メグラシ
自分を知る

スーツのインナー 女性 秋冬|ジャケットの下のニットが窮屈なとき

メグラシ編集部//読了 22分
紺のジャケットのボタンを留めて駅の構内を歩く女性の首元から膝まで。ジャケットの下には薄いアイボリーの丸首ニット

**ジャケットの下にニットを着て窮屈なら、先に替えるのはジャケットではなく、下のニットです。**鏡の前で、ボタンを留めて前に手のひらが入るか、腕を前に出してひじを曲げたとき袖がたまらないか。この2つを確かめれば、そのニットで行けるかどうかは決まります。

夏から秋にかけてはブラウス1枚で着ていたジャケットが、ニットを着たとたんに肩がつかえる、脇が持ち上がる、ボタンが引っぱられて横じわが出る。スーツを秋冬にも着る人なら、一度は経験があるはずです。

これはジャケットが小さくなったのではなく、下に着るものの厚みと袖の形が変わったために起きています。ブラウスは薄くて袖が細いので、ジャケットの中で布がほとんどたまりません。ニットは厚みがあり、袖付けの位置も袖の太さもさまざまなので、合うものと合わないものがはっきり分かれます。

この記事では、手持ちのジャケットとニットの組み合わせが着られるかどうかを、家の鏡の前で決める方法を順番に書きます。ニットで行ける日と行けない日の分け方、どうしても窮屈なときの替え方、次にジャケットを買うときに気をつけることまで、まとめています。

結論:鏡の前の2つの動きと、つまんだ厚みで決める

先に全体の判断を置いておきます。

ジャケットの下のニットが着られるかどうかは、次の3つで決まります。1つ目は、ボタンを留めたときに、ニットとジャケットの前身頃の間に手のひらが1枚入るか。2つ目は、腕を前に出してひじを直角に曲げたときに、ジャケットの袖の中でニットの袖がたまらないか。3つ目は、ニットの身頃を2枚につまんだとき、厚みが5mm以内か。

3つとも満たしていれば、そのニットはジャケットの下に着られます。1つ目か2つ目が満たせないなら、そのニットはそのジャケットには合いません。ニットを替えるか、ブラウスに保温インナーを足す方法に切り替えます。3つ目だけ満たせない場合は、ボタンを開けて着る日、つまり社内の日にまわします。

ジャケットのサイズを上げるのは、薄いニットに替えてもなお1つ目と2つ目が満たせないときだけです。ニットに合わせてジャケットを大きくすると、ブラウスに戻る季節に今度は肩と身幅が余ってしまいます。

確かめ方1|ボタンを留めて、前に手のひらが入るか

1つ目の確かめ方です。ニットを着て、その上からジャケットを着て、前のボタンを全部留めます。2つボタンなら上だけ、3つボタンなら真ん中だけ、というふだんの留め方で構いません。

留めたら、ボタンの少し横から、ジャケットの前身頃とニットの間に手を差し込んでみます。指をそろえた手のひらが1枚、つかえずに入れば合格です。手のひらが入らない、または入れたときにボタンが横に引っぱられるなら、前の余裕が足りていません。

前に余裕がないと、正面から見たときにボタンを中心に横じわが放射状に出ます。座ったときにはさらに強く引っぱられ、ボタンの糸に負担がかかります。会議中ずっと前がつかえている感覚があると、姿勢も小さくなりがちです。

胸に厚みがある人は、手のひらが入る位置を2か所で確かめてください。ボタンの横と、胸のいちばん高いところの横です。ボタンの横に余裕があっても、胸の高さで前身頃がニットに押されて浮いていると、正面から見たときにジャケットの襟が外へ開いてしまいます。襟が開くと、V字の空きが広がって、中のニットが大きく見えます。胸の高さでも手のひらが入るか、少なくとも指先が入るかを見ておくと、襟の開きも防げます。

手のひらが入るかどうかは、ニットの厚みと、ニットの身頃がどれくらい体から離れているかで決まります。厚みが薄くても、身頃が大きく、裾をパンツやスカートに入れたときに布が胸から腹の上にたまるニットは、前の余裕を食います。裾を出して着るか入れて着るかで結果が変わることもあるので、ふだん着る形で確かめてください。

確かめ方2|腕を前に出して、ひじを直角に曲げる

2つ目は袖です。ジャケットのボタンを留めたまま、片方の腕を体の正面にまっすぐ伸ばします。机の向こうにある書類を取るくらいの高さです。そこからひじを直角に曲げて、手を胸の前に引き寄せます。

この動きで見るのは2か所です。1つは、ひじの内側でニットの袖がたまって、ジャケットの袖の中に固まりができていないか。もう1つは、腕を伸ばしたときにジャケットの背中が突っぱって、肩甲骨のあたりに横じわが出ていないか。

ひじの内側に固まりができると、ジャケットの袖の外側にまで、ぼこっとしたふくらみが出ます。歩いているときにはあまり目立ちませんが、会議でメモを取る、パソコンを打つ、という姿勢のときには、ずっとこのふくらみが出たままになります。背中の突っぱりは、ニットの袖が太く、ジャケットの袖の中で動けないときに起きます。

背中のしわは、自分では鏡に映しにくい場所です。スマートフォンのカメラを少し離れた棚に立てかけて、後ろ姿を撮りながら同じ動きをしてみてください。腕を前に伸ばしたときに、肩甲骨の下あたりから脇に向かって斜めのしわが2本以上出るなら、背中に余裕が足りていません。ブラウスで同じ動きをしてしわが出ないなら、原因はニットの側にあります。

どちらかが起きるなら、そのニットはそのジャケットには袖の太さが合っていません。ニットの袖が細いものに替えるか、袖の短いニットに替えるか、ニット以外の方法に切り替えます。

ニットの厚みは、身頃を2枚につまんで5mmまで

3つ目は厚みです。ニットの脇の下あたりの身頃を、前と後ろを合わせて2枚につまみます。指先で軽く押さえたときの厚みが5mm以内なら、ジャケットの下に着られる薄さです。

ものさしがなくても測れます。5mmは、一般的な鉛筆の軸の太さより少し細いくらいです。つまんだ厚みが鉛筆の軸と同じかそれより太ければ、ジャケットの下に着るには厚すぎます。

厚さの目安を、編み目の細かさで言い換えると、目が詰まっていて表面がなめらかに見える「ハイゲージ」と呼ばれるものが、ほぼこの5mm以内に入ります。編み目が1つずつ見えるくらいの「ミドルゲージ」は、つまむと5mmを超えることが多く、ボタンを開けて着るなら行ける、という位置です。編み目が大きく、ざっくりしたものは、ジャケットの下には向きません。

つまむ場所は、脇の下のあたりにしてください。首元や裾はリブ編みになっていて、身頃より厚く感じることがあります。ジャケットの中で厚みが効いてくるのは、前身頃と脇の下、背中の広い面です。この面の厚みが5mm以内なら、首元や裾のリブが少し厚くても、ジャケットの下ではほとんど気になりません。

洗濯を重ねたニットは、同じものでも買ったときより厚くなっていることがあります。編み目が縮んで詰まり、ふくらんでくるためです。去年はジャケットの下に着られたのに、今年は窮屈に感じる、というときは、もう一度つまんで厚みを測ってみてください。5mmを超えていたら、そのニットはジャケットを着ない日の1枚にまわします。

素材でいうと、ウールの細い糸で編んだものや、綿やレーヨンを混ぜた薄手のものは、同じ暖かさでも薄く仕上がりやすい傾向があります。ふわっと起毛した表面のものは、つまんだ厚みが同じでも、ジャケットの裏地の中で毛足が引っかかってもたつきます。表面がなめらかなものを選んでください。

脇がつかえるのは、ニットの袖付けの位置のせい

厚みも袖の太さも大丈夫そうなのに、脇の下がつかえる。そういうときは、ニットの袖付けの位置を見てください。

袖付けとは、身頃と袖がつながっている縫い目のことです。ジャケットは、この縫い目が肩の骨の先あたりにぴったり来るように作られています。ニットの中には、袖付けが肩より下に落ちている形のものが多くあります。肩の線が腕のほうへ下がっていて、ゆったり見える形です。

袖付けが落ちたニットをジャケットの下に着ると、ニットの肩と脇の布が、ジャケットの袖の付け根のところに入り込みます。ジャケットの腕の付け根は細く作られているので、そこに余った布が集まると、脇の下がつかえて、腕を上げにくくなります。肩のあたりに段差ができて、ジャケットの肩の線もぼこぼこに見えます。

確かめ方は、ニットだけを着た状態で鏡を見ることです。ニットの肩の縫い目が、自分の肩の骨の先より2cm以上腕のほうに下がっているなら、袖付けが落ちています。そのニットは、ジャケットを着ない日のためにとっておき、ジャケットの下には、縫い目が肩の骨の先にあるものを選んでください。袖付けの位置と袖の太さの関係は、コートの下にニットを着るときにも同じように起きます。コートの下のニットがつかえるときもあわせて読んでみてください。

襟ぐりは、ジャケットの襟とぶつからない形を選ぶ

窮屈さとは少し違いますが、ニットの襟ぐりとジャケットの襟がぶつかると、首まわりが詰まって見えます。

テーラードの襟のジャケット、つまり折り返した襟が付いているものは、胸のところにV字の空きができます。このV字の中に、丸首のニットの襟ぐりがきれいに収まるかを見ます。丸首の縁がV字の底より上にあれば、すっきり見えます。丸首の縁がV字の底より下に来ると、V字の中にニットの布が広く見えて、少し間延びします。

襟のないジャケットは、首元が丸く開いているものが多く、丸首のニットを合わせると、ジャケットの丸とニットの丸が重なって段になります。ニットの丸首がジャケットの首元より1〜2cm内側にあるなら、重なりがきれいに見えます。ジャケットの首元とニットの丸首がほとんど同じ高さにある場合は、Vネックのニットに替えると線が整います。

Vネックのニットを選ぶ場合は、Vの深さに気をつけます。テーラードの襟のジャケットに深いVネックのニットを合わせると、ジャケットのV字とニットのV字が重なって、胸元が大きく開いて見えます。ニットのVの底が、ジャケットのV字の底より5cm以上上にあるくらいの、浅めのVネックが合わせやすい深さです。

首まで覆うタートルネックは、ジャケットの襟の中に布がたまりやすく、首まわりが一気に詰まります。ジャケットの下に着るなら、首にそって立つ部分が短いもの、いわゆるモックネックにとどめておくのが無難です。

袖口からニットがのぞくときの扱い

ジャケットを着たとき、ジャケットの袖口からニットの袖がはみ出して見えることがあります。シャツやブラウスの場合、袖口から1cmほど見えるのはきちんとした着方とされていますが、ニットの場合は事情が違います。

ニットの袖口はリブ編みで、表面の質感がジャケットの布とはっきり違います。そのため、袖口から見えると、そこだけ急にカジュアルに見えます。仕事の場面では、ニットの袖は見せないほうがきれいです。

見せないための方法は3つあります。1つ目は、ジャケットを着る前に、ニットの袖をひじの上まで一度たくし上げておくことです。袖を通したあとで、ジャケットの中で自然に少し下がってきますが、袖口まで出てくることは少なくなります。ただし、たくし上げた布がひじにたまりやすいので、確かめ方2の動きでたまらないか見てください。

2つ目は、袖が七分丈か半袖のニットを選ぶことです。ジャケットを脱がない日なら、袖の長さは外から見えません。脇もひじもつかえにくくなるので、窮屈さの解消にもつながります。3つ目は、ニットの袖をあきらめて、次の章で書くブラウスと保温インナーの組み合わせにすることです。

場面ごとに、ニットで行ける日と行けない日を分ける

ここまでは、着られるかどうかの話でした。ここからは、ニットで行ってよい場面かどうかの話です。どんなに薄くてきれいなニットでも、場面によってはブラウスのほうが確実な日があります。

場面ジャケットの下理由
式典・面接・初対面の商談ブラウスかシャツ襟の形がはっきりしていて、きちんとした印象を最優先で伝えられる
社外の打ち合わせ(2回目以降)薄手の無地ニットでよい相手との関係ができていて、場の硬さが少し下がる
社内の会議・ふだんの仕事ニットでよい・ボタンを開けてもよい動きやすさと暖かさを優先できる
移動の多い日・出張袖の短いニットか保温インナー長く着続けても脇とひじがつかえない

表にない場面として、仕事のあとの会食があります。会食は、昼間の打ち合わせより座っている時間が長く、店の中は暖かいことが多い場面です。ジャケットを脱いで椅子にかける時間が長くなるので、脱いだあとのニットだけの姿で場にふさわしいかを考えて選びます。首元が詰まった無地で、表面がなめらかなニットなら、ジャケットを脱いでも落ち着いて見えます。

この表は、ニットが「失礼かどうか」ではなく、「その場面で何を優先するか」で分けています。式典や面接では、服から受ける印象がそのまま相手の判断材料になるので、迷いの少ないブラウスを選びます。社内の日や移動の日は、窮屈さで集中が切れるほうがもったいないので、ニットや保温インナーで体を楽にします。

スーツ1着を秋冬のいろいろな予定で着分けたいときは、スーツの着こなし 女性|秋冬の式典・商談・会食で1着を着分けるでもう少し詳しく扱っています。

どちらとも取れるとき①|手のひらは入るが、ひじで袖がたまる

ここからは、2つの確かめ方の結果が割れたときの決め方です。いちばん多いのは、前には手のひらが入るのに、ひじを曲げると袖がたまる、というケースです。

身頃は薄くても、袖が太いニットや、袖の布がたっぷりしたニットで起きます。この場合、身頃は合格しているので、袖だけ解決すれば着られます。

まず、そのジャケットを着ている間に、ひじを曲げる時間がどれくらいあるかを考えてください。パソコンを打つ、メモを取る、書類を持ち歩く、という仕事が中心なら、ひじは1日のほとんど曲がっています。この場合、袖がたまるニットは避けます。立って話す、歩いて移動する、という仕事が中心なら、ひじを曲げる時間は短く、多少たまっても気にならないことがあります。

袖のたまり方は、ニットの袖の付き方でも変わります。肩から首元に向かって斜めに縫い目が入っている、いわゆるラグラン袖のニットは、肩の部分に布が多く、ジャケットの袖の付け根で布がたまりやすい形です。一方、肩の骨の先で身頃と袖がつながっている形は、ジャケットと同じ位置に縫い目があるので、袖の中で布が動きやすく、たまりにくくなります。手持ちのニットの中で袖がたまるものとたまらないものを並べて、肩の縫い目の形を見比べてみると、次に選ぶときの目安がはっきりします。

ひじを曲げる時間が長い日なら、同じくらいの身頃の厚みで、袖が細いニットか袖の短いニットに替えます。どうしてもそのニットを着たい日は、ジャケットを着るのを会議や来客の時間だけにして、それ以外は脱いでおく方法もあります。脱いでいる時間が長いなら、ニットだけの姿が仕事の場にふさわしいかどうかも、あわせて考えてください。

どちらとも取れるとき②|ボタンを開ければ着られる

2つ目は、ボタンを留めると前がつかえるけれど、開ければ問題なく着られる、というケースです。

ボタンを開けて着てよい場面なら、そのニットはそのまま着られます。前の表でいえば、社内の会議やふだんの仕事の日です。ジャケットのボタンを開けて着るのは、仕事の場面でもごく自然な着方です。

ただし、開けて着る前提にしたときに気をつけることが1つあります。前を開けると、ニットの前身頃が胸から裾まで縦に見えるようになります。このとき、ニットの裾がジャケットの裾より下に出ていないかを見てください。ニットの裾がジャケットの裾から3cm以上出ていると、上着の下から別の服がのぞいている印象になり、全体がもたついて見えます。裾をパンツやスカートに入れて着るか、丈の短いニットを選びます。

もう1つ、ボタンを開けて着るつもりでいても、急な来客や、社外の人と会う時間ができたときには留めたくなります。その可能性がある日は、留めても手のひらが入るニットを選んでおくと安心です。ボタンを留められるかどうかは、その日の予定のうち、いちばん硬い場面で決めてください。

どちらとも取れるとき③|夏に合わせて買ったジャケットが、秋冬だけ窮屈

3つ目は、そもそもジャケットを買ったのが春か夏で、ブラウス1枚で試着したため、秋冬のニットを着ると全部の確かめ方で不合格になる、というケースです。

この場合も、すぐにジャケットを買い替える必要はありません。まずは、ブラウスの下に保温インナーを着る方法で秋冬を乗り切れるか試してください。ブラウスの厚みはほとんど変わらないので、春夏に合っていたジャケットは、そのまま合います。

保温インナーで足りないほど寒い日は、ジャケットの上にコートを着ることで暖かさを足します。ジャケットの下で暖かさを足すのではなく、外側で足すという考え方です。室内に入ればコートは脱ぐので、ジャケットの下は薄いままでも困りません。スーツの上に着るコートの選び方はスーツに合うコート 女性|ジャケットの着丈と肩から秋冬の1着を選ぶで扱っています。

それでも、秋冬にもジャケットの下にニットを着たい、という気持ちが強い場合は、次にジャケットを買うときに、秋冬のニットを着て試着することを考えてください。春夏用と秋冬用のジャケットを分けて持つ、という人もいます。ただ、1着で通年を考えるなら、ブラウスで合うサイズを選び、秋冬は保温インナーで調整するほうが、肩と身幅がずっときれいに保てます。

ニット以外で、ジャケットの下を暖かくする方法

ジャケットの下にニットを着る理由は、ほとんどの場合、暖かさです。暖かさだけなら、ニット以外の方法もあります。

いちばん窮屈になりにくいのは、ブラウスやシャツの下に、薄い長袖の保温インナーを着る方法です。外から見えないように、襟ぐりはブラウスより深いもの、袖はブラウスより短いものを選びます。ブラウスが白や淡い色なら、インナーの色は肌に近いベージュにしておくと透けにくくなります。

2つ目は、ブラウスの上に薄手のニットベストを重ねる方法です。袖がないので、脇とひじは一切つかえません。胸から腹のあたりだけが暖かくなるので、ニットほど暖かくはありませんが、通勤の行き帰りにはコートを着るなら、室内ではこれくらいで足りることが多いです。ニットベストを選ぶときも、つまんで5mm以内の薄さを守ってください。

4つ目は、首元を温める方法です。首まわりが冷えると、体全体が寒く感じます。ブラウスの襟元に、薄いスカーフを小さく結んで入れておくと、ジャケットの中の厚みを増やさずに首元が温まります。スカーフはジャケットの襟のV字の中に収まる大きさにして、色はジャケットかブラウスのどちらかに近いものを選ぶと、仕事の場でも浮きません。

3つ目は、下半身で暖かさを足す方法です。足元や腰まわりが冷えていると、上半身にどれだけ重ねても寒く感じます。パンツの下に薄手のタイツを履く、ストッキングを厚手のものにする、というように下で暖かさを足すと、ジャケットの下は薄いままでも過ごしやすくなります。

パンツスーツとスカートスーツで、ニットの裾の扱いを変える

ジャケットの下のニットは、上半身だけの問題に見えますが、実は下半身との組み合わせでも見え方が変わります。パンツスーツとスカートスーツでは、ニットの裾の扱いを変えたほうがきれいです。

パンツスーツの場合、ニットの裾をパンツの中に入れるか、外に出すかを選べます。入れる場合は、ウエストまわりにニットの布がたまって、ベルトの位置がふくらみやすくなります。裾を入れるなら、ニットの丈が腰骨より少し下で止まる短めのものにすると、パンツの中にたまる布が少なくて済みます。外に出す場合は、ニットの裾がジャケットの裾より上に収まるかを見てください。ジャケットの裾からニットの裾がのぞくと、重ね着の段が増えて、きちんとした印象が薄れます。

スカートスーツの場合は、ニットの裾をスカートの中に入れると、腰まわりに厚みが出やすく、スカートの線がくずれます。スカートスーツに合わせるニットは、裾を出して着る前提で、丈がジャケットより短いものを選んでください。裾にリブがあって、腰まわりで止まる形なら、ジャケットの中でニットの裾がずり上がりにくく、1日着ていても形が崩れません。

パンツスーツが窮屈に見えるとき全体の直し方は、パンツスーツの着こなし|きつく見える・硬すぎるときの直し方でも扱っています。ジャケットの下のニットを替えても窮屈さが残るときは、パンツの側の原因もあわせて見てみてください。

静電気と毛玉は、ジャケットの裏地と擦れる場所で起きる

窮屈さとは別に、ジャケットの下にニットを着ると起きやすい困りごとが2つあります。静電気と毛玉です。

ジャケットの裏地は、すべりをよくするために化学繊維でできていることが多く、ウールのニットと擦れると静電気が起きやすくなります。ジャケットを脱いだときにぱちっとしたり、ニットがジャケットの裏地に張りついたりします。乾燥する冬ほど起きやすいので、ニットを選ぶときは、綿やレーヨンが混ざったものを選ぶと、ウールだけのものより起きにくくなります。

毛玉は、ジャケットの脇の下と、腕の内側の擦れる場所にできます。ニットの脇の下に毛玉が多いなら、ジャケットの中で擦れている証拠です。この場合も、袖付けが落ちていない、袖の細いニットにすると、擦れる面積が減って毛玉ができにくくなります。

次にジャケットを買うときは、秋冬のニットを持って試着する

最後に、これからジャケットやスーツを買う人へ。試着のときには、秋冬に下に着る予定のニットを1枚持っていってください。

売り場で試着するとき、多くの人はその日着ている服の上からジャケットを羽織ります。夏や秋口に買いに行くと、そのときに着ているのはブラウスやTシャツで、秋冬のニットを着た状態では試せません。結果として、ブラウスでは合うのに、秋冬にニットを着ると窮屈なジャケットを選んでしまいます。

ニットを持っていけば、試着室でニットに着替えて、この記事の確かめ方1と2をそのまま試せます。ボタンを留めて前に手のひらが入るか、腕を前に出してひじを曲げて袖がたまらないか。この2つが、ブラウスとニットの両方で合格するサイズが、秋冬も通して着られるサイズです。

ジャケットの着丈をどこで止めるかはジャケットの丈 選び方 女性|腰骨・ヒップ・太もものどこで止めるか、試着ではよかったのに職場で困る1着の見分け方はスーツの選び方 女性|試着でよかったのに職場で困る1着の見分け方にまとめています。

今日、鏡の前でやること

手持ちのジャケットとニットで、今日やることは3つです。

確かめるのは、朝の出かける前ではなく、前の晩か休みの日にしてください。朝は時間がなく、窮屈だと感じてもそのまま出かけてしまいがちです。前の晩に、翌日のジャケットとニットを着て2つの動きを試しておけば、合わなかったときにブラウスに切り替える余裕があります。

1つ目、ジャケットのボタンを留めて、前に手のひらが入るか確かめる。2つ目、腕を前に出してひじを直角に曲げ、袖がたまらないか確かめる。3つ目、ニットの身頃を2枚につまんで、厚みが5mm以内か確かめる。

3つとも合格したニットは、ジャケットの下の定番にしてください。どれかが不合格のニットは、ジャケットを着ない日にまわします。合格するニットが1枚もなければ、この秋冬はブラウスと保温インナーの組み合わせで過ごし、次にニットを買うときに、薄さと袖付けの位置を見て選んでください。窮屈なジャケットを我慢して着続けるより、下に着るものを1枚替えるほうが、ずっと早く楽になります。

よくある問い

Q. スーツのジャケットの下にニットを着るのは、失礼にあたりませんか
社内の仕事や、何度か会っている相手との打ち合わせなら、薄手できれいめのニットで失礼にはなりません。ただし式典や面接、初対面の商談のように、相手にきちんとした印象を最優先で伝えたい場面では、ブラウスやシャツのほうが確実です。ニットで行く場合は、首元が詰まった無地で、表面に毛羽の少ないものを選んでください。
Q. ニットを着るとジャケットのボタンが閉まりません。サイズを上げるべきですか
先にニットを薄いものに替えて試してください。ボタンが閉まらない原因の多くは、ニットの厚みと、身頃にたまった布の量です。2枚につまんで5mm以内の薄いニットにしても閉まらない場合は、ジャケットそのものが体に対して小さいので、そのときに初めてサイズを考えます。ニットのためだけにサイズを上げると、ブラウスを着る季節に肩と身幅が余ります。
Q. ジャケットの袖口からニットの袖がのぞいてしまいます
ニットの袖がジャケットより長い場合、のぞくのは避けにくいので、ニットの袖をひじの上まで一度たくし上げてから、ジャケットの袖を通してください。袖の中で布がたまる場合は、袖が七分か半袖のニットに替えると解決します。シャツの袖口のように1cm見せる、という扱いはニットには向かず、カジュアルに見えやすくなります。
Q. ニットのほかに、ジャケットの下で暖かくする方法はありますか
ブラウスの下に、薄い長袖の保温インナーを着る方法がいちばん窮屈になりにくいです。襟ぐりがブラウスより深いもの、袖がブラウスより短いものを選べば、外からは見えません。ほかに、薄手のニットベストをブラウスの上に重ねる方法もあります。袖のないぶん、脇とひじがつかえません。

— メグラシ編集部

Next Read·次に読みたい3記事
厚手のクリーム色のニットワンピースの上から、細いこげ茶の革ベルトを腰の位置で留めている女性の胴まわりPick

自分を知る

ベルトの選び方|ニットやコートの上に巻く1本は、胴の長さで幅を選ぶ

ニットやコートの上から巻くベルトは、アンダーバストの線から巻く位置までの長さで幅が決まります。10cm未満なら2cm前後、10〜14cmなら3cm前後、14cm以上なら4cm以上も入ります。長さは、実際に着た服の上からメジャーを回して、真ん中の穴で留まるかで選びます。

続きを読む
紺のテーラードジャケットの中に、薄い灰色の細かい編み目のクルーネックニットを着て、濃い灰色のパンツで店の入り口を歩く女性の首から膝まで

自分を知る

ジャケットの中にニットは合う?|式・会食・通勤で首元と編み目を選ぶ

ジャケットの中にニットを着るのは、秋冬ならどの予定でも合わせられます。ただし、通る場と通らない場を分けているのは、ニットであることではなく、首元の形・編み目の細かさ・表面の毛羽の3か所です。結婚式の参列、子どもの行事、会食や顔合わせ、面接、通勤、休日の外出まで、予定ごとにどのニットなら通るかを表にしました。ジャケットの形で変わる相性、脱いでニット1枚になる場面、色の明るさの差、気温ごとの重ね方、手持ちのニットの仕分け方まで。格がはっきりしない会や、1日に2つの予定がある日の決め方も入れています。

続きを読む

Try the Diagnosis

文章で読んだら、次は 自分で試してみる。

骨格・パーソナルカラー・セルフイメージを組み合わせた、装い直結の無料診断へ。

無料で診断してみる

無料 / 10分程度 / airClosetサイト

あわせて読みたい

ベルトの選び方|ニットやコートの上に巻く1本は、胴の長さで幅を選ぶ

自分を知る

ベルトの選び方|ニットやコートの上に巻く1本は、胴の長さで幅を選ぶ

ニットやコートの上から巻くベルトは、アンダーバストの線から巻く位置までの長さで幅が決まります。10cm未満なら2cm前後、10〜14cmなら3cm前後、14cm以上なら4cm以上も入ります。長さは、実際に着た服の上からメジャーを回して、真ん中の穴で留まるかで選びます。

メグラシ編集部/読了 14分
ジャケットの中にニットは合う?|式・会食・通勤で首元と編み目を選ぶ

自分を知る

ジャケットの中にニットは合う?|式・会食・通勤で首元と編み目を選ぶ

ジャケットの中にニットを着るのは、秋冬ならどの予定でも合わせられます。ただし、通る場と通らない場を分けているのは、ニットであることではなく、首元の形・編み目の細かさ・表面の毛羽の3か所です。結婚式の参列、子どもの行事、会食や顔合わせ、面接、通勤、休日の外出まで、予定ごとにどのニットなら通るかを表にしました。ジャケットの形で変わる相性、脱いでニット1枚になる場面、色の明るさの差、気温ごとの重ね方、手持ちのニットの仕分け方まで。格がはっきりしない会や、1日に2つの予定がある日の決め方も入れています。

メグラシ編集部/読了 13分
スーツの選び方 女性|仕事の1着は、着る日数と上下の組み方で決める

自分を知る

スーツの選び方 女性|仕事の1着は、着る日数と上下の組み方で決める

仕事で着るスーツは、形や色より先に、月に何日着るかと、上下を何点で組むかを決めると迷いません。月に4日までなら上下2点の1着、8日なら替えのパンツを足した3点、12日を超えるなら2着目を考える目安です。そのうえで、職場と予定の帯、通年か秋冬かの生地、濃紺・チャコール・黒の色、ジャケットのボタンと襟、パンツかスカートかを順に決めます。試着で見る肩・袖・着丈・ウエスト・座ったときの5か所、秋に買うときの生地の選び方、2着目の足し方、どちらとも取れるときの決め方まで。

メグラシ編集部/読了 20分
スーツに合うコート 女性|ジャケットの着丈と肩から秋冬の1着を選ぶ

自分を知る

スーツに合うコート 女性|ジャケットの着丈と肩から秋冬の1着を選ぶ

スーツの上に着るコートは、形の名前より先に、手持ちのジャケットの着丈・肩幅・袖丈の3つで決まります。コートの着丈はジャケットより10cm以上長く、肩はジャケットの肩先の厚みが入る幅、袖はジャケットの袖口が出ない長さ。この冬にスーツを着る予定を通勤・面接・式典・法要に分けて数えると、色と厚みも決まります。スカートとパンツで変わるところ、襟の重なり、試着室での確かめ方、手持ちのコートで足りるかの見分け方、オフィスカジュアルの日にも着たいときまでまとめました。

メグラシ編集部/読了 20分
ジャケットの丈 選び方 女性|腰骨・ヒップ・太もものどこで止めるか

自分を知る

ジャケットの丈 選び方 女性|腰骨・ヒップ・太もものどこで止めるか

ジャケットの丈は、いちばんよく穿くボトムで決まります。自分の体で腰骨・ヒップの頂点・ヒップの下端・太ももの4か所を測り、パンツかスカートか、座る時間が長いか、秋冬にコートを重ねるかで、どこで止めるかを1つに絞る方法をまとめました。

メグラシ編集部/読了 22分
シャツの襟の名前|秋にニットを重ねると襟がつぶれる・はみ出すとき

自分を知る

シャツの襟の名前|秋にニットを重ねると襟がつぶれる・はみ出すとき

秋にシャツの上からニットを着たら、襟先が跳ねて浮く、襟がつぶれて寝てしまう、片方だけはみ出す、首元が詰まって苦しく見える。原因は襟の名前そのものより、台襟の高さ・襟羽根の長さ・襟先の開きの3つの寸法と、ニットの首元の高さの組み合わせです。レギュラー・ワイド・ボタンダウン・丸襟・スタンド・バンド・開襟・スキッパー・ボウタイの9つの襟が、ニットの中でどう振る舞うか、困りごと6つの直し方、カーディガンやジャケットを重ねるとき、通販で襟を見分ける場所まで。手持ちのシャツに合うニットを、名前と寸法の両方で探せるようにしました。

メグラシ編集部/読了 20分

"似合う"の輪郭が見えたら、
次は実際に試してみる段階かもしれません。

スタイリストがあなたの骨格・好みをヒアリング、季節に合わせたコーデを毎月お届けします。

まずは無料で試してみる

月額制 / 自宅で試着 / 返却時のクリーニング不要 / 送料込