スーツの選び方 女性|試着でよかったのに職場で困る1着の見分け方

**手持ちのスーツを着て、椅子に座り、両腕を前に伸ばしてみてください。背中か腰に横じわが出て、布が引っぱられていませんか。**出ているなら、その1着は試着室では合って見えても、仕事中の動きには合っていません。
スーツの試着でよくある失敗は、立って正面と横を鏡で見ただけで決めてしまうことです。仕事中は、座って画面に向かい、腕を前に出し、お辞儀をして、バッグを肩にかけます。試着室で見ていない動きの中に、職場で困る原因があります。
この記事では、試着でよかった1着が職場で困る失敗を7つに分けて、試着室で5分で確かめる手順を書きます。仕事の1着を着る日数と上下の組み方から決める方法はスーツの選び方 女性に、着られて見えるときに肩・袖・丈を直す方法は就職スーツ 女性にまとめてあります。
結論:試着室で見ていないのは、仕事中の動き
| 職場で困ること | 起きる動き | 試着室での確かめ方 |
|---|---|---|
| 腰と太ももがきつい | 椅子に座る | 椅子に座って、腰の横じわを見る |
| 背中がつっぱる | 腕を前に出して画面に向かう | 両腕を前に伸ばして、背中を鏡で見る |
| 袖口が上がって手首が出る | 腕を前に出す | 腕を伸ばしたときの袖口の位置を見る |
| 胸元とジャケットの裾が開く | お辞儀をする | 鏡の前でお辞儀をする |
| 肩がつぶれる | バッグを肩にかける | 手持ちのバッグを肩にかける |
| 袖がつかえる | コートを重ねる | コートを羽織って腕を動かす |
| 夕方にしわが目立つ | 1日座っている | 生地を手で握って離す |
**7つのうち、試着室で確かめられないものはありません。**どれも5分あれば試せます。試していないから、職場で初めて気づくのです。
試着室で合って見える理由|立って正面を見ているから
試着室の鏡で見ているのは、立って正面を向いた姿です。そこでは、どのスーツも合って見えやすくなります。
| 比べるもの | 試着室 | 職場 |
|---|---|---|
| 姿勢 | 立っている | 1日の大半は座っている |
| 腕 | 体の横に下ろしている | 前に出して、画面や書類に向かう |
| 時間 | 数分 | 8時間以上 |
| 中に着るもの | 薄いカットソーか、何も着ていない | 秋冬は薄手のニット |
| 上に重ねるもの | なし | 秋冬はコート |
| 持つもの | なし | 肩にかけるバッグ |
**試着室の条件は、職場の条件と6か所違います。**この6か所を試着室に持ち込めば、職場で困る1着を店の中で見分けられます。
なかでも効くのは、座ることと、腕を前に出すことです。この2つは仕事中にいちばん長く続く姿勢なので、ここで窮屈な1着は、ほかがどれだけよくても毎日の負担になります。
失敗①|座ると、腰と太ももがきつい
立っているときにぴったりのパンツやスカートは、座ると腰まわりが数cm広がるぶん、きつくなります。
| 座ったときに出るもの | 原因 | 試着室での見方 |
|---|---|---|
| 腰の前に横じわ | 股上が浅い、またはウエストがぴったり | 座って、ウエストに指2本が入るか |
| 太ももの横に横じわ | 太もものゆとりが少ない | 座って、布を横につまめるか |
| 膝の上でスカートが上がる | タイトで丈が短い | 座って、膝が半分隠れるか |
| 後ろのウエストが下がる | 股上が浅い | 座って、背中の下が出ないか |
| スリットが開く | スリットの位置が高い | 座って、スリットが膝より上まで開かないか |
**座ってウエストに指2本が入らないなら、その1着は1日座る仕事には窮屈です。**立って指1本しか入らないものは、座るとほぼ入らなくなります。
スカートのスーツは、座ったときの丈も見てください。立って膝がちょうど隠れる丈は、座ると膝の上5cmほどまで上がります。前に人が座る会議や面談が多い仕事なら、立って膝下5cmほどの丈を選ぶと、座っても膝が半分隠れたままになります。
パンツの股上とお尻のしわの見方はリクルートスーツのパンツ【女性】に詳しく書いてあります。スーツでも見る場所は同じです。
失敗②|腕を前に出すと、背中がつっぱる
パソコンに向かう、書類を受け取る、つり革をつかむ。仕事中は腕を前に出す時間が長く、そのたびにジャケットの背中が引っぱられます。
| 腕を前に出したときに出るもの | 原因 | 試着室での見方 |
|---|---|---|
| 背中に横じわ | 背中の幅が狭い | 両腕を前に伸ばして、背中を合わせ鏡で見る |
| 肩の後ろがつっぱる | 袖の付け根が小さい | 腕を前に伸ばして、肩の後ろが引かれないか |
| 前のボタンが引っぱられる | 身幅が狭い | ボタンを留めて腕を前に、ボタンの横にしわが出ないか |
| ジャケットの裾が上がる | 着丈が短い、背中の幅が狭い | 腕を前に出して、裾が腰の上に上がらないか |
| 脇の下が食い込む | 袖ぐりが小さい | 腕を前と上に動かして、脇が当たらないか |
**背中に横じわが出たら、ワンサイズ上か、別の形を試してください。**背中の幅は、買ったあとに直すのがいちばん難しい場所です。立って美しく見える1着でも、ここでつっぱるなら選ばないほうが無難です。
ワンサイズ上げると今度は肩が落ちてしまう、という場合は、サイズではなく形の問題です。袖の付け根が大きく取られた形や、背中の中心に縫い目があってゆとりを持たせた形を探してください。同じサイズでも、腕を前に出したときの余裕がまったく違います。
失敗③|腕を前に出すと、袖口が上がる
腕を伸ばしたとき、袖口は肘が曲がるぶんだけ上がります。立って下ろした腕でちょうどの袖丈は、腕を前に出すと手首が出ます。
| 袖丈の決め方 | 腕を下ろしたとき | 腕を前に出したとき |
|---|---|---|
| 手首の骨にかかる | ちょうどいい | 手首が2〜3cm出る |
| 手首の骨を覆う | 少し長め | 手首の骨のあたり |
| 親指の付け根まで | 長い | 手首を覆う |
| 手首の骨の上で止まる | 短め | 手首から先が大きく出る |
秋冬は、ジャケットの袖口から中のニットの袖が見えるかどうかも見ておきます。ニットの袖口が1cmほど見えるくらいなら、手元に柔らかさが出て悪くありません。3cm以上はみ出すと、袖が足りないように見えます。
**仕事のスーツは、腕を下ろしたときに手首の骨を覆う長さが目安です。**腕を前に出したときに手首の骨のあたりで止まるので、画面に向かっている間も袖口が上がりすぎません。袖丈は買ったあとにも直しやすい場所ですが、短いものを長くするのは難しいので、迷ったら長いほうを選んでください。
失敗④|お辞儀をすると、胸元と裾が開く
あいさつや謝罪でお辞儀をする場面は、仕事では毎日のようにあります。お辞儀をすると、胸元とジャケットの裾が前に開きます。
| お辞儀で開く場所 | 原因 | 試着室での見方 |
|---|---|---|
| 胸元 | 中の1枚の開きが深い、ジャケットのVが深い | 鏡の前で30度お辞儀をする |
| ジャケットの前 | 身幅が狭く、ボタンの間が開く | ボタンを留めてお辞儀をする |
| 後ろの裾 | 着丈が短い | お辞儀をして、背中の下が出ないか |
| スカートの後ろ | 丈が短い、タイト | お辞儀をして、後ろの裾の上がり方を見る |
**ジャケットのボタンを留めてお辞儀をし、ボタンとボタンの間が開かないかを見てください。**開くなら身幅が足りません。中の1枚の開きは、お辞儀をしても中が見えない深さが目安です。
失敗⑤|バッグを肩にかけると、肩がつぶれる
通勤で肩にかけるバッグは、ジャケットの肩を毎日押さえつけます。
| 肩にかけたときに出るもの | 原因 | 試着室での見方 |
|---|---|---|
| 肩パッドがつぶれて段ができる | 肩パッドが柔らかい、厚い | 手持ちのバッグを肩にかけて鏡を見る |
| 肩の縫い目がずれる | 肩幅が大きい | かけたときに肩先が腕のほうに落ちないか |
| 生地がこすれて光る | 表面がなめらかで光沢がある | 布を指でこすって光り方を見る |
| ラペルがよれる | 襟の芯が柔らかい | かけたまま襟の形が崩れないか |
**試着には、毎日使うバッグを持っていってください。**同じ重さのバッグを肩にかけて、肩の形が崩れないかを見ます。肩にかける時間が長い人は、肩パッドが薄く、肩の線がなだらかな形のほうが、つぶれた跡が残りにくくなります。
秋冬はバッグの中身も重くなります。折りたたみの傘や手袋、替えの靴下が加わると、同じバッグでも肩にかかる重さが増えます。試着のときは、普段より少し重めに中身を入れていくと、冬の通勤で肩がどうなるかまで見られます。
失敗⑥|コートを重ねると、袖がつかえる
秋冬はジャケットの上にコートを重ねます。春に買ったスーツが、秋になって初めて困るのがこの場所です。
| 重ねたときに困ること | 原因 | 試着室での見方 |
|---|---|---|
| 袖がコートの中でつかえる | ジャケットの袖が太い | コートを羽織って、腕を前と上に動かす |
| ジャケットの袖がコートの中でたくし上がる | ジャケットの袖の生地が滑らない | コートを着て、ジャケットの袖口を見る |
| ジャケットの裾がコートから出る | ジャケットの着丈がコートより長い | 重ねて、裾が出ないか |
| 肩が二重に張って見える | 両方に肩パッドがある | 重ねて、肩の段差を見る |
| 襟が重なって首元が詰まる | 両方の襟が大きい | 重ねて、首元を見る |
袖のつかえは、ジャケットの袖の太さとコートの袖の太さの差で決まります。平置きで袖の付け根の幅を比べ、コートのほうが2cm以上太ければ、たいていはつかえずに通ります。差が1cm以内だと、腕を前に出したときにジャケットの袖が中で引っかかります。
**試着のときは、秋冬に着るコートを着ていくか、店のコートを借りて重ねてください。**ジャケットの袖が太すぎるとコートの中でつかえ、細すぎると腕を動かすたびにたくし上がります。コートとの合わせ方はスーツに合うコート 女性で、ジャケットの着丈と肩から決められます。
失敗⑦|夕方になると、しわと光りが目立つ
朝はきれいだったスーツが、夕方には座りじわだらけになっている。生地の選び方の失敗です。
| 夕方に出るもの | 出やすい生地 | 試着室での見方 |
|---|---|---|
| 膝の裏と腰の座りじわ | 薄くて張りのない生地 | 布を手で握って3秒後に離す |
| お尻の光り | 表面がなめらかで光沢がある | 布を指でこすって光るか |
| 膝の抜け | 伸びやすい生地 | 膝の部分を指で押して戻るか |
| 肘のしわ | 薄い生地 | 肘を曲げて10秒後に伸ばす |
| 毛羽立ち | 起毛した生地 | 表面を手のひらで撫でる |
**布を手で握って離し、しわがすぐに戻るかを見てください。**戻らない生地は、1日座っているとしわが重なります。光りやすい生地は、毎日着るスーツより、着る日の少ないスーツに向いています。
生地の表示も見ておきます。毛の割合が高い生地は、しわが戻りやすい反面、擦れに弱いことがあります。化学繊維の割合が高い生地は、しわに強く家で洗えるものも多い反面、擦れたところが光りやすくなります。毎日着る1着なら、しわの戻りやすさと光りにくさの両方を、手で握る・指でこするの2つで確かめてください。
失敗⑧|秋冬の中の1枚が入らない
春に買ったスーツを秋に着ようとしたら、中に薄手のニットを着るとジャケットのボタンが窮屈になった。これも試着の条件の違いから起きます。
| 中に着る1枚 | 厚さ | ジャケットに要る余裕 |
|---|---|---|
| 薄いカットソー | 薄い | ボタンを留めて指1本 |
| ブラウス | 薄い | 指1本 |
| 薄手のニット | 中くらい | 指2本 |
| ハイネックの薄手ニット | 中くらい、首元も詰まる | 指2本、首元に余裕 |
| 厚手のニット | 厚い | ジャケットの下には向かない |
**秋冬にも着るつもりなら、薄手のニットを着て試着してください。**ボタンを留めて、身幅に指2本が入るかを見ます。春の試着で指1本だった1着は、秋にニットを着ると窮屈になります。中に着るものの選び方はセットアップの中に着るものにもあります。
試着に行く前に、家でやっておくこと
店で迷わないために、家で5分だけ準備しておきます。いちばん役に立つのは、いま困っている1着です。
| 家でやること | やり方 | 店で役に立つこと |
|---|---|---|
| 困った動きを書き出す | 手持ちのスーツを着て、7つの動きを試す | どの動きを最優先で試すかが決まる |
| 困らなかった1着を選ぶ | 着ていて楽なスーツかジャケットを1着 | 肩幅と身幅の物差しになる |
| その1着の肩幅を測る | 肩の縫い目から縫い目まで | 店のサイズ表と比べられる |
| 持ち物をそろえる | 毎日のバッグ、薄手のニット、コート | 職場の条件を試着室に持ち込める |
| 靴を決める | 職場で履く靴を履いていく | パンツの丈とスカートの丈を正しく見られる |
**いちばん大切なのは、困った動きを書き出すことです。**座るときつかったのか、腕を前に出すとつっぱったのか。前の1着で困った動きを、次の1着では最初に試してください。同じ失敗を繰り返すのは、たいてい同じ動きを試していないからです。
職場で履く靴を履いていくのも忘れないでください。試着室にある靴とかかとの高さが違うと、パンツの丈もスカートの丈も、職場とは違う位置で見ることになります。
失敗しやすい形と、失敗しにくい形
同じサイズでも、スーツの形によって、動いたときの困り方が違います。
| 形 | 失敗しやすい動き | 向く人 |
|---|---|---|
| 体に沿った細身のジャケット | 腕を前に出す、コートを重ねる | 立っている時間の長い仕事 |
| 肩の線がなだらかなジャケット | 失敗しにくい | 座って画面に向かう時間が長い仕事 |
| 着丈の短いジャケット | お辞儀、腕を前に出す | ウエストの高いパンツと組む日 |
| 細身のタイトスカート | 座る、階段 | 移動の少ない仕事 |
| 裾に向けて少し広がるスカート | 失敗しにくい | 座る時間と歩く時間がどちらも長い仕事 |
| 股上の浅いパンツ | 座る、お辞儀 | 立ち仕事の多い人 |
**毎日座って画面に向かう仕事なら、肩の線がなだらかなジャケットと、裾が少し広がるスカートか股上の深いパンツの組み合わせが、いちばん失敗しにくい形です。**細身の形は立ち姿が美しい反面、動きに対する余裕が少ないので、試着で7つの動きを丁寧に試す必要があります。
試着室で5分|7つの動きの確かめ方
試着室に入ったら、鏡の前で次の順番に試します。
- ボタンを留めて、立ったまま正面・横・後ろを見る(これまでどおり)
- 両腕を前に伸ばして、背中の横じわと袖口の位置を見る
- 腕を上げて、脇の下が当たらないかを見る
- 椅子に座って、腰の横じわとウエストのゆとりを見る
- 30度お辞儀をして、ボタンの間と胸元を見る
- 手持ちのバッグを肩にかけて、肩の形を見る
- コートを羽織って、腕を前と上に動かす
**2と4のどちらかで横じわが出たら、そこで決めずに別のサイズを試してください。**この2つは、仕事中にいちばん長く続く姿勢です。
試着室に椅子がないときは、店の人に頼めば用意してもらえることが多いです。背中は自分では見えないので、合わせ鏡を使うか、店の人に見てもらってください。
店で見せてもらう場所
動きを試したあとに、服の中身も見せてもらいます。直せるかどうかと、長く着られるかどうかが分かります。
| 見る場所 | 見方 | 分かること |
|---|---|---|
| パンツやスカートのウエストの縫い代 | 内側を見て、布が折り込まれているか | ウエストを出せるか |
| ジャケットの袖口のボタン | 本当に開くか、飾りか | 袖丈を直しやすいか |
| 裏地 | 背中と袖に裏地があるか | 着脱のしやすさ、透けにくさ |
| 生地の表示 | 洗える表示があるか | 家で手入れできるか |
| 替えのボタン | 付いているか | なくしたときに直せるか |
**ウエストの縫い代が多く残っているものは、あとで出すことも詰めることもできます。**袖口のボタンが飾りのものは、袖丈を詰めやすい作りです。本当に開くボタンは見た目は上質ですが、袖丈を直すのが難しくなります。
裏地も見ておく価値があります。背中と袖に裏地のあるジャケットは、中にニットを着ても袖がすべりやすく、腕を前に出したときに引っかかりにくくなります。裏地のない軽いジャケットは、春夏には涼しいものの、秋冬に中のニットと重ねると袖の中で布どうしがこすれて、腕の動きが重く感じることがあります。
サイズで迷ったとき|上と下を別に選べるか
上下のサイズが合わないことは、珍しくありません。肩はちょうどいいのに腰がきつい、腰はいいのに肩が大きい。
| 迷い方 | 優先するもの | 理由 |
|---|---|---|
| 上がちょうどよく、下が大きい | 上に合わせる | 下のウエストは詰めやすい |
| 上がちょうどよく、下がきつい | 上下を別のサイズで選ぶ | 下を出すのは縫い代しだい |
| 下がちょうどよく、上が大きい | 上に合わせて下を直す | 肩は直しにくい |
| 下がちょうどよく、上がきつい | 上に合わせる | 背中と肩は直しにくい |
**いつでも、肩と背中に合わせてください。**ジャケットの肩幅と背中の幅は、買ったあとに直すのがいちばん難しい場所です。上下を別のサイズで選べるスーツなら、それがいちばん確実です。
着る日数で、優先する失敗が変わる
週に何日着るかで、どの失敗を最優先で避けるかが変わります。
| 着る日数 | 最優先で避ける失敗 | 次に避ける失敗 |
|---|---|---|
| 週4〜5日 | 座ったときのきつさ | 夕方のしわ |
| 週2〜3日 | 腕を前に出したときのつっぱり | 肩のつぶれ |
| 月に数日(会議や来客) | お辞儀での開き | コートとの重なり |
| 式典や面接だけ | 立ち姿の美しさ | お辞儀での開き |
| 出張の多い週 | 夕方のしわ | 座ったときのきつさ |
**毎日着るなら、座ったときのきつさが最優先です。**8時間座る日が週に5日あれば、窮屈さは見た目よりも先に負担になります。逆に、式典や面接だけなら、立ち姿の美しさを優先して構いません。
1着で毎日と式典の両方をまかなうつもりなら、座ったときのきつさを先に解決してから、立ち姿を見てください。毎日の負担を減らす選び方をしても、立ち姿はジャケットのボタンを留めるか、中の1枚を替えるかで整えられます。反対に、立ち姿を優先して選んだ1着の窮屈さは、着方ではほとんど減らせません。
すでに買った1着で困っているとき|直せる場所と直せない場所
試着でよかったのに、着てから困っている1着があるなら、直せるかどうかを先に見ます。
| 困っている場所 | 直しやすさ | 直し方 |
|---|---|---|
| 袖が長い | 直しやすい | 袖丈を詰める |
| パンツの丈が長い | 直しやすい | 裾を詰める |
| ウエストが大きい | 直しやすい | ウエストを詰める |
| ウエストがきつい | 縫い代しだい | 縫い代があれば出す |
| 背中がつっぱる | 直しにくい | 着方で和らげる |
| 肩が大きい・小さい | 直しにくい | 着方で和らげる |
| 股上が浅い | 直せない | 上の丈を長くして隠す |
**直しやすいのは、長さと、ウエストを詰めることです。**肩と背中と股上は、ほとんど直せません。直せない場所で困っているなら、次の項の着方で和らげてください。
直せない失敗を、着方で和らげる
直せない場所で困っている1着も、着方で負担を減らせます。
| 困っていること | 着方の工夫 |
|---|---|
| 背中がつっぱる | 座っている間はジャケットを脱いで椅子に掛ける |
| 座ると腰がきつい | 中の1枚をウエストに入れず、外に出す |
| 肩がつぶれる | バッグを手に持つか、反対の肩にかける日を作る |
| 袖がコートでつかえる | コートを袖の太い形にする |
| 秋冬にボタンが窮屈 | 中を薄手のカットソーにして、首元を温める小物を足す |
**いちばん効くのは、座っている間にジャケットを脱ぐことです。**職場で脱いでいい時間があるなら、つっぱる1着でも負担は大きく減ります。来客や会議のときだけ羽織れば、見た目のきちんと感は保てます。
それでも毎日の負担が大きいなら、その1着は着る日を減らしてください。式典や面接、短い会議のように、立っている時間が長く座る時間の短い日に回せば、困っていた1着も十分に役に立ちます。毎日の1着は、次の買い物で7つの動きを試して選び直せば足ります。
秋冬に買うときに、足して見ること
秋冬に新しいスーツを買うなら、春夏の試着より見る場所が増えます。
| 秋冬に足して見ること | 理由 | 見方 |
|---|---|---|
| 中のニットとの重なり | 胸と腕まわりの余裕が要る | 薄手のニットを着て試着する |
| コートとの重なり | 袖と裾がつかえる | コートを羽織って腕を動かす |
| 生地の厚さ | 暖房の中で暑くなる | 室内で15分着たままでいられるか |
| 色の暗さ | 照明の下で黒く沈む | 店の外の光でも見る |
| 毛羽立ち | 起毛した生地は擦れやすい | 肘と袖口を手で撫でる |
**秋冬の生地は暖かいぶん、暖房の効いた職場では暑くなります。**厚い生地を選ぶより、薄めの生地に中のニットで温度を足すほうが、1日の中で調整できます。
通販で買うとき|手持ちの1着で測る
試着できない通販では、手持ちのスーツを物差しにします。
| 測る場所 | 測り方 | 比べ方 |
|---|---|---|
| 肩幅 | 肩の縫い目から縫い目まで | 手持ちとの差が1cm以内 |
| 身幅 | 脇の下の端から端まで | 手持ちより1〜2cm大きいと秋冬に余裕 |
| 袖丈 | 肩の縫い目から袖口まで | 腕を前に出しても困らなかった1着と比べる |
| ウエスト | 平置きで端から端の2倍 | 座ってもきつくなかった1着と比べる |
| 股上 | 股の縫い目からウエストの上まで | 座って背中が出なかった1着と比べる |
**物差しにするのは、着ていて困らなかった1着です。**困った1着を物差しにすると、同じ失敗を繰り返します。届いたら、この記事の7つの動きを家で試して、困ったら返品の期限内に返してください。
家で試すときは、食卓の椅子に座ってノートパソコンに向かう姿勢を10分続けてみてください。試着室の数十秒では出なかった背中のつっぱりや、ウエストの食い込みが、10分座ると出てくることがあります。返品の期限は届いてから数日のことが多いので、届いた日のうちに試すのが確実です。
どちらとも取れるとき①|動くとつっぱるが、立つと美しい
立ったときの形がとても美しいけれど、腕を前に出すと少しつっぱる。迷う1着です。
この場合は、着る場面で決めます。**式典や面接のように、立っている時間が長い場で着るなら選んで構いません。**毎日の仕事で座って腕を前に出す時間が長いなら、選ばないほうが無難です。
両方で着たいなら、背中のつっぱりがワンサイズ上で消えるかを試してください。消えて、立ったときの形も崩れないなら、そちらが職場の1着です。
どちらとも取れるとき②|上はぴったり、下が大きい
ジャケットはぴったりなのに、パンツやスカートが大きい。1サイズ下げると、今度はジャケットがきつい。
この場合は、**上に合わせて買い、下のウエストを詰めてください。**ウエストを詰めるのは、直しの中でも比較的やりやすいものです。逆に、下に合わせて上がきつい1着を選ぶと、背中と肩は直せません。
上下を別のサイズで選べるスーツがあるなら、そちらを優先してください。店の人に「上下で違うサイズにできますか」と聞くと、売り場で対応してもらえることもあります。
どちらとも取れるとき③|店の人にちょうどいいと言われた
店の人に「ちょうどいいですね」と言われたけれど、自分では少し窮屈に感じる。
**店の人が見ているのは、たいてい立ち姿です。**立ったときのちょうどよさは確かでも、動いたときのことはまだ見ていないかもしれません。その場で座って腕を前に伸ばし、「この姿勢でも大丈夫ですか」と見てもらってください。
それでもちょうどいいと言われ、自分でも横じわが出ていないなら、窮屈さは着慣れないことからくるものかもしれません。横じわが出ているなら、自分の感覚のほうを信じてください。
次の1着を選ぶ順番
- 着る日数と場面を決める(毎日か、会議や来客の日だけか)
- その日数で最優先の失敗を決める(毎日なら座ったときのきつさ)
- 手持ちのバッグと、秋冬なら薄手のニットとコートを持って店に行く
- 試着室で7つの動きを試す
- 肩と背中に合わせてサイズを決め、下は直すか別のサイズにする
- ウエストの縫い代と袖口のボタンを見て、直せるかを確かめる
**3番目を忘れないでください。**手ぶらで試着すると、職場の条件が試着室に入りません。
候補が2着に絞れたら、両方で7つの動きを試して、横じわが出た動きの数を数えます。数が少ないほうが、職場で困らない1着です。数が同じなら、着る日数でいちばん大切な動き、毎日なら座ったときの結果がよいほうを選んでください。
よくある行き違い
**「試着でぴったりなら、それが正解」。**試着室のぴったりは、立って正面を見たときのぴったりです。仕事中の動きを試していないなら、まだ半分しか確かめていません。
**「少しきつくても、着ていれば伸びる」。**スーツの生地は、伸びるより先にしわや光りになります。きつい場所は、着るほど跡が残ります。
**「大きめを買って直せばいい」。**長さとウエストは直せますが、肩と背中は直しにくい場所です。大きめを買うなら、肩が合っていることが前提です。
**「高いスーツなら失敗しない」。**値段と動きやすさは別のものです。どのスーツでも、7つの動きを試すことで失敗が減ります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 試着室では、どの動きを試せばいいですか
- 椅子に座る、両腕を前に伸ばす、お辞儀をする、バッグを肩にかけるの4つです。座ったときは腰と太ももの横じわ、腕を伸ばしたときは背中のつっぱりと袖口の上がり方、お辞儀をしたときは胸元とジャケットの裾の開き、肩にかけたときは肩パッドのつぶれを見ます。どれか1つでも布が引っぱられて横じわが出たら、ワンサイズ上か、別の形を試してください。試着室に椅子がないときは、店の人に頼めば用意してもらえることが多いです。
- Q. ジャケットはぴったりなのに、パンツやスカートが大きいです。どちらに合わせればいいですか
- 肩に合わせてジャケットを選び、下は直すか別のサイズにします。ジャケットの肩幅と背中の幅は、買ったあとに直すのが難しい場所です。パンツやスカートのウエストを詰めるのは、比較的直しやすい直しです。上下を別のサイズで選べるスーツなら、それがいちばん確実です。
- Q. 店の人に「ちょうどいいですね」と言われたのに、着ると窮屈でした
- 立って正面から見たときのちょうどよさと、動いたときのちょうどよさは別のものです。店で見てもらうのは立ち姿なので、そこでちょうどいいと言われた1着は、動くと窮屈に感じることがあります。次からは、座る・腕を前に出すの2つを店の人の前でもやって、そのときの背中と腰を見てもらってください。
- Q. 秋冬に買うスーツで、ほかに気をつけることはありますか
- 中に着る1枚と、上に重ねるコートを持って試着してください。秋冬は中に薄手のニットを着る日が増え、春に買ったときより胸と腕まわりに余裕が要ります。上にコートを重ねる日は、ジャケットの袖がコートの袖の中でつかえないかも見ておきます。中に着るニットの厚さぶん、ジャケットの身幅に指2本の余裕があるのが目安です。
— メグラシ編集部





