骨スト スラックス|腰で引っかかるか太ももで張るかで型を分ける

骨格ストレートでスラックスを選ぶなら、まず試着して布がどこで止まるかを見てください。腰とお尻で引っかかって横じわが出る人は、股上が深めでワンタックの型を選びます。太ももの前で張って折り目が割れる人は、わたり幅にゆとりがあり、折り目が膝の中心を通る型を選びます。
腰で引っかかる人が「骨ストはすっきりした細身」と思ってノータックの浅い股上を選ぶと、お尻の厚みに布が足りずに、腰骨の下に横じわが何本も出ます。太ももで張る人が「骨ストはハイウエストのタック入り」と聞いてタックの深い型を選ぶと、腰から太ももまでが一続きに膨らみます。同じ骨格ストレートでも、止まる場所が違えば正解が逆になります。
両方で止まる人は、腰に合わせてから太ももを確かめてください。太ももに合わせてサイズを上げると、腰が余ってウエストに布がたまります。腰が合ったうえで太ももが張るなら、そのときに初めてわたり幅の広い型か、ひとつ上のサイズを試します。この順番を守るだけで、試着の回数が半分ほどに減ります。
先に測る2か所 ── 腰か太ももか
試着室で鏡の前に立ち、横を向いて2か所を見ます。
1か所目は腰骨の下からお尻の一番高い位置までです。ここに横向きのしわが2本以上出ていたら、腰で引っかかっています。しわが出ずに布がまっすぐ落ちていれば、腰は合っています。
2か所目は太ももの前、脚の付け根から10cmほど下です。正面を向いて、折り目がこの位置でまっすぐ通っているかを見ます。折り目が外へ開いている、または太ももの位置で布が引っ張られて光っているなら、太ももで張っています。
| 見る場所 | 止まっているときの見え方 | 選ぶ型の軸 |
|---|---|---|
| 腰骨の下〜お尻 | 横じわが2本以上、後ろのポケットが外へ開く | 股上の深さ・タックの有無 |
| 太ももの前 | 折り目が外へ流れる、生地が光る | わたり幅・折り目の位置 |
| 両方 | 腰の横じわと折り目の割れが同時に出る | 腰を先に合わせる |
この2か所は、立ったままより、片足を一歩前に出した姿勢のほうがはっきり出ます。歩いたときの形が人に見える形なので、鏡の前で一歩踏み出してから確かめてください。
腰で引っかかる人 ── 股上とタックで布を足す
腰とお尻で引っかかる人は、お尻が高い位置で厚く、腰骨から下に急に量が出る体です。ここに布が足りないと、どれだけウエストが合っていても横じわが出ます。
選ぶのは股上が深めの型です。股上の目安は、ウエストのベルト位置から股の縫い目まで25cm前後。20cmを切る浅い型は、お尻の厚みでウエストが後ろへ引っ張られ、前のファスナー部分が浮きます。
タックはワンタックが合います。タックはウエストから下へ布の量を足す仕組みなので、お尻の厚みを吸ってくれます。ただし縫い止めの位置を見てください。タックの縫い止めが腰骨のあたりで終わっているものは、腰だけに布を足してそこから下はまっすぐ落ちるので、骨格ストレートでも膨らみません。縫い止めが腰骨より下まで長く続くものは、太ももまで布が広がるので避けます。
後ろのポケットも見るところです。腰で引っかかる人は、後ろのポケットが外側へ開いて口が浮きやすいです。ポケットの口が閉じた状態で座れるかどうかを試着で確かめてください。口が開いたままになるなら、そのスラックスはまだお尻に布が足りていません。
太ももで張る人 ── わたり幅と折り目で逃がす
太ももの前で張る人は、太ももの前側に筋肉の厚みが出やすい体です。腰まわりは合っていても、脚の付け根から下で布が足りなくなります。
選ぶのはわたり幅に余裕のある型です。わたり幅は、股の縫い目の高さで測った太ももまわりの布の幅です。履いた状態で、太ももの前の布を指でつまみ、2本分つまめるならゆとりは足りています。1本もつまめないなら、座ったときに縫い目が引っ張られます。
折り目は膝のお皿の中心を通っているかを見ます。太ももの張りで布が外へ引かれると、折り目は膝の外側へ流れます。この状態だと、折り目がまっすぐな縦線にならず、脚の外側の張りを強調する線になります。
タックはノータックか、浅いインタックが合います。太ももで張る人は腰には布が要らないので、タックで腰に量を足すと、腰と太ももが一続きに膨らみます。ノータックで股上は普通〜やや深め、わたり幅はゆったり、裾に向かってまっすぐ落ちる型が、骨格ストレートで太ももが張る人のいちばん外しにくい形です。
両方で止まる人 ── 腰を先に合わせる
腰と太ももの両方で止まる人は、骨格ストレートの中でも、下半身全体に厚みがある体です。この場合、どちらに合わせるかで結果が大きく変わります。
先に合わせるのは腰です。理由は、腰はお直しで布を足せないからです。太もものわたり幅は、裾から縫い目をほどいてわずかに出せることがありますが、腰とお尻の布はほとんど出せません。腰が合っているものの中から、太ももが入るものを探します。
手順はこうです。まず腰で横じわが出ないサイズを決めます。次にそのサイズで、太ももの前を指でつまみます。指1本分しかつまめなければ、同じサイズで型違い(わたり幅の広い型)を試します。型を変えても足りなければ、ひとつ上のサイズを試し、そのときにウエストが指2本以上余るようなら、ウエストだけを詰めるお直しを前提にします。
逆に、太ももに合わせてサイズを上げてから腰を見ると、ウエストに布がたまり、ベルトを締めるとギャザーのように寄ります。骨格ストレートの腰まわりに寄ったしわは、体の厚みをさらに足して見せます。
どちらとも言えない人 ── 座ったときで決める
立っているときはどちらも問題なく見えるのに、なんとなく合っていない気がする。そういう人は、座ったときに答えが出ます。
試着室に椅子があれば座ってください。なければしゃがむ姿勢でもかまいません。座って10秒したら、どこが一番きついかを感じ取ります。
- 腰の後ろ、ベルトの位置が下へ引っ張られる → 腰で引っかかる側。股上を深くする
- 太ももの前、付け根から膝までがきつい → 太ももで張る側。わたり幅を広げる
- 膝の裏がきつい → ふくらはぎで張る側。裾に向かって細くなる型を外す
立って見えないものが、座ると出ます。仕事でスラックスを履く人は、1日の大半を座って過ごすので、座ったときにきつくない型を選ぶことが、そのまま1日中形が崩れないことにつながります。
それでも決められないときは、腰で引っかかる側として選んでください。腰の合っていないスラックスは、立っても座っても横じわが出るので、人から見えるのも腰のほうです。
生地 ── 厚みと戻りで選ぶ
骨格ストレートは体に張りがあるので、生地が薄いと体の形をそのまま拾います。スラックスの生地は、厚みがあって戻りの早いものを選びます。
生地の厚みは、指でつまんで確かめます。つまんだ指の間で、生地が2枚重なった厚みが、はがき2〜3枚分あれば十分です。はがき1枚ほどの薄いものは、太ももの前で張りが出たときに、筋肉の形が透けるように見えます。
戻りは、生地を握って5秒数え、手を離したときにしわが消えるかで見ます。すぐ消えるものは、座って立ったあとも折り目が残ります。しわが残るものは、膝の裏と太ももの付け根に、1日の終わりには横じわがくっきり出ます。
秋冬に選ぶなら、毛の混ざったなめらかな生地か、表面が平らに整った化繊の厚手が向いています。起毛の強い生地や、ざっくりした織りは、骨格ストレートの張りのある体に重さを足すので、スラックスでは避けたほうが無難です。
裾幅と丈 ── 靴の甲で決める
裾幅は、わたり幅と比べて決めます。骨格ストレートは、裾幅がわたり幅とほぼ同じか、わずかに細いくらいの、まっすぐ落ちる型が収まります。
裾に向かって広がる型は、腰で引っかかる人が履くと、腰の厚みと裾の広がりで上下に量が出て、膝のあたりが細く見えます。裾に向かって細くなる型は、太ももで張る人が履くと、太ももの張りだけが強調されます。どちらの人も、まっすぐ落ちる型がいちばん外しません。
丈は靴を履いた状態で決めます。
- 甲の浅いパンプスやローファー → 裾が甲に軽く触れる丈
- ショートブーツ → 裾がブーツの履き口を2〜3cm覆う丈
- スニーカー → くるぶしが少し見える丈
骨格ストレートは、裾が靴の上でたまると脚が短く見えやすいです。裾が甲の上で1回だけ折れるくらいまでにして、2回以上たまるなら丈を詰めてください。
ウエストとベルト ── 入れる量で変わる
スラックスはトップスを入れて履く日が多いので、入れる量で腰の見え方が変わります。
腰で引っかかる人は、トップスを全部入れると、お尻の厚みと入れた布の厚みが重なって、腰まわりが膨らみます。前だけ入れて後ろは出す、またはトップスの丈をお尻の一番高い位置にかかる長さにして出して着ると、腰の厚みを隠さずに整えられます。
太ももで張る人は、トップスを全部入れてベルトを締めたほうが、腰の位置がはっきりして、太ももとの比率が整います。ベルトは幅2.5〜3cmの、表面に艶のある革か合皮が合います。幅の細いベルトは、骨格ストレートの胴の厚みに対して弱く見えます。
ベルトの位置と幅の決め方は、胴の長さと胸の厚みで変わるので、別の記事にまとめています。
上に合わせる服 ── 着丈で全体を決める
スラックスの上に着る服の着丈は、腰と太もものどちらで止まるかによって変わります。
腰で引っかかる人は、着丈が腰骨にかかるか、お尻の上半分にかかるくらいが合います。腰の一番厚い位置を布で覆うと、スラックスの腰まわりが目立ちません。短い丈を合わせると、腰の厚みがそのまま出ます。
太ももで張る人は、着丈を腰骨の位置で終えるか、入れて着ます。お尻を覆う長さの上着は、太ももとの境目をぼかしてしまい、下半身全体が長く重く見えます。
ジャケットを羽織るなら、着丈はお尻の一番高い位置で終わるものが、どちらの人にも合います。それより長いジャケットは、スラックスの腰まわりの形を隠すので、合っていても合っていなくても見えなくなります。
仕事で履くか、休日に履くか
同じスラックスでも、仕事と休日では見られ方が違います。
仕事で履く人は、折り目がまっすぐ通っていることを最優先にしてください。折り目は「整っている」という印象を担う線なので、ここが割れていると、生地や色がよくても乱れて見えます。太ももで張る人が仕事用を選ぶなら、わたり幅のゆとりを最初に確かめます。
休日に履く人は、折り目のない型や、裾を一度折り返す型も選べます。骨格ストレートは折り目がなくても、生地に張りがあれば脚のまっすぐさは出ます。腰で引っかかる人は、休日用こそワンタックで股上の深い型を選ぶと、座っている時間が長くても横じわが出ません。
両方に使い回したい人は、色をグレーかネイビーにして、折り目のある型を選びます。仕事ではそのまま、休日はスニーカーと厚手のニットで崩すと、1本で2つの場面が回ります。
手持ちのスラックスを直す
すでに持っているスラックスが合っていないときも、止まる場所によって直せる範囲が変わります。
腰で引っかかる人の手持ちは、腰とお尻の布が足りない状態なので、お直しで足すのは難しいです。ただ、ウエストが余っているなら、ウエストだけを詰めて、ベルトを少し低い位置で留めると、股上が浅く感じる分を補えることがあります。
太ももで張る人の手持ちは、わたり幅を股の縫い目から少しだけ出せる場合があります。縫い代が1cm以上残っているかを、内側の縫い目で確かめてください。縫い代が5mmしかないものは出せません。
丈は、どちらの人でも直せます。裾が靴の上で2回以上たまっているなら、丈を詰めるだけで脚のまっすぐさが戻ります。手持ちの1本を直すか、新しい型を探すかは、腰か太ももかで決めると迷いません。
冬の足元 ── タイツと靴で厚みを足さない
秋の終わりから冬にかけて、スラックスの下にタイツを履く日が増えます。タイツの厚みで、太ももの張りが一段強くなることがあります。
太ももで張る人は、厚手のタイツを履いた状態で試着してください。夏に買ったスラックスが冬にきつくなるのは、多くがタイツの厚みのせいです。わたり幅のゆとりが指2本分あれば、厚手のタイツでも足ります。
靴は、ショートブーツなら履き口がくるぶしより上で、筒が脚に沿うものを選びます。筒の広いブーツは、裾の中で布がたまり、足首まわりに量が出ます。
腰で引っかかる人は、冬に重ねるのは上半身のほうが多いので、下は普段どおりで足ります。ただし、腰に厚手の肌着を重ねると、それだけでお尻の布が足りなくなるので、腰まわりの肌着は薄手にしてください。
迷ったときの決め方
ここまでで決められないときは、次の順で決めてください。
- 横を向いて、腰骨の下に横じわが出るか見る。出るなら腰で引っかかる側
- 正面を向いて、折り目が膝の中心を通るか見る。外れるなら太ももで張る側
- 両方出るなら、腰に合わせたサイズで太ももを確かめる
- どちらも出ないなら、座って10秒、きつい場所で決める
- それでも決まらないなら、腰で引っかかる側として選ぶ
骨格ストレートのスラックス選びは、「骨ストに合う型」を1つ探すことではなく、自分の体で布がどこで止まるかを見て、そこに布を足すか逃がすかを決めることです。パンツ全体の合わせ方は、骨格ストレートのパンツの記事にまとめてあります。ワイドパンツで太ももの張りが前か横かを分けたい人は、そちらの記事も合わせて見てください。
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よくある問い
- Q. 骨格ストレートはセンタープレスのスラックスが似合わないと言われました
- 折り目そのものが合わないのではなく、折り目が太ももの張りで割れて見えているのが原因のことが多いです。立った状態で前から見て、折り目が膝のお皿の中心を通っていれば合っています。膝より外へ流れていたり、太ももの位置で折り目が開いていたりするなら、わたり幅が足りません。ひとつ上のサイズを試すか、わたり幅に余裕のある型に変えてください。折り目がまっすぐ通るだけで、骨格ストレートの脚はむしろすっきり見えます。
- Q. ノータックとワンタック、骨格ストレートはどちらが合いますか
- 腰とお尻で引っかかる人はワンタック、太ももの前で張る人はノータックかインタックの浅いものが合いやすいです。ワンタックは腰まわりに布の量を足すので、お尻の厚みで生まれる横じわを逃がせます。一方で太ももが張る人がタックの深い型を選ぶと、腰から太ももまでが一続きに膨らんで見えます。迷うときは、タックが縫い止めてある位置を見てください。縫い止めが腰骨より下まであるものは、骨格ストレートには布が多すぎます。
- Q. ストレッチの入ったスラックスなら、どの型でも履けますか
- 履けますが、骨格ストレートの場合は張りのある体に生地が沿いすぎて、太ももの形がそのまま出ることがあります。ストレッチ素材を選ぶときは、生地を指でつまんで離したとき、すぐ戻るものを選んでください。戻りの遅い柔らかいものは、座ったあとに膝と太ももに跡が残ります。伸びることより、厚みと戻りを優先するほうが、1日の終わりまで形が崩れません。
- Q. 低身長でもワイド寄りのスラックスは履けますか
- 裾が靴の甲にかかる丈で、裾幅が太もものわたり幅とほぼ同じなら履けます。裾にかけて広がる型は、骨格ストレートの低身長だと下半身の面積が増えて重く見えます。まっすぐ落ちる型を選び、靴は甲が見えるものか、つま先の細いものにしてください。股下の詳しい合わせ方はワイドパンツの低身長向けの記事にまとめています。
— メグラシ編集部





