スキーの服装 女性|中に着る枚数はリフトの長さと気温で決める

**スキーウェアの中は、肌着・中間着・ウェアの3枚が基本です。**4枚目を足すのは、山頂の気温が氷点下8度より低い日か、いちばん長く乗るリフトが10分を超える日だけ。寒がりかどうかは、最後に1枚で調整します。
スキーに行く前の晩に枚数で迷う人の多くは、ふもとの天気予報を見て決めています。でも、体が冷えるのはふもとではありません。山頂と、リフトに座って何もしていない時間です。この記事では、行く場所の標高とリフトの長さを入れると、中に着る枚数が決まるように順番を組みました。
秋冬の外運動全般の重ね方はスポーツウェアの重ね着|秋冬の外運動は、止まる回数で枚数を決めるにまとめています。この記事は、その中でもスキーだけに絞った話です。
結論:枚数を決めるのは「山頂の気温」と「リフトの時間」
スキーは、ほかの外運動と比べて体の熱の出方がとても偏っています。滑っている数分は汗ばむほど暑くなり、リフトに座っている間はまったく動かずに風を受け続けます。だから、走る・歩くのような運動と同じ考え方で枚数を決めると外れます。
| 条件 | 中に着る枚数 | 足すもの |
|---|---|---|
| 山頂が氷点下8度より高い/リフトは10分以内 | 3枚 | なし |
| 山頂が氷点下8度より低い、またはリフトが10分を超える | 4枚 | 薄い中間着を1枚 |
| 両方とも当てはまる | 4枚 | 中間着1枚と首を覆うもの |
表は、どの条件で枚数が変わるかの目安です。この境目をどう測るか、境目の近くの日にどうするかを、次から順に書いていきます。
最初に測る2つ|山頂の気温とリフトの乗車時間
前の晩にやることは2つだけです。ひとつは、滑る場所のいちばん高いところの気温を出すこと。もうひとつは、その日にいちばん長く乗るリフトの乗車時間を調べることです。
リフトの乗車時間は、スキー場の案内図や公式の案内に、長さと乗車時間が書かれていることが多いです。書かれていないときは、リフトの長さを分速で割ります。ふたり乗りや4人乗りの、座ったまま運ばれる一般的なリフトなら、1分でおよそ100〜120m進みます。長さが1,200mあれば、10分前後座っている計算です。
ゴンドラのように箱の中に入って運ばれるものは、風が当たらないので、乗車時間が長くても数に入れなくて構いません。数えるのは、外にむき出しで座るリフトだけです。
初めて行く日や、緩い斜面だけで滑る予定の日は、山頂まで上がらないこともあります。その場合は、その日に実際に滑るあたりの高さで計算してください。初心者用の斜面はふもとの近くにあることが多いので、山頂より数度暖かくなります。
山頂の気温は、ふもとの予報から引き算で出す
天気予報に出ているのは、たいていふもとの町の気温です。山の上は、標高が100m上がるごとにおよそ0.6度ずつ下がります。
計算のしかたはこうです。スキー場の案内に、ふもとの標高と山頂の標高が書かれています。その差を100で割り、0.6をかけます。標高差が800mなら、8×0.6で4.8度。ふもとの予報が氷点下2度なら、山頂はおよそ氷点下7度です。
ここに風を足します。風が1m吹くと、体はおよそ1度低く感じると言われています。リフトに座っているときは、リフト自体が動くぶんの風も受けるので、風のない日でも2〜3度は低く感じると考えておいてください。
山頂が氷点下7度で、風が2m吹いている日なら、リフトの上ではおよそ氷点下10度前後の感覚になります。ここまで出せば、表のどの段に入るかが決まります。
| ふもとの予報 | 標高差 | 山頂の目安 | リフトの上の感覚(風2m) |
|---|---|---|---|
| 0度 | 600m | 氷点下4度前後 | 氷点下6〜7度 |
| 氷点下2度 | 800m | 氷点下7度前後 | 氷点下9〜10度 |
| 氷点下5度 | 1,000m | 氷点下11度前後 | 氷点下13〜14度 |
肌に触れる1枚目|綿を外すだけで寒さの半分は消える
1枚目は、汗をためないことだけを考えて選びます。選ぶ素材は化繊かウール。綿は選びません。
スキーでいちばん冷えるのは、滑って汗をかいたあと、リフトに座った瞬間です。綿の肌着は汗を吸ったまま乾かないので、濡れた布が背中に張りついたまま風に当たることになります。化繊やウールは、汗を吸っても肌の側に水を残しにくいので、同じ汗をかいても冷え方がまったく違います。
普段の冬に着ている、汗で温まる化繊の肌着でも構いません。ただ、その種類の肌着は、運動で大量に汗をかくと逆に蒸れて冷えることがあります。よく汗をかく人や、上の斜面を何本も続けて滑る予定の人は、運動用の化繊の肌着か、薄手のウールの肌着のほうが向いています。
首まわりは、首の付け根が隠れる程度の高さがあると楽です。タートルネックほど高くなくて構いません。首を覆うのは、あとで足すネックウォーマーの役目です。
袖は長袖を選んでください。半袖の上に中間着を着ると、腕を上げたときに中間着の袖口から冷たい空気が入り、二の腕が冷えます。
肌着の下につける下着も、綿を外す
見落としやすいのが、肌着のさらに下につける下着です。肌着を化繊にしても、その下のブラジャーやショーツが綿だと、そこに汗がたまって冷えます。とくに胸の下と背中のホックのあたりは、滑ったあとに汗がいちばん残る場所です。
運動用の化繊のブラか、ワイヤーのないやわらかいものを選ぶと、汗が乾きやすく、転んだときにも当たって痛むことがありません。運動用のブラの選び方そのものは、スポーツブラの選び方に書いています。スキーは、走るほどは上下に揺れませんが、転んで起き上がる動きが多いので、中くらいの支えがあれば足ります。
肌着の丈は、お尻が隠れる長さ
上半身の肌着は、お尻の上半分が隠れるくらいの丈があると、転んだときや前かがみになったときに背中が出ません。丈の短い肌着は、しゃがむたびに腰の上がめくれて、そこから冷えが入ります。
丈が短いものしか持っていない場合は、タイツのウエストの中に肌着の裾を入れてしまってください。それだけで、背中が出るのを防げます。
2枚目の中間着|前が開くものを選ぶ理由
2枚目は、暖かさを足す役目と、暑くなったときに逃がす役目の両方を持たせます。だから、前がファスナーで開くものを選んでください。
頭からかぶるセーターやトレーナーは、滑っている途中で暑くなったときに逃がしようがありません。ゲレンデの真ん中で脱ぐわけにもいかないので、汗をかいたまま次のリフトに乗ることになります。前が開く中間着なら、ウェアのファスナーと一緒に胸元を少し開けるだけで、熱が抜けます。
素材は、フリースか、薄手の中綿入りのものが扱いやすいです。厚手のダウンは、2枚目に着ると暖かすぎて汗をかきやすく、ウェアの中でかさばって腕が動かしにくくなります。厚手のダウンを持っていくなら、昼休みや帰りの車で羽織る用にしてください。
ウールのセーターを中間着にしたい場合は、前開きのカーディガンなら使えます。ただし、編み目の粗いものは風を通すので、ウェアの外側でしっかり風を止められることが条件です。
外側のスキーウェア|借りるか持っていくか、サイズは2枚目を着て合わせる
外側のウェアの役目は、風と雪を止めることです。暖かさは中の2枚で作り、外側は止める役に回すと考えると、選び方がはっきりします。
自分で持っていく場合も、借りる場合も、サイズは中間着まで着た状態で合わせてください。肌着1枚で合わせると、当日に中間着を着たときに肩と脇が突っ張り、腕が上がらなくなります。試着では、次の3つを確かめます。
- 両腕を頭の上まで上げて、背中の裾がパンツの上から出ないか
- しゃがんだときに、パンツのお尻とひざが突っ張らないか
- 前のファスナーを首の上まで閉めたとき、あごの下に指が2本入るか
ウェアの上着は、腰が隠れる丈を選ぶと、転んだときに雪が入りにくくなります。上着の中に雪よけのスカートのような布が付いているものは、それをパンツの上から留めておくと、転んで背中から雪が入るのを防げます。
脇の下にファスナーで開く通気口があるウェアは、暑くなったときにそこを開ければ、中の枚数を変えずに熱を逃がせます。借りるときに選べるなら、通気口のあるものが楽です。
借りるときに確かめる3か所
借りたウェアは、見た目がきれいでも、何シーズンも使われて防水の力が落ちていることがあります。受け取ったら、次の3か所を見てください。
ひとつは、ファスナーが最後まで滑らかに上がるかどうか。途中で引っかかるものは、雪の中で閉めにくくなります。ふたつ目は、手首の内側のゴムが伸びきっていないか。ここがゆるいと、転んで手をついたときに雪が袖から入ります。みっつ目は、パンツの裾の内側にある、ブーツにかぶせる布の口がゴムで締まるかどうか。締まらないと、ブーツの中に雪が入ります。
どれかがだめなら、遠慮せずに替えてもらってください。現地で困るより、受け取るときに1分確かめるほうがずっと楽です。
持っているウェアが古いとき
何年か前に買ったウェアを久しぶりに出す場合は、出発の前に一度、表面に水を数滴たらしてみてください。水が玉になって転がれば、まだ防水の力が残っています。水がしみこんで布の色が濃くなるなら、表面の撥水が落ちています。
撥水が落ちたウェアでも、晴れの日なら困りません。雪の日や、転ぶ回数が多い初めての日は、濡れたところから冷えていくので、借りるほうを選んだほうが安心です。
下半身|スキーパンツの中はタイツ1枚から
上半身と違って、脚はほとんど重ねなくて大丈夫です。脚は滑っている間ずっと動いているので、上半身ほど冷えません。スキーパンツの中は、化繊かウールのタイツを1枚。山頂が氷点下8度より低い日だけ、厚手のタイツに替えます。
避けたいのは、ジーンズや普段着のパンツをはいたままスキーパンツを重ねることです。厚みでひざが曲がりにくくなり、転んだときにうまく起き上がれません。綿のパンツは濡れると乾かないのも、肌着と同じ理由で困ります。
タイツは、足首の下まで覆うものではなく、くるぶしの上で止まる長さのものを選んでください。足先まで覆うタイツの上にスキー用の靴下を重ねると、ブーツの中で布が二重になり、締めたときに痛みます。
4枚目を足すか迷う日の決め方
いちばん迷うのは、表の境目の近くの日です。山頂がちょうど氷点下7〜9度くらい、リフトが8〜12分くらいの日。ここは、次の順に考えてください。
ひとつ目は、その日の天気です。晴れていて日が当たる日は、表の数字より2〜3度暖かく感じます。曇りや雪の日は、表の数字のまま、もしくは少し寒く考えます。晴れの日の境目近くなら、4枚目は着ずに持っていく。曇りや雪の日の境目近くなら、着ていく。
ふたつ目は、何本続けて滑るかです。休憩を挟まずにリフトと滑りを何本も繰り返す日は、滑るたびに体が温まるので、3枚でも保ちます。逆に、友だちを待ったり、緩い斜面をゆっくり滑ったりする日は、体が温まる時間が短く、止まっている時間が長くなります。この場合は4枚目を着ていきます。
みっつ目は、自分が寒がりかどうかです。ここで初めて、体感の話を入れます。普段の冬に、ほかの人より1枚多く着ていることが多い人は、境目近くの日は4枚目を着ていく側に倒してください。
それでも決まらないときは、4枚目は着ずに持っていくのがいちばん失敗しません。ウェアの内ポケットに入る薄い中間着なら、寒くなったリフトの降り場で、ウェアの前を開けて中に着込めます。逆に、着ていって暑くなったものは、ゲレンデの途中では脱いでしまう場所がありません。
朝と午後で条件が変わる日
山の上は、1日のうちでも気温と風が大きく変わります。朝いちばんは冷えこみが強く、昼前から日が当たって暖かくなり、午後の遅い時間になると日が陰って一気に冷えます。
朝は寒いけれど昼は暖かい、という予報の日は、朝の気温で枚数を決めて、昼休みに1枚減らす前提で組んでください。減らした1枚は、休憩所のロッカーか荷物に入れておきます。午後の遅い時間にもう1本滑るつもりなら、その1枚をもう一度着てから出ます。
逆に、朝は晴れていても、午後から雪や風の予報が出ている日は、午後の条件で枚数を決めます。朝のうちは中間着の前を開けて暑さを逃がし、天気が崩れてきたら閉める。前が開く中間着を選んでおく理由は、ここにもあります。
泊まりで2日以上滑るとき
泊まりで滑る日は、1日目の夜に、その日の寒さを思い出してください。リフトの上で震えたなら、2日目は1枚足す。滑っている途中で汗をかいて困ったなら、2日目は中間着を薄いものに替える。
1日目に着た肌着は、乾いて見えても汗を含んでいます。2日目は新しい肌着に替えてください。泊まりの日は、肌着を日数分と、予備をもう1枚持っていくと安心です。
晴れて風がない日・雪の日・風の日で変える場所
同じ気温でも、天気によって変えるべき場所は違います。枚数ではなく、どこを守るかが変わります。
晴れて風がない日は、思ったより暑くなります。中間着の前を開けて調整できるように、ファスナーの引き手が手袋をしたままつまめるかを確かめておいてください。日差しが雪に反射するので、顔の日焼け止めと、目を守るゴーグルかサングラスが要ります。
雪の日は、濡れることを前提にします。上着とパンツのつなぎ目から雪が入らないように、上着の裾を下ろし、雪よけの布を留めます。手袋は、濡れても替えられるように、もう一組を休憩所の荷物に入れておくと安心です。
風の日は、首と顔を守ります。風は、上着の首元から入って背中を冷やします。ネックウォーマーで首の付け根から鼻の下までを覆い、ウェアのファスナーをいちばん上まで閉めてください。風の日は、枚数を足すより、すき間をふさぐほうが効きます。
初めての日は、転ぶ回数のぶん濡れる前提で組む
初めてスキーをする日や、何年ぶりかで滑る日は、上手な人とは違う組み方をします。違うのは、転ぶ回数と、止まっている時間の長さです。
初めての日は、何度も転びます。転ぶたびに、手首や首元、背中のすき間から雪が入ります。入った雪は体温で溶けて、肌着を濡らします。だから、初めての日は「濡れても冷えにくい」ことを優先してください。肌着は必ず化繊かウールにし、首元はネックウォーマーでふさぎ、手袋は手首まで覆う長さを選びます。
もうひとつは、止まっている時間です。教わりながら滑る日は、説明を聞いている時間や、順番を待っている時間が長くなります。動いていない時間が長いぶん、上手な人より1枚多めにしておきましょう。表で3枚の日でも、初めての日は4枚目を持っていってください。
逆に、起き上がるときやブーツで歩くときは、思った以上に汗をかきます。暑くなったら中間着の前を開けて、汗が肌着にたまる前に熱を逃がします。
ブーツで歩く距離も見ておく
初めての日は、借りる場所からゲレンデまで、スキーブーツを履いて板を担いで歩くことがよくあります。スキーブーツは重く、足首が曲がらないので、平らな道を数百m歩くだけでも息が上がり、汗をかきます。
借りる場所とゲレンデが離れている場合は、上着は着ずに手に持って歩くか、前を全部開けて歩いてください。ゲレンデに着いて、汗が引いてから上着を閉めます。最初に汗をかいたまま1本目のリフトに乗ると、その日いちばん冷える時間になります。
教わる日の待ち時間
教わりながら滑る日は、斜面の途中で止まって説明を聞く時間が、思ったより長くなります。10分以上止まっていることもあります。そのあいだ、雪の上に立ったまま風を受けているので、リフトの上と同じくらい冷えます。
止まっているあいだは、ネックウォーマーを鼻の下まで上げ、手袋をしっかり手首までかぶせてください。足先が冷えてきたら、その場で足の指を握ったり開いたりすると、ブーツの中でも血が通います。
手・首・頭・足|ここだけは足し算でいい
体の幹は枚数を絞りますが、端の部分は足し算で構いません。手・首・頭は、ここが冷えると体全体が寒く感じるうえ、足しても動きのじゃまになりにくいからです。
| 場所 | 用意するもの | 足すか迷ったら |
|---|---|---|
| 手 | 防水の手袋、薄い手袋を中に1枚 | 中の薄い手袋を足す |
| 首 | ネックウォーマー | 鼻まで上げられる長さを選ぶ |
| 頭 | ヘルメットかニット帽 | 耳が隠れるもの |
| 足 | ふくらはぎまでの靴下を1足 | 足さない |
手袋は、スキー用の防水のものを選び、中に薄い手袋を1枚入れておくと、リフトの上で外の手袋を外してもすぐには冷えません。スマートフォンを触るときも、中の手袋のままなら手が冷えにくくなります。
頭は、ヘルメットをかぶるなら、その下に薄い帽子を1枚。ニット帽なら、耳が完全に隠れる深さのものにします。
足だけは、足し算をしないでください。靴下を2枚重ねたり、厚手の靴下を選んだりすると、ブーツを締めたときに足が圧迫されて血が通いにくくなり、かえって冷えます。靴下は、ふくらはぎまで届くスキー用か、中くらいの厚さのウールの靴下を1足だけにしてください。
目は、ゴーグルの曇りで冷える
顔まわりで見落としやすいのが、ゴーグルの曇りです。ゴーグルが曇ると、前が見えにくくなるだけでなく、曇りが凍って目のまわりが冷えます。
曇る原因の多くは、ネックウォーマーを鼻の上まで上げて、自分の息がゴーグルの中に入ることです。ネックウォーマーは鼻の下までにして、息が上に抜けないようにしてください。帽子やヘルメットとゴーグルの間にすき間があると、そこから冷たい風が入っておでこが冷えるので、ゴーグルの上の縁が帽子にかかる位置で着けます。
リフトに乗っているあいだにゴーグルをおでこに上げると、頭の熱で内側が曇ります。上げるならヘルメットや帽子の上まで上げきるか、首にかけておきます。
手が冷えたときの戻し方
リフトの上で手がかじかんでしまったら、手袋の中で指を握りこんで、親指を4本の指で包んでください。指を1本ずつ離しておくより、まとめて握るほうが温まります。手袋が5本指のものなら、リフトの上だけ指を袋の中で丸めておくのも効きます。
寒さが強い日のために、指が分かれていない袋型の手袋を選ぶ人もいます。指が分かれていないぶん、指どうしで温め合えるので、5本指より暖かく感じます。板やストックを握る操作は少しやりにくくなりますが、初めての日なら困るほどではありません。
昼休みと帰りの着替え
昼休みに休憩所へ入ったら、ウェアの上着は脱いでください。暖房の効いた室内で上着を着たままでいると、汗をかき、その汗が午後のリフトで冷えます。中間着も、暑ければ前を開けます。
午後に向けて、手袋と肌着の濡れを確かめます。手袋の中が湿っていたら、替えの手袋に替えましょう。肌着の背中が湿っているなら、着替えの肌着を1枚持っていくと、午後の冷え方がまったく違います。小さくたためるので、荷物の負担にはなりません。
帰りの着替えは、肌着から全部替えるつもりで用意してください。滑り終わった体は汗をかいていて、そのまま車や電車に乗ると、移動の途中で冷えてきます。
- 替えの肌着の上下
- 乾いた靴下
- 帰り道用の厚手の上着(厚手のダウンはここで使う)
- 濡れたものを入れる袋
宿に泊まる日は、乾燥室にウェアと手袋を干しておけば翌朝には乾きます。日帰りの日は、濡れたウェアをそのまま袋に入れて持ち帰り、家に着いたらすぐに広げて干してください。
当日の朝、出る前の確認
当日の朝は、前の晩に決めた枚数を、次の3つで最終確認します。
まず、ふもとの予報が前の晩から変わっていないか。2度以上下がっていたら、表で一段寒い側に移します。次に、風の予報。山の天気の予報で、山頂の風が5mを超えるなら、枚数を足すより首と顔のすき間をふさぐ準備を優先します。最後に、その日に滑る斜面。予定より上まで行くことになったなら、山頂の気温を計算し直します。
荷物は、身につける・ポケット・休憩所の3つに分ける
ゲレンデに出てから困るのは、必要なものが手元にないことです。前の晩のうちに、持ち物を3つに分けておくと、当日迷いません。
身につけるものは、肌着から上着まで、帽子、ゴーグル、手袋、ネックウォーマー。ポケットに入れるものは、薄い中間着か中の手袋の予備、リフト券、小さな日焼け止め、ティッシュ。休憩所に置くものは、替えの肌着と手袋、昼に脱ぐ上着を入れる袋、帰りの着替えです。
ポケットに入れるものは、上着の内ポケットに入れてください。外のポケットに入れたものは、転んだときに雪と一緒に濡れたり、落としたりしやすいからです。スマートフォンも、寒さで電池が早く減るので、体温が伝わる内ポケットに入れておきます。
とても寒い日は、枚数より滑る時間を短くする
山頂が氷点下15度を下回るような日は、枚数を足しても、リフトの上の寒さを防ぎきれないことがあります。そういう日は、中間着を2枚にしたうえで、滑る時間の組み方を変えてください。
長いリフトを使う上の斜面は、日が高くなる昼前後の1〜2時間だけにして、朝と夕方は短いリフトで下の斜面を滑ります。1時間に1回は休憩所に入り、手と足を温めてから次に出ます。寒さに無理に耐えて滑り続けるより、休む回数を増やすほうが、結果として長く楽しめます。
着ていく順番も確認しておきましょう。肌着とタイツを着て、中間着を着て、靴下を履き、その上からスキーパンツ。上着は現地で着ます。移動中に上着まで着ていくと、着いたときにはもう汗をかいています。
よくある組み合わせを、自分の条件に当てはめる
最後に、条件ごとの組み方を並べておきます。自分の行く場所の数字を入れて、近い列を選んでください。
| 条件の例 | 上半身 | 下半身 | 持っていくもの |
|---|---|---|---|
| 晴れ・山頂氷点下5度・リフト6分 | 肌着、フリース、ウェア | タイツ1枚、パンツ | 薄い中間着、替えの手袋 |
| 曇り・山頂氷点下9度・リフト8分 | 肌着、フリース、薄い中綿、ウェア | 厚手のタイツ、パンツ | 替えの肌着、替えの手袋 |
| 雪・山頂氷点下12度・リフト12分 | 肌着、フリース、薄い中綿、ウェア | 厚手のタイツ、パンツ | ネックウォーマー、替えの肌着と手袋 |
どの列でも、肌着は化繊かウール、中間着は前が開くもの、靴下は1足。ここは変えません。変わるのは、中間着を何枚にするかと、端の部分に何を足すかだけです。
汗をかきやすい人は、中間着を薄く2枚にする
滑るとすぐに汗をかく人は、厚い中間着1枚より、薄い中間着を2枚重ねるほうが調整しやすくなります。厚い1枚だと、暑いときに前を開けても中の熱が抜けきらず、脱ぐか着るかの2択になります。薄い2枚なら、外側の1枚だけ前を開ける、内側の1枚だけ前を開ける、と段階をつけて熱を逃がせます。
枚数としては4枚になりますが、厚さの合計は3枚のときとほとんど変わりません。汗で冷えた経験がある人は、表で3枚の日でもこの組み方を試してみてください。
逆に、ほとんど汗をかかず、とにかく冷えやすい人は、薄い2枚より、少し厚みのある中綿入りの中間着を1枚にするほうが暖かく感じます。自分がどちらの側かは、普段の冬に早歩きをしたとき、背中が湿るかどうかで見分けられます。10分歩いて背中が湿るなら汗をかきやすい側、湿らないなら冷えやすい側です。
1日の終わりに、自分の枚数の癖を書き残す
スキーに行く回数が年に1〜2回だと、次に行くころには前回何枚着て寒かったかを忘れています。そこで、滑り終わった日の帰り道に、3つだけ書き残しておいてください。
- その日の山頂の気温の目安と、いちばん長く乗ったリフトの時間
- 何枚着て行って、寒かったか、ちょうどよかったか、暑かったか
- 冷えた場所(手・足・首・背中のどこか)
これが2〜3回分たまると、自分の癖がはっきりします。たとえば「山頂が氷点下6度でも、リフトが8分を超えると手が冷える」とわかれば、次からはその条件の日に中の手袋を最初から着けて行けます。「表の通りに3枚で行くと、いつも背中が汗で冷える」とわかれば、中間着を薄いものに替えれば済みます。
表の境目は、多くの人に当てはまる目安です。自分の記録がたまってきたら、表の数字を自分の数字に書き換えてしまって構いません。それがいちばん外れない枚数の決め方になります。
まとめ:寒がりかどうかは、最後の1枚で決める
スキーウェアの中に何枚着るかは、山頂の気温とリフトに座っている時間で決まります。山頂の気温は、ふもとの予報から標高差100mごとに0.6度を引いて出し、風が強ければさらに低く見積もります。
基本は肌着・前が開く中間着・ウェアの3枚。山頂が氷点下8度を下回るか、リフトが10分を超える日だけ、4枚目を足します。迷ったら、4枚目は着ずに持っていく。寒がりかどうかは、この最後の1枚で調整してください。
天気によって守る場所が変わること、初めての日は転んで濡れる前提で組むこと、靴下だけは足し算しないこと。この3つを覚えておけば、雪山で寒さに困る時間はずっと短くなります。
冬の外運動の別の場面は、冬のゴルフウェア レディースやランニングウェア 女性|走る時間帯と1回の長さで最初の一式を選ぶでも、止まる時間と動く時間の差から組み方を書いています。
よくある問い
- Q. スキーウェアの中は何枚着ればいいですか
- 基本は3枚です。肌に触れる化繊かウールの肌着、前がファスナーで開く中間着、そしてスキーウェアです。ここに4枚目を足すかどうかは、山頂の気温とリフトの乗車時間で決めます。ふもとの予報から標高差100mごとに0.6度引いて、山頂が氷点下8度より低くなる日、またはいちばん長く乗るリフトが10分を超える日は、薄い中間着をもう1枚足してください。どちらにも当てはまらない日は3枚で足ります。迷ったら、4枚目は着ずにウェアのポケットか休憩所に持っていくのがいちばん失敗しません。
- Q. スキーウェアの下にジーンズやスウェットを着てもいいですか
- おすすめしません。綿のものは汗や雪で一度濡れると乾かず、濡れたまま冷えていきます。ジーンズは厚みがあるのでひざが曲げにくく、転んだときに起き上がりにくくもなります。下はスキーパンツの中に化繊かウールのタイツを1枚、寒い日でも厚手のタイツを1枚で十分です。スキーパンツ自体に中綿が入っているので、パンツの中は上半身ほど重ねなくて構いません。
- Q. スキー用の靴下は厚いほうが暖かいですか
- 厚ければ暖かいとは限りません。スキーブーツ、とくに借りるブーツは足の形にぴったり合うように締めるので、厚い靴下を履くと締めたときに足の甲や指が押されて血が通いにくくなり、かえって冷えます。靴下は1足だけ、ふくらはぎまで届く長さのスキー用か、中くらいの厚さのウールの靴下を選んでください。2枚重ねは、中でずれてしわになり、すれて痛む原因になります。
- Q. スキーウェアは借りても大丈夫ですか
- 大丈夫です。初めての日や年に一度行くかどうかなら、借りるほうが身軽です。ただし借りるときは、中に着ていく肌着と中間着を着た状態で試着してください。肌着1枚の状態でちょうどいいサイズを借りると、中間着を着たときに肩と脇が突っ張り、腕が上がりにくくなります。試着では両腕を頭の上まで上げて、背中の裾がパンツから出ないかを確かめます。
— メグラシ編集部





