ショートのヘアアレンジ|指でつまんで折り返せるcmが、その日できる形を決める

ショートのアレンジは「長さ」ではなく、折り返せるcmで決まる
ショートだからアレンジができない、という話にはほとんど根拠がありません。できないのは、留めたい場所の毛が折り返せる長さに届いていないときだけです。
そして折り返せるかどうかは、鏡の前で3秒で分かります。留めたい毛束をつまんで、根元側へ倒す。指から出ている毛先が3cmあれば留まり、なければ戻ります。
だからこの記事は、アレンジの手順を並べません。あなたの数字を入れて、今日その形が成立するかを判定するための記事です。
測るのは5つ。所要3分
指の幅で換算します。人差し指の幅がおよそ1.5cm、3本そろえた幅がおよそ4.5cm。これだけ覚えてください。
①|つまんで折り返したときに出るcm
留めたい場所の毛束を、親指と人差し指でつまみます。つまんだまま根元の方向へ倒し、指から先に出ている毛先が何cmかを見ます。
- 3cm未満:折り返しの輪ができません。ピン1本では戻ります
- 3〜5cm:小さいピン1本で保ちます
- 5cm以上:一度ねじってから留められます
ショートで最初に見るのはここです。全体の長さではなく、留めたい一点の保持できるcmです。
②|トップの到達点
つむじの毛をひとつまみして、前へ倒します。毛先がどこで終わるかを見てください。
- 眉より上:倒れる先がないので、高さは作れません
- 眉から目の高さ:分け目を動かせば根元の向きが変わります
- 目より下:前髪側へ回して斜めの線にできます
③|耳の上端から毛先までの距離
サイドの毛を耳にかけた状態で、耳の上端から毛先までを測ります。0〜2cmなら耳のふちに乗るだけで落ちます。3〜5cmで耳の後ろに収まり、6cm以上だとかけた毛が首に触れます。
④|生え際の毛が倒れる向き
前髪の生え際を濡らして手ぐしで乾かし、手を離してから5秒後に戻る向きを見ます。右へ倒れる、左へ倒れる、立ち上がる、の3つです。分け目を作れる側は、倒れる向きと逆側です。
⑤|えりあしの終点
うなじの生え際から毛先まで。指1本(1.5cm)以内なら首が全部出ます。指3本(4.5cm)以上あると、後ろの襟に触れます。
| 測る数字 | 目安の境目 | 決まること |
|---|---|---|
| ①折り返しのcm | 3cm未満/3〜5cm/5cm以上 | 留める形が成立するか |
| ②トップの到達点 | 眉より上か下か | 高さを足せるか |
| ③耳の上端から毛先 | 0〜2cm/3〜5cm/6cm以上 | 耳かけが保つか |
| ④5秒後に倒れる向き | 右/左/立つ | 分け目を作れる側 |
| ⑤えりあしの終点 | 指1本以内/指3本以上 | 後ろの襟と触れるか |
ボブの判定と、ここが入れ替わる
同じ短い髪でも、見る数字が入れ替わります。
ボブで問題になるのは結んだときに毛先が何cm飛び出すか、つまり余りがどこへ落ちるかでした。詳しくはボブのヘアアレンジにあります。
ショートは結ぶ前提がありません。代わりに問われるのは、その一点が保持できる長さに届いているかです。余りの話から、足りるかの話に変わります。だから測る場所も、束全体ではなく留めたい一点になります。
襟とイヤリング|ショートだけは首元が全部見える
ショートの日は、首も耳も隠れません。首元にある線を、髪が1本も覆わないということです。ここがロングとの最大の差になります。
見るのは2つの距離です。
1つめ、髪のいちばん下の点と、襟のいちばん高い点が2cm以上離れているか。 2cm未満だと、髪の終点と襟の線が1本に潰れます。
2つめ、イヤリングの下端と、サイドの毛先の終点が2cm以上離れているか。 ショートは毛先が耳のすぐそばで終わるので、この2つが並びやすく、並ぶと小物が髪の一部として読まれます。
| 襟 | 首元に出ている縦 | ショートで置くもの |
|---|---|---|
| ハイネック・タートル | 指1本(1.5cm)以下 | えりあしを触らせない。イヤリングは縦2cm以内 |
| クルーネック(丸首) | 指2〜3本(3〜4.5cm) | 耳を片側出す。縦の長いイヤリングが効く |
| Vネック・スキッパー | 指5本(8cm)以上 | 縦が空いている。トップに高さを足せる |
| シャツ襟・開襟 | 折り返しが横線になる | 折り返しより2cm上で毛先を終わらせる |
| ボートネック | 横に広い線が1本 | 髪で2本目を足さない。耳は両側出す |
| スタンドカラー | 指2本(3cm)前後 | えりあしを襟の中に入れない |
服の側から首元を整理したい場合はネックラインの種類12種が対になります。
判定①|ピンで留める形が成立する条件
条件は①の値ひとつです。3cm未満なら成立しません。3cm以上あるなら、次は向きを決めます。
ピンは毛流と直角に入れる。 ④で見た倒れる向きに対して90度で交差させると、毛束が動こうとする方向を横切ります。同じ向きに沿わせて入れると、毛が滑って抜けます。
留める位置は、耳の上端を0として上下で意味が変わります。
- 0から2cm上:横の量が減り、輪郭が縦に伸びます
- 0から2cm下:頬の横に量が残り、横に効きます
- 耳の後ろ:正面からは見えず、後ろの形だけが変わります
判定②|ねじる・後ろへ流すが成立する条件
ねじるには①が5cm以上必要です。5cm未満でねじると、ねじった輪が毛先より長くなって解けます。
3cm未満で留められない日は、ねじらずに流すほうへ切り替えます。流すのは形ではなく方向の話なので、長さは要りません。耳の前から斜め後ろへ倒し、毛先を頬骨の高さで終わらせる。ここで終わらせると横に効き、あご先の高さまで下ろすと縦に効きます。
判定③|トップに高さを作るが成立する条件
②が眉より上で終わるなら、この日は高さを足せません。押さえて艶を出す側に振るほうが結果が揃います。
眉から目の高さまで届くなら、分け目を今の位置から1.5cm横へずらすだけで根元の向きが変わり、そこに高さが出ます。ずらす側は④で見た倒れる向きの逆です。倒れる向きへずらすと、毛はそのまま寝ます。
置く高さの上限もあります。足す高さは、額の縦(生え際から眉まで)の半分まで。 それを超えると、頭の上に足した分がそのまま顔の縦に足されます。輪郭の縦横比が気になる場合は顔の形診断で先に自分の比を出してください。
判定④|耳かけ・片側流しが成立する条件
③の値で決まります。0〜2cmはかけても落ちるので、かけない側の判断へ。3〜5cmは両側でも片側でも成立します。6cm以上は片側だけにしてください。
片側にするか両側にするかは、その日の襟で決めます。ボートネックのように肩の上に横の線がある日に両側かけると、耳の下に落ちた量と肩の線が平行に並びます。この日は片側だけにして、かけない側で斜めの線を作ります。
判定⑤|ヘアアクセサリーを足す位置
ショートは面積が小さいので、小物の位置がそのまま結果になります。置ける場所は3つです。
- 耳の上端から2cm上:正面から見える。輪郭の外側の線が1本増えます
- 耳の後ろ:正面から見えない。後ろ姿だけが変わります
- えりあしの上:⑤が指3本以上のときだけ。指1本以内だと留める毛がありません
イヤリングと同時に着ける日は、縦の合計で考えます。髪に足した小物の下端からイヤリングの下端までが3cm以内だと、2つが1つの塊に読まれます。小物同士の関係は顔タイプ別のアクセサリーの整理も合わせて見てください。
どちらとも取れるとき①|「留めたのに30分で落ちてくる」
原因が3つあり、対処が互いに逆向きなので先に切り分けます。
(a) 留めた直後から少しずつ下がる場合 ①の長さが足りていません。折り返しの輪ができていないので、毛の弾力がそのまま押し戻しています。対処は、留める位置を1cm根元側へ移すこと。同じ毛束でも根元寄りで留めれば、指から出る長さが増えます。ピンの本数を増やしても戻ります。
(b) 30分ほど保ってから、急に落ちる場合 向きの問題です。ピンが毛流と同じ向きに入っています。対処は、同じ位置のまま角度を90度変えること。長さは足りているので、本数も位置も変えません。
(c) 片側だけ落ちる場合 ④の毛流が左右で違っています。倒れる向きと逆側に留めているほうだけが保ち、順方向の側が抜けます。対処は、抜ける側だけピンを2本にして、2本を交差させること。左右で同じ留め方にする必要はありません。
切り分けは3回で済みます。1回目は位置を根元へ、2回目は角度を90度、3回目は抜ける側だけ交差。効いた回の操作が原因です。
どちらとも取れるとき②|「やったのに何もしていないように見える」
ショートでいちばん多い相談です。原因は腕前ではなく、動かした数字が1つだけであることがほとんどです。
判定には正面の写真を2枚使います。アレンジ前と後を並べ、髪の輪郭の外側でいちばん張り出している点が、横に何cm、上に何cm動いたかを見てください。
どちらも1cm未満の場合 表面だけが動いています。ショートで輪郭が変わるのは、分け目の位置・耳を出すか・トップの高さの3つで、1つだけでは元の形が残ります。対処は2つを同時に動かすこと。分け目を1.5cm横へ、かつ耳を片側出す。これで輪郭の外側の点が動きます。
横だけ1cm以上動いている場合 量の位置は変わっていますが、縦が変わっていません。②が眉より上なら高さは足せないので、代わりにえりあしを1cm見せて、下側に余白を作ります。
上だけ動いている場合 高さは出ていますが、横がそのままです。頭頂だけが上がると、輪郭は縦長に伸びます。耳を片側出して、横の張り出しを1cm内側へ入れてください。
どちらとも取れるとき③|つまめる長さが3cm前後の日
①が2.5cmから3.5cmの帯にいると、日によって留まったり戻ったりします。ここがショートで最も判断の割れる場所です。
この帯にいるときは、留める・留めないの二択から降りて、「押さえる」を選ぶほうが安定します。ピンで折り返さず、毛束を寝かせた状態のまま、根元から2cmの位置を1本のピンで頭皮に沿わせて押さえる。折り返しがないので長さは要りません。
同じ帯でも、髪が細く柔らかい側なら3cmでも留まり、太く張りがある側なら4cmでも戻ります。判定は毎朝やり直してください。 湿度が高い日は毛の張りが変わるので、昨日の結果は使えません。
今日の1回で決める手順
順番はこれで固定です。
- 服を先に決める。 襟の高さと、イヤリングの縦を見る
- 留めたい場所の毛をつまんで折り返し、指から出るcmを数える
- つむじの毛を前に倒し、眉に届くかを見る
- 耳の上端から毛先までを測り、耳かけの可否を決める
- 生え際を5秒観察して、分け目を作れる側を決める
- 髪の終点と襟の線、イヤリングの下端の3つが2cm以上離れているかを確認する
美容室で相談するときも、この言い方が通ります。長さの希望より、「耳の上端から3cmのところで留められる長さを残したい」と保持できるcmで伝えるほうが結果が揃います。髪型そのものを3つの軸で決めたい場合は髪型を3軸で決めるに手順があります。
よくある誤解
- ショートはアレンジができない:留めたい一点が3cmあるかどうかの話で、全体の長さの話ではありません
- ピンは本数を増やせば保つ:折り返しがない状態で増やしても、同じだけ戻ります
- トップは押さえれば潰れない:倒れる先が足りていないなら、押さえ方では変わりません
- 耳は出したほうがすっきりする:0〜2cmの帯では、出しても落ちてきて中途半端に残ります
- 分け目は似合う位置が決まっている:5秒後に倒れる向きで、作れる側が変わります
- 小物を足せば華やかになる:イヤリングと毛先が2cm以内で並ぶと、逆に線が1本に潰れます
- アレンジは髪の話:ショートは首と耳が全部出るので、半分は襟と小物の話です
まとめ
ショートで効いていたのは、長さの呼び名ではなく保持できるcmでした。
- 留める形が成立するのは、つまんで折り返して3cm以上出るとき
- ねじれるのは5cm以上。3cm未満の日は、留めずに流す側へ降りる
- トップの高さは、つむじの毛が眉に届くかどうかの一点で決まる
- 耳かけは3〜5cmで保ち、0〜2cmでは落ちる。6cm以上は片側だけ
- 首元では、髪の終点・襟の線・イヤリングの下端を2cm以上離す
- 「何もしていないように見える」ときは、動かした数字が1つしかない
測るのは5つ、確かめるのは首元の距離2つ。朝の3分で、その日成立する形が決まります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. ショートでピン留めのアレンジが成立するか、どう判定すればいいですか?
- 留めたい場所の毛束を親指と人差し指でつまみ、根元側へ折り返してください。指から先に出ている毛先の長さが判定の値です。3cm未満なら折り返しの輪が作れないので、ピン1本では戻ります。この日は留めるのをやめて、耳の後ろへ流す形に切り替えてください。3〜5cmなら小さいピンを毛流と直角に1本、5cm以上あれば一度ねじってから留められます。長さの呼び名ではなく、この折り返しのcmだけを見れば判定できます。
- Q. トップをふんわりさせたいのに、すぐ潰れます。
- 高さを足せる長さがあるかを先に測ってください。つむじの毛をひとつまみして前へ倒し、毛先が眉に届くかを見ます。眉より上で終わるなら、根元を起こしても倒れる先がないので、この長さでは高さは作れません。眉から目の高さの間なら、分け目を1.5cmずらすだけで根元の向きが変わり、高さが出ます。目より下まで届くなら、前髪側へ回して斜めの線を作るほうが安定します。潰れるのは押さえ方の問題ではなく、倒れる先が足りているかどうかの問題です。
- Q. 耳にかけてもすぐ落ちてきます。かけないほうがいいですか?
- 耳の上端から毛先までの距離で決まります。0〜2cmだと耳のふちに乗るだけなので、まばたきや振り向きで落ちます。この場合はかけるのをやめ、耳の前で斜め後ろへ流して、毛先を頬骨の高さで終わらせてください。3〜5cmなら耳の後ろに収まり、そのまま保ちます。6cm以上あるとかけた毛が首に触れるので、片側だけにして、かけない側で斜めの線を作るほうがまとまります。
- Q. アレンジしたのに、何もしていないように見えます。
- 動かした数字が1つだけの可能性が高いです。ショートで結果が変わるのは、分け目の位置、耳を出すか出さないか、トップの高さの3つで、どれか1つだけを動かすと元の輪郭がそのまま残ります。判定は正面の写真を2枚並べて、髪の輪郭の外側の点が横に何cm、上に何cm動いたかを見ることです。どちらも1cm未満なら、動かしたのは表面だけです。分け目を1.5cm横へ、耳を片側出す。この2つを同時にすると、輪郭が変わります。
- Q. 同じアレンジなのに、日によって決まらないのはなぜですか?
- 襟とイヤリングが変わっているためです。ショートは首と耳が完全に出るので、首元にある線を髪が隠しません。判定は2つで、髪のいちばん下の点と襟のいちばん高い点が2cm以上離れているか、そしてイヤリングの下端と毛先の終点が2cm以上離れているかです。どちらかが2cm未満だと、髪と小物が1本の線に読まれて、アレンジの形が消えます。髪を変える前に、イヤリングを縦の短いものに替えるほうが速く戻せます。
— メグラシ編集部




