見える |
| 15〜25cm | 全部入れる・前だけ入れる・出すの3択どれも | もっとも扱いやすい丈 |
| 25cm以上 | 前だけ入れるか、前裾が長い型を出す | 全部入れると腰まわりに布がたまる |
15〜25cmの丈は、入れても出しても形が残るので、手持ちの服を選ぶならまずこの丈から試してください。丈が長い服を出して着る日は、裾が腰骨のいちばん高いところで終わるか、それより下まで届くかで印象が分かれます。腰骨の上で終わる丈は、胸から裾までの面が短くなり、縦に読まれやすくなります。
裾の処理|入れる・出す・前だけ入れる
裾の処理は3択です。全部入れる、出す、前中心だけ10〜15cm入れる。決めるのは好みではなく、トップスの丈と素材の厚み、そしてボトムスの股上です。
全部入れるのが向くのは、薄手でボトムスの股上が深いとき。胸の下からウエストまでの線がそのまま出ます。ただし厚手の生地を全部入れると、ウエストの上に布がたまって、胸からお腹までがひとつの塊に見えます。
前だけ入れるのは、3択のうちでいちばん使える方法です。前中心で布が体に戻るので、胸の下に影ができ、前裾が持ち上がる問題も同時に解決します。横と後ろは出したままなので、お腹まわりに布がたまりません。
出して着るのは、前裾が後ろより長い型か、胸下からの丈が15cm以内の短い型です。前後が同じ長さのトップスを出すと、前裾が持ち上がって斜めになります。
胴の長さで入れ方をどう選ぶかは、裾の出し方を詳しく扱った個別記事にまとめています(記事の最後の地図に入れています)。
前裾と後ろ裾の差を見る
前裾と後ろ裾の差は、胸が大きい人の服選びでもっとも見落とされている基準です。同じ型のトップスでも、平らに置いたときの前と後ろの長さが違う服があります。
床に平らに置いて、肩の縫い目から前裾まで、肩の縫い目から後ろ裾までを測ります。前が後ろより1〜3cm長い型は、胸の分だけ持ち上がっても、着たときに前後がほぼ同じ高さに戻ります。前後が同じ長さの型は、着ると前が2〜4cm短くなるのが普通です。
裾の形にもよります。前後の差がもともと大きいラウンドヘム、前だけ短いデザイン、まっすぐのスクエアヘム、スリットの入った型で、胸が大きい人に向く度合いは変わります。試着できないときは、商品説明の「前丈」「後ろ丈」の表記を見て、差があるかを確かめてください。
前裾の差は、体を変えずに服の側で直せる数字です。裾が前に浮いて見える悩みがある人は、まずこの差を1枚ずつ測ってみることをおすすめします。
ジャケット|肩線とボタン位置
ジャケットは前身頃が直線に近く設計されているので、胸の丸みを受け止める余裕が少ない服です。そのため、選ぶ順番を間違えると着太りが目立ちます。
最初に肩線を見ます。肩の縫い目が肩先の骨の上に乗っているか。胸に合わせてサイズを上げると、肩線が1.5cm以上外に落ちて、肩幅と胸幅が同じ線でつながります。肩が合っていて胸が苦しいなら、前を開けて着るほうが、サイズを上げるより縦の線がきれいに出ます。
次にボタンの位置です。1つボタンで留め位置が胸の頂点より下にある型は、Vゾーンが深くなり、首元の縦の空きをジャケットが作ってくれます。2つボタンなら上のボタンが胸の頂点より下にあるかを見ます。胸の高さにボタンが来る型は、留めたときに横じわが出ます。
前を留めたときに、ボタンから左右に引っ張られる横じわが出るかどうかも見てください。じわが出るなら、その日は開けて着ます。座る、お辞儀をする、腕を前に出すといった動きの中でスーツがどう見えるかは、個別記事で動きごとに整理しています。
コート|前を開けるか閉めるかで型を変える
コートは秋冬のコーデの面積のほとんどを占めるので、胸が大きい人には影響がいちばん大きいアイテムです。決め方は、前を開けて着ることが多いか、閉めて着ることが多いかの2択から始めます。
前を開けて着るなら、前の打ち合わせが体の正面に2本の縦の線を作る型が向きます。ノーカラーやショールカラーのように、襟が胸の上で横に広がらない型だと、縦の線がそのまま裾まで通ります。
前を閉めて着るなら、シングルの比翼仕立て、またはボタンの位置が胸の頂点を避けている型です。ダブルは打ち合わせが深く、胸の上に生地が二重に重なるので、閉めると胸の位置に厚みが出ます。ボタンの数や留め方の違いはコートのボタンの種類と留め方にまとめています。
丈は、膝の上か膝下かで迷ったら、その下に履くボトムスの丈と10cm以上ずらします。同じ丈で重なると、横の線が1本増えて、縦の印象が弱くなります。
素材は、厚手でハリの強いウールより、肩から落ちる柔らかい生地のほうが、胸の上で横に張り出しません。ハンガーにかけて横から見たとき、肩から裾までがまっすぐ落ちる生地を選びます。ハンガーの上で前身頃が前に張り出す生地は、着たときも胸の頂点から前に張り出して、前裾が持ち上がります。ベルト付きのコートは、ベルトを前で結ばずに後ろで留めると、ウエストを示しながら胸の下に布をためずに済みます。
カーディガン|留めるボタンの数
カーディガンは、ボタンをいくつ留めるかで3か所のうちのどれを整えるかを選べる、便利な羽織りです。
全部開けるなら、前立てが2本の縦の線になり、首元と前裾の両方を整えてくれます。中のトップスでウエストを示せば、3か所すべてがそろいます。
胸の下のボタンを1つだけ留めると、そこがウエストの位置になります。胸の上は開いているので首元の縦の空きも残ります。胸の頂点の高さのボタンを留めると、前立てが胸の上で開いて波打つので、そこは避けます。
全部留めて1枚で着るなら、Vネックの型を選び、胸の下で前立てがまっすぐ通るかを鏡で確認します。丈は胸下から20cm前後、腰骨より上で終わる短めの丈が、胸の下に影を作りやすい丈です。どのボタンを留めるか、前立ての線をどう見るかは個別記事で詳しく扱っています。
ワンピース|切り替え位置の3択
ワンピースは上下がつながっているので、首元・前裾・ウエストのうち、ウエストを服の側で決めてくれるのが利点です。見るのは切り替えの位置です。
| 切り替え位置 | 胸が大きい人との相性 | 合わせ方 |
|---|---|---|
| 胸のすぐ下(アンダーバストの位置) | 胸下の影ができやすい | 切り替えが胸の頂点に乗らないか試着で確認 |
| 本来のウエスト(おへその少し上) | 腰の位置がはっきりする | 上半身の布に胸の分の余裕があるかを見る |
| 切り替えなし(ストン・Iライン) | 布が胸から落ちる | ベルト以外で前にウエストを示す |
胸のすぐ下の切り替えは、胸の頂点と切り替えの間に指2本ぶん(3〜4cm)の余裕があるかが境目です。余裕がないと、切り替えが胸に乗って持ち上がり、前の丈が短くなります。
切り替えのないワンピースは、ベルトで締めなくてもウエストを示せます。前だけ布をつまむ、羽織りのボタンを1つ留める、長めのネックレスで縦を作るなど、ワンピースのウエストマークをベルト以外で作る方法で選び方を分けています。
場面別① オフィス
オフィスでは、首元の空きを深くしすぎない範囲で縦の線を作るのが基本です。Vネックなら深さ5〜6cm、シャツなら第2ボタンまで、のように場面に合わせて首元を少し控えめにし、前裾とウエストで縦の線を補います。
組み方の例は、シャツ襟のブラウスを前だけ入れて、テーパードのパンツか膝下のスカート。上に襟のないジャケットを開けて羽織ると、首元・前裾・ウエストの3か所がすべてそろいます。会議やプレゼンで前を留めたいときは、1つボタンで留め位置の低いジャケットにします。
ニットで出社する日は、薄手のハイゲージのVネックを選び、裾はボトムスに前だけ入れます。厚手のニットを出して着ると、前裾が持ち上がり、座ったときにお腹の上に布がたまります。
骨格ストレートの人がオフィスでどう組むかは骨格ストレートのオフィスコーデに、通勤服全体の組み立てが載っています。
場面別② 冠婚葬祭(結婚式・お通夜・式典)
冠婚葬祭では、首元の開きに場面ごとの上限があるので、ほかの2か所で縦の線を作る工夫が必要になります。
結婚式やお呼ばれでは、首元はボートネックやスクエアネックの浅めの型が選ばれやすく、首元で縦の線を作りにくくなります。その分、切り替えが胸のすぐ下にあるワンピースでウエストを示し、羽織りのボレロやジャケットは前を開けて縦の線を2本足します。季節ごとの装いの考え方は11月の結婚式のゲスト服装も参考になります。
お通夜や葬儀では、首元を詰めた喪服が基本になるので、首元は最初から手放します。前の打ち合わせがまっすぐ通る型、ウエストに切り替えのあるワンピースとジャケットの組み合わせで、前裾とウエストを整えます。喪服の段の選び方や、通夜に喪服を着るかの判断は通夜に喪服を着るかの記事で整理しています。
入学式や卒業式などの式典は、セレモニースーツの前を留めるかどうかで型を選びます。秋冬のお呼ばれや式典で胸が大きい人が太って見えないワンピースの選び方は、個別記事にまとめています。
場面別③ デート
デートでは、首元を少し開ける自由度が上がるので、首元から縦の線を作るのがいちばん簡単です。Vネックやカシュクールの打ち合わせで、鎖骨の下に縦の空きを作ります。
カシュクールは胸の上で布が斜めに交差するので、胸が大きい人にとって首元とウエストを同時に示せる形です。交差する位置が胸の頂点より下に来るか、試着で確かめてください。頂点の上で交差すると、布が胸に乗って前裾が持ち上がります。
食事の席は座っている時間が長く、相手から見えるのは胸から上です。座ったときに首元の縦の空きが保てるか、前立てが胸の上で開かないかを、椅子に座って鏡で確認しておくと安心です。
デートの組み方そのものは秋の初デートコーデにまとめています。胸が大きい人は、その組み方の中で首元の形だけを差し替えて考えると迷いません。
場面別④ ママ友の集まり
ママ友の集まりでは、動きやすさと、きちんと見えることの両方が求められます。子どもを抱き上げる、しゃがむ、手をつなぐといった動きで、首元が開きすぎない、裾が上がりすぎないことが大切です。
首元は浅めのVネックかクルーネックに長めのネックレスを合わせ、動いても縦の線が残るようにします。トップスは前裾が後ろより長い型を出して着るのが、しゃがんだときにも背中が出にくく、前裾も持ち上がりません。
羽織りはカーディガンの胸下のボタンを1つ留める着方が、動きの多い日でもウエストの位置を保ってくれます。全部開けたままだと、動くたびに前立てが外に開いて、縦の線が乱れます。
公園や子どもの行事で外にいる時間が長い日は、上に重ねる羽織りの丈を腰骨の上で止めると、しゃがんだときに裾が地面につかず、前裾の高さも保てます。バッグは斜めがけにすると、ストラップが胸の上を斜めに横切り、そこで布が押さえられて胸の下に影ができます。ストラップの位置が胸の頂点に重ならないよう、長さを調節してください。
カフェやレストランでのランチ会の装いは30代の秋のママ友ランチコーデに場面の考え方があります。
骨格との掛け合わせ|ストレートに多い組み合わせ
胸に厚みが出やすいのは、骨格ストレートに多い組み合わせです。上半身に厚みがあり、鎖骨まわりにハリが出やすいので、首元の縦の空きがあるかないかの差がもっとも大きく出ます。
骨格ストレートの人は、首元はVネック、スキッパー、シャツ襟が安定します。素材はハリがあって体から少し離れる生地が向きますが、厚手すぎると胸の上に面ができるので、中厚くらいまでにします。ウエストは本来の位置か、それより少し上で示すと、上半身の厚みと下半身のバランスがそろいます。
自分の骨格タイプがわからないときは、メグラシの骨格診断で確かめてから読むと、配分の判断が早くなります。
| 骨格 | 胸が大きいときに出やすいこと | 首元 | 前裾・ウエスト |
|---|---|---|---|
| ストレート | 胸から下が厚い面になる | Vネック・シャツ襟 | 前だけイン、ウエストは本来の位置 |
| ウェーブ | 胸の位置が高く見え、下半身との差が出る | 浅めのVネック・カシュクール | 胸のすぐ下の切り替えで示す |
| ナチュラル | 肩幅と胸幅の関係で布が横に広がる | 開きの広いVネック・シャツ襟を開けて | 丈は長めで前裾の差を大きく |
骨格ウェーブ・ナチュラルでの違い
骨格ウェーブで胸が大きい人は、上半身が華奢な分、胸の位置が高く見えやすく、胸の下から腰までの長さが強調されます。首元は深すぎない浅めのVネックかカシュクール、ウエストは胸のすぐ下の高い位置で示すと、上下のつながりが自然です。柔らかく体に沿う素材が向くので、胸の下に影ができやすいのは利点です。
骨格ナチュラルで胸が大きい人は、肩幅と胸幅のどちらが広いかで布の落ち方が変わります。肩幅のほうが広ければ、布は肩から落ちて胸で止まりにくく、着太りは出にくい傾向です。胸幅のほうが広ければ、布が胸で止まるので、ストレートと同じように首元と前裾を整えます。丈は長めでも成り立ちますが、前裾の差は大きめの型を選びます。
3タイプの違いそのものは骨格ウェーブとナチュラルの違いで比べています。どちらのタイプか迷うときは、胸に厚みが出るかどうかより、首元・前裾・ウエストのうちどこで止まるかを先に見るほうが、服選びには直結します。
下着と服の合わせ|服の前に整えること
服の選び方を変える前に、下着が合っているかを確かめる価値があります。胸の頂点の位置は下着で変わるので、同じ服でも布が止まる高さが変わるからです。
まず、サイズを測り直します。最後に測ったのが数年前なら、いまの体と合っていないことがあります。トップとアンダーの差の測り方は胸のサイズ・カップとバストの測り方に手順があります。
ブラトップや締めつけの少ない下着を選ぶときは、サイズ表をバストで引き、迷ったら胴の帯の締まり具合で決めます。選び方はブラトップのサイズの選び方にまとめています。
服との合わせ方では、薄手のニットやカットソーの下は、縫い目や段差が表に出にくい下着を選ぶと、胸の下の影がきれいに出ます。体への影響や医療的なことについては、気になるときは専門の売り場や医療機関で相談してください。この記事では、服の見え方だけを扱っています。
秋冬の重ね着|厚みを胸の上に積まない
秋冬は重ね着で布の枚数が増えるので、胸が大きい人には布が胸で止まる問題が強く出る季節です。基本は、厚みを胸の上に積まないこと。
重ねる順番は、内側ほど薄く、外側ほど厚く。内側に厚手のタートル、その上にシャツ、さらにジャケットのように、厚い服を内側に入れると、すべての層が胸で持ち上げられます。内側を薄手のリブ、中間をVネックの薄手ニット、外側を前を開けたコートにすると、胸の上の厚みは最小限で済みます。
首元は、重ねるたびに少しずつ深くするのが目安です。いちばん内側が詰まった首元でも、その上のVネック、さらにその上の前を開けたアウターと、外に行くほど縦の空きが広がると、首元の縦の線が保てます。
着膨れしない重ね方の考え方そのものは着膨れしない重ね方にまとめています。肩幅と胸幅のどちらが広いかで秋冬の重ね方を変える方法は、個別記事で扱っています。
手持ちの服で組む|3着で試す順番
新しく服を買う前に、手持ちの服で3か所の効き方を確かめる方法があります。必要なのは、首元の形が違うトップスを3着だけです。
1着目は、首元が詰まったクルーネックかタートル。これを基準にします。そのまま着て、正面と真横の写真を撮ります。
2着目は、Vネックかシャツ。同じボトムスで着て、同じ位置から写真を撮ります。1着目と比べて、上半身の幅の見え方がどう変わるかを見ます。
3着目は、2着目のまま前だけ裾を入れます。もう一度写真を撮ります。首元に加えて前裾とウエストが整った状態です。
| 写真 | 整っている場所 | 見るところ |
|---|---|---|
| 1着目(詰まった首元・出す) | なし | 基準。胸から裾までの面の大きさ |
| 2着目(Vネック・出す) | 首元 | 胸の幅に目が止まるかどうか |
| 3着目(Vネック・前だけイン) | 首元・前裾・ウエスト | 腰の位置がわかるかどうか |
写真は、毎回同じ距離、同じ高さから撮ってください。カメラを胸の高さに構え、2m ほど離れて全身を入れます。上から撮ると胸が前に出て見え、下から撮ると裾の差がわかりにくくなります。真横の写真も1枚ずつ撮っておくと、前裾の高さの変化まで比べられます。ボトムスと靴は3枚とも同じものにして、変える場所を首元と裾だけに絞るのが、比べやすくするこつです。
3枚を並べると、自分の体でどの1か所がいちばん効くかがわかります。いちばん変化が大きかった場所が、あなたが最優先で整えるべき場所です。
迷ったときの決め方|どちらとも取れる場合
服選びで迷うのは、3か所のうち2か所が整っていて、もう1か所をどうするか決めきれないときです。ここでは、よくある迷い方ごとに決め方を置きます。
首元が詰まっているけれど好きな服を着たいとき。前裾とウエストが整っていれば、首元は好みで選んでかまいません。首元に何も足さなくても成り立ちますが、長めのネックレスを1本足すと迷いが減ります。
前を開けるか閉めるかで迷うとき。座る時間が長い日は開ける、立っている時間が長い日は閉める、を目安にします。座ると前裾が持ち上がるので、開けたほうが縦の線が残ります。
サイズを上げるか迷うとき。肩線が肩先の骨に乗っているなら、サイズは上げずに前を開けて着ます。肩線が内側に入っていて腕を上げにくいときだけ、サイズを上げます。
色を暗くするか迷うとき。暗い色は面を小さく見せますが、首元・前裾・ウエストのどこも整っていない服を暗くしても、布が胸で止まる形はそのままです。色を決めるのは3か所を見たあとにして、上下を同じ色でつなげると縦の線が長くなる、という使い方をおすすめします。柄物なら、横に広がる柄より縦に流れる柄のほうが、胸の上で目が止まりにくくなります。
どれにも当てはまらないときは、真横の写真を撮って、前裾が後ろより高いかどうかを見てください。前裾の高さは自分で測れる数字なので、迷ったときの最後の決め手になります。
胸が大きい人向けの記事の地図
ここまでの3か所の考え方を、場面やアイテムごとにさらに深く扱った記事を並べます。いちばん困っている場所から選んでください。
| 困っていること | 読む記事 |
|---|---|
| 太って見える理由を5つの条件で知りたい | 胸が大きいと太って見える服装 |
| 秋冬に似合う形を胸の頂点と胸下の長さで選びたい | 胸が大きい方が似合う服 |
| 肩幅と胸幅のどちらが広いかで重ね方を決めたい | 巨乳 似合う服|肩幅と胸幅で決める秋冬の重ね方 |
| 裾を前だけ入れるか出すかを胴で決めたい | 胸が大きい人の服で着痩せ|トップスの裾の出し方 |
| 前裾と後ろ裾の差で1枚を見分けたい | 前裾と後ろ裾の差で選ぶ |
| カーディガンのボタンと前立てで選びたい | 胸が大きい人の着痩せカーディガン |
| スーツを動きの中で選びたい | 胸が大きいとスーツが似合わない |
| 秋冬のお呼ばれと式典のワンピースを選びたい | 胸が大きい人の太って見えない服|お呼ばれと式典 |
| 夏の装いを30代の目線で組みたい | 夏の胸大きい人のコーデ×30代 |
| 夏の装いを40代の目線で組みたい | 夏の胸大きい人のコーデ×40代 |
どの記事も、首元・前裾・ウエストのどれか1か所を深く掘ったものです。この記事に戻ってくれば、全体の中でどこを読んでいるかがわかるようにしています。
まとめ
胸が大きい人のコーデが着太りして見えるのは、布が胸の高さで止まって、下にまっすぐ落ちないからです。体の大きさの問題ではなく、布が体に戻る場所が服の上に出ていないだけです。
直す場所は首元・前裾・ウエストの3つ。首元で鎖骨の下に縦の空きを作り、前裾が後ろより短くなっていないかを見て、胸の下で布が体に戻る場所を1か所示します。順番は首元から。3か所のうち2か所が整えば、残り1か所は場面と好みで選んでかまいません。
迷ったら真横の写真を1枚撮ってください。前裾と後ろ裾の高さの差は、自分で測れる数字です。その数字が、次に手に取る1枚を決めてくれます。
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 胸が大きい人のコーデは、どこから直せばいいですか?
- 首元、前裾、ウエストの順です。まず首元で鎖骨の下に縦の空きを作り、次に前裾が後ろ裾より短くなっていないかを見て、最後に胸下からおへその間で布が体に戻る場所を1か所示します。3か所のうち2か所が整えば、着太りして見える印象はかなり動きます。
- Q. 胸が大きいとタートルネックは着られませんか?
- 着られます。首元が詰まる分、ほかの2か所で縦の線を作れば成り立ちます。薄手のリブで体に沿う生地を選び、前を開けた羽織りを重ねるか、鎖骨より下まで届く長いネックレスで縦の線を足してください。厚手のローゲージは胸の上に厚みが積まれるので、下に着るなら避けたほうが安定します。
- Q. トップスは入れるのと出すのと、どちらがいいですか?
- トップスの着丈とボトムスの股上で決めます。胸下からの着丈が25cm以内で、ボトムスが股上の深い型なら全部入れても形が残ります。着丈がそれより長く、素材が厚いなら前中心だけ10〜15cm入れるか、前裾が後ろより長い型を出して着るほうが、胸の下に影ができて縦に見えます。
- Q. 骨格ストレートでなくても、胸が大きい悩みはありますか?
- あります。胸に厚みが出やすいのは骨格ストレートに多い組み合わせですが、骨格ウェーブやナチュラルでも胸が大きい人はいます。ウェーブでは上半身が華奢な分、胸の位置が高く見えやすく、ナチュラルでは肩幅と胸幅の関係で布の落ち方が変わります。首元・前裾・ウエストの3か所を見る順番は同じで、変わるのは素材と丈の配分です。
— メグラシ編集部





