スポーツウェアの重ね着|秋冬の外運動は、止まる回数で枚数を決める

**あなたの運動が、1時間のうち合計何分止まっているかを思い出してください。**それが15分より短ければ、秋冬の重ね着は「2枚と、脱ぐ1枚」です。15分を超えるなら「3枚で、外側は脱がずに開ける」です。
気温で枚数を決めると、外れるのは走り出してからの10分と、止まってからの10分です。同じ10度の朝でも、止まらずに走る人は2枚で汗をかき、球を拾いに何度も立ち止まる人は3枚でも冷えます。決め手は気温ではなく、汗が出始めるまでの分数と、止まっている時間です。
この記事は、その2つを自分で測ってから、肌に触れる1枚・熱をためる1枚・風を止める1枚の3つを足し引きする順に書いています。走るコースそのものの選び方はランニングの服装をコース別に分けた記事に、ウェアの素材ごとの選び方はランニングウェアの選び方にまとめています。
結論:枚数は、気温より先に「止まる時間」で決める
先に、型だけ置いておきます。自分の運動がどれに近いかを決めてから読み進めてください。
| 型 | 1時間のうち止まっている時間 | 基本の枚数 | 外側の扱い |
|---|---|---|---|
| A 続ける運動 | 合計5分未満 | 2枚+寒い日だけ真ん中を足す | 汗が出る手前で前を開け、暑ければ脱ぐ |
| B 止まる運動 | 合計15分以上 | 3枚 | 脱がない。前を開ける・閉めるだけで調整 |
| C 途中で変わる運動 | 前半は止まらず、後半に止まる(またはその逆) | 3枚で出て、真ん中を途中で抜く | 抜いた1枚は荷物に入れる |
5分から15分のあいだに入る人は、A と B のどちらとも取れます。その場合の考え方は、後の「どちらとも取れるとき」で厚めに書いています。
この表で決まるのは枚数と外側の扱いまでで、どの素材を何枚目に置くかは、汗の出方で変わります。次の2つを先に測ってください。
先に測る①|汗が出始めるまで、何分かかるか
測り方は簡単です。いつもの運動を、いつもの格好で始めて、首の後ろと背中の真ん中が湿ってきたと感じた時点の分数を覚えておきます。時計を見る余裕がなければ、走った距離や歩いた区間の数でもかまいません。
目安は3つに分かれます。
- 10分より短い:汗が出やすい人。外側の1枚は最初から前を開けて出るくらいでちょうどいい
- 10〜20分:多くの人がここに入ります。汗が出る2〜3分前に外側の前を開ける
- 20分より長い:汗が出にくい人。真ん中の保温の1枚を薄くしても寒くなりにくいので、むしろ肌の1枚を少し厚めにする
測る日は、できれば気温が中くらいの日にしてください。極端に寒い朝や、日差しの強い昼に測ると、分数が実際より長く、または短く出ます。1回測れば十分です。季節が進んで気温の帯が変わったら、もう1回だけ測り直してください。
汗が出る分数は、同じ人でも体調や前の晩の睡眠で数分ぶれます。ここで欲しいのは正確な数字ではなく、自分が「早い側」か「遅い側」かです。
先に測る②|1時間のうち、止まっている時間の合計
2つ目は、止まっている時間です。信号待ち、水を飲む、球を拾う、順番を待つ、仲間を待つ、写真を撮る。運動中に体がほとんど動いていない時間を、1時間のうち合計で何分あるかを数えます。
数えるのが難しければ、次の目安を使ってください。
- 走る・速歩き・自転車で、信号が少ない道:5分未満
- 街なかを走る・歩く(信号が多い):5〜15分
- テニス・バドミントンなど、打つと拾うをくり返す球技:15〜25分
- 登りと休憩をくり返す山歩き:休憩の長さしだいで15分以上
- 子どもの練習を見ながら自分も軽く動く:25分以上
止まる時間が長いほど、重ね着の役目は「汗を逃がす」から「熱を逃がさない」に寄っていきます。逆に止まる時間が短いほど、「熱を逃がす」ほうが大事になります。同じ気温でも、ここで向きが逆になるのが、秋冬の運動着が難しい理由です。
数えるときは、腕時計や携帯のストップウォッチを使うと簡単です。止まったら押し、動き出したらもう一度押す。これを1回の運動のあいだくり返すと、最後に止まっていた時間の合計が出ます。毎回数える必要はありません。いつもの運動で1回だけ数えれば、自分がどの帯に入るかが分かります。
数えてみると、思っていたより止まっている人が多いはずです。走っているつもりでも、信号と水分補給と靴ひもで、1時間に10分近く止まっていることは珍しくありません。感覚で「ほとんど止まらない」と思っていた人ほど、一度数えてみてください。
3つの層の役目|肌に触れる1枚・熱をためる1枚・風を止める1枚
重ね着を考えるときは、着るものを「何枚」ではなく「どの役目が何枚」で数えます。役目は3つだけです。
肌に触れる1枚は、汗を肌から離す役目です。ここが乾きにくいと、上に何を重ねても、止まった瞬間に背中から冷えます。外での運動で、汗をかくなら、まずここを乾きの速いものにしてください。体に沿う程度にぴったりしたものが、汗を吸い上げやすくなります。胸まわりを支える下着の選び方はスポーツブラの選び方にまとめています。
熱をためる1枚は、体のまわりに温かい空気の層を作る役目です。薄手のフリースや、目の粗い起毛の長袖、薄い中わた入りのベストがこれにあたります。寒い日だけ足し、暖かい日は抜く、いちばん出し入れの多い1枚です。
風を止める1枚は、外の冷たい空気が入ってくるのを止める役目です。薄いウインドジャケットや、前を開け閉めできる軽い上着がこれです。風を止めるものは、同時に中の湿気も逃がしにくいので、前の開け閉めで温度を調整するのが前提になります。
この3つを、型ごとに組み合わせます。
型A|止まらずに続ける運動は、2枚と脱ぐ1枚
走る、速く歩く、自転車をこぐ。止まる時間が5分未満の運動では、体が自分で熱を作り続けます。困るのは寒さより暑さです。
基本は肌の1枚+風よけの1枚の2枚です。真ん中の保温の1枚は、寒い日だけ足します。風よけの1枚は、走り出してから汗が出るまでの分数の手前で前を開け、それでも5分続けて暑ければ脱いで腰に巻くか、小さく畳んで持ちます。
出る瞬間に「少し寒い」と感じるくらいが、この型ではちょうどいい格好です。出る瞬間に暖かい格好は、10分後には暑すぎます。玄関で寒さを我慢できないときは、走り出すまでの数分だけ、脱いで置いていける上着を1枚重ねて、出発してから玄関の近くで脱いでください。
ありがちな失敗は、真ん中の保温の1枚を、汗が出る前に脱げない形のものにしてしまうことです。首まで詰まったかぶりの長袖を真ん中に着ると、暑くなっても脱ぐには外側から全部脱がなければならず、結局そのまま汗をかきます。型Aで真ん中を足すなら、前が開く形か、ベストにしてください。
自転車は、同じ型Aでも少し事情が違います。こいでいるあいだは暑いのに、下り坂では体がほとんど動かず、しかも速さのぶん風が強く当たります。坂の多い道を自転車で行くなら、風よけは脱がずに前の開け閉めで調整し、下りに入る前に閉める、という型Bに近い扱いにしてください。平らな道を一定の速さでこぐなら、型Aのままでかまいません。
もう1つ、型Aの人が見落としやすいのが、運動を終えてから家に着くまでの時間です。走り終えてすぐ家に入れるなら問題ありませんが、駐車場まで歩く、電車に乗る、という場合は、その時間は型Bと同じく「止まっている時間」です。脱いだ風よけを、終わった瞬間に着直せる場所に持っておいてください。
型B|止まる時間が長い運動は、3枚で出て外側は脱がない
球技、山歩き、順番待ちのある運動。止まる時間が1時間のうち15分を超える運動では、動いているときに作った熱が、止まった時間に逃げていきます。困るのは、動いた直後に止まって冷えることです。
基本は肌の1枚+保温の1枚+風よけの1枚の3枚です。そして外側の風よけは、運動中に脱ぎません。暑くなったら前を開け、止まったら閉める。調整はこの開け閉めだけで済ませます。
なぜ脱がないのかというと、止まる時間が長い運動では、脱いだ風よけを着直すまでに、背中の汗が一度冷えてしまうからです。冷えた汗は、上から着直しても簡単には温まりません。開け閉めなら、止まった瞬間に閉めるだけで、汗が冷える前に風を止められます。
保温の1枚は、型Aより薄くてかまいません。止まる時間が長いといっても、動くときは動くので、厚い保温の1枚は動いているあいだに汗の元になります。薄手を1枚、寒い日はベストを足して2段にする、くらいの考え方がちょうどいいです。
冬に向けてさらに寒くなる球技やゴルフでは、腕を振る動きがあるので、肩まわりの重なりも見ておく必要があります。ゴルフの場合は冬のゴルフウェアの重ね着で、素振りで枚数を決める方法を書いています。
球技では、腕を大きく振る動きがあるので、袖の重なりにも気をつけてください。3枚とも袖のある形にすると、肩と脇に生地がたまり、振るたびに引っぱられます。保温の1枚をベストにするか、袖のある保温の1枚を選ぶなら、外側の風よけは袖ぐりにゆとりのある形にすると、腕が動かしやすくなります。
止まっている時間に、ベンチや地面に座ることが多い運動では、お尻と太ももの裏から冷えます。上半身を厚くするより、座る場所に敷く小さな1枚を持っていくほうが、少ない荷物で冷えを止められます。
型C|途中で運動の中身が変わるなら、3枚で出て真ん中を抜く
坂を登ってから平らな道を歩く、走ってから公園で体操をする、子どもと公園まで歩いてから一緒に走る。前半と後半で運動の強さが変わるものは、型AとBのどちらにも当てはまりません。
この型では、3枚で出て、真ん中の保温の1枚を途中で抜くのが基本です。外側の風よけは最後まで着ておき、真ん中だけを荷物に入れます。外側から順に脱ぐより、真ん中を抜くほうが、風に当たる時間が短くて済みます。
真ん中を抜くためには、真ん中が前の開く形か、袖のないベストであることが前提です。かぶるタイプを真ん中に着ると、抜くには外側も脱ぐことになり、結局型Aと同じ失敗になります。
抜いた1枚の行き先も、出る前に決めておいてください。背中に背負う小さな袋か、腰に巻ける程度の薄さかで、真ん中に選べる厚さが決まります。袋がないなら、真ん中は腰に巻ける薄手に限られます。
型Cで迷いやすいのは、前半と後半のどちらが長いかです。前半の止まらない時間が長いなら、3枚で出るより、2枚で出て、後半に止まる時間が来たら荷物から真ん中の1枚を出して着る、という逆の順も使えます。真ん中を抜くか足すかは、どちらの時間が長いかで選んでください。長いほうの時間に合わせて出て、短いほうの時間を荷物の1枚で埋める、と考えると迷いにくくなります。
気温の帯ごとに、真ん中の1枚を足す・抜く
ここまでで、型と、外側の扱いは決まりました。気温で変わるのは、真ん中の保温の1枚だけです。外に出る時間帯の気温で、次のように足し引きしてください。
| 外の気温 | 型A 続ける | 型B 止まる | 型C 途中で変わる |
|---|---|---|---|
| 15度以上 | 肌+風よけ(前を開けて出る) | 肌+風よけ | 肌+風よけ(真ん中なし) |
| 10〜15度 | 肌+風よけ | 肌+薄い保温+風よけ | 肌+薄い保温+風よけ |
| 5〜10度 | 肌+薄い保温(前開き)+風よけ | 肌+保温+風よけ | 肌+保温+風よけ |
| 5度未満 | 肌+保温+風よけ、手袋と首 | 肌+保温+ベスト+風よけ | 肌+保温+風よけ、手袋と首 |
**表の数字は、汗が出始めるまで10〜20分の人の目安です。**汗が10分より早く出る人は、表の1段上(暖かい側)の行を使ってください。20分より遅い人は、1段下(寒い側)を使います。
5度未満の行で「手袋と首」が加わっているのは、体の真ん中を厚くするより、手首と首から熱が逃げるのを止めたほうが、少ない枚数で同じ暖かさになるからです。手袋と首まわりは、暑くなったらすぐ外せて、ポケットに入る大きさです。冬の歩く運動全般については冬の外歩きの服装も参考にしてください。
脱いだ1枚を、どこに持つか
重ね着は、脱いだあとの1枚の行き先まで決めて、はじめて回ります。行き先は3つです。
腰に巻くのは、薄手の風よけか、薄いベストまでです。厚い保温の1枚を腰に巻くと、走るたびに太ももに当たって揺れ、気になって結局手に持つことになります。腰に巻くなら、袖を2回結んでも結び目がこぶし1つより小さくなる薄さが目安です。
畳んでポケットに入れるのは、手のひらに収まるくらいまで小さくなるものだけです。ポケットに入らない大きさを無理に押し込むと、ポケットの重みで上着の前が下がり、首元から冷えます。
置いておくのは、同じ場所をくり返し回る運動に限ります。公園の周回、コートの横、練習場の荷物置き場。置いておけるなら、真ん中にやや厚い保温の1枚を選んでも困りません。逆に置き場がない運動では、真ん中の厚さは、腰に巻けるかどうかで上限が決まります。
荷物を持たずに運動したい人は、脱いだ1枚の行き先が腰かポケットしかありません。この場合、真ん中の保温の1枚は、腰に巻ける薄手のベストまでと決めてしまってください。厚い1枚が必要なほど寒い日は、真ん中を厚くする代わりに、手袋と首まわりを足します。小さなものは、ポケットに入るので行き先に困りません。
置いておく運動でも、置き場所が日陰か日向かは確かめておいてください。日陰に置いた上着は、30分もすると冷たくなり、着直したときに体の熱を奪います。置くなら日の当たる場所か、袋に入れて置くと、着直したときの冷たさがやわらぎます。
どちらとも取れるとき①|止まる時間が、5分から15分のあいだ
街なかを走る人や、信号の多い道を速歩きする人は、止まる時間が5分から15分のあいだに入ることが多く、型AとBのどちらとも取れます。
この場合は、**汗が出始めるまでの分数で分けてください。**汗が15分より早く出る人は型Aに寄せ、2枚で出ます。止まったときに少し冷えても、すぐまた動けば熱が戻るからです。汗が15分より遅く出る人は型Bに寄せ、3枚で出て外側は開け閉めで調整します。
それでも決められないときは、真ん中に薄いベストを入れた3枚で出てください。ベストは腕を振る邪魔にならず、暑くなれば前を開けるだけで熱が逃げます。袖のある保温の1枚より、型AとBのあいだを埋めやすい形です。
もう1つの手は、コースを変えることです。信号の多い道を避けて、止まる時間を5分未満に減らせば、型Aで迷わず組めます。服で迷うより、止まる時間のほうを動かしたほうが早いこともあります。
運動の時間そのものが、30分より短いか、1時間を超えるかでも、寄せる側が変わります。30分より短い運動では、汗が出始める前に終わることも多いので、型Bに寄せて3枚で出ても、暑くて困る時間はわずかです。1時間を超える運動では、汗をかく時間が長くなるので、型Aに寄せて枚数を減らし、止まる時間は開け閉めで受けるほうが、終わったときの汗の量が少なくて済みます。
どちらとも取れるとき②|出る時は寒く、終わる頃に日が出る
秋冬の朝の運動では、出る時は5度、終わる頃には日が当たって12度、ということがよくあります。気温の帯が途中で1段上がる日です。
こういう日は、**出る時の気温ではなく、運動のいちばん長い時間帯の気温で組みます。**1時間の運動で、最初の15分が寒く、残りの45分が日向なら、組むのは日向の45分のほうです。最初の15分は、手袋と首まわりで乗り切ってください。手袋と首は、暑くなったらポケットに入るので、途中で外しやすいからです。
逆に、出る時は日向で、途中から日陰の道に入る、夕方に向けて日が落ちる、という日は、後半の寒いほうで組みます。夕方の運動では、終わる頃に日没が来るかどうかを先に確かめておいてください。日が落ちると、体感の寒さは数度ぶん一気に増します。
どちらの場合も、外側の風よけは最後まで脱がない前提で選んでおくと、途中の気温の変化を前の開け閉めだけで吸収できます。
どちらとも取れるとき③|汗はかきやすいのに、冷えやすい
「すぐ汗をかくのに、止まると寒い」という人は少なくありません。汗が10分より早く出て、しかも止まる時間が15分を超える運動をする人です。型の表ではAに寄せたいのに、止まる時間はBを指しています。
この組み合わせでは、**肌に触れる1枚を最優先で替えてください。**汗かきで冷えやすい人の多くは、肌の1枚が乾きにくいことが原因で、止まった瞬間に汗が冷えています。肌の1枚を乾きの速いものにするだけで、上の2枚が同じでも冷え方が変わります。
そのうえで、保温の1枚は薄くし、外側の風よけはBと同じく脱がずに開け閉めします。汗をかく前に開け、止まったら閉める。この開け閉めを、汗が出る分数のたびに思い出せるよう、最初の数回は腕時計や運動の区切りで意識してください。
それでも冷えるなら、運動の途中で肌の1枚を替える、という手もあります。1時間を超える運動で、更衣の場所があるなら、半分の時間で乾いた1枚に替えるだけで、後半の冷えはかなり小さくなります。
どちらとも取れるとき④|運動のあと、そのまま寄り道する
運動のあとにスーパーに寄る、カフェで休む、子どもを迎えに行く。寄り道があると、運動用の格好のままでは落ち着かない、かといって普段着では運動しにくい、という迷いが出ます。
この場合は、**外側の1枚だけを普段着の上着にしてください。**運動中は脱いで持つか、荷物に置いておき、終わったら汗で湿った肌の1枚と保温の1枚の上から羽織ります。腰が隠れる丈の上着なら、下が運動用のパンツでも、街なかで目立ちにくくなります。
寄り道が15分を超えるなら、乾いた肌の1枚を袋に入れておいてください。止まってから15分たつと、湿った肌の1枚はほぼ確実に冷えてきます。トイレや更衣の場所で1枚替えるだけで、寄り道の時間を寒くなく過ごせます。
運動の前後に寄る場所ごとの組み方は、ジムの例ですがジムの行き帰りの服装にも書いています。外の運動でも考え方は同じです。
肌に触れる1枚で、失敗しやすいこと
3つの層のうち、いちばん失敗が大きく出るのは肌の1枚です。上の2枚は出し入れで調整できますが、肌の1枚は運動中に替えにくいからです。
よくある失敗は3つです。
1つ目は、**乾きにくい素材を選ぶこと。**汗をかく運動では、肌の1枚が濡れたままになると、止まった瞬間から冷え始めます。汗をほとんどかかない短い散歩なら困りませんが、汗が20分より早く出る人は、ここだけは乾きの速いものにしてください。
2つ目は、**大きすぎるサイズを選ぶこと。**肌から離れた1枚は、汗を吸い上げにくく、背中と生地のあいだに湿った空気がたまります。体に沿う程度の大きさにすると、汗が生地に移りやすくなります。締めつけが気になるなら、締めない程度に沿う、くらいでかまいません。
3つ目は、**肌の1枚を厚くして、真ん中の1枚を省くこと。**厚い肌の1枚は、暖かい代わりに乾くのが遅く、汗をかいたら脱いで調整することもできません。暖かさは真ん中の保温の1枚で足し、肌の1枚は薄く保つほうが、運動中の調整がききます。
肌の1枚を選ぶときに、もう1つ見ておきたいのが襟と裾の形です。首まわりが大きく開いた形だと、外側の風よけを閉めても、首元から冷たい空気が入ります。秋冬の外運動では、首の付け根が隠れるくらいの襟ぐりのものを選ぶと、首まわりの小物を足さずに済む日が増えます。裾は、前かがみになったときに背中が出ない丈にしてください。止まって前かがみになったときに背中が出ると、汗をかいた場所に直接風が当たります。
下半身と足元の重ね着は、上と同じ順で考えない
ここまでの話は上半身が中心でした。下半身は、上とは少し考え方が違います。脚は動き続けるので、上ほど冷えません。その代わり、止まっているときは膝の裏と足首から冷えます。
基本は、運動用のタイツか長めのパンツ1枚で足りる日が多いということです。気温が5度を下回る日、止まる時間が長い型Bの日だけ、上から薄いパンツを1枚重ねるか、裏起毛のものに替えます。重ねるなら、運動中に脱げる形よりも、最初から最後まではき続ける前提で選んでください。下半身の重ね着は、途中で脱ぐ場所がほとんどないからです。
足首は、くるぶしが出る丈か、隠れる丈かで、体感が大きく変わります。秋のうちはくるぶしが出ていてもかまいませんが、冬に入ったら、靴下を少し長めにして、パンツの裾との隙間を作らないようにしてください。隙間が2〜3cmあるだけで、そこから冷えを感じます。
足元の靴の選び方は、ランニングの服装をコース別に分けた記事の後半で、路面ごとに書いています。
よくある行き違い
**「寒いから3枚着た」のに、すぐ暑くなる。**型Aの運動を3枚で始めると、汗が出る分数より早く暑くなります。寒さで枚数を決めず、止まる時間で決めてから、気温で真ん中を足し引きしてください。
**外側に厚い上着を着れば、中は薄くていい。**厚い上着は、暑くなったときに脱ぐしかなくなります。外側は薄い風よけにして、暖かさは真ん中で作るほうが、運動中の開け閉めがききます。
**汗をかいたら脱げばいい。**汗が出てから脱ぐと、湿った背中が風に当たって冷えます。脱ぐ・開けるのは、汗が出る手前です。だから最初に、汗が出始める分数を測っておく意味があります。
**ヨガやストレッチも同じ組み方でいい。**屋内のヨガは、動きの最後に横になって休む時間があり、外の運動とは冷え方が違います。屋内のヨガでの冷えはヨガウェアの秋冬の冷え対策で別に書いています。
**真ん中の1枚は、厚ければ厚いほど安心。**厚い保温の1枚は、型Bで止まっている時間には頼りになりますが、動き出した瞬間に汗の元になります。真ん中は薄手を2段にして、寒い日はベストを足す、という組み方のほうが、1枚の厚手より調整の幅が広がります。
**風の強い日は、寒い日と同じ格好でいい。**風が強い日は、気温が同じでも、真ん中の1枚より外側の風よけのほうが効きます。風の強い日に真ん中を厚くすると、風が止まった場所で急に暑くなります。風の日は、真ん中はいつもどおりにして、外側の前をしっかり閉めて出てください。
**同じ格好で秋から冬まで通せる。**通せるのは肌の1枚と外側の1枚までです。真ん中の保温の1枚は、気温の帯が変わるたびに入れ替わるものだと考えてください。季節の変わり目に、汗の分数を一度測り直すと、真ん中の厚さを決め直しやすくなります。
よくある問い
- Q. 秋冬に外で運動するとき、スポーツウェアは何枚重ねればいいですか
- 止まらずに30分以上続ける運動なら、肌に触れる1枚と風よけの1枚の2枚が基本で、寒い日だけ真ん中に保温の1枚を足します。止まる時間が1時間のうち合計15分を超える運動なら、はじめから3枚にして、外側は脱がずに前を開けて調整してください。枚数は気温より先に、止まる時間で決めると外れにくくなります。
- Q. 走り出して10分で暑くなり、脱ぐと今度は寒いです
- 汗が出始める前に、外側の前を開けるのが先です。脱ぐのは汗が出てからでは遅く、背中が湿った状態で風に当たって冷えます。走り出してから汗が出るまでの分数を一度測り、その分数の手前で前を開ける、さらに5分続いても暑ければ脱ぐ、の順にすると、暑いと寒いの行き来が減ります。
- Q. 運動のあとにそのまま買い物に寄りたいのですが、何を着ればいいですか
- 外側の1枚を、運動用の薄い風よけではなく、腰が隠れる丈の普段着の上着にしてください。運動中は持って歩くか車や荷物に置き、終わったら汗で湿った肌の1枚の上から羽織ります。寄り道が15分を超えるなら、肌の1枚を替えるための乾いたシャツを1枚、袋に入れておくと冷えずに済みます。
- Q. 綿のTシャツを下に着てはいけないのですか
- いけないわけではありませんが、汗をかく運動では乾くのが遅く、止まったときに冷えやすくなります。汗をほとんどかかない短い散歩なら綿でも困りません。汗が出始めるまでの分数が20分より短い人は、肌に触れる1枚だけは乾きの速い素材にしておくと、他の2枚をどう組んでも失敗が小さくなります。
— メグラシ編集部





