防虫剤 タンス用|引き出しの深さと服の素材で置き場所と数を分ける

**浅い引き出しなら、服の上に1個置けば足ります。**深さ25cmを超える深い引き出しにぎっしり詰めているなら、上に1個、服の中ほどにもう1個の2か所に分けてください。
タンスの防虫剤が効かない理由は、量よりも置き場所のほうが多いです。防虫剤の成分は空気より重く、上から下へ広がります。浅い段なら上に置くだけで底まで届きますが、深い段に服を詰めると、上から入れた成分が底まで届きません。
もう1つの分かれ目は、入れる服の素材です。虫に食われやすいのはウール・カシミヤ・絹で、綿と化繊だけの段は、汚れを落としてあれば防虫剤を減らせます。冬物を出して入れ替えるいま、段ごとに深さと中身を見ながら決めていきます。クローゼットの数え方は防虫剤 クローゼットに分けてあり、この記事はタンスの引き出しだけを扱います。
結論:深さで置き場所、素材で要るかどうかが決まる
| 段の状態 | 置き場所 | 個数の考え方 |
|---|---|---|
| 浅い段(深さ15cmまで) | 服の上に1か所 | 容積で割った数 |
| 間の深さ(15〜25cm) | 服の上。詰めていれば中ほどにも | 容積で割った数。詰めているなら1個足す |
| 深い段(深さ25cm以上) | 上と中ほどの2か所 | 容積で割った数を2か所に分ける |
| 綿・化繊だけの段 | 汚れが落ちていれば上に1個か、無しでもよい | 減らしてよい |
表は比べる軸を並べただけです。あなたのタンスの段がどこに入るかは、次の測り方で決めてください。
最初に測る|引き出しの内寸と、服の上のすき間
引き出しを1段抜いて、内側の幅・奥行き・深さを測ります。外側ではなく内側です。板の厚みのぶん、外寸より左右で2〜3cmずつ小さくなります。
次に、その段に入れる服を全部入れた状態で、服のいちばん上から引き出しの上の縁までのすき間を測ってください。指を入れてみて、指2本ぶん、およそ3cm以上あれば、防虫剤を上に置くすき間があります。指1本も入らないほど詰まっている段は、防虫剤を置く前に服を減らすか、次の段に移します。
すき間がないまま上に置くと、閉めたときに防虫剤の袋が上の段の底板に押されてつぶれ、中身が片寄ります。
容積から個数を出す|表示の適用量で割る
幅・奥行き・深さを掛けて、容積を出します。たとえば内寸が幅80cm・奥行き40cm・深さ20cmなら、80×40×20で64,000立方センチ、つまり64リットルです。
この数字を、防虫剤の袋に書いてある適用の容積で割り、割り切れなければ切り上げます。袋に「引き出し1段用」とだけ書いてあるものは、標準的な大きさの段を前提にしています。横幅が90cmを超える段や、深さが25cmを超える段は、1段に2個要ることが多いので、袋の細かい字で適用の容積を確かめてください。
浅い引き出し|服の上に1個、服に触れさせない
深さ15cmまでの浅い段は、Tシャツや下着、薄手のニットをたたんで1〜2層に並べる段です。上に1個置けば、底まで成分が届きます。
置くときは、袋が服に直接触れないようにしてください。とくにウールや絹のように表面がやわらかい服は、袋が長く当たった部分に跡が残ることがあります。服の上に紙を1枚敷いて、その上に置きます。新聞紙ではなく、白い紙か薄い不織布にしてください。インクが服に移ることがあります。
浅い段は開け閉めが多いので、置く位置は手前ではなく奥の角にします。開けるたびに手前の空気が入れ替わるので、奥のほうが成分が残ります。
深い引き出し|上と中ほどの2か所に分ける
深さ25cm以上の深い段は、厚手のセーターやスウェットを3層以上重ねる段です。ここに服を詰めると、上に置いた防虫剤の成分が、重なった服に吸われて底まで届きません。
そこで、容積で割った個数を、上と中ほどの2か所に分けます。中ほどの1個は、下から半分くらいまで服を入れたところで、紙に包んで服の間に置き、その上に残りの服を重ねます。最後にいちばん上にもう1個。容積で割った数が1個なら、2個に増やして上下に置いてください。
服を詰めずに、上に3cm以上のすき間を残して入れているなら、深い段でも上の1か所で足ります。成分は服と服のすき間を通って下りていくからです。
間の深さ|詰め具合で決める
深さ15〜25cmの段は、どちらにも転びます。分ける基準は詰め具合です。
服を入れたとき、手のひらを服の山にのせて軽く押し、手を離して服の山が2cm以上戻るなら、まだ空気が通っています。上の1か所で足ります。押してもほとんど戻らないなら、詰まっているので、中ほどにもう1個足してください。
服の素材で分ける|ウール・絹の段と、綿・化繊だけの段
衣類を食べる虫が好むのは、ウール・カシミヤ・アンゴラなどの動物の毛と、絹です。この素材の服を入れる段には、必ず防虫剤を入れてください。
綿・麻・ポリエステルなどだけの段は、事情が違います。虫は綿や化繊そのものはあまり好みませんが、食べこぼしや皮脂の汚れが残っていると、そこを食べて穴があきます。洗ってから入れていて、汚れが落ちきっているなら、防虫剤を減らすか、無しでも構いません。
迷ったら、その段の服をいちばん上から3枚広げて、襟の内側と袖口を見てください。黄ばみや輪じみが見えるなら、汚れが残っている段です。1個だけ上に置きます。
タンスの材で分ける|桐・無垢と、合板・衣装ケース
同じ防虫剤でも、タンスによって効く期間が変わります。分かれ目は、閉めたときにどれだけすき間ができるかです。
| タンス | すき間 | 替えどき |
|---|---|---|
| 桐や無垢の木のタンス | 少ない。閉めると空気が押されて、ほかの段が少し出てくる | 袋に書いてある期間どおり |
| 合板や板を組んだチェスト | 引き出しの周りに数ミリのすき間 | 表示より1〜2か月早め |
| プラスチックの衣装ケース | ふたや引き出しのすき間が大きいものがある | 表示より1〜2か月早め |
自分のタンスがどちらかは、引き出しを1段ゆっくり閉めて見てください。閉めたときに隣の段が少し押し出されるなら、すき間の少ないほうです。何も動かないなら、すき間の多いほうとして扱います。
金具やラメのある服を入れる段
防虫剤の中には、金属のボタンやファスナー、ラメの糸、金や銀のプリントを変色させるものがあります。こうした服を入れる段では、袋の注意書きに金属に使えると書いてあるものを選んでください。
服を移すほうが早いこともあります。金具の多い服を1段にまとめて、その段だけ金属に使える種類にすれば、ほかの段で別の種類を使っていても困りません。ただし、1段の中で種類の違う防虫剤を混ぜるのはやめてください。組み合わせによっては溶けて服にしみが出ます。
どちらとも取れるとき①|深い段なのに中身が少ない
深さ30cmの段に、セーターが3枚だけ。こういう段は、深さで見れば2か所、中身で見れば上1か所で足りそうに見えます。
この場合は容積で個数を数え、置くのは上の1か所にします。成分が効くのは、服の量ではなく閉じた空間の大きさに対してです。服が少なくても空間は大きいので、個数は減らせません。一方、服が少ないぶんすき間が多く、成分は底まで下りるので、中ほどに置く必要はありません。
もし同じタンスの別の段に空きがあるなら、深い段の3枚を浅い段に移すほうが、防虫剤の数も減って済みます。
どちらとも取れるとき②|ウールと綿が同じ段に混ざる
段の数が足りず、ウールのニットと綿のカットソーを同じ段に入れるしかないこともあります。この段は、ウールの段として扱ってください。防虫剤は省けません。
そのうえで、ウールを上、綿を下に重ねます。防虫剤は上に置くので、成分がいちばん濃くかかるのがウールになります。綿を上にすると、ウールの服に届くまでに綿の服が成分を吸ってしまいます。
ウールを上にすると重みで下の綿にしわが寄るのが気になるなら、ウールを薄手のものから順に、2枚までにしてください。
どちらとも取れるとき③|古い桐タンスで、引き出しがすぐ開く
桐のタンスでも、年数がたって木がやせると、すき間が増えます。閉めても隣の段が押し出されなくなっていたら、すき間の多いタンスとして扱い、表示より早めに替えてください。
古いタンスの段が軽く引くだけで開くようになっていたら、それもすき間が増えた目安です。替える時期を早めるだけでなく、冬の間に一度、段の奥の角を見てください。小さな糸くずのような粉や、白っぽい筒状のものが落ちていたら、虫が入っている印です。その段の服を全部出して、表示を確かめたうえで洗えるものは洗い、晴れた日に風に当ててから戻します。
替えどきと、入れた日の残し方
防虫剤には、使い切ると色が変わったり、中身がなくなったことが分かる印が付いているものがあります。印が無いものは、袋に書いてある期間で替えます。
いちばん確かなのは、入れた日を袋に直接書くことです。油性のペンで、入れた日と段の場所を書いておけば、次の衣替えで開けたときに迷いません。マスキングテープに書いて、引き出しの内側の側面に貼っておく方法もあります。
秋に冬物を出したときに入れた防虫剤は、春に冬物をしまうときが替えどきの目安です。春に替えて、また秋に替える。年に2回、衣替えに合わせると忘れません。ニットをしまう側の手順は衣類の防虫剤とニット・ウールの保管にまとめてあります。
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よくある問い
- Q. タンス用の防虫剤は、引き出しの上と下のどちらに置けばいいですか
- 服の上に置いてください。防虫剤の成分は空気より重く、上から下へ広がります。服の下に入れると、下の数センチにしか届きません。深さ25cm以上の深い引き出しで服を詰めている段は、上に1個、服の中ほどにもう1個を、紙に包んで服に直接触れないように入れます。
- Q. 防虫剤は引き出し1段に何個入れればいいですか
- 引き出しの内寸の幅・奥行き・深さを掛けて容積を出し、袋に書いてある適用の容積で割ってください。割り切れないときは切り上げます。表示が引き出し1段あたりになっているものは、標準的な大きさの段を前提にしているので、横幅が広い段や深い段では1段に2個が要ることがあります。
- Q. 綿のTシャツやシャツだけの引き出しにも防虫剤は要りますか
- 洗って汚れを落としてあれば、ウールや絹の段ほどは要りません。衣類を食べる虫が好むのは動物の毛や絹ですが、綿や化繊でも、食べこぼしや皮脂の汚れが残っているとそこを食べます。汚れが落ちきっているか自信がない服が混ざる段なら、1個だけ上に置いてください。
- Q. ウールの服とボタンの多い服を同じ引き出しに入れても大丈夫ですか
- 防虫剤の種類によっては、金属のボタンや飾り、ラメの糸が変色することがあります。金属の付いた服を入れる段は、袋の注意書きで金属に使えると書いてあるものを選んでください。種類の違う防虫剤を同じ段に混ぜると、服にしみが出ることがあるので、1段には1種類にします。
— メグラシ編集部





