冬のパジャマの選び方|素材は寝室の朝の温度と背中の汗で決める

**冬のパジャマは、寝室の朝の温度が15度を下回るかどうかと、起きたときに背中が湿っているかどうかで素材を決めてください。**この2つが分かれば、ガーゼにするか、起毛した綿にするか、厚手のニットにするかは、ほとんど自動的に決まります。
暖かいパジャマを選べば冬はよく眠れる、と考えがちですが、実際の相談で多いのは逆の困りごとです。厚いパジャマを買ったのに夜中に暑くて目が覚める、明け方に背中が冷えて起きてしまう、朝になるとパジャマが湿っている。どれも、素材と寝室の温度、そして自分の汗の量が合っていないときに起きます。
この記事では、自分の寝室と体で測れる目安を置いて、どちらとも取れる場合の決め方を厚めに書きます。ズボンの丈やゴムの跡で選ぶ話はパジャマの選び方|裾が上がる・ゴムの跡が残る朝はズボンで決めるに、今のパジャマを買い替えるかどうかの判断はパジャマの買い替え時を、首のよれとゴムの伸びで決める方法にまとめています。ここでは素材だけを扱います。
結論:朝の寝室の温度と、背中の湿り気で素材を決める
冬のパジャマの素材は、大きく分けて3つの方向があります。ガーゼを二重や三重に重ねた、軽くて空気を含む生地。綿の表面を起毛させた、ふんわりと暖かい生地。厚手に編んだ綿のニットで、伸びがよく体に沿う生地。この3つのどれを選ぶかは、寝室の寒さと、自分がどれくらい汗をかくかで決まります。
| 朝の寝室 | 起きたときの背中 | 向く素材 |
|---|---|---|
| 15度を上回る | 湿っている | 二重か三重のガーゼ |
| 15度を上回る | 乾いている | 厚手のニットか、薄めの起毛した綿 |
| 15度を下回る | 乾いている | 起毛した綿 |
| 15度を下回る | 湿っている | 上下で素材を分ける |
表は、どの方向から選び始めるかを決めるためのものです。右の列だけを見て決めるのではなく、次の章で自分の寝室と体を測ってから当てはめてください。とくに最後の行、寒いのに汗もかく人がいちばん迷いやすいので、後半で詳しく書きます。
まず測る|寝室の温度を、寝る前と起きる前の2回
最初にやることは、寝室の温度を知ることです。枕元に温度計を1つ置いて、寝る前と、朝起きてすぐの2回だけ見てください。3日続けて測れば、その寝室のおおよその幅が分かります。
測る場所は、床でも天井近くでもなく、枕の高さです。寝室は床に近いほど冷え、天井に近いほど暖かいので、布団の中の自分の顔の高さに近い場所で測ると、実際の体感に近い数字になります。窓際や暖房の吹き出し口の近くは避けてください。
寝る前と朝の差も大事です。寝る前は暖房の余熱で暖かくても、朝には大きく下がる寝室があります。差が5度以上ある寝室では、寝入りと明け方で求める暖かさが変わるので、素材を一つに決めにくくなります。これも後半の、どちらとも取れる場合で扱います。
温度計がない人は、朝に吐く息が白く見えるか、窓の内側が結露しているかで、寒い側か暖かい側かをおおまかに分けてください。どちらかが毎朝起きるなら、寒い側です。
まず測る|起きたときの背中に、手のひらを当てる
もう一つ測るのは、自分の汗です。朝、目が覚めたら、布団から出る前に、パジャマの上から背中の真ん中に手のひらを当ててください。湿っている感じがあるか、乾いているか。腰のあたりと肩甲骨の間の2か所で確かめます。
背中を見るのは、寝ているあいだに汗がいちばんたまりやすい場所だからです。仰向けで寝る人は、背中が布団に押しつけられて、汗が逃げにくくなります。横向きで寝る人も、下になった側の脇や背中に湿り気が残ります。
湿っていると感じたら、パジャマを脱いで、内側の背中の部分を触ってみてください。生地がしっとりしている、冷たく感じる、という場合は、寝ているあいだに汗をかいて、それが乾かないまま朝を迎えています。こういう人が厚くて汗を逃がしにくい素材を選ぶと、明け方に背中が冷えて目が覚めやすくなります。
境目1|朝の寝室が15度を下回るか
ここからが境目です。ひとつめは、朝の寝室の温度が15度を下回るかどうか。
15度を下回る寝室では、布団から出ている首や肩、手首が冷えやすく、パジャマにもある程度の暖かさが要ります。この場合は、起毛した綿か厚手のニットが基本になります。表面に毛羽がある起毛した綿は、空気を含んで体温を逃がしにくく、着たときの肌ざわりも暖かく感じます。
15度を上回る寝室では、布団の中は思ったより暖かくなります。暖房の効いた寝室や、気密性の高い住まいでは、厚いパジャマと厚い布団を重ねると、体が温まりすぎて夜中に目が覚めます。この場合は、二重か三重のガーゼのように、空気を含みながら汗も逃がせる生地が向いています。
15度という数字は、あくまで目安です。寒がりの人は1、2度上に、暑がりの人は1、2度下に線をずらしてください。自分が寒がりか暑がりか分からない人は、家族や同居する人と比べて、同じ部屋で厚着をしている方か薄着をしている方かで決めます。
境目2|起きたときの背中が湿っているか
ふたつめの境目は、背中の湿り気です。湿っているなら、汗を吸ってすばやく外に逃がす素材が必要です。乾いているなら、汗のことはあまり気にせず、暖かさを優先して選べます。
汗を逃がしやすいのは、ガーゼです。ガーゼは目の粗い平織りの生地を重ねたもので、層の間に空気があり、汗を吸った湿気が生地の外に抜けやすい作りになっています。二重のガーゼは軽く、三重のガーゼはそれより暖かく、冬向きです。
起毛した綿も汗は吸いますが、毛羽の部分に湿気がとどまりやすく、乾くまでに少し時間がかかります。厚手のニットは、伸びがよく体に沿うぶん、肌との間に空気の層ができにくく、汗をかくと肌に貼りつく感じが出ることがあります。
背中が湿っているかどうかは、季節の中でも変わります。秋の終わりは乾いていたのに、暖房を強く入れるようになってから湿り始めた、という人もいます。寝室の温度と一緒に、ひと冬のうち何度か確かめ直してください。
二重・三重のガーゼが向く人
ガーゼのパジャマが向くのは、朝の寝室が15度を上回り、起きたときに背中が湿っている人です。暖房の効いた寝室で寝ている人、厚い布団や羽毛の掛け布団を使っている人、寝つくときに体が熱くなりやすい人にも合います。
冬にガーゼというと薄く感じるかもしれませんが、三重や四重に重ねたガーゼは、層の間に空気を含むので、見た目より暖かく感じます。生地を手に取ったら、光に透かして向こうがどれくらい見えるかを確かめてください。うっすら見える程度なら二重、ほとんど見えなければ三重以上の目安です。
ガーゼは洗うたびにやわらかくなり、乾くのも比較的早いので、部屋干しが多い冬でも洗濯の予定が立てやすい素材です。ただ、生地が軽いぶん、寝ているあいだに裾や袖がめくれやすいので、袖口や足首にゆるいゴムが入っているかを確かめると、朝までずれにくくなります。
起毛した綿が向く人
起毛した綿、いわゆるネルのパジャマが向くのは、朝の寝室が15度を下回り、起きたときに背中が乾いている人です。古い住まいで寝室が冷える人、暖房を消して寝る人、布団から出ている肩や首が冷えて目が覚める人に合います。
起毛した綿は、片面だけ起毛しているものと、両面とも起毛しているものがあります。片面だけのものは、起毛した側が肌に触れるように作られていて、着たときに暖かく、外側はなめらかなので布団の中ですべりがよくなります。両面起毛は、より暖かい反面、布団との摩擦が増えて寝返りが少し重く感じることがあります。
起毛の毛羽は、洗うたびに少しずつ寝ていきます。新しいうちは暖かくても、ひと冬着ると毛羽がつぶれて暖かさが落ちることがあるので、2年目以降に寒く感じ始めたら、買い替えの目安です。
厚手のニットが向く人
厚手の綿のニット、たとえば表と裏が同じ目になるように編んだなめらかな生地や、少し厚めに編んだ平らな生地のパジャマは、寝室が15度前後で、背中が乾いている人に向きます。伸びがよく、寝返りを打っても突っぱらないので、寝ている姿勢が変わりやすい人にも合います。
ニットの良さは、体に沿って動くことです。布帛のパジャマのように、寝返りのたびに背中や膝で生地が引っぱられることがありません。そのぶん、肌との間に空気の層ができにくく、暖かさは起毛した綿より控えめです。
汗をかく人は、ニットが肌に貼りつく感じが出やすいので、ニットを選ぶなら少しゆとりのあるサイズにして、肌との間に空気が入るようにしてください。サイズの決め方はルームウェアのサイズの選び方で、肩と股上で一つ上にするかを書いています。
裏起毛やボアを寝るときに着る場合の注意
冬になると、内側をふわふわに起毛させた裏起毛の生地や、毛足の長いボアのパジャマも店に並びます。着た瞬間の暖かさは、ここまでの3つより上です。ただ、寝るときに着る場合は注意がいります。
裏起毛やボアの多くは、合成繊維で作られていて、汗を吸う力が綿より弱く、吸った汗を外に逃がしにくい作りです。布団に入ってすぐは暖かくても、体が温まって汗をかき始めると、背中や脇が蒸れて、それが明け方に冷えて目が覚める原因になります。
向いているのは、朝の寝室がかなり冷え、起きたときに背中が乾いていて、しかも掛け布団が薄めの人です。それ以外の人は、寝るときのパジャマではなく、起きてから羽織る部屋着として使い分けた方が、朝まで快適に眠れます。裏毛と裏起毛の違いはスウェットの部屋着|裏毛か裏起毛かは、座っている時間と暖房で決めるにも書いています。
掛け布団の厚さとの釣り合いを見る
パジャマの素材は、掛け布団の厚さとの釣り合いでも変わります。厚い羽毛の掛け布団を使っている人は、パジャマを一段薄くしても、布団の中は十分暖かくなります。薄い掛け布団を重ねている人や、毛布を使っていない人は、パジャマの暖かさに頼る割合が大きくなります。
目安は、布団に入って15分たったときの体の感じです。足先まで温まっていれば、パジャマと布団の組み合わせは足りています。15分たっても足先が冷たいままなら、パジャマか布団のどちらかを一段暖かくします。逆に、15分で汗ばむようなら、どちらかを一段薄くしてください。
どちらを変えるか迷ったら、先にパジャマを変える方が手軽です。布団を替えるのは大きな買い物になりますが、パジャマは1着から試せます。
どちらとも取れるとき①|寝入りは寒いのに、朝は汗をかいている
ここからは、境目だけでは決めにくい場合です。いちばん多いのは、布団に入ったときは寒くて眠れないのに、朝起きると背中が汗で湿っている、という人です。
これは、寝入りの寒さに合わせて暖かいパジャマを選んだ結果、眠ってから体が温まりすぎて汗をかいていることが多いです。体は眠りにつくと、手足から熱を逃がそうとします。そのときに熱が逃げにくい素材だと、体の中に熱がこもり、汗になって出てきます。
この場合は、パジャマ本体はガーゼのように汗を逃がす素材にして、寝入りの寒さは靴下や腹巻き、薄手の羽織など、外せるもので補ってください。眠りについたら布団の中で外せるもの、あるいは寝つく前に脱ぐものを決めておくと、寝入りの寒さと朝の汗の両方を減らせます。
靴下を履いて寝るのが苦手な人は、足首だけを覆う筒状のものや、足首にゆるいゴムが入ったパジャマを選ぶと、足先は開いたまま足首を温められます。
どちらとも取れるとき②|家族と寝室が同じで、温度を選べない
寝室を家族や同居する人と共有していて、暖房の温度を自分では決められない人もいます。相手は暑がり、自分は寒がり、という組み合わせはよくあります。
この場合は、部屋の温度ではなく、自分の周りの温度で調整します。パジャマは、寝室の平均的な温度に合わせて選び、寒い側に振れたときに足すものと、暑い側に振れたときに外すものを決めておきます。
足すものとして使いやすいのは、薄手の羽織、靴下、腹巻きです。どれも布団の中で脱いだり履いたりできます。外すものとしては、上下のうち上だけを薄いものに替える、袖を肘までまくれる作りにする、といった方法があります。
寝室の温度を測ってみて、季節の中で自分にとって寒い日と暑い日がどれくらいあるかを数えておくと、どちら側の備えを厚くするかが決められます。
どちらとも取れるとき③|冷えやすいのに汗もかく人は、上下で分ける
手足は冷えやすいのに、背中や胸には汗をかく、という人もいます。この場合は、上下で素材を分けるのがいちばん確かな方法です。
上はガーゼのように汗を逃がす素材、下は起毛した綿や厚手のニットのように暖かい素材にします。上下がそろったパジャマとして売られていなくても、上下別々に買える店や、手持ちの部屋着の下を組み合わせれば作れます。
上下で素材を分けると、見た目のちぐはぐさが気になる人もいるかもしれません。その場合は、色をそろえるか、同じ系統の淡い色でまとめると、寝室の中でも落ち着いて見えます。部屋着の上下のそろえ方については、部屋着のおしゃれは、上下の生地と色の数で決める方法が参考になります。
首まわり・袖口・足首で、温度を足し引きする
素材を決めたら、最後に首まわり、袖口、足首の3か所を見てください。この3か所は、布団から出やすく、冷えを感じやすい場所です。同じ素材のパジャマでも、この3か所の作りで暖かさが変わります。
首まわりは、襟のある形か、丸首か、少し高めの首回りかで変わります。寝室が寒い人は、首の付け根が隠れる高さのものを選ぶと、肩口からの冷えが減ります。暑がりの人は、襟のある前開きの形にしておくと、ボタンを一つ外すだけで熱を逃がせます。
袖口と足首は、ゴムが入っているか、まっすぐ開いているかで変わります。ゴム入りは冷気が入りにくい反面、跡が残りやすいので、ゆるいゴムかリブ編みの口を選ぶと、跡を残さずに冷えを防げます。
冬は乾く時間も、素材選びに入れる
冬のパジャマを選ぶときは、洗ったあとに乾くまでの時間も考えに入れてください。起毛した綿や厚手のニットは、ガーゼに比べて乾くのに時間がかかります。部屋干しが多い家で厚い素材を2着だけにすると、乾く前に着る順番が回ってきてしまいます。
目安として、厚い素材だけでそろえるなら3着、厚い素材と乾きやすい素材を組み合わせるなら2着から回せます。乾く時間と必要な枚数の考え方は、部屋着は何枚あればいいかを、冬の乾く時間で決める方法に詳しく書いています。
手に持った重さで、暖かさと乾きやすさを比べる
素材の名前だけでは、同じガーゼでも、同じ起毛した綿でも、厚さに差があります。比べるときに役に立つのが、パジャマの重さです。家にあるパジャマの上だけを、台所のはかりにのせてみてください。
同じサイズで比べると、二重のガーゼの上はかなり軽く、三重のガーゼや起毛した綿はそれより重く、厚手のニットはさらに重くなる傾向があります。重いほど生地に厚みがあり、暖かさも増しますが、そのぶん洗ったあとに含む水も多く、乾くまでの時間が長くなります。
手持ちのパジャマの重さを一度量っておくと、新しく買うときの基準になります。今のパジャマで寒かったなら、それより重いものを、暑かったなら軽いものを選べばよい、という分かりやすい目安ができます。売り場では量れませんが、両手に1着ずつ持って比べると、重さの違いはかなり分かります。
重さで比べるときは、ボタンや飾りの多いものは少し重めに出ることも覚えておいてください。生地そのものの厚さを見たいときは、袖の部分だけをつまんで、指の間の厚みを比べる方法もあります。
寝る姿勢で、背中と脇のどちらを優先するかが変わる
同じ寝室、同じ素材でも、寝る姿勢によって汗のたまる場所が変わります。自分がどの姿勢で寝ていることが多いかを知っておくと、素材やパジャマの形を選ぶときに、どこを優先するかが決まります。
仰向けで寝る人は、背中全体が布団に押しつけられるので、背中の真ん中から腰にかけて汗がたまりやすくなります。背中の生地が汗を逃がせるかどうかがいちばん大事で、ガーゼのように空気を含む素材が向いています。
横向きで寝る人は、下になった側の脇と腕、腰の横に湿り気が残りやすくなります。脇の下に縫い目が集まっている形だと、そこが当たりやすいので、脇の縫い目が少ない形や、袖の付け根がゆったりした形を選ぶと楽です。
寝る姿勢が分からない人は、朝起きたときの体の向きを3日ほど覚えておいてください。いちばん多かった姿勢が、自分の寝る姿勢です。寝返りが多い人は、どの姿勢にも対応できるように、伸びのある厚手のニットや、生地の軽いガーゼを選ぶと、どの向きでも突っぱらずに眠れます。
前開きか、かぶりかでも、暖かさの調整が変わる
パジャマの形には、ボタンで前を開け閉めする前開きと、頭からかぶって着るかぶりの2つがあります。素材が同じでも、この形の違いで、夜中の温度の調整のしやすさが変わります。
前開きの形は、暑くなったときにボタンを一つか二つ外すだけで、胸元から熱を逃がせます。寝入りは寒いのに夜中に暑くなる人や、寝室の温度が日によって大きく変わる人には、前開きが向いています。襟があるものは首まわりも覆えるので、寒い日には一番上まで留めておけます。
かぶりの形は、前にボタンがないので、うつぶせや横向きで寝てもボタンが体に当たりません。首まわりが詰まっているものが多く、首の付け根から冷えが入りにくいので、寒い寝室で寝る人や、寝返りが多い人に向いています。
迷ったら、寝入りから朝までの寝室の温度の差を見てください。差が5度以上あるなら前開き、3度以内に収まっているならかぶりが、それぞれ扱いやすい目安になります。
肌が乾きやすい冬は、縫い目とタグの位置も見る
冬は暖房で空気が乾き、パジャマの縫い目やタグが肌に当たる感触が、ほかの季節より気になりやすくなります。素材を選んだあとに、縫い目とタグの位置も確かめておくと、朝までの寝心地がさらに変わります。
見るのは、首の後ろ、脇の下、腰のゴムの3か所です。首の後ろには表示のタグが縫いつけられていることが多く、寝返りのたびに首筋に当たります。脇の下は袖と身ごろの縫い目が集まる場所で、横向きで寝る人には当たりやすい場所です。腰のゴムは、ズボンのウエストに縫い込まれていて、跡が残りやすい場所です。
タグが気になる場合は、縫い目を残して切り取るか、表示が生地に直接印刷されたパジャマを選んでください。縫い目が気になる場合は、内側を表に返して、縫い代が平らに処理されているかを確かめます。下着の縫い目やタグの見方は、下着の選び方|冬の乾燥でムズムズする日は、綿の割合と縫い目で決めるで詳しく書いていますが、パジャマにもそのまま当てはまります。
起きてから着替えるまでの時間が長い人は、羽織を前提にする
朝起きてから、すぐに着替える人もいれば、朝ごはんを作ったり、家族を送り出したりして、しばらくパジャマのまま過ごす人もいます。起きてから着替えるまでの時間が長い人は、パジャマの素材選びに、もう一つ条件が加わります。
布団の中で快適だった素材が、布団から出たあとの寒い台所や廊下では、薄すぎると感じることがあります。とくにガーゼのパジャマは、布団の中では汗を逃がして快適でも、布団から出ると空気が通りやすいぶん寒く感じやすい素材です。
この場合は、パジャマを朝の寒さに合わせて厚くするのではなく、起きたらすぐに羽織るものを枕元に置いておくのが確かな方法です。寝ているあいだはパジャマで快適に眠り、起きてからは羽織で暖かさを足す。役割を分けると、夜の汗と朝の寒さの両方に対応できます。羽織の選び方は家の中で羽織るものの選び方にまとめています。
起きてから着替えるまでが30分以内なら、羽織はなくてもかまいません。それより長い人は、羽織を前提にパジャマを選ぶと、素材選びの幅が広がります。
秋の終わりと真冬で、2着を入れ替えて使う
寝室の温度は、秋の終わりと真冬でかなり変わります。同じパジャマでひと冬を通そうとすると、秋の終わりは暑く、真冬は寒い、ということが起きやすくなります。
おすすめは、素材の違う2着を用意して、寝室の朝の温度で入れ替えることです。朝の寝室が15度を上回るうちはガーゼ、下回るようになったら起毛した綿、というふうに、境目1の数字をそのまま入れ替えの合図に使います。
2着を入れ替える使い方は、洗い替えの面でも都合がよいものです。真冬に起毛した綿を着ている時期でも、暖かい日にはガーゼを着ることができ、どちらかを洗っているあいだも困りません。寝室の温度が日によって上下する時期は、その日の朝の温度を見て、夜に着る方を決めてください。
春が近づいて、朝の寝室がまた15度を上回るようになったら、ガーゼに戻します。1年のうちで入れ替える時期を、温度計の数字で決めておくと、着るものに迷う日がほとんどなくなります。
湯たんぽや電気毛布を使う人は、一段薄い素材にする
寝室が寒い人の中には、湯たんぽや電気毛布で布団の中を温めている人も多いはずです。こうした道具を使う人は、寝室の温度だけで素材を決めると、暖かさが足りすぎることがあります。
湯たんぽや電気毛布は、布団の中の温度を寝室の温度よりずっと高くします。寝室の朝の温度が15度を下回っていても、布団の中は暖房の効いた部屋と同じくらいになっていることがあります。そこに起毛した綿や裏起毛のパジャマを重ねると、眠ってから汗をかき、明け方に背中が冷える、という流れになりやすくなります。
目安として、湯たんぽや電気毛布を朝まで使う人は、表で決まった素材より一段薄いものを選んでください。起毛した綿と出たならガーゼの三重、厚手のニットと出たなら二重のガーゼ、というふうに、軽い側へ一つずらします。寝入りだけ使って途中で止める人は、表のとおりでかまいません。
どちらにするか迷ったら、境目2の背中の確かめ方をもう一度使ってください。道具を使った夜の朝に背中が湿っているなら、素材が暖かすぎる合図です。
お風呂から布団に入るまでの時間でも、選び方が変わる
寝る前にお風呂に入る人は、お風呂から上がって布団に入るまでの時間も、パジャマ選びにかかわります。お風呂上がりは体が温まっていて、汗がしばらく引きません。この時間にどんな素材を着ているかで、寝入りの心地よさが変わります。
お風呂から布団まで30分以内の人は、体が温まったまま布団に入ることになります。この場合は、汗を吸って逃がしやすいガーゼが向いています。起毛した綿や厚手のニットを着ると、お風呂の汗が抜けないまま布団に入って、寝つきが悪く感じることがあります。
お風呂から布団まで1時間以上ある人は、そのあいだに体が冷えていきます。この場合は、寝室の温度と背中の湿り気で決めた素材のままで大丈夫です。ただ、お風呂上がりにすぐパジャマを着ると、汗が生地にこもって、布団に入るころには湿っていることもあります。上がってから10分ほどは薄手の羽織で過ごし、汗が引いてからパジャマを着ると、寝るときの生地が乾いたまま保てます。
自分がお風呂から布団まで何分かかっているかを、一度時計で測ってみてください。思っていたより短い人も、長い人もいて、それだけで選ぶ素材が変わることがあります。
売り場で確かめること
パジャマを買うときは、売り場で次のことを確かめてください。
まず、表示を見て素材を確かめます。綿の割合が高いか、起毛しているのは片面か両面か、ガーゼなら何重かを見ます。次に、生地を光に透かして、向こうの見え方で厚さを比べます。最後に、袖口と足首、首まわりの作りを確かめます。ゴムの強さは、手で軽く引いて、戻る力が強すぎないかを見てください。
試着ができる場合は、腕を上げる、しゃがむ、横になったつもりで体をひねる、の3つの動きをしてみてください。寝返りのたびに背中や膝が突っぱらないかが分かります。
手持ちのパジャマから始める
新しく買う前に、手持ちのパジャマで試せることもあります。寝室の温度と背中の湿り気を3日測ったら、今のパジャマが表のどこに当てはまるかを見てください。
合っていれば、そのまま冬を過ごしてかまいません。合っていなければ、全部を買い替えるのではなく、上だけ、下だけを入れ替える、靴下や羽織を足すなど、小さく変えて様子を見ます。ひと冬のうちに自分にとっての目安が一つ決まれば、来年の秋にパジャマを選ぶときに迷わずに済みます。
朝の寝室の温度と、背中の湿り気。この2つを自分の数字として知っておくことが、冬のパジャマ選びでいちばん役に立ちます。
よくある問い
- Q. 冬は裏起毛やボアのパジャマがいちばん暖かいのではないですか
- 着た瞬間の暖かさはあります。ただ、裏起毛やボアは汗を外に逃がしにくく、布団の中で体が温まったあとに背中が蒸れて、明け方に冷えて目が覚める人もいます。寝室の朝の温度がかなり低く、起きたときに背中が乾いている人なら候補になりますが、湿っている人は起毛した綿か厚手のニットの方が朝まで快適なことが多いです。
- Q. 寝室の温度計がありません。どうやって判断すればいいですか
- 朝、布団から出たときに吐く息が白く見えるか、窓の内側が結露しているかで、おおまかに分けられます。どちらかが毎朝起きるなら、寝室は寒い側と考えてください。ただ、目安を置くなら、安い温度計を枕元に1つ置いて、寝る前と起きる前の2回だけ見るのがいちばん確かです。
- Q. 家族と同じ寝室で、暖房の温度を自分では決められません
- 部屋の温度を変えられないときは、パジャマで調整する余地を残してください。上下で素材を分ける、袖口と足首にゴムのない作りを選んで靴下や腹巻きを足し引きする、薄手の羽織を枕元に置く、の3つが使いやすい方法です。
- Q. パジャマは何着あればいいですか
- 冬は乾くまでの時間が長くなるので、洗い替えを含めて最低2着、できれば3着あると回しやすくなります。素材の厚い起毛した綿や厚手のニットは乾くのに時間がかかるので、部屋干しが多い家では、厚い1着と乾きやすい1着を組み合わせると洗濯の予定が立てやすくなります。
— メグラシ編集部





