ワイシャツ汗染みの落とし方|襟の黒ずみか脇の黄ばみかで分ける

**襟の内側に灰色から黒っぽい線が出ている人。**それは首の皮脂と垢です。漂白剤ではなく、洗剤を直接塗って、四十度前後のぬるま湯で緩めてから洗えば落ちます。
**脇に黄色い輪が浮いている人。**それは汗と皮脂が時間をかけて色の付いたものに変わった状態です。洗剤でこすっても戻らないので、酸素系漂白剤のお湯につけ置きます。
ワイシャツの汗染みは、同じ一枚の中で、襟と脇に中身の違う汚れが出ます。手当てを入れ違えると、何度洗っても残ります。この記事では、場所で汚れを分け、生地と色で使える液を決め、両方が混ざったときと家で止めるべきときの見分け方まで書きます。
結論:襟は「油を緩める」、脇は「変わった色を戻す」
ワイシャツの汗染みは、どこに出たかで中身が分かれます。
| 出た場所 | 色 | 中身 | 効く手当て |
|---|---|---|---|
| 襟の内側・袖口 | 灰色〜黒の線 | 皮脂と垢(油の汚れ) | 洗剤を直接塗る+ぬるま湯 |
| 脇・背中 | 薄い黄色〜茶の輪 | 汗と皮脂が変わったもの | 酸素系漂白剤のつけ置き |
襟は首に常に触れているので、汗より皮脂が多く付きます。皮脂は水に溶けないため、普通に洗濯機で回しても繊維の中に残り、そこに埃が絡んで灰色の線になります。
脇は汗の量が多く、それが皮脂と一緒に残って、空気に触れながら時間をかけて黄色く変わります。色が付くまでに数週間かかるので、しまうときには見えなかったのに出したら黄色い、ということが起きます。
まず見る:どちらの汚れか、三つの確かめ方
迷ったら、次の三つで見分けてください。
- 色を見る。 灰色や黒っぽければ皮脂、黄色から茶色なら変わった汗です
- 水を一滴たらす。 汚れの上で水がしばらく玉になって弾くなら、皮脂が多く残っています。すぐ染み込むなら、皮脂は少なく、黄ばみの側です
- 濡らして匂いをかぐ。 濡らしたときに酸っぱい匂いが立つなら、汗がまだ残っています。黄ばみが育っている途中です
襟でも、二回以上着てから洗った一枚は、灰色の線の縁が黄色くなっていることがあります。その場合は両方の汚れが重なっています。後の「どちらとも取れるとき」で順番を書きます。
洗濯表示で、使える液と温度を先に決める
手当てに入る前に、襟の裏や脇の縫い目に付いている洗濯表示を見ます。見るのは二つだけです。
- 桶のマークの中の数字:お湯の温度の上限です。四十と書いてあれば四十度まで、三十なら三十度までにします
- 三角のマーク:漂白剤が使えるかです。三角だけなら塩素系も酸素系も使えます。三角に斜線が二本入っていれば酸素系だけ。三角に×が付いていれば、漂白剤は使えません
三角に×が付いている一枚は、この記事の「脇の黄ばみ」の手当ては使えません。洗剤の塗り込みとぬるま湯までにして、残ったらクリーニング店に任せてください。
襟の黒ずみ:洗剤を塗って、ぬるま湯で緩める
襟の内側の灰色の線は、油の汚れなので、水だけでは動きません。手順は次のとおりです。
- 襟を立てて、内側を上にして洗面台に置きます
- 洗濯用の液体洗剤を、線に沿って原液のまま塗ります。固形の洗濯石けんがあれば、それを濡らしてこすりつけても同じです
- 柔らかい歯ブラシで、線をなでるのではなく、上から軽く叩きます。こすると生地の表面が毛羽立ち、次から汚れが入りやすくなります
- 四十度前後のお湯を襟に回しかけて、五分ほど置きます
- そのまま他の洗濯物と一緒に洗濯機に入れます

お湯の温度は、皮脂が緩む体温より少し上が目安です。熱湯にすると皮脂は動きますが、同じ襟に残っている汗の成分が固まって、黄色い縁が取れなくなります。手を入れて熱いと感じない温度が上限です。
袖口の黒ずみも同じ汚れなので、同じ手順で一緒に手当てしてください。
脇の黄ばみ:酸素系漂白剤につけ置く
脇の黄色い輪は、すでに色の付いたものに変わっているので、洗剤では戻りません。酸素系漂白剤で、色を分解して抜きます。
- 洗面器に四十度前後のお湯を張ります(洗濯表示の温度の上限を超えない)
- 酸素系漂白剤を、容器に書かれた量だけ溶かします
- シャツを裏返し、脇の部分が完全に沈むように入れます
- 三十分から一時間置きます。途中で一度、脇の部分を手で軽く押して液を通します
- 軽く絞って、そのまま洗濯機で洗います

一回で薄くなっても、輪の縁が残ることがあります。そのときは同じことをもう一回だけ繰り返します。二回やって変わらなければ、家での手当てはそこで止めてください。それ以上は生地を傷める側が先に進みます。
生地で分ける:綿・混紡・形態安定
同じ汗染みでも、生地によって汚れの残り方と、使ってはいけないものが違います。
綿百パーセント。 汗を吸う生地なので、汗染みは繊維の奥まで入ります。そのぶん、漂白剤のつけ置きがよく効きます。白なら粉末の酸素系が使えます。高い温度のアイロンにも耐えますが、黄ばみが残ったままアイロンをかけると熱で色が定着するので、落ちたのを確かめてからかけるのが順番です。
綿とポリエステルの混紡。 ポリエステルは水を吸わず、油と馴染む性質があります。そのため襟の皮脂が落ちにくく、黒ずみが洗っても戻ってきやすい生地です。襟の手当ては毎回するつもりで、洗剤の塗り込みを洗濯の前に必ず入れてください。
形態安定(ノーアイロン)。 しわを防ぐ加工がしてあります。この加工は塩素系漂白剤と反応して黄色く変わることがあるので、塩素系は使いません。酸素系だけを使い、つけ置きの温度も四十度までにします。
色で分ける:白・色柄・白い襟の色柄
白。 粉末の酸素系が使えます。粉末は液体より力が強く、黄ばみをよく抜きます。
色柄(水色・ストライプ・ピンクなど)。 粉末の酸素系は染料まで抜いてしまうことがあるので、液体の酸素系を使います。先に裾の裏に原液を一滴つけ、五分置いて白い布で押さえ、色が移らないかを見てください。
身頃が色柄で、襟と袖口だけ白いシャツ。 襟は皮脂の汚れなので洗剤の塗り込みで済みます。漂白剤は使わずに済むことがほとんどです。脇は色柄の身頃なので、液体の酸素系で手当てします。
どちらとも取れるとき①:襟の黒ずみの縁が黄色い
二回以上続けて着た一枚や、着てから数日置いて洗った一枚で起きます。灰色の線の上に、黄色い縁がかぶっています。
順番は先に皮脂、次に黄ばみです。皮脂が残ったまま漂白剤に入れても、油が膜になって漂白剤が中まで届きません。先に洗剤の塗り込みとぬるま湯で灰色を落とし、一度すすいでから、襟だけを酸素系のつけ置きに入れます。逆の順番だと、黄色は薄くなっても灰色が残ります。
どちらとも取れるとき②:脇に灰色と黄色が重なる
脇に制汗剤を使う人に多い染みです。制汗剤の成分が汗と皮脂と一緒に残り、黄色の輪の中に、灰色や白っぽいごわつきが出ます。
この場合も、先に洗剤の塗り込みで油の側を緩めます。脇の部分に液体洗剤を塗り、歯ブラシで叩いて、ぬるま湯で流します。それから酸素系のつけ置きに入れます。ごわつきが強い一枚は、つけ置きを一晩ではなく一時間で止め、二回に分けたほうが生地の負担が少なくて済みます。
どちらとも取れるとき③:古い一枚と、今週の一枚
衣替えで出した去年のシャツと、今週着たシャツを一緒に手当てしたくなりますが、分けてください。
今週の一枚は、汗がまだ変わっていないので、ぬるま湯と洗剤で動きます。漂白剤は要りません。去年の一枚は黄色に変わっているので、つけ置きが要ります。同じ洗面器に入れると、今週の一枚に余計な漂白をかけることになり、色柄なら色が抜けます。
汗染みが落ちるかどうかを経過した時間から分けた見方は、汗染みの取り方と落とし方にあります。
制服や仕事用で、毎日着る人の回し方
制服や仕事用のワイシャツは、同じ数枚を毎週回すので、汗染みが一枚に溜まるか、全部に少しずつ出るかで手当ての間隔が変わります。持っている枚数で分けてください。
三枚以下で回している人。 一枚あたり週に二回近く着るので、襟の皮脂が毎回足されます。洗剤の塗り込みは毎回の洗濯の前に入れてください。脇のつけ置きは、月に一回、全部を同じ日にまとめてやると、色の差が出にくくなります。
五枚以上で回している人。 一枚あたりの着る回数は少ないぶん、着ていない間にしまわれている時間が長く、そこで黄ばみが育ちます。襟の塗り込みは、灰色の線が見えた日だけで足ります。代わりに、着てから洗うまでの間を一日以内にしてください。週末にまとめて洗う人は、平日の夜に襟と脇だけぬるま湯で流しておくと、週末までに変わり始めるのを止められます。
ジャケットやベストの下に着る制服は、上着が汗を吸わないぶん、脇の汗がシャツに全部残ります。上着を脱いだときに脇が湿っている日は、その日のうちに洗う一枚として分けておきます。
迷ったら、灰色の線が見えるまでの日数を一度数えてください。洗ってから三回目の着用で線が出るなら毎回の塗り込みが要る生地と着方、五回着ても出ないなら見えた日だけで足ります。
家では止めて、任せる染み
次のどれかなら、家での手当てはせずに、染み抜きを受けているクリーニング店に持ち込んでください。
- 茶色く変わって、触ると周りより硬い
- 酸素系のつけ置きを二回しても輪が変わらない
- 洗濯表示の三角に×が付いていて、脇が黄ばんでいる
- 生地が薄く、つけ置きで透け始めている
持ち込むときは、どこに何をしたかを伝えてください。「脇に酸素系を二回」と伝えるだけで、次の手当てが選びやすくなります。
秋冬に汗染みが育ちやすい理由
秋冬は汗をかいていないつもりでも、ワイシャツの汗染みはむしろ育ちます。理由は三つあります。
- 暖房の効いた室内で、ジャケットやニットの下に着るので、汗が外に逃げない
- 汗の自覚がないので、二回着てから洗う日が増える
- 乾きにくい季節なので、生乾きのまま畳んでしまう
対策は、一度着たら洗う、部屋干しは間隔を空ける、しまう前に一度洗い直す、の三つです。

部屋干しのときは、脇の下に風が通るように、ハンガーの間をこぶし一つ分空けます。脇が乾ききる前に畳むと、残った汗がしまっている間に黄ばみに変わります。
汗染みを作らない着方
落とすより、作らないほうが楽です。
- 襟が首に直接触れる時間を減らすため、朝、首をタオルで一度拭いてから着る
- 脇汗が多い人は、袖のある薄いインナーを下に着る。脇の汗をインナーが受けて、シャツまで届きにくくなります
- 帰ったらすぐ脱いで、洗濯かごの上に広げて置く。丸めて置くと汗が乾かず、翌朝までに変わり始めます
透けないインナーの選び方はワイシャツ 透けない インナーに、面接で着るシャツの襟の選び方は面接のワイシャツ 女性にまとめています。
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よくある問い
- Q. ワイシャツの襟の黒ずみと脇の黄ばみは、同じ洗い方で落ちますか
- 落ちません。襟の黒ずみは首の皮脂と垢が布に残ったもので、油の汚れです。洗剤を直接塗ってぬるま湯で緩めると動きます。脇の黄ばみは、汗と皮脂が数週間から数か月かけて色の付いたものに変わった状態で、洗剤だけでは戻りにくく、酸素系漂白剤のつけ置きが要ります。同じ一枚でも、襟と脇は別々に手当てしてから洗濯機に入れてください。
- Q. 色柄のワイシャツに漂白剤を使っても大丈夫ですか
- 使えるのは液体の酸素系だけです。粉末の酸素系は力が強く、染料によっては色が抜けます。塩素系は色柄には使えません。液体の酸素系でも、裾の裏など目立たない所に原液を一滴つけて五分置き、白い布で押さえて色が移らないかを先に見てください。移るなら漂白剤は使わず、洗剤の塗り込みとぬるま湯までにします。
- Q. 形態安定のワイシャツの黄ばみが取れません
- 形態安定の生地はしわを防ぐ加工のせいで、汚れが表面に留まりやすい反面、塩素系漂白剤を使うと加工の成分が黄色く変わることがあります。黄ばみを消すつもりで塩素系を使うと、かえって黄色が広がります。粉末の酸素系を四十度前後のお湯に溶かして一時間つけ、二回繰り返して変わらなければ、家では止めて、染み抜きを受けているクリーニング店に相談してください。
- Q. 秋冬は汗をかかないのに、なぜ汗染みが出るのですか
- 秋冬は、暖房の効いた室内でジャケットやニットの下にシャツを着るので、汗が外に逃げずにシャツに残ります。量は夏より少なくても、乾くまでの時間が長いぶん、襟と脇に皮脂と一緒に溜まります。しかも汗をかいた自覚がないので、二回着てから洗う人が増えます。秋冬は夏より黄ばみが育ちやすい季節だと考えて、一度着たら洗う、を守ってください。
— メグラシ編集部





