胸があると太って見える重ね着|秋冬は胸の上に重なる枚数と厚みで決める

**重ねた服を、胸の頂点の上で指でつまんでみてください。**前を閉じたまま重なっている布が3枚以上あるか、つまんだ厚みが1.5cmを超えているなら、太って見える原因はそこです。
胸がある人の上半身は、横から見ると胸の頂点がいちばん前に出ています。1枚で着るとき、布は胸の頂点にかかってから下へ落ちます。重ね着をすると、その布の上にさらに布がかぶさり、胸の頂点を起点に1枚ずつ前へ押し出されていきます。押し出された厚みは、見る人には体の厚みに見えます。服が太って見せているのではなく、重なった枚数と厚みが胸の前に積み上がっているのです。
1枚のトップスの選び方は胸が大きくても太って見えないニット|身幅のゆとりと裾の浮きや胸が大きくても太って見えないコートにまとめてあります。この記事は、それを重ねたときの数え方と組み方だけを扱います。
結論:前を閉じて重なるのは2枚まで、厚みの合計は1.5cmまで
胸がある人の重ね着は、次の2つの数で決まります。
| 数えるもの | 目安 | 超えたとき |
|---|---|---|
| 胸の上で前を閉じて重なる枚数 | 2枚まで | 3枚目を前開きに替えるか、前を開けて着る |
| 前を閉じて重なる布の厚みの合計 | 1.5cmまで | いちばん厚い1枚を外側へ回して前を開ける |
| 胸の頂点の高さにそろうもの | 襟・裾・色の切り替えのうち1つまで | 2つ以上なら、どれかを上か下へずらす |
前を開けて羽織る服は、枚数にも厚みにも数えません。前を開けた布は胸の両脇に落ちて、胸の頂点の上には重ならないからです。
つまり、重ね着を何枚にするかより、胸の上で前を閉じているのが何枚かを数えればいい、ということです。肌着、ブラウス、ニット、カーディガン、ジャケットと5枚重ねても、前を閉じているのが2枚までなら、上半身は厚く見えません。反対に、肌着とタートルネックとクルーネックのニットの3枚でも、3枚とも前を閉じていれば、胸の前には3枚ぶんの厚みが積み上がります。
まず数える:いまの重ね着は胸の上に何枚、何mmか
最初に、いつもの重ね着を測ります。鏡の前で、いつもどおりに重ねて着てください。
次に、胸の頂点の真上で、前を閉じて重なっている布を数えます。上から1枚ずつめくっていくと数えやすくなります。肌着もブラウスも1枚と数えます。前を開けて羽織っているものは数えません。
枚数を数えたら、厚みを測ります。重ねた服をいったん脱いで、1枚ずつ、胸の高さのあたりを親指と人差し指でつまんでください。指と指のすき間がその服の厚みです。
| 服の種類 | つまんだ厚みの目安 |
|---|---|
| 薄手の肌着・カットソー | 1〜2mm |
| 綿のブラウス・シャツ | 1〜2mm |
| 細い糸の薄手ニット | 3〜4mm |
| 中くらいの厚みのニット | 5〜7mm |
| ざっくりした太い糸のニット | 8mm以上 |
| 起毛した厚手のスウェット | 6〜8mm |
前を閉じて重なっている服の厚みを足してください。合計が1.5cm以内なら、胸の前に積み上がる厚みはまだ目立ちません。1.5cmを超えると、横から見たときに胸の頂点から下へ落ちる布の角度がゆるくなり、上半身全体が前へ張り出したように見えます。
数字にしてみると、意外なことが分かります。たとえば、肌着とシャツとざっくりニットの3枚なら、2mmと2mmと10mmで合計1.4cmです。枚数は3枚ですが、厚みはぎりぎり範囲に収まります。一方、タートルネックの薄手ニットと中厚のクルーネックニットを重ねると、4mmと7mmで1.1cm、そこにスウェットを重ねると1.8cmになります。枚数より、何を重ねたかで決まる部分が大きいのです。
測るときは、胸の高さでつまむことを守ってください。袖や裾でつまむと、編み地が伸びていたり縫い代が重なっていたりして、胸の上とは違う厚みになります。同じ服でも、洗い重ねて縮んだニットは新品のときより厚くなっていることがあります。去年は平気だった重ね着が今年は膨らんで見えるなら、まず手持ちのニットを1枚ずつつまみ直してみてください。
数えた結果は、服をしまう場所に書いておくと便利です。たとえば引き出しの手前に「厚手ニット8mm」「薄手ニット3mm」と貼っておけば、朝に組み合わせを決めるとき、頭の中で足し算するだけで済みます。
1枚目(肌側):薄く、胸の下で止まらない丈を選ぶ
重ね着の土台になるのは肌側の1枚です。ここで選びたいのは、薄くて、胸の下で止まらないものです。
肌側の1枚が厚いと、その上に何を重ねても胸の前の厚みが底上げされます。肌着やカットソーは、つまんで2mm以内のものにしてください。暖かさが欲しいなら、厚みではなく、保温性のある薄い素材で補います。
丈も大事です。肌側の1枚の裾が胸のすぐ下で止まる短い丈だと、その裾の段差が上に重ねた服を内側から押し上げ、胸の下に横の線が浮き出ます。胸の下に横の線が出ると、胸の頂点からその線までがひとかたまりの膨らみに見えます。肌側の1枚は、腰骨まで届く丈を選んでください。上に重ねる服より短くならないこと、そして胸の下で段差を作らないことが条件です。
襟ぐりは、上に重ねる服の襟ぐりより小さいか、同じくらいにします。肌側の襟が上の服からのぞくと、胸の上の重なりが目に見えるようになり、何枚着ているかが外から分かってしまいます。
肌側の1枚の色は、上に重ねる服の色に近いものを選んでください。肌側が白で上が暗い色だと、袖口や襟元からのぞいたときにそこだけが明るく浮きます。胸の上で明るい色がのぞくと、そこが手前に出て見え、胸の上部の厚みを足してしまいます。上に重ねる服の色が決まらないときは、肌に近い色を選んでおくと、どの色を重ねても浮きません。
肌側の1枚の生地の滑りも見ておいてください。表面がざらつく綿の肌着の上にニットを重ねると、ニットが肌着に引っかかって、胸の頂点の上で布が持ち上がったまま下へ落ちません。表面がなめらかな肌着なら、上のニットが胸の頂点から下へすっと落ちて、胸の下に余った布がたまりにくくなります。
2枚目(中間):前を閉じるなら薄手、厚手なら前を開けられるもの
2枚目は、重ね着の印象をいちばん左右する1枚です。多くの人は、ここにニットやスウェットを選びます。
前を閉じて着るなら、薄手を選んでください。つまんで4mm以内のニットなら、肌側の1枚と合わせても6mm程度で、胸の前の厚みは目立ちません。中厚以上のニットを前を閉じて着る場合は、肌側の1枚を思い切って薄くし、3枚目は必ず前を開けて羽織ります。
2枚目に厚いものを着たいなら、前を開けられるものにしてください。カーディガンや前開きのシャツニットなら、前を開けた瞬間に、胸の上の枚数から外れます。前を開けたカーディガンは、胸の両脇に縦の線を作ります。この縦の線が、胸の頂点からお腹までの面を細く区切ってくれます。カーディガンのボタンの留め方は胸が大きい人の着痩せカーディガンに詳しく書いてあります。
2枚目で避けたいのは、胸の位置に模様や編み地の変化がある服です。胸の高さに横縞が入っていたり、胸のあたりだけ編み方が変わっていたりすると、厚みは同じでも、そこに視線が集まります。2枚目は、全体が同じ編み地のものを選んでください。
2枚目の襟ぐりの形も見ておきます。前を閉じて着るなら、丸首より、少し深めのVや、横に浅く広がる形のほうが、胸の上に布の面が広がりません。丸首のニットは首元から胸の頂点まで1枚の布がまっすぐかぶさるので、胸の上部の面積が広く見えます。Vの深さは、次の襟の重なりの項で書く目安に合わせてください。
袖の付き方にも差が出ます。肩の縫い目が自分の肩より内側にあるニットは、胸の両脇の布が引っぱられて、胸の頂点の上に布が寄ります。肩の縫い目が肩の骨の位置にあるか、わずかに外に落ちる形なら、胸の上の布は左右に逃げて、前へ張り出しにくくなります。
3枚目(羽織り):前を開けて、縦の帯を作る
いちばん外側の羽織りは、前を開けて着ることを前提に選びます。ジャケット、コート、ロングカーディガン、どれでも同じです。
前を開けた羽織りは、胸の頂点の上には重ならず、両脇に落ちます。両脇に落ちた布は、胸の外側の輪郭を隠し、真ん中に縦長の帯を残します。帯の幅は、胸の頂点と頂点の間くらいがいちばん細く見えます。帯の幅が肩幅いっぱいに広がると、真ん中の面が広く見えて効き目が薄れます。
羽織りの選び方で見ておきたいのは、前を開けたときに自然に開いた状態で落ち着くかどうかです。前身頃が厚くて硬いと、開けたつもりでも胸の頂点に引っかかって前へ張り出し、胸の上にもう1枚重なったのと同じになります。鏡の前で前を開けて立ち、横を向いてください。羽織りの前端が胸の頂点から離れて、まっすぐ下へ落ちていれば合格です。前端が胸の頂点に乗って斜め前へ突き出しているなら、その羽織りは前を開けても重なりの数に入ります。
丈は、腰骨より下まであるものを選んでください。羽織りの裾が胸の下やお腹の高さで終わると、そこに横の線ができ、縦の帯が途中で切れてしまいます。
羽織りの素材も見ておいてください。張りのある厚い生地は、前を開けても形を保とうとして胸の頂点の外側で突っ張ります。少し落ち感のある、重さで下へ垂れる生地のほうが、前端がまっすぐ下へ落ちます。ハンガーにかけたとき、前身頃が自然に内側へ寄って閉じかける羽織りは、着たときにも胸の頂点に寄ってきます。ハンガーにかけた状態で前身頃がまっすぐ垂れるものを選んでください。
ポケットの位置も影響します。胸の高さにポケットのある羽織りは、前を開けて着ても、ポケットの縫い目と厚みが胸の外側に乗ります。胸ポケットのない形か、ポケットが腰の位置にある形のほうが、胸の両脇の縦の線がすっきり残ります。
襟の重なり:胸の上に襟を3つ集めない
重ね着で見落としやすいのが、襟の重なりです。
肌側のタートルネック、その上のシャツの襟、さらにジャケットの襟。この3つが首元から胸の上にかけて重なると、胸の頂点より上の部分に、布の層がいくつも積み上がります。胸の上部が厚く見えると、胸の頂点までの距離が詰まり、上半身全体が詰まって見えます。
目安は、首元から胸の上までに見える襟は2つまでです。タートルネックの上にジャケットなら2つ。シャツの上にVネックのニット、その上に襟のないカーディガンなら2つ。3つ目の襟が欲しいときは、どれか1つを襟のないものに替えてください。
襟の向きも気にしてください。胸がある人には、Vの字に開く襟がよく勧められますが、重ね着ではVの字の底の位置が大事になります。Vの底が胸の頂点の高さにそろうと、そこに視線が集まり、胸の頂点を指し示すことになります。Vの底は、胸の頂点より指2本ぶん上か、胸の頂点より下まで深くしてください。ちょうど胸の頂点の高さで止まるVは避けます。
首元を詰めたい日は、肌側をタートルネックにして、その上の服を襟のないものにそろえる方法があります。タートルネックの首の部分は胸の頂点より上で終わるので、胸の上には重なりません。上に重ねる服が襟なしなら、首元から胸の上に見える襟はタートルネックの1つだけです。首まわりの暖かさを保ちながら、胸の上部の層を増やさずに済みます。
裾の重なり:段を胸の下とお腹に作らない
裾の重なりは、横の線を作ります。重ねた服の裾が少しずつずれて見えると、それぞれの裾が横の線になり、上半身が段々に区切られます。
胸がある人が特に避けたいのは、胸のすぐ下に段ができることです。短い丈のニットを長い丈のシャツの上に重ねると、ニットの裾が胸の下で横の線になります。胸の頂点からその線までがひとかたまりに見え、胸の膨らみがそのままお腹の上まで続いているように見えます。
裾をずらして見せるなら、段は腰骨より下に置いてください。腰骨より下なら、上半身の縦の長さが保たれます。重ねる服の丈は、内側から外側へ順に長くするか、全部をほぼ同じ丈にそろえるかのどちらかにすると、段が増えません。
トップスの裾を前だけ入れる着方は、重ね着でも使えます。ただし、入れるのはいちばん内側の1枚だけにしてください。2枚以上を一緒に入れると、ウエストまわりに布がたまって、胸の下からお腹までが一続きに膨らみます。前だけ入れる考え方は胸が大きい人の服で着痩せ|トップスの裾の入れ方にもまとめてあります。
ボトムの形も、裾の重なりの見え方に関わります。腰まわりにゆとりのあるボトムに長めのトップスを重ねると、裾の段がボトムのゆとりの上に乗って、腰まわりにもう1つの膨らみができます。胸の膨らみと腰の膨らみが上下に並ぶと、上半身全体が丸く見えます。腰まわりがすっきりしたボトムなら、裾の段は腰骨の下でまっすぐ終わり、胸の膨らみとつながりません。
色の重なり:濃淡の境目を胸の頂点に置かない
色の重ね方でも、胸の見え方は変わります。
明るい色は手前に出て見え、暗い色は奥へ下がって見えます。胸の頂点の上に明るい色の面が広くあると、そこが手前に出て、胸の厚みが強調されます。反対に、暗い色の面が胸の上にあると、厚みが沈んで見えます。
重ね着では、内側と外側で色の濃さを変えることがよくあります。このとき気をつけたいのは、濃淡の境目がどこに来るかです。明るい色のニットの上に暗い色のジャケットを前を開けて羽織ると、境目はジャケットの前端に沿って縦に走ります。縦の境目は、胸の真ん中に細い帯を作るので、細く見えます。
一方、明るい色のシャツの上に暗い色の短いベストを重ねると、境目はベストの裾に沿って横に走ります。この横の境目が胸の下に来ると、胸から上だけが別のかたまりに見えます。濃淡の境目は、縦に走らせるか、横なら腰骨より下に置いてください。
内側を明るく、外側を暗くするのが基本ですが、逆でも構いません。外側を明るく、内側を暗くすると、真ん中の縦の帯が暗く沈んで、両脇の明るい羽織りが肩と腕の線を作ります。どちらにしても、境目を縦にすることが条件です。
柄物を重ねるときも同じ考え方です。細かい柄は面を広く見せ、大きな柄は柄の切れ目が線になります。胸の上に柄物を置くなら、柄の切れ目が胸の頂点の高さで横に走らないものを選んでください。縦の縞や、柄の向きが縦に流れるものなら、柄の線がそのまま縦の帯の役目を果たします。
厚い1枚と薄い2枚:どちらが細く見えるか
寒い日に、厚いニットを1枚着るか、薄いニットとカーディガンの2枚にするかで迷うことがあります。胸がある人には、多くの場合、薄い2枚のほうが細く見えます。
厚いニットを1枚着ると、厚みはすべて胸の頂点の上に乗ります。8mmのニットなら、胸の前に8mmの布が前を閉じた状態でかぶさり、胸の頂点から下へ落ちる角度がゆるくなります。一方、4mmの薄いニットを前を閉じて着て、4mmのカーディガンを前を開けて羽織ると、胸の頂点の上に乗るのは4mmだけです。カーディガンの4mmは、胸の両脇に落ちます。暖かさはほぼ同じでも、胸の前の厚みは半分になります。
例外は、厚いニットの形がもともと胸のゆとりを考えて作られている場合です。胸の位置にゆとりがあって、その下でまっすぐ落ちる形なら、厚くても胸の前で引っかからずに落ちます。この場合は、厚い1枚の上に何も重ねないことを前提に選んでください。厚い1枚に、さらに前を閉じたものを重ねると、合計の厚みがすぐに1.5cmを超えます。
迷ったら、横から見てください。鏡の前で横を向き、胸の頂点からお腹のあたりまでの布の落ち方を比べます。胸の頂点からまっすぐ下へ落ちている組み方が、細く見える組み方です。
写真で比べる方法もあります。厚い1枚と薄い2枚のそれぞれを着て、横からと斜め前から1枚ずつ撮り、並べてください。鏡では気持ちが入って判断が揺れますが、写真なら輪郭の線だけを比べられます。胸の頂点から下の輪郭が、縦にまっすぐな線になっているほうを選べば外れません。
秋冬の室内と屋外:脱いだあとの姿も決めておく
秋冬は、屋外と室内で着ている枚数が変わります。外ではコートまで着ていたのが、室内に入るとコートを脱ぎ、暖房が強ければ羽織りも脱ぎます。
脱いだあとに残るのは、内側の1枚か2枚です。重ね着を考えるときは、いちばん外側を脱いだ状態でも胸の上の枚数と厚みが範囲に収まっているかを確かめてください。外では前を開けたジャケットが縦の帯を作ってくれていたのに、脱いだ途端に、前を閉じた厚手のニットだけが残る。こうなると、室内でいちばん長く過ごす姿が、いちばん太って見える姿になってしまいます。
室内で脱ぐことが多い日は、2枚目を前開きのものにしておくと安心です。暑ければ2枚目を開け、寒ければ閉じる。前を開けたときには縦の帯ができ、閉じたときでも枚数は2枚に収まります。
反対に、屋外で前を閉じたコートを着るときは、コートの下の枚数を減らしてください。コートの前を閉じれば、それだけで胸の上に1枚、しかも厚い1枚が重なります。コートの下で前を閉じているのは1枚、多くても2枚までにしておくと、コートを閉じても膨らみません。
移動の多い日は、脱いだ羽織りの持ち方も考えておくと楽です。腕にかけて持つと、胸の前に布のかたまりができ、立ち話の間ずっとそこに視線が集まります。脱いだ羽織りは、たたんで鞄に入れるか、片方の肩に縦にかけてください。縦にかけた布は、それだけで縦の線になります。
どちらとも取れるとき①:寒くて枚数を減らせない
いちばん多い悩みが、寒くて枚数を減らせないというものです。胸の上の枚数を2枚に抑えたいのに、そうすると寒い。
この場合は、暖かさを胸の上以外に移します。体の暖かさを左右するのは、胸の前の布の枚数だけではありません。首、手首、足首、腰まわり。この4か所を覆うと、体感はかなり変わります。
具体的には、肌側に薄くて保温性のある肌着を1枚足し、その上は前を閉じるものを1枚だけにします。首元はマフラーかスヌードで覆い、手首は袖口の詰まった羽織りで、足首はタイツや丈の長い靴下で、腰まわりは腰骨より長い羽織りで覆います。胸の上の枚数は2枚のまま、体全体の暖かさを上げる考え方です。
それでも寒いなら、背中側だけに1枚足す方法があります。前開きのベストを羽織り、前は開けたままにすれば、背中と脇腹は覆われ、胸の上には重なりません。胸の前は開いているので、縦の帯もそのまま残ります。
どちらとも取れるとき②:前を開けると寒い、閉じると膨らむ
羽織りの前を開けて着るのがいいと分かっていても、風の強い日は閉じたくなります。閉じれば胸の上に1枚増え、開ければ寒い。この迷いには、閉じる位置で答えます。
いちばん上のボタンから閉じると、胸の頂点の上で前身頃が左右から引っぱられ、胸の頂点に布が張り付いて前へ膨らみます。胸の頂点より下のボタンだけを1つか2つ閉じると、胸の上は開いたままで、お腹まわりに入る風は防げます。胸の上には、内側の服が見えるVの字の開きが残ります。このVの字が、縦の帯の役目を引き継ぎます。
それでも寒いときは、羽織りの内側にマフラーを垂らしてください。首にかけたマフラーの両端を、羽織りの前の開いた部分に縦に垂らすと、胸の前が縦長の布で埋まります。前を閉じたときより細く見えて、暖かさも保てます。マフラーの幅は、胸の頂点と頂点の間に収まるくらいの細めのものが向いています。
大判のストールを肩から羽織る方法もあります。肩から胸の両脇へ斜めに垂らすと、前を開けた羽織りと同じように、胸の外側の輪郭を覆いながら真ん中に縦の帯を残せます。このとき、ストールを胸の前で交差させたり結んだりしないでください。胸の頂点の上で布が重なり、結び目がそのまま膨らみになります。
ボタンを留める位置の目安は、胸の頂点から指3本ぶん下です。そこより上を留めると、胸の頂点に布が触れはじめます。
どちらとも取れるとき③:胸もあるが、二の腕も気になる
胸がある人の中には、二の腕の太さも気になるという人が多くいます。二の腕を隠したくて羽織りを足すと、胸の上の枚数が増える。胸の上の枚数を減らすと、二の腕が出る。
この場合は、二の腕を覆う役目を、前を開けた羽織りに任せてください。前を開けた羽織りは、胸の上の枚数には数えません。袖のある羽織りを前を開けて着れば、二の腕は覆われ、胸の上の枚数は増えません。
内側の服の袖も見直してください。内側に長袖の厚手ニットを着て、その上に羽織りを重ねると、二の腕のまわりで布が2枚重なり、腕が太く見えます。内側は薄手の長袖か、袖のないもの、あるいは袖が細めのものにすると、羽織りの袖の中でもたつきません。
羽織りの肩の位置も大事です。肩の縫い目が自分の肩より外に落ちる形だと、二の腕の上部に布がたまって、腕と胸の両方が大きく見えます。肩の縫い目が肩の骨の位置にあるものを選ぶと、胸の両脇の縦の線もまっすぐになります。
二の腕を隠す目的で、内側に七分袖を着て外側に半袖の羽織りを重ねる組み方もありますが、秋冬にはあまり向きません。袖の長さが2段になると、腕の途中に横の線が2本できて、腕の太さがかえって目立ちます。袖は内側と外側で長さをそろえるか、内側を外側より短くして外から見えないようにしてください。
手持ちで組み替える手順:いまの3枚を並べ替える
新しい服を買わなくても、手持ちの重ね着は組み替えで直せることが多いです。手順は4つです。
まず、いつもの重ね着の全部の服をベッドの上に並べ、それぞれの厚みをつまんで書き出します。次に、前を開けて着られるものと、前を閉じて着るしかないものに分けます。カーディガン、前開きのシャツ、ジャケットは前を開けられる側、プルオーバーのニットやカットソーは閉じる側です。
3つ目に、閉じる側の中から、いちばん薄いものを肌側に、次に薄いものを2枚目に置きます。閉じる側が3枚以上あるなら、いちばん厚いものはその日の重ね着から外してください。外した1枚は、別の日に前開きの羽織りと組む1枚になります。
最後に、開けられる側の中から1枚を選んで外側に羽織ります。前を開けたまま横から見て、前端が胸の頂点から離れてまっすぐ落ちるものを選びます。
この手順で組み替えると、多くの場合、同じ服で胸の上の枚数が1枚減ります。足りないのは服ではなく、重ねる順番だったということがよくあります。組み替えた結果は写真に撮っておき、次の朝にそのまま再現してください。
秋の初めと冬の立ち上がりでは、組み方を変える必要があります。秋の初めは、肌側の1枚と前を開けた羽織りの2枚で足りることが多く、胸の上の枚数は1枚で済みます。冬に向かって寒くなるにつれ、2枚目を足し、外側にコートを足していきます。足すたびに、胸の上で前を閉じているのが何枚になったかを数え直してください。季節が進むほど枚数は増えますが、増えるのは前を開けた側にとどめる、と決めておけば崩れません。
やらないほうがいいこと
胸の膨らみを隠そうとして、かえって太って見せてしまう重ね方があります。
1つ目は、大きな羽織りで全体を覆い隠すことです。胸の位置から裾まで大きく広がる羽織りを前を閉じて着ると、胸の頂点からまっすぐ布が落ちて、胸の前からお腹までが1枚の大きな面になります。体の厚みが、胸の一番前の位置で決まってしまいます。
2つ目は、ベルトで胸のすぐ下を締めることです。胸の下を締めると、胸の頂点からベルトまでが強調され、ベルトから下が急に細く落ちるので、胸の膨らみがいっそう目立ちます。ベルトを使うなら、ウエストのいちばん細い位置か、それより少し下にしてください。
3つ目は、胸の高さに飾りのある服を重ねることです。胸ポケット、胸元のリボン、胸の位置の刺繍。重ね着で枚数が増えたうえにこうした飾りが胸の高さにあると、厚みと視線の両方が胸に集まります。
4つ目は、前を閉じた厚手の服を2枚重ねることです。厚手のタートルネックに、厚手のクルーネックニットを重ねると、それだけで厚みの合計が1.5cmを超えます。厚手を2枚着たいときは、どちらかを前開きにしてください。
5つ目は、重ねた服をすべて同じ明るい色でそろえることです。明るい色は手前に出て見えるので、何枚も重なった明るい色の面が、胸の厚みをそのまま見せます。そろえるなら暗めの色か、内側と外側で濃さを変えてください。
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よくある問い
- Q. 胸がある人は、重ね着をしないほうがいいですか
- 重ね着そのものを避ける必要はありません。太って見えるのは、胸の頂点の上で前を閉じた布が何枚も重なるときです。前を閉じて重なるのを2枚までにして、3枚目は前を開けて羽織る。この形にすると、重ねた枚数のわりに上半身は厚く見えません。むしろ前を開けた3枚目が胸の両脇に縦の線を作るので、1枚で着るより胴が細く見えることもあります。
- Q. 厚みはどうやって測ればいいですか
- 重ねる服を1枚ずつ、胸の高さのあたりで親指と人差し指でつまんでください。指と指のすき間がその服の厚みです。薄手の肌着なら1〜2mm、ハイゲージのニットなら3〜4mm、ざっくりしたニットなら8mm以上になります。前を閉じて重ねる服の厚みを足して、1.5cmを超えるなら、胸の上で前へ押し出される量が目に見えて増えます。そのときは、いちばん厚い1枚を前開きのものに替えるか、外側に回してください。
- Q. 寒い日に枚数を減らせません。どうすればいいですか
- 枚数を減らす代わりに、暖かさを胸の上以外に移してください。肌側に薄くて保温性のある肌着を1枚足し、その上は前を閉じるものを1枚だけにします。首元はマフラーで、脚はタイツやパンツの裏地で、腰まわりは長めの羽織りで補います。胸の上の枚数は増やさずに、体全体の暖かさを上げる考え方です。寒さに強いのは枚数より、肌側の1枚と首元の1枚です。
- Q. 前を開けて羽織ると、寒くて結局閉じてしまいます
- 閉じる位置を変えてみてください。いちばん上のボタンから閉じると、胸の頂点の上で布が引っぱられ、前へ膨らみます。胸の頂点より下のボタンだけを1つか2つ閉じると、胸の上は開いたまま、お腹まわりの風は防げます。それでも寒いときは、羽織りの内側にマフラーを垂らして、胸の前の開いた部分を縦長の布で埋めると、閉じたときより細く見えて、暖かさも保てます。
— メグラシ編集部





