胸が大きい人の服は前裾と後ろ裾の差で選ぶ|裾4種類の違いと、すっきり見える1枚の見分け方

**同じサイズで、同じような色の2枚。片方は腰の位置が見えるのに、もう片方は裾までひと続きに見える。**そんな経験があるなら、違いは布の裁ち方にあります。
胸の高さで布が受け止められると、前身頃はその分だけ上へ引かれます。引かれた前身頃は、後ろ身頃より高い位置で終わります。**この前と後ろの高さの差が、裾の線を斜めにしています。**体の話ではなく、布がどこで止まったかという話です。
布が胸を越えて落ちるかどうかという素材の側は胸が大きいと太って見える服装に、縦の線をどこに作るかは胸が大きい人に似合う服の選び方にまとめてあります。この記事は、裾の高さという1か所だけを扱います。
結論:見るのは、前の裾と後ろの裾の高さの差
判定は指1本でできます。
| 前後差 | 裾の線の見え方 | 選び方 |
|---|---|---|
| 0〜1cm(指1本以内) | 床と平行に落ちる。腰の位置がそのまま出る | 丈は自由に選べる |
| 2cm前後(指2本) | わずかに斜め。横から見ると気づく程度 | 丈を腰骨より3cm以上下にする |
| 3cm以上(指3本) | 前の裾が斜め上を向き、腰の線が消える | 裁ち方の違う一枚に替える |
**2cmが分かれ目です。**ここを超えると、裾の線が体の横幅の線として読まれ始めます。逆に1cm以内に収まっていれば、丈も色も自由に選べます。
測り方|立って、指を横へ回すだけ
着た状態で、鏡の前にまっすぐ立ってください。手順は3つです。
- 前の裾の下端が体のどこに当たっているかを、指で押さえる
- その指を体に沿わせたまま、脇を通って後ろへ回す
- 後ろの裾の下端と、指の位置を比べる
指1本ぶん(約1.5cm)以内なら差なし、指2本ぶん以上あるときは前で布が止まっています。もっとはっきり見たいときは、壁を背にして立ち、前の裾と後ろの裾の高さに順番に付箋を貼って、数歩離れてから見比べてください。
数値そのものより、前が上か後ろが上かをはっきりさせるほうが先です。
ハンガーの段階で、試着の前に見分ける
買う前に分かる方法があります。ハンガーから外して平らに置き、肩の縫い目を左右そろえてから、裾の縁を見てください。
- 前身頃のほうが下に出ている……前下がりに裁たれている。差を布の側で先に吸収している
- 前と後ろがぴったりそろっている……着たときの差が、そのまま出る
- 脇の縫い目が裾に向かってカーブしている……脇で長さを逃がす作り
- 脇の縫い目がまっすぐ……逃げ場がないので、前身頃の長さがそのまま効く
前下がりの裁ち方は、平らに置くと2〜4cmの差として見えます。着ると、この差が引き上げられて相殺され、裾が水平に落ちます。**平らな状態で水平な一枚は、着ると斜めになります。**見る向きが逆になるところなので、ここだけ覚えておいてください。
型で比べる|4つの違い
同じ丈でも、裾のまわりの作りで結果が変わります。
| 型 | 前後差の出方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ストレートヘム(前後同じ長さ) | そのまま出る。丈で調整する | 着たときの差が1cm以内で収まるとき |
| 前下がりカーブヘム | 布の側で吸収され、着ると水平 | 差が2cm以上あるとき。いちばん扱いやすい |
| サイドスリット入り | 前と後ろが切れているので、斜めの線にならない | 丈を長く取りたいとき |
| 裾絞り(ゴム・ひも) | 絞りが前をさらに引き上げ、差が増える | 差が0〜1cmのときだけ |
**裾絞りだけは、差を増やす側に働きます。**絞った裾は体に巻きつく位置で止まるので、前で受け止められた布の行き場がなくなり、上へ戻ります。絞りのある一枚を着るなら、絞る位置を腰骨より下にするか、絞りをゆるめて使ってください。
丈と差は、セットで決める
前後差が同じでも、裾がどこで終わるかで見え方が変わります。基準は腰骨のいちばん出ているところです。
前の裾が腰骨より3cm以上下で終わっていれば、差が2cmあっても腰の線は残ります。裾の斜めの線と腰の線が別の高さにあるので、2つの線が重ならないからです。
前の裾が腰骨と同じ高さ、またはそれより上で終わると、裾の線と腰の線が重なります。このとき前後差は、そのまま横幅の線として読まれます。短い丈を選ぶなら、差が1cm以内の一枚にしてください。
裾を入れるか出すかで迷うときの判定は裾を入れる・出す・前中心だけ入れるにまとめてあります。
動いたときに、差はどう変わるか
止まった鏡では合っていても、動くと差が増えることがあります。増え方は動作で決まっています。
- 腕を前へ出す……前身頃が引かれ、差が1〜2cm増える。抱える動作の多い日に出る
- 座る……腰まわりの布が上へ送られ、前だけ持ち上がる。差が2〜3cm増える
- 腕を真上に上げる……脇から布が引かれ、前後とも上がる。差そのものは増えにくい
**いちばん効くのは座る動作です。**試着室では、一度座って立ち上がってから、もう一度指を横へ回してください。立ち上がったあとに差が元へ戻るなら、その一枚は使えます。戻らないなら、脇の縫い目に逃げ場がない作りです。
動いたあとに戻るかどうかの見方は着痩せする服の選び方に、動作ごとの一覧があります。
羽織りは、左右の前身頃で見る
羽織りは前を開けて着ることが多いので、見る場所が1つ増えます。左右の前身頃の裾が、下を向いているか跳ね上がっているか。
前を開けると、左右の前身頃は体の丸みに沿って少し外へ開きます。このとき前身頃が短く裁たれていると、左右の裾が斜め上へ跳ね上がり、上半身の両脇に角ができます。前下がりに裁たれた羽織りは、開けても裾が下を向いたままなので、縦の線が足元まで続きます。
前を留めたいときは、留める位置を胸の高さではなく、その下の細い位置にいちばん近い留め具1つだけにしてください。2つ以上留めると、留め具どうしの間に横の張りが出ます。
どちらとも取れるとき①|差がちょうど2cm
境目にいるときは、丈のほうを動かしてください。前の裾を腰骨より3cm以上下へ持っていければ、差2cmはそのままで構いません。丈を変えられないときは、下に合わせるものの腰の位置を上げて、裾の線と腰の線の高さを離します。
**替えるのは、裾か腰か、どちらか片方だけで足ります。**両方動かすと、今度は上下の比率のほうがずれます。
どちらとも取れるとき②|前後差はないのに、裾が浮く
差を測って1cm以内だったのに、裾が体から離れて浮いているときがあります。これは前後差ではなく、裾まわりの幅の問題です。
脇の縫い目が裾に向かって外へ広がっているか、まっすぐかを見てください。外へ広がっている型は、布が下で広がるぶん体から離れます。離れること自体は問題ではありませんが、離れた布が揺れるのが気になるなら、縫い目がまっすぐな型に替えると落ち着きます。
素材で、差の出方が変わる
同じ裁ち方でも、布の性質で結果が分かれます。
厚みのある布は、布自身の重さで下へ落ちようとするので、前で受け止められても差が出にくくなります。前後差2cmの一枚でも、厚みがあれば1cmぶんは重さで戻ります。
薄くて張りのある布は、受け止められた形をそのまま保ちます。差が数値どおりに出るので、前下がりに裁たれているかどうかがそのまま結果になります。
薄くてやわらかい布は、前で受け止められたあと脇から落ちます。前後差は小さく出ますが、そのかわり脇の線が体に沿います。
迷ったら、厚みのある布か、前下がりの裁ち方か、どちらか片方があれば足ります。両方そろえる必要はありません。
よくある行き違い
**「丈を長くすれば解決する」。**長くしても、前で止まっている布が動くわけではありません。長くして効くのは、前の裾が腰骨より下へ出たときだけです。腰骨より上で終わっている一枚を数cm伸ばしても、線が重なったままなら結果は変わりません。
**「大きいサイズにすれば裾が下がる」。**サイズを上げると裾は下がりますが、同時に肩の縫い目も外へ出ます。肩が落ちると上半身の外枠が広がり、裾の差より先にそちらが目に入ります。サイズは肩で決めて、裾は裁ち方で決めてください。
**「濃い色を選べば裾の線は見えない」。**濃い色にすると陰影は見えにくくなりますが、輪郭の線はかえってはっきりします。色で消えるのは面の中の情報で、外側の線ではありません。
装いに活かすなら
買い物のたびに全部を試着するのは、時間がかかります。**ハンガーから外して平らに置き、裾の縁を見る。**これだけなら、店頭でも10秒です。
前身頃が2〜4cm長く裁たれている一枚。脇の縫い目がカーブしている一枚。この2つを目で拾えるようになると、試着室に持ち込む枚数が減ります。秋は羽織りが増える季節なので、左右の前身頃の裾が下を向いているかも、同じ10秒で一緒に確かめておいてください。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 前裾と後ろ裾の差は、どうやって測ればいいですか
- 着た状態で、鏡の前にまっすぐ立ってください。前の裾の下端が体のどこに当たっているかを指で押さえ、その指をそのまま体に沿わせて横へ回し、後ろの裾の下端と比べます。指1本ぶん(約1.5cm)以内なら差はないと考えて構いません。指2本ぶん以上あるときは、前で布が止まっています。もっと正確に見たいときは、壁を背にして立ち、前の裾と後ろの裾の高さに順番に付箋を貼って、離れてから見比べてください。数値そのものより、前が上か後ろが上かをはっきりさせることのほうが大事です。
- Q. ハンガーにかかった状態で見分けられますか
- 見分けられます。ハンガーから外して平らに置き、肩の縫い目をそろえてから、前身頃と後ろ身頃の裾の縁を見てください。前のほうが下に出ている、つまり前身頃が長く裁たれている一枚は、布の側で差を先に吸収しています。前と後ろがぴったりそろっているものは、着たときの差がそのまま出ます。もう1つ、脇の下から裾までの縫い目をたどって、途中でカーブしているか直線かを見てください。カーブしているものは、脇のところで長さを逃がす作りです。
- Q. 差が出にくいのは、どういう作りの服ですか
- 4つあります。1つ目は前下がりに裁たれた型で、前身頃が後ろより2〜4cm長く作られているものです。2つ目は脇に切れ込みのあるスリット入りで、前と後ろがつながっていないぶん、差が斜めの線として読まれません。3つ目は裾が絞られていない型。ゴムやひもで裾を絞ると、前だけがさらに引き上げられて差が増えます。4つ目は、脇の縫い目が裾に向かって外へ広がっている型です。裾まわりに余裕があるほど、前の布が上へ逃げずに下へ落ちます。
- Q. 丈は長いほうがいいのですか、短いほうがいいのですか
- 長さそのものより、前の裾がどこで終わるかで決めてください。前の裾が腰骨のいちばん出ているところより下で終わっていれば、差が出ていても腰の線は残ります。腰骨と同じ高さか、それより上で終わっていると、前後差がそのまま体の横幅の線として読まれます。つまり、前後差が2cmある一枚を選ぶなら、前の裾が腰骨より3cm以上下に来る丈にする。差が0〜1cmの一枚なら、丈はもっと自由に選べます。差と丈はセットで決まると考えてください。
- Q. 羽織りを着るときも、同じ見方でいいですか
- 同じですが、見る場所が1つ増えます。羽織りは前を開けて着ることが多いので、左右の前身頃の裾の高さがそろっているかを見てください。前を開けたとき、左右の前身頃は体の丸みに沿って少し外へ開きます。このとき前身頃が短く裁たれていると、左右の裾が斜め上へ跳ね上がって見えます。前下がりに裁たれた羽織りは、開けても裾が下を向いたままです。前を留める着方をするなら、留める位置は胸の高さではなく、その下の細い位置に近い留め具を1つだけにしてください。
— メグラシ編集部





