パンツの裾上げ|洗って縮む素材は、何cm長めに残すかで決める

**このパンツを、家の洗濯機で洗うつもりはありますか。**答えが「はい」で、素材の札に綿・麻・レーヨンのどれかが書いてあるなら、仕上がりの丈より長めに残して裾上げしてください。
目安は、股下が70cm前後のパンツで1〜2cmです。答えが「いいえ」で、クリーニングにしか出さない、あるいは札にポリエステルかナイロンしか書いていないなら、残さずに仕上がりの丈で切ってかまいません。
裾上げで失敗するのは、丈の測り方を間違えたときより、測ったあとに布の長さが変わったときのほうが多いのです。この記事では、その変わる分を自分で見積もって、何cm足して切るかを決めます。
丈そのものの決め方はスラックスの裾上げ|丈は靴のかかと、仕上げは裾幅で決めるに、縫い方の違いはズボン裾上げの4つの方法の違いにまとめています。ここではその手前の、布が縮む分だけを扱います。
結論:仕上がり丈+縮む分で切る。縮む分は股下×割合で出す
裾上げの丈は、2つの数を足して決めます。1つ目は、靴を履いて立ったときにちょうどよく見える丈。2つ目は、そのパンツを何度か洗ったあとに縮む長さです。
| 素材の札 | 家で洗ったときの縮み方 | 股下70cmで残す目安 |
|---|---|---|
| 綿・麻が主で、加工の表示がない | 縮みやすい | 1.5〜2.5cm |
| 綿・麻が主で、洗い加工済み | 少し縮む | 0.5〜1cm |
| ウール・レーヨンが主(家で洗う) | 洗い方で大きく変わる | 1〜2cm、または洗わない |
| ポリエステル・ナイロンが主 | ほとんど縮まない | 0〜0.5cm |
表の数は、あくまで見積もりの出発点です。同じ綿でも、織りの詰まり方や仕上げで縮み方は変わります。いちばん確かなのは、自分のパンツを一度洗って、前と後で股下を測ることです。
縮む分の計算は、股下の長さに縮む割合を掛けるだけです。股下70cmのパンツが2%縮むなら1.4cm、3%なら2.1cmになります。縮む割合がわからないときは、次の章からの手順で測ってください。
最初に見るのは、内側の札の2行
裾上げの前に、パンツの内側についている札を開いてください。見るのは2か所です。素材の名前と割合が書いてある行と、洗濯の記号が並んでいる行です。
素材の行で見るのは、いちばん割合が大きい素材です。綿が80%でポリエステルが20%なら、縮み方は綿に近いと考えます。ポリエステルが65%で綿が35%なら、縮みは小さく、ポリエステルに近い振る舞いになります。
洗濯の記号の行で見るのは、洗い桶の絵にバツがついているかどうかです。バツがついていれば家では洗えない表示なので、クリーニングに出す前提になります。この場合、家で洗って縮む分は考えなくてかまいません。
もう1つ、札の近くに「洗い加工済み」「防縮加工」といった小さな表示がついていることがあります。これは、売る前にすでに一度縮ませてあるという意味です。この表示がある綿のパンツは、表示のないものより残す分を少なくしてよいでしょう。
縮む割合を自分で測る:裾上げ前に1回だけ洗う
いちばん確実な方法は、裾上げの前に一度洗ってしまうことです。手間に見えますが、作業は測る・洗う・測るの3つだけです。
まず、洗う前のパンツを平らな場所に置いて、股の縫い目の交わるところから裾の端まで、内側の縫い目に沿ってメジャーを当てます。この長さをメモしておきます。ウエストから裾までの総丈も一緒に測っておくと、縮みが股下だけでなく全体に出たかどうかがわかります。
次に、ふだんと同じ洗い方で洗います。ここで大事なのは、特別に丁寧に洗わないことです。ネットに入れて弱い水流で洗い、平らに干せば縮みは小さく出ますが、そのあと毎回同じ洗い方をしないのなら、測った数は役に立ちません。いつもの洗剤、いつもの水流、いつもの干し方で洗ってください。
乾いたら、同じ場所をもう一度測ります。差が1cm以内なら、そのパンツはほとんど縮まない布です。2cm前後なら、裾上げの丈にその分を足します。3cmを超えた場合は、もう一度洗って測ると、さらに少し縮むことがあります。綿の縮みは、多くの場合、最初の2〜3回の洗濯でほぼ出きるからです。
乾燥機を使う家なら、測るための1回も乾燥機で乾かしてください。乾燥機の熱は、干して乾かしたときより布を縮めます。ふだん乾燥機を使うのに、測るときだけ干すと、裾上げのあとで想定より短くなります。
測るときの小さな注意も書いておきます。メジャーは布の上に置くだけにして、引っ張らないでください。綿のパンツは、引っ張ると1cm近く伸びて測れてしまうことがあります。洗う前と洗った後で、同じ人が、同じ平らな台の上で、同じ向きに置いて測ると、測り方の誤差が小さくなります。
もう1つ、股下と一緒に裾幅も測っておくと役に立ちます。裾の端を平らにして、端から端までを測るだけです。縮みが丈だけに出るのか、幅にも出るのかで、その布が縦と横のどちらに縮みやすいかがわかります。縦にだけ縮む布は丈を多めに残し、横にも縮む布は、裾上げのあとに裾が細く見えることも見込んでおくと、仕上がりを想像しやすくなります。
測った数は、パンツの札の近くにペンで小さく書いておくか、手帳や携帯のメモに残しておいてください。同じ売り場で同じ素材のパンツを次に買ったとき、その数をそのまま使えます。同じ素材でも作りによって違いはありますが、何も手がかりがないより、ずっと見積もりが近くなります。
綿と麻は、縮むものと考えて残す
綿と麻は、水を含むと繊維がふくらみ、乾くときに縮む性質があります。とくに、織り目が粗いもの、洗い加工の表示がないもの、新品で糊がきいた手触りのものは、最初の数回でまとまって縮みます。
秋冬に買うことが多いチノパンやコーデュロイ、厚手のコットンツイルも、綿が主の布です。厚手だから縮みにくいということはなく、むしろ糸が太い分、縮む長さも目に見えやすくなります。
綿のパンツを洗わずに裾上げする場合は、仕上がりの丈に1.5〜2.5cmを足してください。股下が長い人ほど足す分も大きくなります。股下80cmのパンツなら、同じ割合でも縮む長さは股下70cmより1割以上長くなります。
麻は綿よりさらに縮みが読みにくい布です。秋口まで履く麻混のパンツは、裾上げの前に一度洗っておくことを強くすすめます。洗わずに切る場合は、残す分を2cm以上にして、折り代も厚めに残しておきます。
ウールとレーヨンは、家で洗うかどうかで答えが変わる
ウールのパンツは、クリーニングに出す前提なら、縮みはほとんど考えなくてかまいません。クリーニングの洗い方は、水を使わないか、水を使っても縮ませない工程で洗うからです。
ところが、家で洗えるという表示のついたウールのパンツを、家庭の洗濯機で洗うと話が変わります。ウールは水と熱と揉まれる力が重なると、繊維が絡み合って縮みます。一度縮むと、ほとんど元に戻りません。ニットが縮んだときの戻し方は縮んだニットを戻す手順に書きましたが、布のパンツはニットほど伸ばして戻すことができません。
ですから、ウールのパンツは、裾上げの前に「このパンツを家で洗うか」を決めてください。洗うなら、手洗いか弱い水流で洗う前提で1〜2cm残します。洗わないなら、残さずに仕上がりの丈で切ります。決められないときは、洗わないほうを選んで、汚れたらクリーニングに出すと決めてしまうほうが、丈の失敗は少なくなります。
レーヨンは、水に濡れると弱くなり、乾くときに縮みやすい布です。とろみのある落ち感のパンツに多く使われています。レーヨンが主のパンツを家で洗うなら、残す分は1.5cm以上を見てください。乾いたあと、アイロンで少し引っ張りながら整えると、縮んだ分がいくらか戻ることもありますが、毎回それをするのは手間です。
ポリエステルとナイロンは、縮みより裾の形を見る
ポリエステルやナイロンが主のパンツは、家で洗ってもほとんど縮みません。残す分は0〜0.5cmで足ります。
その代わり、合成繊維が主のパンツでは、裾上げの縫い方によって裾の形が崩れることがあります。洗ったあとに裾の折り目が波打ったり、縫い目の部分だけが引きつれたりするのです。これは布が縮んだのではなく、縫い糸と布の縮み方が違うために起きます。
この場合は、裾上げを頼むときに「家で洗う」と伝えておくと、糸の選び方や縫い目の間隔を調整してもらえることがあります。自分で縫う場合は、糸を引きすぎず、少しゆとりを持たせて縫ってください。
混紡は、いちばん多い素材と、2番目の素材の差で決める
札に素材が2つ以上書いてある混紡のパンツは、判断がいちばん迷いやすいところです。ここは次のように考えます。
いちばん多い素材が綿や麻で、2番目がポリエステルなら、縮みは綿より小さく、ポリエステルより大きいところに出ます。目安としては、綿だけのときに足す分の半分から3分の2くらいです。綿60%・ポリエステル40%なら、綿だけのときの6割くらいと見ておけば大きく外れません。
いちばん多い素材がポリエステルで、2番目が綿なら、縮みはかなり小さくなります。0.5cmを残しておけば足りることが多いでしょう。
いちばん多い素材がウールで、2番目がポリエステルの場合は、ウールの性質が強く出ます。家で洗うなら、ウールだけのときと同じように1cm以上を残します。
ポリウレタンが数%入っているものは、その数%は縮みの計算から外してかまいません。ポリウレタンはストレッチのための糸で、縮みよりも、伸びて戻る力のほうに関わります。
ストレッチ入りのパンツは、裾の伸びと波打ちに注意する
綿にポリウレタンが少し入ったストレッチのパンツは、履き心地がよく、秋冬の通勤や家の用事で毎日のように履くことになりがちです。洗う回数も多くなります。
このタイプは、縮みについては綿の分だけを考えれば足ります。ただ、洗う回数が多いと、裾の折り返した部分が伸びて広がったり、縫い目が波打ったりします。とくに、裾幅が細いテーパードのパンツでは、裾の一周が短いので、少しの伸びでも形が変わって見えます。
ストレッチ入りのパンツを裾上げするときは、縮む分を足すと同時に、裾の折り代を少し厚めにとってもらうと形が長持ちします。乾燥機の熱はストレッチ糸を傷めやすいので、乾燥機を使う家でも、このパンツだけは干して乾かすほうが丈も形も安定します。
デニムは、洗い加工の有無で1cm以上変わる
デニムのパンツは、売り場で「洗い加工済み」のものと「未加工」のものに分かれます。洗い加工済みは、色が少し抜けていたり、手触りがやわらかかったりするもので、すでに一度縮ませてあります。
洗い加工済みのデニムなら、残す分は0.5〜1cmで足ります。未加工の、濃い色でごわっとした手触りのデニムは、最初の洗濯で大きく縮むことがあるので、2〜3cmを残すか、裾上げの前に一度洗ってください。
デニムは縮むと同時に、ねじれが出ることがあります。洗ったあとに内側の縫い目が足の前のほうへ回ってくる現象です。ねじれが出ると、片足の裾だけが短く見えたり、裾の線が斜めに見えたりします。裾上げの前に一度洗っておくと、ねじれも出きった状態で丈を決められます。
残し方は2通り。長めに切るか、折って仮留めするか
縮む分を残すには、2つのやり方があります。
1つ目は、縮む分だけ長めに切って縫うやり方です。仕上がりの丈より1〜2cm長く縫っておき、洗って縮んだら、ちょうどよい丈に落ち着くという考え方です。手間がかからない分、縮むまでの数回は、裾が靴の甲に少し多めに乗ります。
2つ目は、仕上がりの丈で折って、縮む分を折り代に残しておくやり方です。見た目の丈は最初から正しく、縮んだら折りをほどいて下ろします。最初から見た目が整うのが利点ですが、縮んだあとにもう一度手を入れる必要があります。
どちらがよいかは、パンツをどれくらいの頻度で洗うかで決めます。週に1回以上洗う普段のパンツなら、1つ目のやり方で、数回の洗濯で丈が落ち着くのを待つほうが楽です。月に数回しか履かないパンツなら、縮むまでに時間がかかるので、2つ目のやり方で、見た目を先に整えておくほうが向いています。
縮む分を足した丈が、靴の上でどう見えるか
縮む分を足すと、最初のうちは裾が少し長く見えます。その見え方が許せるかどうかは、パンツの形と、合わせる靴によって変わります。
裾幅の広いワイドパンツやストレートパンツは、裾が1〜2cm長くても、靴の甲に布が少しかぶるだけで、ほとんど気になりません。むしろ、縮んだあとに短くなるほうが、くるぶしが見えて、足元が寒そうに見えてしまいます。
裾幅の細いテーパードやスキニーは、1cm長いだけで、裾が靴の上でたまって、しわが重なって見えます。この形は、2つ目のやり方で折って仮留めしておくほうが見た目が整います。
秋冬にブーツを合わせることが多いなら、ブーツの筒にパンツの裾を入れるのか、ブーツの上に裾をかぶせるのかでも変わります。筒に入れるなら、少し長くても見えないので、1つ目のやり方で問題ありません。かぶせるなら、裾が靴のかかとのどこで止まるかが目に入るので、丈の決め方はスラックスの裾上げの測り方に合わせてください。
判断が分かれるとき:迷ったら、折り代を厚く残す
ここからは、表の数だけでは決めきれない場面を並べます。迷いやすいのは、だいたい次の5つです。
札の素材は縮まないのに、洗ったら縮んだ気がする
ポリエステルが主のパンツでも、洗ったあとに短くなったと感じることがあります。多くの場合、布が縮んだのではなく、腰の位置が変わったか、裾の折り目がアイロンの熱で少し上がったかのどちらかです。
まず、洗う前と同じ方法で股下を測ってください。股下の長さが変わっていなければ、布は縮んでいません。この場合は丈の問題ではなく、履く位置の問題なので、裾上げを直す必要はありません。ベルトの穴の位置や、ウエストの合わせ方を見直すほうが早く解決します。
混紡の割合が半々に近い
綿50%・ポリエステル50%のように、割合が近い混紡は、表の目安が使いにくいところです。この場合は、残す分を1cmにして、さらに折り代を3cm以上残してもらってください。
縮みが小さく出れば、そのまま履けます。思ったより縮んだら、折り代から1cm下ろして直せます。どちらに転んでも、手を入れ直せる余地があるのが大事です。
ふだんは干すが、急ぐときだけ乾燥機を使う
これがいちばん読みにくい場面です。乾燥機を使った回だけ、余計に縮むからです。
ここで決めてほしいのは、「このパンツは乾燥機に入れない」と、裾上げの前に決めてしまうことです。洗濯ネットに入れるときに、乾燥機に入れないものをまとめておく袋を別にしておくと、うっかり入れてしまうことが減ります。どうしても乾燥機を使う可能性があるなら、乾燥機で乾かした場合の縮みを基準にして、多めに残してください。
古着や、すでに何度も洗ったパンツ
人から譲り受けたパンツや、古着として買ったパンツは、すでに何度も洗われているので、これ以上大きく縮むことはほとんどありません。残す分は0〜0.5cmで足ります。
ただし、新品のように見える古着もあります。札が残っていて、洗濯した跡がほとんどないものは、新品と同じように考えてください。迷ったら、一度洗ってから測るのがいちばん確かです。
家族の誰かが洗うので、洗い方が決まっていない
自分以外の人が洗濯をする家では、洗い方を自分で決められません。乾燥機に入るかどうかも、水流の強さも、その日によって変わります。
この場合は、いちばん縮む洗い方を基準にして残すほうが安全です。短くなったパンツを長くするのは難しいけれど、少し長いパンツを短くするのは、あとからいつでもできます。どちらに迷っても、長いほうへ倒しておくと、取り返しのつかない失敗にはなりません。
家族に洗ってもらうなら、縮みやすいパンツだけ洗濯ばさみで印をつけておく、乾燥機に入れないものを入れるかごを分けておく、といった小さな約束も効きます。毎回説明しなくても、置き場所で伝わる形にしておくと続きます。
一度洗って測ったのに、まだ縮みそうな気がする
一度洗って2cm以上縮んだパンツは、2回目、3回目の洗濯でも、さらに少し縮むことがあります。目安としては、2回目は1回目の半分くらい、3回目はさらにその半分くらいです。
ここで決め方は2つあります。もう一度洗ってから測り直すか、1回目の縮みの半分をさらに足して切るかです。時間があるなら、もう一度洗うほうが確かです。急ぐなら、1回目で2cm縮んだパンツには、さらに1cmを足して切ってください。最初の1回でほとんど縮まなかった布は、2回目以降もほとんど縮まないので、この足し算はいりません。
丈は縮んでいないのに、裾が細くなって短く見える
洗ったあとに、丈は変わっていないのに、裾が上がって見えることがあります。これは、横に縮んだ布が脚に沿うようになり、裾が靴の甲から浮いて見えるためです。
このときは、股下の長さを測り直すと同時に、裾幅も測ってください。裾幅が1cm以上細くなっていたら、丈は足りていても、見た目の長さは足りなくなっています。次に同じ素材のパンツを裾上げするときは、裾幅の縮みも見込んで、0.5cmほど長めに残しておくとよいでしょう。
自分で裾上げするときの順番
自分で裾上げをするなら、作業の順番を次のようにしてください。順番を間違えると、縮む分を足したつもりが、どこにも入っていないことがあります。
1つ目に、素材の札を見て、縮む素材かどうかを決めます。2つ目に、縮む素材なら一度洗って、縮む分を測ります。洗わない場合は、表の目安で見積もります。3つ目に、靴を履いて立ち、仕上がりの丈に印をつけます。4つ目に、その印から縮む分だけ下に、もう1本印をつけます。5つ目に、2本目の印の位置で折り、縫うかテープで留めます。
印をつけるときは、両足とも測ってください。人の脚は左右で長さがわずかに違うことがあり、片方だけ測ってもう片方を合わせると、履いたときに片足だけ短く見えることがあります。
縫う前に、仮留めで一日過ごしてみる
印をつけたら、すぐに縫わずに、安全ピンか裾上げ用のクリップで仮留めして、半日ほど履いて過ごしてみてください。立っているとき、座っているとき、階段を上るときで、裾の見え方は変わります。
座ると裾は数cm上がります。座る時間が長い人は、座ったときにくるぶしが出すぎないかを見てください。階段を上ると、前に出した脚の裾が上がって、後ろの脚の裾が靴のかかとに当たります。かかとに当たって擦れる位置なら、縮む分を足した丈が長すぎるかもしれません。
仮留めのまま一日過ごしてみて、気になるところがなければ、その丈で縫います。気になるところがあれば、印をつけ直します。縮む分を足すと、最初の数回はどうしても長めに見えるので、その長さが自分の生活の中で邪魔にならないかを、縫う前に確かめておくのが大事です。
縫わずに裾上げする方法はズボンの裾上げを簡単にに書きました。テープで留める方法は、縮んだあとに下ろしやすいので、縮みが読めないパンツには向いています。ただし、洗う回数が多いと接着がはがれることがあるので、半年ほどで様子を見てください。
お直しの店に頼むときの伝え方
お直しの店に頼むときは、丈を測ってもらうときに、次の3つを伝えておくと失敗が減ります。
1つ目は、家で洗うかどうかです。店の人は、クリーニングに出すものとして丈を決めることが多いので、家で洗うなら、それを伝えないと縮む分が入りません。
2つ目は、乾燥機を使うかどうかです。乾燥機を使うなら、縮みが大きく出ることを伝えて、どのくらい残すかを相談してください。
3つ目は、合わせる靴です。秋冬のブーツとパンプスでは、ちょうどよい丈が違います。どちらにも合わせたいなら、2本のパンツを別の丈で直すか、1本なら合わせる頻度の多いほうに決めてください。測ってもらう日は、合わせる靴を履いて行くと、その場で丈が決まります。
店によっては、「折り代を多めに残してください」と頼むと、縮んだあとに下ろせるように、内側の布を長めに残して縫ってくれます。縮みが読めないパンツは、このひと言をつけて頼むと安心です。
何本かまとめて頼むときは、素材ごとに分けて伝える
秋冬の始まりに、何本かのパンツをまとめてお直しに出すこともあるでしょう。このとき、すべて同じ丈で頼むと、縮む素材と縮まない素材が混ざって、洗ったあとに丈がばらばらになります。
頼む前に、パンツを素材の札で2つに分けてください。家で洗って縮む素材のものと、縮まない素材やクリーニングにしか出さないものです。縮む側には「家で洗うので、何cm長めに」と添え、縮まない側は仕上がりの丈で頼みます。
分けておくと、店の人も1本ずつ確認しやすくなります。紙に「綿・家で洗う・1.5cm長め」のように、1本ごとに短いメモをつけておくと、受け取りのときに、頼んだ通りに仕上がっているかも確かめやすくなります。
縮んでしまったあとに、下ろせるかどうか
すでに裾上げをして、洗ったら短くなってしまった場合は、まず裾の内側を見て、折り代が何cm残っているかを確かめてください。
折り代が3cm以上あれば、折りをほどいて1〜2cm下ろすことができます。下ろしたあとは、前の折り目の線が残ることがあるので、当て布をして、スチームをかけながらアイロンで押さえてください。線が完全に消えない布もありますが、靴に近い位置なので、遠目には目立ちにくいところです。
折り代が1cm程度しか残っていない場合は、下ろす余地がありません。同じ色の布を裏から足す「見返し」をつける方法があり、お直しの店で相談できます。仕上がりは裏から見ると布が足されていますが、表からはほとんどわかりません。
どちらも難しい場合は、くるぶし丈のパンツとして履き方を変えるのも1つの方法です。秋冬なら、厚手の靴下やショートブーツと合わせると、短くなった丈がむしろ意図したもののように見えます。
秋冬のパンツは、厚みのある布ほど慎重に
秋冬のパンツには、コーデュロイ、厚手のコットンツイル、ウール混、裏起毛のものなど、厚みのある布が多く使われます。厚い布は、縮みとは別に、裾上げの折り代が重なって裾がもたつきやすいという問題もあります。
コーデュロイは綿が主で、洗うと縮みやすく、さらに毛並みが寝てしまうと色の見え方も変わります。家で洗うなら、裏返してネットに入れ、弱い水流で洗い、平らに干すと縮みも毛並みの乱れも少なくなります。裾上げの前に一度この洗い方で洗い、縮む分を測っておくと安心です。
裏起毛のパンツは、表の布と裏の起毛の布で縮み方が違うことがあります。洗ったあと、裏地だけが縮んで表の布が引きつれることがあるので、裾上げのときに裏地を少し長めに残してもらってください。
ウール混の厚手のパンツは、クリーニングに出す前提で丈を決めるのが基本です。家で洗えるという表示があっても、厚手のウール混は家庭では乾きにくく、乾くまでの時間が長いほど縮みや型崩れが出やすくなります。
秋に裾上げしたパンツを、春先まで履き続けるとき
秋に買って裾上げしたパンツは、冬の間に何十回も洗うことになります。最初の数回で縮みはほぼ出きりますが、洗う回数が多いと、裾の折り目の部分だけが擦れて薄くなったり、色が抜けたりします。
裾の擦れは、靴のかかとが当たる位置で起きます。縮む分を足して少し長めに切ったパンツは、縮みきるまでの間、かかとに当たりやすいので、裾の後ろ側だけが早く傷むことがあります。気になるなら、縮みきるまでの数週間は、かかとの低い靴を合わせると擦れが減ります。
春先に向けてパンツを見直すときは、もう一度股下を測ってみてください。秋に裾上げした日から何cm変わったかがわかれば、そのパンツの縮み方が最後まで見えます。次の年に同じようなパンツを裾上げするときの、いちばん確かな手がかりになります。
裾上げの前に、この順で確かめる
最後に、裾上げに取りかかる前に確かめることを順番に並べておきます。
まず、素材の札で、いちばん多い素材を見ます。次に、洗濯の記号で、家で洗えるかどうかを見ます。家で洗うなら、乾燥機に入れるかどうかを決めます。そのうえで、縮む素材なら一度洗って測るか、表の目安で見積もります。見積もった縮む分を、靴に合わせた仕上がり丈に足します。迷ったら、折り代を厚く残して、あとから下ろせる形にしておきます。
この順番で決めておけば、店で測ってもらった丈が、何度か洗ったあとにも同じ位置に落ち着きます。丈を決めるのは靴ですが、その丈を保つのは、洗い方と、最初に足しておいた数cmです。
よくある問い
- Q. 裾上げの前に、一度洗ったほうがいいですか
- 家で水洗いするつもりの綿・麻・レーヨンが入ったパンツなら、一度洗ってから裾上げするのがいちばん確実です。洗う前に股下を測っておき、ふだんと同じ洗い方と干し方で乾かして、もう一度同じ場所を測ってください。差がそのまま、そのパンツの縮む分です。ポリエステルやナイロンだけでできたもの、クリーニングにしか出さないものは、洗わずに裾上げしてかまいません。
- Q. 縮むのが心配で長めに残したら、だらしなく見えませんか
- 残す分が1cm前後なら、靴の甲にわずかに乗るだけで、ほとんど気になりません。2cmを超えて残す場合は、裾をその場で折り上げて仮留めしておき、洗って縮んだあとに折りを下ろす方法をおすすめします。見た目の丈は最初から正しく、縮んだら下ろすだけで戻せます。
- Q. もう切ってしまって、洗ったら短くなりました。直せますか
- 折り代が3cm以上残っていれば、折り目をほどいて下ろすことで1〜2cmは取り戻せます。折り代が1cm程度しかない場合は、同じ色の布を裏から足す方法があり、お直しの店で相談できます。下ろしたあとに前の折り目の線が残ることがあるので、当て布をしてアイロンで押さえてから履いてください。
- Q. ストレッチの入ったパンツも縮みますか
- ポリウレタンが数%入ったものは、縮みより、裾が伸びたり波打ったりするほうが目立ちます。綿が主でストレッチが少し入っている場合は、綿の分だけ縮むと考えてください。乾燥機の熱はストレッチ糸を傷めやすいので、裾上げの丈とは別に、干して乾かすことをおすすめします。
— メグラシ編集部





