ズボンの補正|ウエストが余るかヒップがきついかで直す縫い目が変わる

**ズボンの補正は、ウエストが余るのか、ヒップや太ももがきついのかで、直す縫い目が変わります。**ウエストだけが余るなら後ろ中心の1本を、ウエストもヒップも大きいなら左右の脇の2本を詰めます。境目は、腰の後ろでつまんだ布の幅が合計2〜3cmかどうかです。
きついほうを直すなら、出せるのは裏の縫い代に残っている布の分だけです。ズボンを裏返して、後ろ中心と脇の縫い代を測ってください。1.5cm以上残っていれば片側1cmほど出せます。1cm未満なら、出すより別の1本を考えたほうが確かです。
ウエストは余るのにヒップがきつい人は、**ヒップに合わせてからウエストを詰めます。**この順番を逆にすると、ヒップはもう直せません。丈の直しはズボンの丈直しの失敗にまとめたので、この記事では丈以外の補正だけを扱います。
まず合わない場所を見分ける|座って、立って、もう一度座る
合わないと感じている場所と、実際に直す場所は、ずれていることがよくあります。ヒップがきついせいで腰が後ろに引っ張られ、ウエストの後ろが浮いて「ウエストが余る」と感じている場合です。
ズボンを履いて、次の順に確かめてください。
- 立ったまま、ウエストの後ろに指を差し込む。指が何本入るか
- 椅子に座る。お尻と太ももで、布がどこに引っ張られるか
- 立ち上がって、もう一度座る。2回目も同じ場所が引っ張られるか
**座ったときにお尻か太ももがつれるなら、直すのはヒップ側です。**立っているときだけウエストが余り、座るとちょうどよいなら、直さなくてよい場合もあります。
| 立ったとき | 座ったとき | 直す場所 |
|---|---|---|
| ウエストが余る | 余ったまま | ウエスト(後ろ中心か脇) |
| ウエストが余る | ちょうどよい | 直さない。ベルトで受ける |
| ウエストが余る | お尻がつれる | ヒップを先に、ウエストは後から |
| ちょうどよい | 太ももがつれる | 太ももの内側の縫い目 |
ウエストだけ余る|後ろ中心の1本で詰める
ウエストに指が2本以上入るのに、ヒップはちょうどよい。この場合は、**後ろ中心の縫い目を1本だけ詰めます。**ベルト部分とその下の縫い目を、腰から下に向かってなだらかに細くしていきます。
腰の後ろで布をつまんでみてください。つまんだ幅が片側1〜1.5cm、合計2〜3cmまでなら、後ろ中心だけで詰めても腰の線は崩れません。これ以上つまむと、後ろ中心の縫い目が内側に寄りすぎて、お尻の上に斜めのしわが出ます。
ベルトの後ろ中心に縫い目がないズボンもあります。ベルトが一続きになっていると、ベルトごと外して付け直すことになり、手間が一段増えます。裏返してベルトの後ろ中心に縫い目があるかを先に見てください。
ウエストもヒップも大きい|脇の2本で詰める
ウエストが余り、お尻も座ってもつれない。全体がひと回り大きいときは、**左右の脇の縫い目を詰めます。**脇なら上から下まで同じ幅で詰められるので、ウエストからヒップまでを一緒に小さくできます。
脇で詰めるときに見るのは、脇ポケットの有無です。
- 脇ポケットがない:脇をほどいて縫い直すだけ。手間は少ない
- 斜めの脇ポケットがある:ポケットの口が脇にかかるので、口ごとほどいて付け直す。手間が大きく増える
- 前の切り込みポケット:脇から離れているので、ポケットに触らずに詰められることが多い
合計で5cmを超えて詰めたいなら、脇と後ろ中心の3本に分けます。それでも腰からお尻の線が変わるので、5cmを超えるときは、詰めるより一つ下のサイズを探すほうが早いこともあります。
ヒップがきつい|縫い代に残る布で出せるかが決まる
ヒップを広げるには、縫い目をほどいて、縫い代の布を表側に出します。出せる幅は、裏に残っている縫い代の幅で決まります。
ズボンを裏返して、後ろ中心と左右の脇の縫い代を測ってください。
- 縫い代が1.5cm以上:片側1cm前後出せる。後ろ中心と脇を合わせて、合計2〜4cm
- 縫い代が1〜1.5cm:片側5mm前後。合計で1〜2cm
- 縫い代が1cm未満:ほとんど出せない
後ろ中心は、もともと縫い代が多めに取られていることが多く、ヒップを出すときにまず見る場所です。脇は縫い代が端でかがってあり、1cm前後しかないことが多いので、出せても少しです。
出したあとに残る、もとの縫い目の線
出したあとは、もとの縫い目の線が表から見えることがあります。見えるかどうかは生地で変わります。
- ウールや厚手の織物:蒸気を当てると、ほとんどわからなくなる
- 綿のチノやデニム:色が抜けた線が残りやすい
- ポリエステルの薄手:針穴が点になって残ることがある
線が残りやすい生地で出すなら、後ろ中心で出して、ジャケットやニットの丈で隠れる位置にとどめます。脇は横から見える場所なので、線が残る生地では避けます。
太ももがきつい|内側の縫い目で少しだけ出す
太ももだけがきついなら、股から膝に向かう内側の縫い目を出します。ここも縫い代の分だけで、出せるのは片側5mm〜1cmほどです。
太ももは、座ったときにいちばん布が引っ張られる場所です。立って合わせると足りているように見えても、座るとつれる。出したあとは、立っているときより座ったときを確かめてください。座って布が太ももの前に横じわを作るなら、出した幅では足りていません。
ウエストは余るのに、ヒップがきつい|順番が大事
いちばん迷うのが、この組み合わせです。ウエストに合わせて選ぶとヒップがきつく、ヒップに合わせるとウエストが余る。
**順番は、ヒップに合わせてからウエストを詰める、です。**ヒップは出せる幅が縫い代の分しかありませんが、ウエストは詰めるだけなので、あとからいくらでも合わせられます。買うときも、ヒップがちょうどよいサイズを選び、ウエストの余りは後ろ中心で詰める前提にしておくと、直しが1回で済みます。
ウエストの差が合計3cmを超えるなら、後ろ中心だけでは足りないので、後ろの左右にあるダーツ(腰の小さなつまみ)を深くする方法もあります。ダーツがあるズボンなら、後ろ中心とダーツ2本に分けて詰めると、お尻の上にしわが出にくくなります。
どちらとも取れるとき①|指1本ぶんだけ余る
ウエストに指が1本だけ入る。これは直すほどではない幅です。**秋冬に履くズボンなら、そのまま残してください。**タイツやインナーを重ねると、ウエストもヒップも1cm前後増えるので、冬にはちょうどよくなります。
逆に、薄手のインナーで履く季節にだけ余るなら、ベルトで受けるほうが、冬に戻せなくなる心配がありません。
どちらとも取れるとき②|ゴムのウエスト
後ろだけゴムが入っているズボンは、ゴムで調整されているので、ウエストが余って見えても縫い目を詰める必要がないことが多いです。ゴムを短くするだけで足ります。
全周がゴムのズボンでウエストが余るなら、ゴムの入れ替えで済みます。ヒップがきつい場合は、ゴムのズボンでも縫い代の分しか出せないのは同じです。
どちらとも取れるとき③|股上が浅い・深い
座ると後ろが下がって腰が出る、立つと股のあたりに布がたまる。これは股上の深さが合っていないためで、ウエストやヒップの補正では直りません。
股上はベルトの付け位置ごと直すことになり、補正の中ではいちばん大きな直しです。股上が気になるなら、補正するより、股上が自分に合う1本を探すほうが早く確実です。
冬に重ねる分を入れて測る
秋冬に履くズボンを補正するなら、**冬に下に重ねるものを履いた状態で測ってください。**厚手のタイツ、裏起毛のインナー、ズボンの中に入れるニットの裾。これだけで、ウエストもヒップもそれぞれ1cm前後増えます。
薄着の時期に測って詰めると、冬に座ったときにきつくなります。反対に冬の状態で詰めておけば、春に少し余っても、ベルトで受けられます。詰めるときは冬に合わせ、出すときは薄着で合わせる、と覚えておくと迷いません。
自分で直すか、お直しに出すか
自分で直しやすいのは、脇ポケットのない脇の詰め、ゴムの入れ替えです。ミシンで直線を縫えれば、ほどいた縫い目の上をなぞって縫うだけで済みます。
お直しに出したほうがいいのは、次の4つです。
- ベルトが一続きで、外して付け直す必要がある
- 斜めの脇ポケットごと詰める
- ヒップを出して、もとの縫い目の線を消したい
- 股上を直したい
お直しに出すときは、冬に重ねる物を履いた状態で、座った姿勢まで見てもらってください。立って合わせただけの補正は、座ったときに合わなくなることがあります。
まとめ
ズボンの補正は、合わない場所で直す縫い目が変わります。ウエストだけ余るなら後ろ中心、全体が大きいなら脇、ヒップや太ももがきついなら縫い代に残る布の分だけ出す。ウエストが余るのにヒップがきつい人は、ヒップに合わせてからウエストを詰める。秋冬に履く1本は、冬に重ねる物を履いて、座った姿勢で測ってください。
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よくある問い
- Q. ズボンのウエストは何cmまで詰められますか
- 後ろ中心で詰めるなら、合計2〜3cmまでが形の崩れにくい範囲です。それ以上は脇の縫い目でも分けて詰めます。ただし脇にポケットがあると、ポケットの口まで一度ほどくことになり、手間が大きく増えます。5cmを超えると腰からお尻にかけての線が変わるので、詰めるより一つ下のサイズを探すほうが早いこともあります。
- Q. きついズボンを大きくすることはできますか
- 裏の縫い代に残っている布の分だけ広げられます。ズボンを裏返して、後ろ中心と脇の縫い代の幅を測ってください。1.5cm以上あれば片側1cmほど、縫い目が4本あれば合計で数cm出せることがあります。縫い代が1cm未満なら、出すより買い替えを考えたほうが確実です。
- Q. 太ももだけきついのですが、直せますか
- 太ももの内側の縫い目に縫い代が残っていれば、少しだけ出せます。ただ、太ももは座ったときにいちばん布が引っ張られる場所なので、出した直後は立っているときより座ったときを確かめてください。座ってつれるなら、出した幅では足りていません。
- Q. 冬にタイツを履くと、ウエストがきつくなります
- タイツやインナーを重ねると、ウエストもヒップも1cm前後増えます。秋冬に履くズボンを詰めるなら、冬に下に重ねるものを履いた状態で測ってください。薄着の時期に合わせて詰めると、冬に座ったときにきつくなります。
— メグラシ編集部





