秋冬コートを骨格と顔タイプで選ぶ|形は骨格、襟とボタンは顔で決める

**秋冬コートは、形を骨格で、襟とボタンを顔タイプで決めてください。**肩線・着丈・シルエット・生地の厚みは体に沿う部分なので骨格。襟の形と大きさ・ボタン・柄の大きさは顔のすぐ下に来るので顔タイプ。2つの診断に同じ場所を決めさせないことが、迷わないためのいちばんの近道です。
2つの答えがぶつかったときは、顔から近い部分ほど顔タイプ、体の線に沿う部分ほど骨格を優先します。たとえば骨格ストレートでキュートなら、形はIラインでジャストな肩、襟は小さめで角の丸いもの。骨格の答えと顔の答えは、1着の中で両立できます。
コートの形だけを骨格で見る話は骨格ストレートのコート・ウェーブ体型のコート・骨格ナチュラルのコートに、襟だけを顔タイプで見る話は顔タイプ別コートの襟にあります。この記事は、その2つを1着の中で組み合わせるところだけを扱います。
結論:コートを「体に沿う部分」と「顔のまわり」に分ける
コートを部分に分けて、それぞれをどちらの診断に任せるかを先に決めておきます。
| コートの部分 | 任せる診断 | 理由 |
|---|---|---|
| 肩線の位置 | 骨格 | 肩の骨組みと厚みに沿う |
| 着丈 | 骨格 | 体の重心と脚の見え方に関わる |
| シルエット(Iライン・Aライン・コクーン) | 骨格 | 胴まわりの厚みに沿う |
| 生地の厚みと張り | 骨格 | 体の厚みと質感に釣り合わせる |
| ウエストの絞り・ベルト | 骨格 | 腰の位置と重心に関わる |
| 襟の形(丸い・角ばる) | 顔タイプ | 顔の線と隣り合う |
| 襟の大きさ・ラペルの幅 | 顔タイプ | 顔のパーツの大きさと並ぶ |
| ボタンの大きさと形 | 顔タイプ | 胸元で顔と同じ視界に入る |
| 柄の大きさ | 顔タイプ | 顔と柄の大きさが比べられる |
| 色 | パーソナルカラー | 顔映りに関わる(この記事では扱わない) |
**表の上半分は骨格、下半分は顔タイプ。**迷ったら、この表のどの行の話なのかを先に確かめてください。「このチェスターは似合うか」と1着ごと聞くと、2つの診断が同時に答えようとして話がぶつかります。「このチェスターの肩線は合うか」「このチェスターの襟は合うか」と分けて聞けば、それぞれ1つの診断が答えてくれます。
色はパーソナルカラーの側の話なので、この記事では扱いません。色の選び方はコートの色はパーソナルカラーで選ぶにまとめてあります。
なぜ1つの診断だけで選ぶと迷うのか
骨格だけ、顔タイプだけでコートを選ぶと、どこかで引っかかる人が出てきます。
| 選び方 | うまくいく人 | 引っかかるところ |
|---|---|---|
| 骨格だけで選ぶ | 骨格と顔タイプの印象が近い人 | 襟が顔より強く見える、または顔より弱く見える |
| 顔タイプだけで選ぶ | 骨格と顔タイプの印象が近い人 | 肩や丈が体に合わず、着膨れや服に着られた印象になる |
| 部分ごとに分けて選ぶ | ほとんどの人 | 当てはまるコートを探す手間が少し増える |
骨格ストレートでクール、骨格ウェーブでキュート、骨格ナチュラルでクールカジュアル、のように、骨格と顔タイプの印象が近い人は、どちらか一方で選んでも大きく外れません。困るのは、骨格ストレートでキュート、骨格ウェーブでクール、骨格ナチュラルでフェミニン、のように、2つの印象が離れている人です。
離れている人ほど、1つの診断で選んだコートが「形は合っているのに顔が負ける」「顔まわりは合っているのに着膨れする」のどちらかになりやすい。部分に分けるのは、この離れた2つを1着に収めるためです。
コートは、秋冬のあいだ、ほぼ毎日いちばん外側に着る服です。家を出て人と会うまでのあいだ、相手に見えている面積の大半がコートになります。だからこそ、どちらかの診断に合っていないと、その合っていない部分が毎日目に入ることになる。買う回数が少ない服だからこそ、部分ごとに分けて選ぶ手間をかける値打ちがあります。
骨格で決める①|肩線の位置は、肩先の骨から何cmか
肩線は、コートの縫い目が肩のどこに来るかで見ます。肩の外側にある骨の出っ張り(肩先)を指で探し、そこから縫い目までの距離を測ります。
| 骨格 | 肩線の目安 | 外れたときの見え方 |
|---|---|---|
| ストレート | 肩先の真上、前後1cm以内 | 落ちすぎると上半身が大きく見えやすい |
| ウェーブ | 肩先の真上か、1cmほど内側 | 落ちると肩から服が垂れて、服に着られた印象になりやすい |
| ナチュラル | 肩先から2〜5cm外に落ちてよい | ぴったりすぎると肩の骨組みが強く出やすい |
肩線は、コートの中でいちばん直しにくい部分です。袖丈や着丈はお直しで調整できることがありますが、肩線の位置を動かすのは難しい。試着で最初に見るのは肩線、と決めておくと、合わないコートに時間をかけずに済みます。
測るときは、コートの中に秋冬に実際に着るニットを着てください。薄いシャツ1枚で合わせた肩線は、厚手のニットを中に着たときに1cmほど内側に入って見えます。
肩先の骨が見つけにくいときは、腕を横にまっすぐ上げてみてください。肩の外側にくぼみができる場所の、すぐ内側の出っ張りが肩先です。そこに人差し指を置いたまま腕を下ろし、コートの縫い目が指の上に来るか、外側に何本ぶん落ちるかを見ます。指1本がだいたい1.5cmなので、ナチュラルの人の目安の2〜5cmは、指1本半から3本ぶんほどです。
骨格で決める②|着丈は、膝からの距離で見る
着丈は、コートの裾が膝からどのくらい離れているかで見ます。立ったまま、膝のお皿の中心から裾までを測ります。
| 骨格 | 向きやすい着丈 | 目安 |
|---|---|---|
| ストレート | 膝が隠れる〜膝下10cm、または腰丈 | 中途半端な太ももの途中は避けやすい |
| ウェーブ | 腰丈〜膝上、ロングならウエスト位置が高いもの | 重心が下がると服に着られた印象になりやすい |
| ナチュラル | ふくらはぎ〜くるぶし丈 | 長い丈ほど骨組みと釣り合いやすい |
着丈は、合わせる靴やボトムで見え方をある程度寄せられる部分です。**肩線ほど厳密に合わせなくてもかまいません。**少し長い、少し短いと感じたら、ブーツの筒の高さやボトムの丈で釣り合いを取ります。
ただ、ウェーブの人がくるぶし丈のロングコートを選ぶときは、ウエストの位置が高い形か、ベルトで絞れるものにしてください。重心が上がるので、長い丈でも服に着られた印象になりにくくなります。
着丈を測るときは、実際にそのコートと合わせる靴を履いてください。ヒールのある靴とスニーカーでは、裾から床までの距離が数cm変わり、コートの長さの見え方も変わります。秋冬によく履くブーツがあるなら、その筒の上端とコートの裾の間がどれくらい空くかも一緒に見ておくと、脚の見え方まで予想できます。
骨格で決める③|シルエットと生地の厚み
コート全体の形と、生地の厚みや張りも骨格で決めます。
| 骨格 | シルエット | 生地 |
|---|---|---|
| ストレート | Iライン、ストンと落ちる形 | 張りのある上質なウール、なめらかな表面 |
| ウェーブ | 上がコンパクトで、ウエストに絞りのある形 | 軽くやわらかいウール、起毛、ツイード |
| ナチュラル | ゆったりしたAライン、コクーン、ボックス | 厚手、ざっくりした織り、ローゲージ |
生地は、手で持ったときの重さと、つまんだときの張りで見ます。**同じ形のコートでも、生地の厚みが骨格に合っていないと、形の良さが出にくくなります。**ストレートの人が起毛の強いやわらかい生地を選ぶと体の厚みが強調されやすく、ウェーブの人が重く硬い生地を選ぶとコートだけが先に目に入りやすくなります。
顔タイプで決める①|襟の形は、丸いか角ばるか
ここからは顔タイプの側です。顔タイプは、子供顔か大人顔か、曲線か直線か、の2つの軸で4つの領域に分けて考えます。
| 顔タイプの領域 | 主なタイプ | 向きやすい襟の形 |
|---|---|---|
| 子供顔×曲線 | キュート | 丸襟、角の丸いステンカラー、小さめのフード |
| 子供顔×直線 | アクティブキュート、フレッシュ、クールカジュアル | 小さめのステンカラー、スタンドカラー、ダッフルの襟 |
| 大人顔×曲線 | フェミニン、ソフトエレガント | ショールカラー、ノーカラーの丸い開き、やわらかいラペル |
| 大人顔×直線 | クール、エレガント | 角ばったテーラード、ピークドラペル、直線のノーカラー |
襟の形は、顔の線と隣り合う部分です。顔の輪郭やパーツが丸みを帯びているなら、襟の角も丸いほうが顔と服がつながります。直線的なら、角ばった襟のほうがつながります。
襟の形の細かい違いは顔タイプ別コートの襟で扱っています。ここでは、骨格で決めた形のコートの中で、どの襟を選ぶかだけを見ます。
顔タイプで決める②|襟の大きさは、指何本ぶんか
襟の大きさは、ラペル(折り返した襟)の幅を指で測って見ます。指1本はだいたい1.5cmです。
| 襟の幅 | 大きさ | 向きやすい顔タイプの領域 |
|---|---|---|
| 指2本以下(3cm以下) | 小さい | 子供顔(キュート・フレッシュなど) |
| 指3本前後(4〜5cm) | 中くらい | どの領域でも外れにくい |
| 指4本以上(6cm以上) | 大きい | 大人顔(フェミニン・クール・エレガントなど) |
子供顔の人は、顔のパーツが顔の中で小さめに収まっていることが多く、大きい襟を合わせると襟のほうが先に目に入りやすくなります。大人顔の人は、小さすぎる襟だと顔のほうが強く見え、コートが物足りなく感じられることがあります。
ノーカラーのコートなら、首まわりの開きの深さで同じように考えます。開きが浅く小さいものは子供顔寄り、深く大きく開くものは大人顔寄りです。
襟の幅は、売り場ではなかなか数字で書かれていません。指で測るのがいちばん早い方法です。ラペルのいちばん幅の広いところに、指を横にして当て、何本ぶんで覆えるかを数えます。手持ちのジャケットやコートで、顔になじんでいると感じる1着の襟幅を先に測っておくと、売り場ではその本数を基準に比べられます。
顔タイプで決める③|ボタンの大きさと形
ボタンは、胸元で顔と同じ視界に入る小さな部分です。見落とされがちですが、印象を左右します。
| ボタン | 向きやすい顔タイプの領域 | 目安 |
|---|---|---|
| 小さく丸い(直径1.5cm以下) | 子供顔×曲線 | ボタンの存在感が顔と釣り合う |
| 小さく平ら・角のある形 | 子供顔×直線 | すっきりした印象になる |
| 大きく丸い(直径2.5cm以上) | 大人顔×曲線 | 胸元にやわらかい重みが出る |
| 大きく平ら・金属や角のある形 | 大人顔×直線 | 胸元が引き締まる |
| 比翼仕立て(ボタンが見えない) | どの領域でも | ボタンの影響を消せる |
ボタンは、コートの中で唯一、あとから付け替えやすい部分です。形とシルエットが骨格に合っていて、ボタンだけが顔と合わないなら、買い替えずにボタンを替えるという選び方もできます。
早見表|骨格3×顔タイプ4の組み合わせ
ここまでをまとめると、12の組み合わせになります。自分の行を探して、形の列と襟の列を別々に見てください。
| 骨格 | 顔タイプの領域 | 形(骨格で決める) | 襟とボタン(顔で決める) |
|---|---|---|---|
| ストレート | 子供顔×曲線 | Iライン、ジャストな肩、膝丈 | 小さめで角の丸い襟、小さい丸ボタン |
| ストレート | 子供顔×直線 | Iライン、ジャストな肩、膝丈 | 小さめのステンカラー、平らなボタン |
| ストレート | 大人顔×曲線 | Iライン、ジャストな肩、膝下丈 | ショールカラーかノーカラー、大きめの丸ボタン |
| ストレート | 大人顔×直線 | Iライン、ジャストな肩、膝下丈 | テーラードの角ばった襟、大きめのボタン |
| ウェーブ | 子供顔×曲線 | ウエストの絞り、腰丈〜膝上 | 丸襟、小さい丸ボタン |
| ウェーブ | 子供顔×直線 | ウエストの絞り、腰丈〜膝上 | 小さめのスタンドカラー、平らなボタン |
| ウェーブ | 大人顔×曲線 | ウエストの絞り、膝丈 | やわらかいショールカラー、丸いボタン |
| ウェーブ | 大人顔×直線 | ウエストの絞り、膝丈 | 細めのラペルのテーラード、角のあるボタン |
| ナチュラル | 子供顔×曲線 | ゆったりしたAライン、ロング | 中くらいの丸みのある襟、丸いボタン |
| ナチュラル | 子供顔×直線 | ボックス、ロング | ダッフルの襟、トグルや平らなボタン |
| ナチュラル | 大人顔×曲線 | コクーン、ロング | 大きめのショールカラー、大きい丸ボタン |
| ナチュラル | 大人顔×直線 | ボックス、ロング | 幅の広いラペル、大きい角ばったボタン |
表の中で、形の列と襟の列の印象が離れている行ほど、1つの診断だけで選ぶと迷いやすい組み合わせです。形の列と襟の列を、それぞれ別の日に探すつもりで見ると、売り場で当てはまるものが見つけやすくなります。
ぶつかるとき①|骨格ストレートで、子供顔×曲線(キュート)
骨格ストレートは、直線的でシンプルな形が得意です。キュートは、丸みのある小さな形が得意です。2つの答えがいちばん離れる組み合わせの1つです。
| 部分 | 骨格の答え | 顔の答え | 1着にするなら |
|---|---|---|---|
| 形 | Iライン、張りのある生地 | ふんわりしたAライン | Iラインを優先 |
| 襟 | テーラードの大きめのラペル | 丸襟、小さい襟 | 小さめで角の丸いステンカラー |
| ボタン | 大きめ、シンプル | 小さく丸い | 中くらいで丸いボタン |
| 丈 | 膝が隠れる丈 | 短めでも可 | 膝丈を優先 |
このときは、形は骨格の答えのまま、襟だけを小さく丸くします。丸襟のふんわりしたAラインのコートを選ぶと、顔まわりは合っても体の厚みが強調されやすくなります。反対に、大きなラペルのチェスターは、形は合っても襟が顔より強く見えやすい。Iラインのステンカラーで襟が小さく角の丸いもの、がちょうど間に入ります。
売り場で見つからないときは、Iラインのノーカラーコートに、丸い形のマフラーを合わせる方法もあります。ノーカラーは襟がないぶん、顔のすぐ下の形をマフラーで自由に決められるので、骨格に合う形のコートを選んでおけば、襟の側の答えは後から足せます。
ぶつかるとき②|骨格ウェーブで、大人顔×直線(クール)
骨格ウェーブは、上半身がコンパクトで、やわらかい素材と絞りのある形が得意です。クールは、直線的でシャープな襟が得意です。
| 部分 | 骨格の答え | 顔の答え | 1着にするなら |
|---|---|---|---|
| 形 | ウエストの絞り、短め | 長めのストンとした形 | 絞りのある膝丈 |
| 生地 | 軽くやわらかい | 張りのある生地 | 軽めで表面のなめらかな生地 |
| 襟 | 小さめ、やわらかい | 角ばったテーラード | 細めのラペルのテーラード |
| ボタン | 小さめ | 大きめで角のある形 | 中くらいで平らなボタン |
このときは、襟は顔の答えの角ばったテーラードにして、ラペルの幅を細めにします。幅の広いラペルは上半身に量を足すので、ウェーブの人には重く見えやすい。細めのラペルなら、直線の印象は保ったまま、上半身をコンパクトにまとめられます。形はウエストに絞りのある膝丈を選んでください。
ぶつかるとき③|骨格ナチュラルで、子供顔×曲線(キュート)
骨格ナチュラルは、ゆったりした長い形と、ざっくりした素材が得意です。キュートは小さく丸い形が得意です。
| 部分 | 骨格の答え | 顔の答え | 1着にするなら |
|---|---|---|---|
| 形 | ゆったりしたロング | 短めでコンパクト | ゆったりしたミドル〜ロング |
| 生地 | 厚手、ざっくり | やわらかく軽い | 厚手でも表面がやわらかい起毛 |
| 襟 | 大きめ | 小さく丸い | 中くらいで角の丸い襟 |
| ボタン | 大きめ | 小さく丸い | 中くらいの丸いボタン |
このときは、形の大きさは骨格の答えを守り、襟とボタンの角だけを丸くします。大きさまで顔に合わせて小さくすると、ナチュラルの骨組みに対してコートが窮屈に見えやすくなります。ゆったりした形の中で、襟とボタンの形だけが丸い。そのくらいの配分が、2つの答えのちょうど間です。
ナチュラルの人がキュートの答えに寄せたくて、短いコンパクトなコートを選ぶこともあるかもしれません。その場合は、身幅にゆとりのあるものを選んでください。丈が短くても、身幅がゆったりしていれば骨組みとの釣り合いは保てます。丈と身幅のどちらか一方で骨格の答えを守れば、もう一方は顔に寄せても大きく外れません。
ぶつかるとき④|骨格ウェーブで、子供顔×直線(フレッシュ・クールカジュアル)
骨格ウェーブは、やわらかく軽い素材と絞りのある形が得意です。子供顔×直線のタイプは、すっきりした小さめの襟や、カジュアル寄りの形が得意です。
| 部分 | 骨格の答え | 顔の答え | 1着にするなら |
|---|---|---|---|
| 形 | ウエストの絞り、短め | ストンとした短め | 短めで、ウエストに切り替えのある形 |
| 生地 | 軽くやわらかい | 張りのある綿やウール | 軽めのウールか、起毛の少ない生地 |
| 襟 | 小さめ、やわらかい | 小さめのステンカラー、スタンド | 小さめのスタンドカラー |
| ボタン | 小さめ | 平らで小さめ | 小さく平らなボタン |
この組み合わせは、襟とボタンの答えが近いので、ぶつかるのは形と生地だけです。短い丈は両方の答えに合うので、腰丈〜膝上のコートから探すと候補が見つけやすくなります。ダッフルのような重いカジュアルの型は顔には合っても体には重く見えやすいので、同じカジュアルでも軽い生地のショート丈を選んでください。
中に着るものとの厚みの釣り合い
コートは、中に何を着るかで見え方が変わります。試着のときに薄着だと、肩線も襟も実際とは違って見えます。
| 中に着るもの | 肩線の見え方 | 襟元の見え方 |
|---|---|---|
| 薄いシャツ・ブラウス | 実際より肩が落ちて見える | 襟元が開いて、首が長く見える |
| 薄手のニット | ほぼ実際の見え方 | 襟元に少しニットがのぞく |
| 厚手のニット | 肩線が1cmほど内側に入って見える | 襟元が詰まり、襟が立ち上がる |
| タートルネック | 肩線は変わらない | 首まわりが埋まり、襟の形が目立つ |
試着には、その冬いちばんよく着る厚さのニットで行ってください。厚手のタートルネックをよく着る人は、襟元が詰まって襟の形が顔のすぐ下で目立つので、襟の選び方がとくに効いてきます。反対に、薄手のニットが多い人は、襟の奥にのぞくインナーの首元も、顔のすぐ下の一部として見ておきます。
コートの型ごとの向き
売り場でよく見るコートの型を、骨格と顔タイプの両方から見ておきます。型の名前は、形と襟の組み合わせの目安として使ってください。
| 型 | 形の特徴 | 骨格で向きやすい | 襟の印象 | 顔タイプで向きやすい領域 |
|---|---|---|---|---|
| チェスター | テーラードの襟、Iライン | ストレート | 直線、中〜大 | 大人顔×直線 |
| ステンカラー | 立ち上がった折り返し襟 | どの骨格でも | 直線寄り、小〜中 | 子供顔×直線、大人顔×直線 |
| トレンチ | ベルト、肩の飾り布 | ストレート、ナチュラル | 直線、大 | 大人顔×直線 |
| ノーカラー | 襟がない | ウェーブ、ストレート | 開きの形で決まる | 丸い開きは曲線、V字は直線 |
| ダッフル | フード、トグル | ナチュラル | 直線、カジュアル | 子供顔×直線 |
| Pコート | 短丈、ダブル | ウェーブ、ストレート | 直線、大 | 子供顔×直線 |
| ラップ(ガウン) | 前を重ねてベルトで結ぶ | ウェーブ、ナチュラル | 曲線、大 | 大人顔×曲線 |
| ショールカラー | 丸く続く襟 | どの骨格でも | 曲線、中〜大 | 大人顔×曲線 |
同じ型でも、襟の大きさやボタン、生地の厚みでどちらにも寄ります。型の名前で決めずに、表の最初に分けた部分ごとに確かめてください。たとえばステンカラーは、襟の小さいものは子供顔寄り、大きいものは大人顔寄りになります。
試着室で見る順番
試着室では、次の順番で見ると、2つの診断が同じ場所を取り合わずに済みます。
| 順番 | 見るところ | 任せる診断 | 見方 |
|---|---|---|---|
| 1 | 肩線 | 骨格 | 肩先の骨から縫い目までを指で測る |
| 2 | 着丈 | 骨格 | 膝のお皿の中心から裾まで |
| 3 | 生地 | 骨格 | 腕を前に伸ばして、背中の張り方を見る |
| 4 | 襟 | 顔タイプ | 鏡から1m離れて、顔と襟のどちらに先に目が行くか |
| 5 | ボタン | 顔タイプ | 前を閉じて、胸元と顔を同じ視界に入れる |
1〜3で骨格の答えに合わないものは、4と5を見る前に戻してかまいません。後から直せない部分から見て、後から寄せられる部分を最後にするのが、試着の時間を短くするコツです。
試着室の鏡が小さく、1m離れられないときは、店の通路にある大きな鏡を使ってください。コートは全身で見る服なので、上半身だけが映る鏡では、着丈と襟を同時に見られません。店員さんに、少し離れた鏡で見たいと伝えれば、たいてい案内してもらえます。
襟を見るときは、鏡に近づきすぎないでください。30cmの距離で見ると、襟の細部ばかりが目に入ります。人があなたを見る1〜2mの距離で、顔と襟のどちらに先に目が止まるかを見ます。顔に先に目が行けば、その襟は顔タイプに合っています。
手持ちのコートが、どちらかに合わないとき
すでに持っているコートを、骨格と顔タイプの表で見直すと、どこかが合わないと気づくことがあります。買い替える前に、寄せられるところから試してください。
| 合わないところ | 寄せ方 | 寄せられる度合い |
|---|---|---|
| 襟が大きすぎる | 襟を寝かせ、マフラーを内側に入れる | 大きく寄せられる |
| 襟が小さすぎる | ボリュームのあるストールを外側に巻く | 大きく寄せられる |
| 襟が丸すぎる・角ばりすぎる | 逆の形のマフラーやストールを重ねる | ある程度寄せられる |
| ボタンが合わない | ボタンを付け替える | 大きく寄せられる |
| 着丈が合わない | 靴の筒の高さ、ボトムの丈で釣り合わせる | ある程度寄せられる |
| 肩線が合わない | 寄せるのは難しい | 買い替えの候補 |
**肩線以外は、たいていどこかで寄せられます。**襟元のマフラーの選び方はマフラーの色はPC、柄と幅は顔タイプで決めるにまとめてあります。
ボタンは、付け替えるだけで印象が変わる
ボタンを付け替えるときは、元のボタンと同じ直径のものを選んでください。ボタン穴の大きさは変えられないので、直径が違うと留まらなかったり、すぐ外れたりします。
直径が同じなら、形と素材で顔タイプに寄せられます。丸く厚みのあるボタンは曲線、平らで縁の角ばったボタンは直線の印象になります。表面が艶のあるものは大人寄り、つや消しの小さなものは子供寄りに見えやすい。付け替えは、手芸店の売り場やお直しの店で頼めます。
どちらとも取れるとき①|骨格が混合タイプと言われた
骨格診断で、ストレートとウェーブの間、ウェーブとナチュラルの間、のように2つのタイプにまたがると言われた人もいます。
| 骨格の結果 | 形の決め方 | 顔タイプとの組み方 |
|---|---|---|
| ストレートとウェーブの間 | 肩は上半身、丈は下半身の結果で | 襟は顔タイプの答えのまま |
| ウェーブとナチュラルの間 | 生地の厚みは中くらいで | 襟の大きさは顔タイプで |
| ストレートとナチュラルの間 | 肩線は1〜2cm落ちるもの | 襟の形は顔タイプで |
骨格が混合でも、顔タイプの側は1つに決まっていることが多いので、襟とボタンはそのまま顔タイプで決められます。骨格の側の決め方は骨格が混合タイプのコートで詳しく扱っています。
どちらとも取れるとき②|顔タイプが中間と言われた
顔タイプが2つのタイプの間にある、と言われた人もいます。このときは、襟の大きさと形を別々に決めてください。
子供顔と大人顔の間なら、襟の大きさは指3本前後の中くらいにします。曲線と直線の間なら、襟の形は、角の丸いテーラードやステンカラーのように、直線の形に丸みを少し足したものを選びます。2つの軸のうち、どちらで迷っているかが分かれば、その軸の部分だけを中くらいにすればよく、もう片方は答えのまま選べます。自分がどの軸の中間かを確かめる方法は顔タイプ中間タイプの見分け方にあります。
どちらとも取れるとき③|1着で両立するコートが見つからない
形と襟の両方が合うコートが、売り場で見つからないこともあります。そのときは、優先順位を決めて1つを譲ります。
| 優先順 | 部分 | 譲れない理由 | 譲ったときの補い方 |
|---|---|---|---|
| 1 | 襟 | 顔のすぐ下で毎日いちばん目に入る | 譲るならマフラーで補う |
| 2 | 肩線 | 後から直せない | 譲らないほうがよい |
| 3 | 着丈 | 靴とボトムで寄せられる | ブーツやボトムの丈で補う |
| 4 | ボタン | 付け替えられる | 付け替える |
**襟と肩線が合っていれば、残りは後から寄せられます。**襟を譲るしかないときは、マフラーやストールで顔のすぐ下を顔タイプの形にする前提で選んでください。秋冬のあいだはマフラーを巻く日が多いので、襟の影響は思っているより小さくなります。ただし、マフラーを巻かない10月と3月は、襟がそのまま顔の下に来ることを覚えておきます。
どちらとも取れるとき④|色もパーソナルカラーで合わせたい
骨格と顔タイプに加えて、パーソナルカラーでも色を合わせたいときは、色を最後に決めてください。形と襟は型で選ぶので候補が限られますが、同じ型の中で色が数色展開されていることが多いからです。
形と襟で候補を2〜3着に絞ってから、その中で自分のシーズンに近い色を選ぶ。この順番なら、3つの診断が同じ場所を取り合いません。色から先に選ぶと、好みの色の中で形と襟の合うものを探すことになり、候補が一気に減ります。
買う前に書いておく3行メモ
売り場に行く前に、スマホのメモに3行だけ書いておくと、試着室で迷う時間が短くなります。
- 形:肩線は肩先の骨から何cm、着丈は膝から何cm、シルエットは何ライン(骨格で決める)
- 襟:形は丸いか角ばるか、幅は指何本ぶん(顔タイプで決める)
- ボタン:直径と形(顔タイプで決める。付け替えられる)
この3行があれば、売り場でコートを1着ずつ「似合うかどうか」で見るのではなく、「形の行と襟の行に当てはまるか」で見られます。当てはまらないものは、手に取らずに通り過ぎてかまいません。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 骨格診断と顔タイプ診断で、コートの答えが違います。どちらを優先すればいいですか
- コートの部分ごとに分けてください。肩線・着丈・シルエット・生地の厚みは、体の骨組みや厚みに沿う部分なので骨格の答えを使います。襟の形と大きさ、ボタン、柄の大きさは、顔のすぐ近くに来るので顔タイプの答えを使います。たとえば骨格ストレートでキュートなら、形はIラインでジャストな肩、襟は小さめで角の丸いものを選びます。どちらか一方を捨てる必要はありません。
- Q. コートは1着しか買えません。何から決めればいいですか
- 襟、肩線、着丈の順に決めてください。襟は顔のすぐ下に来るので、合っていないと毎日いちばん目に入ります。肩線は後から直しにくい部分です。着丈は、合わせるボトムや靴で見え方をある程度寄せられます。3つのうち襟と肩線が合っていれば、丈が少しずれていても日常では困りにくくなります。迷ったら、ボタンの付け替えやマフラーで寄せられる部分を後回しにします。
- Q. 手持ちのコートの襟が顔タイプに合いません。買い替えるべきですか
- 買い替える前に、襟元に1枚足してみてください。襟が大きすぎるなら、襟を寝かせてマフラーを内側に入れると、顔のすぐ下はマフラーの形になります。襟が小さすぎたりシャープすぎたりするなら、ボリュームのあるストールを外側に巻くと印象が変わります。ボタンが気になる場合は、ボタンだけ付け替えるのも1つの方法です。肩線が合っていれば、襟元は後から寄せられます。
- Q. 骨格も顔タイプもよく分かりません。どうやって選べばいいですか
- 肩線がちょうど肩先の骨の上に来るもの、着丈が膝がかくれる程度のもの、襟の幅が指3本ぶん前後のもの、という中間の条件から選ぶと大きく外れにくくなります。そのうえで、試着室で鏡から1m離れ、顔と襟のどちらに先に目が行くかを見てください。襟に先に目が行くなら襟を小さく、顔に先に目が行くならそのままでかまいません。診断のやり方は関連記事でまとめています。
— メグラシ編集部





