スノーボードの服装 女性 初心者|座る・転ぶ回数で、お尻と手首を守る

**初めてのスノーボードで冷えるのは、気温よりも、雪の上に座った時間の長さです。**後ろに転びやすい人はお尻を、前に転びやすい人は膝と手首を、ウェアの下とプロテクターで先に守ってください。上半身の枚数は、その次に決めれば足ります。
スノーボードは、板を両足に付けたまま立ち上がるので、初心者は滑り出す前に雪の上に座ります。転ぶたびに、またそこから立ち上がります。初日は、1時間のうち半分以上を雪の上に座っているか、転んでいる、という人も珍しくありません。冷えの原因は、雪に触れた場所から入る濡れです。
だから、初心者の服装は「何枚着るか」より「どこが雪に触れるか」から決めます。自分がどちらに転びやすいかは、最初の30分で分かります。分からない人は、この記事の「どちらに転ぶか分からないとき」の節から読んでください。
結論:転ぶ向きで守る場所を決め、汗のかき方で中を決める
| 転び方 | 先に守る場所 | 足すもの |
|---|---|---|
| 後ろに尻もちが多い | お尻・尾てい骨・腰の後ろ | ヒップのプロテクター、丈の長い上着 |
| 前に手をつくことが多い | 膝・手首・手のひら | 膝のプロテクター、手首の長い手袋、替えの手袋 |
| どちらも同じくらい | お尻と手首 | ヒップのプロテクター、手首の長い手袋 |
この表は守る場所の目安です。中に何を着るかは、汗をかきやすいか、冷えやすいかで別に決めます。
まず数える2つ|座っている時間と、転ぶ向き
初めての日は、最初の30分で、雪の上に座った回数と、転んだ向きを数えてみてください。数えるのは難しくありません。立ち上がるたびに「いまはお尻から」「いまは手から」と心の中で言うだけです。
30分で座る・転ぶが10回を超えるなら、初心者の日の服装で合っています。5回以下になってきたら、守りの側を少し減らして、動きやすさの側に寄せてもいい段階です。
転ぶ向きは、後ろが7割を超えるなら「後ろに転ぶ人」、前が7割を超えるなら「前に転ぶ人」、どちらも同じくらいなら両方を少しずつ守ります。初心者の多くは、止まろうとしてかかと側に体重をかけるので、後ろに転ぶことが多くなります。
後ろに転ぶ人|お尻と尾てい骨を、ウェアの下で守る
後ろに転ぶ人が最初に冷えるのは、お尻です。雪に座っている時間が長いうえに、尻もちのたびに雪がウェアに押しつけられます。
ヒップのプロテクターは、ウェアのパンツの下、肌着の上に穿きます。お尻と尾てい骨の上にクッションが来るもので、太ももの付け根まで覆う長さだと、座ったときの冷たさもやわらぎます。プロテクターがないときは、厚手のスパッツを一枚足すだけでも違います。
上着の丈も確かめてください。上着の裾が腰骨より上で終わる短い丈だと、尻もちをついたときに腰の後ろが開いて、雪が入ります。座ったとき、上着の裾がお尻の上半分にかぶさる丈が目安です。レンタルで選べるなら、丈の長いほうを選んでください。
前に転ぶ人|膝と手首を、手袋とプロテクターで守る
前に転ぶ人は、転ぶたびに膝と両手を雪につきます。冷えるのは膝と、手袋と袖の間の手首です。
膝のプロテクターは、パンツの下に付けます。膝を雪について立ち上がる動きを何度もするので、膝の皿の下まで覆うものにしてください。
手袋は、手首の長さで選びます。手首の骨から上に5センチ以上ある長さの手袋を選んで、ウェアの袖口の外側にかぶせてください。袖の内側に入れると、手をついたときに袖と手袋の間から雪が入ります。手首に絞りのベルトが付いているものなら、雪が入りにくくなります。
手のひらは、転ぶたびに雪の上を擦ります。手のひら側が補強されている手袋だと、濡れにくくなります。
どちらに転ぶか分からないとき|お尻と手首を少しずつ
最初の30分では向きが決まらない、という人も多いです。その場合は、お尻と手首を両方守ってください。膝は後回しで構いません。
ヒップのプロテクターか厚手のスパッツを穿き、手首の長い手袋を袖の外側にかぶせます。この2つで、座る時間と手をつく時間の両方に対応できます。
午前中を終えたところで、どちらが多く冷えたかを確かめます。お尻が冷たければ後ろ、手首や膝が濡れていれば前に転ぶ人です。午後はその側を厚くしてください。替えの手袋や、ウェアの下にもう一枚穿くスパッツを持っていくと、昼に組み替えられます。
汗をかく人の中の組み方|一番内側を乾く素材に
初心者の日は、立ち上がる動きを何度も繰り返すので、思ったより汗をかきます。とくに午前中、まだ体が慣れていないうちは、ウェアの中が汗ばみやすくなります。
汗をかく人は、一番内側に乾きやすい薄い肌着を着てください。化繊かウールの、体に沿う薄いものです。綿の肌着は、汗を吸ったまま乾かないので、リフトに乗ったときに冷えます。
その上に、前を開け閉めできる中間着を1枚。暑くなったら前を開け、リフトに乗る前に閉めます。中間着を2枚重ねると、暑いときに脱ぐ場所がなくて汗が止まりません。1枚にして、前の開け閉めで調節するほうが楽です。
冷える人の中の組み方|重ねる場所を首とお腹に寄せる
汗をあまりかかず、とにかく寒いという人は、重ねる場所を首とお腹に寄せてください。
一番内側は汗をかく人と同じく乾きやすい肌着にして、その上に薄手のフリースか、裏の起毛した中間着を重ねます。首にはネックウォーマーを1つ。顔の下半分まで引き上げられる高さのものだと、リフトで風を受けたときに使えます。
お腹から冷える人は、パンツの下に腹巻きか、お腹まで届く丈のスパッツを足します。上半身を3枚以上重ねるより、お腹のまわりに1枚足すほうが、腕の動きを邪魔しません。
レンタルのウェアで足りるかの見分け方
初めての日は、レンタルのウェアで十分です。ただ、借りる前に3か所を確かめてください。
1つ目は、お尻と膝の生地です。手で触って、ほかの場所より薄くなっていたり、表面がこすれて毛羽立っていたりするなら、別のものに替えてもらいます。そこから濡れが入ります。2つ目は、袖口の内側に、手首を絞る内袖が付いているかどうか。3つ目は、パンツの裾の内側に、ブーツの上にかぶせる雪よけの筒が付いているかどうかです。
この3つがそろっていれば、座っても転んでも、雪は中に入りにくくなります。レンタルで借りられないのは、中に着るもの、手袋、靴下です。この3つは自分で用意してください。
靴下とブーツのあいだ|一枚で、すねまで
靴下は、すねの中ほどまで届く長さのものを一枚だけ履きます。厚い靴下を2枚重ねると、ブーツの中で足が締めつけられて、つま先が冷えやすくなります。
素材は、肌着と同じく乾きやすいものにしてください。ブーツの中で足は汗をかきます。綿の靴下は、汗を吸ったまま午後には冷たくなります。
ブーツの上の縁で、すねが当たって痛くなることがあります。靴下の長さがブーツの縁より上まで届いていれば、すねに直接当たらずに済みます。
顔と頭|帽子とゴーグルのあいだを空けない
頭は、ニットの帽子かヘルメットで覆います。初心者は後ろに転んで頭を打つことがあるので、ヘルメットを借りられるなら借りてください。
帽子とゴーグルのあいだに、おでこが見える隙間があると、そこが冷えて頭が痛くなるような感覚になります。ゴーグルを付けたとき、帽子の下端がゴーグルの上の縁にかぶさる位置まで、帽子を下ろしてください。
日焼けにも気をつけます。雪の照り返しで、顔は思ったより焼けます。日焼け止めは、ゴーグルの下の頬と、ネックウォーマーを下げたときに出る鼻と口のまわりにも塗っておきます。
天気で変える|晴れの日・雪の降る日・風の強い日
同じゲレンデでも、天気によって冷え方が変わります。初心者の日は、出かける前の予報で、守る場所の厚さを一段だけ変えてください。
晴れていて風の弱い日は、日なたにいる間は思ったより暖かく、汗をかきやすくなります。中間着は薄いものにして、前の開け閉めで調節します。その代わり、日が傾いてゲレンデに影が伸びてくると、急に冷えます。午後の遅い時間まで滑る日は、ネックウォーマーを必ず持っていきます。
雪が降っている日は、座っている間にも、上から雪が積もります。肩と太ももの上が濡れやすくなるので、上着とパンツの撥水が弱っていないかを、借りる前に確かめてください。手袋は替えをもう一組増やして、合わせて三組にしておくと安心です。
風の強い日は、リフトの上がいちばん冷えます。首と顔の下半分を覆えるネックウォーマーと、帽子とゴーグルの隙間をなくすことを先にしてください。お尻や膝の守りは、ふだんと同じで構いません。
女性の体で困ること|胸まわりと化粧室
ウェアの下に何を着るかで、女性ならではの困りごとが2つあります。
1つ目は胸まわりです。転んで手をつく、立ち上がるために体をひねる、という動きを何度も繰り返すので、ふだんのワイヤーの入った下着だと、脇やみぞおちに当たって痛くなることがあります。初心者の日は、体に沿って揺れを抑える運動用の下着にしてください。汗をかいても乾きやすい素材のものなら、肌着と同じく冷えにくくなります。
2つ目は化粧室です。上下がつながったつなぎ型のウェアは、化粧室で上まで全部脱がなければなりません。重ね着の多い日は、それだけで体が冷えます。初めての日は、上着とパンツが分かれたものを選んでください。パンツがサスペンダーで吊るす形なら、上着を着たまま肩から外せるかを、借りるときに一度試しておくと安心です。
二回目以降に足すもの|転ぶ回数が減ってきたら
座る・転ぶの回数が30分で5回以下になってきたら、守りの側を少しずつ減らしていきます。
まず、膝のプロテクターを外してみてください。前に転ぶ回数が減っていれば、膝はもう守らなくて大丈夫です。次に、ヒップのプロテクターを、厚手のスパッツに替えます。お尻を雪につける時間が短くなっていれば、それで足ります。
その代わり、滑る時間が長くなると、リフトに乗る回数が増えます。リフトの上で冷える人は、首のネックウォーマーと、中間着の前の閉め方で調節してください。リフトを待つ列で立っている時間も長くなるので、足先が冷える人は、靴下を乾きやすい厚手のものに一段替えると楽になります。転ぶ回数が減るほど、冷え方は「雪からの濡れ」から「風と汗」に変わっていきます。
着替えを一組持っていく
初心者の日は、帰る前に着替えを一組用意しておくと楽です。肌着、靴下、手袋の替えです。
昼休みに、汗で湿った肌着と、濡れた手袋を替えると、午後の冷え方がまったく違います。帰りの車や電車で、濡れた肌着のまま座っていると、体が冷えたまま家に着きます。
秋冬の外での運動全般の重ね方はスポーツウェアの重ね着、汗冷えを抑える下着の選び方はスポーツブラの選び方 秋冬にまとめています。
よくある問い
- Q. レンタルのウェアで大丈夫ですか
- 初めての日はレンタルで足ります。借りるときに確かめるのは3つです。お尻と膝の生地が薄くなっていないか、手首の内側に雪の入りを止める絞りがあるか、パンツの裾の内側に雪よけの筒が付いているか。この3つがそろっていれば、座っても転んでも雪は中に入りにくくなります。借りられないのは中に着るものと手袋、靴下です。この3つだけは自分で用意してください。
- Q. ヒップのプロテクターは本当に要りますか
- 後ろに転ぶことが多い人には、初日から付けることをすすめます。初心者は、止まろうとしてかかと側に体重をかけたとき、後ろに尻もちをつきやすいからです。プロテクターは、転んだときの痛さを和らげるだけでなく、座ったときにお尻と雪の間に一枚挟まるので、冷えも抑えてくれます。前に転ぶことが多い人は、ヒップより先に膝と手首を守ってください。
- Q. 汗をかいたあと、リフトで冷えてしまいます
- 中に着るものの一番内側が、汗を吸って乾きにくい素材になっていないか確かめてください。綿の肌着は濡れたまま乾かないので、リフトの上で冷えます。一番内側は化繊かウールの、乾きやすい薄いものにします。リフトに乗る前に、ウェアの前のファスナーを首まで上げて、首まわりのネックウォーマーを上げておくだけでも、体の冷え方はずいぶん変わります。
- Q. 手袋は一組で足りますか
- 初心者の日は、二組持って行くことをすすめます。転んで手をつくたびに、手袋の中に雪が入ったり、外側が濡れたりします。午前中で一組が濡れたら、昼に替えてください。替えがないと、午後は濡れた手袋のまま冷えていきます。替えの一組は、薄手のものでも構いません。
— メグラシ編集部





