冬のパジャマの選び方|夜中に暑くて起きるか寒くて起きるかで生地を決める

**冬のパジャマは、夜中に目が覚めた理由で選んでください。**暑くて布団をはいで起きたのか、寒くて体を丸めて起きたのか、汗をかいて背中が冷えて起きたのか。この3つで、選ぶ生地はまったく違います。
暖かそうに見える生地をひとつ選べば済む、という話ではありません。暖房を入れた部屋で厚い起毛のパジャマを着ると、寝入りばなに暑くなり、布団をはいで、明け方に冷えて起きる、ということが起きます。暖かさは足りているのに、寝心地は悪くなっているのです。
先に、あなたがどれに当たるかを言い切っておきます。
- 寒くて起きる → 起毛の綿(ネル)か、目の詰まったニットのパジャマ。首まわりと袖口は詰まった形
- 暑くて起きる → 二重ガーゼか薄手の綿のパジャマ。首まわりは少し開いた形
- 汗で冷えて起きる → 水分を吸う綿の生地を肌側に。暖かさは上に羽織る1枚で足す
どれに当たるかわからないなら、次の章の方法で2晩だけ確かめてください。サイズや丈の話はここでは扱わず、この記事では生地と、首まわり・袖口・裾の形だけを扱います。生地が決まれば、形は自然に絞れます。
結論:生地は「暖かさ」ではなく「目が覚めた理由」で決める
パジャマの生地は、売り場では暖かさの順に並べられていることが多いです。ガーゼ、天竺(平らな綿の編み地)、スムース(目の詰まった綿のニット)、ネル(起毛した綿の織物)、フリースやボアの順に、暖かさが増していきます。
ところが、夜中に起きる理由は暖かさの不足だけではありません。暑さで起きる人もいれば、汗で冷えて起きる人もいます。暖かさの順に選んでいくと、寒くて起きる人には合っても、残りの2つの人には合いません。
| 目が覚めた理由 | 生地の向き | 首まわり・袖口 |
|---|---|---|
| 寒くて起きる | 起毛の綿、目の詰まったニット | 詰まった丸首、袖口はリブ |
| 暑くて起きる | 二重ガーゼ、薄手の綿 | 少し開いた首、袖口はまっすぐ |
| 汗で冷えて起きる | 肌側に吸う綿、暖かさは羽織りで足す | 首は詰まり気味、袖口はリブ |
表の左の列だけを見て、自分がどの行に当たるかを決めてください。右の2列は、その行が決まってから読めば足ります。最初から全部の生地を比べ始めると、暖かさの順に目が行って、また「いちばん暖かいもの」を選びたくなります。目が覚めた理由が先、生地はあと、という順番を守るのがこの記事のいちばん大事なところです。
この表は、生地の正解を決めるためのものではありません。自分の型がどれかを決めると、選ぶ方向が一つに絞れる、ということを示すためのものです。
まず2晩だけ確かめる|室温と背中の湿り気
自分の型を決めるには、2晩だけ次の3つを確かめてください。
- 寝る前の寝室の室温:布団に入る直前に、枕元の温度計を見る
- 明け方の寝室の室温:目が覚めたら、起き上がる前に同じ温度計を見る
- 起きたときの背中:パジャマの背中の内側に手のひらを当てて、湿っているかを確かめる
温度計がなければ、時計や家電の表示で室温がわかるものを枕元に置いてください。数字が1度単位で読めれば足ります。
2晩確かめたら、次のように読みます。
- 明け方の室温が寝る前より5度以上下がっていて、背中は乾いている → 寒くて起きる型
- 寝る前の室温が高めで、布団をはいだ跡があり、背中は乾いている → 暑くて起きる型
- 背中が湿っていて、明け方に冷えて目が覚めた → 汗で冷えて起きる型
2晩とも同じ型に当たれば、それで決まりです。1晩ずつ違う型に当たった人は、どちらとも取れる人です。その場合の決め方は、後の章でまとめて書きます。
温度計を置く場所
温度計は、枕の高さに置いてください。床の近くは部屋の上のほうより数度低く、窓際は外の冷え込みをそのまま受けます。寝ているときに顔のある高さ、窓から1m以上離れた場所に置くと、自分が感じている室温に近い数字が読めます。毎晩同じ場所に置くことも大事です。場所を変えると、2晩の数字を比べられなくなります。
確かめる2晩の選び方
確かめる2晩は、ふだんどおりの夜を選んでください。飲み会のあとの夜、遅くまで起きていた夜、体調を崩している夜は、ふだんと違う理由で目が覚めることがあります。平日の夜と休日の前の夜を1晩ずつにすると、暖房の使い方や寝る時間の違いも見えて、選ぶときの手がかりが増えます。2晩のあいだは、布団や毛布の組み合わせを変えないでください。
室温の目安
寝室の明け方の室温は、生地を決めるときの大事な数字になります。目安は次のとおりです。
- 明け方が15度を下回る:起毛の綿か目の詰まったニットが向く。薄い生地では冷えが勝つ
- 明け方が15〜18度:二重ガーゼか、薄手の起毛。どちらでも寝られるので、背中の湿り気で決める
- 明け方が18度を上回る:暖房が入っているか、断熱のよい部屋。薄手の綿や二重ガーゼで足りる
この数字は、体に合わせて1〜2度ずれます。同じ室温でも寒く感じやすい人と暑く感じやすい人がいるからです。数字はあくまで方向を決めるためのもので、最後は自分が2晩で感じたことを優先してください。
寒くて起きる人|起毛の綿か、目の詰まったニット
明け方に冷えて起きる人は、生地そのものに暖かさを持たせます。
選ぶのは、起毛した綿の織物(ネル)か、目の詰まった綿のニット(スムースや厚手の天竺)です。起毛した生地は、表面の細かい毛のあいだに空気をためるので、薄くても暖かくなります。目の詰まったニットは、体に沿って隙間ができにくいので、布団の中の暖かい空気が逃げにくくなります。
起毛か、ニットか
2つのどちらにするかは、寝返りの多さで決めてください。
- 寝返りが多い人 → 目の詰まったニット。伸びるので、寝返りのたびに肩や膝が突っ張らない
- 寝返りが少ない人 → 起毛の綿の織物。伸びはないが、生地が体から少し離れて、その隙間の空気が暖かい
寝返りの多さは、朝の布団の乱れ方でわかります。掛け布団が大きくずれていたり、枕の位置が変わっていたりするなら、寝返りが多いほうです。
フリースやボアを選ぶとき
フリースやボアは、暖かさでは起毛の綿より上です。ただし水分を吸いにくいので、汗をかくと背中に残ります。明け方の室温が12度を下回るような寒い部屋で、背中が湿ったことが一度もない人なら選んで構いません。少しでも背中が湿った経験があるなら、肌側は綿にして、フリースは上に羽織る1枚にしてください。
寝つくまで手足が冷たい人
寒くて起きる型の人の中には、明け方だけでなく、布団に入ってすぐも手足が冷たくて寝つけない人がいます。この場合、パジャマの生地を厚くしても、手足の先までは暖かさが届きにくいです。袖口とズボンの裾をリブにして、手首と足首から熱が逃げないようにするほうが効きます。それでも冷たいなら、寝る前に足元だけを暖めておく、手首まで覆う袖の長さにする、といった形の工夫を先に試してください。生地をさらに厚くすると、寝入ってから暑くなって、汗で冷える型に移ってしまうことがあります。
もこもこした生地の失敗はもこもこのルームウェアで後悔したことにもまとめています。
暑くて起きる人|二重ガーゼか、薄手の綿
寝入りばなに暑くて布団をはぐ人は、パジャマの暖かさを下げます。
選ぶのは、二重ガーゼか、薄手の綿の織物です。ガーゼは目の粗い布を2枚重ねた生地で、布と布のあいだに少しだけ空気をためます。暖かさは起毛より控えめで、熱がこもりにくいのが特徴です。
暑くて起きる人に多いのは、布団が暖かすぎるか、暖房が強すぎるかのどちらかです。パジャマを薄くするのは、その2つを変えるよりも簡単にできる調整です。布団や暖房を変えられない事情があるなら、パジャマで逃がしてください。
首まわりを少し開ける
暑くて起きる人は、首まわりを少し開けた形が向きます。首は熱が逃げやすい場所なので、ここを詰めると熱がこもります。丸首でも、首の付け根から指2本ぶん(3cm)ほど離れた位置に縁が来る形か、前開きでいちばん上のボタンを外せる形を選んでください。
袖の長さは手首の骨まで
暑くて起きる人は、袖を短くしたくなるかもしれません。ですが冬の寝室では、腕を布団から出したときに肘から先が冷えて、明け方に目が覚める原因になります。袖は手首の骨が隠れる長さを保ったまま、生地を薄くして熱を逃がしてください。袖を短くするより、袖口をまっすぐにして手首から離すほうが、暑さと寒さの両方に合わせやすくなります。
暖房をつけたまま寝る部屋
暖房を一晩つけておく部屋では、明け方の室温が下がりにくい一方で、空気が乾きます。乾いた部屋では、起毛の生地は毛羽が立ちやすく、静電気も起きやすくなります。暑くて起きる人で暖房をつけたまま寝るなら、二重ガーゼのように表面が平らな生地を選んでください。肌ざわりがなめらかなので、乾いた部屋でもこすれが気になりにくくなります。
袖口はまっすぐ
袖口がリブで手首に沿う形は、袖の中に熱を閉じ込めます。暑くて起きる人は、袖口がまっすぐで手首から少し離れる形にしてください。寝ているあいだに腕を布団から出したとき、袖の中の熱が逃げやすくなります。
汗で冷えて起きる人|いちばん多く、いちばん迷う
背中が湿っていて、明け方に冷えて起きる人は、3つの中でいちばん選び方が難しい型です。暑さと寒さの両方が一晩のうちに起きているからです。
寝入りばなは布団の中が暖かく、汗をかきます。その汗がパジャマに残り、明け方の室温が下がったときに冷えて、目が覚めます。暖かい生地を選ぶと汗が増え、薄い生地を選ぶと明け方が寒い。どちらに振っても外れやすいのです。
この型の人は、汗を吸う役と、暖かさを足す役を分けてください。
- 肌に触れるパジャマは、水分を吸う綿の生地(二重ガーゼ、天竺、ネル)にする
- 暖かさが足りない分は、パジャマの上に薄い羽織りを1枚足すか、足元だけ暖める
パジャマ1枚で汗も寒さも引き受けようとすると、どちらかが残ります。役を分けると、寝入りばなに暑くなったら羽織りを脱ぐ、という調整ができます。
汗で冷えるのは背中か、胸か
湿っている場所が背中なのか胸なのかも、確かめてください。背中が湿るなら、仰向けで寝ている時間が長く、布団と背中のあいだに熱がこもっています。背中側の生地が薄いと、汗はすぐ布団に移るので、冷えにくくなります。胸が湿るなら、掛け布団が重いか、胸の上まで布団をかけています。この場合はパジャマより、布団のかけ方を少し下げるほうが効きます。
汗の量を減らすのは、パジャマより布団の側
汗で冷える型の人は、パジャマを替えるのと同じくらい、布団の中の暖かさを少し下げることが効きます。掛け布団を1枚減らす、毛布を掛け布団の上に移す、敷きパッドを綿にする。どれかひとつを変えて、また2晩背中の湿り気を確かめてください。汗が減れば、パジャマは今のままでも明け方に冷えなくなることがあります。パジャマだけで直そうとすると、生地を何度も替えることになりがちです。
下はそのままでいい
汗で冷える型の人でも、湿るのはたいてい上半身です。下は汗をかきにくいので、いまのパジャマのズボンをそのまま使って構いません。上だけを吸う生地に替えれば、1枚で済みます。
生地を手で見分ける|売り場で確かめる3つ
売り場で生地の名前がわからないときは、手で確かめてください。
- 表面をなでる:細かい毛が立っていれば起毛。毛の向きに逆らってなでると、色が少し変わって見える
- 光にかざす:生地を1枚にして光にかざし、目の粗さを見る。ガーゼは細かい穴が均一に見える。目の詰まったニットはほとんど光を通さない
- 横に引っ張る:横に軽く引いて、伸びるかを見る。伸びればニット、伸びなければ織物
試着できない売り場では、パジャマの袖を自分の手首に当てて、袖口の形も確かめてください。リブなら手首に沿うか、まっすぐなら手首からどれくらい離れるかが、その場で見えます。首まわりは、平らに置いた状態で首の開きの幅を手のひらで測ります。手のひら1枚ぶんより狭ければ詰まった丸首、それより広ければ開いた首と考えてよいです。
この3つで、表の「生地の向き」のどれに当たるかがわかります。名前の表示と違っていても、手で確かめた結果を優先してください。同じ名前でも、厚みや起毛の強さは1着ずつ違います。
厚みの目安
同じ生地でも、厚みによって暖かさは変わります。厚みは、生地を2つに折って指でつまんだときの感触で見ます。指の腹で布の厚みを感じるなら厚手、布越しに指同士が触れる感覚があるなら薄手です。寒くて起きる人は厚手を、暑くて起きる人は薄手を選んでください。
首まわり|詰めるか開けるか
生地が決まったら、次は首まわりの形です。首は熱が出入りしやすい場所なので、形によって暖かさが変わります。
- 詰まった丸首:首の付け根に縁が沿う。熱が逃げにくいので、寒くて起きる人と、汗で冷える人に向く
- 少し開いた丸首やVの首:首の付け根から縁が離れる。熱が逃げやすいので、暑くて起きる人に向く
- 前開きの襟つき:いちばん上のボタンを留めるか外すかで調整できる。迷う人に向く
首を覆う高い襟の形もあります。首の付け根より上まで布が来るので、首まわりの冷えは最も防げます。ただし寝返りのたびに襟があごや首に触れるので、それが気になって目が覚める人もいます。寒くて起きる型で、首が冷えて起きた覚えがはっきりある人だけが選んでください。迷うなら、詰まった丸首に、首に巻く薄い布を枕元に置いておくほうが、外したいときに外せます。
前開きの襟つきは、その日の室温に合わせて首まわりを変えられる、いちばん融通の利く形です。どの型か迷っている人は、まず前開きを選ぶと外れにくくなります。
首まわりがよれてくると、詰まった丸首でも熱が逃げるようになります。首まわりのよれの見方は部屋着がくたびれる境目の測り方で扱っています。
袖口と裾|リブか、まっすぐか
袖口とズボンの裾も、熱の出入りを左右します。
袖口とズボンの裾がリブ(伸びる編み地で手首や足首に沿う形)だと、中の熱が逃げにくくなります。寝ているあいだに袖や裾がめくれ上がることも減ります。寒くて起きる人と、汗で冷える人は、リブを選んでください。
まっすぐな袖口と裾は、手首や足首から少し離れて、熱が逃げます。暑くて起きる人に向きます。ただしまっすぐな裾は、寝返りのたびにすねの方へめくれ上がりやすいので、朝に足が冷えている人はリブにしてください。
リブの締めつけを確かめる
リブは、締めつけが強すぎると手首や足首に跡が残ります。売り場では、リブの部分に指を2本入れて、楽に入るかを確かめてください。2本がきつく感じるなら、寝ているあいだに跡がつきやすい締めつけです。
上下を分けて考える
パジャマは上下セットで売られていることが多いですが、選ぶときは上と下を分けて考えると楽になります。
体の上半身と下半身では、夜のあいだの感じ方が違います。上半身は汗をかきやすく、布団から肩や腕が出て冷えやすい。下半身は汗をかきにくく、布団の中に収まっていることが多いので、温度の変化が小さい。
だから、型による違いが大きく出るのは上だけです。
下は、どの型でも目の詰まった綿か起毛の綿で、裾がリブのものを1本持っておけば足ります。上だけを型に合わせて選べば、セットで買い直すより少ない枚数で済みます。
下を1本に決めるときは、ウエストの形も見てください。ゴムだけのウエストは、寝ているあいだにおなかに跡が残りやすく、その締めつけで目が覚める人もいます。ゴムの幅が3cm以上あって、指を2本入れて楽に入る程度の締めつけなら、跡は残りにくくなります。ひもで締めるウエストは、寝る前にゆるめに結んでおけるので、締めつけを自分で決められます。
どちらとも取れる場合|型が2つにまたがる人
2晩確かめて、1晩は寒くて起き、もう1晩は暑くて起きた。こういう人は少なくありません。ここが、この記事でいちばん丁寧に書きたい部分です。
天気や暖房で夜ごとに違う人
冷え込む夜と暖かい夜で、起きる理由が変わる人です。この場合は、上を2枚持ちます。寒い夜用に起毛の綿か目の詰まったニット、暖かい夜用に二重ガーゼか薄手の綿。下は共通にします。
どちらを着るかは、寝る前の室温で決めてください。寝る前の室温が、2晩確かめたときの「寒くて起きた夜」の数字に近ければ寒い夜用、「暑くて起きた夜」の数字に近ければ暖かい夜用です。迷ったら、暖かい夜用を着て、寒い夜用を枕元に置いておきます。
寝入りばなは暑く、明け方は寒い人
一晩の中で暑さと寒さが入れ替わる人です。汗で冷える型と似ていますが、背中が湿っていないなら、こちらに当たります。
この場合は、生地を薄めにして、首まわりと袖口を詰めた形にしてください。寝入りばなの熱は生地の薄さで逃がし、明け方の冷えは首と手首で止めます。生地と形で、役割を分けるのです。前開きの襟つきなら、寝るときはいちばん上のボタンを外し、明け方に寒くて目が覚めたら留める、という調整もできます。
家族と寝室が同じで、暖房を自分で決められない人
寝室の温度を自分で決められないときは、自分の側だけで調整できる組み方にします。パジャマは薄めの綿にして、寒いときは枕元の羽織りを着る、暑いときは羽織りを脱ぐ、という形です。パジャマ1枚の暖かさで合わせようとすると、相手の設定に左右されて毎晩外れます。
背中は乾いているのに、明け方が寒くて起きる人
寒くて起きる型に見えますが、寝入りばなに布団をはいでいることがあります。朝起きたときに掛け布団がどこにあったかを思い出してください。体の上にきちんとかかっていたなら、寒くて起きる型です。足元や床に落ちていたなら、寝入りばなに暑くてはいだ結果、明け方に寒くなっています。この場合は暑くて起きる型として生地を薄めにし、明け方の冷えは首まわりと袖口を詰めて止めてください。
それでも決まらない人
2晩では型が決まらない人は、もう2晩確かめてみてください。4晩のうち3晩が同じ型なら、その型で選びます。2晩ずつに分かれるなら、上を2枚持つ方法にしてください。
冷えやすい場所から選ぶ|肩・腰・足首
型が決まっても、体のどこが冷えて目が覚めたかで、選ぶ形はもう一段細かくなります。明け方に起きたとき、いちばん冷たく感じた場所を思い出してください。
肩が冷えて起きる人
横向きで寝ていると、上になった側の肩が掛け布団から出やすくなります。肩が冷えて起きる人は、生地より先に、上着の肩まわりを見てください。肩の縫い目が肩先より外に落ちる大きめの形は、肩と布のあいだに隙間ができて、そこから冷えます。肩の縫い目が肩先のちょうど上に来る形にすると、布が肩に沿って冷えにくくなります。前開きの襟つきなら、襟が首の後ろを覆うので、肩から首にかけての冷えも少し和らぎます。
腰が冷えて起きる人
寝返りのたびに上着の裾がめくれ、腰が出ていることが原因になっていることが多いです。上着の丈が、ズボンのウエストより10cm以上下まで届くかを確かめてください。届かないなら、丈の長い上着に替えるか、上着の裾をズボンの中へ入れて寝ます。ズボンのウエストが高く、おへその上まで届く形も、腰の冷えには効きます。腰まわりが冷えるのは寒くて起きる型の人に多いので、生地を起毛にするのと一緒に、丈を見直してください。
足首が冷えて起きる人
ズボンの裾がすねの方へめくれ上がっていることがほとんどです。前の章で書いたように、裾がリブの形にすると、めくれ上がりが減ります。リブの裾でもめくれるなら、ズボンの丈が短すぎます。立ったときに、裾がくるぶしの骨を完全に隠して、かかとの上に少しかかる長さを目安にしてください。寝ていると足は伸びるので、立ったときにちょうどいい丈では短くなります。
布団と毛布との組み合わせ
パジャマの暖かさは、布団と毛布との組み合わせで決まります。パジャマだけを変えても、布団が合っていなければ、夜中に起きる理由は残ります。
- 毛布を体のすぐ上にかけている人:毛布が肌の近くで熱をためるので、パジャマは薄めでも暖かい。暑くて起きるなら、まず毛布を掛け布団の上に移してみる
- 毛布を使っていない人:パジャマが暖かさの多くを受け持つ。寒くて起きるなら、パジャマを起毛に替える前に、薄い毛布を1枚足すほうが早いこともある
- 敷きパッドが起毛の人:背中の下が暖かいので、背中が汗で湿りやすい。汗で冷える型の人は、敷きパッドを綿にするとパジャマを替えなくても直ることがある
パジャマを選び直す前に、布団の組み合わせを一度見直すと、どこを変えれば早いかがわかります。
静電気が気になる人
冬の寝室は乾燥していて、毛布とパジャマのあいだで静電気が起きやすくなります。パジャマを綿にしておけば、毛布が化学繊維でも静電気は起きにくくなります。毛布やソファとの組み合わせは部屋着の静電気を減らす選び方にあります。
入れ替える時期|明け方の室温で決める
秋のパジャマから冬のパジャマへ替える時期は、暦ではなく明け方の室温で決めてください。
明け方の室温が18度を下回る朝が3日続いたら、寒くて起きる型の人は起毛の綿か目の詰まったニットへ替えどきです。15度を下回る朝が続くようになったら、汗で冷える型の人も、羽織りを枕元に置き始めてください。暑くて起きる型の人は、暖房を使い始める時期と重なるので、パジャマはそのまま薄いもので構わないことが多いです。
逆に、冬から春へ戻すときも同じ数字を使います。明け方の室温が18度を上回る朝が3日続いたら、起毛やニットのパジャマをしまう準備を始めてください。季節の変わり目は朝晩の差が大きいので、すぐにしまわず、薄いほうと厚いほうを1週間ほど並べて置いておくと、急に冷えた夜にも慌てません。
替えた最初の2晩は、また背中の湿り気を確かめてください。生地を替えると、同じ部屋でも型が変わることがあります。起毛に替えたら汗で冷えるようになった、という人は、上だけを綿の薄いものに戻して、羽織りで暖かさを足す組み方に切り替えます。
洗って乾く時間も選ぶ理由に入れる
冬のパジャマは、乾くまでの時間も選ぶ理由になります。
起毛の綿や目の詰まったニットは、厚みがあるぶん乾くのに時間がかかります。部屋干しで一晩では乾かないこともあります。二重ガーゼや薄手の綿は、比べると乾きが早いです。
汗で冷える型の人は、上を洗う回数が多くなります。乾くのが遅い生地を選ぶと、替えが足りなくなります。上を2枚持つなら、1枚は乾きの早い生地にしておくと、洗濯が回りやすくなります。冬の部屋着の枚数の考え方は部屋着は何枚あればいいかで扱っています。
起毛のへたりと毛玉
起毛の生地は、洗うたびに表面の毛が少しずつ寝ていきます。毛が寝ると、空気をためる量が減って、買ったときより暖かさが落ちます。冬のあいだに「最初より寒い」と感じたら、生地が合わなくなったのではなく、起毛がへたっていることがあります。表面を指でなでて、毛の立ち方が袖口や肘のあたりだけ弱くなっていないかを見てください。裏返して洗う、乾燥機を避ける、の2つで、へたりは遅くなります。
今あるパジャマで冬を越すなら
すぐに新しいパジャマを買わなくても、手持ちのもので調整できることがあります。
- 寒くて起きる人:いまのパジャマの下に、首が詰まった薄い長袖を1枚着る。袖口がリブなら、手首の冷えも止まる
- 暑くて起きる人:上だけを、手持ちの薄い長袖の綿のカットソーに替える。パジャマである必要はない
- 汗で冷える人:上を綿の1枚に替え、枕元に薄い羽織りを置いておく。明け方に寒ければ着る
部屋着が寒いときにどこを足すかは部屋着が寒いときに足す場所にもまとめています。足す場所を決めておけば、パジャマそのものを替えなくても済むことがあります。
型ごとのまとめと、選ぶ順番
最後に、冬のパジャマを選ぶ順番をまとめます。
- 寝る前と明け方の室温、起きたときの背中の湿り気を、2晩だけ確かめる
- 3つの型のどれに当たるかを決める。寒くて起きる、暑くて起きる、汗で冷えて起きる
- 型に合わせて上の生地を選ぶ。寒い型は起毛の綿か目の詰まったニット、暑い型は二重ガーゼか薄手の綿、汗の型は吸う綿の生地
- 首まわりの形を選ぶ。寒い型と汗の型は詰まった首、暑い型は少し開いた首、迷うなら前開き
- 袖口と裾を選ぶ。寒い型と汗の型はリブ、暑い型はまっすぐ
- 下は型に関係なく、目の詰まった綿か起毛の綿で、裾がリブの1本
暖かい生地を探して何着も試す前に、今夜の寝室の室温を一度だけ見てください。それが、冬のパジャマを選ぶいちばん早い入り口です。
よくある問い
- Q. 冬のパジャマは、いちばん暖かいものを選べばいいのではないですか
- 夜中に寒くて起きる人ならそれで合っています。ただ、暖房を入れて寝る人や布団を重ねている人は、暖かすぎて夜中に布団をはいでしまい、明け方に冷えて起きることがあります。寝る前と明け方の室温、起きたときの背中の湿り気を2晩だけ確かめてから決めると、暖かさの選びすぎを防げます。
- Q. フリースのパジャマを着ると、朝に背中が湿っています
- 汗で冷えて起きる型に当たります。フリースは暖かい一方で水分を吸いにくいので、布団の中で出た汗が背中に残ります。上だけを二重ガーゼや起毛の綿に替えて、寒さが足りなければその上に薄い羽織りを足してください。下はいまのままでも構いません。
- Q. 暑くて起きるのに、パジャマを薄くすると明け方に寒くなります
- 寝る前と明け方の室温の差が大きい部屋で起きやすい迷い方です。生地は薄いままにして、首まわりと袖口を詰まった形にすると、寝入りばなの熱は逃がしつつ、明け方の冷えだけを防げます。袖口がリブで手首に沿う形、首が詰まった丸首の形を選んでください。
- Q. 1着だけで冬を越したいです
- 上下が分かれる形を選び、上を2枚、下を1枚にするのがいちばん少ない枚数で回せます。上は寒い夜用と暖かい夜用で生地を替え、下は共通にします。上は汗を吸うので洗う回数が多く、下は上ほど汚れないので、この組み方だと洗濯の回数とも合います。
— メグラシ編集部





