ニットの保管方法|着る季節の置き方で、伸び・肩の角・潰れを直す

**いま、クローゼットの中のニットはどこにありますか。**ハンガー、棚、引き出し、椅子の背。置き場が2か所以上に分かれているなら、崩れている1枚はたぶん、そのうちの1か所に集まっています。
10月から3月まで、ニットは毎日のように出し入れされます。春にしまい込むときとは違って、この時期の失敗はほとんどが置き方から起きます。吊るして丈が伸びる、肩にハンガーの角が出る、重ねた下の1枚が潰れる。どれも、置き場を1つ替えれば止まります。
春にしまう側の手順、防虫剤や洗ってから仕舞う流れは衣類の防虫剤とニット・ウールの保管にまとめてあります。この記事は、着ている季節のあいだの置き場の話です。
結論|着る季節の失敗は、4つの置き方から起きる
最初に、いま起きている失敗を下の表で探してください。失敗の名前から、原因になっている置き方がわかります。
| 起きている失敗 | 原因の置き方 | 最初に確かめること | 直し方の方向 |
|---|---|---|---|
| 着丈や袖が伸びた | 吊るす | 重さが400gを超えているか | 畳む側に移す |
| 肩に角が出た | 吊るす | ハンガーの先が肩線より外に出ているか | 肩幅に合うハンガーか、二つ折り掛け |
| 首まわりが横に広がった | 吊るす・脱ぎ方 | ハンガーを首から入れていないか | 裾から入れる、脱ぐ手順を替える |
| 下の1枚が平たく潰れた | 重ねる | 4枚以上重ねていないか | 3枚までにする、立てる |
| ケーブルや畝が寝た | 重ねる | 重いものが上に載っていないか | 重い順に下から |
| 背中に横線が入った | 掛ける | 椅子の背に掛けていないか | 平らな場所で休ませる |
| 胸や腹に折り線が残る | 畳む | 毎回同じ位置で畳んでいないか | 折る位置をずらす |
| においがこもる | しまう時機 | 脱いで1時間以内に戻していないか | 半日休ませてから戻す |
| 毛玉が急に増えた | 詰め込み | 隣の服と擦れ合っていないか | 間をあける、素材で隣を選ぶ |
| 他の服に毛が付く | 並べ方 | 毛足の長いものが暗い色の隣か | 毛足の長いものを端にまとめる |
**上から3行は「吊るす」、次の2行は「重ねる」の失敗です。**原因の置き方が同じものは、一度に直せます。
春の保管と、着る季節の置き方は何が違うか
春にしまうときは、半年動かさない前提で、汚れを落として、虫と湿気を防ぐことが中心になります。着る季節は逆で、毎日取り出して、毎晩戻します。動かす回数が多いので、崩れる原因も違います。
| 比べる点 | 春にしまうとき | 着る季節(10〜3月) |
|---|---|---|
| 動かす回数 | 半年に1回 | 週に数回から毎日 |
| 主な敵 | 虫・湿気・黄ばみ | 重さ・擦れ・置きっぱなしの湿気 |
| 置く前に洗うか | 洗ってから仕舞う | 着るたびには洗わない |
| 置き場 | 衣装ケース・圧縮しない袋 | ハンガー・棚・引き出し・椅子 |
| 崩れ方 | 折り線・におい・虫食い | 伸び・角・潰れ・毛玉 |
| 直すタイミング | 秋に出したとき | 気づいたその晩 |
着る季節の崩れは、1回では目に見えません。同じ置き方を2〜3週間続けたころに、ある朝気づきます。だから原因の置き方を探すときは、その日ではなくここ数週間の置き方を思い出してください。
吊るすか畳むかは、重さで決める
吊るすか畳むかで迷うとき、いちばん確かなのは重さです。ニットは自分の重さで下へ引っ張られます。重いほど、吊るしたときに肩と丈が動きます。
量り方は簡単です。台所のはかりにボウルを載せて目盛りを0にし、ニットを丸めて入れます。デジタルのはかりなら、1g単位で出ます。
| 重さ(台所のはかり) | 吊るしてよいか | 置き方の目安 |
|---|---|---|
| 250g未満 | 吊るしてよい | 肩幅に合うハンガーで数日まで |
| 250〜400g | 条件つき | 二つ折り掛けなら吊るせる |
| 400〜600g | 吊るさない | 畳んで棚か引き出し |
| 600g以上 | 吊るさない | 畳んで、いちばん下に置く |
| 目の粗い編み(指が入る) | 重さにかかわらず吊るさない | 畳む |
| 肩に縫い目がない編み方 | 重さにかかわらず吊るさない | 畳む |
**400gが分かれ目です。**ただし、目の粗いものと、肩に縫い目のないものは、軽くても伸びます。縫い目は肩の先を指でなぞるとわかります。前身頃と後ろ身頃をつなぐ線がなく、袖まで一続きに編まれているものは、吊るすと肩が落ちていきます。
量る前の目安|手に持った感じを4つに分ける
はかりが手元にないときは、片手で持ち上げた感じで分けても大きくは外れません。
| 手に持った感じ | おおよその重さ | よくある形 |
|---|---|---|
| 指先でつまんで持てる | 250g未満 | 薄手のハイゲージ・カーディガン |
| 片手で軽く持てる | 250〜400g | 中厚手のクルーネック |
| 片手だと手首に重さがくる | 400〜600g | ケーブル編み・タートルネック |
| 両手で持ちたくなる | 600g以上 | ローゲージの厚手・ロング丈 |
迷う1枚は、重いほうの扱いにしてください。吊るして伸びたものは戻しにくく、畳んで付いた折り線は戻しやすいからです。
手に持った感じは、その日の手の疲れ方や、直前に何を持っていたかでも変わります。家にあるニットのうち、いちばん重そうな1枚といちばん軽そうな1枚だけでも一度はかりに載せておくと、ほかの1枚を手に取ったときに、その2枚のあいだのどこに入るかで見当がつくようになります。
素材で、伸びやすさが変わる
同じ重さでも、糸の素材によって吊るしたときの伸び方が違います。羊毛は伸びても戻ろうとする力が強く、綿や麻は一度伸びると戻りにくい素材です。
| 素材 | 吊るしたときの伸び | 戻りやすさ | 置き方の目安 |
|---|---|---|---|
| 羊毛(ウール) | 中くらい | 戻りやすい | 重さの表のとおり |
| カシミヤ | 伸びやすい | 中くらい | 軽くても畳む側に寄せる |
| モヘア・アンゴラ | 伸びやすい | 戻りにくい | 畳んで一番上に置く |
| 綿のニット | 伸びやすい | 戻りにくい | 250g以上は畳む |
| アクリル・ポリエステル | 伸びにくい | 熱に弱い | 吊るしてよいが、スチームは控えめに |
| 混紡(ウールと化繊) | 中くらい | 中くらい | 割合の多いほうに合わせる |
**綿のニットは、軽くても伸びたまま戻らないことが多い素材です。**春先や秋口に着る綿の薄手ニットを、ウールと同じ感覚で吊るしておくと、袖と裾から先に伸びていきます。素材は首の後ろか脇の縫い目にある表示で確かめられます。
化繊の割合が多いニットは、吊るしても伸びにくい一方、熱で表面がテカりやすいので、跡を戻すときのスチームは短めにしてください。
カーディガンは、ボタンを留めてから置く
前の開いたカーディガンは、プルオーバーと同じ置き方をしても崩れ方が違います。前立ての両側が別々に動くので、吊るすと前が左右に開いて、首から胸にかけて形が流れていきます。
| 置き方 | ボタンを開けたまま | ボタンを留めて |
|---|---|---|
| 吊るす | 前立てが外へ開き、首が広がる | 前が閉じた形のまま保てる |
| 畳む | 前立てがずれて、畳むたびに形が変わる | 毎回同じ形に畳める |
| 二つ折り掛け | 前身頃が片側に落ちる | 左右がそろって掛かる |
| 椅子の背 | 前が開いた形で背中に線 | どちらでも避ける |
**ボタンは全部でなくても、上から2つと一番下を留めれば十分です。**それだけで前立ての位置が決まり、吊るしても畳んでも左右がずれにくくなります。ファスナーのものは、閉めてから置いてください。開いた金具は隣の服の表面を引っかけます。
失敗①|吊るして、着丈と袖が伸びた
ハンガーに掛けたまま1〜2週間置くと、重いニットは肩から下へ少しずつ伸びます。伸びるのは、裾と袖口、それから脇の下です。着たときに袖が手の甲にかかるようになった、裾がお尻の下まで来るようになった、というのが典型です。
伸びたかどうかは、平らな場所に置いて測ると確かです。買ったときのタグや、同じ形のもう1枚があれば、それと比べます。
| 測る場所 | 測り方 | 伸びたと見る差 |
|---|---|---|
| 着丈 | 肩の一番高い所から裾まで | 2cm以上長い |
| 袖丈 | 肩の縫い目から袖口まで | 2cm以上長い |
| 身幅 | 脇の下の端から端まで | 2cm以上狭い |
| 肩幅 | 肩の縫い目から縫い目まで | 1cm以上広い |
**丈が伸びると、身幅が少し狭くなります。**長さだけでなく幅も測ると、吊るしたせいなのか、もともとの形なのかが分かります。戻し方は後半の「すでに付いた跡を戻す」にまとめています。
比べる相手がないときは、左右の袖を並べてみてください。ハンガーに掛けたまま長く置いたニットは、片側の袖が壁やほかの服に寄りかかって、左右で長さが変わっていることがあります。左右で1cm以上違えば、置き方で伸びたと考えてよい目安になります。
失敗②|肩にハンガーの角が出た
肩の先が小さく尖って盛り上がる跡は、ハンガーの先端が肩線より外に出ているときに付きます。ニットの肩幅よりハンガーが広いと、先端がニットを内側から押し上げ、その形のまま編み目が固まります。
| ハンガーの先端の位置 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 肩線より2cm以上外 | 角が出る | 一回り小さいハンガーへ |
| 肩線と同じ〜1cm内 | 跡は出にくい | そのままでよい |
| 肩線より3cm以上内 | 肩が落ちて首が開く | 先の厚いハンガーへ |
| 針金の細いハンガー | 線状の跡が出る | 肩の厚いものか二つ折り掛け |
ニットの肩線は、肩の縫い目です。ハンガーに掛けた状態で縫い目の位置を指で押さえ、ハンガーの先端と比べてください。先端が縫い目の外に飛び出しているなら、それが角の原因です。
二つ折り掛けなら、肩に重さがかからない
400g前後のニットをどうしても吊るしたいときは、ハンガーの横棒に二つ折りで掛ける方法があります。重さが肩ではなく、身頃の真ん中にかかるので、肩も丈も動きません。
- ニットを縦に半分に折り、袖を身頃に重ねる
- 脇の下のあたりに、ハンガーのフックを置く
- 身頃と袖をハンガーの横棒にかけて、両側に垂らす
- 横棒の上で、身頃の端と袖の端がそろうように整える
**横棒が細い針金だと、折り目に線が出ます。**横棒に厚みのあるハンガーか、横棒に薄手のタオルを1回巻いてから掛けてください。
二つ折り掛けは、身頃が横棒の上で滑ると片側へ落ちていきます。表面がつるりとした横棒なら、ゴムの付いたものを選ぶか、掛けたあとに両側の垂れ具合をそろえておくと、朝まで同じ位置に留まります。
失敗③|首まわりが横に広がった
首まわりの広がりは、吊るし方と脱ぎ方の両方から起きます。ハンガーを首の穴から入れると、そのたびに首の編み目が横へ引っ張られます。
| 原因 | 確かめ方 | 替えること |
|---|---|---|
| ハンガーを首から入れている | 掛けるときの手の動き | 裾から入れて肩に当てる |
| 脱ぐときに首を引っぱる | 脱ぐ順番 | 腕を先に抜いてから頭を抜く |
| 濡れたまま吊るした | 洗ったあとの干し方 | 平干しにする |
| 首の細いニットを毎日着る | 着る頻度 | 1日おきにして休ませる |
脱ぐときは、片腕ずつ袖から抜き、最後に首まわりを両手で広げて頭を抜きます。首を片手でつまんで引き上げる脱ぎ方は、1回ごとに少しずつ首を広げます。
失敗④|重ねた下の1枚が潰れた
棚や引き出しで4枚、5枚と重ねていくと、下の1枚は上の重さで平たくなります。ふっくらした編み地ほど、潰れると戻りにくくなります。
| 重ねる枚数 | 下の1枚の状態 | 置き方 |
|---|---|---|
| 1〜2枚 | ほとんど変わらない | そのまま |
| 3枚 | 厚手なら少し平たくなる | 重いものを下に |
| 4枚以上 | 下の1枚が潰れる | 段を分ける、立てる |
| 上に重い1枚がある | 3枚でも潰れる | 重い1枚を一番下へ |
**重ねるのは3枚までにしてください。**それ以上になる段は、2つに分けるか、次の「立てる」に切り替えます。
重ねる順番|重いものを下、目の粗いものを上
3枚以内でも、順番を間違えると潰れます。重ねる順番は、重さと編み地で決めます。
| 置く位置 | 向いているニット | 理由 |
|---|---|---|
| 一番下 | 重い・目が詰まっている | 上の重さを受けても形が変わりにくい |
| 真ん中 | 中厚手・平らな編み | 上下どちらでも崩れにくい |
| 一番上 | 軽い・目が粗い・ケーブル編み | 重さがかからないので凹凸が残る |
| 一番上 | 毛足の長い素材 | 下に置くと毛が寝る |
| 別の段 | 白や淡い色 | 濃い色からの色移りと毛移りを避ける |
ケーブル編みや畝の深い編み地は、凹凸が見どころです。下に置くと、その凹凸から先に寝ていきます。
色の順番も一緒に決めておくと、毎朝の出し入れが楽になります。同じ段に濃い色と淡い色が混ざっていると、淡い色に濃い色の毛が移り、取り出すたびに表面を払う手間が増えます。段ごとに色の濃さをそろえるか、淡い色だけ別の段にまとめてください。
立てて並べると、上から重さがかからない
引き出しの場合は、横に重ねるより立てて並べたほうが潰れません。本棚のように、畳んだニットを縦に差していきます。
| 立てるための条件 | 目安 |
|---|---|
| 畳んだ高さ | 引き出しの深さより2〜3cm低い |
| 畳んだ幅 | 引き出しの幅に何枚入るかで決める |
| 並べる間隔 | 指が1本入るくらい |
| 端の1枚 | 倒れないように、仕切りか箱を添える |
立てると、上から見て何があるか一目でわかります。下の1枚を出すために上を全部どかす必要がなくなるので、出し入れのたびに崩れることも減ります。
失敗⑤|椅子の背に掛けて、背中に横線が入った
帰ってきて脱いだニットを、椅子の背にとりあえず掛ける。翌朝それを着ると、背中の真ん中あたりに横の線が入っています。椅子の背の縁が、ニットを一晩じゅう押していた跡です。
| 掛けた場所 | 付く跡 | 戻りやすさ |
|---|---|---|
| 椅子の背(角のある縁) | 背中に横の線 | スチームで戻ることが多い |
| ドアのフック | 首の後ろに尖り | 尖りが固まると戻りにくい |
| ベッドの柵 | 前身頃に横の線 | 線が浅ければ戻る |
| ソファの背 | ほとんど付かない | 丸い縁なら残りにくい |
一晩でも跡は付きます。**脱いだら、まず平らな場所に広げてください。**ベッドの上、たたんだ布団の上、テーブルにタオルを1枚敷いた上。平らであれば、どこでも構いません。
椅子の背に掛ける癖は、たいてい帰宅してから寝るまでの動線の途中で起きます。玄関から部屋へ入って最初に手が届く場所が椅子なら、そこに薄いタオルを1枚畳んで置いておき、ニットはその上に広げる、と場所ごと決めてしまうと続けやすくなります。置き場を探す手間がなくなると、とりあえず掛ける回数そのものが減ります。
脱いだあと、すぐにしまわない
脱いだばかりのニットには、体温の熱と、うっすらとした湿気が残っています。その状態で引き出しや衣装ケースに戻すと、湿気がこもって、においの原因になります。
| 脱いでからの時間 | ニットの状態 | 置く場所 |
|---|---|---|
| 直後〜1時間 | 温かく、湿気が残る | 平らな場所に広げる |
| 1〜6時間 | 熱は抜け、湿気がまだ少し残る | 広げたまま |
| 6〜12時間 | 湿気とにおいが抜ける | しまってよい |
| 雨の日・汗をかいた日 | 湿気が多い | 12時間以上か、洗う |
半日休ませてから戻すのが目安です。帰宅して脱いだものは、翌朝しまう、と決めておくと迷いません。
休ませる場所は、窓を開けた部屋や、換気扇の回っている部屋の近くだとさらに早く湿気が抜けます。反対に、加湿器のすぐそばや、洗濯物を部屋干ししている同じ部屋では、湿気が抜けきらないまま朝になることがあります。においが気になる日は、裏返して広げると、肌に触れていた面から先に乾きます。
失敗⑥|引き出しで、折り線が消えない
胸の真ん中や、お腹の高さに横の折り線が残るのは、毎回同じ位置で畳んでいるからです。同じ場所で何度も折ると、編み目がその位置で曲がったまま癖になります。
| 折り線の位置 | 原因 | 替える畳み方 |
|---|---|---|
| 胸の真ん中に横線 | 毎回半分に折っている | 折る高さを3cmずつずらす |
| 脇から袖に縦線 | 袖を同じ位置で折り込む | 袖をくるくる巻いて身頃に載せる |
| お腹に横線 | 引き出しに合わせて3つ折り | 2つ折りと交互にする |
| 背中の中央に縦線 | 縦に二つ折りしている | 横に折る形に替える |
**折る位置をずらすか、折らずに巻く。**どちらでも癖は付きにくくなります。袖を巻いて身頃の上に載せると、袖の折り線はほぼ出ません。
折り線が気になるのは、たいてい胸の高さに線が来る畳み方です。上着を羽織ったときに見える位置なので、少しの線でも目に入ります。引き出しの奥行きに合わせて畳み方を決めているなら、奥行きのほうを変えられないか一度見てください。仕切りの位置を2〜3cm動かすだけで、胸の高さで折らずに済むことがあります。
失敗⑦|毛玉が、置いている間に増える
毛玉は着ている間にできるもの、と思われがちですが、詰め込んだ引き出しやハンガーの列の中でも擦れて増えます。特に、表面に凹凸のある服の隣に置いたニットです。
| 隣にあるもの | 擦れ方 | 置き方 |
|---|---|---|
| デニム・ツイードなど凹凸のある生地 | 強い | 間に1枚、平らな服を挟む |
| ファスナー・金具の付いた服 | 引っかけて毛羽立つ | 金具を閉じて裏返す |
| 別のニット | 中くらい | 間を指1本あける |
| 平らなシャツ・ブラウス | 弱い | そのままでよい |
ハンガーの列が詰まっていて、ニットを取り出すたびに両隣と擦れているなら、それだけで毛玉は増えます。取ったあとのケアは毛玉を取るかどうかの見分け方にあります。
失敗⑧|他の服に毛が付く
モヘアやアンゴラのように毛足の長いニットは、置いているだけで細い毛が隣に移ります。黒や紺の服の隣に置くと、翌朝、白い毛が点々と付いています。
| 毛足の長さ | 移りやすさ | 置く場所 |
|---|---|---|
| ほとんどない(ハイゲージ) | 移らない | どこでもよい |
| 短い起毛 | 少し移る | 同じ色味の隣に |
| 長い(指でつまめる) | よく移る | 段の端か、袋に1枚ずつ |
| 長くて淡い色 | よく移り、目立つ | 濃い色の服から離した段に |
毛足の長いものは、段の端にまとめておくと、移る相手が1枚で済みます。目の細かい洗濯ネットに1枚ずつ入れておくのも手です。
すでに付いた跡を戻す|伸び・角・潰れ・折り線
付いてしまった跡も、早いうちなら多くが戻ります。共通するのは、少しの湿気と熱を与えて、平らな場所で形を整えて冷ますことです。必ず洗濯表示を見て、アイロンとスチームが使えるか確かめてから行ってください。
| 跡 | 戻し方 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 肩の角 | スチームを1〜2cm浮かせて当て、手のひらで高さをそろえる | 数秒当てて、冷めるまで5分 |
| 椅子の背の横線 | 線の上にスチームを当て、上下に軽く引いて整える | 数秒当てて、冷めるまで5分 |
| 折り線 | 霧吹きで湿らせ、手のひらで押さえて平干し | 乾くまで半日 |
| 潰れた編み地 | スチームを浮かせて当て、指で凹凸を起こす | 1か所数秒 |
| 袖口・裾の伸び | ぬるま湯に浸して軽く縮め、平干し | 乾くまで1日 |
| 身頃全体の伸び | 自分で戻すのは難しい | 着方を替えるか、相談する |
**アイロンを生地に直接押し付けないでください。**ニットの編み目は押し付けると平たく固まり、テカりが出ることがあります。スチームは浮かせて当て、整えるのは手で行います。袖口や裾の伸びの戻し方は、伸びたニットを戻す方法に詳しく書いています。
直せるものと、着方を替えるもの
戻し方を2回試しても残るものは、編み目の糸そのものが伸びています。そこからは直すのではなく、着方を替える側に回してください。
| 状態 | 判断 | 次にすること |
|---|---|---|
| 角・横線・折り線が2回で消えた | 直った | 置き方を替えて再発を止める |
| 角が2回やっても残る | 戻らない | 肩の当たる位置が変わる上着と合わせる |
| 袖口が伸びて戻らない | 戻らない | 袖を1回折り返して着る |
| 着丈が3cm以上伸びた | 戻らない | 裾をボトムスに入れる着方に回す |
| 首が広がって戻らない | 戻らない | 首の詰まったインナーを下に重ねる |
| 毛足が寝て戻らない | 戻らない | 室内で着る1枚に回す |
着方を替えて着られるものは、まだ手放さなくて構いません。袖を折り返す、裾を入れる、インナーを重ねる。この3つで多くは日常に戻ります。
自分で戻すのが不安な厚手や、気に入っている1枚は、クリーニング店に「吊るした跡を戻したい」「肩の角を整えたい」と具体的に伝えて相談する方法もあります。伝えるときは、跡の位置と、いつごろから付いているかを添えると、仕上げ方を選んでもらいやすくなります。
どちらとも取れるとき①|400g前後で、吊るすか畳むか迷う
はかりの数字が380gや420gのように、境目のすぐそばに出ることがあります。そのときは重さ以外の2つを見て決めます。
| 見るところ | 吊るす側 | 畳む側 |
|---|---|---|
| 編み目 | 詰まっていて指が入らない | 粗くて指が入る |
| 肩の縫い目 | はっきりある | ない、または袖まで一続き |
| 着る頻度 | 週に1回以下 | 週に2回以上 |
**3つのうち2つが畳む側なら、畳んでください。**頻繁に着る1枚は、吊るしたまま何日も置かれることが少ないぶん伸びにくいように思えますが、出し入れのたびに肩に力がかかります。週に2回以上着るなら、畳む側のほうが形は保てます。
どちらとも取れるとき②|引き出しが小さく、3枚では収まらない
引き出しの数が足りず、どうしても4枚以上重ねるしかないこともあります。そのときは、潰れてもいい1枚と、潰したくない1枚を分けます。
- 潰したくない1枚(ケーブル編み・毛足の長いもの・厚手)は、一番上に置く
- 潰れても戻りやすい1枚(平らなハイゲージ・薄手)を下に置く
- 4枚目から下は、週に1回は上下を入れ替える
入れ替えの日を決めておくと、1枚だけがずっと下になることを防げます。日曜の夜に上下を入れ替える、のように、決まった曜日にしておくと続きます。
どちらとも取れるとき③|脱いだあと、休ませる場所がない
一人暮らしの部屋や、家族と共有の部屋では、平らな場所を毎晩空けておけないこともあります。そのときは、平らな場所の代わりに次の順で選んでください。
- 二つ折り掛けしたハンガーを、壁のフックに掛ける
- 肩の厚いハンガーに掛け、首から入れずに裾から通す
- 丸い縁のソファの背に、二つ折りで掛ける
**角のある椅子の背とドアのフックは、最後まで避けてください。**どちらも一晩で跡が付きやすい場所です。どれも難しいなら、半日休ませずに翌朝しまうのでも、すぐしまうよりはずっとよい状態が保てます。
一週間の置き方を、先に決めておく
置き場をその日の気分で決めると、どこかで崩れます。1週間の流れを先に決めておくと、迷う回数が減ります。
| 曜日 | すること |
|---|---|
| 毎晩 | 脱いだニットを平らな場所に広げる |
| 毎朝 | 前の晩に広げたニットを畳んで戻す |
| 着た翌日 | そのニットは休ませ、別の1枚を着る |
| 週の半ば | ハンガーの列を見て、隣と擦れていないか確かめる |
| 週末 | 引き出しの上下を入れ替える |
| 週末 | 肩の角・横線が出ていないか、広げて見る |
| 月に1回 | 重さで置き場を見直す(増えたニットを量る) |
同じニットを2日続けて着ないようにするだけでも、伸びと毛玉はかなり減ります。編み目が元の形に戻るのに、半日から1日かかるからです。
よくある行き違い
ニットの置き方には、よく言われているのに、実際には合っていないこともあります。
| よく聞くこと | 実際のところ |
|---|---|
| ニットは絶対に吊るしてはいけない | 軽い1枚なら吊るしてよい。重さで分ける |
| 畳めば崩れない | 4枚以上重ねると、下の1枚は潰れる |
| 着たらすぐ洗えば形が保てる | 洗う回数が増えるほど、縮みと毛羽立ちの機会も増える |
| 太いハンガーなら何でも大丈夫 | 肩線より外に出れば、太くても角は出る |
| 衣装ケースに入れれば安心 | 脱いだ直後に入れると、湿気がこもる |
| 跡はアイロンで押せば消える | 押し付けるとテカる。スチームは浮かせて当てる |
秋の入り口と、冬の真ん中で置き場を替える
10月と1月では、着るニットの重さが違います。秋の入り口は薄手が中心で、吊るせる1枚が多い時期です。冬の真ん中は厚手が増えて、畳む1枚が多くなります。
| 時期 | 中心になるニット | 置き場の割合 |
|---|---|---|
| 10月 | 薄手・中厚手 | 吊るす5割、畳む5割 |
| 11月 | 中厚手が増える | 吊るす3割、畳む7割 |
| 12〜2月 | 厚手・タートル | 吊るす2割、畳む8割 |
| 3月 | 薄手に戻る | 吊るす4割、畳む6割 |
**11月の初めに一度、置き場を入れ替えてください。**厚手のニットが増えてくるのに、10月の置き方のままだと、吊るされた厚手から先に伸びていきます。ハンガーの掛け替えの手順はクローゼットハンガー|衣替えの日に、冬物の重さと肩幅で掛け替えるにあります。
まとめ
- 着る季節のニットの失敗は、吊るす・重ねる・掛ける・畳むの4つの置き方から起きる
- 吊るすか畳むかは重さで決める。400gを超える1枚と、目の粗いもの、肩に縫い目のないものは畳む
- 重ねるのは3枚まで。重いものを下、目の粗いものと毛足の長いものを上に
- 脱いだら半日、平らな場所で休ませてから戻す。椅子の背とドアのフックは避ける
- 付いた跡は、スチームを浮かせて当て、手で整えて冷ます。2回で残るものは着方を替える
今夜、いちばんよく着ているニットを1枚、台所のはかりに載せてみてください。400gを超えていて、いまハンガーに掛かっているなら、その1枚から畳む側に移します。
関連記事
よくある問い
- Q. ニットはハンガーに掛けてはいけないのですか
- 掛けてよいニットもあります。目安は重さです。台所のはかりで量って、薄手で300g前後までなら、肩の幅に合ったハンガーで数日吊るしても丈はほとんど動きません。400gを超える厚手や、目の粗い手編み風のもの、肩に縫い目のない編み方のものは、吊るすと自分の重さで下へ伸びます。そういう1枚は畳んで棚か引き出しに置いてください。どうしても吊るしたいときは、ハンガーの横棒に二つ折りで掛ける方法なら、肩に重さがかかりません。
- Q. 肩に付いたハンガーの角は、どうすれば消えますか
- 角はたいてい、編み目が押し上げられたまま固まっただけです。洗濯表示でアイロンが使えることを確かめたら、角の部分をアイロンから1〜2cm浮かせてスチームを数秒当て、手のひらで周りの編み目と高さをそろえるように軽く押さえます。そのまま平らな場所で冷めるまで置くと、多くは戻ります。スチームが使えない素材なら、霧吹きで軽く湿らせて同じように押さえ、平干しで乾かしてください。2回やっても残る角は、編み目の糸そのものが伸びているので、肩の当たる位置を変えて着るほうに回します。
- Q. 引き出しが小さくて、ニットを3枚以上重ねてしまいます
- 重ねる枚数を減らすより、立てて並べるほうが早いことがあります。ニットを引き出しの深さに合わせて畳み、本のように縦に差していくと、上から重さがかからないので潰れません。立てるには、畳んだ高さが引き出しの深さより2〜3cm低いことが目安です。どうしても横に重ねるなら、重いものを下、軽くて目の粗いものを上にして、3枚を超えた分は別の段へ分けてください。
- Q. 一度着たニットは、毎回洗わないといけませんか
- 毎回洗う必要はありません。脱いだあとに半日ほど平らな場所で休ませて、湿気とにおいを抜いてから戻せば、数回は続けて着られます。洗う目安は、肌に直接触れて着たか、汗をかいた日があったか、袖口や首に汚れが見えるかの3つです。インナーを1枚挟んで着た日なら、5回前後着てから洗う人が多い素材もあります。洗う回数そのものは、ニットの洗う頻度の決め方を見てください。
— メグラシ編集部





