結婚式の上着|行き帰りのコートと羽織を、会場でどうするか

この記事は、行き帰りに着る上着の話です。会場に着くまでのコートや羽織、着いてからの預け方をまとめました。式のあいだに着るジャケット・ボレロ・ショールの判断は結婚式のジャケットに分けてあります。バッグや荷物そのものの仕分けは結婚式の荷物とクロークに書きました。
結論|上着は「建物に入ったら脱ぐ、そして預ける」
先に答えを書きます。
上着は会場の建物に入ったところで脱ぎ、クロークに預けます。 受付に進む時点では、手に持っているか、すでに預け終わっている状態です。屋外の入口で震えながら脱ぐ必要はありません。ホテルなら回転扉を抜けてから、式場なら玄関ホールに入ってから。それで十分です。
そして、上着そのものはフォーマル専用でなくて構いません。 どうせ脱ぐものだからです。ドレスや靴ほど厳しく見られる品ではありません。ただし、受付までの数分と、帰り道は人に見られます。そこで浮かない程度に整っていれば足ります。
| 上着 | 判定 | ひとこと |
|---|---|---|
| 無地のウールコート(濃色) | 可 | 最も収まりやすい。丈は膝下 |
| ノーカラーコート | 可 | 首もとが空くので装いを邪魔しない |
| トレンチコート | 条件付き可 | 無地・ベルトを結ぶ・色は濃紺かベージュ |
| チェスターコート | 可 | 通勤用でも色が濃ければ通る |
| ダウンコート | 不可寄り | 厚みと光沢がカジュアルに見える |
| ダッフルコート | 不可寄り | 木製ボタンとフードが学生服の記号になる |
| モッズコート・ミリタリー | 不可 | 慶事の上着として扱われない |
| ファーコート | 条件付き可 | 毛足が短く、脱いですぐ預けられるなら |
| レザージャケット | 不可 | 素材そのものが慶事と合わない |
| 大判のストール | 可 | 春秋なら上着の代わりになる |
| ケープ・ポンチョ | 条件付き可 | 上品な素材なら。屋内では預ける |
| 和装の道行・道中着 | 可 | 和装で参列する日はこれが上着になる |
| レインコート | 条件付き可 | 会場前で脱いで、たたんで預ける |
| 上着なし(車で横づけ) | 可 | 移動が屋内だけなら不要 |
マナーは会場や地域で違います。ここに書いたのは広く語られている目安なので、格式のある会場や親族としての参列で気になる日は、会場に確認するのが確実です。
なぜ「建物に入ったら脱ぐ」のか
これは慶弔どちらにも共通する考え方で、外の空気をまとったまま室内へ入らないという発想から来ています。土や雨や埃を室内に持ち込まない、という実際的な意味もあります。
もう一つ、写真の問題があります。受付から会場までのあいだ、思いのほか写真を撮られます。友人が撮ることもあれば、会場のカメラが回っていることもある。コートを着たままだと、その一枚に外の姿が残ります。
ただし、厳密なタイミングを気にしすぎる必要はありません。 玄関を入ってすぐでも、クロークの前でも、どちらでも構いません。「受付に立つときには脱いでいる」。ここだけ守れば、それ以上の細かい所作を求められる場面はほとんどありません。
脱いだあとの持ち方にも、決まった作法があるわけではありません。よく語られるのは、裏地を内側にして縦にたたみ、腕にかけるという形です。表地を外にしたまま腕にかけると、ボタンや裾が人に当たりますし、混んだロビーでは他の方の服に触れます。たたんで小さくしておくほうが、結果として扱いやすくなります。
もう一つ、寒い時期の会場では、入口を入ってすぐが最も混みます。 同じ時間に着いた方が一斉にコートを脱ぐためです。少し奥へ進んでから脱ぐか、化粧室まで持って入ってしまうほうが、落ち着いて整えられます。
会場に着いてからの流れ
当日の動きを、順番に並べます。
| 順 | 場所 | やること |
|---|---|---|
| 1 | 会場の玄関・ロビー | コートを脱ぐ。手に持つ |
| 2 | 化粧室 | 髪と化粧を直す。羽織りを羽織る |
| 3 | クローク | コート・大きな荷物・傘を預ける |
| 4 | 受付 | ご祝儀を渡す。記帳する |
| 5 | 待合室 | 挙式まで待つ。ここでストールを使う |
| 6 | 挙式・披露宴 | 手元にはパーティバッグと羽織りだけ |
| 7 | お開き後、クローク | 引換券を出してコートを受け取る |
2番と3番の順序が入れ替わることがあります。荷物が多い日は先に預けたほうが楽ですが、化粧室で使うものはバッグに移してから預けてください。預けたあとで「あれを出したい」となると、また列に並ぶことになります。
クロークは、お開きの直後がいちばん混みます。二次会まで間がある日は、少し待ってから受け取ると列を避けられます。急ぐ日は、送賓の列に並ぶ前に一度受け取っておくという手もあります。
預けるか、持つか
判断の軸は一つだけです。披露宴のあいだに使うかどうか。
| もの | 預ける/持つ | 理由 |
|---|---|---|
| コート | 預ける | 披露宴で使わない。椅子の背では場所を取る |
| 大判ストール | 持つ | 冷房対策と膝掛けを兼ねる |
| 薄手のボレロ | 持つ | 挙式で羽織る |
| 傘 | 預ける | 傘立てがある会場も多い |
| サブバッグ | 持つ(席では足元へ) | 中身を使う可能性がある |
| 紙袋・ショッパー | 預ける | 会場に持ち込まない |
| 替えの靴 | 預ける | 履き替えたら元の靴を預ける |
| 着替え(二次会用) | 預ける | 中座して取りに行かない前提で |
| 引き出物 | 帰りに受け取る | 会場が用意した袋で渡される |
コートを椅子の背にかけている方をときどき見かけますが、隣の席との距離が近い会場では、袖が隣の方の背中に触れます。預けられるものは預ける。 それが結果的にいちばん楽です。
コートの色
上着の色は、ドレスほど厳しくありません。それでも、目安はあります。
| 色 | 判定 | ひとこと |
|---|---|---|
| 濃紺・チャコール | 最も無難 | どのドレスにも合い、季節も選ばない |
| ベージュ・キャメル | 可 | 顔まわりが明るく見える |
| グレージュ・ライトグレー | 可 | 春と秋に軽く見える |
| 黒 | 可 | 全身黒にならないよう小物で色を足す |
| 白・オフホワイト | 条件付き可 | 花嫁の色だが上着は脱ぐので許容範囲とされる |
| 明るい赤・鮮やかな原色 | 条件付き可 | 受付まわりで視線を集めやすい |
| 大きな柄・アニマル柄 | 不可寄り | 脱ぐ前の姿がカジュアルに読まれる |
白のコートについては、意見が分かれます。花嫁の色だから避けるという考え方と、上着はどうせ脱ぐのだから構わないという考え方の両方があります。気になるなら別の色を選べば済む話なので、迷ったときは濃色にしておくと悩まずに済みます。
素材と、ファーの扱い
| 素材 | 判定 | ずれたときに起きること |
|---|---|---|
| ウール(目の細かいもの) | 可 | 最も収まる。しわも出にくい |
| カシミヤ混 | 可 | 薄手でも暖かく、たたんでも形が戻る |
| ポリエステルの中綿入り | 条件付き可 | 光沢が強いとカジュアルに見える |
| ナイロン(アウトドア調) | 不可寄り | 素材の記号が屋外の服になる |
| ダウン | 不可寄り | 厚みで上半身が大きく見える |
| フェイクファー(毛足が長い) | 不可寄り | 抜けた毛がドレスや席に落ちる |
| フェイクファー(毛足が短い襟) | 条件付き可 | 会場に入ってすぐ外せるなら |
| リアルファー | 不可寄り | 殺生を連想させるとされる |
ファーについては、慶事では避けるという考え方が広く語られています。理由は殺生を連想させるという点と、毛が落ちるという実際的な問題の二つです。ただし、上着は脱いで預けるものなので、フェイクの襟が付いている程度なら気にしなくてよい、という見方もあります。会場に入る前に外せる作りなら、そのほうが確実です。
丈|ドレスとの関係
| ドレスの丈 | 合う上着の丈 | ずれたときに起きること |
|---|---|---|
| 膝丈 | 膝下 | 短い上着だと裾が長く出て、上下が分かれて見える |
| 膝下・ミモレ | ふくらはぎが隠れる丈 | 差が大きいと下半身だけ長く見える |
| ロング丈 | くるぶし近くまで、または短くして割り切る | 中途半端な丈が最も落ち着かない |
| パンツドレス | どの丈でも収まりやすい | 気にしなくてよい |
原則は**「ドレスの裾が上着から出ない」です。とはいえ、そのためだけにコートを買い足すのは現実的ではありません。手持ちで済ませたいなら、丈より色と素材**を優先してください。丈が合っていないことより、上着そのものがカジュアルなことのほうが目につきます。
気温帯ごとの現実解
「何度なら何を着るか」で考えると、迷いが減ります。
| 気温の目安 | 上着 | 会場内で使うもの |
|---|---|---|
| 25度以上 | なし(日傘は可) | 薄手のストール(冷房対策) |
| 20〜25度 | 薄手のストール、または羽織りのみ | そのまま羽織りとして使う |
| 15〜20度 | 薄手のコート、ジャケット | ボレロかストール |
| 10〜15度 | ウールコート | ジャケットかボレロ |
| 5〜10度 | ウールコート+ストール | ジャケット |
| 5度未満 | 厚手コート+ストール+手袋 | ジャケット。足元の防寒も |
真冬に困るのは、実は足元です。 ドレスに肌色のストッキングという組み合わせは、外を歩くには寒すぎます。会場までは黒タイツやパンツで移動し、化粧室で履き替えるという方法が広く使われています。この場合、替えのストッキングと、脱いだものを入れる袋を持っておいてください。
黒のストッキングやタイツは弔事を連想させるため、会場内では肌色が基本とされています。移動用と割り切るのが現実的です。足元の判断は結婚式の靴にまとめました。
雨・雪・風の日
| 天候 | 気をつけること | 対処 |
|---|---|---|
| 雨 | 裾とかかとが濡れる | 短めの上着、替えのストッキング、傘は預ける |
| 大雨 | 靴が中まで濡れる | 会場まで別の靴で行き、履き替える |
| 雪 | 足元が滑る | 滑りにくい靴で移動し、館内で履き替える |
| 強風 | ストールが飛ぶ、髪が乱れる | 留められる形の上着。ピンを一本持つ |
| 猛暑 | 汗で背中がしおれる | 上着は持たない。会場に着いてから整える |
濡れたコートをそのまま預けると、隣の方の荷物に触れます。入口で軽く水気を払ってから渡す。 小さなことですが、預ける側の作法としてよく語られるところです。
ストールは、上着と羽織りを兼ねられるか
兼ねられます。むしろ、春と秋はこれが最も身軽な解です。
| ストールの条件 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 幅70センチ以上・長さ180センチ以上 | 可 | 肩を覆え、膝掛けにもなる |
| 幅の狭いマフラー型 | 不可寄り | 首に巻くしかなく、羽織りにならない |
| シルク・サテンなど光沢のある薄手 | 可 | 会場でもそのまま使える |
| ウールの厚手 | 条件付き可 | 移動用。会場では預ける |
| 毛足の長いファー | 不可寄り | 毛が落ちる |
| カシミヤの薄手 | 可 | 軽くて暖かく、たたむと小さい |
大判を一枚持っておくと、移動中は肩にかけ、挙式では羽織り、席では膝にかけるという三役をこなします。バッグに入る薄さなら、クロークに預ける必要もありません。荷物を減らしたい方には、これがいちばん効率のよい一枚です。
掛け方にも、少しだけ差が出ます。両肩にかけて前で軽く合わせると羽織りとして落ち着き、片側に流すと動きが出ます。首に巻いてしまうと防寒具の見え方になるので、慶事の場では肩から掛ける形のほうが収まります。色は、ドレスと同系統か、ワントーン明るいところ。顔の近くに来る布なので、明るい側に振ったほうが写真での顔映りがよくなります。
和装で参列する日の上着
和装の場合、上着にあたるのは道行(みちゆき)や道中着です。塵よけと防寒を兼ねたもので、洋装のコートと同じく、会場に入ったら脱いで預けます。
洋装と違うのは、脱いだあとの形が完成しているという点です。訪問着や色留袖はそれ自体で装いが完結しているので、羽織り直すものがありません。着脱の判断に迷う場面が減るのは、和装の利点でもあります。
雨の日は、和装用の雨コートを重ねます。裾まで覆えるので、洋装より足元の心配が少なくなります。
立場別|どこまで気にするか
| 立場 | 上着の目安 | ひとこと |
|---|---|---|
| 新郎新婦の母親 | 和装なら道行、洋装なら濃色のコート | 早く着いて動くので、脱ぎ着しやすい形を |
| 叔母・伯母・祖母 | 濃色の無地コート | 親族は会場に長くいる。荷物は預ける |
| 姉妹・親族の配偶者 | 濃色のコート | 受付や案内に立つ可能性がある |
| 友人 | 手持ちで可 | 色と素材が整っていれば十分 |
| 職場の関係で参列 | 通勤用の濃色コートで可 | 柄の入ったものだけ避ける |
| 受付を頼まれた人 | 早めに預けられる形 | 開始前に立つので、動線を短く |
親族は早く着いて長くいます。 その分、上着の脱ぎ着と荷物の預け入れの回数が増えるので、扱いやすさを優先したほうが当日が楽になります。立場ごとの装いの格は結婚式 親族の服装にまとめました。
受付での動線|手がふさがらないようにする
受付は、当日いちばん手がふさがる場面です。ここで慌てないよう、動きを分解しておきます。
受付でやることは四つあります。挨拶をする、袱紗からご祝儀袋を出して渡す、記帳する、席次表を受け取る。 どれも両手か、少なくとも片手が空いていないとできません。
ところが、上着を腕にかけたまま列に並ぶと、この四つが一気に難しくなります。袱紗を開くために上着を持ち替え、記帳するためにまた持ち替え、席次表を受け取るためにもう一度。後ろに列ができている場面で、これは焦ります。
だから、クロークが先、受付が後です。順序を入れ替えるだけで、受付での動作がすべて楽になります。
| 受付での動作 | 必要な手 | 上着があるとどうなるか |
|---|---|---|
| 挨拶・お祝いの言葉 | 空いていなくてよい | 影響なし |
| 袱紗からご祝儀を出す | 両手 | 上着を腕に載せたまま開くことになる |
| ご祝儀を両手で渡す | 両手 | 片手渡しになりやすい |
| 記帳する | 片手+バッグを置く場所 | 置き場所がなくなる |
| 席次表を受け取る | 片手 | 抱える荷物が増える |
袱紗は、ご祝儀を渡したあとにたたんでバッグへ。パーティバッグに入りきらなければ、サブバッグへ移します。受付を通り過ぎたら、手に残るのはパーティバッグと羽織りだけ。 この状態を作れれば、あとの三時間は身軽です。
体型と羽織りの見え方
上着は脱いでしまうものですが、移動中の写真に残ることはあります。 気になる方のために、見え方の目安を置いておきます。
| 気になる点 | 向く上着 | ずれたときに起きること |
|---|---|---|
| 上半身に厚みがある | 前を開けて着られるノーカラー | 詰まった襟だと首が短く見える |
| 肩が薄い | 肩の縫い目がはっきりした形 | 大きい上着だと全体が沈む |
| 身長が低め | 膝下丈まで。長すぎない | くるぶし丈だと縦が分断される |
| 身長が高め | ロング丈が似合う | 短い丈だと上下の差が目立つ |
| ヒップが張る | 裾が広がらないIラインの形 | 裾が広がると横に大きく見える |
| 二の腕が気になる | 袖にゆとりのある形 | 細い袖だと腕の形が出る |
とはいえ、繰り返しになりますが、上着は十歩で脱ぐものです。 ここに時間をかけるより、脱いだあとの装いを整えるほうが、その日の見え方には効きます。体に合う形の見つけ方は骨格診断セルフチェックから確認できます。
手持ちのコートは使えるか
| 手持ちの上着 | 判定 | 見るべき場所 |
|---|---|---|
| 通勤用の濃紺チェスターコート | 可 | 毛玉と襟の型崩れ |
| ベージュのトレンチコート | 条件付き可 | ベルトを結ぶ。無地であること |
| ノーカラーの薄手コート | 可 | ほぼそのまま使える |
| フード付きのコート | 条件付き可 | フードが外せるなら外す |
| 中綿入りのコート | 条件付き可 | 光沢が強くなければ |
| ダウン | 不可寄り | 別の一着を借りるか、ストールで補う |
判定の軸は三つです。光沢が強すぎないか、フードやベルトなどの装飾が目立たないか、色が濃いか。 ここが揃えば、フォーマル専用でなくても通ります。
上着はドレスと違い、使い回しが効く品でもあります。濃紺かチャコールの無地を一着持っておけば、結婚式にも祝賀会や式典にも、入学式や卒業式にも回せます。
年代別|変えたほうがよいところ
| 年代 | 上着の選び方 | 理由 |
|---|---|---|
| 20代 | 手持ちの濃色コートで十分 | 脱いだあとが本番。無理に買い足さなくてよい |
| 30代 | ノーカラーか濃紺のコート | 参列の機会が増え、写真に残る回数も増える |
| 40代 | 目の細かいウール、丈は膝下 | 素材の差が見え方に出てくる |
| 50代 | 濃色の無地。羽織りと分けて考える | 親族として立つ機会が増える |
| 60代 | 軽い素材を優先。着脱のしやすさも | 長時間の会で、重い上着は負担になる |
年代が上がるほど、重さが効いてきます。 分厚いウールのコートは暖かい代わりに、腕にかけて歩くと想像以上に疲れます。薄手のカシミヤ混やストールに置き換えると、当日の体力が残ります。
それでもうまくいかないときの直し方
| うまくいかない状態 | 起きている原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| コートを脱ぐと装いがしおれている | 移動中に着ていた時間が長い | 会場近くまで手に持つ。化粧室で整える |
| 受付でもたつく | 上着と荷物を同時に扱っている | 先にクロークへ。バッグだけで受付へ |
| 席で寒い | 羽織りまで預けてしまった | ストールを一枚手元に残す |
| コートからドレスの裾が出る | 丈が合っていない | 色と素材を優先し、丈は割り切る |
| 帰りに列で待たされる | お開き直後に受け取りに行った | 送賓の前後どちらかにずらす |
| 上着が浮いて見える | 素材がアウトドア調 | 濃色の無地に替える。難しければストールで代用 |
二次会まで続く日
二次会がある日は、上着の扱いが少し変わります。
- 披露宴のクロークで一度受け取る。二次会会場は預かり設備が小さいことが多いためです
- 会場移動のあいだは着る。夜は冷えるので、ここで初めて上着が本領を発揮します
- 二次会会場では椅子の背か、まとめ置き場へ。立食なら足元に置かない
- 荷物は最小限に。披露宴の引き出物は、可能なら宅配便に回すか、まとめて預ける
二次会で服を替えないなら、上着を脱いだときに雰囲気が変わるよう、アクセサリーを一つ足すかジャケットを外すだけで十分です。着替えのために荷物を増やすほうが、当日の負担になります。
会場に着く前に、どこで整えるか
移動中に上着を着ないと決めると、次の問題が出てきます。どこで羽織り、どこで整えるのか。
答えは、会場の化粧室です。ここが当日の身支度の拠点になります。
| 場所 | できること | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 会場の化粧室 | 髪・化粧直し、羽織る、靴の履き替え | 最も広く、鏡も大きい。第一候補 |
| 会場のパウダールーム | 同上 | 混む時間帯があるので早めに |
| 最寄り駅の化粧室 | 靴の履き替え、ストッキング交換 | 雨や雪の日はここで一度整える |
| 近くのカフェ | 時間調整、髪直し | 早く着きすぎた日の待機に |
| ホテルの客室(宿泊する場合) | すべて | 遠方から参列する日はこれが最も楽 |
早く着きすぎない、遅れない。 受付開始の15〜20分前に会場へ着くくらいが、化粧室もクロークも混みすぎず、いちばん動きやすい時間帯だと言われています。それより早いと待合室で持て余し、遅いと受付の列に上着を持ったまま並ぶことになります。
遠方から参列する日は、会場か近くのホテルに一室取るという選択もあります。上着も靴も荷物も部屋に置けるので、クロークの往復が要らなくなります。前泊すれば、当日の朝の移動でしおれることもありません。
クロークの使い方
クロークは、預ける側が少し段取りしておくだけで、当日の待ち時間が変わります。
| 場面 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 預けるとき | 中身を先にバッグへ移す | あとから取り出すと列に並び直しになる |
| 引換券を受け取る | パーティバッグの決まった場所へ | 探す時間がいちばんもったいない |
| コートを渡す | 濡れていたら水気を払う | 隣の荷物に触れるため |
| 傘を渡す | 傘立てがあるか先に確認 | 会場によって扱いが違う |
| 受け取り | お開き直後を避ける | 送賓の前後にずらすと空いている |
| 二次会がある日 | 一度受け取っておく | 二次会会場は預かり設備が小さい |
引換券は、バッグの中で必ず同じ場所に入れておいてください。 小さな紙片なので、ご祝儀袋や袱紗と一緒にしておくと、受付のあとで行方が分からなくなります。スマートフォンのケースに挟む方もいます。
そして、貴重品は預けません。 クロークは荷物を預かる場所であって、貴重品を保管する場所ではないとされています。財布と鍵とスマートフォンは、パーティバッグに入る大きさで持っていくのが前提になります。
上着なしで行ける日
そもそも上着が要らない日もあります。判断は移動の形で決まります。
| 移動の形 | 上着 | 理由 |
|---|---|---|
| 自宅から会場までタクシー・車 | なくてよい | 屋外を歩く時間がほぼない |
| 会場に隣接するホテルに前泊 | なくてよい | 屋内で移動が完結する |
| 駅から徒歩5分以内・気温20度以上 | ストール一枚 | 冷房対策のみ考えればよい |
| 駅から徒歩10分以上 | 季節に応じて必要 | 歩く時間の分だけ体が冷える |
| 冬・屋外の移動あり | 必要 | 防寒を装いで代用できない |
| 屋外の挙式(ガーデン) | 羽織りが必須 | 式のあいだ外にいる |
上着を持たないと決めた日は、代わりにストールを一枚バッグへ。会場の冷房は、思っているより効きます。特に夏の披露宴は、料理を出す都合で室温が低めに保たれることが多く、ノースリーブに素足に近いストッキングでは二時間持ちません。
上着を決める順番
最後に、決め方の順序をまとめます。上着で悩む方の多くは、順番が逆になっています。
- ドレスを決める。丈と袖と色が確定します
- 式のあいだの羽織りを決める。ジャケットかボレロかストールか
- 移動の形を確認する。徒歩何分か、気温は何度か
- 上着が必要かを判断する。不要なら、ここで終わりです
- 必要なら、手持ちから選ぶ。色・素材・丈の順に見ます
- 足りないものだけ足す。多くの場合、足すものはありません
上着はいちばん最後に決めるものです。先に上着から考えると、脱いだあとの装いが後回しになって、本番のほうが決まらなくなります。
そして、上着で悩む時間の多くは、**「持っているもので大丈夫か」**という不安から来ています。色が濃く、光沢が強くなく、装飾が目立たない。この三つを満たしていれば、大丈夫です。会場に入って十歩で脱ぐものに、それ以上の条件は要りません。
買うか、借りるか
| 状況 | 向く選択 | 理由 |
|---|---|---|
| 濃色の無地コートを持っている | そのまま使う | 買い足す必要はほぼない |
| ダウンしか持っていない | 借りるか、ストールで代用 | 春秋なら大判ストール一枚で足りる |
| 年に数回、式典や祝賀会にも出る | 買う | 濃紺かチャコールの一着が長く使える |
| 冬の式が一度だけ | 借りる | 収納と手入れの手間を考えると合理的 |
| ドレスも一緒に用意する | まとめて借りる | 素材と色を揃えて選べる |
買うなら、濃紺かチャコールの、装飾のないノーカラーコート、丈は膝下。これが最も応用の効く一着です。結婚式にも、祝賀会にも、子どもの式典にも、そのまま回せます。
よくある誤解
| よく聞く話 | 実際のところ |
|---|---|
| 上着もフォーマル用でなければならない | 脱いで預けるものなので、色と素材が合えば手持ちで足ります |
| 黒のコートは慶事に使えない | 使えます。全身黒にならないよう小物で色を足します |
| コートは屋外で脱ぐのが礼儀 | 建物に入ってからで問題ないとされています |
| 白いコートは絶対に不可 | 意見が分かれます。気になるなら濃色を選べば済みます |
| ストールは羽織りだから上着にならない | 大判なら春秋の上着として成立します |
| クロークには必ず預けなければならない | 使うものは手元に持って構いません |
まとめ|使わないものは、預けてしまう
短くまとめます。
上着は、会場の建物に入ったところで脱いで、クロークに預けます。 受付に立つときは、パーティバッグと羽織りだけを持っている状態が身軽です。
選び方の軸は三つ。色は濃色、素材は光沢の強くないもの、丈はドレスの裾が出ない長さ。 この三つが揃えば、フォーマル専用でなくても構いません。上着はどうせ脱ぐものだからです。
そして、当日いちばん効くのは**「移動中は着ない、持つ」**という運用です。真夏でも真冬でも、会場に着いてから整えるほうが、装い全体がきれいに残ります。
季節と気温で置き換えるものが変わるので、迷ったら気温帯の表に戻ってください。あとは、玄関を入って、脱いで、預ける。それだけです。
最後に一つだけ。上着で悩んだ時間は、当日ほとんど誰にも見られません。 会場に入ってから十歩で脱ぎ、クロークに渡し、その日はもう手に取りません。それでもこの記事を書いたのは、上着の段取りが崩れると、受付での動作と、着いた直後の見え方と、帰り道の疲れ方まで、まとめて崩れるからです。
裏を返せば、移動中は持つ、着いたら整える、使わないものは預ける。 この三つを決めておくだけで、当日の負担はかなり軽くなります。装いの本番は、上着を脱いだあとにあります。そちらに体力と気持ちを残しておいてください。
関連記事
- 結婚式のジャケット|女性のマナーと着たままでよい場面
- 結婚式の荷物とクローク|何を預けて何を持つか
- 結婚式の小物と羽織もの
- 結婚式の服装マナー|これはダメ?の判断
- 結婚式の靴|黒のパンプスはOK?
- 結婚式に半袖・肩出しはOK?
- 結婚式のお呼ばれネックレス|パール以外の選び方
- 祝賀会の服装 女性|「平服で」の読み方
- 60代の結婚式の服装|親族として出るときの選び方
- 結婚式 親族の服装|立場別に格を決める
- 結婚式お呼ばれコーデ完全ガイド
- 11月の最初の一枚|アウターの選び方
— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 結婚式のコートは、どこで脱げばいいですか?
- 会場の建物に入ったところ、クロークの前あたりで脱ぐのが一般的とされています。受付に進む時点では、コートは手に持っているか、すでに預けている状態が落ち着きます。屋外の入口で脱ぐ必要はありません。寒い日は建物に入ってから脱げば十分です。
- Q. 結婚式でコートはクロークに預けるべきですか、持っていたほうがいいですか?
- コートは預けます。披露宴のあいだに使う場面がなく、椅子の背にかけると場所を取るためです。逆に、ストールや薄手の羽織りは冷房対策で使うので手元に持ちます。判断の軸は「披露宴のあいだに使うかどうか」の一点で、使わないものは預ける、と考えると迷いません。
- Q. 結婚式に黒いコートを着ていってもいいですか?
- 問題ありません。上着は会場に入る前に脱ぐものなので、ドレスほど色が問われないためです。ただし、脱ぐ前の受付まわりで人と会うことは考えておいたほうがよく、全身が黒一色にならないよう、マフラーやバッグに色を置いておくと軽く見えます。喪服として使っているコートは、家によっては気にされることがあるので、別の一着があるならそちらを選びます。
- Q. 結婚式にダウンやトレンチコートで行ってもいいですか?
- ダウンは避けたほうが落ち着きます。厚みと光沢が強く、脱ぐ前の姿がカジュアルに見えるためです。トレンチコートは色と素材次第で通ります。ベージュや濃紺の無地で、ベルトをきちんと結べば、脱ぐまでの数分をやり過ごせます。防寒が足りない日は、コートの下にストールを重ねるか、厚手のインナーで補います。
- Q. 結婚式の上着はどのくらいの丈がいいですか?
- ドレスの裾がコートから出ない丈が最も収まります。膝丈のドレスなら膝下丈のコート、ミモレ丈のドレスならふくらはぎが隠れる丈です。短いコートからドレスの裾が長く出ていると、上下が分かれて見えます。ただし、脱いでしまえば関係のない話でもあるので、手持ちで済ませたいときは色と素材を優先して構いません。
- Q. 夏の結婚式でも上着は必要ですか?
- 屋外の移動には要りませんが、会場内の冷房対策として薄手の羽織りが一枚あると体が楽になります。たたむと小さくなるストールをバッグに入れておく形が最も身軽です。真夏に厚手の上着を着て歩くと、着いた時点で汗をかき、装い全体がしおれてしまいます。
- Q. 雨の日、結婚式の上着と傘はどうすればいいですか?
- 傘は会場の傘立てか、クロークで預かってもらえることが多いところです。濡れたコートをそのまま預けると隣の方の荷物に触れるので、入口で軽く水気を払ってから渡します。裾が濡れやすいので、雨の日は少し短めの上着のほうが扱いやすく、替えのストッキングを一足持っておくと安心です。
- Q. 上着を預けたあと、寒かったらどうすればいいですか?
- クロークは受け取りに時間がかかるので、寒がりの方は最初から薄手のストールを一枚手元に残しておきます。会場内で冷えるのは足元と二の腕なので、ストールを膝にかけるだけでもかなり違います。どうしても寒いときは、係の方に伝えれば席の位置や空調を調整してもらえることもあります。
— メグラシ編集部




