40代のファッション|変えるのは素材・色・丈・サイズの4つだけ

40代のファッションで変えるのは、素材の張り、顔まわりの色の明るさ、丈の止まる位置、肩と身幅のサイズ感の4つだけです。好きな色、好きな形、自分らしいと感じる組み合わせは変えなくてかまいません。30代までと同じ服がしっくりこなくなったと感じるなら、服の好みが外れたのではなく、この4つのどれかが今の自分とずれ始めているだけです。
いちばん先に動かすのは、顔の下およそ15cmに来るトップスです。生地を指でつまんで離したとき3秒以内に元へ戻る張りのある素材で、今まで着ていた色より1段明るい色か、光をやわらかく返すつやのある素材を選んでください。顔まわりは人と向き合ったときに最も長く見られる場所なので、ここが変わると手持ちのボトムや羽織りはそのまま生かせます。
迷ったときは、体型や顔立ちを「隠す」「直す」方向ではなく、今の自分の形がいちばん素直に見える位置で服を止める、と考えます。丈は、くるぶし・ひざ・手首の3か所を基準に、骨のくびれが見える位置で止めます。サイズは、肩の縫い目が自分の肩の骨の端に来て、身幅にこぶし1つ分のゆとりがあるものを選びます。この4つのものさしを持っておけば、仕事・休日・学校行事・冠婚葬祭のどの場面でも、自分で答えを出せるようになります。
30代までと変わる4つの軸の早見表
40代の服選びで変わるのは、似合う服の種類ではなく、同じ服を選ぶときの「ものさし」です。まずは4つの軸を並べて、どこが今の自分とずれているかを確かめてください。
| 軸 | 30代までの選び方 | 40代からのものさし | 自分で確かめる方法 |
|---|---|---|---|
| 素材の張り | 柔らかく体に沿うもの | 体の線から少し離れる張り | つまんで離して3秒以内に戻るか |
| 色の明るさ | 濃い色・くすんだ色も気軽に | 顔の下は1段明るく | 顔の下に当てて表情が明るく映るか |
| 丈 | 流行の丈をそのまま | くびれの見える位置で止める | くるぶし・ひざ・手首が見えるか |
| サイズ感 | ゆったりか、ぴったりか | 肩は合わせて身幅にゆとり | 肩の縫い目の位置とこぶし1つ |
表のどれか1つでも当てはまらないと感じたら、その軸だけを動かしてみてください。4つを一度に変える必要はありません。1つずつ動かすほうが、どの変化が自分に効いたのかが分かり、次の買い物で迷わなくなります。
なぜ40代でこの4つがずれやすいのかについては、肌や髪の変化と合わせて今までの服が似合わないと感じる理由で詳しく整理しています。この記事では、その先の「では何をどう選ぶか」を、場面や季節ごとの入口として地図にしていきます。
素材の張り:つまんで3秒で戻るかを見る
40代の服選びで、最初に差が出るのが素材です。30代までは、柔らかくとろみのある生地が体に沿って動くことが魅力に見えていました。40代になると、同じ生地が体の線をそのまま拾い、服の形よりも生地のしわや沿い方に目が向きやすくなります。
確かめ方は簡単です。生地の端を指でつまんで、軽くねじってから離します。3秒以内にしわが戻るものは、着ているあいだも形を保ちやすく、体の線から少し離れて落ちます。しわが残るもの、くたっと寝たままのものは、座ったり腕を動かしたりしたあとに形が崩れやすい生地です。
張りのある素材というと、硬くて着心地の悪いものを想像するかもしれません。けれど実際には、目の詰まったコットン、ほどよく厚みのあるウール、編み目のしっかりしたニット、表面に少しつやのある合成繊維など、柔らかく着られて形を保つ生地はたくさんあります。大事なのは、生地の厚さではなく、戻る力です。
手持ちの服を見直すときも、この3秒のものさしが役立ちます。何度も洗って生地が寝てしまったカットソーや、毛玉が増えて張りがなくなったニットは、形が好きでも素材の力が弱まっています。同じ形のまま、戻る力のある生地に置き換えるだけで、印象は大きく変わります。
色の明るさ:顔の下15cmだけ1段上げる
色については、全身を明るくする必要はありません。変えるのは顔のすぐ下、首元からみぞおちの上あたりまで、およそ15cmの範囲だけです。ここに来る色を、今まで選んでいた色より1段明るくするか、光を返すつやのある素材に置き換えます。
1段明るくするとは、たとえば黒を濃いグレーや濃紺に、濃いブラウンをキャメルやモカに、深い緑をくすみの少ない緑に、という程度の変化です。色の系統はそのままで、明るさだけを少し上げます。好きな色を手放さずに済むので、手持ちの服とのつながりも保てます。
暗い色が好きで、どうしても顔の下に置きたい場合は、素材でつやを足します。とろみのあるブラウス、表面に光沢のあるニット、細かな畝のある生地など、光を受けてやわらかく返す素材なら、暗い色でも顔まわりが沈んで見えにくくなります。
確かめるときは、自然光の入る窓辺で、服を顔の下に当てて鏡を見ます。服を見るのではなく、自分の表情を見てください。目元や口元が明るく見えたら、その色はあなたの顔の下に置いていい色です。迷ったら、同じ服を2枚並べて交互に当て、表情がよく見えるほうを残します。
丈:くるぶし・ひざ・手首の3か所
丈は、流行で長くなったり短くなったりしますが、40代は流行よりも、自分の骨のくびれが見える位置で止めることを優先します。基準にするのは、くるぶし・ひざ・手首の3か所です。この3か所は、体の中で細く締まって見える場所なので、ここが見えると全体がすっきり整います。
スカートやワンピースなら、ひざが隠れて、ふくらはぎのいちばん太い位置より少し下で止まる丈か、くるぶしが見える丈が合わせやすくなります。ふくらはぎのいちばん太い位置でちょうど止まる丈は、迷いやすい位置です。この場合は、靴のつま先の形や、上に着る服の長さで調整します。
パンツなら、くるぶしが少し見える丈か、靴の甲にかかる丈のどちらかに決めます。中途半端にくるぶしの上で止まる丈は、足首まわりが重く見えることがあります。手持ちのパンツの丈が迷う位置にあるときは、裾を1回だけ折り返して、くるぶしが見える位置まで上げてみてください。
袖は、手首の骨が見えるか、手首の骨にちょうどかかる長さが基準です。袖が手の甲まで来る長さは、カジュアルな印象には向きますが、きちんと見せたい日には少し重く見えます。長い袖は1回か2回まくって、手首を出すだけで全身の印象が軽くなります。
サイズ感:肩の縫い目と身幅のこぶし1つ
サイズは、大きめか小さめかではなく、肩と身幅を分けて考えます。肩はぴったり合わせ、身幅にはゆとりを持たせる、というのが40代の基本のものさしです。肩が合っていると、身幅にゆとりがあってもだらしなく見えず、体の線を拾いすぎることもありません。
肩の合わせ方は、肩の縫い目が自分の肩の骨の端、腕を上げ下げしたときに動く骨の出っ張りのあたりに来るかで確かめます。縫い目がそこより内側に来ると窮屈に、外側に大きく落ちるとゆったりした印象になります。ゆったりした服を選ぶときも、縫い目が骨の端から5cm以内に収まっていると、きちんと見えます。
身幅は、服を着た状態で、脇の下のあたりの生地をつまみ、体と生地のあいだにこぶし1つが入るかを見ます。こぶしが入らないほど体に沿う服は、張りのある素材でも体の線が出やすくなります。こぶし2つ以上入る服は、肩が合っていれば問題ありませんが、ボトムを細めにして全体のバランスを取ります。
変えなくていいもの:好きな色と好きな形
ここまで変えるものを見てきましたが、同じくらい大事なのが、変えなくていいものを決めておくことです。40代になって服が合わないと感じると、全部を変えなければいけない気持ちになりがちです。けれど、好きな色、好きな形、自分らしいと感じる組み合わせは、そのまま残してください。
好きな色は、顔から離れた場所に置けば、明るさを気にせずに楽しめます。ボトム、バッグ、靴、ストールなど、顔の下15cmより外にあるものなら、今までと同じ色を使ってかまいません。顔の下だけを1段明るくして、それ以外は好きな色のまま、という組み方が、40代のファッションをいちばん楽にします。
好きな形も同じです。ワイドパンツが好きならワイドパンツのまま、素材を張りのあるものにし、丈をくるぶしが見える位置に合わせます。フレアスカートが好きなら、広がり方はそのままに、生地を戻る力のあるものに替えます。形を変えずに、素材と丈とサイズを合わせていけば、自分らしさは保たれたまま、今の自分になじみます。
体型や顔立ちを生かす選び方の考え方
40代の服選びでは、気になる場所を隠すより、今の自分の形がいちばん素直に見える位置を探すほうがうまくいきます。隠そうとすると服の量が増え、かえって全体が大きく見えることがあるからです。見せたい場所を1か所決め、そこを基準に服の止まる位置を合わせます。
見せたい場所は、首元、手首、足首、ウエストの細い位置、鎖骨のあたりなど、自分で好きだと思える場所を選びます。たとえば首元が好きなら、Vネックや深めのUネックで首から鎖骨までを見せ、ほかの場所は服の量を控えめにします。足首が好きなら、パンツやスカートの丈をくるぶしが見える位置に合わせます。
顔立ちについても同じ考え方です。顔立ちを変えようとするのではなく、顔立ちの印象に服の質感をそろえます。目鼻立ちがはっきりしている人は張りと艶のある素材が、やわらかな印象の人は表面がなめらかで少し落ち感のある素材が、なじみやすい傾向があります。どちらとも言い切れない人は、次の見分け方の表で確かめてください。
自分に当てはまるかを見分ける3つのチェック
この記事の4つの軸のうち、自分がどこから動かせばいいかを決めるために、手持ちの服で3つのチェックをします。服を買う前に、まず家で確かめてください。
| チェック | やり方 | 当てはまったら動かす軸 |
|---|---|---|
| 朝の鏡チェック | よく着るトップスを顔の下に当て、表情が暗く映るか見る | 色の明るさ |
| 座ったあとのチェック | 30分座ったあとに立ち、背中やおなかに横じわが残るか見る | 素材の張り・サイズ感 |
| 全身の写真チェック | 全身を撮り、くるぶし・ひざ・手首のどれも見えていないか見る | 丈 |
3つのうち2つ以上当てはまる場合は、色から動かすのがおすすめです。色は1枚の買い足しで効果が分かりやすく、素材や丈の見直しよりも手間がかからないからです。色を変えてもまだしっくりこない場合に、素材、丈、サイズの順で見直していきます。
どれにも当てはまらないのに服がしっくりこない場合は、服そのものではなく、服と服の組み合わせ方がずれていることがあります。トップスとボトムの長さの比率、色の数、素材の組み合わせなど、組み方の側から見直すと答えが見つかることがあります。
骨格タイプ別の入口
骨格タイプは、体の質感や骨の出方から、似合いやすい素材とシルエットの傾向を3つに分けたものです。40代の服選びで素材の張りが大事になる理由は、この骨格の質感と深く関わっています。自分のタイプが分からない場合は、メグラシの無料の骨格診断で傾向をつかんでから、下の表に当てはめてください。
なお、腰から太ももに分量が集まる洋梨体型は体型の分類で、骨格タイプとは別の物差しです。混同しやすいので、骨格は体重で変わらない場所で見てください。
| 骨格タイプ | 40代で選びたい素材 | 止める位置の目安 | 詳しく読む |
|---|---|---|---|
| ストレート | 張りと厚みのある生地 | 腰骨の上で止めるトップス | 骨格ストレートの40代コーデ |
| ウェーブ | 薄手で柔らかく、形が戻る生地 | ウエストの細い位置で止める | 骨格ウェーブの40代コーデ |
| ナチュラル | 粗めの織りや編みの生地 | 長めの丈で縦に流す | 骨格ナチュラルの40代コーデ |
骨格タイプが分かると、3秒で戻る素材の中でも、どんな厚みと表面感を選べばいいかが絞り込めます。ストレートの人は厚みのある張り、ウェーブの人は薄くて戻る力のある生地、ナチュラルの人は表面に凹凸のある生地が、体の質感となじみやすくなります。
診断の結果が2つのタイプのあいだで迷う場合もあります。そのときは、上半身の質感に近いタイプでトップスを、下半身の質感に近いタイプでボトムを選ぶと、全体がまとまりやすくなります。
パーソナルカラー別の入口
パーソナルカラーは、肌や瞳、髪の色の傾向から、顔まわりに映える色の系統を分けたものです。この記事で「顔の下15cmを1段明るく」と書いたとき、どの方向に明るくするかを決めるのがパーソナルカラーです。自分の傾向が分からない場合は、無料のパーソナルカラー診断から始めてください。
黄みのある肌の傾向で、深みのある色がなじむ人は、キャメルやテラコッタ、からし色、深い緑などが顔まわりに合わせやすい色です。40代でこうした色をどう明るさで調整するかは、イエベ秋の40代コーデで、素材の選び方と合わせて紹介しています。
青みのある肌の傾向で、くっきりした色がなじむ人は、白、黒、ロイヤルブルー、深い赤などが顔まわりに映えます。黒を顔の下に置くときに、つやのある素材でやわらげる方法は、ブルベ冬の40代コーデにまとめています。
春や夏の傾向の人も、考え方は同じです。自分の系統の中で、今までより1段明るい色、または表面に光を返す素材を顔の下に置きます。系統が分からないまま明るい色を選ぶと、明るくしたつもりが肌から浮いて見えることがあるので、迷ったら先に診断で系統を確かめるのが近道です。
どちらとも取れるときの決め方
4つのものさしを使っても、どちらとも取れる服は必ず出てきます。この記事でいちばん大事なのは、そのときの決め方です。迷ったときは、次の順番で判断してください。
1つ目は、顔に近いほうを優先することです。トップスとボトムのどちらを変えるかで迷ったら、トップスを優先します。色の明るさと素材の張りのどちらを優先するかで迷ったら、顔の下に来る服なら色、顔から離れた服なら素材を優先します。
2つ目は、一日のうち長くいる場所で決めることです。屋内の照明の下に長くいる日は、色の明るさとつやを優先します。屋外を歩く時間が長い日は、素材の張りと丈を優先します。照明の下では色の映り方が、屋外では服の形と動き方が、印象を左右するからです。
3つ目は、手持ちの服とつながるほうを選ぶことです。同じくらい気に入った2枚で迷ったら、手持ちのボトムや羽織りと3通り以上組めるほうを選びます。組み合わせが多い服ほど着る回数が増え、生地の張りが保たれているうちに十分に着られます。
4つ目は、それでも決まらないときは、今の体にちょうど合うほうを選ぶことです。これから合うかもしれない服や、以前の自分に合っていた服ではなく、今日の自分の肩と身幅に合う服を残します。40代の服選びは、今の自分を基準にしたときにいちばん迷いが少なくなります。
仕事の日の服
仕事の日は、4つの軸のうち素材の張りとサイズ感を優先します。座っている時間が長く、腕を動かす場面も多いため、形が崩れにくい生地と、肩が合って身幅にゆとりのある服が一日を楽にします。
トップスは、目の詰まったコットンや、表面に少しつやのあるブラウス、編み目のしっかりしたニットが使いやすい素材です。顔の下は1段明るい色にして、ボトムは手持ちの濃い色で落ち着かせると、きちんとした印象と表情の明るさを両立できます。
羽織りは、肩の縫い目が合ったジャケットか、張りのあるカーディガンを選びます。ジャケットは、袖を手首の骨にちょうどかかる長さに合わせると、書類を扱うときにも袖口が邪魔になりません。机に向かう姿勢でおなかまわりが気になる人は、机に向かう日のオフィスカジュアルで、座ったときの生地の動きを基準にした選び方を紹介しています。
会議や来客のある日は、顔の下にとろみのあるブラウスを置き、ボトムは張りのあるパンツかスカートにします。素材の組み合わせを「顔まわりはつや、下は張り」と決めておくと、毎朝の組み合わせに迷う時間が短くなります。
休日の服
休日は、色と丈の自由度が高い日です。好きな色を思い切り使い、丈も流行の形を取り入れやすくなります。ただし、休日の服こそ素材の張りが大事です。柔らかい生地を選びがちな休日に、戻る力のある素材を選ぶと、ラフな服でもきちんと見えます。
歩く時間が長い休日は、足元から組み立てると失敗が少なくなります。靴を先に決め、その靴に合う丈のパンツかスカートを選び、最後にトップスを合わせます。足首が見える丈と、甲の浅い靴の組み合わせは、カジュアルな服でも全体を軽く見せます。ローファーを使った休日の組み方は、40代のローファーコーデで、足首まわりの見え方を中心に紹介しています。
休日に友人と会う日や、少しきれいめに出かけたい日は、顔の下に明るい色のニットを置き、ボトムは手持ちのデニムや張りのあるパンツで落ち着かせます。カジュアルな服とのバランスは、トップスかボトムのどちらか一方を張りのある素材にすると、全体がまとまります。
学校行事の服
学校行事は、先生や他の保護者と並ぶ場面が多く、控えめで清潔感のある服が求められます。色は紺、グレー、ベージュなどの落ち着いた色を基本に、顔の下にだけ明るい色か、つやのある素材を入れます。
授業参観や面談のように屋内で座っている時間が長い行事は、素材の張りとサイズ感を優先します。運動会のように屋外で長時間過ごす行事は、動きやすさと、気温の変化に合わせて脱ぎ着できる重ね方を優先します。体育館のように床に近い場所で過ごす行事では、スカートの丈とパンツの裾の扱いにも気を配ります。
行事ごとの服装の決まりや、立場ごとの選び方は、40代の学校行事の服装で詳しくまとめています。行事の種類が多い年は、紺のジャケットと明るい色のトップスを1組持っておくと、多くの場面に対応できます。
冠婚葬祭の服
冠婚葬祭は、40代の服選びで最も「決まりごと」が多い場面です。普段の服選びの4つの軸に加えて、場面ごとの装いの決まりを守る必要があります。ここでは入口だけを示し、詳しい決まりは個別の記事にまとめています。
結婚式に招かれたときは、立場によって選べる服の幅が変わります。友人として招かれる場合と、親族として招かれる場合では、色の選び方や肌の見せ方が違います。30代までと同じドレスが急に浮いて見える理由と、立場ごとの可否は、40代の結婚式の服装で表にしています。
お悔やみの場面では、ブラックフォーマルを1着、今の体に合ったサイズで持っておくことが大切です。30代で用意したものが肩や身幅で合わなくなっている場合は、急な場面に備えて早めに見直しておきます。素材や丈、小物の決まりは、40代のブラックフォーマルで確かめてください。
冠婚葬祭の服は、着る回数が少ないぶん、サイズの確認を後回しにしがちです。年に一度、衣替えのときに袖を通して、肩の縫い目の位置と身幅のこぶし1つを確かめておくと、急な場面でも慌てずに済みます。
場面別の早見表
場面ごとに、4つの軸のうちどれを優先するかを表にまとめました。迷ったときに、どの軸から考えるかの目安にしてください。
| 場面 | 優先する軸 | 顔の下に置くもの | 足元の目安 |
|---|---|---|---|
| 仕事の日 | 素材の張り・サイズ感 | つやのあるブラウスか明るい色のニット | 甲の浅いパンプスかローファー |
| 休日 | 素材の張り・丈 | 好きな色の中で1段明るいもの | 歩きやすい靴に合わせて丈を決める |
| 学校行事 | サイズ感・色 | 控えめな色につやを足す | 脱ぎ履きしやすい靴 |
| 結婚式 | 立場の決まり・素材 | 光をやわらかく返す素材 | 立場に合ったパンプス |
| お悔やみ | 決まり・サイズ感 | 光らない黒の素材 | 飾りのない黒のパンプス |
表の「優先する軸」は、迷ったときの判断の順番です。どの場面でも4つの軸すべてが関わりますが、すべてを同時に満たそうとすると選べなくなります。場面ごとに優先する軸を決めておくと、限られた時間でも判断できます。
秋冬のコートの選び方
秋冬のコートは、40代のファッションの中で、最も面積が大きく、最も長く人の目に触れる服です。ここで4つの軸がそろうと、中に何を着ていても全体がきちんと見えます。
素材は、ウールを中心に、表面がなめらかで張りのある生地を選びます。手で軽く握って離したとき、しわが残らずに戻るものが目安です。柔らかすぎる生地は、肩から落ちる線が体に沿いすぎて、コートの形が出にくくなります。
丈は、ひざが隠れる長さか、ひざ上で止まる長さのどちらかを、下に合わせるボトムで決めます。スカートを合わせることが多いなら、スカートの裾がコートから少しだけ見えるか、完全に隠れる長さにします。パンツが多いなら、ひざが隠れる丈で縦の線をつくると、全身がすっきり見えます。
サイズは、肩の縫い目の位置を最優先にします。中に厚手のニットを着ることを考えて、身幅にはニットを着た状態でこぶし1つ分のゆとりがあるものを選びます。試着のときは、秋冬に実際に着るニットを着ていくと失敗がありません。
身長が低めで体に厚みのある人のコートの選び方は、低身長でぽっちゃりな40代のコートで、丈と前の開け方を基準に詳しく紹介しています。
秋冬のニットの選び方
ニットは、40代のファッションで素材の差が最も出やすい服です。編み目の詰まり方、糸の太さ、表面のつやで、同じ形でも印象が大きく変わります。
素材の張りは、ニットの裾を軽く引っぱって離したとき、すぐに元の長さに戻るかで確かめます。戻りが遅いニットは、着ているうちに伸びて、体の線を拾いやすくなります。編み目が詰まっていて、表面に少しつやのあるニットは、顔まわりを明るく見せる効果もあります。
顔の下に来るニットは、色の明るさを特に意識します。赤や濃い色のニットを顔のそばに置きたい場合は、その日いちばん長くいる場所の照明で色の映り方を確かめると失敗しません。具体的な見分け方は、赤ニットコーデ40代で照明ごとに紹介しています。
カーディガンは、羽織りとしても、1枚で着るトップスとしても使える便利なニットです。肩の縫い目が合っているか、立ち上がったときに肩の線が元の位置に戻るかで、サイズと素材の両方を確かめられます。選び方の詳しい手順は、40代のカーディガンコーデにまとめています。
小物:バッグ・アクセサリー・ストール
小物は、顔の下15cmの外にある色を楽しむための場所であり、同時に顔まわりの明るさを足す道具でもあります。服を変えずに印象を変えたいときは、まず小物から見直すと手軽です。
バッグは、服より少しだけ張りのある素材を選ぶと、全体がきちんと見えます。くたっと形の崩れるバッグは、カジュアルな日には楽ですが、仕事や行事の日には、底がしっかりして自立するものが合わせやすくなります。色は、靴かベルトのどちらかとそろえると、全身の色の数が増えすぎません。
アクセサリーは、顔の下15cmに光を足す役割があります。暗い色のトップスを着るときは、首元に小さく光るネックレスか、耳元にイヤリングを足すだけで、表情が明るく見えます。大きさは、自分の顔立ちの印象に合わせて選び、迷ったら小ぶりなものから試します。
ストールは、顔の下の色を手軽に変えられる小物です。手持ちのトップスが暗い色ばかりでも、明るい色のストールを1枚首元に置けば、顔まわりの明るさを足せます。巻き方は、首にゆるく1回巻いて、前に垂らす長さを左右で変えるだけで十分です。
靴:ヒールの高さとつま先の形
靴は、丈の止まる位置と深く関わります。同じスカートでも、靴が変わると、くるぶしやふくらはぎの見え方が変わり、全身の印象が変わります。
ヒールの高さは、1日に歩く距離で決めます。歩く時間が長い日は、ヒールが低いか、太めのヒールで安定する靴を選びます。立ち止まる時間が長い日や、座っている時間が長い日は、少し高めのヒールでも疲れにくくなります。無理に高いヒールを選ぶ必要はなく、歩き方が自然に見える高さがいちばんきれいに見えます。
つま先の形は、足首から先の見え方を左右します。甲が浅く開いた靴や、つま先が少し細い靴は、足元を軽く見せ、ボトムの丈が短めでもバランスが取れます。つま先が丸く甲の深い靴は、安定感があり、カジュアルな日に合わせやすくなります。
靴の色は、ボトムの色か、肌の色に近い色を選ぶと、脚が長く見えます。黒い靴を合わせるなら、ボトムも濃い色にしてつなげます。明るい色のボトムに黒い靴を合わせると、足元で色が切れて、丈の止まる位置が目立ちやすくなります。
体型の気になるところ別の入口
体型の気になるところは、人によって違います。40代の服選びでは、気になる場所ごとに、どの軸を動かすと効果があるかが変わります。ここでは入口だけを示し、詳しくは個別の記事で紹介しています。
体に厚みがあり、どこに厚みが出やすいかで服の選び方を変えたい人は、40代のぽっちゃりコーデで、厚みの出る場所ごとに打ち手を分けて紹介しています。上半身と下半身のどちらに厚みが出るかで、素材の張りとサイズ感の優先順位が正反対になることがあります。
下半身の印象が以前と違って見える人は、40代の下半身の服選びで、服の側の条件がどう動いたかを整理しています。体を変えるのではなく、ボトムの素材と丈と、トップスの止まる位置を見直すことで、同じ服でも見え方が変わります。
身長が低めで体に厚みのある人は、着丈と身幅の両方を同時に考える必要があります。低身長でぽっちゃりな40代のコーデで、2つの条件が重なる1枚の選び方を紹介しています。
買い足す順番
40代のファッションを整えるとき、一度にすべてを買い替える必要はありません。顔に近いものから順番に、1つずつ買い足していくのが、最も効果が分かりやすく、無駄の少ない方法です。
| 順番 | 買い足すもの | 選ぶときのものさし | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1 | 顔の下に来るトップス | 1段明るい色か、つやのある素材 | 最も長く見られる場所で効果が大きい |
| 2 | 羽織り | 肩の縫い目が合う、張りのある素材 | 手持ちのトップスすべてに重ねられる |
| 3 | 靴とバッグ | 自立するバッグ、歩きやすい靴 | 手持ちの服の印象をまとめて変えられる |
| 4 | ボトム | くびれの見える丈、張りのある素材 | 丈が合うと全身のバランスが整う |
| 5 | コート | 肩が合い、ニットの上でこぶし1つ | 面積が大きく、最後に決めると迷わない |
コートを最後にしているのは、面積が大きく、手持ちの服すべてと合わせる必要があるからです。顔まわり、羽織り、小物、ボトムが整ってからコートを選ぶと、それらとつながる色と素材が自然に決まります。
買い足すときは、手持ちの服と3通り以上組めるかを必ず確かめます。新しく買った1枚が、手持ちの服とつながらないと、結局着る機会が少なくなります。お店で迷ったら、家にあるボトムや羽織りを思い浮かべて、組み合わせを3つ言えるものだけを選んでください。
手持ちの服で組み直す手順
買い足す前に、手持ちの服を4つの軸で見直すと、意外と使える服が多いことに気づきます。次の手順で、半日ほどかけて組み直してみてください。
まず、手持ちのトップスをすべて出し、顔の下に当てて、表情が明るく映るものと、暗く映るものに分けます。暗く映るものは、手放すのではなく、ストールやアクセサリーを足して顔まわりを明るくする組み方を考えます。
次に、すべての服の生地をつまんで、3秒以内に戻るかを確かめます。戻らないものは、家で過ごす服にするか、羽織りの下に着る服にするなど、役割を変えます。人と会う日の服は、戻る力のある素材のものから選ぶようにします。
最後に、ボトムとワンピースを着て、全身の写真を撮ります。くるぶし・ひざ・手首のどれかが見えているかを確かめ、見えていないものは、裾を折り返す、袖をまくる、靴を変えるなどで調整します。調整しても合わないものだけを、買い足しの候補にします。
この手順で見直すと、多くの場合、手放すものより残せるものの方が多くなります。好きな服を残したまま、今の自分になじむ組み方を見つけることが、40代のファッションを楽しむいちばんの近道です。
40代のファッションで迷ったときの考え方
40代の服選びで迷いやすいのは、情報が多すぎることです。似合う色、似合う形、避けたい服、流行の服など、さまざまな情報があり、どれに従えばいいか分からなくなります。
迷ったときは、この記事の4つの軸に戻ってください。素材の張り、顔の下の色の明るさ、丈の止まる位置、肩と身幅のサイズ感。この4つが合っていれば、どんな形の服でも、今の自分になじみます。逆に、どんなに似合うと言われる形の服でも、4つの軸がずれていれば、しっくりこないと感じます。
迷う理由がどこにあるのかを最初に確かめたい場合は、40代で服が似合わなくなってきた理由で、変化の中身を順に整理しています。理由が分かると、どの軸から動かせばいいかが見えてきます。
服選びを自分ひとりで決めるのが難しい場合は、プロのスタイリストに選んでもらう方法もあります。4つの軸を自分で確かめるのは時間がかかりますが、他の人に選んでもらった服を着てみると、自分では選ばなかった色や形が意外となじむことに気づくことがあります。40代のコーデを人に選んでもらうとどう見えるかは、40代のコーデを選んでもらった記録で紹介しています。
50代に向けて今から準備しておくこと
40代のうちに4つの軸で自分のものさしを持っておくと、50代になったときにも、同じものさしで服を選べます。年齢が変わっても、素材・色・丈・サイズのどこがずれているかを確かめる方法は変わりません。
特に、骨格とパーソナルカラーの傾向は、40代のうちに一度知っておくと役立ちます。年齢とともに似合う色の明るさや素材の厚みは少しずつ変わりますが、自分の系統そのものは大きく変わらないことが多いからです。系統を知っておけば、明るさや厚みだけを調整していけばよくなります。
もう一つの準備は、毎年の衣替えのときに、4つの軸で手持ちの服を見直す習慣をつけることです。年に2回、春と秋の衣替えのときに、顔の下の色、生地の戻り、丈、肩と身幅を確かめるだけで、服が合わなくなったと感じる前に、少しずつ更新していけます。
まとめ:4つのものさしと地図の使い方
40代のファッションで変えるのは、素材の張り、顔の下15cmの色の明るさ、くるぶし・ひざ・手首で止まる丈、肩の縫い目と身幅のこぶし1つのサイズ感の4つです。好きな色、好きな形、自分らしい組み合わせは、変えなくてかまいません。
まずは顔の下に来るトップスを1枚、張りのある素材で1段明るい色に置き換えてみてください。それだけで、手持ちの服の多くが、もう一度生きてきます。そのうえで、場面や季節、体型の気になるところに合わせて、この記事から個別の記事へ進んでください。
この記事は、40代のファッションの全体を見渡すための地図です。骨格やパーソナルカラーの傾向を知りたいときは診断へ、場面ごとの決まりを知りたいときは場面別の記事へ、季節の服を選びたいときはコートやニットの記事へ、と目的に合わせて使い分けてください。迷ったときは、いつでもこのページの4つのものさしに戻ってきてください。
よくある問い
- Q. 40代になったら、30代まで着ていた服は全部手放したほうがいいですか
- 全部を手放す必要はありません。好きな形や好きな色はそのまま残してください。見直すのは、生地がくたっとしてきたもの、顔の下に来る色が暗すぎるもの、丈やサイズが今の体に合わなくなったものだけです。手持ちの服を一度すべて出して、この3つに当てはまるものだけを分けると、多くの人は全体の3割前後に収まります。
- Q. 40代のファッションで、まず1枚買うなら何がいいですか
- 顔のすぐ下に来るトップスを1枚選んでください。張りのある素材で、今まで着ていた色より1段明るい色か、つやのある素材のものです。顔まわりは人と話すときに最も長く見られる場所なので、ここが変わるだけで、手持ちのボトムや羽織りはそのまま使えます。
- Q. 骨格診断やパーソナルカラー診断は受けたほうがいいですか
- 受けると、迷ったときの決め手が増えます。40代は、素材と色の選び方で印象が変わりやすい年代なので、自分の体の質感と、肌に映える色の傾向を一度知っておくと、買い物の失敗が減ります。メグラシでは無料の骨格診断とパーソナルカラー診断を用意しているので、まずはそちらで傾向をつかんでから、この記事の表に当てはめてください。
- Q. 流行の服は、40代でも取り入れていいですか
- 取り入れて大丈夫です。迷ったときは、流行の形は1点だけにして、素材は張りのあるもの、色は手持ちの服とつながるものを選びます。流行の形と流行の色を同時に入れると、その服だけが浮いて見えやすくなるので、どちらか一方にとどめると手持ちの服となじみます。
— メグラシ編集部





