部屋着で料理|秋冬のもこもこやフリースは、袖口の広さと毛足で選ぶ

**台所のコンロの前に立つ前に、部屋着の袖口と手首のあいだに指を入れてみてください。**指が2本以上すっと入り、そのうえ表面にふわふわの毛足がある部屋着なら、そのまま火の前に立たないほうがいい1枚です。
秋から冬にかけて、部屋着はフリースやボア、もこもこの起毛素材に替わっていきます。暖かくて手放せない一方で、こうした服は袖口がゆったりしていて、袖が長めに作られているものが多く、表面に毛が立っています。夏の薄い部屋着では気にしなかった「袖」が、台所でだけ問題になります。
ただ、もこもこの部屋着がすべて台所に向かないわけではありません。袖口が手首に沿っていて、袖の長さが手首で止まるものなら、多くの料理はそのままできます。この記事では、袖口のすき間・袖の長さ・毛足の3つを家で測って、手持ちの部屋着をそのまま台所に立てる側と、何か足す側に分けるところまでを書きます。
寒い部屋で何を足すかは部屋着が寒いとき、もこもこの部屋着の傷み方はもこもこルームウェアの失敗にまとめています。ここでは、台所に立つ時間だけを扱います。
結論:火の前に立つかどうかは、3つの寸法で決める
先に答えを置きます。見るのは次の3つです。
- 袖口のすき間:手首と袖口のあいだに、指が何本入るか
- 袖の長さ:腕を前にまっすぐ伸ばしたとき、袖口が手首の骨より先に出るか
- 毛足:服の表面の毛をつまんで立てたとき、何mmあるか
このうち**2つ以上が「広い・長い」側に入る部屋着は、そのままコンロの前に立たない。**上だけ袖口の締まった服に替えるか、袖を覆ってから立ちます。1つだけなら、料理の中身とコンロのどこを使うかで決めます。3つとも当てはまらないなら、そのまま料理してかまいません。
どれも定規と自分の手があれば測れます。服のタグの素材表示より、この3つのほうが、台所での扱いやすさをよく表します。同じフリースでも袖口がリブで締まっている服と、袖口が広く開いた服では、火の前での扱いがまったく違うからです。
秋冬の部屋着が台所で気をつけたい服になる理由
夏の部屋着で料理をしていて、袖が気になることはあまりありません。半袖か、薄手の長袖で、袖口も体に沿っています。秋冬の部屋着が台所で気をつけたい服になるのは、次の3つが重なるからです。
ひとつめは、袖口が広いことです。暖かい部屋着は、重ね着をしても窮屈にならないよう、袖口をゆったり作ってあるものが多くあります。袖口が広いと、腕を前に伸ばしたときに袖口が手首から離れて垂れ下がり、手より先に火や鍋に近づきます。
ふたつめは、袖が長いことです。手が冷えないように、手の甲まで隠れる長さに作られた部屋着もあります。袖が長いと、腕を伸ばしたときにも袖口が手の甲にかかったまま、指先と同じ位置まで前に出ます。手は熱さを感じてすぐ引っ込められますが、袖は熱さを感じません。
みっつめは、表面に毛が立っていることです。起毛の服は、表面の細い毛のあいだに空気をたくさん含んでいます。暖かさの理由そのものですが、火に近づいたときには、表面の毛が先に熱を受けます。毛足が長いほど、生地の本体より先に、毛の先が火に近づきます。
どれか1つだけなら、気をつけていれば済むことが多いものです。2つ以上重なると、自分では気づかないうちに袖が火や鍋に寄ってしまいます。だから、1つずつ測って、重なっているかどうかを見ます。
測る1:袖口のすき間は、指が何本入るか
部屋着を着て、腕を体の横に下ろした状態で測ります。
- 反対の手の人さし指を、手首の内側から袖口の中に差し入れる
- 1本入ったら、中指を重ねて入れてみる。さらに薬指も試す
- 袖口が手首から浮かずに、指が何本まで入るかを数える
指が1本までなら、袖口は手首に沿っています。2本入るなら、腕を前に伸ばしたときに袖口が手首から離れ始めます。3本以上入るなら、腕を前に出すと袖口が下に垂れ、手首の下に空いたすき間ができます。
台所で気をつけたいのは、2本以上です。腕を前に伸ばしたまま鍋をのぞき込むと、袖口の下側が、手首よりも数cm低い位置まで垂れます。コンロの火は鍋の下から横に広がるので、手が鍋の取っ手にあっても、垂れた袖口が先に火の近くに入ることがあります。
袖口がリブ編みになっている服や、ゴムが入っている服は、すき間が小さく、腕を伸ばしても袖口が手首についてきます。袖口がただ折り返して縫ってあるだけの服や、袖口に向かって広がっている形の服は、すき間が大きくなります。
測る2:袖の長さは、腕を前に伸ばして見る
次は袖の長さです。腕を体の横に下ろしたときではなく、前に伸ばしたときで測ります。
- 鍋の取っ手を持つつもりで、片腕を体の前にまっすぐ伸ばす
- 手首の小指側にある、ぽこっと出た骨を探す
- 袖口がその骨より手前で止まっているか、骨を越えて手の甲にかかっているかを見る
骨が見えていれば、袖は台所で邪魔になりにくい長さです。骨が隠れて、袖口が手の甲にかかっていれば長め。指の付け根まで届くなら、料理には長すぎます。
腕を下ろしたときにちょうどいい長さの袖でも、前に伸ばすと袖は手の側に引っ張られ、手の甲にかかることがあります。特に、肩が落ちたゆったりした形の部屋着は、腕を前に出すと肩の生地が前に引かれて、そのぶん袖口が手の側に出てきます。台所で腕を使う形は「前に伸ばす」なので、必ずその形で測ってください。
袖の長さは、まくれば短くできます。ただ、もこもこの服やフリースは生地が厚く、まくってもすぐに落ちてくることがあります。まくった袖が、腕を前に伸ばして5分たっても肘の下で止まっているかを確かめておくと、料理の途中でずり落ちて慌てずに済みます。
測る3:毛足は、つまんで立てた長さ
3つめは毛足です。服の表面、特に袖口から肘にかけての毛を見ます。
- 袖口の近くで、表面の毛を指先でつまんで、生地からまっすぐ上に立てる
- 定規を生地の面に当てて、立てた毛の先までの長さを読む
- 指を離したとき、毛がすぐ寝るか、立ったままふわっと残るかも見る
毛足が2mm前後までなら、表面はほぼ平らだと考えてかまいません。普通のスウェットや、表を平らにして内側だけ起毛させた服がこのあたりです。3〜5mmは、やわらかい起毛のフリースやベロアなど、手で触ると毛を感じる服。5mmを超えると、ボアやもこもこと呼ばれる、見た目にもふわふわした服です。
台所で気をつけたいのは、5mmを超える毛足です。毛の先が生地の本体から離れて立っているので、火に近づいたとき、生地より先に毛の先が熱を受けます。指を離しても毛が立ったまま残る服は、毛のあいだに空気が多く、特にこの傾向が強くなります。
同じ部屋着でも、袖口だけ毛足のない平らなリブになっているものもあります。その場合は、袖口から肘までのうち、いちばん火に近づく袖口から10cmくらいの範囲の毛足で判断してください。
素材の名前で迷ったとき
タグの素材表示を見て迷う人もいるはずです。素材によって熱の受け方は少しずつ違いますが、台所での判断は、素材より毛足と袖口のほうが大きく左右します。そのうえで、知っておくと役に立つ違いを書いておきます。
ポリエステルやアクリルなどの化繊の起毛は、熱いものに触れると、毛の先が溶けて縮み、固まることがあります。鍋のふちに袖が触れたあと、そこだけ毛がちりちりに固まっていたら、熱で溶けた跡です。溶けた化繊は肌につくと離れにくいので、化繊の起毛は特に、熱い鍋や蓋に袖が触れない着方を心がけてください。
綿は熱で溶けることはありませんが、毛足が立っていれば、その毛の先は火を受けやすくなります。綿だから安心、というわけではなく、表面が平らな綿と、毛足の立った綿では扱いが違います。
ウールは、ほかの素材に比べて火がつきにくい性質があるとされます。ただ、毛足の長いウールのカーディガンや、袖口の広いウールの羽織りは、やはり袖が火に近づきやすい形です。素材に頼らず、ここでも3つの寸法で見てください。
表:3つの寸法で、そのまま立てるかを分ける
ここまでの3つを、比較の軸だけ表にします。手持ちの部屋着がどこに入るかを確かめるための表で、答えを全部埋めるものではありません。
| 見るところ | 台所でそのまま立てる側 | 気をつける側 |
|---|---|---|
| 袖口のすき間 | 指1本まで | 指2本以上 |
| 腕を前に伸ばしたときの袖 | 手首の骨が見える | 手の甲にかかる |
| 袖口から10cmの毛足 | 5mm以下 | 5mmを超える |
右の列に入るものが2つ以上なら、その部屋着のままコンロの前には立ちません。1つだけなら、次の章で料理の中身とコンロの使い方を見て決めます。0なら、そのまま料理してかまいません。
衣替えで出した日に、1回だけ測る
3つの寸法は、毎日測る必要はありません。秋の衣替えで冬の部屋着を出した日に、1枚ずつ1回だけ測っておけば、その冬はずっと使えます。
測り終わったら、部屋着を2つの山に分けてください。そのまま台所に立てる山と、台所に立つときは上を替える山です。気をつける側が1つだけの服は、どちらの山に入れるか迷うかもしれません。その場合は、自分がいちばんよく作る料理で決めます。炒め物や揚げ物を週に何度も作るなら、替える山。湯を沸かす・煮込むが中心なら、そのまま立てる山です。
分けた山は、しまう場所も分けておくと便利です。引き出しの手前にそのまま立てる山、奥に替える山を入れておけば、料理をする日の朝は手前から取るだけで済みます。家族が同じ引き出しから部屋着を取る場合も、手前と奥の意味を一度伝えておけば、迷わずに選べます。
洗濯をくり返すと、袖口のリブやゴムはゆるんできます。去年はすき間が指1本だった服も、今年は2本入るようになっていることがあります。毎年、衣替えの日に袖口だけでも測り直してください。ゆるんだ袖口は、毛足が寝てきたのと同じく、部屋着の買い替えを考える目安にもなります。
測った結果は、スマホのメモに服の写真と一緒に残しておくと、買い替えるときの基準にもなります。そのまま台所に立てた服の袖口のすき間や袖の長さを書いておけば、売り場で次の1枚を選ぶとき、同じ寸法のものを探せばいいからです。
料理の中身で、気にする度合いを変える
1つだけ右の列に入る部屋着は、何を作るかで扱いを変えます。
気にする度合いが低いのは、手前の口で湯を沸かす、鍋をかけて煮込む、電子レンジで温める、といった料理です。腕を鍋の上に長く伸ばすことが少なく、火のそばに袖がある時間が短いからです。
気にする度合いが高いのは、炒め物、揚げ物、焼き網を使う料理、魚焼きのグリルを開け閉めする料理です。炒め物はフライパンを持って前後に動かすので、腕が火の上を何度も行き来します。揚げ物は鍋のそばに立つ時間が長く、油はねを避けようと腕を引いたり伸ばしたりします。グリルは、扉を開けたときに熱い空気が顔と腕の高さに上がってきます。
もうひとつ、何度も鍋の中をのぞき込む料理も、袖が前に出やすくなります。味を見ながら少しずつ調味料を足していく煮物や、焦げつかないように混ぜ続けるソースなどです。のぞき込むと上半身が前に傾き、袖口が胸より前に出ます。
1つだけ右の列に入る部屋着なら、湯を沸かす・煮込むといった料理はそのままでよく、炒める・揚げる・焼く日は、袖をまくって止めるか、上を替えてから始めます。
コンロのどこを使うかで、袖の通り道が変わる
ガスのコンロで気をつけたいのは、奥の口を使うときです。奥の鍋に手を伸ばすと、腕は手前の口の真上を通ります。手前の口に火がついていれば、袖口はちょうどその炎の上を通ることになります。
奥の口を使う日は、手前の口の火を止めてから手を伸ばすか、手前と奥の両方を使う料理を、手前の口だけで順番に作れないかを考えてください。どうしても両方を同時に使うなら、袖口の締まった服に替えるのがいちばん確実です。
IHのコンロには炎がありません。そのぶん、袖に火が移る心配は小さくなります。ただ、袖口の広い服は、鍋の取っ手や、鍋の上に置いた熱い蓋に引っかかりやすくなります。引っかかったまま腕を引くと、鍋を傾けたり倒したりしかねません。化繊の起毛の服は、熱い鍋のふちや蓋に触れると、毛足が溶けて固まることもあります。IHの日も、袖口のすき間は同じように確かめてください。
台所には、コンロのほかにも熱いものがあります。トースターの扉、やかんの注ぎ口から上がる湯気、炊飯器の蒸気の出口。どれも、腕を前に伸ばして何かを取ろうとしたときに、袖口が近づく場所です。料理を始める前に、台所のどこに熱いものがあるかをいちど見回しておくと、袖の通り道が見えてきます。
迷う場合1:寸法が1つずつ食い違うとき
いちばん迷うのは、3つの寸法がそれぞれ違う方向を向いているときです。
たとえば、袖口はリブで締まっていてすき間は指1本なのに、毛足は8mmある、もこもこの部屋着。この場合、袖口は手首から離れないので、手より先に袖が火に近づくことはありません。ただ、手首のまわりにふわふわの毛が立っているので、手を火に近づけたとき、手首の毛も一緒に近づきます。
このときは、手首から先を火にどこまで近づけるかで決めます。鍋の取っ手を持つ、菜箸で混ぜる、くらいなら手は火から離れているので、そのままでかまいません。フライパンを返す、焼き網の上で食材を返す、のように手を炎の近くまで持っていく料理なら、袖口の上からアームカバーをかぶせるか、上を替えます。
反対に、毛足は2mmで表が平らなのに、袖口は指3本入るくらい広い服もあります。綿のスウェットで、袖口が広がった形のものがそうです。毛足の心配は小さいものの、袖口は垂れて手より先に前に出ます。このときは、袖口を止めれば済みます。袖をまくって、肘の少し下でヘアゴムのような柔らかいゴムで軽く止めると、袖口がそれ以上下がってきません。
判断に迷ったら、実際にコンロの前に立って、火をつけない状態で、いつもの料理の動きを3回くり返してみてください。鍋の取っ手を持つ、奥の口に手を伸ばす、フライパンを返す。そのとき袖口がどこに来るかを、横から家族に見てもらうか、スマホで動画を撮って確かめます。袖口が五徳の高さより下に入る瞬間があるなら、その部屋着は替える側です。
迷う場合2:上に羽織ったカーディガンやガウン
部屋着の上に、厚手のカーディガンやガウンを羽織っている人も多いはずです。羽織りものは、中の部屋着より袖口が広く、丈も長いことがほとんどです。
台所で見るべきなのは、いちばん外側の服です。中の部屋着の袖口が締まっていても、上に羽織ったカーディガンの袖口が広ければ、火に近づくのはカーディガンの袖です。前を開けたガウンなら、前の端が体から離れて揺れ、コンロに向かって前かがみになったとき、前の端が鍋のほうに垂れます。
羽織りものは、料理のあいだだけ脱ぐのがいちばん簡単です。脱いだら、台所の入口や椅子の背にかけて、料理が終わったらすぐ着られる場所に置いておくと、脱ぐのが面倒になりません。脱ぐと寒い場合は、次の章のように、暖かさを別の場所に回します。
前が開くガウンや長い羽織りを脱ぎたくない場合は、前をひもやボタンでしっかり閉じ、ひもの端が垂れていないかを確かめてください。ひもの端は、結んだあとに10cm以上垂れていると、前かがみになったときに体から離れて揺れます。結び目を体の横か後ろに回すと、前に垂れません。家で羽織るものの選び方は、家の中で羽織るものにまとめています。
迷う場合3:台所が寒くて、上を脱ぎたくない
秋の終わりから冬にかけて、台所はほかの部屋より寒いことがよくあります。床が冷たく、窓のそばにあり、暖房が届きにくい。もこもこの部屋着を脱いで、袖口の締まった薄手の服に替えると、寒くて料理どころではない、という人もいるはずです。
このときは、上半身の暖かさを、袖ではなく胴と足元に回します。
- 胴:袖のないベストを羽織る。中綿やフリースのベストなら、毛足があっても袖がないので火の前で気にならない
- 腰:腹巻きのような筒状の1枚を、部屋着の下か上に巻く
- 足元:厚手の靴下を重ねるか、底の厚いスリッパを履く。床からの冷えがやわらぐ
上半身の寒さは、袖があるかどうかより、胴と首と足元が冷えているかに左右されます。袖を薄くしても、胴と足元が温かければ、料理のあいだ寒さを感じにくくなります。首まわりが寒いなら、ネックウォーマーのように首だけを覆うものも使えます。ただし、マフラーのように端が垂れるものは、前かがみになると火の方に垂れるので、料理のあいだは避けてください。
台所に立つ時間が短い日なら、料理の前に部屋を暖めておく、という方法もあります。暖房を台所に近い部屋で強めにしておき、ドアを開けて暖かい空気を流しておくと、上を1枚薄くしても寒さはかなり変わります。
寒さの感じ方は人によって違います。上を薄くして寒いと感じたら、まず足元から足してみてください。足元が温まっても寒ければ胴、それでも寒ければ首、の順に足していくと、袖に頼らずに済む組み合わせが自分の台所で見つかります。床の冷たさがいちばん効く台所なら、足元だけで十分なこともあります。
足すもの:アームカバーと袖の止め方
部屋着を替えずに袖だけ覆いたいときは、アームカバーを使います。選ぶときは次の3つを見てください。
- 手首側の口が締まっているか。ゴムかリブで、手首に沿うもの
- 長さが肘の少し上まであるか。もこもこの袖を中に入れて、上からかぶせられる長さ
- 表面が平らか。毛足のない、目の詰まった綿の生地のもの
アームカバー自体が毛足のある素材だったり、口が広かったりすると、覆う意味がなくなります。台所用として売られているもののなかには、熱に強い加工をしたものもあります。料理をよくする人、揚げ物をよく作る人は、そうしたものを1組持っておくと安心です。
アームカバーがないときは、袖をまくって止めます。もこもこの袖は厚くて落ちやすいので、肘より少し上までまくり、その上から柔らかいゴムやクリップで軽く留めます。締めすぎると腕が痛くなるので、指が1本入るくらいの強さで十分です。
エプロンも役に立ちます。前かがみになったときに、部屋着の胸から腹にかけての毛足が火の方に寄るのを防いでくれます。エプロンを選ぶときも、表面が平らで、目の詰まった生地のものにしてください。ひもの端が長く垂れるものは、結び目を後ろに回して、前に垂れないようにします。
台所の入口に、替える1枚を置いておく
測ってみて、手持ちのいちばん暖かい部屋着が「気をつける側」に入った人も多いと思います。その服を手放す必要はありません。台所に立つときだけ上を替えればいいのです。
替えるのが面倒にならないように、料理のときに着る上を1枚決めて、台所の入口近くに掛けておきます。袖口がリブで締まっていて、表面が平らな、薄手のスウェットや長袖のカットソーがあれば十分です。料理を始める前にもこもこの上を脱いで椅子の背に掛け、台所用の1枚をかぶる。終わったら脱いで、元の部屋着に戻ります。
この1枚には、ほかにもいいことがあります。炒め物や揚げ物のにおい、油のはねは、毛足の長い起毛の服ほど生地の奥に入りこみ、取れにくくなります。台所用の1枚を決めておけば、においや油がつくのはその1枚だけで済み、もこもこの部屋着を洗う回数を減らせます。もこもこの服は洗うたびに毛足が寝ていくので、洗う回数が減るほど、暖かさとやわらかさが長く保てます。
台所用の1枚は、洗いやすく乾きやすいものを選んでください。においがついたら、その日のうちに洗えるものが向いています。1枚だけでは乾くまでのあいだ困るなら、似た形のものを2枚にして、交互に使います。
一日のどこで台所に立つかで、着る服を決めておく
台所に立つ時間は、一日に何回かに分かれていることが多いものです。それぞれの時間で、どの服で立つかを決めておくと、毎回迷わずに済みます。
朝は、起きてすぐに湯を沸かしたり、弁当を詰めたりする時間です。まだ寝起きのパジャマか部屋着のままで、急いでいることが多く、袖をまくり忘れがちです。朝に炒め物や卵焼きを作るなら、前の晩に台所用の1枚を出しておき、起きたらまずそれを羽織る、と決めておきます。湯を沸かすだけなら、いま着ている服の袖口のすき間を1回確かめるだけで十分です。
夕方から夜は、いちばん長く台所に立つ時間です。品数が多く、コンロの口を2つ3つ同時に使う日もあります。この時間は、帰宅して部屋着に着替えるタイミングと重なるので、もこもこの部屋着に着替える前に料理を済ませる、という順番にする人もいます。料理が終わってから暖かい部屋着に着替えれば、台所で袖を気にする時間がなくなります。
夜遅くに、温かい飲み物を作るために台所に立つこともあります。このときは、寒い中で上を脱ぎたくない時間帯です。湯を沸かすだけなら、手前の口を使い、やかんの取っ手を持つ手と反対の手で袖口を押さえる、くらいで足ります。奥の口は使わない、と決めておくだけでも、袖が火の上を通ることはなくなります。
これから買うなら、台所に立つ前提で見る場所
秋冬の部屋着をこれから買うなら、台所に立つことも考えて選ぶと、いちいち着替えずに済みます。売り場で見るのは、次の順です。
- 袖口:リブ編みかゴムで締まっているか。手首に巻いたとき、指が1本入るくらいか
- 袖の長さ:試着できるなら、腕を前に伸ばして手首の骨が見えるか
- 袖口まわりの毛足:袖口から10cmくらいの範囲が、平らか、毛足が短いか
もこもこの暖かさがほしい場合は、表に毛足があって袖口だけ平らなリブになっているもの、または内側だけが起毛していて表が平らなものを選ぶと、暖かさと台所での扱いやすさを両立できます。毛足の長い上着がどうしてもほしいなら、袖のないベストの形を選ぶ、という手もあります。
サイズも関係します。大きめのサイズを選ぶと、袖が長くなり、袖口も広くなります。ゆったり着たくて1つ上のサイズにするなら、袖の長さだけは確かめてください。サイズの上げ方は、ルームウェアのサイズの選び方で肩と股上から決める方法を書いています。
一緒に暮らす人の部屋着も、同じ寸法で見る
自分の部屋着を測ったら、一緒に暮らしている人の部屋着も同じように見てみてください。台所に立つのは自分だけとは限りません。
子どもが手伝いをするとき、子どもの部屋着は大人より袖が長めに作られていたり、成長を見越して大きめのサイズを着ていたりします。袖口が手の甲にかかっていると、手伝いのあいだに袖が鍋に近づきます。手伝ってもらう日は、袖をまくって止めるか、半袖の上にアームカバーをつけるところから始めるといいでしょう。
年を重ねた家族の部屋着も、暖かさを優先して、袖口の広いガウンや厚手のカーディガンになっていることがよくあります。本人が慣れた手つきで料理をする場合でも、羽織りの袖口だけは、同じように指を入れて確かめてみてください。
測る方法は同じです。袖口のすき間、腕を前に伸ばしたときの袖、袖口から10cmの毛足。3つのうち2つ以上が気をつける側なら、台所に立つときだけ上を替えます。
もしも袖に火がついたら
気をつけていても、ゼロにはできません。もしものときの動きを、いちど頭に入れておいてください。
袖や服に火がついたら、走らずにその場で止まり、床に倒れて、燃えている側を床に押しつけるように転がります。走ると空気が送られて、火が大きくなります。手で叩いて消そうとすると、手にやけどを負います。近くに家族がいれば、厚手のタオルや毛布で上から覆ってもらうのも有効です。
やけどをしたら、すぐに流水で冷やしてください。服が肌に貼りついているときは、無理にはがさず、服の上から水をかけます。範囲が広い、水ぶくれができた、痛みが引かない、といったときは、早めに医療機関に相談してください。
起毛の部屋着の表面に火が移ると、毛の先を伝って、思ったより速く広がることがあります。だからこそ、袖口と毛足を先に測っておくことが、いちばんの備えになります。
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よくある問い
- Q. もこもこの部屋着のまま料理してもいいですか
- 袖口が手首に沿っていて、腕を前に伸ばしたときに手首の骨が見えるなら、湯を沸かす・煮込むくらいの料理はそのままでもかまいません。袖口のすき間に指が2本以上入る、袖口が手の甲にかかる、表面の毛が5mmを超える、のうち2つ以上当てはまるなら、上だけ袖口の締まった服に替えるか、アームカバーで袖を覆ってから火の前に立ってください。
- Q. IHなら部屋着の袖は気にしなくていいですか
- 炎がないぶん、袖に火が移る心配は小さくなります。ただ、袖口の広い服は鍋の取っ手や熱い蓋に引っかかりやすく、鍋を倒したり、熱い面に袖が触れて化繊が溶けたりすることがあります。IHでも、袖口のすき間と袖の長さは同じように確かめてください。
- Q. 台所が寒いので、羽織りを脱ぎたくありません
- 上半身の暖かさを、袖ではなく胴と足元に回すと脱ぎやすくなります。袖のないベストを羽織りの代わりにし、足元に厚手の靴下やスリッパ、腰に腹巻きのような1枚を足すと、袖口の締まった薄手の上でも寒さを感じにくくなります。
- Q. フリースと綿のスウェットでは、どちらが台所に向いていますか
- 毛足と袖口が同じなら、表面が平らなほうが向いています。綿のスウェットでも内側だけ起毛していて表が平らなものは、表に毛足のあるフリースより火の前で扱いやすい服です。素材の名前より、表面に立っている毛の長さと、袖口の締まりで見てください。
— メグラシ編集部





