デニムを洗う頻度|履いた回数より、伸びる糸と色の濃さで決める

手元のデニムを1本、裏返して洗濯表示のタグを見てください。「綿100%」だけですか、それとも「ポリウレタン」などの伸びる糸が数%入っていますか。
デニムを洗う頻度は、この1行と、色の濃さで決まります。**綿だけの濃い1本なら10回に1回、伸びる糸が入っていれば5回に1回、淡い色で伸びる糸入りなら3〜4回に1回。**これが上限です。汗や食べこぼしがあった日は、回数に関係なくその日に洗います。
店に出す服と家で洗う服の頻度はクリーニングに出す頻度でまとめていて、そこではデニムを「家で洗う側・目安10回」と1行で書きました。この記事は、その10回を自分の1本に合わせて割り直す話です。
結論|伸びる糸の有無と色の濃さで、洗う回数は4つに分かれる
デニムの洗う回数を分けるのは、2つの質問だけです。
- 伸びる糸(ポリウレタンなど)が入っているか
- 色が濃いか、淡いか
| 伸びる糸 | 色 | 洗う回数の上限 | 回数を決めている理由 |
|---|---|---|---|
| 入っていない | 濃い(濃紺・黒) | 10回 | 生地が厚く形が崩れにくい。色を残したいので回数を延ばす |
| 入っていない | 淡い(水色・白っぽい) | 6〜7回 | 形は崩れにくいが、汚れが目に見えるのが早い |
| 入っている | 濃い | 5回 | 膝と腰が伸びて戻らなくなる前に、洗って形を戻す |
| 入っている | 淡い | 3〜4回 | 形と汚れの両方が早く出る |
**回数を延ばしたいなら、伸びる糸の入っていない濃い1本が向いています。**伸びる糸の入った1本は、洗うことで形を戻す服なので、回数を延ばすほど膝と腰が戻りにくくなります。
この4つの回数は、上限として読んでください。上限に届く前に汗をかいた日、食べこぼした日、膝が出てきた日があれば、そこで洗います。反対に、上限に届いても匂いがなく形も崩れていなければ、あと1〜2回延ばしても大きな差は出ません。決めるのは回数ですが、回数を動かすのは、その日の汗と形です。
3分で自分の1本の回数を決める
手元のデニムについて、次の順に見ていけば、3分ほどで洗う回数が決まります。
- 裏返して洗濯表示のタグを読み、伸びる糸が入っているかを確かめる
- 窓の近くで白い紙の上に置き、膝とポケットの口の色の濃さを見る
- 上の表から、上限の回数を1つ選ぶ
- 脱いだ日に吊るす習慣があるかを思い出す。無ければ上限の8割にする
- 秋冬にタイツやレギンスを下に履く予定があるかを考える。あれば、その日は0.5回で数える
- 決まった回数を、ハンガーのタグや引き出しの内側に書いておく
**2本以上あるなら、1本ずつ別の回数になります。**まとめて「デニムは10回」と覚えると、伸びる糸の入った1本だけ膝が戻らなくなります。
確かめる①|伸びる糸が入っているか
洗濯表示のタグには、使われている糸の割合が書いてあります。
| タグの書き方 | 伸びる糸 | 数える段 |
|---|---|---|
| 綿100% | 入っていない | 伸びない側 |
| 綿98%・ポリウレタン2% | 少し入っている | 伸びる側 |
| 綿90%台・ポリエステル・ポリウレタン | 入っている | 伸びる側 |
| 綿・レーヨン・ポリウレタン | 入っている。やわらかい | 伸びる側。形の戻りがいちばん遅い |
| 綿・ポリエステル(ポリウレタン無し) | 入っていない | 伸びない側。ただし乾きが早い |
| タグが切れていて読めない | 分からない | 下の「引っぱって確かめる」へ |
タグが読めないときは、腰の横の生地を両手でつまみ、横に引っぱってください。**手を離したときにすぐ元に戻れば、伸びる糸が入っています。**引っぱっても伸びない、あるいは伸びたまま戻らないなら、伸びない側として数えます。
引っぱって確かめるときは、腰の横のように縫い目から少し離れた場所を選んでください。縫い目の上は糸が重なっていて、伸びる糸が入っていても伸びにくく感じます。**膝の裏も避けてください。**履いているうちにすでに伸びている場所なので、判断が甘くなります。
確かめる②|色の濃さは、白い紙の上で見る
色の濃さは、部屋の照明の下では判断がぶれます。昼間の窓の近くで、A4の白い紙の上にデニムの太ももの部分を置いて見てください。
| 紙の上での見え方 | 数える段 |
|---|---|
| 紙との差が大きく、布の目がほとんど見えない | 濃い |
| 布の目の白い糸がところどころ見える | 濃い(上限を1回減らす) |
| 全体が明るい青で、白い糸がはっきり見える | 淡い |
| 白・生成り・灰色に近い | 淡い(汚れの見え方で決める) |
| 黒で、紙との差が大きい | 濃い |
**色の段を決めるのは、いちばん色が残っている太ももの前ではなく、よく擦れる膝か、ポケットの口です。**そこがすでに白っぽいなら、1本全体を淡い側で数えるほうが、洗い忘れを減らせます。
回数の数え方|「履いた日」ではなく「4時間以上素肌に当たった日」
洗う回数がずれる原因でいちばん多いのが、数え方です。玄関先に出た10分と、1日通勤で座っていた日を、同じ1回で数えてしまう。
| その日の履き方 | 数え方 |
|---|---|
| 1日外で過ごした(4時間以上) | 1回 |
| 半日(2〜4時間)の外出 | 0.5回 |
| 近所の買い物・ごみ出し(2時間未満) | 数えない |
| 家の中で座って過ごした1日 | 1回 |
| 下にタイツ・レギンスを履いた1日 | 0.5回 |
| 下に厚手のタイツを履き、汗をかかなかった1日 | 0.5回 |
| 汗をかいた日(歩いた・暖房の中にいた) | 回数に関係なく洗う |
| 食べこぼし・雨の泥はね | その日に洗う(場所だけでも) |
家の中で座って過ごした日を1回で数えるのは、座っているあいだ、腰と太ももの裏が生地に押しつけられているからです。立って歩く外出より、生地に当たっている時間はむしろ長くなります。
反対に、ごみ出しや近所への10分の外出を数えないのは、そのあいだに汗も皮脂もほとんど生地に移らないからです。ただし、その短い外出を1日に何度も繰り返した日は、合計で2時間を超えたら0.5回として数えてください。数えるのは出かけた回数ではなく、生地が体に当たっていた時間の合計です。
秋冬に回数を延ばせる条件
10月から先は、デニムの下にタイツやレギンスを履く日が増えます。素肌が生地に当たる面が減るので、数え方を半分にしてかまいません。
| 秋冬の条件 | 延ばし方 |
|---|---|
| 下にタイツ・レギンスを履いた | 0.5回で数える |
| 上に長めのニットを着て、腰がニットの下にある | 腰の汚れは少ない。回数はそのまま |
| 暖房の効いた室内に長くいた | 汗をかいていれば、延ばさない |
| 雨や雪の日に裾が濡れた | 裾だけ洗って乾かす。本体は数えたまま |
| 脱いだ日に一晩風を通した | 上限まで延ばしてよい |
| 脱いでたたんでしまった | 上限の8割で洗う |
**延ばしていいのは、汗をかかなかった日だけです。**秋冬は寒くても、暖房の効いた電車や店の中で汗ばむことがあります。帰ってきて膝の裏が湿っていたら、その日は1回どころか洗う日として扱ってください。
タイツやレギンスを下に履く日が多い季節は、洗う回数が延びるぶん、デニムより下に履いたタイツのほうが先に洗う時期を迎えます。タイツは履くたびに洗うものとして分けて考え、デニムの回数とは別に数えてください。タイツの洗い方としまい方はタイツの電線を減らす洗い方としまい方にあります。
回数を縮める条件
逆に、回数に届く前に洗う日があります。
| 起きたこと | 洗うタイミング |
|---|---|
| 膝の裏や腰に汗がたまった | その日に洗う |
| 食べこぼし・飲みこぼし | その日のうちに、その場所だけでも |
| 雨の泥はね | 乾いてからブラシで落とし、落ちなければ洗う |
| 床に座る時間が長かった | 回数を1つ多く数える |
| 小さな子どもを抱いた・動物を抱いた | 回数を1つ多く数える |
| 膝の出っ張りが1.5cmを超えた | 回数に関係なく洗う |
| 腰まわりに匂いがある | その日に洗う |
| 淡い色で、膝やお尻に灰色の影が出た | その日に洗う |
縮める条件のうち、いちばん見落とされるのが膝の出っ張りです。伸びる糸の入ったデニムは、回数より先に形が知らせてくれます。
伸びるデニムは、膝の出っ張りで洗う日を決める
伸びる糸の入ったデニムは、履いているうちに膝と腰が伸びていきます。洗って乾かすと、伸びた糸がある程度戻ります。だから、このタイプは「汚れたから洗う」より「形を戻すために洗う」服です。
測り方は1分で終わります。
- 脱いだデニムを、平らな床か机に表を上にして置く
- 裾から腰まで、手のひらで一度なでてしわを伸ばす
- 膝のいちばんふくらんだところに、定規を立てて高さを読む
| 膝の出っ張り | 判断 |
|---|---|
| 1cm未満 | 回数どおり |
| 1〜1.5cm | 次に履いた日を最後に洗う |
| 1.5〜2.5cm | 回数に届いていなくても洗う |
| 2.5cm以上で、洗っても戻らない | 伸びる糸が弱っている。履く頻度を下げる |
| 左右で差が1cm以上 | 片足に体重をかけて座る癖。回数は多いほうに合わせる |
匂いで決めるときは、2か所だけ嗅ぐ
回数を数え忘れたときは、匂いで決めて構いません。嗅ぐのは、腰の裏の帯の内側と、膝の裏の2か所です。
| 場所 | 匂いがあったら |
|---|---|
| 腰の帯の内側 | 洗う。ここは汗と皮脂がいちばんたまる |
| 膝の裏 | 洗う。座っているあいだ、ずっと押しつけられている |
| 裾 | 裾だけ洗って乾かす。本体の回数は続ける |
| ポケットの中 | 中身を出して、裏返して風を通す |
腰の帯と膝の裏の両方に匂いがなければ、回数を上限まで延ばしてかまいません。
匂いを確かめるのは、脱いですぐではなく、一晩吊るした翌朝にしてください。脱いだ直後は体温で湿っていて、どのデニムでも少し匂います。一晩置いても腰の帯の内側に匂いが残っているなら、それは生地の中に残った汗です。その場合は回数に届いていなくても洗う日です。
洗う前の4つの準備
洗う回数を延ばしたいなら、洗うたびの傷みを減らすのがいちばんの近道です。洗濯機に入れる前に、この4つを済ませてください。
| 準備 | 理由 |
|---|---|
| ポケットの中を全部出す | 紙が溶けて繊維に残る。糸くずもここにたまる |
| 前のボタンとファスナーを閉じる | 開いたままだと、金具が他の服や生地そのものを擦る |
| 裏返す | 表の色が擦れて白くなるのを防ぐ。汚れは裏側に多い |
| たたんでネットに入れる | 洗濯機の中でねじれず、脚の部分が絡まない |
| 裾の砂や泥を払う | 洗濯機の中で細かい粒が生地を擦る |
| 色の濃い1本は単独か、濃い色どうしで | 最初の数回は色が出やすい |
**裏返すのを忘れると、表の色が洗うたびに抜けます。**色を残したい1本なら、この1つだけは毎回外さないでください。
家で洗えない1本を、洗濯表示の印で先に分ける
回数を数える前に、そもそも家で洗える1本かどうかを確かめておきます。デニムのほとんどは家で洗えますが、飾りや裏地のついた1本の中には、家で洗うと形が崩れるものがあります。
| 洗濯表示の印 | 扱い |
|---|---|
| 洗濯おけの印に数字(30・40など) | 洗濯機で洗える。数字は水温の上限 |
| 洗濯おけに手を入れた印 | 手洗い。桶で押し洗い |
| 洗濯おけに×の印 | 家では洗わない。店に出す |
| 丸の中にPやFの文字だけ | 店での洗い方の指定。家の洗濯とは別に確かめる |
| 四角の中に丸(タンブル乾燥)に×の印 | 乾燥機に入れない |
**洗濯おけに×の印がある1本は、この記事の回数ではなく、店に出す頻度で考えてください。**店に出す品目の数え方はクリーニングに出す頻度にあります。
洗い方の選び方|洗濯機か、手洗いか
家の洗濯機で洗って構いません。選ぶのはコースと水温です。
| 条件 | 選び方 |
|---|---|
| 綿だけの濃い1本 | 洗濯機の弱い水流のコース。水は常温 |
| 伸びる糸の入った1本 | 弱い水流のコース。脱水は短く |
| 淡い色の1本 | ふつうのコースでよい。脱水は短く |
| 買って最初の1〜3回 | 単独で洗う。桶で水に浸けて色の出方を見てからでもよい |
| 洗濯表示に手洗いの印 | 桶に水を張り、押し洗いを20回ほど |
| 装飾(ビーズ・刺しゅう)がある | 裏返してネットに入れ、手洗いに回す |
**お湯は使わないでください。**水温を上げると、色は抜けやすく、綿は縮みやすくなります。洗剤は、濃い色を残したいなら、蛍光剤の入っていないおしゃれ着用の液体洗剤が向いています。粉の洗剤は溶け残りが白い筋になることがあります。
漂白剤は使わないでください。濃い色のデニムでは色が部分的に抜けて、まだらになります。淡い色の1本でも、白っぽくしたいからといって漂白剤を足すと、その部分だけ生地が薄くなります。汚れが落ちないときは、洗う強さを上げるのではなく、その場所だけ先に洗剤をなじませてから洗濯機に入れるほうが、生地を傷めません。
干し方|裏返しのまま、筒にして日陰に
干し方で、次に履く日の形が変わります。
| 干し方 | 仕上がり |
|---|---|
| 裏返しのまま、腰を上にして筒状に干す | 中まで乾きやすい。色が日に当たらない |
| 裾を上にして逆さに干す | 腰の厚い部分が下になり、乾きが遅い |
| 二つ折りにして物干しざおにかける | 折り目の部分が乾かない。折り跡が残る |
| 直射日光の下で表のまま | 色が早く抜ける。とくに黒 |
| 伸びる糸入りを乾燥機で | 伸びる糸が熱で弱る。避ける |
| 干す前に、脚を上下に軽く引く | しわと縮みが減る。アイロンが要らなくなる |
筒状に干すというのは、ピンチのついたハンガーで腰の帯を丸く挟み、脚の中に空気が通るようにすることです。腰の部分がいちばん乾きにくいので、腰の帯を広げておくと乾く時間が縮みます。
秋は乾く時間を先に見ておく
秋から冬は、デニムが一晩で乾かない日が出てきます。乾ききらないまま片付けると、次に出したときに匂いが戻ります。
| 干す場所と季節 | 乾く時間の目安 |
|---|---|
| 秋の晴れた日・外 | 半日 |
| 秋の曇りの日・外 | 1日 |
| 室内・暖房なし | 1日半 |
| 室内・除湿機か扇風機を当てる | 半日〜1日 |
| 浴室に干して換気扇を回す | 1日 |
| 冬の室内・暖房あり | 1日 |
乾いたかどうかは、腰の帯の内側とポケットの袋布を指でつまんで確かめます。表が乾いていても、ここが湿っていたら、もう半日干してください。
乾ききらないうちに次の予定が来てしまうときは、腰の帯の内側にドライヤーの冷たい風を当てるか、扇風機の前に吊るして1時間ほど置いてください。温かい風を近くから当て続けると、伸びる糸の入ったデニムは膝や腰の形が戻りにくくなります。
洗わない日の手入れ|脱いだ日に一晩、風を通す
洗う回数を延ばすかどうかを決めるのは、洗わない日の扱いです。脱いだ日に何をするかで、上限まで延ばせるかが決まります。
| 脱いだ日にすること | 効き目 |
|---|---|
| ハンガーに腰を吊って一晩かける | 汗と湿気が抜け、匂いが残りにくい |
| 裏返してかける | 腰と膝の裏に風が通る |
| 表面をブラシで上から下へ払う | ほこりと細かい汚れが落ちる |
| 膝を手でなでて伸ばす | 膝の出っ張りがつきにくい |
| そのままたたんで引き出しへ | 湿気が抜けず、回数を延ばせなくなる |
脱いですぐたたむ習慣がある人は、**回数の上限を8割にして数えてください。**一晩吊るす習慣がある人は、上限まで延ばして大丈夫です。
色移りを防ぐ|最初の数回と、白いものとの相性
濃い色のデニムは、洗い始めの数回で色が出ます。
| 場面 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 買ってから最初の1〜3回 | 洗濯の水が青くなる | 単独で洗う |
| 淡い色のニットと一緒に | ニットが青っぽくなる | 分けて洗う |
| 白いスニーカー・白いバッグ | 擦れた場所に色が移る | 最初の数回は組み合わせない |
| 雨の日に濡れた | 濡れたところから色が移りやすい | 濡れたまま白い服と重ねない |
| 淡い色のソファやシーツ | 座った跡が青くなる | 初めて履く日は、濡れていない状態で座る |
最初の数回で水がほとんど色づかなくなったら、濃い色どうしなら一緒に洗って構いません。
色がどれくらい出るかは、最初に洗う前に確かめられます。白い布を少し水で湿らせ、デニムの裏側の目立たないところを軽く押さえてください。布が青くなるなら、しばらく単独で洗う1本です。ほとんど色がつかなければ、2回目からは濃い色どうしで一緒に洗えます。
淡い色と白のデニムは、汚れの見え方で決める
淡い色のデニムは、色を残す心配が少ない代わりに、汚れが目に見えるのが早くなります。
| 見る場所 | 洗う合図 |
|---|---|
| 膝・お尻 | 灰色の影が出た |
| ポケットの口 | 手の跡で色が変わった |
| 裾の後ろ | 靴のかかとが当たって黒くなった |
| 腰の帯 | ベルトやトップスの色が移った |
| 太ももの内側 | 擦れて毛羽立った。これは汚れではなく摩耗 |
**太ももの内側の毛羽立ちは、洗っても戻りません。**洗う回数を増やしても変わらないので、ここは回数の判断に入れないでください。
黒いデニムは、濃い段で数えて早めに洗う
黒は濃い段に入りますが、濃紺とは色の抜け方が違います。濃紺は青が抜けて水色に近づき、黒は灰色に近づきます。灰色に近づいた黒は、濃紺よりも古く見えやすいので、色を残したいなら濃紺より少し早めに洗い、干す場所を選んでください。
黒の色を長く残したいときに効くのは、洗う回数を減らすことより、日差しに当てないことです。窓際の室内干しでも、午後の日が長く当たる場所では灰色に近づきます。黒い1本は、裏返しのまま、日の当たらない側に吊るしてください。
| 黒の状態 | 洗う回数と扱い |
|---|---|
| 買ったばかりで、紙との差が大きい | 濃紺の8割(伸びない側なら8回) |
| 膝やポケットの口だけ灰色がかってきた | 裏返し・常温・日陰を外さない |
| 全体が灰色がかってきた | 回数を延ばしても戻らない。回数は通常どおり |
| 伸びる糸入りの黒 | 5回。膝の出っ張りを優先 |
どちらとも取れるとき①|伸びる糸が2%だけ入っている
タグに「ポリウレタン2%」とあるデニムは、手で引っぱるとほとんど伸びない場合があります。伸びる側か伸びない側か、迷うところです。
**このときは、膝の出っ張りで決めてください。**3回履いて脱いだあと、膝を定規で測ります。1cm未満なら、伸びない側と同じ回数まで延ばして構いません。1cmを超えていたら、伸びる側の5回で数えます。タグの割合ではなく、実際に形が崩れるかどうかが、回数を決めます。
同じ2%でも、生地の厚みで伸び方が変わります。厚い生地に少しだけ入っている1本は、綿だけの1本とほとんど変わらない形の持ち方をします。薄手の生地に同じ割合で入っている1本は、膝がすぐに出ます。**迷ったら、最初の1か月だけ伸びる側の5回で数え、膝を毎回測ってみてください。**1か月で出っ張りが1cmを超えなければ、翌月から伸びない側に移して構いません。
どちらとも取れるとき②|濃い色なのに、膝が出てきた
綿だけの濃い1本なのに、膝が出てくることがあります。綿だけの生地も、長く座ると膝の部分だけ伸びます。
この場合は、**色を残すための10回と、形を戻すための回数を比べて、少ないほうを取ります。**綿だけの生地は、洗って乾かすと縮む方向に戻るので、膝が1.5cm出ていれば、回数に届いていなくても洗ってください。色の抜け方は、裏返し・常温・日陰の3つで抑えられます。
どちらとも取れるとき③|毎日の1本と、週に一度の1本
デニムを2本以上持っていると、よく履く1本と、たまに履く1本で回数の進み方が違います。
| 持ち方 | 数え方 |
|---|---|
| 毎日履く1本 | 回数どおり。ただし連続で履かず、1日休ませると形が戻る |
| 週に1回の1本 | 回数に届くまで数週間かかる。月に一度は吊るして風を通す |
| 季節に数回しか履かない1本 | 回数ではなく、しまう前に1回洗う |
| 2本を交互に履く | 1本ずつ回数を数える。休ませた日は数えない |
**同じ1本を2日続けて履かないだけで、伸びる糸の入ったデニムは膝が戻りやすくなります。**毎日デニムの人は、2本を交互にするほうが、1本を毎日履いて回数どおり洗うより、形が長持ちします。
交互に履くときは、2本の回数を足して数えないでください。**休ませている1本の回数は進みません。**2本とも同じ上限なら、洗う日は1本ずつずれてやってくるので、洗濯機を回す日に2本とも洗う必要もありません。
デニムのスカート・シャツ・ジャケットは、素肌との距離で数える
デニムはパンツだけではありません。同じ生地でも、体のどこに当たるかで洗う回数が変わります。数え方の考え方は同じで、素肌にどれだけ長く当たっているかです。
| 品目 | 素肌との当たり方 | 洗う回数の目安 |
|---|---|---|
| デニムのスカート(タイツを履く季節) | 腰だけ。脚はタイツ越し | パンツの1.5倍まで延ばせる |
| デニムのスカート(素足の季節) | 腰と膝の裏 | パンツと同じ |
| デニムのシャツ(下に何も着ない) | 首・脇・背中 | 2〜3回。シャツと同じ扱い |
| デニムのシャツ(羽織りとして) | 首の後ろと袖口だけ | 5〜6回。襟と袖口の汚れで決める |
| デニムのジャケット | ほとんど当たらない | 季節に1〜2回。襟と袖口を拭く |
| デニムのワンピース | 首・脇・腰 | 3〜4回。脇の汗で決める |
ジャケットは、洗う回数より襟の内側と袖口の汚れで決めてください。固く絞った布で拭くだけで、季節の途中は十分です。洗うのは季節の終わりに1回で構いません。
洗ったあと縮んだと感じたら
洗ったあと、丈が短くなった、腰がきつくなったと感じることがあります。綿は水を含んで乾くときに縮む方向へ動くので、洗ってすぐはきつく感じるのがふつうです。
| 感じたこと | 確かめ方 | 扱い |
|---|---|---|
| 丈が短くなった | 股下を洗う前と後で測る。差が1cm以内か | 1cm以内なら、履いているうちに戻る |
| 腰がきつい | 前のボタンを留めて、指が2本入るか | 入れば、半日履くと戻る |
| 膝下が細くなった | 裾幅を測る | 履く前に裾を上下に軽く引く |
| ねじれて脇の縫い目が前に来た | 床に置いて縫い目の位置を見る | 干すときに縫い目をまっすぐ整える |
| 裾の折り返しがずれた | 折り返しの幅を測る | 洗うたびに折り直す。縫い留めない |
**縮みがいちばん出るのは、買ってから最初の数回です。**洗う前に股下とウエストを一度測ってメモしておくと、洗ったあとに本当に縮んだのか、履き始めのきつさなのかを分けられます。丈を詰める前に、2〜3回洗ってから長さを決めると、詰めすぎずに済みます。丈を直すときの考え方はズボンの丈直しの失敗にまとめています。
しまう前は、回数に関係なく一度洗う
季節の終わりに引き出しの奥へしまうデニムは、回数に届いていなくても一度洗って、完全に乾かしてからしまってください。
腰と膝の裏に残った汗と皮脂は、しまっているあいだに黄ばみや匂いに変わります。次に出したときに気づいても、そこからは落ちにくくなります。しまう前の洗い方と、虫食いを防ぐしまい方は服の虫食いを見つけたらにもまとめています。
回数を忘れないための記録
回数を頭で数えるのは続きません。記録は短くていいので、目に入る場所に置いてください。
| 記録のしかた | 向いている人 |
|---|---|
| ハンガーに洗濯ばさみを1つずつ足す | 吊るして片付ける人 |
| 引き出しの内側にマスキングテープを貼り、正の字を書く | たたんでしまう人 |
| スマートフォンのメモに日付を足す | 複数本を交互に履く人 |
| 洗った日だけを書く | 回数より日数で見たい人。2週間を1つの目安に |
| 記録しない代わりに、毎回2か所の匂いを嗅ぐ | 数えるのが苦手な人 |
よくある行き違い
| 思い込み | 実際 |
|---|---|
| デニムは洗わないほど長持ちする | 色は残るが、汗と皮脂で生地が硬くなり、匂いが先に出る |
| 伸びるデニムも10回まで延ばせる | 膝と腰が戻らなくなる。伸びる側は5回が上限 |
| 表のまま洗ったほうが汚れが落ちる | 汚れは裏側に多い。表のままだと色が擦れて抜ける |
| 乾燥機で乾かせば縮まない | 綿は縮みやすく、伸びる糸は熱で弱る |
| 淡い色は色落ちを気にしなくていい | 色は気にしなくていいが、汚れが見えるのが早い |
| 匂いがなければ何回履いても平気 | 伸びる側は、匂いより先に形が崩れる |
まとめ
- デニムを洗う回数は、伸びる糸の有無と色の濃さで決まる。綿だけの濃い1本は10回、伸びる糸入りは5回、淡い色で伸びる糸入りは3〜4回
- 数えるのは「4時間以上素肌に当たった日」。秋冬にタイツやレギンスを下に履いた日は0.5回
- 伸びる糸の入った1本は、膝の出っ張りが1.5cmを超えたら回数に関係なく洗う
- 洗うときは裏返し・ボタンとファスナーを閉じる・ネット・常温。干すのは裏返しのまま筒にして日陰
- 脱いだ日に一晩吊るすなら上限まで、たたんでしまうなら上限の8割で
今夜、手元のデニムのタグを1行だけ読んで、4つのどこに入るかを決めてください。それだけで、次に洗う日が決まります。回数が決まったら、脱いだ日に吊るすかどうかと、秋冬にタイツを下に履く日を0.5回で数えるかどうかの2つを足して、自分の1本の数字にしてください。
関連記事
よくある問い
- Q. デニムは何回履いたら洗えばいいですか
- 綿だけで濃い色の1本なら、素肌に当たって4時間以上過ごした日を10回数えたところが目安です。伸びる糸が入っている1本は5回、淡い色で伸びる糸が入っている1本は3〜4回まで縮めます。回数はあくまで上限で、汗をかいた日や食べこぼしがあった日は、その日のうちに洗う側に回してください。秋冬にタイツやレギンスを下に履いた日は、素肌に当たる面が減るので半分の0.5回で数えます。
- Q. デニムは洗わないほうが色落ちしないと聞きました。洗わなくても平気ですか
- 洗う回数を減らすと、色の落ち方はゆっくりになります。ただ、洗わずに履き続けると、腰や膝の裏にたまった汗と皮脂が繊維の中に残り、匂いと生地の硬さが先に出てきます。色を残したい場合は、洗わないのではなく、裏返して洗う・水温を上げない・日陰に干すの3つで色の抜け方を抑えてください。そのうえで、脱いだ日に風を通しておけば、回数を上限まで延ばしても匂いは残りにくくなります。
- Q. 伸びるデニムの膝が出てきました。洗えば戻りますか
- 伸びる糸の入ったデニムは、洗って乾かすと膝の出っ張りがある程度戻ります。脱いで平らな床に置き、膝のいちばんふくらんだところの高さを定規で測って、1.5cm以上あれば回数に届いていなくても洗う日です。2.5cmを超えても洗って戻らないときは、伸びる糸そのものが弱っているので、洗い方ではなく履く頻度を下げてください。
- Q. 黒いデニムも同じ回数でいいですか
- 黒は、濃紺と同じ濃さの段に入れて数えて構いません。ただ、黒は色が抜けると白っぽく見えるのが早いので、色を残したいなら上限の回数より手前、濃紺の8割くらいで洗い、洗うときは裏返しを外さないでください。白っぽさが出てきた黒は、洗う回数よりも、干すときの日差しを避けるほうが効きます。
— メグラシ編集部





