レストランの服装|秋冬のディナーは、コートの置き場と座る椅子で決める

あなたが「この店にこの服で浮かないか」で迷っているなら、先に確かめるのは店の格ではなく、コートをどこに置く店かと、どんな椅子に座るかです。
レストランの服装を調べると、ドレスコードの言葉の説明がたくさん出てきます。けれど、実際に店に入ってから困るのは、言葉の解釈ではありません。入口でコートをどうするか、席に着いたら鞄をどこに置くか、座ったらスカートがどこまで上がるか。この3つです。
秋冬のディナーでは、ここにコートが加わります。夏なら服は1枚で完結しますが、秋冬は「店に入るまでの服」と「席での服」が分かれます。どちらを主役にするかは、コートを預ける店か、自分で椅子の背に掛ける店かで変わります。
この記事では、店の種類で答えを決めるのではなく、あなたが予約のときや店に着いたときに確かめられることで、服を決めていきます。
結論:コートの置き場・椅子・照明の3つで決める
秋冬のディナーの服は、次の3つを順に確かめると決まります。
| 確かめる順 | 何を見るか | 決まること |
|---|---|---|
| ① | コートを店が預かるか、自分で椅子に掛けるか | 上着を脱いだあとの1枚に、どこまで手をかけるか |
| ② | 座る椅子の高さ・背もたれ・ソファか | スカートの丈、背中の飾り、生地の厚み |
| ③ | 照明の明るさ | 色で見せるか、素材の艶で見せるか |
**①が一番先です。**コートを預ける店では、席にいるあいだずっと、コートの下に着ていた1枚だけが見えます。コートを椅子の背に掛ける店では、コートも席の景色の一部になります。どちらの店かで、服のどこに手をかけるかが逆になります。
②と③は、①が決まってから考えれば足ります。
3つが分からないまま当日になったら
予約を人に任せていた、急に誘われた、店の案内に何も書いていない。3つとも分からないまま当日を迎えることもあります。そういう日は、3つそれぞれの「困るほう」に合わせておきます。
- コート:預けても掛けても困らないよう、中の1枚だけで完結する服にし、コートは膝より上の丈にする
- 椅子:低いソファでも高いカウンターでも困らないよう、パンツか、膝下10cm以上でゆとりのあるスカートにする
- 照明:明るくても暗くても困らないよう、色のある1枚に、小さな光るものを1つ足す
この3つを守っておけば、どの店に案内されても、席に着いてから慌てることはまずありません。分からないことを当てにいくより、どちらに転んでも困らない側に寄せておくほうが、当日の気持ちが楽です。
店の前に着いてから、入口の様子で答え合わせをしてください。入口のすぐ脇に預かり用の棚や小さなカウンターがあれば、コートは預ける店です。扉を開けてすぐに客席が見える店は、たいてい椅子の背に掛ける店です。
店に入ってからの3分で、何が起きるか
服を選ぶ前に、店に入ってから席に着くまでの流れを思い浮かべてください。
- 入口の扉を開ける。外の空気と店の中の空気の差を感じる
- 店の人に名前を告げる。このとき、コートを預かるかどうかを聞かれる店と、聞かれない店がある
- 席に案内される。歩く距離は数mから十数m
- 椅子を引いてもらうか、自分で引く。座る
- 鞄を置く場所を探す。足元か、椅子の背か、専用の小さな台か
- ナプキンを膝に置く。ここで、スカートの丈と生地の滑りが分かる
この6つのうち、服が関わるのは2、4、5、6です。特に2と6は、服を選んでいるときには思い浮かびにくいところです。
秋冬は、1の温度差も大きくなります。外が冷えていても、店の中は暖房で温かく、席に着いて10分もすると、厚手のニットでは暑く感じることがあります。逆に、窓際やテラスに近い席では、足元が冷えます。
早見表|店に着いたときの様子と、服の重心
店の種類ではなく、着いたときに分かることで並べます。
| 着いたときの様子 | 服の重心 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 入口でコートを預かると言われる | 中の1枚 | 脱いだあとに1枚で完結するか |
| 席に通され、椅子の背にコートを掛ける | コートと中の1枚の両方 | コートの裾が床につかないか |
| カウンター席に並んで座る | 横顔と袖 | 隣の人と腕が近い。袖口が料理に触れないか |
| ソファ席・低い椅子 | 座ったときの膝 | 丈が上がる。生地が滑らないか |
| 照明が落とされ、テーブルに小さな明かり | 顔まわりの艶 | 黒や濃紺が沈む。光る素材を1つ |
表の1行目と2行目は、同じ店でも混み具合で変わることがあります。予約のときに聞けるなら聞いておくと、当日に迷いません。
測るところ①|コートを預ける店か、自分で掛ける店か
コートを預ける店では、席にいる2時間前後、あなたが見せるのはコートの下の1枚だけです。ここで、家を出るときに「コートを着るから中はこれで」と決めた1枚が、思っていたより普段着に見えることがあります。
**預ける店だと分かっているなら、中の1枚から選んでください。**コートは店に入るまでの数十分しか見えないので、手持ちのいちばん整った1枚で足ります。
自分で椅子の背に掛ける店では、事情が変わります。コートは椅子の背から床に向かって垂れ下がり、通路を歩く人や店の人の目に入ります。ここで気をつけるのは、コートの丈です。
- 椅子の座面の高さは、たいてい床から40〜45cm
- 背もたれの上端は、床から80〜90cm
- 背もたれにコートの肩を掛けると、コートの裾は背もたれの上端から、コートの着丈ぶん下がる
着丈が100cmを超えるロングコートを背もたれに掛けると、裾が床につきます。床についた裾は、通る人に踏まれたり、床の水気を吸ったりします。ロングコートの日は、二つ折りにして背もたれに掛けるか、店の人に預けられるか聞いてください。
ショート丈やハーフ丈のコートなら、背もたれに掛けても床にはつきません。自分で掛ける店が多いと分かっているなら、秋冬の外食用には膝より上の丈のコートが扱いやすいです。
予約のときに聞いてよいこと
「コートはお預かりいただけますか」「席はテーブルですか、カウンターですか」は、予約のときに聞いて失礼にはなりません。店のほうも、案内の段取りが分かるので助かります。電話でも、予約の画面の備考欄でも構いません。
測るところ②|テーブルの上に見えるのは、胸から上の約40cm
席に着いてしまえば、向かいの人や周りの席から見えるのは、テーブルの上に出ている部分だけです。テーブルの高さは床から70cm前後、椅子の座面は40〜45cmなので、座った人の体はおよそ胸から上がテーブルの上に出ます。
座高にもよりますが、テーブルの天板から頭のてっぺんまでが、だいたい40cm前後です。ディナーで見られる服は、この40cmに入っている部分です。
だから、次のような考え方ができます。
- 下は手持ちのパンツでも、上の1枚が整っていれば、席では整って見える
- 逆に、ワンピースを選んでも、胸から上が平坦だと、席では印象が薄い
- 首まわり、耳元、手元(グラスを持つ手)が、席でいちばん目に入る
家で確かめるなら、ダイニングの椅子に座り、テーブルの天板の高さに定規を水平に当てて、鏡で見てください。定規から上に見えているものが、店で見られる範囲です。思っていたより、袖と襟が大きく映ることに気づくと思います。
袖口はテーブルに乗る
席では、腕の先がテーブルの上に乗ります。ナイフとフォークを使うとき、グラスを取るとき、袖口が皿のふちやソースに近づきます。
袖口が広がる形や、手の甲にかかる長さの袖は、料理に触れやすくなります。手首から2〜3cm上で止まる袖か、袖口が手首に沿う細さのものが、席では扱いやすいです。広がる袖が好きな日は、肘の下まで軽くたくし上げても形が崩れないかを、家で一度試してから出かけてください。
首まわりの形で、40cmの印象が変わる
40cmの範囲の中で、いちばん面積が大きく、いちばん目に入るのが首まわりです。同じ色、同じ素材でも、襟ぐりの形が変わると、席での印象はかなり変わります。
- 首に沿う丸い襟ぐり:落ち着いて見える。光るものを耳元に足すと、ディナーらしさが出る
- 鎖骨が少し見えるV字や舟形の襟ぐり:顔まわりが明るく見える。首元に何も足さなくても成り立つ
- 首を覆うタートルネック:暖かく、秋冬らしい。ただ暖房の効いた店では暑くなりやすく、顔の下に影ができる
- 襟のあるシャツ:仕事の会食で迷わない。襟が寝てしまう柔らかい生地より、少し立つ生地のほうが整って見える
タートルネックで行く日は、首が詰まっているぶん、耳元の光るものをいつもより少し大きくしてください。顔とニットのあいだに光が入ると、暗い店でも顔が沈みません。鎖骨の見える襟ぐりの日は、窓際で寒くなったときのために、ストールを首に軽く掛けられるようにしておくと安心です。
測るところ③|照明の明るさで、色か艶かが決まる
レストランの照明は、店によって大きく違います。昼間のように明るい店もあれば、テーブルの小さな明かりだけで料理を見せる店もあります。
確かめ方は簡単です。席に着いて、メニューの小さな文字を、顔から30cmほど離して読めるかどうか。読める明るさなら、色はそのまま見えます。顔を近づけないと読めない暗さなら、色の差はほとんど見えなくなり、代わりに光を返す素材だけが目立ちます。
- 明るい店:色で見せる。秋冬なら、深い赤みのある色や、温かみのある中間色が料理と馴染む
- 暗い店:艶で見せる。サテンのような光沢、細い光る糸の入ったニット、耳元の小さな光るもの
暗い店に、つやのない黒や濃紺の1枚だけで行くと、顔の下が沈んで見えます。黒が好きなら、黒のままで構いません。そのかわり、素材を光るものにするか、首まわりに光を返すものを1つ足してください。
照明が分からない店では、両方に備えます。色のある1枚に、小さな光るものを1つ。これなら、明るい店でも暗い店でも浮きません。
写真を撮る日は、照明より画面で考える
誕生日や記念日のディナーでは、料理と一緒に自分たちの写真を撮ることがあります。写真は、目で見るよりも暗い店の影響を強く受けます。目では温かく見えていた照明が、写真では顔だけが黄色く、服は黒く潰れて写ることがよくあります。
写真を撮ると分かっている日は、顔のすぐ下に、明るい色か光を返す素材を置いてください。白に近い色のブラウス、淡い色のストール、光沢のある素材。これがあると、暗い店でも顔の下に光が回り、写真で顔が沈みません。
黒い服で写真に写るなら、黒の面積を小さくするか、首元を少し開けて肌を見せると、写真の中で顔と服の境目がはっきりします。
測るところ④|椅子の高さと背もたれで、丈と背中が決まる
座る椅子は、服の下半分を決めます。
座面が40〜45cmの普通の椅子なら、座ると膝丈のスカートは膝の少し上まで上がります。膝が出るのが落ち着かない人は、膝下5cm以上の丈にすると、座っても膝が隠れます。
ソファ席や、座面が低く沈む椅子では、腰が膝より低くなります。膝丈のスカートは膝上10cm近くまで上がることがあります。ここはパンツか、くるぶしに近い長さのスカートが落ち着きます。
カウンターの高い椅子では、足が床につかず、足置きに足を乗せます。膝が上がるので、タイトなスカートは裾が引っ張られます。カウンターと分かっている日は、ゆとりのある形か、パンツにしてください。
背もたれも見ておきます。背もたれに寄りかかる時間は、2時間のディナーなら半分以上になります。
- 背中に大きなリボンや結び目がある服は、寄りかかると潰れて、座り心地も落ち着かない
- 背中の開いた服は、秋冬は背もたれの冷たさが直接伝わる
- 厚手のニットは、背もたれと体のあいだでかさばり、暖房の効いた店では暑い
背中に飾りのある服を着たい日は、背もたれのない席か、浅く腰かける前提で選んでください。
秋冬に加わること|入口と席の温度差
秋冬のディナーで、もう1つ考えておきたいのが温度差です。
外の気温が10度前後でも、店の中は20度を超えていることが多く、厨房に近い席ではもっと暖かくなります。一方で、入口の近くや窓際の席は、扉が開くたびに冷たい空気が入ってきます。
この差に備えるには、厚い1枚で温度を合わせるのではなく、薄い2枚で調整します。
- 中の1枚は、店の中の温度に合わせて薄手にする(ハイゲージのニット、とろみのあるブラウス)
- 席で寒いときのために、ストールか薄いカーディガンを1枚、鞄に入れる
- コートは、店に着くまでの寒さだけを受け持つ
厚手のニットを1枚で着ていくと、店に入って10分後に暑くなっても、脱ぐことができません。脱いだら中が下着になってしまうからです。秋冬の外食は、脱げる構成にしておくのがいちばん確かです。
足元の冷え
窓際や入口の近くでは、上半身より足元が冷えます。ストッキング1枚の日は、膝掛けを借りられる店もありますが、すべての店にあるわけではありません。冷えやすい人は、パンツにするか、ストールを膝に掛けられる大きさにしておくと両方に使えます。
雨の日と、濡れたコート
秋の長雨や冬の冷たい雨の日は、コートが濡れたまま店に入ることになります。コートを預ける店なら、そのまま渡して構いません。気になるのは、自分で椅子の背に掛ける店です。
濡れたコートを背もたれに掛けると、椅子の布地に水気が移り、自分の背中にも冷たさが伝わります。入口で軽く水気を払ってから、外側を内側に折り込むように二つ折りにして掛けてください。濡れた面が内側に入るので、椅子も背中も濡れません。
雨の日は、足元も変わります。濡れた革の靴は、店の床で滑りやすくなります。雨の予報の日は、底にゴムの入った靴か、かかとの太い靴を選んでください。傘は入口の傘立てに置ける店がほとんどですが、細い折りたたみ傘は袋に入れて鞄にしまえるように、袋を持っていくと席で困りません。
どちらとも取れるとき①|「スマートカジュアル」とだけ書いてある
店の案内に「スマートカジュアル」とだけあって、何を着ればいいか分からない。いちばん多い迷い方です。
この言葉を解釈しようとすると、人によって答えが違って、かえって迷います。ここは言葉ではなく、先ほどの40cmで考えてください。
- テーブルの上に出る40cmが、襟のある1枚か、襟ぐりが整った無地のニットなら通る
- 下は、パンツでもスカートでもよい。ただし色落ちしたデニムや、スウェット生地は避ける
- 足元は、かかとのある革の靴か、つま先が丸い革のフラットシューズ
これで迷いが残るときは、予約の電話で「仕事帰りの服装で伺っても大丈夫ですか」と聞いてください。ほとんどの店は、そのくらいの具体さで聞かれると答えやすいものです。
**迷ったら、きちんとしている側に寄せてください。**整いすぎて浮くことは、ディナーではほとんどありません。くだけすぎて落ち着かないほうが、2時間のあいだ気になり続けます。
どちらとも取れるとき②|テーブル席かカウンター席か分からない
予約のときに席の種類まで聞けなかった。予約画面に書いていない。そういう日は、どちらに座っても困らない組み方にします。
| 部分 | テーブル席で困ること | カウンター席で困ること | 両方に通る選び方 |
|---|---|---|---|
| 下 | 低い椅子で丈が上がる | 高い椅子で膝が上がる | パンツか、膝下10cm以上でゆとりのあるスカート |
| 袖 | 皿に近づく | 隣の人の腕に近い | 手首より上で止まる袖、袖口が細い |
| 鞄 | 足元に置く | 足元に置けないことがある | 膝に乗る大きさ、肩に掛けられる紐 |
カウンター席は、横に並ぶので、隣の人との距離が近くなります。袖が広い服や、横に張り出す飾りは、隣の人の腕に当たることがあります。カウンターの可能性がある日は、横幅の出ない形を選ぶと安心です。
どちらとも取れるとき③|同席者の服装が読めない
家族の祝いの食事や、仕事の会食、久しぶりに会う友人とのディナー。自分だけが整いすぎたり、くだけすぎたりしないか、同席者の服が読めないこともよくあります。
このときは、40cmの範囲を「足し引きできる」形にしておきます。
- 中の1枚は、無地で落ち着いたもの
- 耳元か首元に、外せる光るものを1つ
- 上に、脱げる薄手のジャケットかカーディガン
着いてみて、周りが整っていれば、ジャケットを着たまま光るものも着けておく。周りがくだけていれば、ジャケットを脱いで、光るものも外して鞄にしまう。これで、どちらの場合でも席に馴染みます。
仕事の会食では、相手より目立たないことが大事な場面もあります。そういう日は、色を1つに絞り、素材で整えてください。
年上の家族と一緒の祝いの席
親の誕生日や長寿の祝い、家族の節目の食事では、店の格よりも、一緒に座る家族の服が基準になります。年上の家族が整った服で来るなら、自分だけ普段着に見えると、本人よりも周りが気にします。
家族の祝いの席で迷ったら、主役の人より明るい色を避け、主役の人と同じくらいの整い方を目指してください。主役が着物やスーツで来るなら、こちらはジャケットかきちんとしたワンピース。主役が普段のニットで来るなら、こちらも整ったニットで十分です。
聞けるなら、事前に「何を着ていくの」と一言聞いてしまうのがいちばん早いです。祝いの席は写真に残ることが多いので、並んだときに1人だけ浮かないことが、何より後で効いてきます。
どちらとも取れるとき④|昼は街歩き、夜はディナーの日
休日の旅先や、街で用事を済ませてからディナーに向かう日もあります。昼の歩きやすさと、夜の席での整い方を、1日で両立させないといけません。
ここは、靴と中の1枚で切り替えます。
- 昼は歩ける靴、夜は鞄に入れておいた薄い靴に履き替える(荷物が増えるので、ホテルに一度戻れる日向き)
- 戻れない日は、歩けて、かかとのある革の靴を1足で通す。かかとが3〜4cmの太いものなら、1日歩いても疲れにくい
- 中の1枚は、昼はカーディガンを上に重ね、夜はカーディガンを脱いでストールに替える
旅先の外食で服の荷物を減らしたいときは、旅行の服装のシワで書いた、素材ごとの直し方もあわせて見てください。夜の1枚がシワだらけだと、どれだけ整った形でも席で落ち着きません。
足元と鞄|床の素材と、置き場所
足元は、テーブルの下に隠れるので見えないと思われがちですが、入口から席までの数mは、全身が見えます。秋冬は、ブーツで行く日も多いと思います。
- ショートブーツは、パンツの裾に隠れるなら、ほとんどの店で通る
- ロングブーツは、スカートと合わせると、席に着くまでの全身の印象が強くなる。整った店では、細身でかかとのあるものを
- 靴を脱いで上がる座敷の店では、ブーツの脱ぎ履きに時間がかかる。ファスナーのあるものか、短靴を
鞄は、席に着いてからの置き場で選びます。
- 足元に置く店:床に直接置ける底の硬い鞄
- 椅子の背に掛ける店:肩紐のある鞄。ただし、コートと一緒に掛けると重みで椅子が後ろに傾くことがある
- 小さな台を出してくれる店:大きさは問わない
手袋とマフラーの置き場
秋冬のディナーで、意外と困るのが手袋とマフラーです。コートを預ける店なら、袖の中にしまって一緒に渡せます。自分で椅子の背に掛ける店では、コートのポケットに手袋を入れ、マフラーはコートの肩に重ねて掛けてください。
マフラーを首に巻いたまま席に着くと、暖房の効いた店ではすぐに暑くなります。かといって、膝の上に置くとナプキンと重なって落ちやすく、足元に置くと床に触れます。コートと一緒にまとめておくのがいちばん落ち着きます。
大判のストールをマフラー代わりに巻いてきた日は、席で肩に掛け直せば、そのまま窓際の冷え対策になります。秋冬の外食が多い時期は、マフラーよりストールのほうが、店の中で役に立つ場面が多いです。
ディナーの鞄は、財布と携帯電話と口紅が入れば足ります。大きな鞄は、足元に置くと通路にはみ出し、店の人が料理を運ぶときに邪魔になります。普段の大きな鞄で来た日は、入口でコートと一緒に預けられるか聞いてください。
よくある行き違い
ディナーの服で、よく聞く行き違いを3つ挙げます。
**コートを脱いだら、中がまるで普段着だった。**家を出るときは、コートを着た姿で鏡を見ます。店に入ってからの姿は見ていません。出かける前に、一度コートを脱いだ姿で鏡の前に立ってください。
**暖房で暑くて、食事に集中できなかった。**厚手のニット1枚で行った日に起きます。脱げる構成にしておけば避けられます。
**ソファ席でスカートが上がり、ナプキンで隠し続けた。**低い椅子は、予約のときに聞かないと分かりません。丈が心配な日は、パンツにするのがいちばん確かです。
もう1つ、香りも服の一部です。料理を楽しむ店では、強い香りは周りの席に届きます。ディナーの日は、香りを控えめにするか、手首ではなく足首など、テーブルから遠いところにつけてください。
迷ったら、大判のストールを1枚
ここまで読んでも決めきれない日のために、どの店でも助けになる1枚を挙げておきます。大判のストールです。
- 窓際で寒いときに肩に掛ける
- 暗い店で、顔まわりに色を足す
- 低い椅子で丈が上がったとき、膝に掛ける
- 中の1枚がくだけて見えるとき、肩に巻いて首元を整える
色は、手持ちのコートと中の1枚のどちらにも合うものを。秋冬なら、深みのある色か、温かみのある中間色が使いやすいです。素材は、薄くて畳める織りのものが、鞄に入れてもかさばりません。
装いに活かすなら
レストランの服は、店の格を当てにいくと、毎回答えが変わります。けれど、コートの置き場、座る椅子、照明の3つで決めると、どの店でも同じ順番で選べます。
この順番で手持ちの服を見直してみると、ディナーに使える1枚が意外と少ないことに気づくかもしれません。テーブルの上の40cmを整える1枚は、仕事の日にも、家族の祝いの日にも使えます。秋冬の外食が続く時期の前に、1枚だけ用意しておくと、毎回の迷いが減ります。
年代で変わるところ
3つの順番は、どの年代でも同じです。変わるのは、40cmの中で何を足すかです。
20代から30代の前半は、色で見せても、素材で見せても、どちらでも成り立ちます。光るものを足しすぎると、かえって背伸びに見えることがあるので、耳元か首元のどちらか1か所で十分です。
30代の後半から40代は、素材の差がいちばん効いてきます。同じ黒のニットでも、細い糸で編まれたものと、太い糸のざっくりしたものでは、席での印象がまるで違います。ディナー用の1枚は、細い糸で、表面に少し光のあるものを選ぶと、暗い店でも明るい店でも整って見えます。
50代からは、首まわりと手元が印象を決めます。首元に何もないと、照明の下で顔の下が寂しく見えることがあります。光るものを首元に1つ、グラスを持つ手元に1つ。手元は、指輪でも、袖口から少し見える腕時計でも構いません。どの年代でも、足すのは2か所までにしておくと、料理の邪魔をしません。
ホテルの中のレストランは、施設としての決まりが加わります。ホテルのディナーで迷うときは、ホテルのレストランの服装とドレスコードとホテルディナーの服装 冬も見てください。
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よくある問い
- Q. 初めて行くレストランで、服装の決まりがよく分かりません
- 予約のときに、コートを預かってもらえるかと、席がテーブルかカウンターかを聞いてください。この2つが分かれば、上着を脱いだあとの1枚と、座ったときの丈が決まります。ドレスコードの言葉が書いていない店でも、コートを預かる店は、脱いだあとの1枚がきちんとして見えることを前提にしていることが多いです。
- Q. スマートカジュアルと書いてあります。何を着ればいいですか
- 上半身を、襟のある1枚か、襟ぐりがきれいに整った無地のニットにしてください。テーブルの上に見えるのは胸から上なので、ここが整っていれば、下はパンツでもスカートでも通ります。避けたいのは、スウェット生地や、首まわりが伸びた1枚です。足元はスニーカーより、かかとのある革の靴のほうが迷いません。
- Q. 仕事帰りにそのまま行きます。着替えられません
- 仕事の服のまま行くなら、上着を脱いだときの中の1枚を、少しだけ光るものに替えておいてください。とろみのあるブラウスや、細い光沢の糸が入ったニットです。朝のうちにその1枚を着ていけば、上着を脱ぐだけで夜の顔になります。耳元に小さな光るものを足すのも、鞄に入れておけるので便利です。
- Q. ソファ席だと聞きました。気をつけることはありますか
- 座面が低く、深く沈むので、膝丈のスカートは座ると膝上まで上がります。膝丈より5cm以上長い丈か、パンツにしてください。背もたれが柔らかいので、背中に厚みのある結び目や大きな飾りがあると落ち着きません。
- Q. 窓際の席は寒くないですか
- 秋冬の窓際は、ガラスの近くだけ空気が冷えます。肩と腕に薄い1枚を掛けられるよう、大判のストールを持っていくと安心です。カーディガンを椅子に置いておく方法もありますが、背中に回すとかさばるので、ストールのほうが席では扱いやすいです。
— メグラシ編集部





