ズボンの丈直しの失敗|短すぎ・左右差・裾のつれを折り代の残りで直す

**丈直しをしたズボンを裏返して、裾の内側に折り返してある布の長さを測ってください。**3cm以上残っていれば、短すぎた丈は戻せます。1〜3cmなら別布を足して戻せる見込みがあり、1cm未満なら丈は戻さずに、合わせる靴の側で受け止めます。
ズボンの丈直しの失敗は、見た目では6つに分かれます。短すぎる、左右で長さが違う、裾がつれて波打つ、裾が外に跳ねる、洗ったら縮んだ、靴を替えたら合わない。**どれも、直せるかどうかを決めるのは裾の内側の布です。**技術の差より先に、布が残っているかどうかで道が分かれます。
これから丈直しをするなら、方法の選び方はズボン裾上げの4つの方法の違いに、縫わずに家で仕上げる手順はズボンの裾上げを簡単ににまとめてあります。この記事は、仕上がったあとに「何か違う」と感じた人のためのものです。
結論|直せるかは、裾の内側に残った布で決まる
失敗の種類ごとに、見る場所と、直せる目安が決まっています。
| 失敗 | 最初に見るところ | 直せる目安 | 直し方の方向 |
|---|---|---|---|
| 短くしすぎた | 裾の内側の折り代 | 3cm以上残っている | 折り返しを下ろして縫い直す |
| 短くしすぎた(折り代が少ない) | 同じく折り代 | 1〜3cm残っている | 裾に別布を足して折り代を作る |
| 短くしすぎた(切ってしまった) | 同じく折り代 | 1cm未満 | 丈は戻さず、靴と靴下で受け止める |
| 左右で長さが違う | 左右の股下 | 差が1cmを超える | 長いほうを詰める |
| 裾がつれて波打つ | 新旧の裾の幅の差 | 片側1cmを超える | 脇で幅を逃がして折り直す |
| 裾が外に跳ねる | 折り目の線 | 折り目が2本ある | 折り目を1本に付け直す |
| 洗ったら縮んだ | 素材の表示と折り代 | 折り代が2cm以上 | 下ろして縫い直す |
| 靴を替えたら合わない | 靴の甲の高さ | 差が2cm以内 | 裾より先に靴下と靴で合わせる |
**表の右端に進む前に、左から2列目だけ確かめてください。**測る場所は、ほとんどが裾の内側か股下の2か所です。
失敗を見分ける|症状から原因をたどる
違和感はあるのに、何が失敗なのか言葉にできないことがあります。症状から原因をたどると、見る場所が決まります。
| 症状 | 考えられる原因 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 立つと足首が思ったより出る | 丈を決めたときと靴が違う | 丈を決めた日の靴で履き直す |
| 座ると靴下が大きく見える | 立った姿だけで丈を決めた | 椅子に座って横から写真を撮る |
| 片方だけ裾が靴に当たる | 左右の股下が違う | 股の縫い目から裾まで左右を測る |
| 裾の内側がごろごろする | 折り代が厚く重なっている | 裾を裏返して折りの回数を数える |
| 裾の少し上に横じわが出る | 折り返した布が裾より広い | 新旧の裾の位置で幅を測る |
| 裾が外にめくれてくる | 折り目が2本付いている | 裾を裏返して折り目の線を探す |
| 表から縫い目の点が見える | 糸を引きすぎた | 裾を斜めから光に当てる |
| 洗ったら全体に短くなった | 綿・麻・デニムの縮み | 洗う前の股下の数字と比べる |
原因が1つとは限りません。2つ当てはまったときは、表の上にあるものから順に直してください。丈の問題を先に片づけないと、幅や折り目を直しても、もう一度ほどくことになります。
30秒で確かめる|裾を裏返して、折り代を測る
直せるかどうかの見当は、道具1つで付きます。
- ズボンを裏返し、裾を平らな机に置く
- 裾の折り山から、折り返した布の端までをメジャーで測る
- 前・後ろ・両脇の4か所で測り、いちばん短い数字を使う
いちばん短い数字を使うのは、折り代は一周同じ長さとは限らないからです。**脇の縫い目のところだけ短く切ってあることがよくあります。**そこが足りなければ、ほかの3か所が長くても、その長さまでしか下ろせません。
折り返しが2回重なっている三つ折りの裾は、内側の小さい折りも広げて測ります。折りを全部広げた長さが、使える布の長さです。
折り代の残りで、選べる直し方が変わる
測った数字で、選べる方法が絞られます。
| 折り代の残り(いちばん短い所) | 下ろせる長さの目安 | 選べる方法 |
|---|---|---|
| 5cm以上 | 3〜4cm | 下ろして縫い直す。どの方法でも仕上がる |
| 3〜5cm | 1.5〜3cm | 下ろして縫い直す。折り代は1.5cm残す |
| 2〜3cm | 1〜1.5cm | 別布を足すと、2cm前後まで回せる |
| 1〜2cm | 0.5〜1cm(別布なら1.5cm前後) | 別布を足す方法だけが現実的 |
| 1cm未満 | ほぼ下ろせない | 丈は戻さず、合わせ方で受け止める |
| 切って捨てた | 下ろせない | 裾に別の布を継ぐか、丈の短い着方に回す |
下ろせる長さが折り代より短いのは、裾を裾として保つために、最低でも1cm前後の折り返しが要るからです。これを削ると、裾の端が薄くなり、歩くたびにめくれます。
短すぎた①|折り代が3cm以上なら、下ろして縫い直す
いちばん素直に直る場合です。裾の縫い目をほどき、折り返しを下ろして、新しい長さで折り直します。
ほどくときは、糸を切るための小さな刃の道具か、先の細いはさみを使います。**表の生地まで切らないように、裏側から糸だけをすくってください。**テープで貼ってある裾なら、当て布をしてアイロンで温めながら、少しずつはがします。
新しい長さは、下ろせる最大の長さより5mm控えめにしてください。最大まで下ろすと折り代がぎりぎりになり、裾の端が薄く、重さで下に引っ張られません。5mmの差は、立った姿ではほとんど分かりません。
下ろしたら、縫い直す前に一度履いて、合わせる靴で横から写真を撮ってください。ほどいた直後の裾は、元の折り目に引っ張られて実際より短く見えることがあります。霧吹きで湿らせて平らにしてから確かめると、仕上がりの長さに近くなります。縫うのは、その長さで納得してからです。
短すぎた②|折り代が1〜3cmなら、別布を足して折り代を作る
折り代が少ないときは、裾の内側に別の布を縫い足して、折り代の代わりにします。お直しの売り場では「見返しを付ける」「裾に布を足す」と伝えると通じます。
手順はこうです。元の折り返しを全部下ろし、裾の端に、帯状の別布を縫い合わせます。その別布を内側に折り返して、裾を作ります。元の生地は、ほとんど全部が丈に回ります。
別布は内側に隠れるので、表からは見えません。ただし、座ったり脚を組んだりすると裾の内側がのぞくことがあります。生地の色に近い布か、一段暗い色を選ぶと、のぞいても目立ちません。家で縫うのが難しければ、この方法はお直しに出すほうが仕上がりがそろいます。
短すぎた③|1cm未満なら、丈は戻さずに合わせで受け止める
折り代がほとんど残っていない、または切って捨ててしまった場合、丈を戻すのは現実的ではありません。ここからは、短くなった丈を前提に、合わせる側を変えます。
| 足首の出方 | 合わせ方 | 秋冬の組み方 |
|---|---|---|
| くるぶしの骨が半分見える | 甲の浅い靴で、足首から先を一続きにする | ズボンと同じ濃さの靴下 |
| くるぶしの骨が全部見える | 甲の深い靴で、出る肌を減らす | 厚手の靴下で面を作る |
| くるぶしの上3cm以上 | 裾を1回折り上げて、短い丈として着る | ショートブーツで裾の中に入れる |
| 座ったときだけ短い | 靴下の丈を長くする | ふくらはぎの半ばまでの靴下 |
| 片方だけ極端に短い | 両方を短いほうに合わせて詰め直す | 短い丈のズボンとして着る |
短くなったズボンを、短い丈の一本として持ち直すと、秋から冬のブーツの季節にはかえって出番が増えることがあります。足首の出る長さと靴下の関係は靴下の長さの選び方で、座ったときの丈の上がり方と一緒に測れます。
反対に、まだ長い|詰め足りなかったとき
短すぎたのとは逆に、仕上がってみたら裾がまだ靴の甲でたわむ、という失敗もあります。こちらは、短すぎた場合より直しやすい側です。布を足す必要がなく、もう一度詰めるだけで済むからです。
ただし、同じ裾をもう一度詰めると、**折り返しが2回分重なって裾が厚くなります。**詰め足す長さが2cm以内なら、今の折り返しの上にもう一度折り重ねても、ほとんど気になりません。2cmを超えるなら、今の折り返しをほどき、新しい長さで折り直してください。余った布は、折り代を4cm残して切ります。
詰め足すときは、最初に丈を決めた日と同じ靴を履いて決め直します。「まだ長い」と感じたのが別の靴を履いた日なら、丈ではなく靴が原因かもしれません。その場合は、下の「秋の靴に替えたら、合わなくなった」の表を先に見てください。
下ろしたあとに残る、折り目の線
裾を下ろすと、元の折り山のところに横一本の線が残ります。これが消えるかどうかは、生地で決まります。
| 生地 | 線の残り方 | 消し方 |
|---|---|---|
| ウール | 蒸気でほぼ消える | 当て布をして、蒸気を当てながら浮かせる |
| ウールの起毛 | 毛が寝て筋に見える | 裏からアイロン、表は毛の向きに沿ってブラシ |
| 綿のチノ | 薄く残る | 霧吹きで湿らせてから、当て布で押さえる |
| 麻 | 残りやすい | 湿らせて押さえる。完全には消えないことが多い |
| デニム | 色が抜けて白い線になる | 消えない。線ごと内側に隠れる長さにする |
| ポリエステル | 熱で付いた線が残る | 中温で当て布。高温は生地が光るので避ける |
| 伸びる生地 | 線より先に波打ちが出る | 下ろさず、今の丈で合わせを変える |
| 撥水加工のある生地 | 線が白く見える | 消えないことが多い。お直しで相談する |
**デニムの白い線は、洗っても消えません。**色の濃いデニムを下ろすなら、元の折り山が新しい裾の内側に隠れる長さまでにとどめてください。そうすると、下ろせる長さは1cm前後に減りますが、表から線は見えません。
左右で長さが違う|差が5mmなら、まず立って見る
仕上がったズボンの左右で長さが違うと、気になり始めると目が離せなくなります。先に、直す必要がある差かどうかを決めてください。
**差が5mm以内なら、立った姿や歩いている姿ではほとんど見分けられません。**鏡の前で真上から見下ろしたときだけ分かる差です。1cmを超えると、靴の甲に当たる位置が左右で変わるので、横から見ても分かります。
測るときは、床から測らないでください。立ち方で数字が変わります。股の縫い目が交わる点から裾の端まで(股下)を、左右それぞれ測ります。平らな机にズボンを置いて、脇の縫い目をそろえてから測ると、同じ条件で比べられます。メジャーは生地を引っ張らず、机に沿わせて置くだけにします。引っ張ると、それだけで数mm変わり、左右の差がないのに差があるように見えます。
左右差がどこから来ているか
左右差の原因は、仕上げのときの印だけとは限りません。原因によって、直し方が変わります。
| 原因 | 見分け方 | 直し方 |
|---|---|---|
| 印を床から測った | 平らに置くと股下が違う | 長いほうを短いほうに合わせて詰める |
| 縫い目がねじれている | 脇の縫い目が前に回ってくる | 丈ではなく、ねじれをお直しで相談する |
| 片方だけ折り代が厚い | 裾を裏返すと折りの回数が違う | 厚いほうをほどいて、折り直す |
| 立ち方の癖 | 平らに置くと左右同じ | 丈は直さない。片方の裾を5mmだけ詰める選択もある |
| ベルトの位置がずれている | ウエストの縫い目が水平でない | ベルトを締め直して見直す |
| 片方だけ洗って縮んだ | 汚れを部分洗いした | 両方を同じ条件で洗い、乾いてから測る |
平らに置いて左右の股下が同じなのに、履くと違って見える場合は、ズボンではなく立ち方の癖です。重心をかけている側の裾が下がって見えます。**この場合は丈を直すより、両足に同じ重さをかけて立ってから見直してください。**それでも気になるときだけ、下がって見える側を5mm詰めます。
裾がつれて波打つ|幅の差が片側1cmを超えている
裾の少し上に横じわが出る、裾の内側で布が余って波打つ。これは、裾に向かって細くなるズボンを長めに詰めたときに起きます。
新しい裾の位置は、元の裾より上にあるので、そこの幅は元の裾より広くなります。その広い布を折り返して、細い元の裾の内側に入れるので、内側の布のほうが長さも幅も余ります。
| 詰めた長さ | 裾に向かって細くなる度合い | 起きやすさ |
|---|---|---|
| 2cm以内 | どの形でも | ほとんど起きない |
| 2〜4cm | まっすぐな形・広がる形 | ほとんど起きない |
| 2〜4cm | 裾に向かって細くなる形 | 片側の幅の差が1cmを超えると起きる |
| 4cm以上 | 裾に向かって細くなる形 | 起きやすい。幅を逃がす処理が要る |
| 4cm以上 | 裾に向かって広がる形 | 折り返した布が足りずに突っぱる |
直すときは、いったん折り返しをほどき、脇の縫い目のところで折り代の幅を少しだけ細く縫い直すか、脇の縫い代に切り込みを入れて広がりを逃がしてから折り直します。裾に向かって広がる形は逆に布が足りなくなるので、折り代を短めにして、足りない分を別布で補います。
裾が外に跳ねる|折り目が2本ある
裾の端が外側にめくれてくる、折り返しが表からのぞく。原因の多くは、折り目が2本付いていることです。
仮に折った位置でアイロンをかけ、そのあと少し位置を変えて仕上げると、古い折り目と新しい折り目の2本が残ります。布は古い折り目のほうへ戻ろうとするので、裾の端が跳ねます。
直すときは、裾をほどかずに、霧吹きで裾全体を湿らせ、当て布をして古い折り目を平らに伸ばします。そのあと、新しい折り目の位置で一度だけ折って押さえます。アイロンは滑らせず、押しては持ち上げるを繰り返してください。滑らせると、また別の線が付きます。
折り目が1本なのに跳ねる場合は、折り代が短すぎて、裾の重さが足りていません。この場合は折り代を長くするか、裾の内側に細い別布を足して重さを加えます。
表から縫い目やテープの線が見える
丈は合っているのに、裾の少し上に点々と縫い目が見える、テープの縁が横一本の線になって浮く。これは仕上げ方の問題です。
| 見え方 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 表に小さな点が並ぶ | 手縫いで表の布を大きくすくった | 表は糸1〜2本だけすくって縫い直す |
| 縫い目の所だけ布がくぼむ | 糸を強く引きすぎた | 糸をゆるめて縫い直す。1針ごとに引き具合をそろえる |
| 横一本の線が浮く | テープの縁が薄い生地に出た | 蒸気を当てて押さえ、次はテープを1cm上に置く |
| 光に当てると段が見える | 折り代の端がほつれ止めで硬い | 端を細く折り込み直す |
| ミシンの線がくっきり出る | 生地に合わない糸の色 | 生地より一段暗い色の糸で縫い直す |
**明るい色の薄い生地ほど、線は表に出やすくなります。**秋冬の厚手ウールならほとんど見えない仕上げでも、薄手のポリエステルでは目立つことがあります。
裾の内側がごろごろする|折りが重なりすぎている
履いて歩くと、足首のあたりで裾の内側が当たる。触ると、裾だけ硬く厚い。これは、折り返した布が何重にも重なっているときに起きます。
詰めた長さが長いのに、切らずに全部を折り込んだ場合や、元の三つ折りの上にさらに折り重ねた場合に多い失敗です。脇の縫い目のところは、縫い代も一緒に重なるので、そこだけ特に厚くなります。
直すときは、裾をほどいて、折り代を4cm残して余りを切り、折りを1回か2回に減らします。脇の縫い代だけは、折り代の中で斜めに切り落とすと、重なる厚みが減ります。切ると丈を戻せなくなるので、この先もう丈を変えないと決めたズボンだけにしてください。
ダブルの裾が崩れた
裾を外側に折り返すダブルは、幅と左右の高さが少しずれるだけで目に入ります。
| 崩れ方 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 折り返しの幅が左右で違う | 折り返しの位置を片方ずつ決めた | 狭いほうに合わせて、広いほうを縫い直す |
| 折り返しが下にずり落ちる | 脇で留めていない | 脇の縫い目2か所を内側から数針留める |
| 折り返しが斜めになる | 生地の地の目に沿っていない | ほどいて、脇の縫い目を基準に折り直す |
| 幅が広すぎて裾が重い | 丈に対して折り返しが広い | 幅を4cm前後に狭め、余りを内側に回す |
| 幅が狭すぎて貧弱に見える | 折り代が足りず幅が取れない | シングルの裾に仕立て直す |
ダブルは、折り返しに布を多く使います。**丈を下ろしたいときに布が残っていないのは、ダブルのほうです。**ダブルのズボンを短くしすぎたら、シングルに仕立て直すと、折り返しに使っていた布が丈に回ります。幅4cmのダブルなら、表に出ていた4cmと内側の折り代を合わせて、丈を2〜3cm延ばせることがあります。ただし、元の折り返しの線が表に残るので、線が消えやすいウールのズボンに向いた直し方です。
洗ったら縮んだ
仕上がったときは合っていたのに、何度か洗ったら短くなった。綿や麻、デニムでよく起きます。
| 素材 | 最初の数回で縮む目安 | 股下70cmなら |
|---|---|---|
| 綿のチノ | 1〜2% | 0.7〜1.4cm |
| 麻 | 2〜3% | 1.4〜2.1cm |
| 洗っていないデニム | 2〜3% | 1.4〜2.1cm |
| 洗い加工済みのデニム | 1%前後 | 0.7cm前後 |
| ウール(手洗い表示) | 縮みやすい洗い方をすると大きく縮む | 数cmになることもある |
| ポリエステル | ほとんど縮まない | 0.3cm未満 |
折り代が2cm以上残っていれば、下ろして直せます。**縮んだ直後ではなく、2〜3回洗ったあとに長さを測り直してから下ろしてください。**縮みは最初の数回で落ち着くので、1回目の直後に直すと、もう一度縮みます。
ウールのズボンを家で洗って大きく縮んだ場合は、丈より先に全体が硬くなっていないかを確かめます。硬くなっていたら、丈を下ろしても元の落ち感は戻りません。家で洗うときの干し方はパンツを家で干すときの形の保ち方にまとめています。
秋の靴に替えたら、合わなくなった
夏に丈を直したズボンを、秋の靴で履くと合わない。これは失敗というより、決めたときの靴が変わったことが原因です。
| 丈を決めた靴 | 秋に履く靴 | 起きること |
|---|---|---|
| 甲の浅いサンダル | 甲の深い革靴 | 裾が甲に乗ってたわむ |
| 甲の浅いサンダル | ショートブーツ | 裾が筒に引っかかって止まる |
| ぺたんこの靴 | ヒールのある靴 | 裾が上がって足首が出る |
| ヒールのある靴 | スニーカー | 裾が床に近づいて擦れる |
| 素足 | 厚手の靴下 | 裾の中で布がふくらむ |
| スニーカー | ローファー | 甲の高さはほぼ同じ。ほとんど変わらない |
靴を替えて裾が合わないときは、**差が2cm以内なら、裾より先に靴と靴下の側で合わせてください。**甲の深さの違う靴に替える、靴下を厚くする、ブーツの日は裾を筒の中に入れる。どれも、ズボンに手を入れずに済みます。秋に合わせる靴の替え方は秋の靴の色は服の暗さで替えるで、色の側から見ています。
ほどくときに、失敗を増やさない
直すために裾をほどく作業で、別の失敗が起きることがあります。表の生地に刃が当たる、糸を引っ張って生地を寄せてしまう、テープをはがすときに生地がテカる。
| 裾の仕上げ方 | ほどき方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 手縫い | 裏から糸を数針おきに切り、引き抜く | 表の生地の糸をすくわない |
| ミシン | 数cmおきに糸を切り、裏から抜く | 一気に引かない。生地が寄る |
| 裾上げテープ | 当て布をして温め、ゆっくりはがす | 高温で押し続けると生地が光る |
| 裾を縫い付ける専用の縫い目 | 端の糸を探して引く | 引く向きを間違えるとほどけない |
**ほどいたあとは、すぐに縫い直さずに、一度アイロンで平らにしてください。**元の折り目と縫い目の跡が残ったまま折り直すと、古い線に引っ張られて、新しい裾が斜めになります。
自分で直すか、お直しに出すか
同じ失敗でも、家で直せるものと、お直しに出したほうが早いものがあります。
| 失敗 | 家で直せる条件 | お直しに出したほうがいい条件 |
|---|---|---|
| 短すぎた(折り代3cm以上) | 裾がテープで貼ってある | 裾がミシンで縫ってある |
| 短すぎた(折り代1〜3cm) | ほぼない | 別布を足す作業が入る |
| 左右差 | テープの裾で、差が1cm前後 | ミシンの裾、またはダブル |
| 裾のつれ | 詰めた長さが3cm以内 | 脇の縫い代に切り込みが要る |
| 裾が跳ねる | 折り目が2本付いただけ | 折り代が短すぎる |
| 縫い目が見える | 手縫いの裾 | ミシンの糸の色が合っていない |
| ダブルの崩れ | 脇を数針留めるだけ | 幅を変える、シングルにする |
| 洗って縮んだ | テープの裾で、折り代が2cm以上 | ミシンの裾、または縮みが2cmを超える |
家で直せる条件の多くは、裾がテープで貼ってあるか、手縫いのどちらかです。ミシンで縫ってある裾は、ほどくと針の穴が残り、同じ線で縫い直さないと穴が見えます。そこはお直しに任せたほうが仕上がりがそろいます。何を直せて何を直せないかの全体はお直しで直せること・直せないことにまとめています。
お直しに出すときに伝える4つ
失敗を直してもらうときは、仕上がりの希望を具体的な言葉で伝えると、二度目の失敗が起きにくくなります。
| 伝えること | 伝え方の例 | 伝えないと起きること |
|---|---|---|
| 合わせる靴 | 秋冬はこのブーツで履く | 別の靴で丈を決められる |
| どこまで下ろしたいか | 裾が甲に軽く触れる位置まで | 最大まで下ろして、裾が薄くなる |
| 元の折り目の線 | 線が表に見えない範囲で | 線が見える位置まで下ろされる |
| 左右をどちらに合わせるか | 長いほうを短いほうに合わせる | 両方をいじられて、また差が出る |
| 別布を足すなら色 | 生地に近い色か、一段暗い色で | 座ったときに明るい色がのぞく |
**当日は、合わせる靴を持って行くか、履いて行ってください。**靴の甲の高さは言葉では伝わりにくく、その場で履いて見せるのがいちばん確かです。
どちらとも取れるとき①|折り代がちょうど2〜3cm
下ろして直すにも、別布を足すにも、どちらでもできる長さです。どれだけ長くしたいかで決めてください。
1cm長くすれば足りるなら、下ろして縫い直す方法で済みます。折り代は1.5cm前後残るので、裾の重さも保てます。1.5cm以上長くしたいなら、下ろすだけでは折り代が1cmを切るので、別布を足す方法に切り替えます。
迷うときは、ズボンを履いて、裾を仮に1cmだけ下げた状態を作ってみてください。裾の内側に紙テープを貼って1cm延ばすと、ほどかずに長さを確かめられます。それで足りるなら下ろすだけ、まだ短いなら別布です。
どちらとも取れるとき②|左右差が1cm前後、しかもミシンの裾
差が1cmあると、気にはなります。けれど、ミシンでしっかり縫ってある裾をほどくと、針の穴が残ります。履く頻度で決めてください。
週に何度も履くズボンなら、お直しに出して、長いほうを短いほうに合わせてもらいます。月に数回しか履かないなら、立ったときに重心をかける側を長いほうにして、靴の甲の深さで差をならす方法もあります。甲の深い靴なら、裾が靴に当たって止まるので、1cmの差は見えにくくなります。
どちらとも取れるとき③|短くなったけれど、靴を替えれば合う
短すぎた丈が、甲の深い靴やショートブーツなら合う。この場合、直すか、合う靴の日に着るズボンとして持つかを決めます。
**秋冬に、合う靴を週に2回以上履くなら、直さなくて構いません。**そのズボンは秋冬の一本として役割が決まります。合う靴をほとんど履かないなら、折り代の残りに合わせて下ろすか、別布を足してください。季節が変わると合わせる靴も変わるので、春にもう一度同じ判断をします。
次の丈直しで失敗しないために
直し終えたら、次に同じ失敗をしないための確かめを、丈を決める前に入れておきます。
| 確かめること | いつ | 防げる失敗 |
|---|---|---|
| 綿・麻・未洗いのデニムを一度洗う | 丈を決める前 | 洗ったら縮んだ |
| いちばん合わせる靴を履く | 丈を決めるとき | 靴を替えたら合わない |
| 横から写真を撮る | 丈を決めるとき | 立った姿だけで決めた短さ |
| 椅子に座って足首を見る | 丈を決めるとき | 座ると短すぎる |
| 新旧の裾の位置で幅を測る | 切る前 | 裾のつれ |
| 折り代を4cm以上残す | 切る前 | 短すぎたときに戻せない |
| 印は股下から左右同じ長さで付ける | 印を付けるとき | 左右差 |
**いちばん効くのは、切る前に折り代を4cm以上残しておくことです。**折り代が残っていれば、ここに挙げたほとんどの失敗は、あとから直せます。切った布は戻らないので、丈に迷いがあるうちは、切らずに折り込んで一週間履いてから決めてください。
まとめ
- 丈直しの失敗を直せるかは、裾の内側の折り代で決まる。いちばん短い所を測る
- 3cm以上なら下ろして縫い直す。1〜3cmなら別布を足す。1cm未満なら靴と靴下で受け止める
- 左右差は5mm以内なら立った姿では見分けにくい。股の縫い目から測って長いほうを詰める
- 裾のつれは、新旧の裾の幅の差が片側1cmを超えたとき。脇で幅を逃がす
- 跳ねる裾は、折り目が2本ある。湿らせて古い折り目を伸ばし、1本だけ付け直す
- 綿・麻・デニムは、洗って縮みが落ち着いてから長さを直す
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よくある問い
- Q. ズボンの丈を短くしすぎました。元に戻せますか
- 裾を裏返して、折り返してある布の長さを測ってください。3cm以上残っていれば、折り返しをほどいて下ろし、1cm前後の折り代を残して縫い直すことで、1〜2cm長くできます。1〜3cmしか残っていない場合は、裾の内側に別布を縫い足して折り代を作り直す方法があり、残りの布をほとんど丈に回せます。1cm未満、または切って捨ててしまった場合は、丈を戻すのは難しいので、靴の甲の高さや靴下の色で裾の短さを受け止める方向に切り替えてください。
- Q. 丈直しで左右の長さが違ってしまいました
- まず、立った姿で見て分かるかを確かめてください。差が5mm以内なら、歩いている姿ではほとんど見分けられません。1cmを超えていたら直します。直すときは、床からではなく、股の縫い目から裾まで(股下)を左右それぞれ測り、長いほうを短いほうに合わせるのが基本です。短いほうを下ろして合わせるのは、折り代が残っているときだけにしてください。
- Q. 丈直しのあと、裾がつれて波打ちます
- 裾に向かって細くなるズボンを長めに詰めると、折り返した布のほうが裾より広くなり、内側で余って波打ちます。新しい裾の位置と元の裾の位置で、横幅の差が片側1cmを超えていると起きやすくなります。いったん折り返しをほどき、脇の縫い目のところで折り代を少しだけ細く縫い直すか、切り込みを入れて広がりを逃がしてから折り直すと収まります。
- Q. 丈直ししたズボンを洗ったら短くなりました
- 綿や麻、デニムは、最初の数回の洗濯で丈が縮むことがあります。股下が70cmなら、1〜3%の縮みで0.7〜2cmほど短くなります。折り代が残っていれば下ろせます。これから丈直しに出すズボンが買ってから一度も洗っていない綿や麻なら、先に一度洗って乾かし、縮んだあとの長さで丈を決めると、この失敗は起きません。
— メグラシ編集部





