服の虫食いを見つけたら|穴の直径と場所で、直す・着る・手放すを分ける

**いま、穴を見つけたその服を、窓の光にかざしてみてください。**光が点のように抜けて見える場所はいくつありますか。そして、いちばん大きな点は、ボールペンの先より小さいですか、大きいですか。
服の虫食いを見つけたときに決めることは、3つしかありません。**本当に虫食いか、その1着をどうするか、ほかの服に広がっていないか。**この順番で進めれば、その場で慌てて捨てたり、気づかないまま隣の服まで傷めたりせずに済みます。
仕舞う側の手順は衣類の防虫剤とニット・ウールの保管に、クローゼットの防虫剤の量は防虫剤 クローゼットにまとめてあります。この記事は、見つけたあとの判断の話です。
結論|直径2mmと5mm、それに場所で3つに分ける
穴の大きさを測るものは、手元の定規か、ボールペンの先で足ります。ボールペンの先の太さがおよそ1mm、5円玉の穴がおよそ5mmです。
| 穴の直径 | 脇下・背中の下・裾の内側 | 前身頃の胸から上・袖の外側 |
|---|---|---|
| 2mm未満で1か所 | 自分で寄せて、そのまま着る | 自分で寄せて、そのまま着る |
| 2〜5mm | 自分で寄せて着る | 店に相談する |
| 5mmを超える | 店に相談する | 外に着る服から外す |
**同じ直径でも、目に入る場所なら線を一段厳しくします。**人と向き合ったときに目が止まるのは、顔に近い胸から上と、手を動かすたびに動く袖の外側だからです。反対に、脇の下や裾の内側は、腕を下ろしているかぎりほとんど見えません。
最初に、虫食いかどうかを見分ける
穴が空いていても、原因が虫とはかぎりません。原因が違えば、次にやることも変わります。
| 見え方 | 原因 | 次にやること |
|---|---|---|
| 縁が不ぞろいで、周りの毛が刈られたように短い | 虫食い | 同じ場所の服を全部点検する |
| 糸が1本飛び出して、輪になって残っている | 引っかけ | 裏へ引き込めば直ることが多い |
| 肘や脇で、広い範囲が均一に薄い | 摩耗 | 当て布か、役目を変える |
| 縫い目に沿って開いている | ほつれ | 縫い目を縫い直す |
**虫食いの穴には、周りに「食べかけ」が残っています。**穴の外側に、表面の毛だけが削れて地の編み目が見えている場所がある。これがいちばん分かりやすい印です。穴のそばに砂粒のような小さな粒や、白っぽい綿くずのようなものが付いていることもあります。
光に透かすと、表から見えない場所が出てくる
表から見て穴が1つでも、光に透かすと薄くなった場所がほかに見つかることがよくあります。
- 晴れた日の窓際に立つ
- 服を両手で広げて、窓と自分の間にかざす
- 前身頃、後ろ身頃、両袖の順に、光が明るく抜ける場所を探す
- 見つけた場所に、色の違う糸を1本くぐらせて印をつける
**印をつけておくのは、直すときにもう一度探さずに済むからです。**薄くなっているだけの場所は、明るい部屋でも見失いやすく、裏返すとさらに分からなくなります。
2mm未満|裏から寄せて、そのまま着る
ボールペンの先ほどの穴なら、自分で目立たなくできます。
服を裏返し、同じ色か、少し暗い色の細い糸を用意します。穴の周りの編み目を、針で1目ずつすくって、巾着の口を絞るように軽く寄せてください。**強く絞らないこと。**絞りすぎると、そこだけ生地がつれて、穴よりも目立つしわが残ります。
寄せたあと、表から1m離れて見てください。穴の位置が分からなければ、それで終わりです。
2〜5mm|場所で分かれる帯
この帯は、自分で直すか店に出すかが、場所で決まります。
脇の下、背中の下半分、裾の内側なら、自分で直して着られることが多いです。穴の周りの目を寄せたうえで、裏から同じ色の糸を縦横に渡して、小さな網を作るように埋めます。**直した跡は、近くで見れば分かります。**ただ、腕を下ろしている場所なら、人の目にはほとんど入りません。
埋めるときの手順は次のとおりです。
- 服を裏返し、穴の周りの目を軽く寄せて、穴を小さくしておく
- 穴より一回り広い範囲に、縦方向に糸を並べて渡す
- 渡した縦の糸に、横方向の糸を1本おきにくぐらせていく
- 最後に、裏で糸端を周りの目に2〜3目通して、切る
**糸は、服と同じ太さか、少し細いものを選んでください。**太い糸で埋めると、そこだけ厚みが出て、表から見たときに小さな盛り上がりになります。1か所あたり、慣れないうちは20分ほどかかります。
前身頃の胸から上と、袖の外側は、店に相談する線です。編み地の穴を周りの目から編み直してもらう直し方があり、仕上がりの見え方は自分で埋めるのとはっきり違います。
5mmを超える|役目を変えるかどうか
5円玉の穴より大きいときは、自分で埋めると、埋めた場所がそのまま模様のように見えます。
目立たない場所に1つだけなら、店に相談すれば着続けられることが多いです。**目立つ場所に2つ以上あるときは、外に着ていく服からは外してください。**外す先は2つあります。家の中で着る服に回すか、手放すか。
家で着る服に回すなら、家族以外が来る場面で着ないと決めておけば、穴があっても困る場面はほとんどありません。部屋着の選び方はおしゃれなルームウェアと部屋着に置いてあります。
どちらとも取れるとき①|穴は小さいが、胸の真ん中にある
2mm未満でも、胸の真ん中やVの襟ぐりのすぐ下は、目がいちばん止まる場所です。
この場合は、自分で寄せたあと、**1m離れて、斜めからも見てください。**正面で分からなくても、光が横から当たると、寄せた部分の毛並みの違いが見えることがあります。斜めから見て分からなければ、そのまま着て構いません。分かるときは、上にもう1枚羽織る日にだけ着るか、店に相談します。
羽織る日にだけ着ると決めた服は、しまう場所も羽織りの近くに移しておくと、朝に取り違えません。胸の真ん中の穴は、ジャケットやカーディガンの前を留めればほとんど隠れます。前を開けて着る日には回さない、とだけ覚えておけば、穴があることを気にせずに着られます。
どちらとも取れるとき②|穴は無いが、薄い場所が広い
光に透かすと、手のひらほどの範囲がうっすら明るい。でも、どこにも穴は空いていない。
これは、表面の毛が食べられて、地の編み目だけが残っている状態です。**いまは着られますが、引っぱる力がかかると開きます。**洗うときはネットに入れ、その場所を内側にしてたたんでください。着るときは、肩に掛けたバッグの紐がその場所に当たらないかも見ておきます。
範囲が広く、しかも前身頃にあるなら、穴が空く前に店で裏から当て布をしてもらうのがいちばん長持ちします。
どちらとも取れるとき③|気に入っているが、穴が3つある
3つとも2mm未満なら、1つずつ寄せれば着続けられます。問題は、2〜5mmが混ざっているときです。
このときは、数ではなく「前身頃の胸から上にいくつあるか」で決めてください。そこに1つも無ければ、自分で直して着る側。1つでもあれば、店に相談する側です。**店に出すかどうか迷ったら、同じ服を今から買い直せるかを考えてみてください。**買い直せないなら、相談する価値があります。
店に相談するときに伝えること
店に出すと決めたら、持っていく前に3つだけ準備しておくと、話が早く進みます。
- 穴の場所に、色の違う糸で印をつけたままにしておく
- 穴の直径と数を、紙に書いておく
- 洗濯表示のタグが付いていれば、切らずに残しておく
**印をつけておくのは、店でも薄くなった場所を見落とさないためです。**表から見える穴だけを直して、すぐ隣の薄い場所が次の洗濯で開くことがあります。見積もりの段階で、直す範囲を一緒に決めてください。仕上がりまでに日数がかかることも多いので、着たい日から逆算して、早めに持っていきます。
ほかの服に広がっていないかを確かめる
穴を見つけたら、その1着で終わらせないでください。同じ引き出しやケースに入っていた服を、全部出します。
- 1枚ずつ窓の光に透かす
- 裏返して、脇の下と裾の内側を見る
- ウールやカシミヤ、シルクが混ざったものから先に見る
- 化繊の服も、食べこぼしや汗が残っていた場所は見る
**虫は暗くて動かない場所を好みます。**引き出しの奥や、ケースの底に入れていた服ほど、被害が出やすくなります。
点検したあとの服の扱い
穴が無かった服も、そのまま引き出しに戻さないでください。
洗える服は洗い、洗えない服は店に出します。**残っているかもしれない卵や幼虫は、洗うことで落とせます。**引き出しやケースは中を空にして、隅のほこりを掃除機で吸い、固く絞った布で拭いて乾かします。
防虫剤を使っていた場合は、有効期間が過ぎていないか、量が足りていたかを見直してください。量の出し方は防虫剤 クローゼットに、衣装ケースの使い方は衣替えの収納ケースにあります。
手放すと決めたとき
手放す側に決めた服も、すぐに袋に入れて出してしまって構いません。ほかの服と同じ場所に置いたままにしないことだけ、気をつけてください。
**手放す前に、その服がどこに入っていたかを書き留めておきます。**次の秋に同じ場所から穴が出たら、原因は服ではなく、その場所のほうにあります。湿気が多い、奥まって空気が動かない、防虫剤が届いていない。場所の側を変えれば、同じことは起きにくくなります。
まとめ
- 虫食いかどうかは、穴の縁が不ぞろいで、周りの毛が刈られたように短いかで見分ける
- 窓の光に透かして、表から見えない薄い場所まで探す
- 2mm未満は自分で寄せる、2〜5mmは場所しだい、5mmを超えたら店か役目を変える
- 前身頃の胸から上と袖の外側は、線を一段厳しくする
- 1着見つけたら、同じ場所の服を全部出して点検し、洗ってからしまい直す
穴を見つけた服を手に、まず窓際へ行ってください。光に透かして印をつけ、直径と場所を表に当てれば、その1着をどうするかはその場で決まります。
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よくある問い
- Q. 服に小さな穴が空いていました。虫食いかどうか分かりません
- 穴の縁と、その周りを見てください。縁がぎざぎざで不ぞろい、周りの毛が刈り込まれたように短くなっていて、穴の外側にも表面だけ薄くなった場所があれば、虫食いの可能性が高いです。糸が1本だけ飛び出して輪になっているなら引っかけ、肘や脇など擦れる場所で広く薄くなっているなら摩耗、縫い目に沿って開いているならほつれです。窓の光に透かすと、表からは見えない薄い場所まで見つかります。
- Q. 虫食いの穴が空いた服は、捨てたほうがいいですか
- 穴の直径と場所で分けてください。直径2mm未満で1か所なら、裏から同じ色の糸で寄せれば、ほとんど分からなくなります。2〜5mmは場所しだいで、脇下や裾の内側なら自分で直して着られることが多く、前身頃の胸から上なら店に相談する線です。5mmを超える穴が目立つ場所に2つ以上あるときは、外に着ていく服からは外し、部屋着に回すか手放すかを選びます。
- Q. 1着に穴があったら、ほかの服も危ないですか
- 同じ引き出しやケースに入っていた服は、全部出して点検してください。虫は暗くて動かない場所にいるので、1着だけで終わっていることのほうが少ないからです。1枚ずつ窓の光に透かし、裏返して脇と裾の内側も見ます。穴が無くても、洗える服は洗い、洗えない服は店に出してからしまい直すと、次の季節に同じことが起きにくくなります。
- Q. 穴は空いていないけれど、表面だけ薄くなっている場所があります
- 穴になる手前の状態です。光に透かして、その場所だけ明るく見えるなら、生地の厚みが減っています。いまは着られますが、洗ったり引っぱったりするうちに開くことがあるので、洗うときはネットに入れて、その場所を内側にたたんでください。範囲が広いときは、穴が空く前に店で裏から当て布をしてもらう方法もあります。
— メグラシ編集部





