ショートヘアのアレンジ|耳と襟足の2点で3つの長さに分ける

ショートヘアのアレンジは、長さで出来ることが決まる
ショートヘアのアレンジは、技術よりも長さで出来ることが先に決まります。同じ手順でも、毛先が留め具に届かなければ形は成立しません。だから最初にするのは、手順を覚えることではなく、自分の長さを3つのどれかに当てはめることです。
分ける基準は2つだけです。耳にかかるかどうか、襟足が小さいゴムで結べるかどうか。 耳が全部出ていればベリーショート、耳にかかるが襟足は結べなければショート、襟足が結べればショートボブ。この3つで、使える技とかかる時間がはっきり分かれます。
道具はピン・バーム・小さいゴムの3つで足ります。ベリーショートはバームとピン、ショートはピンが主役、ショートボブで初めてゴムが使えます。この記事は、この3区分を入口にして、場面・髪質・所要時間・伸ばしかけ・小物・仕上げの順に、あなたが今日できる形を選ぶための地図です。個別の詳しい記事へは、各見出しから1本ずつ案内します。
まず2点を測る:耳と襟足
鏡の前で、次の2つを順に確かめてください。所要は1分です。
- 耳の上端に人差し指を当て、そこから横の毛先が下に何cm出ているかを見る
- 襟足の毛を首の後ろで指でつまみ、小さいゴムを2周かけて首を左右に振る
1つ目で毛先が耳の上端より上にあれば、耳は全部出ています。耳の上端を越えて耳たぶの途中まで来ていれば、耳にかかっている状態です。2つ目は、ゴムから毛先が2cm以上出て、振っても抜けなければ「結べる」と判定します。
| 耳の判定 | 襟足の判定 | あなたの区分 | 主に使う道具 |
|---|---|---|---|
| 耳が全部出ている | 結べない | ベリーショート | バーム・ピン |
| 耳にかかる | 結べない | ショート | ピン・バーム |
| 耳にかかる・隠れる | 結べる | ショートボブ | ゴム・ピン・バーム |
耳と襟足で結果が食い違う場合もあります。たとえば耳は全部出ているのに襟足だけ長い、という刈り上げのない形です。そのときは襟足の判定を後ろ側だけに使い、顔まわりは耳の判定で選びます。前と後ろを別の区分として扱えば、無理な形を選ばずに済みます。
あごの下の襟足の長さで印象がどう変わるかは、ショートヘアのあご下と襟足の長さで詳しく測り方を扱っています。
道具は3つで足りる理由
ショートヘアのアレンジで道具を増やしても、使える技は増えません。毛が短いので、大きな留め具は噛む毛が足りずに滑ります。必要なのは、短い毛でも確実に効く3つです。
| 道具 | 役目 | 効く長さ | 選び方の目安 |
|---|---|---|---|
| ピン | 毛束を地肌に押さえる | 折り返して3cm残る毛 | 髪色に近い色の小さいもの |
| バーム | 毛流れの向きを決めて保つ | すべての長さ | 手のひらで透明になる柔らかさ |
| 小さいゴム | 襟足や一部の毛を束ねる | ゴムから2cm出る毛 | 指1本に2周巻ける細さ |
ピンは、留めたい毛束を指でつまんで根元側へ折り返したとき、指から先に3cm残るかで効くかが決まります。この判定はショートのヘアアレンジを折り返せるcmで決める記事に、部位ごとの数字と一緒にまとめています。
バームは量が多すぎると束になって重く見えます。最初は小指の先ほどを手のひら全体に広げ、透明になってから髪にのせてください。足りなければ同じ量を足します。
ベリーショートでできるアレンジ
ベリーショートは、結ぶ・ねじるがほぼ使えない代わりに、毛流れの向きだけで印象を大きく変えられる長さです。動かす場所は3つに絞れます。
| 動かす場所 | やり方 | 印象の変化 | かかる時間 |
|---|---|---|---|
| 分け目 | 指で2cm横にずらす | 左右の非対称が出る | 30秒 |
| トップの毛流れ | バームで前か後ろに倒す | 前は柔らかく、後ろはすっきり | 1分 |
| 耳の上 | ピンを1本見せて差す | 飾りとして目が止まる | 30秒 |
手順は次のとおりです。
- 手のひらにバームを広げ、透明にする
- トップの毛を根元から指ではさみ、倒したい向きへ流す
- 分け目を指先で2cm動かし、境目を軽く押さえる
- 耳の上の毛を少しすくい、ピンを横向きに1本差す
ベリーショートで気をつけたいのは、トップの高さです。高さを出すほど頭の形が強調されるので、前に倒すか後ろに倒すかのどちらかにはっきり決めたほうがまとまります。つむじの位置によって倒しやすい方向が違うので、大人のショートとつむじのずれで自分の向きを確かめておくと迷いません。
ショートでできるアレンジ
耳にかかるが襟足は結べないショートは、ピンが主役になる長さです。顔まわりの毛を耳にかけたり、ねじって留めたりする形が成立し始めます。
| 形 | やり方 | 成立する条件 |
|---|---|---|
| 耳かけ | 片側の毛を耳の後ろへ流してピンで固定 | 耳の上端から毛先まで3cm以上 |
| サイドのねじり | 耳の上の毛を2回ねじって後ろでピン留め | 折り返して3cm残る |
| 前髪の流し留め | 前髪を斜めに流し、こめかみでピン2本 | 前髪が目の高さに届く |
| トップのふんわり | トップの毛を少し持ち上げてピンで押さえる | つむじの毛を前に倒して眉に届く |
手順の基本は、ねじる回数を2回までにすることです。ショートの毛は、3回以上ねじると根元に戻る力が強くなり、ピンを押し返します。
- 留めたい毛束を指2本の幅だけ取る
- 後ろ方向へ2回だけねじる
- ねじった根元にピンを1本、地肌に沿わせて差す
- 2本目のピンを逆向きに交差させて差す
耳かけは、毛先が耳の上端から0〜2cmしか出ていないと、まばたきや振り向きで落ちてきます。その長さなら耳かけはせず、こめかみでピン留めする形に切り替えてください。伸びていく途中でできることがどう増えるかは、ショートのヘアアレンジを伸びかけの毛先で選ぶ記事に段階ごとにまとめています。
ショートボブでできるアレンジ
襟足が小さいゴムで結べるショートボブは、3つの道具がすべて使える長さです。ハーフアップや襟足の小さな結び目など、結ぶ形が選択肢に入ります。
| 形 | やり方 | 成立する条件 | かかる時間 |
|---|---|---|---|
| ハーフアップ | 耳の上の毛を後ろで小さく束ねる | 耳の上の毛が後頭部で合わさる | 3分 |
| 襟足の小さな結び | 襟足だけを低い位置でゴム留め | ゴムから2cm出る | 2分 |
| 片側のねじり留め | 片方の顔まわりをねじって耳後ろで留める | 折り返して5cm残る | 3分 |
| 外はね | 毛先をバームで外向きに散らす | 毛先があごより下 | 2分 |
ショートボブで決まりやすいかどうかは、毛先の角度でも変わります。毛先が内に入っているか外に向いているかで、合う留め位置が上下にずれるからです。この角度の見方はショートボブのアレンジを毛先の角度で選ぶ記事で扱っています。
ハーフアップの手順は次のとおりです。
- 耳の上端から後頭部までの毛を、両手で後ろへ集める
- 集めた毛を、後頭部の真ん中より少し下で小さいゴムに通す
- ゴムを2周させ、結び目を指で少し引き出してゆるめる
- 結び目の下に出た毛先をバームで軽く散らす
前下がりにカットしているショートボブは、前と後ろで長さが違うので、前は耳の判定、後ろは襟足の判定と分けて考えてください。似合うかどうかの見方は前下がりのショートボブと耳・目尻の関係に詳しくあります。
どちらの長さか迷ったときの決め方
耳と襟足の判定がどちらとも取れる、境目にいる人がいちばん迷います。耳たぶにちょうど触れる長さ、ゴムが2周目で抜けそうで抜けない長さ、といった場合です。
このときの決め方はひとつです。短いほうの型で始めて、留まった日にだけ長いほうへ1段上げる。 長いほうの型を先に試すと、形が成立しなかったときに、ほどいてやり直す時間がかかります。短いほうから始めれば、失敗しても最初から崩れた状態にはなりません。
| 迷い方 | まず選ぶ型 | 1段上げる合図 |
|---|---|---|
| 耳に触れるか触れないか | ベリーショートの型 | ピン1本で耳の上が30分落ちない |
| ゴムが2周目で抜けそう | ショートの型 | 首を左右に3回振ってゴムが動かない |
| 前は長いが後ろは短い | 前後で別の型 | 前の留めが保ったら後ろも試す |
境目にいる時期は、朝の湿気や乾かし方でも結果が変わります。乾かしてから時間が経つと毛が落ち着き、留まりやすくなります。同じ長さでも、日によって1段上げたり戻したりするのが自然です。
1段上げるかどうかを決める合図は、留めてから30分後の状態です。朝の支度の最後に留め、出かける前にもう一度鏡を見てください。ピンが浮いていない、耳の上の毛が落ちていない、ゴムが動いていない、の3つがそろっていれば、その日は長いほうの型で一日もちます。どれか一つでも崩れていたら、出かける前に短いほうの型へ戻すほうが、外で直すよりずっと楽です。
境目の時期を何度か過ごすと、自分の髪がどの条件なら留まるのかが分かってきます。乾かしてからの時間、その日の湿気、使ったバームの量のうち、どれが効いているかを覚えておくと、次に迷ったときの判断が早くなります。
場面で選ぶ:仕事の日
仕事の日のアレンジで大事なのは、動いても一日もつことと、顔まわりがすっきりしていることです。会議や接客で前を向く時間が長い日は、目の前に毛が落ちてこない形を選びます。
| 区分 | 仕事の日に向く形 | 理由 |
|---|---|---|
| ベリーショート | 分け目を決めてバームで後ろに流す | 落ちる毛がない |
| ショート | 片側だけ耳かけしてピン2本 | 顔の片側が明るく見える |
| ショートボブ | 襟足の小さな結び、または片側ねじり | 首まわりがすっきりする |
パソコン作業でうつむく時間が長い日は、前髪が目にかかりやすくなります。前髪を斜めに流してこめかみで留めておくと、昼過ぎまで視界がすっきりします。額の形や生え際の向きによって流しやすい方向が違うので、前髪アレンジを額の縦と生え際で決める記事で自分の向きを確かめてください。
ピンを見せたくない職場なら、髪色に近い色を選び、ねじった毛の内側に差すと外からほとんど見えません。
場面で選ぶ:休日の日
休日は、仕事の日にはしない形を試せる日です。飾りを見せる、毛先を遊ばせる、片側だけ大きく変えるといった、少し目に留まる形が似合います。
| 区分 | 休日に向く形 | 合わせやすい小物 |
|---|---|---|
| ベリーショート | トップを前に倒して毛先を散らす | 色のあるピンを2本並べる |
| ショート | サイドを2回ねじって耳の上で留める | カチューシャ |
| ショートボブ | ハーフアップの結び目を高めに | スカーフを結び目に巻く |
休日の形は、服との合わせ方で印象が決まりやすくなります。襟のない服なら首まわりが見えるので、襟足を出す形が映えます。襟の高い服なら、結び目を高めにして襟と髪の間に余白を作ると、首まわりが詰まって見えません。
服と髪の釣り合いで迷ったら、ショートヘアに可愛い服が似合わないと感じるときの首元の余白の考え方が参考になります。
場面で選ぶ:式典の日
結婚式や入学式、法事のような式典の日は、きちんと整って見えることが最優先です。ショートヘアは、まとめ髪ができない代わりに、毛流れを整えて飾りを1点添えるだけで式典らしくなります。
| 区分 | 式典に向く形 | 気をつけること |
|---|---|---|
| ベリーショート | 分け目を深く取り、バームで面を整える | 毛先を散らしすぎない |
| ショート | 両サイドをねじって耳の後ろで留める | 左右の高さをそろえる |
| ショートボブ | 低めのハーフアップに飾りを1点 | 飾りは結び目の真上に置く |
お祝いの式典なら、耳の上に小さな飾りを1点添えると華やかになります。弔事の場では、飾りは使わず、ピンも黒に近い色を選んでください。どの場でも、左右の高さがそろっているかを最後に手鏡で後ろから確かめると、整った印象になります。
式典の髪で地味すぎるのか、やりすぎなのかを決める考え方は結婚式お呼ばれヘアが地味・やりすぎになる境目で扱っています。法事の場合は法事の髪型をまとめる高さと留め具で決める記事も合わせて確かめてください。
場面で選ぶ:運動の日
運動の日は、汗をかいても顔に毛が貼りつかないことが目的です。ショートヘアは、ロングのようにまとめられない分、顔まわりの毛をどう押さえるかが勝負になります。
| 区分 | 運動の日に向く形 | 押さえる場所 |
|---|---|---|
| ベリーショート | バームを少なめにして後ろへ流す | 額の生え際 |
| ショート | 前髪とサイドをピン4本で固定 | こめかみと耳の上 |
| ショートボブ | 襟足をゴムで結び、サイドをピン留め | 襟足と耳の上 |
汗をかく日にバームを多く使うと、汗と混ざって毛が束になり、かえって顔に貼りつきます。量はふだんの半分にして、ピンで物理的に押さえるほうが保ちます。
幅のあるヘアバンドを使うと、前髪とサイドを一度に押さえられます。ショートの場合は、ヘアバンドの上の毛が浮きやすいので、浮いた部分だけピンで押さえてください。体を動かす行事の日の髪については、体育祭のヘアをはちまきと動きの強さで決める記事も参考になります。
髪質で選ぶ:硬い髪
髪が硬く太い人は、ピンを押し返す力が強いので、留める本数と角度で勝負します。毛流れはバームで決まりやすい反面、ねじった毛がほどけやすい髪質です。
| 区分 | 硬い髪で選ぶ形 | 工夫 |
|---|---|---|
| ベリーショート | 毛流れを前か後ろに倒すだけ | バームを根元から揉み込む |
| ショート | ねじらずに流してピン留め | ピンは2本を交差させる |
| ショートボブ | 襟足の結びは低めに | ゴムは3周させる |
硬い髪でねじり留めをしたいときは、ねじる回数を1回に減らしてください。2回ねじると根元が反発し、ピンが抜けやすくなります。1回ねじって、ピンを2本交差させるほうが確実です。
硬い髪は朝の湿気で広がりやすいので、乾かした直後の落ち着いた状態でアレンジすると決まりやすくなります。
髪質で選ぶ:細い髪
髪が細く柔らかい人は、留まりやすい代わりに、ボリュームが出にくい髪質です。毛流れは簡単に変わりますが、時間が経つとぺたんと潰れやすくなります。
| 区分 | 細い髪で選ぶ形 | 工夫 |
|---|---|---|
| ベリーショート | トップを指で立ち上げて後ろへ | バームは毛先にだけ |
| ショート | トップを少し持ち上げてピンで押さえる | 根元を逆向きに乾かす |
| ショートボブ | 結び目を指で引き出してふくらませる | ゴムは2周で止める |
細い髪にバームを根元からつけると、重みでトップが潰れます。毛先にだけつけ、根元はつけないでください。トップの高さが欲しいときは、乾かすときに根元を分け目と逆の向きに倒して温風を当て、最後に冷風で止めると高さが残ります。
細い髪は、ピンが滑って落ちることもあります。ピンの波打つ側を地肌に向けて差すと、すくった毛が噛み合って滑りにくくなります。
髪質で選ぶ:くせ毛
くせ毛の人は、くせを消すより、くせの向きを形に使うほうがショートでは決まります。うねりがあると毛先が自然に動くので、まっすぐな髪よりも動きのある形が作りやすい髪質です。
| 区分 | くせ毛で選ぶ形 | 工夫 |
|---|---|---|
| ベリーショート | くせを生かして毛先を散らす | バームを手で揉み込む |
| ショート | うねりの向きに合わせて耳かけ | 逆らう向きには留めない |
| ショートボブ | 外はねをくせで作る | 毛先だけ軽く濡らして整える |
くせ毛で困るのは、日によってうねりの強さが変わることです。湿気の多い日はうねりが強くなり、留めた毛が浮いてきます。その日は形を一つ短いほうの区分に下げ、ピンの本数を増やしてください。
髪質ごとに簡単なアレンジをどう選ぶかは、簡単髪アレンジを髪質で選ぶ記事でさらに細かく分けています。
所要時間で選ぶ:1分
朝に1分しかない日は、道具を1つだけ使う形に絞ります。手を持ち替えるたびに時間がかかるので、片手で完結する動きを選ぶのがこつです。
| 区分 | 1分でできる形 | 使う道具 |
|---|---|---|
| ベリーショート | バームで毛流れを一方向に倒す | バーム |
| ショート | 片側だけ耳かけしてピン1本 | ピン |
| ショートボブ | 毛先にバームをつけて外へ散らす | バーム |
1分の形は、仕上がりよりも崩れないことを優先してください。時間がない日に凝った形を選ぶと、途中で時間切れになり、ほどいた跡が残ります。
所要時間で選ぶ:3分
3分あれば、道具を2つ組み合わせられます。バームで毛流れを整えてから、ピンで一か所を留める、という順番が基本です。
| 区分 | 3分でできる形 | 使う道具 |
|---|---|---|
| ベリーショート | 分け目を変えてバーム、耳の上にピン | バーム・ピン |
| ショート | サイドを2回ねじってピン2本 | バーム・ピン |
| ショートボブ | ハーフアップ | ゴム・バーム |
3分の形で失敗しやすいのは、バームをつけすぎてピンが滑ることです。バームをつけたら、手のひらに残った分を払ってからピンを差してください。
所要時間で選ぶ:5分
5分あれば、3つの道具をすべて使い、左右両方を動かせます。式典や特別な予定のある日に選ぶ時間です。
| 区分 | 5分でできる形 | 使う道具 |
|---|---|---|
| ベリーショート | トップの立ち上げと両耳の上にピン | バーム・ピン |
| ショート | 両サイドねじりと前髪の流し留め | バーム・ピン |
| ショートボブ | ハーフアップと片側ねじりの組み合わせ | ゴム・ピン・バーム |
5分の形は、左右をそろえる時間を最後に30秒残しておくと仕上がりが安定します。朝の時間ごとに届く形がどう分かれるかは、時短ヘアアレンジを朝の30秒・2分・5分で分ける記事でも扱っています。
伸ばしかけの時期に使える型
ショートヘアを伸ばしている途中は、部位ごとに長さの区分がずれる時期です。前髪はショートボブの長さになっているのに、襟足はまだショート、ということがよく起きます。
| 時期 | よく起きる状態 | 使う型 |
|---|---|---|
| 伸ばし始め | 全体がベリーショートからショートへ | 毛流れを変える型 |
| 中盤 | 前髪とサイドだけ先に長くなる | 前はショートの型、後ろはベリーショートの型 |
| 後半 | 襟足が首にかかって外に跳ねる | 襟足の小さな結び、またはピンで内に入れる |
| 仕上げ前 | 全体がショートボブに近づく | ショートボブの型 |
伸ばしかけでいちばんつらいのは、襟足が首にかかって外に跳ね始める時期です。この時期は、跳ねる毛をバームで内に向け、ピン2本で襟足の内側に留めておくと落ち着きます。
前髪が中途半端な長さになる時期は、横に流して耳の上半分で留めると目に入りません。この方法は伸ばしかけの前髪を耳の上半分で留める記事に詳しくあります。
小物で変える:ピン
ピンは、留める道具であり、見せる飾りでもあります。ショートヘアでは、ピンを見せるかどうかで印象が大きく変わります。
| 使い方 | 見え方 | 向く区分 |
|---|---|---|
| 1本を横向きに見せる | 控えめなアクセント | すべての長さ |
| 2本を平行に並べる | 線が揃って整った印象 | ショート・ショートボブ |
| 2本をばつ印に交差 | 遊びのある印象 | ショート・ショートボブ |
| 3本を少しずつずらす | 華やかな印象 | ショートボブ |
ピンは、差す向きと交差させる角度で保ちが変わります。波打つ側を地肌に向け、すくう毛は5mmほどに抑え、2本目は1本目に対して斜めに交差させてください。詳しい角度はヘアピンの向きと交差の角度の記事にまとめています。
小物で変える:カチューシャ
カチューシャは、ショートヘアでいちばん手早く印象を変えられる小物です。前髪とサイドを一度に押さえられるので、1分の形にも使えます。
| 区分 | カチューシャの置き方 | こつ |
|---|---|---|
| ベリーショート | 細いものを生え際から3cm後ろに | 太いものは浮きやすい |
| ショート | 生え際から4〜5cm後ろに | 耳の後ろで端を押さえる |
| ショートボブ | 生え際から5cm以上後ろでも可 | トップを少し持ち上げてから置く |
ショートでカチューシャがずれるのは、端が耳の後ろで支えられていないためです。カチューシャの両端が耳の後ろの骨に当たる位置まで下げると、ずれにくくなります。置く位置で印象がどう変わるかは、カチューシャの位置を生え際からの距離で決める記事で扱っています。
小物で変える:スカーフ
スカーフは、髪の量が少ないショートヘアに、面積で華やかさを足す小物です。巻き方を変えるだけで、休日にも式典にも使えます。
| 区分 | スカーフの使い方 | 幅の目安 |
|---|---|---|
| ベリーショート | 細く折ってヘアバンドのように巻く | 指2本分 |
| ショート | 頭に巻いて耳の後ろで結ぶ | 指3本分 |
| ショートボブ | ハーフアップの結び目に巻く | 指2本分 |
ショートヘアでスカーフを頭に巻くと、髪が少ない分だけ滑りやすくなります。巻く前にピンを2本、耳の上に差しておき、スカーフをその上に通すと止まります。巻く幅と巻き数の決め方はスカーフのヘアアレンジを幅と巻き方で決める記事にまとめています。
崩れにくくする仕上げ
ショートヘアのアレンジが昼までもつかどうかは、最後の30秒の仕上げで決まります。崩れる原因は、ピン・バーム・ゴムのどれかにあり、それぞれ直し方が違います。
| 崩れ方 | 原因 | 仕上げの直し方 |
|---|---|---|
| 耳の上が落ちる | ピンが1本だけ | 2本目を逆向きに交差させる |
| トップが潰れる | バームが根元についている | 根元を指で起こし、毛先にだけつけ直す |
| 襟足が出てくる | ゴムが高すぎる | 結び目を指1本分下げる |
| 毛先が広がる | 乾燥と静電気 | 手のひらに残ったバームで表面をなでる |
仕上げの手順は次のとおりです。
- 手鏡で後ろと左右を確かめ、高さをそろえる
- ピンの頭を指で押し、地肌まで入っているか確かめる
- 手のひらに残ったバームで、表面の浮いた毛をなでる
- 首を左右に3回振り、動いた場所だけ留め直す
風の強い日は、毛先が顔にかかって形が崩れやすくなります。その日は、ピンを1本ずつ増やし、バームは表面にだけ足してください。風の日の工夫は風の強い日の髪アレンジの記事にもまとめています。
顔まわりの見え方で迷ったら
ショートヘアは顔まわりがすべて見えるので、どこに毛を残すかで印象が変わります。耳を出すか、もみあげを残すか、前髪をどう流すかの3点を、区分ごとの型の中で調整します。
| 調整する場所 | 出すと | 残すと |
|---|---|---|
| 耳 | 明るく軽やか | 柔らかく落ち着く |
| もみあげ | すっきり大人っぽい | 頬まわりがやさしく見える |
| 前髪 | 額が見えて活発 | 目元に視線が集まる |
もみあげの長さは、浴衣や着物の日にも効いてきます。和装の日にショートでどう整えるかは浴衣の日のショートともみあげの長さで扱っています。
どの調整も、正解は一つではありません。今日の服と予定に合わせて、出すか残すかを決めれば十分です。
アレンジの前に整える:乾かし方の土台
ショートヘアのアレンジは、乾かし終わった時点で半分が決まっています。毛が短い分、根元の向きがそのまま形に出るからです。どの区分でも、乾かし方の順番を変えるだけで留まりやすさが変わります。
- 根元から乾かし、毛先は最後に回す
- 分け目を一度、ふだんと逆側に倒して温風を当てる
- 元の分け目に戻し、上から下へ風を当てて表面を整える
- 最後に冷風を30秒当てて、根元の向きを止める
| 区分 | 乾かすときに意識する場所 | 狙い |
|---|---|---|
| ベリーショート | トップの根元 | 倒したい向きに根元を起こす |
| ショート | 耳の上とこめかみ | 耳かけやねじりの向きを先に作る |
| ショートボブ | 襟足と毛先 | 結ぶ前に跳ねる癖を抑える |
濡れたままアレンジすると、乾くまでの間に毛が縮んで、ピンから抜けやすくなります。根元が乾いてからアレンジを始めてください。毛先が少し湿っているくらいなら、バームがなじみやすくなるので問題ありません。
乾かしてからどれくらい時間を置くと決まりやすいかは、髪質によっても違います。硬い髪は少し時間を置いて落ち着かせ、細い髪は乾かした直後のふんわりした状態で留めると、それぞれの長所が出ます。
前と後ろで区分が違う人の組み方
ショートヘアでは、前と後ろで長さが違うカットがよくあります。前下がりのショートボブ、襟足だけ短く整えたショート、前髪だけ長く残したベリーショートなどです。この場合、頭を前と後ろの2つに分けて、それぞれの区分の型を組み合わせます。
| 前の区分 | 後ろの区分 | 組み合わせ方 |
|---|---|---|
| ショートボブ | ショート | 前はねじり留め、後ろはバームで毛流れだけ |
| ショート | ベリーショート | 前は耳かけ、後ろは何もしない |
| ベリーショート | ショートボブ | 前は分け目だけ、後ろは襟足の小さな結び |
組み合わせるときの決まりはひとつです。前と後ろで、手を加える場所をどちらか一方に寄せてください。両方を同じだけ動かすと、頭全体がばらばらに見えます。片方を主役にして、もう片方は整えるだけにすると、形がまとまります。
前後の境目は、耳の真上を通る線で分けると考えやすくなります。耳より前の毛は前の区分、耳より後ろの毛は後ろの区分です。
よくある失敗と、その場での直し方
ショートヘアのアレンジで起きる失敗は、ほとんどが「長さが足りない形を選んだ」ことから来ています。その場で直せるものと、別の形に切り替えたほうが早いものがあります。
| 失敗 | その場での直し方 | 切り替える形 |
|---|---|---|
| ねじった毛がほどける | ねじる回数を1回に減らす | 流してピン留め |
| ハーフアップの結び目から毛が抜ける | 束を取る範囲を耳の上だけに狭める | 片側だけのねじり留め |
| 耳かけがすぐ落ちる | こめかみにピンを足す | 耳の前で留める |
| トップが割れる | 分け目をジグザグにする | 分け目を2cm横へ |
| ピンが目立ちすぎる | 毛の内側に差し直す | 髪色に近いピンに替える |
失敗したときに大事なのは、同じ形を何度もやり直さないことです。2回やって成立しなければ、その日の長さや湿気ではその形は届きません。表の右の列の形に切り替えると、朝の時間を守れます。
切り替えた形でも、印象は十分に変わります。ショートヘアは顔まわりの小さな変化がよく見える長さなので、大きな形を作らなくても、ピン1本や分け目の2cmで違いが伝わります。
季節で変わること
同じ長さでも、季節によってアレンジのしやすさは変わります。湿気の多い時期は毛が膨らみ、乾燥する時期は静電気で広がります。 季節ごとに、道具の使い方を少し変えてください。
| 時期 | 起きやすいこと | 工夫 |
|---|---|---|
| 梅雨から夏 | 湿気でうねりが強くなる | バームを少し多めにし、ピンを1本増やす |
| 秋から冬 | 乾燥と静電気で広がる | バームを表面にも薄くのせる |
| 冬の厚着の時期 | 襟やマフラーに毛先が当たる | 襟足を内に入れて留める |
冬に襟の高い服やマフラーを使う日は、襟足が押されて外に跳ねやすくなります。ショートボブなら襟足を小さく結び、ショートなら襟足の内側にピンを2本差して、毛先を首側に入れておくと跳ねません。
手持ちの服と組み合わせるときの決め方
ショートヘアは首と耳がよく見えるので、服の首まわりの形とアレンジの位置が近すぎると、線が重なって詰まって見えます。服を先に決めてから、髪の留め位置を選ぶと迷いません。
| 服の首まわり | 合うアレンジの位置 | 避けたい組み合わせ |
|---|---|---|
| 襟のない丸い首 | 襟足を出す形、耳の上の飾り | 襟足に毛を残して首を隠す |
| 深めのVの首 | 片側だけ耳かけして縦の線を足す | 両側を均等に膨らませる |
| 襟付きのシャツ | 耳の上で留め、襟とは指2本分離す | 襟の高さで結び目を作る |
| 高い首の服 | 結び目を耳の高さより上に置く | 襟足を下ろして襟に当てる |
判断の目安は、髪のいちばん下の線と服の首まわりの線の距離です。指2本分以上離れていれば、それぞれの線がはっきり見えます。近すぎると感じたら、髪の位置を上げるか、耳を出して首まわりの余白を広げてください。
イヤリングを着ける日は、耳を出す形のほうが飾りが生きます。耳を隠す日は、首元に視線が集まるので、ネックレスか服の襟で首まわりに一つ見せ場を作ると釣り合います。
写真のようにならないときに見直すこと
アレンジの手順どおりにしても見本のようにならない場合、原因はたいてい3つのどれかです。見本の髪が自分より長い、毛量が違う、乾かし方が違う。 手順を何度も繰り返す前に、この3つを順に確かめてください。
| 見直す点 | 確かめ方 | 違ったときの対応 |
|---|---|---|
| 長さ | 見本の毛先が耳や襟足のどこにあるか見る | 自分の区分の型に置き換える |
| 毛量 | 束を指で握ったときの太さを比べる | 束を取る幅を広げるか狭める |
| 乾かし方 | 根元が立っているかを見る | 根元から乾かし直す |
見本より毛量が多い人は、ねじる束を細く取ると収まります。少ない人は、束を広めに取り、結び目やねじり目を指で少し引き出してふくらませてください。長さが違う場合は、見本の形をあきらめるのではなく、同じ印象をひとつ短い区分の技で作れないかを考えます。たとえば見本がハーフアップでも、ショートなら両サイドのねじり留めで近い印象になります。
ボブやほかの長さの記事との関係
この記事はショートヘアの3区分を扱っていますが、襟足があごより大きく下まで伸びたら、ボブの型に移る時期です。ボブになると結ぶ形が増え、使える道具も増えます。
| 今の長さ | 次に見る記事 |
|---|---|
| ショートボブを越えてあご下まで | ボブのヘアアレンジを毛先の長さで選ぶ記事 |
| 長さ全体の地図を見たい | ヘアアレンジを髪の長さ4つと時間で選ぶ記事 |
長さが変わったら、もう一度この記事の最初に戻って、耳と襟足の2点を測り直してください。区分が変われば、使える形も変わります。
今日の形を決める3つの問い
最後に、迷ったときに自分に問う順番をまとめます。
- 耳にかかるか、襟足が結べるか。これで区分を決める
- 今日の場面は、仕事・休日・式典・運動のどれか。これで形を選ぶ
- 朝に使える時間は1分・3分・5分のどれか。これで道具の数を決める
この3つに答えると、今日の形はほぼ一つに絞れます。髪質で迷う日は、形を変えずに道具の使い方だけ変えてください。
ショートヘアのアレンジは、できないことが多いのではなく、できることが長さで先に決まっているだけです。自分の区分が分かれば、試す形を間違えずに、朝の時間を短くできます。
よくある問い
- Q. 自分の長さがショートなのかショートボブなのか、どう見分ければいいですか?
- 襟足の毛を首の後ろで指でつまみ、小さいゴムを2周かけてみてください。ゴムから毛先が2cm以上出て、首を左右に振っても抜けなければショートボブの型が使えます。2周目で抜ける、または毛先が出ないならショートの型で選びます。全体の長さの呼び名ではなく、この一回の試しで決めるのがいちばん確実です。
- Q. ベリーショートでもアレンジはできますか?
- できます。ベリーショートでは結ぶ・ねじる形は作れませんが、分け目の位置を変える、バームで毛流れを前か後ろに倒す、耳の上にピンを1本だけ見せる、の3つで印象が変わります。手を動かすのは1分ほどで、道具はバームとピンだけです。
- Q. アレンジしても昼までに崩れてしまいます。
- 崩れる場所を先に確かめてください。耳の上が落ちるならピンの差し方、トップが潰れるならバームの量、襟足が出てくるならゴムの位置が原因です。いちばん多いのはピンを1本で留めている場合で、2本目を逆向きに交差させるだけで保ちが大きく変わります。
- Q. 伸ばしかけの時期は、どの型を選べばいいですか?
- 伸ばしかけは部位によって長さの区分がずれます。前髪はショートボブの長さなのに襟足はまだショート、ということがよく起きます。その場合は、部位ごとに短いほうの型を当てはめ、前髪だけ長いほうの技を使ってください。全体を一つの区分で決めないことが、この時期を楽にします。
— メグラシ編集部





