ドレスコードの種類|格の高い順に11段、女性が着る服を1枚の表で

ドレスコードの種類は、格の高い順に11段で並べると迷いません。 上から、ホワイトタイ、ブラックタイ、フォーマル、セミフォーマル、インフォーマル、ダークスーツ、平服、スマートエレガンス、スマートカジュアル、ビジネスカジュアル、カジュアルです。女性の服は、この順に下へ行くほど丈が短くてよくなり、素材の光が控えめになり、靴の自由度が上がります。
自分の段は、招待状の言葉で決め、場所と時間で半段だけ動かします。 招待状や店の案内に書いてある言葉がそのまま段の名前です。そのうえで、会場がホテルや式場なら半段上げ、18時以降に始まるなら光沢を足し、昼の路面店なら半段下げます。書いていないときは、場所・時刻・主催者の3つで段を読み取ります。
どの段でも、まず外さない3点があります。 膝が隠れる丈、つま先とかかとが覆われた靴、片手で持てる小さなバッグです。この3点を守っていれば、11段のうち上の2段を除くほとんどの場面で、浮くことはまずありません。ここから先は、段ごとに何を着るか、招待状の言葉の読み方、場面別、季節、年代、迷ったときの決め方を順に見ていきます。
ドレスコードの種類は、格の高い順に11段で見る
ドレスコードは、言葉の数が多いので複雑に見えますが、並べ方さえ決まれば1本のはしごになります。上の段ほど「その場のために用意した服」が求められ、下の段ほど「手持ちの服を整えたもの」で足ります。
| 段 | 名前 | ひとことで言うと |
|---|---|---|
| 1 | ホワイトタイ | 夜の最上級。床までの丈のドレス |
| 2 | ブラックタイ | 夜の正装。くるぶし丈から床丈のドレス |
| 3 | フォーマル | 正礼装。昼は光らない、夜は光る |
| 4 | セミフォーマル | 準礼装。結婚式のゲストの多くがここ |
| 5 | インフォーマル | 略礼装。祝賀会やパーティーで多い |
| 6 | ダークスーツ | 略礼装。色の濃いセットアップの段 |
| 7 | 平服 | 略礼装。普段着ではない |
| 8 | スマートエレガンス | きれいめの外出着より一段改まった服 |
| 9 | スマートカジュアル | きれいめの外出着。上着があると安心 |
| 10 | ビジネスカジュアル | 来客に会える仕事の服 |
| 11 | カジュアル | 清潔な普段着 |
この表で見てほしいのは、5〜7段目が「略礼装」でほぼ同じ高さにあることです。インフォーマル、ダークスーツ、平服は言葉が違っても、女性の服としては膝が隠れる丈のワンピースかセットアップで共通しています。11段と聞くと身構えますが、実際に服を変える境目は4か所しかありません。2段目と3段目の間(床までの丈かどうか)、4段目と5段目の間(光沢と華やかさの量)、7段目と8段目の間(礼装かどうか)、9段目と10段目の間(遊びの服か仕事の服か)です。
まず外さない3点
段がまだ決まっていなくても、先に整えておける3点があります。
1つ目は、膝が隠れる丈です。立ったときに膝のお皿が隠れ、座ったときに膝上が大きく出ない丈なら、3段目から9段目まで通ります。ミモレ丈(ふくらはぎの中ほど)まであれば、昼の式典でも夜のパーティーでも困りません。
2つ目は、つま先とかかとが覆われた靴です。ヒールの高さは3〜7センチが目安で、太さは細すぎなければ構いません。つま先が開いた形やかかとがひもだけの形は、セミフォーマル以上では避けます。下の段では許される場面が増えますが、覆われた靴なら上の段でも下の段でも外れません。
3つ目は、片手で持てる小さなバッグです。会場では椅子の背か膝の上に置くので、大きな通勤用のバッグは会場の雰囲気を下げてしまいます。荷物が多い日は、サブバッグに分けてクロークに預けます。
この3点は、迷ったときに戻る基準でもあります。服そのものに迷っていても、丈・靴・バッグの3つが揃っていれば、見た人には「きちんと合わせてきた人」に見えます。
種類の一覧|女性は何を着るか・昼と夜・靴とバッグ
11段それぞれで、女性が着るもの、昼と夜の違い、靴とバッグを並べました。この表は答えを決めるためではなく、自分の招待が隣の段とどう違うかを比べるために使ってください。
| 段 | 女性が着るもの | 昼 | 夜 | 靴とバッグ |
|---|---|---|---|---|
| ホワイトタイ | 床丈のイブニングドレス、長い手袋 | 昼の指定はほぼない | 肩や背中の開いた床丈 | 布のパンプス、小さなクラッチ |
| ブラックタイ | くるぶし丈〜床丈のドレス | 昼の指定は少ない | 光沢のある長い丈 | 光沢のあるパンプス、クラッチ |
| フォーマル | 正礼装のドレスやアフタヌーンドレス | 長袖で光らない素材 | 光沢のある素材と首の開き | 布か革のパンプス、小さなバッグ |
| セミフォーマル | 膝下丈のドレスやワンピース | 光らない素材、肩を隠す | 光沢を足してよい | パンプス、パーティーバッグ |
| インフォーマル | 膝下丈のワンピース、セットアップ | 落ち着いた色と素材 | 光る小物を1点 | パンプス、小さめのバッグ |
| ダークスーツ | 濃い色のセットアップ、ワンピースに上着 | 濃紺や灰色 | 黒も使える | パンプス、革のバッグ |
| 平服 | 膝が隠れるワンピースやセットアップ | 明るい色でもよい | 光沢を少し足す | パンプス、小さめのバッグ |
| スマートエレガンス | きれいめのワンピースに上着 | 上品な色と柄 | 光る小物で寄せる | 低めのパンプス、革のバッグ |
| スマートカジュアル | ブラウスにスカートやパンツ | 上着がなくてもよい | 上着を羽織る | ローファーやパンプス |
| ビジネスカジュアル | ジャケットかカーディガンに襟のある服 | 仕事の服そのまま | 仕事の服そのまま | 通勤の靴、通勤のバッグ |
| カジュアル | 清潔な普段着 | 自由 | 自由 | 汚れていない靴 |
どの段にも共通するのは、昼は光らせず、夜は光らせるという考え方です。昼の光の中では光沢のある素材が強く見え、夜の照明の下では光らない素材が沈んで見えるからです。段が同じでも、昼と夜で選ぶ素材は変わります。
それぞれの段をさらに細かく、昼夜の6区分で並べた表は「ドレスコード 女性|表記6段階と昼夜で決める表」にまとめています。この記事では段を11に広げ、場面と季節の調整を中心に見ていきます。
ホワイトタイ・ブラックタイ|夜の正装は丈で決まる
上の2段は、日本の日常ではほとんど出会いません。海外の式典や、格式の高い晩餐会、船旅の正装の夜などで目にする言葉です。指定があったら、床に届く丈かどうかが最初の分かれ目です。
ホワイトタイは夜の最上級で、床丈のイブニングドレスに、肘より上まである長い手袋を合わせるのが正式です。肩や背中が開いた形も許され、むしろ夜らしさとして好まれます。ブラックタイはその一段下で、くるぶし丈から床丈のドレスが目安です。どちらも、光沢のある素材と、小さなクラッチバッグ、布か光沢のある革のパンプスを合わせます。
この2段の指定を受けたときに困るのは、手持ちに床丈のドレスが無いことです。そのときは、くるぶし丈のワンピースに光沢のあるショールを重ねると、ブラックタイの段まではおおむね届きます。ホワイトタイの指定は、借りるかあつらえるかを早めに決めるのが現実的です。
フォーマル・セミフォーマル|昼と夜で光り方を変える
3段目のフォーマルと4段目のセミフォーマルは、結婚式の披露宴や格式のある祝賀会で使われる段です。女性のゲストの多くは、セミフォーマルの段にあたります。
フォーマル(正礼装)は、昼ならアフタヌーンドレスと呼ばれる、長袖で光らない素材の膝下丈のドレスです。夜はイブニングドレスに近づき、光沢と首まわりの開きが増えます。ゲストとして正礼装を求められる場面は少なく、主催する側の親族や来賓として出る場合に限られます。
セミフォーマル(準礼装)は、膝下丈のドレスやきちんとしたワンピースが目安です。昼は光沢を控え、肩を羽織りで隠します。夜はサテンやベロアのように光を受ける素材を使ってよく、アクセサリーも一段華やかにできます。昼夜どちらでも、白に見える色、全身が黒一色の喪の印象、露出の多い形は避けます。
インフォーマル・ダークスーツ|招待状でいちばん多い中間の段
5段目のインフォーマルと6段目のダークスーツは、略礼装と呼ばれる段です。会社の祝賀会、ホテルの立食パーティー、記念式典の後の懇親会など、招待状に書かれる言葉としてはいちばん多い中間の段です。
インフォーマルは、膝下丈のワンピースか、上下揃いのセットアップが目安です。色は落ち着いたものから明るいものまで幅があり、柄も小さなものなら使えます。夜の会なら、光る小物を1点足すと段が合います。
ダークスーツは、もともと男性に向けた言葉で、濃い色のスーツを着てきてくださいという意味です。女性はそれに合わせて、濃紺・灰色・黒などの濃い色のセットアップか、ワンピースにジャケットを重ねた装いにします。インナーやアクセサリーで明るさを足すと、仕事の服との違いが出ます。
平服|「普段着で」ではなく略礼装のこと
7段目の平服は、名前のせいでいちばん誤解されやすい段です。平服は普段着ではなく、略礼装のことです。「礼服でなくて構いません」という主催者の気づかいの言葉で、改まった服の中ではいちばん下の段にあたります。
祝いの席の平服は、膝が隠れる丈のワンピースやセットアップに、パンプスを合わせるのが目安です。明るい色や柄も使え、インフォーマルより少しだけ自由です。一方、弔いの席の平服は、喪服ほどでなくてよいけれど地味な服、という意味になり、色の考え方が祝いの席と逆になります。
祝いと弔いでどこが逆になるかは「平服で来てくださいと言われたら|祝いと弔いで逆になる3つの線」に、祝賀会の平服の読み方は「祝賀会の服装 女性|平服の読み方と会場別の答え」にまとめています。弔事の段の決め方は「法事の服装|何回忌か・施主か参列か・平服指定かの3つで決まる」が入口です。
スマートエレガンス・スマートカジュアル|上着1枚で行き来する段
8段目のスマートエレガンスと9段目のスマートカジュアルは、レストランやホテルのラウンジ、観劇でよく使われる段です。この2段の違いは、上着1枚でほぼ行き来できます。

スマートエレガンスは、きれいめの外出着より一段改まった装いです。ワンピースにジャケット、またはとろみのあるブラウスにきれいめのスカートが目安です。素材は上品なものを選び、デニムや厚底のスニーカーは避けます。
スマートカジュアルは、きれいめの外出着そのものです。ブラウスにスカートやパンツ、ニットのワンピースなど、手持ちの服で整えられる段です。上着がなくても入れますが、夜や格のある店では羽織りを1枚足すと安心です。デニムやサンダルの可否は店によって分かれるので、細かい線は「スマートカジュアル女性の服装|年代別とサンダル・デニム・半袖の可否」で確かめてください。
座ったときに見えるのは上半身だけなので、レストランでは上半身の作りがとくに大切です。秋冬の店で上半身をどう整えるかは「スマートカジュアルのレストラン|秋冬は座った上半身で決める」に、50代の上着を脱ぐか着たままかの判断は「スマートカジュアル 女性 50代|上着を脱ぐ場か着たままか」にあります。
ビジネスカジュアル・カジュアル|下の段にも守る線はある
10段目のビジネスカジュアルと11段目のカジュアルは、礼装の外側にある段です。それでも、下の段にも守る線があります。
ビジネスカジュアルは、来客に会える仕事の服です。ジャケットかカーディガンに、襟のあるブラウスやきれいめのニット、膝が隠れるスカートや折り目のあるパンツが目安です。会社の懇親会や取引先との会食で指定されることがあり、そのときは通勤の服を一段整える程度で十分です。来客に出られる線の引き方は「ビジネスカジュアル 女性|来客に出られる線と基本の5点」で詳しく見られます。
カジュアルは清潔な普段着です。ただし、ドレスコードとしてわざわざ書かれている場合は「改まらなくていい」という意味で、部屋着やくたびれた服でいいという意味ではありません。汚れていない靴、しわのない服、季節に合った素材が最低限の線です。
この2段で気をつけたいのは、同じ会の中で段が混ざることです。会社の懇親会なら、仕事帰りにそのまま来る人はビジネスカジュアル、休日に家から来る人はカジュアルになりがちです。どちらで行くか迷ったら、仕事の相手がいる会ならビジネスカジュアルに寄せます。仕事の相手に見られる場では、軽すぎる服のほうが印象に残りやすいからです。逆に、友人どうしのバーベキューや屋外の集まりでカジュアルと書かれているときは、汚れてもいい服、歩きやすい靴を優先して構いません。上の段の服で出かけると、かえって気をつかわせてしまいます。
招待状の言葉の読み方|書いてある言葉と本当の段
招待状や店の案内に書かれる言葉は、11段の名前そのままとは限りません。よく見る言い回しを、どの段にあたるかで並べました。
| 書いてある言葉 | 読み替える段 | 女性の服の目安 |
|---|---|---|
| 正装でお越しください | フォーマル | 正礼装のドレス |
| 準礼装・セミフォーマル | セミフォーマル | 膝下丈のドレス |
| 平服でお越しください | 平服(略礼装) | 膝が隠れるワンピース |
| 略装・略礼装で | インフォーマル | ワンピースかセットアップ |
| ダークスーツ着用 | ダークスーツ | 濃い色のセットアップ |
| お気軽な服装で | スマートカジュアル | きれいめの外出着 |
| 普段着でお越しください | スマートカジュアル | きれいめの外出着 |
| ノーネクタイ・クールビズ | ビジネスカジュアル | 仕事の服を軽く |
| ジャケット着用 | スマートエレガンス | ワンピースに上着 |
この表で気をつけたいのは、「平服」「お気軽に」「普段着で」はどれも、書いてある言葉より1段上を求めていることです。主催者は来る人に負担をかけまいとして、柔らかい言葉を選びます。そのまま受け取ると、会場で自分だけ軽い服になりがちです。
レストランの案内で、一言を読み違えて浮いてしまう型は「ディナーのドレスコード|案内の一言を読み違えて浮く型と当日の直し方」に、高級店で素足やサンダル、デニムが通るかどうかは「高級レストランのドレスコード|素足・サンダル・デニムの可否」にまとめています。
書いていないときの読み方|場所・時刻・主催者の3つ
ドレスコードが書いていない招待のほうが、実は多いものです。そのときは、次の3つで段を読み取ります。
場所は、ホテル・式場・会館なら1段上げ、路面のレストランや貸しスペースならそのまま、屋外や個人の家なら1段下げます。
時刻は、18時より前に始まるなら光沢を控え、18時以降なら光沢を足します。段そのものは変えず、素材と小物で調整します。
主催者は、会社や団体、目上の方なら1段上げ、友人どうしならそのままにします。
3つとも「そのまま」なら、スマートエレガンスかスマートカジュアルが目安です。書いていないレストランで、誰と何の集まりかで段を決める方法は「ドレスコードなしのレストランの服装 女性|誰と何の集まりかで決める」に、店の情報から段を読む方法は「ドレスコードなしのレストラン、女性は何を着るか|店の情報から読む」にあります。
結婚式の披露宴・二次会
結婚式の披露宴は、ゲストの女性ならセミフォーマルが基本の段です。会場がホテルか専門式場か、昼か夜かで、半段の調整をします。
披露宴では、白に見える色を避ける、全身を黒一色にしない、肩を羽織りで隠す、つま先の覆われたパンプスを履く、という4つが段の外にある決まりごとです。夜の披露宴では、光沢のある素材や、少し大きめのアクセサリーを使えます。年代や立場ごとの細かい答えは「結婚式のゲストの服装 完全ガイド」から進めます。
二次会は、インフォーマルからスマートエレガンスの段です。披露宴から続けて出るなら披露宴の服のまま、二次会だけなら1段下げて構いません。迷ったときの決め方は「結婚式二次会の服装|披露宴から続けて出るか、二次会だけかで決める」にあります。
パーティー・祝賀会
パーティーは、主催者と会場で段が大きく変わる場面です。ホテルの宴会場で行われる会社の記念パーティーはインフォーマル、レストランを貸し切った友人の会はスマートエレガンスが目安です。
立食か着席かも、服を選ぶうえで大切です。立食なら、長時間立っていられる靴と、片手が空くように肩に掛けられる小さなバッグを選びます。着席なら、座ったときの膝の出方と、上半身の華やかさを優先します。結婚パーティーのように立食と着席が混ざる会の決め方は「結婚パーティーの服装は膝下丈に羽織り一枚で通る」にまとめています。
ホテル・レストラン
ホテルは、同じ建物の中に段の違う施設がいくつも入っている場所です。ロビーやカフェはスマートカジュアル、ラウンジはスマートエレガンス、メインダイニングのディナーはインフォーマルからセミフォーマルが目安になります。施設ごとの寛容度は「ホテルのレストランの服装とドレスコード|施設ごとに変わる基準」で比べられます。
朝・昼・夜で段が一つずつ上がるビュッフェの考え方は「ホテルのビュッフェの服装|断られる線と浮く線は別のもの」にあります。レストランは、書いてあるドレスコードより、店の照明と客席の雰囲気で決まることが多いものです。昼の路面店ならスマートカジュアル、夜のコース料理の店ならスマートエレガンスを基準にします。
観劇・コンサート
観劇やコンサートには、ふつう明文化されたドレスコードはありません。それでも、演目と劇場、席種によって、周りの装いの段は変わります。
一般的な観劇はスマートカジュアル、初日や記念公演、格式のある劇場の夜の公演はスマートエレガンスが目安です。客席では後ろの人の視界を遮らないよう、高く結い上げた髪や大きな帽子は避けます。長時間座るので、しわになりにくい素材と、膝の上に置ける小さなバッグを選びます。観劇の可否を判断する軸は「観劇・舞台鑑賞の服装|ドレスコードの可否を判断する5つの軸」で詳しく見られます。
式典・顔合わせ・弔事
式典は、主催者と自分の立場で段が決まります。入学式や卒業式の保護者は、インフォーマルからダークスーツの段です。記念式典の来賓なら、1段上のセミフォーマルを選びます。
両家の顔合わせは、会場が料亭やホテルの個室ならインフォーマル、カジュアルな店ならスマートエレガンスが目安です。「カジュアルで」と言われたときも1段上の服を選ぶと、写真に残っても後悔しません。本人・母親・父親それぞれの目安は「顔合わせの服装|カジュアルでの本当の意味と、本人・母親・父親の目安」にあります。
弔事は、祝いの席と同じ11段では考えません。喪服(正喪服・準喪服・略喪服)の段が別にあり、平服という言葉の意味も変わります。弔事の招待で迷ったら、上で触れた法事の入口の記事へ進んでください。
昼と夜で変わること
同じ段でも、昼と夜で選ぶものが変わります。境目は18時ごろで、始まる時刻で判断します。
| 見るところ | 昼(18時より前) | 夜(18時以降) |
|---|---|---|
| 素材 | 光らないもの(綿・ウール・マットな化繊) | 光を受けるもの(サテン・ベロア・光沢のある化繊) |
| 首まわり | 詰まった形、肩を隠す | 少し開いた形も可 |
| アクセサリー | 小さく控えめ | 一段大きく、光るもの |
| 色 | 明るい色、やわらかい色 | 深い色、濃い色 |
| 羽織り | 肩を覆うもの | 光沢のあるショール |
昼の光は、服の素材をそのまま見せます。光沢の強い素材は、昼の光の下では思った以上に目立ちます。夜の照明はその逆で、光らない素材が沈み、全体が地味に見えます。昼の会から夜の会へ続けて出る日は、光らない服を着て、夜の会の前に光る小物を足すと、1着で両方に合わせられます。
冬のドレスコード|コート・タイツ・足元
冬は、ドレスコードの段がいちばん崩れやすい季節です。服そのものは段に合っていても、コート、タイツ、足元の3つで印象が下がることがあります。

コートは、会場の入口やクロークで脱ぐので、ドレスコードそのものには含まれないと考えられがちです。ただ、ホテルや式場では、ロビーを歩く間やクロークに並ぶ間も周りの目に触れます。セミフォーマル以上の会なら、服より丈が長いウールやカシミヤのコートを選びます。ダウンやフード付きのコートは、スマートカジュアルより下の段なら問題ありませんが、上の段の会では入口で浮きやすくなります。
タイツとストッキングは、セミフォーマル以上なら肌色か黒の薄手のストッキングが基本です。寒さが厳しい日は、会場に着くまで厚手のタイツをはき、化粧室で薄手に替える方法もあります。インフォーマルの段からは、30デニール前後の黒いタイツなら許される場面が増え、スマートエレガンスより下の段では厚手のタイツも自然です。
足元は、雪や雨の日に困ります。移動はブーツやレインシューズで、会場でパンプスに履き替えるのが現実的です。履き替える靴は小さな袋に入れ、クロークに預けるか、サブバッグに入れておきます。
冬の会場で脱ぐ・脱がないの決め方
冬の会場では、暖房の効き方が場所によって大きく違います。ホテルの宴会場は暖かく、教会や神社、古い会館は寒いことが多いものです。
脱いだときに段が下がらないかを先に確かめておきます。ワンピースの上にカーディガンを重ねて出かける場合、会場でカーディガンを脱いだときに、ワンピースだけで段が足りるかを見ます。逆に、脱がない前提なら、羽織りそのものを段に合ったものにします。セミフォーマル以上なら、ボレロやショールのように肩を覆うもの、インフォーマルより下なら、ジャケットや上品なカーディガンが合います。
冬の結婚式で、布の厚みからどう選ぶかは「冬の結婚式の服装は、布の厚みで選ぶ」に、冬のホテルディナーで防寒と段を両立させる方法は「ホテルディナーの服装 冬|コートと足元で防寒とドレスコードを両立」にまとめています。結婚式で羽織りをどう選ぶかは「結婚式の上着のマナー」も参考になります。ショールを巻く日は「ストールの巻き方|大きさと上に着る服で決まる基本の3つ」で、大きさに合った巻き方を確かめてください。
春・夏・秋の調整
冬以外の季節にも、それぞれ段を崩しやすいところがあります。
春は、明るい色を使いやすい季節です。昼の会なら、淡い色のワンピースがどの段にも合わせやすくなります。ただ、白に近い淡い色は、結婚式では避けます。朝晩の気温差に備えて、薄手の羽織りを1枚持っておきます。
夏は、素足と袖の短さが課題です。セミフォーマル以上の会では、暑い日でも薄手のストッキングをはき、袖のない服には羽織りを重ねます。会場は冷房が強いことが多いので、羽織りは暑さ対策より冷え対策として役立ちます。サンダルは、スマートカジュアルより下の段で、店が許していれば使えます。
秋は、素材の切り替えの季節です。夏の薄手の素材から、ウールやベロアなど厚みのある素材へ移る時期で、同じ段でも素材の厚みで季節感を出します。深い色が増えるので、昼の会では暗くなりすぎないよう、小物で明るさを足します。
靴とバッグで段を合わせる
服が段に合っていても、靴とバッグがずれていると、全体の段が下がって見えます。靴とバッグは、服より先に周りの目に入りやすいところです。
靴は、段が上がるほど覆う面積が増え、ヒールが細く高くなります。セミフォーマル以上なら、つま先とかかとが覆われたパンプスで、ヒールは3〜7センチ。インフォーマルからスマートエレガンスなら、低めのヒールやストラップのあるパンプスも合います。スマートカジュアルからは、ローファーやきれいめのフラットシューズが入ってきます。結婚式で黒のパンプスが通るかどうかは「結婚式の靴|黒のパンプスはOK?素材とヒールで決まる可否判定」で確かめられます。
バッグは、段が上がるほど小さくなります。セミフォーマル以上ならクラッチや小さなハンドバッグ、インフォーマルからスマートエレガンスなら小さめの革のバッグ、スマートカジュアルより下なら普段のきれいめのバッグで構いません。荷物が入りきらない日は、サブバッグに分けて、会場ではクロークに預けます。
年代別の考え方
ドレスコードの段そのものは、年代で変わりません。変わるのは、同じ段の中でどこに華やかさを置くかです。
| 年代 | 同じ段の中での選び方 | 気をつけたいところ |
|---|---|---|
| 20代 | 明るい色や軽やかな素材を使える | 丈が短くなりすぎないように |
| 30代 | 色と素材のバランスで落ち着きを出す | 立場(友人か親族か)で段を確かめる |
| 40代 | 素材の質で華やかさを出す | 肩や二の腕を覆う羽織りを用意 |
| 50代 | 深い色と上質な素材が生きる | 光沢は面より小物で足す |
| 60代以降 | 落ち着いた色に、明るい小物を1点 | 移動と立ち座りの楽さを優先 |
年代が上がるほど、会の中での立場も上がることが多くなります。友人として出ていた式に、親族や来賓として出るようになると、同じ会でも求められる段が半段から1段上がります。結婚式の年代別の答えは「20代の結婚式ゲストの服装」と「50代の結婚式ゲストの服装」から読み進められます。
手持ちの服で段を上げ下げする
ドレスコードのたびに服を買い足す必要はありません。1着の膝下丈のワンピースがあれば、小物の入れ替えで3段から4段をまたげます。

紺や深緑、灰色の無地の膝下丈のワンピースを1着の土台にします。この土台に、パールのネックレス、光沢のあるショール、クラッチバッグ、つま先の覆われたパンプスを合わせるとセミフォーマル。ショールをジャケットに替え、バッグを小さめの革のものにするとインフォーマルからダークスーツ。ジャケットはそのままに、ネックレスを細いものに替え、靴を低めのパンプスにするとスマートエレガンスです。
土台を選ぶときに見るのは、丈が膝下であること、無地か小さな柄であること、素材が光りすぎないことの3つです。光りすぎない素材は、夜には光る小物で寄せられますが、光る素材を昼に控えめに見せるのは難しいからです。
どちらとも取れるときの決め方
ドレスコードで本当に困るのは、2つの段のどちらとも取れるときです。ここがいちばん、調べても答えが出ないところです。
基本は、1段上の服を着て、下げられるようにしておくことです。上の段の服から上着やアクセサリーを外して下げるのは会場でもできますが、下の段の服を会場で上げることはできません。
具体的には、次の3つの順に見ていきます。
1つ目は、会場の写真です。店や会場の案内に客席の写真があれば、照明の明るさと、椅子とテーブルの作りを見ます。照明が暗く、テーブルに布が掛かっていれば上の段、照明が明るく、木のテーブルがむき出しなら下の段です。
2つ目は、一緒に行く人です。同行する人がいるなら、何を着ていくかを事前に聞きます。自分だけ段がずれるのが、いちばん居心地が悪いからです。相手が上の段なら合わせ、下の段なら自分は半段だけ上にします。
3つ目は、帰り道です。会のあとに別の予定があるなら、その予定の段も考えます。夜の会から終電で帰るなら、移動の間に浮かない段であることも大切です。
よく迷う組み合わせを、どちらに寄せるかで並べておきます。
| 迷う組み合わせ | 寄せる段 | 理由 |
|---|---|---|
| 平服か、スマートカジュアルか | 平服 | 平服は礼装の段。会場で下げるほうが簡単 |
| セミフォーマルか、インフォーマルか | セミフォーマル | 祝いの席では華やかさが足りないほうが目立つ |
| スマートエレガンスか、スマートカジュアルか | スマートエレガンス | 上着を脱げばすぐに下の段になる |
| ビジネスカジュアルか、スマートカジュアルか | ビジネスカジュアル | 仕事の相手がいる場は、硬いほうが安心 |
| 昼の会か、夕方からの会か | 始まる時刻で決める | 終わる時刻ではなく、乾杯の時刻を見る |
表のどの行でも、寄せる先は上の段です。例外は、主役より目立ってはいけない場面だけです。結婚式で花嫁より華やかに見える、顔合わせで本人より改まって見える、という場合は、上の段の中で色と光沢を一段控えめにします。段は上げたまま、華やかさだけを下げる、という調整です。
この3つを見ても決まらないときは、上の段を選び、ジャケットか羽織りを着て出かけます。会場に着いて周りが軽ければ、羽織りを外してアクセサリーを1つしまえば、すぐに半段下げられます。
当日、会場で浮いたと感じたら
準備しても、会場に着いてから段がずれていたと気づくことはあります。そのときの直し方を、上にずれた場合と下にずれた場合で分けておきます。
自分が周りより上の段だったときは、外せるものを外します。ショールやジャケットを脱ぎ、大きなアクセサリーをバッグにしまいます。上にずれているぶんには、失礼にあたることはほとんどありません。「きちんとしてきた人」と受け取られます。
自分が周りより下の段だったときは、足せるものを足します。バッグの中に、小さなパールのネックレスか、たたんだショールを1枚入れておくと、化粧室で半段上げられます。髪をまとめるだけでも、印象は一段上がります。
どちらの場合も、気にしすぎないことが大切です。ドレスコードは、その場を気持ちよく過ごすための目安で、少しのずれを気にする人はほとんどいません。
まとめ
ドレスコードの種類は、ホワイトタイからカジュアルまで、格の高い順に11段で並べると迷いません。招待状の言葉で段を決め、場所と時刻で半段だけ動かし、書いていないときは場所・時刻・主催者の3つで読み取ります。
どの段でも、膝が隠れる丈、つま先とかかとが覆われた靴、片手で持てる小さなバッグの3点を守れば、大きく外れることはありません。冬はコートとタイツと足元、昼と夜は素材の光り方で調整します。迷ったら1段上の服を着て、上着とアクセサリーで下げられるようにしておくのが、いちばん失敗の少ない決め方です。
よくある問い
- Q. ドレスコードの種類は、全部でいくつありますか
- 決まった数があるわけではありませんが、招待状や店の案内で目にする言葉を格の高い順に並べると、ホワイトタイ、ブラックタイ、フォーマル、セミフォーマル、インフォーマル、ダークスーツ、平服、スマートエレガンス、スマートカジュアル、ビジネスカジュアル、カジュアルの11段に整理できます。女性の服はこの順に、丈が短く、素材の光が控えめになり、靴の自由度が上がっていきます。
- Q. 「平服でお越しください」は、普段着でいいという意味ですか
- 普段着という意味ではありません。祝いの席の平服は、礼服ほど改まらなくていいという意味の略礼装のことで、膝が隠れる丈のワンピースやセットアップに、つま先の覆われたパンプスを合わせるのが目安です。弔いの席の平服は、喪服ほどでなくてよい地味な服装を指し、祝いの席とは色の考え方が逆になります。
- Q. ドレスコードが書いていない招待のときは、どの段を選べばいいですか
- 場所・時刻・主催者の3つで決めます。ホテルや会館なら1段上げ、夕方以降なら光沢を足し、目上の方や会社が主催なら1段上げます。どれにも当てはまらない昼の集まりなら、スマートエレガンスかスマートカジュアルが目安です。迷ったら1段上の服に、外せる上着とアクセサリーを足しておくと、会場で調整できます。
- Q. 冬のドレスコードの日、コートやタイツはどう考えればいいですか
- コートは会場の入口かクロークで脱ぐ前提なので、格はドレスコードに縛られにくい場所です。ただ、ホテルや式場ではロビーを歩く間も見られるので、丈が膝より下のウールのコートを選ぶと安心です。タイツは、セミフォーマル以上なら肌色か黒の薄手のストッキングが基本で、厚手のタイツはスマートエレガンスより下の段で使うと浮きません。
— メグラシ編集部





