パーソナルデザイン診断の自己診断|割れたら人に聞く3語で戻す

**パーソナルデザインの自己診断で、答えるたびに結果が変わるなら、割れた軸だけを人に聞いた言葉で決め直してください。**5人に「初めて見たときの見た目」を3語ずつ聞いて、合わせて15語を3つの軸に振り分けて数えます。
自己診断の設問は、どれも自分で自分を見て答えるものです。ところが鏡の中の自分には、なりたい印象や、前の日に着た服の記憶がどうしても重なります。同じ人が同じ設問に答えても、気分のよい日と疲れた日で答えが動くのはそのためです。
一方で、他人があなたを見て最初に思い浮かべる言葉には、あなたの「なりたい」は混ざりません。その代わり、相手の好みや付き合いの長さが混ざります。だからこの記事では、聞く相手を散らし、数え方に境目を置いて、他人の好みのぶれも打ち消す手順にしました。
パーソナルデザインの考え方の全体と、自己診断で分かる範囲についてはパーソナルデザイン診断|自己診断で分かる範囲と骨格診断との違いに、出た結果を秋冬の試着で確かめる方法はパーソナルデザインの自己診断は秋冬の試着でにまとめています。この記事は、その手前で「そもそも答えが定まらない」人のためのものです。
結論:割れた軸だけ外に出し、6割を境に側を決める
先に手順の全体を書きます。
- 自己診断を2回やり、2回とも同じ側に出た軸はそのまま採用する
- 2回で側が入れ替わった軸だけを「割れた軸」として取り出す
- 5人に、見た目の第一印象を形容詞3つで聞く
- 集まった15語を、線・年齢感・重さの3つの軸に振り分ける。どの軸にも入らない語は捨てる
- 割れた軸について、入った語のうち片側が6割以上なら、その側に決める
- 4割から6割のあいだなら「中間」とし、秋冬の服で両側を1回ずつ試して決める
ここで大事なのは、自己診断の結果を全部捨てないことです。2回とも同じ答えが出た軸は、好みに引っぱられにくい軸なので、そのまま信じてかまいません。外に出すのは、迷っている軸だけです。
そうすると、人に聞いた15語のうち実際に使うのは、割れた軸に入った語だけになります。15語全部で自分を決め直そうとすると、今度は他人の好みに振り回されます。
なぜ自己診断は答えるたびに割れるのか
自己診断が割れる理由は、大きく3つあります。どれに当てはまるかが分かると、次に聞くときの注意点も見えてきます。
一つ目は、なりたい印象が答えに混ざることです。たとえば「あなたの印象は、かっこいい寄りですか、かわいい寄りですか」と聞かれたとき、本当は人からかわいいと言われることが多くても、最近かっこよく見せたいと思っていれば、答えは揺れます。設問が抽象的なほど、この揺れは大きくなります。
二つ目は、その日に着ている服や髪型の影響です。黒い直線的なコートを着た日に鏡を見れば、自分の印象をシャープだと感じやすくなります。逆に、ふわっとしたニットを着た日は柔らかく感じます。服が印象を作っているのに、それを自分の素の印象だと読み違えてしまうのです。
三つ目は、比べる相手が日によって違うことです。職場で周りが落ち着いた人ばかりなら、自分を若々しいと感じます。学生時代の友人と会ったあとなら、自分を大人びていると感じます。自己診断は、知らないうちに身近な誰かとの比較になっています。
この3つはどれも、自分で自分を見る限り消えません。だから、割れた軸については自分の目をいったん外し、他人の目を借ります。
2回の自己診断で「割れた軸」を見つける
人に聞く前に、どの軸が割れているのかをはっきりさせます。ここをとばすと、聞く意味がぼやけます。
自己診断は、日を変えて2回やってください。1回目と2回目のあいだは3日以上あけ、2回目は1回目と違う服を着ている日を選びます。1回目がスカートの日なら、2回目はパンツの日にする、という具合です。服の影響で答えが動く軸は、ここで割れて見えてきます。
2回の結果を、次の3つの軸で書き出します。
- 線:直線寄りか、曲線寄りか
- 年齢感:大人びて見えるか、若々しく見えるか
- 重さ:軽やかに見えるか、重厚に見えるか
診断によって軸の名前や数は違いますが、多くの診断はこの3つの組み合わせでタイプを分けています。お使いの診断の結果が、タイプ名だけで軸が書かれていない場合は、そのタイプの説明文を読み、上の3つのどちら側の言葉が多いかで置き換えてください。
2回とも同じ側なら、その軸は確定です。側が入れ替わった軸、または片方の回だけ「どちらとも言えない」を選んだ軸が、割れた軸です。3つとも割れた人もいれば、1つだけの人もいます。1つだけなら、この先の作業はかなり軽くなります。
聞く相手は5人、付き合いの長さを散らす
聞く相手は5人にしてください。3人だと1人の好みが結果を大きく動かし、10人だと集めるだけで疲れてしまいます。5人いれば、1人がかなり変わった言葉を出しても全体は崩れません。
5人の選び方には、付き合いの長さで偏りを作らないことが大切です。おすすめは次の組み合わせです。
| 枠 | 例 | 言葉の傾き |
|---|---|---|
| 長い付き合い 1人 | 家族、学生時代からの友人 | 性格や昔の姿が混ざりやすい |
| 日常で毎日会う 2人 | 職場や学校の人 | いまの服装の影響を受けやすい |
| 会って1年以内 2人 | 習いごと、最近の知り合い | 見た目の第一印象に近い |
この表は、どの言葉をどれくらい重く見るかの目安です。パーソナルデザインが見ているのは見た目の印象なので、いちばん頼りになるのは会って間もない人の言葉です。長い付き合いの人は、あなたの声や話し方、子どものころの姿まで知っているので、どうしても見た目以外が混ざります。
ただし、会って間もない人だけに聞くと、その人たちが会ったときの服装に強く引っぱられます。だから3つの枠を混ぜて、それぞれの偏りを打ち消し合わせます。
同じ枠に2人以上入れる場合は、性別や年代が違う人を選べるとさらに安定します。年代が上の人はあなたを若々しく、下の人は大人びて見る傾向があるので、片側だけにならないようにします。
聞き方:見た目だけを、形容詞3つで
聞き方しだいで、返ってくる言葉の質は大きく変わります。次の3つを守ってください。
一つ目は、見た目に限ると先に言うことです。何も言わずに「私ってどんな印象?」と聞くと、優しい、真面目、面白い、といった性格の言葉が返ってきます。それはそれでうれしいのですが、パーソナルデザインの軸には入りません。「性格ではなく、見た目の第一印象」と範囲をはっきり伝えます。
二つ目は、数を3つに決めることです。1つだと、相手はいちばん無難なほめ言葉を選びます。5つ以上だと、後半は無理にひねり出した言葉になります。3つなら、1つ目に無難な言葉が来ても、2つ目と3つ目に本音が出やすくなります。
三つ目は、文字で送ってもらうことです。対面で聞くと、相手はあなたの表情を見ながら言葉を選び直します。少しでも言いにくい言葉は、別の柔らかい言葉に置き換えられてしまいます。メッセージで送ってもらえば、最初に浮かんだ言葉が残りやすくなります。
頼むときの文面は、たとえば次のようにします。
「服の選び方を見直しています。私の見た目の第一印象を、形容詞3つで教えてもらえますか。性格じゃなくて見た目だけで、思いついた順で大丈夫です。ほめ言葉じゃなくてもまったくかまいません」
最後の一文があるかないかで、返ってくる言葉が変わります。ほめなくていいと言われると、相手は「落ち着いている」「きりっとしている」のような、中立の言葉を出しやすくなります。中立の言葉ほど、軸に振り分けやすいのです。
聞くときの服装と場面をそろえる
人に見た目を聞くとき、その人があなたを思い浮かべる場面がばらばらだと、言葉もばらばらになります。会って間もない人は、会った日の服装をそのまま覚えているからです。
そこで、できれば聞く前の数日は、印象の強い服を避けてください。秋冬なら、無地のニットに、色の濃すぎないパンツかスカートくらいの、癖の少ない組み合わせが向いています。柄の大きなコートや、光る素材のブラウスを着ていた日に会った人は、その服の印象を答えてしまいます。
すでに会った日の服装が分からない相手に聞く場合は、「最近の私を思い出して」ではなく、「顔と全体の雰囲気で」と添えると、服の印象が少し薄まります。
秋冬は、とくにコートの印象が強く残る季節です。外でしか会わない相手は、あなたを「コートを着た人」として覚えています。直線的なコートを毎日着ているなら、その相手の言葉は直線寄りに傾いているかもしれません。数えるときに、その人の言葉にだけ印をつけておくと、あとで読み直せます。
集まった15語を、3つの軸に振り分ける
5人から3語ずつ、15語が集まったら、1語ずつ3つの軸のどこに入るかを決めます。迷う語はどの軸にも入れず、捨ててください。無理に入れると、数えた結果がにごります。
| 軸 | 片側に入る言葉の例 | 反対側に入る言葉の例 |
|---|---|---|
| 線 | きりっとした、シャープ、すっきり、クール | 柔らかい、ふんわり、丸い、優しげ |
| 年齢感 | 大人っぽい、落ち着いた、品がある | 若々しい、あどけない、元気、親しみやすい |
| 重さ | 軽やか、さわやか、華奢、透明感 | どっしり、存在感、華やか、迫力 |
この表は、振り分けの方向を示すための例です。実際に返ってくる言葉は、もっと多様です。表にない言葉は、その言葉を聞いて思い浮かぶ服の形で判断してください。
たとえば「凛としている」と言われたら、思い浮かぶのは線のはっきりした服なので、線の直線側に入れます。「おっとりしている」は、見た目の言葉として使われたなら、曲線側か若々しい側です。迷ったら、どちらにも入れずに捨てます。
1つの言葉が2つの軸に入ることもあります。「華やか」は重さの重い側に入りますが、場合によっては曲線側にも入ります。そういうときは、その言葉を両方の軸に1つずつ数えてかまいません。ただし、1つの言葉を3つの軸すべてに入れるのはやめてください。
性格の言葉、たとえば「真面目」「面白い」「優しい」は、見た目を聞いたのに出てきたなら、見た目にもそう映っているという意味ではあります。ただ、どの軸のどちらに入るかが言葉からは決まらないので、ここでは捨てます。
数え方:軸に入った語の6割を境にする
振り分けが終わったら、割れた軸だけを見ます。その軸に入った語の数を数え、片側と反対側に分けます。
| 軸に入った語の数 | 片側に決める数 | 中間とする範囲 |
|---|---|---|
| 5語 | 3語以上 | ── |
| 6語 | 4語以上 | 3語ずつ |
| 8語 | 5語以上 | 4語ずつ・3対5は片側 |
| 10語 | 6語以上 | 4〜5語の側が2つ |
境目は6割です。軸に入った語のうち、片側が6割以上ならその側に決めます。5語なら3語、10語なら6語が境目です。
6割にしているのは、5割だと1語の差で側が入れ替わってしまうからです。他人の言葉にも、その日の相手の気分や好みが混ざっています。1語の差で決めてしまうと、次に聞いたときにまた割れます。6割あれば、1人ぶんの言葉が反対に振れても、側は変わりません。
逆に、7割や8割を境にすると、ほとんどの人が中間になってしまい、決めた意味がなくなります。迷っている軸を決めるための境目としては、6割がいちばん使いやすい位置です。
数えるときに、会って1年以内の2人の言葉は、1語を1.5語として数えてもかまいません。見た目の第一印象にいちばん近い言葉だからです。ただし、これをやると計算が面倒になるので、最初は全員1語ずつで数え、結果が境目すれすれだったときだけ重みをつけ直してください。
どちらとも取れる場合1:軸に入った語が少ない
割れた軸に入った語が、15語のうち3語に満たないことがあります。たとえば年齢感の軸が割れているのに、返ってきた言葉がほとんど線と重さの言葉だった、という場合です。
この場合は、数で決めずに、まず「その軸が他人からは目立っていない」と受け取ってください。他人があなたを見て、年齢感の言葉を思い浮かべないのは、その軸があなたの印象のなかで中立に近いからです。大人びても若々しくもなく、どちらにも振れる幅があるということです。
そのうえで、次のどちらかで決めます。
一つは、追加で聞く方法です。同じ5人のうち2人に、「大人っぽい寄りか、若々しい寄りか、どちらかで言うと?」と、軸を指定して二択で聞きます。最初の3語では出てこなかった軸も、二択にすれば答えてもらえます。2人とも同じ側なら、その側に決めてかまいません。
もう一つは、服で確かめる方法です。その軸の両側の服を1回ずつ着て、鏡の前で確かめます。手順はこのあとの「秋冬の服で、決めた側を確かめる」で書きます。
軸の言葉が少ないこと自体は、悪いことではありません。その軸では、どちら側の服も無理なく着られる可能性が高いからです。迷って時間をかけるより、その軸は「どちらでもいい」として、残りの軸を優先して服を選ぶほうが早く進みます。
どちらとも取れる場合2:ちょうど半々になった
いちばん迷うのが、割れた軸の語がちょうど半分ずつに分かれた場合です。線の軸に6語入って、直線側が3語、曲線側が3語、という形です。
半々になったときは、まず言葉の中身を見直します。同じ半々でも、片側に「すっきり」「シャープ」「クール」と強い言葉が並び、反対側に「優しげ」「穏やか」「親しみやすい」と、見た目より雰囲気に近い言葉が並んでいることがあります。この場合は、見た目に近い言葉が多い側に寄せてください。
次に、誰がどちらを言ったかを見ます。会って1年以内の人が片側にそろっているなら、その側に寄せます。前の章で書いたとおり、第一印象として頼りになるのはその人たちの言葉だからです。
それでも決まらないときは、その軸を本当に「中間」として扱います。中間というのは、決められなかったという意味ではなく、両側の要素を半分ずつ持っているという意味です。服で言えば、直線の形に柔らかい素材を合わせる、曲線の形にきりっとした色を合わせる、というように、1着の中で両側をまぜると落ち着きます。
中間の軸は、季節によって寄せる側を変えてもかまいません。秋冬は服の素材が厚く重くなるので、重さの軸が中間の人は、軽い側に寄せた服を選ぶと全体がもたつきません。線の軸が中間の人は、コートだけ直線の形にして、中に着るニットを曲線の形にすると、外から見たときと脱いだときとで、両方の側を自然に見せられます。
中間の軸を持っている人は、意外と多いものです。自己診断で何度も割れていたのは、あなたの答え方が悪かったのではなく、そもそもその軸の真ん中にいたからかもしれません。
どちらとも取れる場合3:近い人と遠い人で反対になった
もう一つ迷いやすいのが、長い付き合いの人と、会って間もない人とで、言葉の側がきれいに反対になる場合です。家族や昔からの友人は「かわいい」「あどけない」と言い、最近の知り合いは「大人っぽい」「落ち着いている」と言う、という形です。
この場合は、会って間もない人の側を、いまの見た目の印象として採用してください。長い付き合いの人は、あなたが若かったころの姿を重ねて見ていることが多いからです。とくに年齢感の軸では、このずれがよく起きます。
ただし、長い付き合いの人の言葉を捨てる必要はありません。その言葉は、あなたの話し方や表情の動きが持っている印象です。会って話すうちに出てくる印象と言ってもいいでしょう。
服を選ぶときは、遠目で見られる部分、つまりコートや全体の形を会って間もない人の側に合わせ、近くで見られる部分、つまり顔まわりの小物や髪の質感を長い付き合いの人の側に合わせると、両方の印象がぶつかりません。
逆に、長い付き合いの人のほうが大人びた言葉を出し、会って間もない人が若々しい言葉を出すこともあります。この場合は、いまの服装や髪型が実際より若く見せている可能性があります。最近の服装を一度振り返ってみてください。
数え方の例:線の軸が2回で割れた人の場合
ここまでの手順を、ひとりの例で通して見てみます。自己診断を2回やって、線の軸だけが割れた人です。1回目は曲線寄り、2回目は直線寄りと出ました。年齢感は2回とも大人寄り、重さは2回とも軽い寄りで、この2つは確定です。
5人に聞いて返ってきた15語は、次のようなものでした。長い付き合いの姉からは「優しそう」「柔らかい」「ふんわり」。職場の2人からは「きちんとしている」「すっきり」「落ち着いている」と、「品がある」「さわやか」「真面目」。習いごとで会った2人からは「きりっとしている」「涼しげ」「大人っぽい」と、「すっきり」「凛としている」「細い」。
このうち、線の軸に入るのは「柔らかい」「ふんわり」「すっきり」「きりっとしている」「すっきり」「凛としている」の6語です。「優しそう」は雰囲気の言葉なので捨てました。6語のうち直線側が4語、曲線側が2語で、直線側がちょうど6割を超えています。境目の表で言えば、6語のときは4語以上が片側なので、線の軸は直線寄りに決まります。
さらに中身を見ると、曲線側の2語はどちらも長い付き合いの姉の言葉で、会って1年以内の2人の言葉はすべて直線側でした。重みをつけ直すまでもなく、直線寄りで確定してよい例です。
この人の場合、自己診断の1回目に曲線寄りと出たのは、その日に着ていた丸い襟のニットの印象を、自分の素の印象として読んでいたからでした。2回目の直線寄りの答えのほうが、他人の目と一致していたことになります。
ちなみに「大人っぽい」「落ち着いている」「品がある」は年齢感の大人側、「さわやか」「涼しげ」「細い」は重さの軽い側に入りました。どちらも自己診断の確定した側と一致していて、他人の目と自分の目がずれていないことの確認にもなっています。確定した軸についても、こうして他人の言葉と一致しているかを横目で見ておくと、安心して服を選べます。
自己診断の結果と突き合わせる
他人の言葉で側が決まったら、2回の自己診断の結果と並べます。突き合わせ方は3通りです。
一つ目は、他人の言葉の側が、自己診断のどちらか1回と一致する場合です。これがいちばん多い形で、一致したほうの回の答えが素の自分に近かったということです。その回に着ていた服や、答えたときの気分を思い出しておくと、次から迷いにくくなります。
二つ目は、他人の言葉が中間で、自己診断も2回で割れていた場合です。この場合は、自己診断の答えが割れていたこと自体が正しかったと言えます。中間の軸として、前の章のように1着の中で両側をまぜてください。
三つ目は、他人の言葉の側が、自己診断の2回どちらとも違う場合です。たとえば自己診断では2回とも曲線か中間だったのに、他人の言葉は直線に寄った、という形です。これは、あなたが自分の印象を柔らかく見積もっていたということです。理由は、なりたい印象のほうに自分の答えが引っぱられていたか、普段の服がその軸の反対側に寄っていて、鏡で見る自分がいつも服の印象をまとっていたかのどちらかです。
三つ目のときは、他人の言葉を優先してください。ただ、いきなりワードローブ全体を変える必要はありません。次の章で書く試し方で、1着だけ確かめてから判断しても遅くありません。
秋冬の服で、決めた側を確かめる
言葉で決めた側は、最後に服で確かめます。秋冬は、服の形と素材の差がはっきり出る季節なので、確かめるにはちょうどいい時期です。
確かめ方は、割れた軸ごとに1組ずつ、両側の服を用意して着比べるだけです。
線の軸なら、襟の角がはっきりしたテーラードのコートか、角のある襟のジャケットと、丸い襟や襟のないコートを着比べます。年齢感の軸なら、細かい編み目の落ち着いたニットと、編み目の大きい、色の明るいニットを比べます。重さの軸なら、薄手のウールのコートと、厚みのあるウールや起毛のコートを比べます。
見るときは、鏡から2m離れて立ち、最初の1秒で目が行く場所を確かめてください。顔に目が行けば、その服はあなたの側の服です。服の形や素材に目が行けば、服のほうが勝っています。
家族か、聞いた5人のうちの1人に、写真を撮ってもらう方法もあります。両側の服を同じ場所、同じ光で撮り、時間をおいて見比べます。撮ってすぐだと、着た感触の記憶が混ざるので、1日おいてから見るのがいいでしょう。
言葉で決めた側と、服で確かめた結果が同じなら、その軸はもう迷わなくて大丈夫です。もし反対の結果が出たら、その軸は中間の可能性が高いので、両側をまぜる組み方に切り替えてください。
言われた言葉が、なりたい印象と違ったとき
人に聞いてみると、自分が思っていなかった言葉が返ってくることがあります。かっこよく見せたいと思っていたのに「かわいい」と言われた、大人っぽくなりたいのに「若々しい」と言われた、という場合です。
そのとき落ち込む必要はありません。人に聞いた言葉は、あなたの見た目のいまの傾きを示しているだけで、良し悪しを決めたものではないからです。そして、似合う方向となりたい方向がずれていても、両方を持つ方法はあります。
コツは、似合う側を土台にして、なりたい側を1か所だけ入れることです。たとえば似合う側が曲線で、なりたい側が直線なら、ニットやスカートは柔らかい曲線の形のまま、バッグか靴だけ角のあるものにします。全身を直線にすると服に負けますが、1か所なら印象の芯として効きます。
1か所に入れて慣れてきたら、2か所に増やしてもかまいません。ただし、顔に近い場所、たとえばマフラーや襟まわりは、似合う側を守ったほうが安全です。顔に近い場所ほど、似合わない側の要素が顔の印象とぶつかって見えやすいからです。
なりたい印象は、服を選ぶ動機として大切なものです。似合う側を知ったうえで、なりたい側をどこにどれだけ入れるかを自分で決められれば、それは「似合う」と「好き」の両方を手にしているということです。
やってはいけない聞き方
最後に、言葉の質を下げてしまう聞き方を挙げておきます。
一つ目は、選択肢を先に見せて選ばせることです。「私ってかっこいい系?かわいい系?」と聞くと、相手はその場の空気でどちらかを選びます。最初から二択にするのは、3語で軸が出てこなかったときの追加の質問だけにしてください。
二つ目は、タイプ名を出して聞くことです。「私って〇〇タイプっぽい?」と聞くと、相手はそのタイプ名から連想して答えてしまいます。タイプ名を知っている相手ほど、その名前のイメージに寄せて言葉を出すので、あなた自身の印象ではなくなります。
三つ目は、同じ集まりの場で、まとめて聞くことです。1人目が言った言葉に、2人目以降が引っぱられます。5人には、別々に、できれば別の日に聞いてください。
四つ目は、返ってきた言葉に、その場で反応することです。「えっ、そうかな」と言ってしまうと、相手は次から言葉を選び直します。返ってきた言葉には、お礼だけ言って、意味は聞き返さないでください。どうしても意味が気になる言葉があるときは、すべて集め終わってから、軸に振り分けるのに必要な分だけ聞き直します。
結果は半年に一度、聞き直す
人に聞いて決めた側は、一度決めたらずっと同じ、というものではありません。髪の長さや色を大きく変えたとき、体の印象が変わったとき、年齢が重なったときに、少しずつ動きます。
おすすめは、季節の変わり目に年2回、割れていた軸だけを聞き直すことです。秋冬と春夏の入り口で聞けば、そのときに着る服を選ぶ材料にもなります。
聞き直すときは、前回と同じ5人でなくてかまいません。むしろ、前回いなかった会って間もない人を1人か2人入れると、いまの第一印象がよく分かります。前回と同じ人に聞くと、その人は前回の自分の答えを覚えていて、つい同じ言葉を出しやすいからです。
前回の言葉の記録は残しておいてください。2回目の15語と並べたとき、どの軸がどちらに動いたかが分かれば、それがあなたの印象の変わり方です。髪型や服の変化と照らし合わせれば、どの変化が印象をどちらに動かしたかも見えてきます。
ほかの自己診断との関係も、あわせて整理しておくと迷いが減ります。顔の形や大きさで見る診断の手順は顔タイプのセルフチェック方法に、骨格の自己診断で設問の答えが揺れるときの考え方は骨格診断のセルフチェックの設問に、パーソナルカラーで「どちらでもない」と出たときの決め方はパーソナルカラーのセルフチェックでどちらでもないときに書いています。
次にやること
今日できることは2つです。
一つは、手元の自己診断の結果を、線・年齢感・重さの3つの軸で書き出すことです。1回しかやっていなければ、3日あけて、違う服の日にもう1回やってください。それで、割れている軸がどれかが分かります。
もう一つは、聞く相手の5人を決めることです。長い付き合い1人、毎日会う人2人、会って1年以内の人2人。名前を書き出すだけで、頼む準備はほぼ整います。
割れた軸が1つでも決まれば、秋冬の服選びで迷う場面はぐっと減ります。全部の軸を完璧に決める必要はありません。迷っていた軸が1本決まるだけで、試着室で手に取る服の幅が半分になるからです。
集めた15語は、メモに残しておいてください。言葉そのものが、これから服を選ぶときの物差しになります。売り場で1着を手に取ったとき、「この服を着た私は、あの5人が言った言葉のままに見えるだろうか」と考えるだけで、合う服と合わない服の区別がつきやすくなります。タイプ名よりも、人からもらった具体的な言葉のほうが、試着室の鏡の前ではずっと頼りになるはずです。
よくある問い
- Q. パーソナルデザインの自己診断を何回やっても結果が変わります
- 設問に答えるとき、いまの自分ではなく、なりたい自分や前日に着た服の印象が混ざっているためです。何度もやり直すより、割れた軸だけを取り出して、他人に見た目の印象を3語ずつ聞いてください。5人で15語集まれば、軸ごとの傾きがかなりはっきりします。
- Q. 人に聞くのが恥ずかしいのですが、何と言って頼めばいいですか
- 「服の選び方を見直していて、私の見た目の第一印象を形容詞3つで教えてほしい。性格じゃなくて見た目だけでいい」と、目的と範囲を先に言うと答えてもらいやすくなります。対面より、文字で送ってもらうほうが言葉を選び直されにくく、ほめ言葉に寄りすぎません。
- Q. 家族と職場の人で、言われることが正反対でした
- 見た目の第一印象としては、付き合いの浅い人の言葉を重く見てください。長い付き合いの人は、性格や昔の姿を混ぜて答えやすいからです。それでも割れたときは、その軸を中間として扱い、秋冬の服で両側を1回ずつ試して決めます。
- Q. 言われた言葉が、なりたい印象と違って落ち込みました
- 人に聞く3語は、似合う方向を探すための材料で、良し悪しの判定ではありません。言われた側の服を土台にして、なりたい側の要素を小物か1か所だけに入れると、無理なく両方を持てます。
— メグラシ編集部





