骨格ウェーブ|鏡の前で5か所を数えて、素材・境目・丈を決める

骨格診断でウェーブと言われた日、あるいは自己診断でそれらしいと出た日。次に起きるのは、たいてい同じことです。似合うと書かれたアイテム名を十個ほど読んで、クローゼットを開けて、そこで止まる。
一覧は、覚えるには多すぎます。それに一覧は、目の前の一着がそこに載っていないときに何も教えてくれません。
この記事は、一覧の代わりに順番を置きます。まず自分の体を鏡の前で数えて確かめ、その結果を3つの物差しに翻訳する。アイテムごとの細かい話は、それぞれの記事へ入口を用意しました。
結論:決めるのは生地・境目・丈の3つだけ
骨格ウェーブの装いで実際に決めているのは、次の3つです。
- 生地:握って離したとき、3秒以内に折り目が消えて下に落ちるか
- 上下の境目:スカートやパンツの上端、ベルト、切り替え線が、へそと同じ高さかそれより上にあるか
- 丈:裾が、ふくらはぎや太もものいちばん太い位置を外しているか
この3つが当たっていれば、アイテムの名前が何であれ成立します。逆に、名前が一覧に載っていても、この3つが外れていれば着心地のほうが先に違和感を返してきます。
3つのうち、あとから直せるのは境目だけです。生地は買った時点で決まります。丈も、詰めるか持ち上げるかの一度きりの判断になります。だから売り場では生地から触ってください。
骨格ウェーブという言葉が指している範囲
先に、この言葉が何を指していて何を指していないかを短く整理します。骨格タイプは、骨の形と関節の大きさ、肉のつく位置という、体重では動きにくいところを見ています。
だから、体重が増えても減っても、タイプの判定そのものは基本的に動きません。動くのは、同じタイプの中でどれくらいはっきり出ているかの度合いのほうです。
そして骨格タイプは、似合う色の話とも、顔の印象の話とも別の軸です。骨格が決めているのは、生地の選び方と、体のどこで線を切るかという二点だけだと考えてください。ここを分けておくと、判定が割れたときに混乱しなくなります。
自分がウェーブかを確かめる|鏡の前で5か所を数える
ここからは実際に体を測ります。全部、家の鏡の前で1分ずつです。服は薄手のものを着たままでかまいません。
① 手首を囲む。 反対の手の親指と中指で、手首をそっと囲みます。見るのは二点。囲んだ断面が丸に近いか、平たい楕円に近いか。そして、骨の出っ張りが指にいくつ当たるか。楕円に近く、出っ張りが当たりにくいなら、この項目は当てはまります。
② 鎖骨に指を当てる。 人差し指の腹を鎖骨の上に置いて、そのまま肩のほうへ滑らせます。骨の線は触れるけれど、指が落ちるほどの段差にはならない。これが当てはまる状態です。指が溝に沈むなら、この項目は外れます。
③ 厚みが最大になる高さを探す。 横を向いて鏡に映り、体の前と後ろに手のひらを当てます。鎖骨の下、みぞおち、腰骨の上、太ももの付け根の4か所で、手のひらの間の距離を比べてください。いちばん距離が長い場所が腰骨の上か太ももの付け根なら、この項目は当てはまります。 鎖骨の下かみぞおちがいちばん長いなら外れます。
④ 肋骨の下端とへその距離を数える。 手のひらを肋骨のいちばん下に当て、そのまま下へ滑らせます。指がすっと内側に入る高さがあれば、そこが自分のウエストです。そこからへそまでに指が何本入るかを数えます。指2本以上入るなら、この項目は当てはまります。
⑤ つまんで厚みを比べる。 二の腕の外側と、太ももの前を、それぞれ軽くつまみます。指のあいだに来る厚みが、太ももの前のほうが明確に大きいなら、この項目は当てはまります。
数え方の読み方
5か所のうち、3か所以上が当てはまればウェーブの装い方で進んでかまいません。
5か所すべてがそろう方のほうが、実際には少数です。2か所以下だったときは、③と⑤の結果を持って別のタイプの側を見てください。③で鎖骨の下かみぞおちが最大だった方はストレート側、①で骨の出っ張りが2つはっきり当たった方はナチュラル側が近くなります。
当てはまらなかった1か所は、消さずに書き留めておいてください。あとで「鉄則が1つだけ当たらない」という場面が来たとき、その1か所が理由になっていることがほとんどです。
なぜその3つで決まるのか|寸法と位置で説明する
理由を知っておくと、売り場での判断が速くなります。
生地が落ちる必要がある理由
③で厚みが最大になる位置が腰から下にあるということは、上半身では前と後ろの手のひらの距離が短いということです。
このとき、握って離しても折り目が残るような生地を上半身に着ると、生地は体に触れずに自分の形で立ちます。肩の先から胸のあたりまでのあいだに空間ができて、その空間が影になります。服だけが形を持っている状態です。
一方、3秒以内に折り目が消えて下に落ちる生地は、体の線をなぞらずに縦へ流れます。空間ができないので、影も出ません。生地に求めているのは柔らかさそのものではなく、手を離したときに下へ向かうかどうかです。 同じ名前の素材でも、織りが詰まっていれば立ちます。名前ではなく反応で選んでください。
境目をへそより上に置く理由
④で肋骨の下端からへそまでに指が2本以上入るということは、胴の縦の距離のうち、ウエストより下にあたる部分が長めだということです。
服の上下の境目は、体を縦に分割する線として見えます。境目がへそより下にあると、分割点が胴の下寄りに来ます。境目がへそと同じか上にあると、分割点が胴の上半分に入ります。
これは線の位置の話です。分割点が上に入ると視線の起点が上がって、全身が縦に伸びて見えます。逆に下に来ると、同じ服でも横方向の情報が増えます。
境目は、あとから足したベルトでは動きません。布がベルトの下に残っているからです。動かせるのは、トップスの前中心だけを浅く入れるところまでです。
丈をいちばん太い位置から外す理由
裾の線は、その高さで体を横に切ります。切った場所の幅が、そのまま見た幅になります。
⑤で太ももの前の厚みが大きい方は、太ももの中ほどとふくらはぎの中ほどが、脚の中で幅の広い場所です。その高さで裾が止まると、いちばん広いところに横線が重なります。
外し方は簡単で、いちばん太い場所より上か下に裾を置くだけです。スカートなら膝の上か、ふくらはぎの下のいちばん細くなる位置。パンツなら足首の骨が見える位置か、甲に少し乗る位置。どちらかに寄せてください。
骨の出方と面の単位
①と②で骨の出っ張りが指に当たりにくいということは、体の側が持っている線の単位が小さいということです。
そこへ、太い編み目や大きな柄、面積の広い無地を重ねると、服の側の単位のほうが大きくなります。すると服の面が先に目に入り、体の輪郭が後ろへ下がります。
だから、目の細かい織り、細かいプリーツ、小さい単位の柄が扱いやすくなります。1メートル離れて柄として読めるかどうかで切ると、その場で判定できます。
素材・形・丈の早見表
上の理由を、売り場でそのまま使える形に落とします。全部、手と目で確かめられるものにしてあります。
| 見る場所 | 目安 | その場での確かめ方 |
|---|---|---|
| 生地の反応 | 手を離したら下に落ちる | 二枚重ねて3秒握り、離す。折り目が3秒以内に消えるか |
| 面の単位 | 細かいほうへ寄せる | 1メートル離れて、柄や編み目が読めるかどうか |
| 上下の境目 | へそと同じ高さか、その上 | ベルトや切り替えの上端が、へそのどこに来るか |
| トップスの丈 | 腰骨より上で止める | 裾が腰骨の線を越えて下がっていないか |
| 上半身に重ねる枚数 | 2枚まで | 首元の詰まった薄手を1枚足して、肩と胸の浮きが消えるか |
| スカート丈 | 膝上か、ふくらはぎの下 | 裾がふくらはぎのいちばん太い位置に乗っていないか |
| パンツの裾 | 足首の骨が見える位置 | 立ったとき、くるぶしの骨が布で覆われていないか |
| 袖丈 | 手首の骨の少し上 | 腕を下ろして、袖口が手首の骨を越えていないか |
| 靴 | 甲の見える面積を残す | 甲がすべて覆われて、脚と靴が一続きになっていないか |
| 光る面 | 全身で一か所まで | 首元・手元・足元のうち、光る点が2つ以上ないか |
表の上から3行が、買った時点で決まる場所です。残りは着方で動かせます。迷ったら上の3行だけ見てください。
迷いやすい分かれ目
判定が割れるのは、だいたい決まった場所です。
ストレートと割れるとき
いちばん多い分かれ目です。二つのタイプは、どちらも骨の出っ張りが指に当たりにくいという点で共通しているので、①と②では差がつきません。
差がつくのは③と⑤の二つです。厚みが最大になるのが鎖骨の下かみぞおちならストレート側、腰骨の上か太ももの付け根ならウェーブ側。つまんだ厚みが二の腕の外側に来るならストレート側、太ももの前に来るならウェーブ側です。
それでも割れる方は、骨格ストレートとウェーブの見分け方で3軸に分けた比較を見てください。共通点と違いを先に整理してあります。
割れたまま買う場合の実務は一つです。生地は落ちる側を選び、境目の高さだけを両方試す。生地は戻せませんが、境目は着方で動かせるからです。
ウェーブの中でさらに分かれるとき
ウェーブと確定したあとで、装いの提案が二方向に割れることがあります。細かい装飾が合う方向と、面を整理したほうが合う方向です。
これは①と②の程度の差で説明がつきます。手首の骨の当たり方と鎖骨の段差の度合いで見分ける手順は、骨格ウェーブ×ロマンティックの見分け方にまとめてあります。
鉄則が1つだけ当たらないとき
これは異常ではなく、5か所のうち1か所が外れている方に必ず起きます。
上の自己チェックで書き留めた「当てはまらなかった1か所」を見てください。③が外れていた方は、硬めの生地を着ても浮きません。④が外れていた方は、境目を上げすぎると肋骨に当たります。⑤が外れていた方は、丈の制約がゆるくなります。
外すべき鉄則は、その1か所に対応する1つだけです。全部を外す必要はありません。
場面別・アイテム別の入口
ここから先は、アイテムごとに測る場所が変わります。それぞれの記事に、そのアイテム専用の数え方を置いてあります。
- 手持ちの一着が着られるか判定したい:骨格ウェーブの服|3か所を触れば自分で決まる。買う前の30秒で終わる判定と、どちらとも取れるときの4つのケース
- 素材・シルエット・色の原則をまとめて知りたい:骨格ウェーブに似合う服の3原則。アイテム別ガイドと年代別の目安まで
- トップスのサイズで迷う:骨格ウェーブのトップスは前身頃の余りで決まる。つまんで2cmという一つの基準
- パンツを選び直したい:骨格ウェーブの似合うパンツ|3つの法則。裾の位置と布の戻り方から
- 秋のニットと重ね方:骨格ウェーブのニットは4つ折りの高さで決まると骨格ウェーブが秋に見失わないために
- きちんとした場が近い:骨格ウェーブのスーツ|肩先の出とジャケット着丈
よくある行き違い
「ウェーブは柔らかい素材、と覚えておけばいい」
柔らかさは結果であって基準ではありません。判定しているのは、手を離したときに生地が下へ向かうかどうかです。柔らかくても肌に張りつく生地は、腰から下の丸みを拾って情報量が増えます。反対に、少し張りのある薄手でも、握って離して折り目が消えるなら通ります。触った感触ではなく、離したあとの動きを見てください。
「ハイウエストなら何でも合う」
合うのは自分のウエストより上で切り替わる服であって、商品表示の高さではありません。④で肋骨の下端からへそまでに指が1本しか入らなかった方は、上げすぎると切り替えが肋骨に当たって、座ったときに息が浅くなります。この場合はへそと同じ高さで足ります。表示の名前ではなく、鏡の前で自分のへそとの位置関係を見てください。
「大きめの服は着られない」
上半身に限れば、そのとおりに近いです。ただし、下半身は別です。腰から下で幅が出る形は、厚みが最大になる位置と方向が一致するので成立します。制約が強いのは肩から胸までの範囲で、そこは中に一枚足せば支えられます。全身を一律に小さくする必要はありません。
「骨格が分かれば服選びは終わる」
骨格が決めているのは、生地の選び方と線を切る位置の二つだけです。色の合わせ方も、その日の場面の格も別の軸で決まります。骨格の物差しを通った服の中から、その日の場面に合うものを選ぶ、という二段構えになります。
装いに活かすなら
3つの物差しのうち、自分で用意しにくいのは生地です。名前では判定できず、触って離してみないと分からないので、手持ちの中に落ちる生地が何枚あるかを数えるところから始まります。
数えてみて少なかった場合、買い足すより先に試したほうが早いこともあります。スタイリストは顧客プロフィールと在庫情報を踏まえて選定するので、生地と境目の二つを伝えておくと、自分では手に取らない側から候補が来ます。落ちる生地が具体的にどういう手触りなのかは、何枚か袖を通したほうが早く体に入ります。
まとめ|決める順番
- 鏡の前で5か所を数える。手首、鎖骨、厚みが最大になる高さ、肋骨の下端とへその距離、つまんだ厚み。3か所以上でウェーブ側
- 当てはまらなかった1か所を書き留める。あとで鉄則が1つ当たらないときの理由になる
- 売り場では生地から触る。握って3秒、離して折り目が消えるか。ここで外れた一着は先に進まなくていい
- 境目をへそと比べる。同じ高さか上なら通る。指2本ぶん以上下なら、着方では戻せない
- 丈をいちばん太い位置から外す。上か下、どちらでもかまわない
- アイテム別の詳しい数え方は、それぞれの記事へ
一覧を覚え直すより、この6つを持っているほうが、店でも家でも早く決まります。
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- 骨格ウェーブが秋に見失わないために
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 骨格ウェーブの特徴は何ですか
- 体の厚みが最大になる位置が腰から下にあり、上半身は前後の厚みが少なめで、手首や関節の骨が指に当たりにくい。この3つが重なっている状態です。上半身と下半身の量そのものではなく、厚みが体のどの高さで最大になるかで見ます。同じ体重でも位置が違えば服の見え方は変わるので、量ではなく位置で確かめてください。
- Q. 骨格ウェーブかどうか自分で見分けられますか
- 5か所を数えれば、おおよそのところまでは自分で確かめられます。手首を囲んだときの骨の当たり方、鎖骨に指を当てたときの段差、横を向いたときに厚みが最大になる高さ、肋骨の下端とへその距離、二の腕の外側と太ももの前でつまんだときの厚みの差の5つです。3か所以上が当てはまれば進んでかまいません。5か所すべてがそろう方のほうが少数です。
- Q. 骨格ウェーブに似合う服はどう選べばいいですか
- アイテム名で覚えるより、3つの物差しで測るほうが早く終わります。生地を握って離したとき3秒以内に折り目が消えて下に落ちるか、上下の境目がへそと同じか上にあるか、丈がふくらはぎや太もものいちばん太い位置を外しているか。この3つで、一覧に載っていない服も自分で判定できます。
- Q. 骨格ウェーブとストレートで判定が割れたときはどうすればいいですか
- 無理にどちらかへ寄せず、割れた場所を記録してください。両者はどちらも骨が目立ちにくい点が共通していて、違いは厚みが最大になる高さと、肉のつく位置の2つに集約されます。割れたときは、生地は落ちる側を選び、境目の高さだけを両方試して決めるのが実務的です。生地と境目のうち、あとから直せるのは境目のほうです。
— メグラシ編集部





