静電気防止服|秋冬の通勤・車・会議の日に、どの1枚を替えるか

**次の1週間の予定を、手帳かスマートフォンで開いてみてください。**その中に、コートを何度も脱ぎ着する日、車で出かける日、会議で長く座る日はありますか。
静電気防止服は、全身でそろえる必要はありません。静電気は、こすれ合う2枚の間で起きます。だから、その日の予定でいちばん長くこすれる場所を1か所だけ選んで、そこに入る1枚を静電気を抑える服に替えれば、多くの日は落ち着きます。**替える1枚は、予定によって変わります。**通勤の日はコートの裏地、会議の日はスカートの裏地、車の日は上着の表地、というふうにです。
どの素材とどの素材を重ねると起きるのか、という仕組みは服の静電気は、重なっている2枚の組み合わせで決まるにまとめてあります。この記事は、秋から冬の予定ごとに、どの1枚を替えるかの話です。
結論|静電気防止服は、予定ごとに1枚だけ入れる
予定ごとに、いちばんこすれる場所と、替える1枚をまとめます。
| 予定 | いちばんこすれる場所 | 替える1枚 |
|---|---|---|
| 電車で通勤する日 | コートの裏地と、下に着たニット | コートの裏地か、ニット |
| 車で出かける日 | 上着の背中とシート | 上着の表地 |
| 職場で過ごす日 | 椅子の座面とスカート・パンツ | ボトムスの裏地か、ペチコート |
| 会議や商談がある日 | スカートの裏地とストッキング | スカートの裏地か、ペチコート |
| 子どもを抱っこする日 | 自分のニットと子どもの上着 | 自分の一番外の1枚 |
| 会食・食事会の日 | ニットとインナー | 肌に近いインナー |
| 式・法事の日 | 礼服の裏地とストッキング | ペチコート |
| 新幹線・飛行機で移動する日 | 上着とシート・ひざ掛け | 上着の表地か、ひざ掛け |
**1日に予定が2つ以上あるときは、長くいるほうの予定に合わせてください。**通勤の30分と会議の2時間なら、会議のほうです。迷う日の決め方は、後半の「どちらとも取れるとき」に書きます。
静電気防止服と呼ばれるものを、表示で見分ける
売り場や通販で「静電気防止」とひとまとめに呼ばれている服には、いくつかの作りがあります。下げ札や洗濯表示の近くにある言葉で見分けられます。
| 表示の言葉 | どういう作りか | 向いている場所 |
|---|---|---|
| 制電・帯電防止 | 繊維や生地に、電気をためこみにくくする工夫がしてある | 裏地、スカート、インナー |
| 静電気を抑える・静電気を防ぐ | 加工や糸の工夫で、起きにくくしている | インナー、ニット |
| 導電性の糸入り | 電気を逃がす糸が、生地の中に細く入っている | 裏地、タイツ、インナー |
| 表示なしで綿・麻が主体 | もともと電気がたまりにくい素材 | インナー、シャツ |
**表示が無い服でも、綿や麻が多い服は起きにくい側にあります。**新しく買い足す前に、手持ちの綿のインナーやシャツを、こすれる場所に回してみるだけで足りることもあります。
加工で静電気を抑えている服は、洗濯を重ねると加工が少しずつ弱くなるものがあります。下げ札に「洗濯で効果が落ちる」という説明がある服は、よく洗うインナーより、あまり洗わない上着や裏地に使うほうが長く働きます。
起きる予定と、起きにくい予定を分ける3つの目安
同じ服を着ていても、起きる日と起きない日があります。その差は、空気の乾き方と、こすれる回数と、金属に触る回数です。
| 目安 | 起きにくい | 起きやすい |
|---|---|---|
| 室内の湿度 | 50%以上 | 40%を下回る |
| 上着の脱ぎ着 | 1日に2回以内 | 1日に4回を超える |
| 金属に触る回数 | ほとんどない | ドアノブ・車のドア・エレベーターのボタンに何度も触る |
3つのうち、2つ以上が「起きやすい」に入る予定がある日は、その予定に合わせて1枚を替えてください。1つだけなら、出かける前に手を洗って、手のひらを少し湿らせておくくらいで足ります。
湿度は、職場や家に湿度計があれば、朝のうちに一度見ておきます。湿度計がない場合は、暖房が入り始めた週から「40%を下回る日」に入ったと考えてください。外の空気より、暖房をつけた室内のほうが乾くからです。
10月から2月までの予定を、先に並べておく
静電気が起きやすい予定は、季節が進むほど増えていきます。10月のうちに、年末までの予定を一度並べて、どの月にどの1枚を用意するかを決めておくと、毎回慌てずに済みます。
| 時期 | 空気と暖房 | 増える予定 | 用意する1枚 |
|---|---|---|---|
| 10月下旬 | 乾き始める | 秋の行事、衣替え後の通勤 | 綿のインナー |
| 11月 | 朝晩に暖房が入り始める | 会議、会食、七五三などの行事 | ペチコート、裏地の確認 |
| 12月 | 室内が乾く | 忘年会、年末の帰省、移動の多い日 | 上着の表地、ひざ掛け |
| 1月〜2月 | いちばん乾く | 新年の集まり、通勤の厚着 | コートの裏地 |
並べてみると、10月と11月は肌に近い側、12月からは外側の1枚と、用意するものが移っていきます。秋のうちは薄着なので、インナーと裏地で足ります。冬に入って上着が厚くなると、上着どうし、上着とシートの間で起きるようになるからです。
電車で通勤する日|コートを脱ぎ着する回数で決める
電車で通勤する日は、家を出てから職場の席に着くまでに、コートを何回脱ぎ着するかを数えてみてください。
| 脱ぎ着の回数 | 起きやすさ | 替える1枚 |
|---|---|---|
| 家で着て、職場で脱ぐ(2回) | 起きにくい | 替えなくてよい |
| 途中の店や乗り換えで脱ぐ(4回) | 起きやすい | コートの裏地か、下のニット |
| 職場で何度も外に出る(6回以上) | 起きやすい | 裏地とニットの両方を見直す |
**脱ぐときに、コートの裏地と下のニットが大きくこすれます。**ウールのニットの上に、ポリエステルの裏地のコートを着ると、脱ぐたびに音がするくらい起きることがあります。この組み合わせの日は、ニットを綿の多いものに替えるか、裏地がキュプラのコートにするか、どちらか1つを替えます。
替えやすいのは、下のニットのほうです。コートは1着を毎日着ることが多いので、コートを替えるより、下に着るものを日によって替えるほうが手間がかかりません。綿のカットソーの上に、ウールのカーディガンを重ねるような組み合わせなら、コートの裏地に当たるのはカーディガンだけになります。
マフラーを巻く朝|髪と首まわりがこすれる
11月に入ってマフラーを巻き始めると、通勤の朝に、髪がマフラーやコートの襟に吸い寄せられて広がることが増えます。首まわりは、マフラーと髪とコートの襟の3つが重なる場所です。
| マフラー | コートの襟 | 起きやすさ | 替える1枚 |
|---|---|---|---|
| ウール | ポリエステルの襟 | 起きやすい | マフラーを綿か、綿とウールの混紡にする |
| アクリルの多いマフラー | ウールの襟 | 起きやすい | マフラー |
| 綿・麻の多いマフラー | どれでも | 起きにくい | 替えなくてよい |
**首まわりで替えるのは、マフラーです。**コートは1着を毎日着ますが、マフラーは日によって替えやすいからです。人と会う予定があって髪を整えておきたい日は、綿の多いマフラーかストールを選び、巻く前に髪の毛先を手のひらで軽く押さえてから巻くと、広がりにくくなります。外したマフラーは、コートの上ではなく、バッグの中に入れておくと、もう一度巻くときにこすれる回数が減ります。
電車やバスの座席に、長く座る日
通勤の時間が長く、座席に30分以上座る日は、座席の布とボトムスの間でもこすれます。
| 座っている時間 | 気をつけること |
|---|---|
| 15分以内 | ほとんど気にしなくてよい |
| 30分前後 | 立ち上がるときに、スカートが脚に張りつきやすい |
| 1時間以上 | 降りてすぐ、手すりやドアに触るときに起きやすい |
座席の布は化学繊維のものが多いので、ポリエステルのスカートで長く座ると、立ち上がったときにスカートが脚に張りつきます。**長く座る日は、スカートより、綿やウールの多いパンツのほうが落ち着きます。**スカートにしたい日は、スカートの下にペチコートを1枚入れるか、ストッキングの上に綿の多いレギンス型のインナーを重ねる方法もあります。
降りたあと、改札やドアの金属に触る前に、手のひら全体で壁や柱に一度触れておくと、指先にぱちっとくるのを和らげられます。
車の乗り降り|上着の背中とシートがこすれる
車で出かける日は、乗っているあいだ、上着の背中と腰がシートにこすれ続けます。降りるときにドアに触れて起きることが多いのは、そのためです。
| 上着の表地 | シートとの組み合わせ | 起きやすさ |
|---|---|---|
| ウール・ウールの混紡 | 化学繊維のシート | 起きやすい |
| ポリエステル・ナイロン | 化学繊維のシート | 起きやすい |
| 綿・綿の多い混紡 | 化学繊維のシート | 起きにくい |
| 制電の表示がある上着 | 化学繊維のシート | 起きにくい |
**車の日に替えるのは、上着の表地です。**通勤用のウールのコートで車に乗ると、シートとの間で起きます。車で出かける予定が多い週は、綿の多いジャケットやコートを車用に1着決めておくと、毎回悩まずに済みます。
降りるときは、体がシートから離れる前に、ドアの金属部分に手を触れたまま降りると、ためた電気がゆっくり抜けます。シートから体を離してからドアに触ると、そこで一度に流れます。運転席に乗るときも、乗る前に車体に一度触れておくと、乗り込んだあとに起きにくくなります。
車で行楽や帰省に出かける日は、乗っている時間が1時間を超えることもあります。長く乗る日は、上着を脱いで後ろの席に置き、綿の多いカーディガンやパーカーで乗るのも1つの方法です。シートに当たる時間が長いのは背中と腰なので、そこに当たる1枚が綿なら、降りるときのぱちっとくる強さが変わります。
職場のドア・コピー機・エレベーターに触る日
職場で過ごす日は、席を立って歩き回る回数と、金属に触る回数が増えます。
| 職場での動き | 触るもの | 替える1枚 |
|---|---|---|
| 会議室への移動が多い | ドアノブ | ボトムスの裏地か、ペチコート |
| コピー機やプリンターをよく使う | 機械の金属部分 | 肌に近いインナー |
| フロアの移動が多い | エレベーターのボタン | 靴の中の靴下・タイツ |
| ほとんど席にいる | パソコンや机の金属部分 | 椅子に当たるボトムス |
床の素材によっては、歩くだけで靴底と床の間で起きることがあります。カーペットの床を歩き回る職場なら、足元の靴下やタイツを綿の多いものにすると、歩いたあとに触れたときの強さが変わります。靴底が厚いゴム底の靴は電気を逃がしにくいので、職場で履き替える人は、履き替える靴を革底や薄い底のものにする方法もあります。
席にいる時間が長い日は、椅子の座面とボトムスの間でこすれます。座面が布張りの椅子なら、ボトムスの裏地か、その下に入れるペチコートを見直してください。
会議や商談で、スカートが脚に張りつく日
会議や商談のある日は、座っている時間が長く、立ち上がって挨拶や移動をする場面があります。立ち上がったときに、スカートが脚にまとわりつくのが気になる日です。
| 組み合わせ | 起きやすさ | 替える1枚 |
|---|---|---|
| ポリエステルの裏地とナイロンのストッキング | 起きやすい | ペチコートか、裏地 |
| 裏地なしのウールのスカートとストッキング | 起きやすい | ペチコート |
| 裏地がキュプラのスカートとストッキング | 起きにくい | 替えなくてよい |
| 綿やウールのパンツ | 起きにくい | 替えなくてよい |
**会議の日に替えやすいのは、ペチコートです。**スカートを替えなくても、スカートとストッキングの間に1枚入れるだけで、こすれる相手が変わります。ペチコートを選ぶときは、制電の表示があるものか、キュプラや綿の多いものを選んでください。ペチコートそのものの丈や滑りの選び方はペチコートの選び方にあります。
人前で立ち上がる場面がある会議では、立つ前にスカートの裾を手で軽く下に払っておくと、張りついたまま歩き出すことを防げます。
子どもの送り迎えや抱っこの日
子どもを抱っこしたり、手をつないで歩いたりする日は、自分の服だけでなく、子どもの上着ともこすれます。子どもの上着は、化学繊維の中綿やフリースのものが多いからです。
| 子どもの上着 | 自分の一番外の1枚 | 起きやすさ |
|---|---|---|
| ナイロンの中綿 | ウールのコート | 起きやすい |
| フリース | ウールのニット | 起きやすい |
| フリース | 綿の多いパーカー・ジャケット | 起きにくい |
| 綿の上着 | どれでも | 起きにくい |
**子どもの上着を替えるより、自分の一番外の1枚を替えるほうが簡単です。**送り迎えや抱っこが多い日は、綿の多いジャケットやパーカーを一番外に着ておくと、子どもの髪が自分の服に吸い寄せられることも減ります。
抱っこひもを使う日は、抱っこひもの生地と自分のコートもこすれます。抱っこひもの上からコートを着る場合は、コートの裏地を見て、ポリエステルならキュプラか綿の裏地のものに替えるか、コートの下を綿のパーカーにしておきます。
スーパーのカートとレジの前
買い物に行く日は、カートの持ち手や、セルフレジの台の金属部分に何度も触ります。
| 場面 | 気をつけること |
|---|---|
| 店に入ってカートを取るとき | 車や自転車から降りた直後で、たまっていることが多い |
| 売り場で棚に手を伸ばすとき | 上着の袖と体がこすれる |
| レジで財布を出すとき | 金属の台や機械に触る |
**車や自転車で店に来た日は、カートに触る前に、手のひら全体で店の柱や壁に一度触れておきます。**指先でつまむように触ると、指先にだけ一度に流れるので、ぱちっとしやすくなります。
買い物の日は、上着を脱がずに過ごすことが多いので、替えるなら上着の袖とその下の1枚です。袖口が化学繊維のフリースやボアになっている上着は、棚に手を伸ばすたびにこすれるので、買い物の日は避けておくと落ち着きます。
会食や食事会の日|ニットとインナーの間
会食や食事会では、上着を脱いでニットやブラウスで過ごす時間が長くなります。暖房の効いた店で、ニットとインナーの間でこすれて、髪がニットに吸い寄せられることもあります。
| ニット | インナー | 起きやすさ |
|---|---|---|
| ウール | ポリエステルのキャミソール | 起きやすい |
| アクリルの多いニット | 綿のキャミソール | やや起きる |
| ウール | 綿のキャミソール | 起きにくい |
| 綿のニット | どれでも | 起きにくい |
**会食の日に替えるのは、肌に近いインナーです。**ニットは見せるために選んだ1枚なので、そのままにして、下のインナーを綿の多いものか、制電の表示があるものにします。
会食のあと、上着を着るときに、ニットとコートの裏地の間でもう一度こすれます。上着を着る前に、ニットの表面を手のひらで軽くなでておくと、袖を通したときの強さが和らぎます。
式や法事の日|礼服の裏地とストッキング
秋から冬にかけての式や法事の日は、礼服やセレモニー用のワンピースを着ます。礼服には、ポリエステルの裏地がついているものが多くあります。
| 場面 | こすれる場所 | 替える1枚 |
|---|---|---|
| 式の間、長く座る | 裏地とストッキング | ペチコート |
| 移動のあと、受付で立つ | 裏地とストッキング | ペチコート |
| 会場で上着を脱ぐ | 礼服と上着の裏地 | 上着の裏地 |
| 焼香や献花で前に出る | スカートと脚 | ペチコート |
**式の日は、礼服そのものは替えずに、ペチコートで調えます。**礼服は手持ちの1着で出ることが多いので、礼服の下に、黒か肌に近い色の制電のペチコートを1枚入れておきます。人前に立つ場面でスカートが脚にまとわりつくと、そればかりが気になってしまいます。
式の日に合わせるストッキングの選び方は、15デニールストッキングと20デニールの黒ストッキングにあります。
新幹線や飛行機で移動する日
秋の旅行や年末の帰省で、新幹線や飛行機に長く乗る日は、座席に座っている時間が長く、乗り物の中は空気が乾いています。
| 移動 | 乾き方 | 替える1枚 |
|---|---|---|
| 新幹線で2〜3時間 | 冬は乾きやすい | 上着の表地 |
| 飛行機 | 機内はかなり乾く | ひざ掛け、上着の表地 |
| 長距離バス | 暖房で乾く | ボトムス |
乗り物の中で使うひざ掛けやブランケットは、綿のものを持っていくと、ボトムスとのこすれが和らぎます。フリースのひざ掛けは暖かいのですが、化学繊維のボトムスと重ねると、降りるときに起きやすくなります。
移動の日は、着いてすぐに荷物を下ろしたり、改札を通ったりと、金属に触る場面が続きます。降りる前に、座席の肘掛けなどに手のひら全体で一度触れておくと、降りてすぐのぱちっとくる回数が減ります。
家の中|暖房をつけ始めた部屋
暖房をつけ始めると、家の中の空気も乾きます。家で起きやすいのは、部屋着と、毛布やひざ掛けの間です。
| 家での場面 | こすれる組み合わせ | 替える1枚 |
|---|---|---|
| ソファでひざ掛けを使う | フリースのひざ掛けと部屋着 | ひざ掛けを綿にする |
| 部屋着を脱ぐ | フリースの部屋着と肌着 | 肌着を綿にする |
| 寝るとき | 化学繊維の毛布とパジャマ | パジャマを綿にする |
| 暖房のそばで過ごす | 部屋着どうし | 加湿して湿度を上げる |
家の中は、服を替えるより先に、**湿度を上げるほうが効きます。**加湿器がなくても、濡らしたタオルを室内に干しておくだけで、湿度は少し上がります。湿度計を見て、40%を下回る日が続くなら、肌着やパジャマを綿の多いものにして、こすれる相手を替えてください。
部屋着を脱ぐたびに起きるのが気になるなら、フリースやもこもこの部屋着の下に、綿の肌着を1枚着ます。もこもこの部屋着の扱いはもこもこルームウェアの失敗にもあります。
どの1枚を替えるか|3つの層で考える
予定ごとに替える1枚を決めるとき、服を3つの層に分けて考えると迷いません。
| 層 | 例 | 替えやすさ | 向いている予定 |
|---|---|---|---|
| 肌に近い層 | 肌着、キャミソール、ペチコート、靴下 | いちばん替えやすい | 会食、会議、式 |
| 間の層 | ニット、ブラウス、スカート、パンツ | 見せる服なので替えにくい | 長く座る日 |
| いちばん外の層 | コート、ジャケット、ひざ掛け | 1着を長く使うので替えにくい | 車、移動、抱っこ |
**最初に替えるのは、肌に近い層です。**見えない場所なので、見た目を変えずに、こすれる相手だけを変えられます。肌に近い層で足りないときに、いちばん外の層を見直します。間の層は、その日に着たい服なので、最後まで替えずに残しておきます。
肌に近い層を替えるときは、替えた1枚の名前を手帳の予定の横に小さく書いておくと便利です。「会議・ペチコート」「車・綿のジャケット」というように書いておけば、次に同じ予定が入ったときに、何を出せばいいかがすぐに分かります。秋から冬のあいだに3〜4回書きためると、自分の予定に合う1枚の組み合わせができあがります。
素材は、プラスとマイナスのどちらに寄っているか
素材には、こすれたときにプラスに寄りやすいものと、マイナスに寄りやすいものがあります。離れたもの同士を重ねるほど起きやすく、近いもの同士なら起きにくくなります。
| 寄り方 | 主な素材 |
|---|---|
| プラスに寄りやすい | ウール、ナイロン、レーヨン |
| 真ん中に近い | 綿、麻、キュプラ |
| マイナスに寄りやすい | ポリエステル、アクリル、ポリウレタン |
ウールのニットにポリエステルの裏地、ナイロンのストッキングにポリエステルの裏地のように、プラスとマイナスを重ねる組み合わせが、秋冬の服でいちばんよく起きます。替える1枚には、真ん中に近い素材を選ぶと、どちらの側の服と重ねても起きにくくなります。
素材の名前は、洗濯表示の近くにある組成の表示で確かめられます。混紡の場合は、いちばん割合の多い素材を見てください。
裏地で選ぶ|コートとスカートの裏側
コートやスカートを新しく選ぶときは、表の生地より先に、裏地の素材を見ます。
| 裏地の素材 | 起きやすさ | 選び方 |
|---|---|---|
| ポリエステル | 起きやすい | 制電の表示があるかを見る |
| キュプラ | 起きにくい | そのまま選んでよい |
| 綿 | 起きにくい | 滑りが悪いので、着脱のしやすさを確かめる |
| 裏地なし | 下に着るもので決まる | ペチコートやインナーで調える |
**キュプラの裏地は、静電気が起きにくく、滑りもよい素材です。**通勤で毎日脱ぎ着するコートや、会議で長く座るスカートを買う予定があるなら、裏地がキュプラのものを候補に入れておくと、その後の予定で替える1枚が減ります。
すでに持っているコートやスカートの裏地がポリエステルの場合は、買い替えなくても、下に着るものを替えるだけで足ります。裏地を替えたいときは、お直しの店で相談することもできますが、手間がかかるので、まずは下の1枚から試してください。
インナーで選ぶ|毎日替えられる1枚
インナーは、毎日替えられて、見た目を変えずに済む1枚です。予定に合わせて替える1枚に、いちばん向いています。
| インナー | 素材の目安 | 向いている予定 |
|---|---|---|
| キャミソール | 綿の多いもの、制電の表示 | 会食、会議 |
| 長袖の肌着 | 綿の多いもの | 通勤、移動 |
| ペチコート | キュプラ、制電の表示 | 会議、式 |
| 靴下・タイツ | 綿の多いもの、導電性の糸入り | 職場を歩き回る日 |
暖かさを重視したインナーには、ポリエステルやアクリルが多く使われているものがあります。暖かいインナーと、静電気の起きにくいインナーは、別のものとして持っておくと、予定によって選び分けられます。寒さが厳しい日は暖かいインナー、人前で動く予定がある日は綿の多いインナー、というようにです。
どちらとも取れるとき①|通勤も会議もある日
朝の通勤でコートを脱ぎ着し、日中は会議で長く座る。1日に起きやすい予定が2つ重なる日は、どちらの1枚を替えるか迷います。
| 予定の組み合わせ | 決め方 |
|---|---|
| 通勤30分と会議2時間 | 長くいる会議に合わせて、ペチコートを入れる |
| 通勤1時間と会議30分 | 通勤に合わせて、ニットかインナーを替える |
| どちらも同じくらい | 肌に近い層を替える |
**迷ったら、長くいるほうの予定に合わせます。**時間が同じくらいなら、肌に近い層を替えておくと、両方の予定で少しずつ効きます。ペチコートとインナーの両方を替えても構いませんが、2枚替えると、どちらが効いたのかが分からなくなります。最初は1枚ずつ替えて、効いた1枚を覚えておくと、次に同じ予定が来たときに迷いません。
どちらとも取れるとき②|制電の服を着ても起きる
制電の表示がある服を着ているのに起きる日があります。制電の服は、その1枚がためこみにくいだけで、重ねた他の服どうしがこすれる分までは止められないからです。
| 状況 | 確かめること |
|---|---|
| 制電のインナーなのに起きる | 上に重ねたニットと上着の裏地の組み合わせ |
| 制電のスカートなのに張りつく | ストッキングの素材と、座っている椅子の布 |
| 買ったときは効いたのに、起きるようになった | 洗濯の回数と、下げ札の説明 |
**起きている2枚を特定するには、1枚ずつ脱いで、脱ぐときに音がするかを確かめます。**音がした2枚が、こすれている組み合わせです。その2枚のどちらかを、真ん中に近い素材のものに替えてください。
加工で静電気を抑えている服は、洗濯を重ねると加工が弱くなるものがあります。買ったときより起きるようになったら、加工が弱くなっている可能性があります。
どちらとも取れるとき③|原因が相手の服にある
子どもを抱っこしたとき、人と並んで座ったとき、自分の服を替えても起きることがあります。相手の服とこすれている場合です。
| 相手 | よくある組み合わせ | 自分の側でできること |
|---|---|---|
| 子ども | 子どものフリースと自分のニット | 一番外を綿の上着にする |
| 家族と並んで座る | 相手のダウンと自分のコート | 腕を組まない、間にバッグを置く |
| ペットを抱く | 毛と自分のニット | エプロンや綿の羽織りを重ねる |
相手の服は替えられないので、自分の一番外の1枚を、真ん中に近い素材にしておくのが確実です。子どもと過ごす時間が長い日や、ペットを抱く時間が長い家では、綿の羽織りかエプロンを1枚決めておくと、毎回こすれる相手を変えられます。
洗い方で、静電気を抑える力を弱めない
静電気を抑える服や、こすれる場所に回した綿の服も、洗い方で効き方が変わります。
| 洗い方 | 効き方への影響 |
|---|---|
| 柔軟剤を使う | 表面がなめらかになり、起きにくくなる |
| 乾燥機で乾かしすぎる | 乾いた直後は起きやすい |
| 加工がある服を何度も洗う | 加工が弱くなるものがある |
| 洗濯表示と違う洗い方をする | 加工も生地も傷みやすい |
柔軟剤は、こすれる場所に回すインナーや肌着に使うと効きやすくなります。ただし、タオルのように水を吸ってほしいものに使うと、吸水が落ちることがあるので、分けて洗うと使いやすくなります。
乾燥機から出したばかりの服は、乾きすぎていて起きやすい状態です。出したらすぐにたたまず、少し室内に置いてから片付けると落ち着きます。加工がある服は、下げ札の説明に沿って洗ってください。
予定の前の晩に確かめる3つ
翌日に起きやすい予定がある日は、前の晩に3つだけ確かめておきます。
| 確かめること | どうするか |
|---|---|
| 翌日のいちばん長い予定 | 替える1枚を決める |
| 重ねる服の素材 | プラスとマイナスが重なっていないか、組成の表示を見る |
| 部屋の湿度 | 40%を下回っていたら、加湿して寝る |
**前の晩に決めておくと、朝は迷わずに着替えられます。**翌日の予定を見て、いちばん長くいる場所を1つ選び、そこでこすれる2枚のうち1枚を替える。それだけです。
決めた1枚は、着る服と一緒に、前の晩のうちに出しておいてください。朝になってから探すと、結局いつものインナーを着てしまうことがあります。
まとめ
- 静電気防止服は全身でそろえず、その日の予定でいちばんこすれる場所の1枚だけを替える
- 室内の湿度が40%を下回る、上着の脱ぎ着が1日4回を超える、金属に触る回数が多い。2つ以上当てはまる予定の日に替える
- 通勤はコートの裏地か下のニット、車は上着の表地、会議や式はペチコート、会食は肌に近いインナー
- 替える順番は、肌に近い層、いちばん外の層、間の層
- ウールやナイロンと、ポリエステルやアクリルを重ねない。替える1枚は綿・麻・キュプラなど真ん中に近い素材にする
- 制電の服でも、重ねた他の2枚の間では起きる。1枚ずつ脱いで、音がする組み合わせを探す
今夜、明日の予定を見て、いちばん長くいる場所を1つ選んでみてください。そこでこすれる2枚を思い浮かべ、どちらか1枚を綿の多いものに替えて出しておく。それだけで、明日の静電気はかなり変わります。
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よくある問い
- Q. 静電気防止服は、全部の服をそろえないといけませんか
- そろえなくて構いません。静電気は、こすれ合う2枚の間で起きます。その日の予定でいちばん長くこすれる場所を1か所選び、そこに入る1枚だけを静電気を抑える服にすれば、多くの日は落ち着きます。通勤の日ならコートの裏地、会議の日ならスカートの裏地かペチコート、車で出かける日なら上着の表地というように、予定によって替える1枚が変わります。
- Q. 制電と書かれた服を着ているのに、静電気が起きます
- 制電の服は、その1枚がためこみにくい作りになっているだけで、上や下に重ねた服どうしがこすれる分までは止められません。たとえば制電のインナーの上に、ウールのニットとポリエステルの裏地の上着を重ねると、ニットと裏地の間で起きます。どの2枚の間で起きているかを確かめて、そのどちらかを替えてください。洗濯を重ねて加工が弱くなっている場合もあるので、下げ札や洗濯表示の近くにある説明も見直してください。
- Q. 工場や作業場で着る帯電防止の作業服と同じものですか
- この記事で扱っているのは、通勤や外出に着る普段の服です。作業場で着る帯電防止の作業服は、職場の決まりや設備に合わせて選ぶもので、普段の服の静電気対策とは目的が違います。職場で指定がある場合は、その指定に従ってください。
- Q. 静電気が起きやすい季節はいつからですか
- 空気が乾き始める10月の下旬から、暖房を使う時間が長い2月ごろまでが目安です。外の空気より、暖房をつけた室内のほうが乾くので、職場や家で暖房が入り始めた週から起きやすくなります。部屋に湿度計があれば、40%を下回る日が続くようになったら、予定に合わせて替える1枚を決め始めてください。
— メグラシ編集部





