スウェットの部屋着|裏毛か裏起毛かは、座っている時間と暖房で決める

**家で座っている時間が長く、暖房が足元まで届かない部屋なら、部屋着のスウェットは裏起毛。**家の中で動き回る時間が長い、または床から暖まる部屋なら、裏毛で足ります。どちらにするか迷うときの境目は、座ってから20分たったときに、腰と足首が冷えているかどうかです。
スウェットの部屋着は、寒くなってきたら裏起毛にすればいい、と思われがちです。けれど実際には、裏起毛にしたら家の中で汗をかいて、そのあと冷えた、という失敗がとても多い服です。暖かい生地を選べば暖かくなる、とは限りません。家の暖め方と、家でどう過ごしているかで、同じ生地でも感じ方が変わります。
部屋着が寒いときに何を足すかは部屋着が寒いとき|床・窓・座り方で、足す1枚の場所を変えるに分けてあります。この記事は、足す前の土台になるスウェットそのものを、裏毛と裏起毛のどちらにするかの話です。
結論:座っている時間と、暖房がどこを温めるかで決める
最初に、自分の家の過ごし方を2つの質問で確かめてください。
1つ目は、家にいる時間のうち、座っている時間と動いている時間のどちらが長いか。テレビの前やパソコンの前で座って過ごす時間が長いなら「座る側」。料理や掃除、子どもの世話、洗濯物の上げ下ろしなどで動いている時間が長いなら「動く側」です。
2つ目は、部屋をどうやって暖めているか。壁の高いところにある暖房で、部屋の上のほうから暖めているなら「上から」。床に暖房が入っている、ホットカーペットを敷いている、こたつに入っているなら「下から」です。
座る側で、上から暖める部屋なら、裏起毛。動く側で、下から暖める部屋なら、裏毛。この2つははっきりしています。迷うのは、座る側で下から暖める部屋と、動く側で上から暖める部屋です。この記事の後半で、その迷い方をくわしく扱います。
**部屋着の暖かさは、生地の厚さより、過ごし方との組み合わせで決まります。**裏起毛は動かずにいるときに暖かく、動いて汗をかくと乾きにくい生地です。裏毛は動いても汗がこもりにくく、そのかわり座ってじっとしているときの暖かさは裏起毛に届きません。どちらが優れているかではなく、自分の過ごし方にどちらが合うかで選びます。
手で触って分ける:裏側が輪っかか、毛羽か
まず、手持ちのスウェットが裏毛なのか裏起毛なのかを確かめてください。表から見ただけでは、ほとんど区別がつきません。
裏返して、内側を手のひらでなでてみます。内側に小さな輪っかのような糸が規則正しく並んでいて、指でなでると粒のようなでこぼこを感じるなら、裏毛です。内側がふわっと毛羽立っていて、なでると毛並みの方向が分かる、柔らかい毛布のような感触なら、裏起毛です。
裏起毛は、裏毛の輪っかを削って毛羽立たせて作ります。毛羽の間に空気がたまるので、じっとしているときの暖かさが増します。その代わり、汗や湿気が毛羽の間にたまると抜けにくくなります。裏毛は輪っかの間に空気の通り道があるので、汗がこもりにくい代わりに、空気をためておく力は裏起毛より弱くなります。
同じ裏起毛でも、毛羽の長さと密度には差があります。内側を指でつまんで、毛羽が指の腹にふわっと当たるくらい長いものは暖かさが強く、指でなでても毛羽がほとんど立たない短いものは、裏毛と裏起毛の中間くらいの暖かさです。手持ちの裏起毛が暑すぎると感じたら、毛羽の短いものに替えるだけで解決することもあります。
境目①:座って20分後、腰と足首が冷えるか
一番確かめやすい境目は、座ってからの時間です。普段の部屋着で、いつも座る場所に座ってください。ソファでも、床でも、机の前の椅子でもかまいません。そのまま20分過ごしてから、腰の後ろと足首に手を当てます。
腰と足首が冷えているなら、座る時間の暖かさが足りていません。部屋着を裏起毛にすると、この冷えを感じにくくなります。特に腰の後ろは、座ると上の服と下の服の境目が開いて、肌に空気が当たりやすい場所です。裏起毛のスウェットで、上の丈が腰を覆う長さのものを選ぶと、座ったときの冷えがかなり変わります。
腰も足首も冷えていないなら、いまの部屋着で座る時間の暖かさは足りています。この場合、裏起毛にすると暑くなる可能性が高いので、裏毛のままで構いません。
腰は冷えないのに足首だけ冷える、という人もいます。これは上下の生地より、ズボンの裾の形の問題です。裾が広く開いていると、座ったときに足首から冷たい空気が入ります。裾にリブが付いて足首を包む形にするか、靴下を厚手にすると、生地を裏起毛にしなくても冷えが和らぎます。
20分という時間は目安です。座ってすぐは、それまで動いていた体温が残っているので冷えを感じません。20分ほど座ると、その残りの暖かさが抜けて、部屋着そのものの暖かさが分かるようになります。
境目②:部屋の暖め方は、上からか下からか
次の境目は、部屋の暖め方です。同じ室温でも、暖め方によって体のどこが冷えるかが変わります。
壁の高いところにある暖房で部屋を暖めると、暖かい空気は上へたまり、床の近くには冷たい空気が残ります。立っていると顔や肩は暖かく、足元は冷たく感じます。床に座る時間が長いと、ちょうど冷たい空気の層に体を置くことになります。この部屋で床に座って過ごすなら、下は裏起毛にする価値があります。
床に暖房が入っている、ホットカーペットを敷いている部屋では、足元から暖まります。床に座ると、お尻や足が下から温められるので、下の生地が厚いと暑くなりやすいです。こういう部屋では、下は裏毛で足りることが多いです。上半身は暖房から離れているので、上だけ裏起毛にすると、ちょうどよくなることがあります。
こたつやヒーターなど、体の一部だけを暖める暖房を使っているなら、暖まる場所と暖まらない場所の差が大きくなります。こたつに入っている間は下半身が暖かく、背中と肩は冷えます。この場合も、上を裏起毛、下を裏毛にする組み方が合います。
自分の部屋がどちらか分からないときは、座る場所の床に手のひらを1分当ててみてください。床が冷たいなら「上から」の部屋、温かいなら「下から」の部屋です。
境目③:家の中で動いている時間の長さ
3つ目の境目は、家で動いている時間です。
料理、掃除、洗濯、子どもの世話、在宅での仕事の合間の片付け。家で動いている時間が長いと、思っている以上に体は温まります。裏起毛のスウェットで家事をしていると、30分ほどで背中や脇がしっとりしてきます。そこで座ると、毛羽の間にたまった汗が冷えて、かえって寒く感じます。
家の中で動いている時間が、起きている時間の半分以上なら、上は裏毛にしてください。腕と背中は家事のときによく動くので、上半身から先に汗をかきます。下は、動いても上半身ほど汗をかかないので、座る時間に合わせて選んで構いません。
動いている時間が長いのに冷えを感じる人は、生地を厚くするより、脱ぎ着しやすい羽織を1枚足すほうが合います。動くときは脱ぎ、座ったら羽織る。裏起毛の上下を着たまま動くと、暑さを逃がす方法がありません。
動く時間と座る時間が日によって大きく違うなら、平日と休日で部屋着を分けるのもひとつの方法です。在宅で仕事をする日は座る時間が長いので裏起毛、休日に家事をまとめてする日は裏毛、というように。
境目④:寝るまで着るか、寝る前に着替えるか
4つ目の境目は、スウェットを着たまま寝るかどうかです。
布団に入ると、体の周りの空気が温まって、起きているときより暖かくなります。起きているときにちょうどよかった裏起毛は、布団の中では暑すぎることが多いです。寝苦しくて途中で目が覚める、朝起きると背中が汗ばんでいる、という人は、寝るときの服が暑すぎる可能性があります。
寝るまでスウェットを着たままにしたいなら、裏毛を選んでください。裏毛なら、布団の中でも汗がこもりにくく、朝まで快適に過ごしやすいです。
裏起毛を部屋着にしたいなら、寝る前に着替える前提にします。お風呂のあとに寝間着に着替えて、裏起毛のスウェットは翌朝また着る。この流れにするなら、夜の寒い時間に裏起毛で暖かく過ごせます。寝間着と部屋着を分けるか兼ねるかは、パジャマとルームウェアの兼用|秋冬は帰宅から寝るまでの時間で決めるで詳しく扱っています。
4つの境目を一度に見る
ここまでの4つの境目を、比べる軸として並べておきます。自分に当てはまるほうに印をつけて、裏毛と裏起毛のどちらに印が多いかを見てください。
| 比べる軸 | 裏毛に寄る | 裏起毛に寄る |
|---|---|---|
| 座って20分後の腰と足首 | 冷えていない | 冷えている |
| 部屋の暖め方 | 床から・こたつ | 壁の高いところから |
| 家で動いている時間 | 起きている時間の半分以上 | 半分より短い |
| 寝るときの服 | そのまま寝る | 寝る前に着替える |
4つとも同じ側なら、迷う必要はありません。3対1なら、多いほうを選んで、1つだけ違う境目を後で調整します。2対2に割れたら、次の「どちらとも取れるとき」を読んでください。
この表は答えを出すためのものではなく、どこで迷っているかを見つけるためのものです。割れた境目がどれかが分かれば、上下を分けるのか、時間で分けるのか、何を足すのかが決めやすくなります。
どちらとも取れるとき:判断が割れたら、どう組むか
4つの境目で答えが割れることは、とてもよくあります。よくある割れ方と、そのときの組み方をまとめます。
座る時間は長いのに、床から暖まる部屋
座って過ごすので暖かさはほしい、けれど床から暖まるので、下が厚いと暑い。この場合は、上を裏起毛、下を裏毛にします。床から暖まる部屋では、下半身は床の熱で温まり、上半身は暖房から遠くなります。冷えるのは背中と肩なので、そこだけを裏起毛にします。
上を裏起毛にしても肩が冷えるなら、首まわりが開いていないかを見てください。首まわりの大きく開いたスウェットは、座って前かがみになったときに、首の後ろから暖かい空気が逃げます。首まわりが詰まった形にするだけで、肩の冷えが変わります。
動く時間は長いのに、上から暖める部屋で足元が冷える
家事で動くので上半身は暑くなる、けれど足元は冷たい。この場合は、上を裏毛、下を裏起毛にします。家事のときに汗をかきやすい上半身は裏毛で汗を逃がし、冷たい空気がたまる床の近くの下半身は裏起毛で守ります。
下を裏起毛にするなら、裾にリブが付いて足首を包む形を選んでください。裾が開いている裏起毛は、せっかくの暖かさが足首から逃げます。
座る時間も動く時間も、半々くらい
在宅で仕事をしながら、合間に家事をする。座る時間と動く時間が細かく入れ替わる人は、上下とも裏毛にして、座るときだけ膝掛けか薄い羽織を足すのが一番扱いやすいです。
裏起毛で通すと、動いた直後に座ったときに汗が冷えます。裏毛で通して、座るときに足すものを手の届く場所に置いておけば、入れ替わりのたびに調整できます。足すものは、膝掛けなら座る場所に、羽織なら椅子の背にかけておきます。取りに行く手間があると、結局足さずに過ごしてしまうからです。
寒がりなのに、家事で汗をかく
体質的に寒さを感じやすいのに、家事をすると汗をかく。これは裏起毛を選ぶと汗で冷え、裏毛を選ぶと座ったときに寒い、という一番つらい組み合わせです。
この場合は、スウェットの生地で解決しようとせず、スウェットの下に1枚、汗を吸って乾きやすい薄い肌着を着てください。肌に直接触れるのが乾きやすい肌着なら、汗をかいてもスウェットの内側まで湿りにくくなります。そのうえで、上は裏毛、下は裏起毛にします。
家族と同じ部屋で、暖房の設定が合わない
家族が暑がりで、暖房を弱めにしている。自分だけが寒い。この場合は、自分の座る場所の環境で考えてください。家族全体の室温ではなく、自分がいつも座る場所で、座って20分後に腰と足首が冷えるかどうかで判断します。
家族と同じ部屋でも、窓際の席と壁際の席では冷え方が違います。自分の席が窓際なら、下を裏起毛にして、窓に近い側の腕と肩を羽織で守る組み方が合います。
朝と夜で、寒さがまったく違う
在宅で仕事をしていると、朝の始業前はまだ部屋が冷えていて、昼過ぎには日差しで暖まり、夜にはまた冷える、という一日を過ごすことがあります。朝と夜に合わせて裏起毛を着ると、昼過ぎに暑くなり、昼に合わせて裏毛を着ると、朝と夜に寒くなります。
この場合は、一日で一番長く過ごす時間帯に合わせて選んでください。朝から夕方まで座って仕事をしているなら、その時間の大半がどちらに寄っているかを考えます。日が当たる部屋で昼の時間が長いなら裏毛にして、朝と夜だけ羽織を足す。日が当たらない部屋で一日中ひんやりしているなら、裏起毛にして、昼に暑くなったら上だけ脱いで肌着の上に薄い羽織にする。一日の中で一番長い時間帯を土台にして、短い時間帯は足したり脱いだりで調整する考え方です。
子どもと床で遊ぶ時間が長い
小さな子どもがいる家では、床に座ったり寝転んだりして遊ぶ時間が長くなります。床に近い時間が長いので、上から暖める部屋なら冷えを感じやすいはずです。一方で、抱き上げたり追いかけたりする動きも多く、汗もかきます。
この場合は、下を裏起毛にして、上は裏毛にするのが基本です。床に触れるのは主に下半身なので、そこを裏起毛で守ります。抱き上げるときに腕と背中を使うので、上は汗がこもりにくい裏毛にします。さらに、床に敷くものを1枚足すと、下の生地に頼りすぎずに済みます。床に座るときにお尻と床の間に厚手の敷物があれば、裏毛の下でも冷えは和らぎます。
子どもの食べこぼしや汚れで、部屋着を一日に2回着替えることもあると思います。その場合は、乾きやすさのほうを優先してください。裏起毛を2枚持つより、裏毛を3枚持つほうが、洗濯の回り方としては楽になります。
ソファで寝転んでいる時間が長い
座るのではなく、ソファに横になって過ごす時間が長い人もいます。寝転んでいると、体の片側がソファに触れて温まり、反対側は部屋の空気に触れて冷えます。さらに、横になると上の裾がめくれて、脇腹や腰が出やすくなります。
この場合は、上下とも裏毛にして、体の上に膝掛けか薄い毛布を1枚かけるほうが合います。裏起毛を着て横になると、ソファに触れている側が蒸れて、寝返りを打ったときにその湿り気が冷たく感じられます。体の上にかけるものなら、暑くなったらすぐにどけられます。
寝転んだまま眠ってしまうことが多い人は、なおさら裏毛を選んでください。気づいたら朝まで寝ていた、というときに、裏起毛だと汗をかいたまま冷えてしまいます。
暖房をつける時間が短い
一人暮らしで、帰宅してから寝るまでの数時間しか暖房をつけない。あるいは、暖房をつけずに過ごす時間が長い。こういう人は、部屋そのものが冷えた状態から過ごし始めることになります。
帰宅直後の部屋は、壁や床まで冷えきっています。暖房をつけても、空気が暖まるまでに時間がかかり、床や壁の冷たさはなかなか抜けません。この時間に座って過ごすなら、裏起毛のほうが合います。帰宅してすぐに着替える部屋着は、下を裏起毛にしておくと、部屋が暖まるまでの時間を楽に過ごせます。
ただし、暖房が効いてきてから寝るまでの時間が長いなら、途中で暑くなることがあります。帰宅から暖房が効くまでの時間と、効いてから寝るまでの時間、どちらが長いかで決めてください。暖房が効くまでの時間のほうが長いなら裏起毛、効いてからのほうが長いなら裏毛にして、効くまでの間だけ羽織を足します。
帰宅してから着替えるまでの数分も、意外に冷えを感じる時間です。外出着を脱いで部屋着に着替えるとき、冷えた部屋の中で肌が出ます。部屋着をベッドや椅子の上に置いたままにしておくと、生地そのものが冷えていて、着た瞬間にひやりとします。帰宅後すぐに暖房をつけ、その近くに部屋着をかけておくと、着替えるころには生地が少し温まっていて、裏毛でも冷たさを感じにくくなります。
袖口と裾:リブがあるかないかで、暖かさが変わる
裏毛か裏起毛かと同じくらい、部屋着の暖かさを左右するのが、袖口と裾の形です。
袖口にリブが付いて手首を包む形なら、腕を動かしても袖の中に冷たい空気が入りにくくなります。ただし、家事で水を使うことが多いなら、袖口のリブは水で濡れやすい場所です。リブが濡れると乾くまで手首が冷たく、結局まくり上げて過ごすことになります。水仕事が多い人は、袖口がリブでなく、まくりやすい形のほうが扱いやすいです。料理のときの袖口の扱いは料理のときの部屋着も参考になります。
ズボンの裾は、リブが付いて足首を包むか、まっすぐ下に落ちるかで、座ったときの暖かさが変わります。床に座る時間が長いなら、リブ付きのほうが足首から冷たい空気が入りにくいです。椅子に座る時間が長く、足を床につけているなら、まっすぐな裾でも、厚手の靴下を履けば十分です。
上の服の裾も見てください。上の裾にリブが付いて腰を包むと、座ったときに背中から冷たい空気が入りにくくなります。裾がまっすぐ落ちる形は、座ると後ろが持ち上がって、腰の後ろが開きます。座って20分後に腰が冷える人は、生地を裏起毛にするより先に、上の裾がリブ付きで腰を覆う丈かを確かめてください。
サイズ:大きすぎる裏起毛は、暖かくならない
部屋着だから楽なほうがいい、と大きめのサイズを選ぶ人は多いです。けれど裏起毛のスウェットは、大きすぎると暖かさが落ちます。
裏起毛が暖かいのは、毛羽の間にたまった空気が体温で温められるからです。体と生地の間に大きなすき間があると、温まった空気が動いて逃げ、毛羽の暖かさを生かせません。特に袖や身幅が大きすぎると、動くたびに中の空気が入れ替わります。
裏起毛を選ぶなら、腕を前に伸ばしたときに背中が突っ張らず、それでいて身幅に手のひら1枚分以上の余りがない、くらいが目安です。裏毛は空気をためる生地ではないので、もう少しゆとりがあっても暖かさはそれほど変わりません。
部屋着のサイズを1つ上げるかどうかで迷ったら、ルームウェアのサイズの選び方|1つ上にするかは肩と股上で決めるも合わせて読んでみてください。
上の丈と股上:座ったときに腰の後ろが出ないか
座って20分後に腰が冷える人は、生地の前に、上の丈とズボンの股上を確かめてください。
床にあぐらで座るか、椅子に深く腰かけて、少し前かがみになります。その姿勢で、腰の後ろに手を回してみてください。上の裾とズボンのウエストの間に、肌が出ているなら、そこから冷えています。どれだけ暖かい裏起毛を着ていても、肌が出ている場所があれば、そこから暖かさが逃げていきます。
上の丈は、立ったときにお尻の上半分が隠れるくらいあると、座っても腰の後ろが出にくくなります。ズボンの股上は、おへその少し下までくる深さがあると、前かがみになってもウエストが下がりにくいです。上が短く、股上も浅い組み合わせは、立っているときはすっきり見えても、座ると腰の後ろが必ず開きます。
手持ちのスウェットの丈が短い場合は、上の下に、丈の長い肌着を1枚着てズボンの中に入れておくと、座ったときの腰の冷えがかなり変わります。生地を裏起毛に替えるより先に、まず試してみてください。それで冷えが消えるなら、裏毛のままで構いません。
手持ちのスウェットを冬の部屋着に回す前に
新しく買う前に、手持ちのスウェットが冬の部屋着として使えるかを見ておきましょう。確かめるのは3か所です。
1つ目は、裏起毛の毛羽が寝ていないか。裏返して内側を手でなでて、毛羽がぺたんと寝て固まっている場所があれば、そこは空気をためる力が落ちています。脇の下やお尻のあたりは、こすれる回数が多いので、毛羽が寝やすい場所です。毛羽が寝ているスウェットは、裏起毛でも裏毛に近い暖かさしかありません。動く時間が長い人なら、そのまま裏毛の代わりとして使えます。
2つ目は、袖口と裾のリブが伸びていないか。リブを指でつまんで引っ張り、手を離したときにすっと戻るなら使えます。伸びたまま戻らないリブは、手首や足首を包む力がなくなっていて、冷たい空気が入ります。
3つ目は、首まわりが広がっていないか。洗濯をくり返すと、首まわりのリブが伸びて、鎖骨が大きく見えるようになります。首まわりが開いていると、座って前かがみになったときに肩が冷えます。
3か所とも問題がなければ、そのスウェットはこの冬の部屋着として十分です。毛羽が寝ているもの、リブが伸びているものは、家事をする時間の部屋着として回し、座る時間には別のものを着る、という分け方もできます。全部を新しくそろえなくても、手持ちの中で役割を分ければ足りることが多いです。
洗って乾くまで:裏起毛は乾きにくい
部屋着は、外出着より洗う回数が多い服です。裏毛と裏起毛では、洗ってから乾くまでの時間が大きく違います。
裏起毛は毛羽の間に水がたまるので、同じ厚さの裏毛より乾くのに時間がかかります。冬の室内干しだと、裏毛が一晩で乾くところ、裏起毛は丸一日以上かかることもあります。乾ききらないまま着ると、湿った毛羽が肌に触れて冷えを感じます。
部屋着を何枚持つかは、乾くまでの時間で決まります。裏起毛を部屋着にするなら、裏毛よりも1枚多く持っておくと、乾かない日に困りません。何枚持てばいいかの決め方は部屋着は何枚あればいい|冬は乾くまでの時間と着替える回数で決めるにまとめてあります。
裏起毛を洗うときは、裏返してネットに入れてください。毛羽が他の洗濯物とこすれると、毛羽が寝てしまい、暖かさが落ちます。干すときも裏返したまま干すと、毛羽の側に風が当たって乾きやすくなります。
毛玉と静電気:裏起毛のほうが起きやすい
裏起毛のスウェットは、内側の毛羽が肌着とこすれて、内側に毛玉ができやすいです。外側の毛玉は見た目に気になりますが、内側の毛玉は肌触りが変わります。内側に毛玉が増えてきたら、毛羽が少なくなって暖かさも落ちている合図です。
静電気も、裏起毛のほうが起きやすい傾向があります。冬の乾燥した部屋で、裏起毛のスウェットを脱ぐときにぱちぱちするなら、内側の毛羽と肌着の組み合わせが原因のことがあります。肌着を綿のものに替えると、起きにくくなります。部屋の中で毛布やソファと触れるときの静電気については、部屋着の静電気|秋冬は毛布・ソファ・床と触れる面の素材で1枚を選ぶを読んでみてください。
裏毛は、内側が輪っかの糸なので、裏起毛ほど毛玉ができにくく、長く同じ肌触りで着られます。毛玉の手入れに手間をかけたくない人は、裏毛のほうが向いています。
宅配や近所への外出:スウェットのまま出られるか
部屋着のスウェットで、宅配の受け取りや近所の買い物に出ることもあると思います。そのとき、裏毛と裏起毛で見え方は変わるのかというと、表から見る限りはほとんど変わりません。
違いが出るのは、外の空気に触れたときの暖かさです。裏起毛のまま外に出ると、短い時間なら暖かく過ごせますが、歩いて体が温まると汗をかき、戻ってから冷えることがあります。近所への外出が多いなら、上は裏毛にして、出るときに上着を羽織るほうが、家に戻ってからも快適です。
部屋着のまま外に出られる境目は、生地より羽織の丈と靴で決まります。ワンマイルウェアの選び方|秋冬は羽織の丈と靴で、部屋着から分かれるにくわしく書いてあります。
決める順番をもう一度
部屋着のスウェットを裏毛にするか裏起毛にするか、迷ったら次の順番で決めてください。
最初に、手持ちのスウェットを裏返して、裏毛か裏起毛かを確かめます。どちらがあるかが分かれば、新しく買うかどうかも決めやすくなります。
次に、いつも座る場所に座って20分過ごし、腰と足首が冷えるかを確かめます。冷えるなら裏起毛に寄せ、冷えないなら裏毛で足ります。
それから、座る場所の床に手のひらを当てて、部屋が上から暖まるのか下から暖まるのかを確かめます。上からなら下を裏起毛に、下からなら上を裏起毛にする方向で考えます。
さらに、家で動いている時間が起きている時間の半分以上かを考えます。半分以上なら、上は裏毛にします。
最後に、寝るまで着るかを決めます。寝るまで着るなら裏毛、寝る前に着替えるなら裏起毛でも構いません。
4つの答えが割れたら、上と下を分けて組みます。冷えやすい側だけ裏起毛にして、動く側や暖房に近い側は裏毛にする。それでも決まらないなら、上下とも裏毛にして、座るときだけ足すものを手元に置いておく。この組み方が、一番失敗が少ない選び方です。
よくある問い
- Q. 裏起毛のスウェットを部屋で着ると暑くなります。どうすればいいですか
- 家の中で動いている時間が長いか、部屋が床から暖まる作りになっている可能性があります。まず、上だけ裏毛に替えてみてください。家事で腕を動かす時間が長いと、上半身から先に汗をかきます。下は裏起毛のまま、上を裏毛にするだけで、暑さはかなり変わります。それでも暑いなら、下も裏毛にして、座るときだけ膝掛けを足す組み方にします。裏起毛は一度汗を含むと乾きにくく、そのあと冷えを感じやすくなるので、暑いと感じたら我慢せずに替えるほうが快適です。
- Q. 裏毛と裏起毛は、見た目で分かりますか
- 裏返して内側を見ると分かります。裏毛は内側に小さな輪っか状の糸が規則正しく並んでいて、指でなでると粒のような感触があります。裏起毛はその輪っかを削って毛羽立たせたもので、内側がふわっと柔らかく、なでると毛並みの方向があります。表から見ただけではほとんど見分けがつかないので、売り場でも手持ちの服でも、必ず裏返して確かめてください。
- Q. スウェットのまま寝てもいいですか
- 裏毛ならそのまま寝ても大きな問題はありませんが、裏起毛は布団の中で暑くなりやすいです。布団に入ると体の周りの空気が温まるので、起きているときにちょうどよかった裏起毛は、寝るときには重すぎることが多いです。寝るまで着るつもりなら、寝る前に裏毛か、もっと薄い寝間着に着替える前提で選んでください。着替えずにそのまま寝たいなら、裏毛を選んでおくほうが朝まで快適です。
- Q. 手持ちのスウェットが外出用ばかりです。部屋着にしてもいいですか
- かまいません。ただ、外出用のスウェットは形がきれいに見えるように、身幅や袖が体に沿う作りになっていることがあります。部屋で座ったり寝転んだりするときに、脇や股上が窮屈に感じるなら、部屋着としては少し動きにくいです。座ったときに腰の後ろが出ないか、腕を前に伸ばしたときに背中が突っ張らないかを確かめて、問題がなければ部屋着に回してください。
— メグラシ編集部





