コートの色はパーソナルカラーで選ぶ|顔の下20cmで決まる

**あなたのコートの色は、顔の下20cmだけで決まります。**コートは面積が大きいので全部が顔に影響しているように感じますが、顔の見え方を動かしているのは、襟元から下へ20cmほどの範囲だけです。そこから下は、明るさや温度が多少ずれても、顔の見え方はほとんど変わりません。
だから、パーソナルカラーで選ぶべきなのは「コートの色」というより「襟元に来る色」です。この順番で考えると、買う前の迷いも、手持ちの1枚をどうするかも、同じ手順で決まります。
結論:4タイプの第一候補と、襟元に挟む前提の色
先に答えを置きます。第一候補はそのまま襟元まで着られる色、第二候補は明るさか温度のどちらかを少しずらした色です。「挟む前提」の色は、着られないのではなく、襟元に自分の側の色を足して着る色です。
| タイプ | 第一候補 | 第二候補 | 挟む前提で着る色 |
|---|---|---|---|
| イエベ春 | 明るいキャメル、アイボリー | 明るいベージュ、黄みのライトグレー | 黒、濃い灰色 |
| イエベ秋 | キャメル、ブラウン、カーキ | 深い緑、からし色 | 青みの灰色、真っ白 |
| ブルベ夏 | 灰みのベージュ、ライトグレー | ネイビー、くすんだ青 | 黄みの強いキャメル、黒 |
| ブルベ冬 | 黒、チャコール、濃紺 | 真っ白、青みの灰色 | 明るいキャメル、黄みのベージュ |
この表だけで決まる人は、ここで読み終えて構いません。ベージュやグレーのように、同じ名前が複数のタイプに出てくる色で迷う人は、少し先の境目の表を見てください。
なぜ20cmなのか|顔に反射が届く範囲
顔の見え方を動かしているのは、服から顔へ跳ね返る光です。顎の下や頬の下側には、胸元の色が薄く映り込みます。映り込みがはっきり届くのは、顎の先から下へ20cmほど、ちょうど鎖骨の少し下までの範囲です。
それより下、胸の中ほどから裾までの面は、遠くから見たときの全身の印象には効きますが、顔の明るさや影にはほとんど届きません。コートの色で顔が沈んで見えるのは、20cmの範囲の色が合っていないときです。
この仕組みがわかると、手の打ち方が2つに分かれます。20cmの範囲まで含めて自分の側の色のコートを選ぶか、コートの色はそのままにして20cmの範囲だけを作り替えるか。どちらを選んでも、顔の見え方は同じところに着地します。
手持ちのコートで確かめる|鏡から1.5m、襟を立てて4か所
買い替えを考える前に、いま持っている1枚で確かめてください。所要は3分ほどです。
- 昼間、窓のそばで、鏡から1.5m離れて立つ。部屋の照明は消す
- コートを着て、前を閉め、襟を立てる。インナーやマフラーは外す
- 次にコートを脱いで、白いシャツか白いタオルを襟元に当てる
- 2と3を交互に3回繰り返し、下の4か所を比べる
見るのは、頬の明るさ、小鼻のまわりの影、白目の白さ、唇の色の4か所です。コートのほうで3か所以上が良いほうへ動けば、その1枚はあなたの側の色です。2か所なら、襟元に何かを挟めば着られます。1か所以下なら、20cmの範囲を作り替える前提で着る色です。
1.5m離れるのは、近すぎると色より肌のきめが目に入り、判定がぶれるからです。人と話すときの距離に近いので、人から見えている顔に近い判断になります。
イエベ春|明るさを落とさずに、黄みで温める
イエベ春の第一候補は、明るいキャメルとアイボリーです。どちらも顔の下に明るい面が来るので、頬の明るさがそのまま残ります。
注意したいのは、キャメルの中でも暗く深いもの。イエベ春は黄みには強い一方で、明るさが下がると顔の軽さが消えます。売り場で2本並べて迷ったら、明るいほうを選んでください。
黒や濃い灰色のコートを着たい日は、襟元にアイボリーか明るいベージュを挟みます。挟む幅は8cm以上。これより狭いと、明るい面が細い線に見えて、20cmの範囲の大半が暗いままになります。
イエベ秋|キャメルとブラウンが本命、灰色は温度が逆
イエベ秋は、コートの定番色がそのまま第一候補になりやすいタイプです。キャメル、ブラウン、カーキ。深い緑やからし色も、顔の下に置いて外れにくい色です。
外れやすいのは、青みを含んだ灰色と真っ白です。灰色は温度が逆なので、頬の黄みだけが浮いて見えます。真っ白は明るさの差が大きすぎて、顔の下に強い反射が入ります。白が着たいなら、生成りやクリーム寄りの白を選ぶと、温度がそろって落ち着きます。
手持ちの茶が多くなりがちなので、コートまで同じ明るさの茶にすると、全身が1枚の面になります。中に着る服とコートの明るさを2段以上離すと、茶の重なりでも輪郭が残ります。
ブルベ夏|灰みのある色を、明るめで選ぶ
ブルベ夏の第一候補は、灰みのあるベージュとライトグレーです。明るくて、黄みより灰みが勝つ色。顔の下に置くと、肌の赤みがやわらかく整います。
ネイビーやくすんだ青は第二候補です。暗さはありますが、青みが同じ側なので温度は合います。深いネイビーなら、襟元の開きを少し深くして、中の明るい色が見える面積を増やすと、20cmの範囲の明るさが上がります。
黄みの強いキャメルと真っ黒は、挟む前提の色です。キャメルなら灰色か淡い青、黒ならライトグレーか白に近い灰色を襟元へ。
ブルベ冬|黒が本命になる、ほぼ唯一のタイプ
ブルベ冬は、黒・チャコール・濃紺がそのまま第一候補になります。顔の下に濃い面が来ることで、目元と唇がはっきり立つタイプだからです。
真っ白や青みの灰色も似合います。ただし白は「縁の白さ」を見てください。ボタンの周りや縫い目の近くが黄ばんだ白に見えるものは、温度がずれています。白い紙の横に置いて、紙と同じか紙より青く見える白を選びます。
明るいキャメルや黄みのベージュは、挟む前提の色です。黒か濃紺のマフラーを襟元に入れると、それだけで20cmの範囲がブルベ冬の側に戻ります。
境目の表|同じ名前の色が、タイプごとに分かれる理由
ベージュ、グレー、キャメル。コートによく使われる色ほど、名前だけでは判断できません。分けているのは、次の2つの軸です。
| 同じ名前の色 | 黄み寄り・明るい | 黄み寄り・深い | 灰み寄り・明るい | 灰み寄り・深い |
|---|---|---|---|---|
| ベージュ | イエベ春 | イエベ秋 | ブルベ夏 | ブルベ冬(グレージュ) |
| グレー | イエベ春(黄みの灰) | イエベ秋(茶みの灰) | ブルベ夏 | ブルベ冬 |
| キャメル | イエベ春 | イエベ秋 | ブルベ夏(灰み) | 挟む前提 |
見分け方は、白い紙の横に置くことです。紙の横で黄色っぽく見えれば黄み寄り、灰色っぽく見えれば灰み寄り。明るさは、手の甲より明るいか暗いかで分けます。紙と手の甲、この2つを同時に当てれば、表のどのマスかが決まります。
どちらとも取れるとき①|1stと2ndで候補が割れる
1stがブルベ夏、2ndがイエベ秋、というように、コートの候補が2つのタイプにまたがる人は少なくありません。
コートは冬のあいだほぼ毎日着るので、基本は1stに合わせます。ただ、手持ちの服が2ndの色に寄っているなら、2ndの色を選び、明るさだけ1stに寄せる方法があります。たとえばブルベ夏1st・イエベ秋2ndなら、明るめのカーキ。温度は秋でも、明るさが夏に近ければ、20cmの範囲で起きる差は小さくなります。
迷ったまま店に立ったら、候補のコートの襟元に1stの色の布を当ててみてください。当てても頬が沈むなら、そのコートは見送ります。当てて戻るなら、挟んで着られる1枚です。
どちらとも取れるとき②|持っているコートが反対側の色だった
判定の結果、手持ちのコートが反対側の色だった。これがいちばん多い相談です。結論から言うと、手放す必要はありません。
20cmの範囲のうち、顔に近い上半分を作り替えれば、顔の見え方は自分の側に戻ります。やり方は2つあります。マフラーやストールを巻いて、襟元に自分の側の色を幅8cm以上入れる。あるいは、中に着る服の首元を自分の側の色にして、襟を開けて着る。
どちらをやっても頬の明るさが戻らないときだけ、そのコートは顔から離れた場面、たとえば車の移動や短い外出に回します。買い替えを考えるのはそのあとで十分です。
どちらとも取れるとき③|仕事用と休日用を1枚で済ませたい
仕事では黒や紺を求められることが多く、休日は明るい色を着たい。1枚で両方をこなしたいなら、自分のタイプの第一候補の中で、いちばん暗い色を選んでください。
イエベ春ならキャメルの中の深め、イエベ秋ならブラウン、ブルベ夏ならネイビー、ブルベ冬なら黒。どれも仕事の場で浮かず、休日は襟元に明るい色を挟めば軽くなります。逆に、休日寄りの明るい色を選ぶと、仕事の日に暗い色を挟む必要が出て、手数が増えます。
襟元に挟むもの|幅8cmと、面か線か
挟むものは、マフラーでもストールでも、中に着るニットの首元でも構いません。効いているのは種類ではなく、顔の下に見えている幅です。
8cmより狭いと、挟んだ色は「線」に見えて、コートの色が面として勝ちます。8cm以上あると「面」に変わり、20cmの範囲の上半分を占めます。巻き物なら、1回巻いて垂らす部分を前に出すと幅が取りやすくなります。巻き方と幅の関係はマフラーの巻き方は襟の形で決まるにまとめてあります。
色と柄をどう組むかまで決めたい人は、顔タイプとの掛け合わせで選ぶ方法をマフラーの色はPC、柄と幅は顔タイプで決めるに書きました。
素材で色が動く|起毛は沈み、艶は跳ね返す
同じ色のコートでも、素材で顔への効き方が変わります。ウールの起毛やカシミヤのように表面が毛羽立った素材は、光を吸うので色が一段沈んで見えます。ナイロンや艶のある素材は、光を跳ね返すので一段明るく、色みも強く出ます。
起毛のコートは、売り場で見たより暗く着地すると考えてください。明るさで迷ったら、明るいほうを選ぶと、着たときにちょうどよくなります。艶のある素材は反対で、色みが強く出るので、温度が自分の側から少しでも外れていると、その差が目立ちます。
店で決めるとき|照明の下で決めず、窓の近くへ
売り場の照明は、白っぽいものと黄みがかったものが混在しています。照明の色で、ベージュもグレーも寄り方が変わって見えます。照明の違いと見え方は試着室の照明で色が変わるにまとめてあります。
決める前に、店の出入口か窓の近くまでコートを持っていき、自然光の下で襟元だけを確かめてください。4か所の判定を1回だけやれば十分です。秋の夕方は日が落ちるのが早いので、仕事帰りに買うなら、照明の下での判定は保留にして、翌日の昼にもう一度見るほうが確実です。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. パーソナルカラーに合わない色のコートを買ってしまいました。着ないほうがいいですか
- 着て構いません。コートが顔に効いているのは襟元から下の20cmほどで、そこから下は多少ずれても顔の見え方はほとんど変わりません。襟元に自分の側の色のマフラーかインナーを幅8cm以上挟むと、顔に近い半分を作り替えられます。前を閉めて着ることが多いなら、襟の内側に見える面の色を変えるだけでも効きます。手放すかどうかを決めるのは、挟んでも頬の明るさが戻らなかったときだけで十分です。
- Q. キャメルのコートはブルベには似合わないのですか
- キャメルの中にも黄みの強いものと、灰みを含んで赤みに寄ったものがあります。ブルベで扱いやすいのは後者で、白い紙の横に置いたときに黄色く見えず、灰色がかった茶に見えるものです。黄みの強いキャメルを選んだ場合も、襟元に灰色や紺を挟めば着られます。避けるべき色というより、襟元に何かを挟む前提で着る色だと考えてください。
- Q. 黒のコートは誰にでも合う無難な色ではないのですか
- 黒は無難に見えますが、顔の下に置いたときの影がいちばん濃く出る色です。ブルベ冬ではそれが顔の輪郭をはっきりさせる方向に働きますが、イエベ春やブルベ夏では影だけが残ることがあります。黒を選ぶなら、襟の開きを深めにして、黒と顔のあいだに明るい面を1つはさむと落ち着きます。仕事で黒を指定されている場合も、この挟み方で対応できます。
- Q. 1stと2ndでコートの候補が違います。どちらに合わせればいいですか
- コートは冬のあいだほぼ毎日着るので、1stに合わせるのが基本です。ただ、2ndの色のほうが手持ちの服と合うなら、明るさだけ1stに寄せた2ndの色を選ぶ方法があります。温度が違っても明るさが近ければ、20cmの範囲で起きる差は小さくなります。店で迷ったら、襟元に1stの色の布を当てて、それでも頬が沈むかどうかで決めてください。
— メグラシ編集部





