洋服の虫食いの原因|穴の位置で、汚れ・しまい場所・期間を見分ける

**穴のあいた服を、いま手元に置いてください。**そして、穴がどこにあるかだけを先に見ます。襟まわりか、袖口か、脇か。胸から腹にかけての一点か。たたんでいたときの折り目の上か。
洋服の虫食いの原因は、穴の場所でおおよそ3つに分かれます。襟や袖口ならしまう前に残っていた汚れ、折り目に沿って並ぶなら動かさなかった期間です。そして、同じ箱の何着にも出ているなら、原因は服ではなく置き場所そのものにあります。原因が違えば、次の季節に直すところも違います。
この記事では、穴の位置から原因を割り出して、次にしまうときに変えるところを1つに絞ります。見つけた穴を直すか、着るか、手放すかは服の虫食いを見つけたら|穴の直径と場所で、直す・着る・手放すを分けるで扱っています。ここでは「なぜそこに穴があいたのか」だけを追います。
結論|穴の位置で、原因は3つに分かれる
穴の位置と、いちばん疑う原因、次に変えるところを並べると、こうなります。
| 穴の位置 | いちばん疑う原因 | 次のしまい方で変えるところ |
|---|---|---|
| 襟の内側・袖口・脇 | 皮脂と汗が残っていた | しまう前の洗い方 |
| 胸から腹の一点・前すそ | 食べこぼし | しまう前の点検の明るさ |
| たたんだ折り目に沿って並ぶ | 長いあいだ動かさなかった | 途中で一度出して風を通す |
| 同じ箱・同じ段の3着以上 | 置き場所に虫が残っている | 箱と段を空にして掃除する |
表は、どこを見ればいいかの軸を示すためのものです。実際には1着に複数の位置の穴があることも多いので、その場合の考え方は後半の「どちらとも取れるとき」で詳しく書きます。
先にひとつだけ。**穴のあいた1着だけを見て判断しないでください。**同じ引き出しや同じ衣装ケースにしまっていた服を、全部出して床に並べます。穴があるのが1着なのか、何着にもあるのかで、疑う相手が服から場所に変わるからです。
虫食いは、しまってある間に起きている
秋の衣替えで穴を見つけると、出したその日に何かが起きたような気がします。けれど、穴があいたのはもっと前です。
衣類を食べる虫は、成虫が服をかじるわけではありません。食べるのは幼虫です。成虫は春から初夏にかけて、窓や網戸のすき間から入ったり、外に干した洗濯物に付いたりして家に入り込み、服やその近くに卵を産みます。かえった幼虫は、暗くて人の手が入らない場所で、夏のあいだ繊維を食べて育ちます。
幼虫がとくに好むのは、毛・カシミヤ・絹・羽毛など、動物から取った繊維です。ただし、ここに汚れが加わると話が変わります。皮脂や汗、食べこぼしが残った場所は、幼虫が先に寄っていく場所になり、綿や化学繊維でも、汚れと一緒にかじられることがあります。
つまり、穴があいた場所には「幼虫がそこに寄っていった理由」が残っています。その理由を読むのが、この記事のやり方です。
手元の服で、先に確かめる3つのこと
原因を割り出す前に、次の3つを紙に書き出してください。記憶で済ませると、あとで2着目、3着目と比べるときにずれます。
1つ目は穴の位置です。襟の縫い目から何cm、袖口から何cm、脇の縫い目から何cmと、いちばん近い縫い目からの距離で書きます。目安として、襟から10cm以内、袖口から8cm以内、脇の縫い目から5cm以内なら、汗と皮脂の帯に入っていると考えます。
2つ目は穴の数と並び方です。1か所に1つか、点々と散っているか、一直線に並んでいるか。一直線なら、その線がたたみ方の折り目と重なるかを、実際にたたみ直して確かめます。
3つ目は穴のまわりの様子です。穴の周辺だけ毛足が薄くなっているか、周りはしっかりしていて小さな丸い穴だけがあいているか。布と同じ色の細かい粒や、茶色っぽい殻のようなものが付いていないか。これは後で、どんな虫だったかを見分けるのに使います。
測るときは、服を平らな台に広げ、縫い目に定規の端を当てて、穴の中心までの距離を読みます。ニットのように伸びる生地は、引っぱらずに置いたままの状態で測ってください。引っぱると、同じ穴でも数cm違って出ます。
穴のある服が2着以上あるなら、書き出した紙を横に並べて見比べます。「どれも襟から10cm以内」「どれも下の段の服」のように、共通するところが出てきたら、それがいちばん強い手がかりです。1着ずつ見ていると、こうした共通点はなかなか見えてきません。
この3つがそろえば、原因はほぼ絞れます。
襟・袖口・脇に集まる穴は、しまう前の汚れ
いちばん多いのがこの位置です。襟の内側、袖口の折り返し、脇の下。どれも肌に直接触れて、汗と皮脂を吸う場所です。
このタイプの穴を見つけたら、しまう前のことを思い出してください。疑う順番は3つです。
まず、洗ってからしまう前に、一度でも袖を通したか。春先に寒の戻りがあって、洗ってしまうつもりだったニットをもう一度だけ着た。そのまま「1回だけだから」とたたんで仕舞った。この1回が、襟と袖口にちょうど幼虫が寄っていく量の皮脂を残します。
次に、汚れが落ちる洗い方だったか。汗の汚れは水に溶ける汚れなので、水を使わない洗い方だけでは落ちきらないことがあります。見た目はきれいでも、襟の内側を鼻に近づけると、かすかなにおいが残っていることがあります。においが残っているなら、汚れも残っています。
最後に、洗ったあと、完全に乾かしてからしまったか。湿り気が残ったまま箱に入れると、汚れが落ちにくくなるうえ、箱の中がこもります。
次にしまうときに変えるのは、このうち当てはまった1つだけです。「一度着た服は、たとえ1回でも洗い直してからしまう」「襟と袖口だけは水を使って洗う」「洗ったあと、丸1日は箱に入れずに吊るしておく」。どれか1つを決めて、来年の春に守ってください。
コートやジャケットのように裏地の付いた服は、表から穴が見えなくても、裏地をめくった襟の裏側や、袖口の折り返しの内側に穴があることがあります。表地に1つ見つけたら、裏側の同じ帯も指でなぞって確かめてください。毛足が薄くなっている場所は、指先に引っかかりがなく、つるっとした感触になります。
もうひとつ、このタイプの穴が出た服は、着た季節の最後のほうに着ていた服であることが多いです。寒さがゆるんで、出番が減っていく時期の1着は、洗うきっかけを逃しやすいからです。手持ちのなかで、いちばん最後まで着ていた2〜3着を思い出すと、次にしまうとき気をつける服がはっきりします。
マフラーやストール、手袋のような小物も同じです。マフラーは首に直接触れる真ん中のあたり、手袋は指先と手のひら側に穴が出やすく、これも汚れの帯に当たります。小物は洗うのを後回しにしやすく、しかも服と同じ箱にまとめて入れることが多いので、小物の汚れが入り口になって、同じ箱の服に広がることもあります。小物に穴があったら、小物だけでなく、同じ箱の服も並べて確かめてください。
胸から腹の一点は、食べこぼしの跡
胸の真ん中から腹にかけて、1か所だけ、あるいは数cm以内に2〜3個かたまって穴がある。この場合は、食べこぼしを疑います。
食べこぼしは、その日のうちには気づかないことが多い汚れです。とくに透明な汁や油は、乾くと見えなくなります。けれど、見えなくなっても繊維には残っていて、幼虫にとってはわかりやすい目印になります。
確かめ方は、穴のまわりを光にかざすことです。窓の明るい光に布を透かすと、汚れが残っていた場所だけ、周りと少し色が違ったり、毛足が寝ていたりします。穴のまわり2〜3cmにその違いがあれば、食べこぼしでほぼ間違いありません。
次にしまうときに変えるのは、点検する場所の明るさです。部屋の照明の下でたたむと、胸元の小さなしみは見えません。しまう前の服は、昼間の窓際で、胸から腹を光に透かして一度見る。これを決まりにしてください。しみが見つかったら、その部分だけ先に落としてから全体を洗います。
外で食事をした日や、膝に子どもを乗せて食べさせた日のように、自分では汚した覚えがない日にも、胸元から腹にかけては細かな汁が飛んでいます。しまう前の最後の数回にそうした日があったなら、目で見て何もなくても、胸から腹だけは部分洗いをしてから全体を洗うと確実です。前すそに穴が出ている場合も同じで、座ったときに膝の上に落ちたものが、前すその裏側に付いていることがあります。
折り目に沿って並ぶ穴は、動かさなかった期間
穴が一直線に、あるいは同じ線の上に点々と並んでいる。たたみ直してみると、その線がちょうど折り目に重なる。この場合は、汚れよりも動かさなかった時間を疑います。
幼虫は、暗くて動かない場所を好みます。たたんだ服の折り目の内側は、布が重なって光が届かず、人が触らないかぎりずっと同じ形のままです。そこに幼虫が入り込むと、折り目に沿って食べ進みます。
確かめるのは、その服を最後に出したのがいつだったかです。目安は3か月です。3か月以上一度も開けなかった引き出しや箱の、しかも下のほうにあった服に、この穴が出やすくなります。
次にしまうときに変えるのは、途中で一度出すことです。夏の真ん中に一度、引き出しを全部開けて、服を1枚ずつ広げて振り、たたみ直す。折り目の位置を前と少しずらしてたたむと、同じ線に負担がかかり続けることも避けられます。
手間に感じるなら、カレンダーに印を1つだけ付けておくのがいちばん確かです。衣替えの日から数えて、ちょうど中間の週末に「引き出しを開ける」と書いておきます。
吊るしてしまっていた服では、折り目の代わりに肩を見てください。ハンガーに掛けたまま何か月も動かさなかった服は、肩の上にほこりが薄く積もり、そこに穴が出ることがあります。肩の縫い目から5cm以内に穴があって、しかも同じ並びに吊るしていた隣の服にも肩の穴があるなら、期間に加えて、上から落ちてくるほこりを疑います。
この場合は、肩まで覆うカバーを掛けるか、途中で一度ハンガーごと取り出して、肩を軽く払ってから戻します。カバーは、すそまで覆う長いものより、肩から胸までを覆う短いもののほうが、中の空気がこもりにくく扱いやすくなります。
1着だけか、何着もか|置き場所を疑う境目
ここまでは、1着の中で穴の位置を読んできました。ここからは、並べた服全体を見ます。
同じ箱、同じ引き出し、同じ段にしまっていた服のうち、3着以上に穴があるなら、原因は服の汚れではなく場所にあると考えます。服ごとの汚れなら、穴は汚れの多い服に偏るはずです。それが、汚れの少ない服にまで出ているなら、その場所に幼虫が長く留まっていたということです。
場所を疑うときは、次の4つを見ます。
箱や引き出しの底と角です。幼虫の抜け殻や、細かい粒がたまっていないか。底に敷いていた紙の下も見てください。
その場所が床からどのくらいの高さかです。いちばん下の段、床に直置きの箱は、ほこりがたまりやすく、ほこりの中の髪の毛や繊維くずも幼虫の食べ物になります。
その場所の詰まり具合です。箱にぎっしり詰めると、空気が動かず、あとで書く防虫剤も行き渡りません。
その場所の入れ物の材質です。段ボール箱は、角や折り返しにすき間ができやすく、紙そのものが湿気を吸います。押し入れの奥の壁際も、空気が動かず湿気がたまりやすい場所です。穴のある服が段ボール箱や壁際に集まっているなら、ふたの閉まるケースに替えるか、壁から手のひら1枚ぶん離して置くだけでも条件が変わります。
場所が原因なら、次にやることは服の処置よりも先に、箱と段を空にして掃除することです。底のほこりを取り、拭いて、乾かしてから戻します。この掃除をせずに服だけ洗い直して戻すと、また同じ場所で同じことが起きます。
穴のまわりに残るもので、どんな虫かを見分ける
最初に書き出した「穴のまわりの様子」を、ここで使います。衣類の虫は大きく2つの系統に分かれ、食べ方が少し違います。どちらだったかがわかると、次に気をつける時期と場所が変わります。
ひとつは、穴のまわりの毛足が広く薄くなっている場合です。表面を削るように食べ進んだ跡で、穴の周辺に布と同じ色の細かい粒が残っていたり、繊維くずを固めた小さな筒のようなものが付いていたりします。この系統の幼虫は、服に貼り付くようにして同じ場所に留まりやすく、同じ1着の中で被害が広がりやすい傾向があります。
もうひとつは、周りはしっかりしていて、小さな丸い穴だけが点々とあいている場合です。近くに、茶色っぽい毛の生えた殻のような抜け殻が落ちていることがあります。この系統の幼虫は動き回るので、1着にとどまらず、同じ箱の別の服にも穴が出やすくなります。成虫は花に集まる性質があり、外に干した洗濯物に付いて家に入ることがあります。
前者なら「1着の汚れ」を、後者なら「置き場所」と「干し方」を、より強く疑ってください。後者で、しかも白っぽい服を外に干すことが多いなら、取り込むときに一度服を振って、表面をざっと払ってから家に入れるだけでも違います。
ただし、見分けがつかないことも多いです。殻も粒も残っていないなら、無理に決めずに、穴の位置と数で判断してかまいません。
どちらとも取れるとき①|襟にも折り目にも穴がある
ここからが、いちばん迷うところです。
襟の内側に1つ、そして折り目の上にも2つ。汚れなのか期間なのか、1着の中で答えが2つ出てしまう。このときは、穴の数が多いほうを主な原因と見ます。
襟に1つ、折り目に3つなら、主な原因は動かさなかった期間です。襟の1つは、汚れが残っていたところに、たまたま折り目沿いに動いていた幼虫が寄ったと考えられます。この場合、次の季節に変えるのは「途中で一度出す」ほうです。
数が同じなら、穴の大きさで決めます。大きい穴のほうが、幼虫が長く留まって食べた場所です。長く留まったのが襟なら汚れ、折り目なら期間です。
それでも決められないときは、両方を変えたくなります。けれど、ここで2つとも変えると、来年の秋に穴が出なかったとき、どちらが効いたのかがわかりません。逆に穴が出たときも、どちらが足りなかったのかがわかりません。
おすすめは、その1着だけ両方を変えて、ほかの服は1つだけ変えることです。迷った1着は洗い直しもして、途中で一度出す。ほかの服は、主な原因と見たほうだけを変える。こうしておくと、来年の結果から次の判断ができます。
迷った1着の結果は、来年の秋に出したとき、紙に書いた穴の位置と見比べてください。新しい穴が襟まわりだけに出ていれば汚れ、折り目だけなら期間への手当てがまだ足りなかったことになります。前の年に書いた紙をそのまま箱の中に入れておくと、見比べるのを忘れません。
どちらとも取れるとき②|洗ってしまったはずの服に穴がある
「この服は確かに洗ってからしまった」。それでも襟や袖口に穴がある。このとき、汚れが原因かどうかで迷います。
まず、本当に「洗ってからしまうまで」に何もなかったかを、もう一度思い出してください。洗ってから1週間ほど部屋に置いていた間に、肌寒い日に羽織らなかったか。洗い上がりを着て試着だけしなかったか。たたむ前に、手やハンドクリームが襟元に触れていなかったか。
これが思い当たらないなら、次に疑うのは干している間です。外に干した服は、成虫が付いたり卵が産みつけられたりする機会があります。洗ってきれいな服でも、卵が付いたまましまえば、中でかえります。
見分けるには、穴の位置が汚れの帯に偏っているかを見ます。襟から10cm以内、袖口から8cm以内に集まっているなら、それでもやはり汚れを疑います。洗い方で落ちきらなかった汚れが残っていた可能性が高いからです。位置に偏りがなく、前や背中にも散っているなら、干している間の卵を疑います。
前者なら、次は襟と袖口だけ先に水で手洗いしてから全体を洗う。後者なら、次はしまう服を外に干したときは、取り込んで振り、表面を軽くブラシで払ってからたたむ。変えるのは、どちらか1つです。
どちらとも取れるとき③|綿や化繊の服に穴がある
ウールでもカシミヤでもない、綿のシャツやポリエステルのブラウスに穴がある。これは虫食いなのか、ほかの理由なのかで迷います。
まず、穴の形を見てください。虫食いの穴は、縁がわずかに毛羽立って、少しいびつな丸になります。一方、何かに引っかけた穴は縁が直線的に裂けていたり、糸が1本だけ切れて引きつれていたりします。洗濯で擦れて薄くなった穴は、穴のまわりの広い範囲が均一に薄くなっています。
虫食いらしい形なら、次はその服の近くに何があったかを見ます。ウールのニットと同じ引き出しに入れていなかったか。綿と毛の混ざった服ではなかったか。混紡なら、表示の素材欄に毛の割合が書いてあります。
さらに、穴の位置が汚れの帯(襟・袖口・脇・胸元)と重なるなら、綿や化繊でも汚れを目当てにかじられたと考えます。この場合の原因は素材ではなく、しまう前の汚れです。
綿や化繊だから大丈夫、と思って洗わずにしまう服ほど、この穴が出やすくなります。素材にかかわらず、肌に触れた服は洗ってからしまう。ここだけ変えれば十分です。
防虫剤を入れていたのに食われたとき
「防虫剤は入れていた」という場合も、原因は穴の位置から絞れます。
防虫剤の成分は空気より重く、置いた場所から下へ広がります。服の下や、箱の底に置くと、上に重ねた服には届きにくくなります。穴があったのが箱の上側の服なら、置き場所が下だったことを疑ってください。次は、服のいちばん上に置きます。吊るす収納なら、吊るした服の肩より上の高さです。
穴が箱の真ん中あたりの服に出ているなら、詰め込みすぎを疑います。箱の8割くらいまでに収めて、手を差し込める余裕を残すと、成分が行き渡ります。
穴が箱の中で偏りなく出ているなら、有効期間が過ぎていたか、開け閉めが多かったことを疑います。期間は商品ごとに表示があるので、入れた日を容器に書いておくと迷いません。毎日のように開ける引き出しは、閉じている時間が短いぶん成分が逃げやすくなります。
もうひとつ、においのある防虫剤を種類違いで混ぜて使っていた場合は、効き方とは別に、服にしみが出ることがあります。においのあるタイプは1つの箱に1種類と決め、においのないタイプとだけ組み合わせてください。
吊るす収納の場合は、カバーの中に効かせるか、扉を閉めたクローゼット全体に効かせるかで、置き方が変わります。カバーの中なら肩の上、扉の中なら吊るした服より上の棚かパイプです。衣装ケースを何段も積んでいるなら、ケースごとに1つずつ入れて、いちばん上の服の上に置きます。上の段に入れたものが、下の段まで届くことはありません。
防虫剤の数や効く範囲を、収納の大きさから出したいときは防虫剤 クローゼット|効く範囲は「閉じた容積」で決まるにまとめています。
次のしまい方は、原因ごとに1つだけ変える
ここまでで、穴の位置から原因が1つ、多くても2つに絞れたはずです。次にしまうときに変えるところを、原因ごとにまとめます。
汚れが原因なら、変えるのはしまう前の洗い方です。「一度着たら洗い直す」「襟と袖口は水で洗う」「洗ったあと丸1日吊るす」のうち、当てはまった1つ。
食べこぼしが原因なら、変えるのは点検の明るさです。昼の窓際で、胸から腹を光に透かして見る。
期間が原因なら、変えるのは途中で一度出すことです。しまってから中間の週末に引き出しを開け、1枚ずつ広げて振る。
場所が原因なら、変えるのは箱と段の掃除です。服を戻す前に底と角のほこりを取って、乾かしてから戻す。
防虫剤が原因なら、変えるのは置く高さ、詰める量、入れた日の記録のうち当てはまる1つです。
1つに絞るのは、手間を減らすためだけではありません。来年の秋にまた服を出したとき、穴が出なければ「これが効いた」、出たら「これだけでは足りなかった」と、はっきり次の判断ができるからです。毎年いろいろ変えていると、何年たっても原因がわからないままになります。
ウールのニットを長く仕舞う手順そのものは衣類の防虫剤とニット・ウールの保管に書いています。
秋のいま、出した服と戻す服でやること
衣替えのいまは、夏物をしまい、冬物を出す時期です。穴の原因がわかったら、その場でできることが2つあります。
ひとつは、いまから仕舞う夏物に、さっそく変えたことを使うことです。夏物は綿や麻が多く、ウールほど食べられませんが、汗をいちばん多く吸った服でもあります。襟や脇に汚れを残したまま仕舞えば、同じ箱に冬物を戻したときに、そこが入り口になります。夏物こそ、洗い直してから仕舞ってください。
出した冬物は、穴のあった服もなかった服も、一度ぜんぶ広げて振り、明るい場所で半日ほど吊るしてからクローゼットに移します。しまっていた間に付いた卵や幼虫がいても、広げて振ることで落ち、光と風に当てることで服の中に留まりにくくなります。穴のあった服は、ほかの服と分けて、直すか手放すかを決めるまで袋に入れておくと、ほかの服に移る心配がありません。
もうひとつは、出した冬物を着ている間も、クローゼットに戻すときの決まりを作ることです。冬のあいだ、着た服をそのままクローゼットに戻すと、汚れの付いた服が毎日増えていきます。冬は成虫が活発に飛ぶ季節ではありませんが、暖房の効いた部屋では幼虫が動けることがあります。着た日の夜は、椅子の背などに一晩掛けて湿気を飛ばし、軽くブラシをかけてから戻すと、汚れが残りにくくなります。
ブラシは、毛足に沿って上から下へ、軽く払うだけで十分です。ほこりと一緒に、付いていたかもしれない卵も落ちます。
クリーニングから戻った服を、薄いビニールの袋に入れたまましまうのも避けてください。袋の中は湿気がこもりやすく、袋の口から入った幼虫にとっては、誰にも触られない暗い場所になります。戻ってきたら袋から出して半日ほど吊るし、乾いた状態で通気のいいカバーに替えてからしまいます。前の季節に袋のまましまった服に穴があったなら、それも原因の候補に加えてください。毛玉の取り方を含めた冬のニットの手入れはけだまを簡単に取る方法も参考にしてください。
穴を見つけたほかの服へ広がっていないかの確かめ方、直すか手放すかの判断は、最初に挙げた服の虫食いを見つけたらの記事に戻って進めてください。
まとめ
洋服の虫食いは、出した日ではなく、しまっていた間に起きています。穴の場所には、幼虫がそこに寄っていった理由が残っています。
- 襟・袖口・脇に集まる穴は、しまう前の汚れ。襟から10cm、袖口から8cm、脇から5cmの帯を見る
- 胸から腹の一点は、食べこぼし。光に透かして、穴のまわり2〜3cmの色と毛足を見る
- 折り目に沿って並ぶ穴は、3か月以上動かさなかった期間
- 同じ箱・同じ段の3着以上に穴があれば、服ではなく置き場所
- 防虫剤を入れていたなら、穴が箱の上か、真ん中か、全体かで、置く高さ・詰める量・期間を絞る
迷ったときは、穴の数が多いほう、大きいほうを主な原因と見ます。そして、次にしまうときに変えるのは1つだけ。来年の秋、同じ服を出したときに穴がなければ、それが答えです。
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よくある問い
- Q. 洋服の虫食いは、いつ起きているのですか
- 多くはしまってある間、春から夏にかけてです。成虫が家に入り込むのは春から初夏で、服に産みつけられた卵からかえった幼虫が、暗く動かない場所で夏のあいだに繊維を食べます。秋の衣替えで穴に気づくのはそのためで、穴があいたのは出した日ではありません。
- Q. 洗ってからしまったのに、穴があきました。なぜですか
- 3つを確かめてください。洗ったあとに一度でも袖を通してからしまわなかったか。汗の汚れが落ちにくい洗い方だけで済ませていなかったか。外に干しているあいだに成虫が付いていなかったか。穴が襟や袖口にあれば前の2つ、場所に偏りがなければ3つ目を疑います。
- Q. 綿やポリエステルの服にも虫食いはありますか
- 毛や絹ほど多くはありませんが、食べこぼしや皮脂が残った場所、ウールとの混紡の服はかじられることがあります。穴の位置が汚れの付きやすい場所と重なるかどうかを見てください。重なるなら、素材よりもしまう前の汚れが原因です。
- Q. 防虫剤を入れていたのに食われたのはなぜですか
- 防虫剤の成分は空気より重く下へ広がるので、服の下に置くと上の服に届きません。ほかに、表示の期間が過ぎていた、容器に服を詰め込みすぎて行き渡らなかった、開け閉めが多く成分が逃げていた、が考えられます。穴があった服が箱の上側か下側かで、どれかを絞れます。
— メグラシ編集部





