旅行の服装 シワ|秋冬の旅は、宿で開けた朝に素材ごとに直す

**旅行に持っていく服を、1枚ずつ手で10秒握ってみてください。**離して30秒待ったとき、握った跡が消える服と、くっきり残る服に分かれます。
旅先でスーツケースを開けて、ブラウスに折り目が1本入っていた。パンツの膝に横ジワ、ニットの袖にたたみ跡の段。旅行の服のシワは、畳み方が下手だから起きるのではありません。多くは、素材が「吊るせば戻る側」か「熱をかけないと戻らない側」かを分けずに、同じ詰め方をしていることが原因です。
あなたのシワが、吊るしておいて翌朝に消える種類なら、直し方は宿の浴室だけで足ります。消えない種類なら、直し方より先に、持っていく服を1枚替えるほうが早い。この記事は、秋冬の旅に多いニット・ウールのパンツ・コート・薄手のブラウスに絞って、宿で直す方法と次の旅の詰め方を書きます。旅から帰って、着なかった服や合わなかった服を分ける話は旅行の服装 失敗に、リュックで動く旅はリュックで旅行の服装に分けてあります。
結論:シワは、戻る素材と戻らない素材で直し方が2つに分かれる
シワの直し方は、素材で2つに分かれます。
| 分かれ方 | 主な素材 | 宿での直し方 | 次の旅で変えること |
|---|---|---|---|
| 吊るせば戻る側 | ウール・ニット・厚手のジャージー・起毛 | 前の晩に吊るして、浴室の湯気に当てる | 詰め方はそのままでよい |
| 熱をかけないと戻らない側 | 綿・麻・薄いレーヨン・張りのある化繊 | 湿らせて手で伸ばし、残る折り目はアイロン | 枚数を減らすか、上の段に入れる |
| 押されて形が崩れる側 | 中わたのコート・ダウン | 振って空気を入れ、半日吊るす | 圧縮せず、いちばん上に置く |
| 形そのものが崩れる側 | プリーツ・タック | 裾を下に向けて吊るし、ひだを手でそろえる | ねじって筒に入れ、立てて詰める |
宿で直すのにいちばん効くのは、到着した夜に吊るすことです。朝に直そうとすると、戻る素材でも戻りきる前に着る時間が来ます。シワを見つけるのは朝でも、直し始めるのは前の晩だと考えておいてください。
もうひとつ、この表で覚えておきたいのは、右の列の「次の旅で変えること」です。吊るせば戻る側の服は、詰め方を工夫しなくても宿で戻ります。手間をかけるべきなのは、熱をかけないと戻らない側の服だけです。荷造りのときに全部の服を同じ丁寧さで畳む必要はなく、戻らない側の2〜3枚にだけ手をかければ足ります。秋冬の旅は、ニットやウールのように戻る側の服が中心になる季節なので、夏の旅より手間をかける服の枚数はもともと少なくて済みます。
📋 早見表|シワの出方と、原因と、宿での直し方
| シワの出方 | 主な原因 | 宿での直し方 | かかる時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 横に1本、くっきりした折り目 | 2つ折りの線に重さがかかった | 湿らせて引き、残ればアイロン | 5〜10分 |
| 全体に細かいシワ | 隙間で服が動いて押された | 吊るして湯気に当てる | 一晩 |
| ニットの袖や裾に段 | 袖を内側に折った跡 | 吊るして手で縦に伸ばす | 15〜30分 |
| コートの背中や肩のへこみ | 上に重いものが載った | 振って空気を入れて吊るす | 半日 |
| プリーツが開く・ずれる | 横に寝かせて詰めた | 裾を下に吊るして、ひだをそろえる | 一晩 |
| パンツの膝の横ジワ | 移動中に長く座った | 立って吊るし、膝を手で伸ばす | 1〜2時間 |
| 襟の先が反る・折れる | 襟を下にして詰めた | 湿らせて指で押さえる | 5分 |
| ボタンの間が波打つ | 前を留めずに畳んだ | 前を留めて吊るす | 一晩 |
この8つのうち、家を出る前に防げるのは6つです。残りの2つ、パンツの膝と全体の細かいシワは、移動中と宿の過ごし方で防ぎます。
先に見る①|タグの素材表示で、戻る側か戻らない側かを分ける
服の内側にある素材表示を見てください。いちばん多く入っている素材が、その服のシワの性格をほぼ決めます。
| いちばん多い素材 | シワの出やすさ | 出たときの戻りやすさ |
|---|---|---|
| 毛(ウール) | 出にくい | 吊るせば戻る |
| 綿 | 出やすい | 熱をかけないと戻りにくい |
| 麻 | とても出やすい | 熱をかけないと戻らない |
| レーヨン | 出やすい | 湿らせると戻るが、縮みやすい |
| ポリエステル | 出にくい | 一度ついた折り目は残りやすい |
| アクリル | 出にくい | 吊るせば戻るが、熱に弱い |
| 混紡(毛と化繊など) | 中くらい | 多いほうの性格に寄る |
ここで気をつけたいのは、ポリエステルは「シワが出にくい」と「出たら戻りにくい」が両方あることです。普段の着用ではシワになりませんが、スーツケースの中で強く押されて一度折り目がつくと、湯気だけでは消えにくくなります。張りのある化繊のスカートやブラウスは、出にくいから大丈夫と思わず、上の段に入れてください。
先に見る②|手で10秒握って、離して30秒待つ
素材表示が混紡で読みにくいときや、表示が切ってあるときは、手で確かめます。
- 服の裾の目立たない場所を、片手でぎゅっと10秒握る
- 手を離して、そのまま30秒待つ
- 握った跡がどれくらい残っているかを見る
| 30秒後の様子 | 判定 | 旅での扱い |
|---|---|---|
| 跡がほとんど見えない | 戻る側 | どこに詰めてもよい |
| 細い線が少し残るが、手でなでると消える | 中間 | 中の段に入れて、宿で吊るす |
| 握った形の線がはっきり残る | 戻らない側 | 上の段に入れるか、1枚減らす |
| 線が残り、なでても消えない | 戻らない側の強いもの | 旅には別の1枚を選ぶ |
この確かめ方は、荷造りの前の晩に、持っていく候補を並べたまま全部やっても5分かかりません。4段目に入った服が2枚以上あるなら、そのうち1枚は替えたほうが旅先で楽になります。
先に見る③|生地の厚みと、スーツケースの中の段
同じ素材でも、生地の厚みで詰める位置が変わります。スーツケースの中を、底・中・上の3段に分けて考えてください。
| 段 | 入れるもの | 理由 |
|---|---|---|
| 底 | 靴・ポーチ・洗面用品・重いもの | 重さで上の服を押さない |
| 底の上 | 厚手のニット・ウールのパンツ | 押されても戻る、下の凹凸をならす |
| 中 | カットソー・薄手のニット・肌着 | 戻りやすく、上下の詰め物になる |
| 上 | 綿や麻のブラウス・張りのある化繊 | 何も載せない |
| いちばん上 | 中わたのコートを着ない日の上着 | 押すと形が崩れる |
| 隙間 | 靴下・巻きもの | 服が動かないように埋める |
いちばん大事なのは、戻らない服の上には何も載せないことです。シワは折り目に重さがかかって起きるので、上の段に置くだけで折り目の線が浅くなります。逆に、戻る服は下の段に入れても宿で吊るせば戻るので、ここで場所を取り合わないようにします。
シワ①|畳んだ折り目が、横に1本くっきり残る
綿や麻のブラウス、薄い化繊のスカートでいちばん多いシワです。2つ折りにした線に、上の服の重さがかかって、横に1本の線が入ります。
原因は折り目の位置と回数です。ブラウスを3つ折りにすると線は2本になり、4つ折りにすると線が交差する点ができます。交差した点は、湯気でもアイロンでもいちばん戻りにくい場所です。
| 畳み方 | 折り目の数 | 宿で直す手間 |
|---|---|---|
| 縦に2つ折りだけ | 縦1本 | 吊るせば目立たなくなりやすい |
| 縦横に2つ折り | 縦1本・横1本 | 横の1本を直す |
| 3つ折り | 2本 | 2本とも直す |
| 4つ折り以上 | 交差する点ができる | 交差した点が残る |
| 折り目に薄い布を挟む | 線が丸くなる | 手で伸ばすだけで足りることが多い |
直し方は、折り目を霧吹きか濡らした手で軽く湿らせ、両手で布を折り目の両側から挟んで、折り目と直角の方向に引きます。そのあとハンガーに掛けて、乾くまで待ちます。湿らせすぎると乾くまでに時間がかかるので、指先が少し冷たく感じる程度にとどめてください。
シワ②|細かいシワが、全体に寄る
スーツケースの中に隙間があって、移動中に服が動いたときにできるシワです。1本の線ではなく、全体にちりめんのような細かい波が出ます。
これは戻る素材なら、到着した夜に吊るすだけでほとんど消えます。消えにくいのはレーヨンと薄い綿です。
| 素材 | 吊るしただけで | 湯気に当てると | 手で伸ばすと |
|---|---|---|---|
| ウール・ニット | ほぼ消える | 消える | 不要 |
| 厚手のジャージー | ほぼ消える | 消える | 不要 |
| 薄い綿 | 少し残る | 少し残る | 消えやすい |
| レーヨン | 残る | 消えやすい | 消えやすいが縮みに注意 |
| 麻 | 残る | 少し残る | 少し残る |
次の旅では、隙間を靴下や巻きもので埋めて、服が動かないようにすることで防げます。詰めすぎて押されるのも、空きすぎて動くのも、どちらもシワになります。スーツケースを閉めたあと、持ち上げて軽く揺らしてみて、中で音がしない程度が目安です。
シワ③|ニットの袖や裾に、たたみ跡の段がつく
秋冬の旅でいちばん多いのが、ニットの袖を内側に折り込んだ跡です。袖の途中に、横向きの段がうっすらと出ます。
ニットは戻る素材なので、慌てなくて大丈夫です。ハンガーに掛けると肩が伸びるので、**ニットは平らなところに広げるか、袖を下にして二つ折りでハンガーの横棒に掛けます。**段の部分を両手で持って、縦方向にやさしく引くと、編み目が元の位置に戻ります。
| ニットの厚み | 段の出方 | 直し方 |
|---|---|---|
| 薄手(向こうが透ける程度) | 細い線 | 手で縦に引いて、15分置く |
| 中くらい | はっきりした段 | 湯気に当ててから手で引く |
| 厚手(ざっくり編み) | ほとんど出ない | 広げて置くだけ |
| 細かい編みのカーディガン | ボタンの列が波打つ | 前を留めて置く |
次の旅では、袖を内側に折る代わりに、袖を体の部分の上に重ねてから全体をくるくる丸めると、段がつきません。ニットは丸める詰め方がいちばん向いている服です。
シワ④|コートの背中や肩に、押されたへこみ
秋冬の旅で、着ていかないコートや中わたの上着をスーツケースに入れると、背中や肩がへこんだまま出てきます。これはシワというより、詰め物がつぶれた状態です。
| 上着の種類 | 押されたときの様子 | 戻し方 | 戻るまで |
|---|---|---|---|
| ダウン・中わた | 平たくなる | 両手で持って振り、空気を入れる | 半日〜一晩 |
| ウールのコート | 肩の形が崩れる | 肩の厚いハンガーに掛ける | 一晩 |
| 薄手の化繊の上着 | 細かいシワ | 吊るすだけ | 数時間 |
| 起毛のコート | 毛が寝る | 手で毛の流れに逆らってなでる | すぐ |
上着はなるべく着て移動し、スーツケースには入れないのがいちばんです。どうしても入れるなら、いちばん上に、畳まずにふんわり載せて閉めてください。圧縮する袋に入れると、ウールのコートは肩の形が戻るまで時間がかかります。
シワ⑤|スカートのプリーツが開く・ずれる
プリーツスカートは、横に寝かせて詰めると、ひだが開いたり、隣のひだと重なったりします。
詰める前に、スカートを裾からねじって細い筒にし、ひだがほどけないように筒状の袋か、使わない靴下の筒の部分に通して、縦に立てて詰めます。こうするとひだが1本ずつ押さえられたまま運べます。
| ひだの種類 | 寝かせて詰めると | ねじって立てると |
|---|---|---|
| 細かいプリーツ | 開いて広がる | ほぼそのまま |
| 幅の広いプリーツ | 重なってずれる | ずれにくい |
| タックだけのスカート | 前に折り目がつく | 前の折り目が出にくい |
| ギャザー | 細かいシワ | 細かいシワが少し出る |
宿では、裾を下にしてウエストをハンガーのクリップで挟んで吊るし、ひだを手で1本ずつ上から下へそろえておきます。一晩吊るせば、裾の重さでひだが自然に落ちます。
シワ⑥|パンツの膝と、座ったあとの横ジワ
スーツケースの中ではなく、移動中にできるシワです。新幹線や飛行機、バスで長く座ると、膝の裏と脚の付け根に横ジワがたまります。
| 座る時間 | 出るシワ | 着いてからの直し方 |
|---|---|---|
| 1時間以内 | 立てばほぼ消える | 不要 |
| 1〜2時間 | 膝の裏に横ジワ | 立って数分歩く |
| 2〜4時間 | 膝の裏と付け根に残る | 宿で吊るす |
| 4時間以上 | 膝が前に出たまま戻らない | 一晩吊るし、湯気に当てる |
秋冬の旅でウールのパンツを履いていく日は、座るたびに膝の位置を少し引き上げて、生地に余裕を作っておくと、膝が前に出にくくなります。長く座る移動の日は、移動用の1本と、着いてから履く1本を分けるのも方法です。夜行バスのように座ったまま夜を越す移動は、夜行バスの服装に分けて書いてあります。
宿でできる直し方|湯気・吊るす・手で伸ばすの使い分け
宿にあるものだけで直す方法は、3つです。
| 方法 | やり方 | 向く素材 | 向かない素材 |
|---|---|---|---|
| 吊るす | ハンガーに掛けて一晩置く | ウール・ニット・厚手のジャージー | 麻 |
| 湯気に当てる | 入浴後の浴室に15〜20分吊るす | ウール・レーヨン・綿 | 中わたのコート |
| 手で伸ばす | 湿らせて、折り目と直角に引く | 綿・麻・ブラウス | 薄いニット |
| 重ねて押さえる | 平らなところに広げて、上から手のひらで押す | 綿・麻の小さい折り目 | プリーツ |
| 熱を当てる | 借りたアイロンや、離した温風 | 綿・麻 | アクリル・薄い化繊 |
湯気に当てるときは、浴室の中に湯気が十分に残っているうちに掛けて、服が濡れない程度の距離に吊るしてください。**服が濡れるほど近いと、乾くまでにかえって時間がかかります。**終わったら浴室の外に出して、乾いた空気の中で吊るしておくと、湯気で戻った形がそのまま落ち着きます。
宿でアイロンが借りられないとき
アイロンの貸し出しがない宿では、手で伸ばす方法と、乾いた状態で押さえる方法を組み合わせます。
- 折り目の部分だけを、手を湿らせて軽くなでる
- 平らなテーブルにタオルを敷き、その上に服を広げる
- 折り目の両側を手で持って、直角の方向にゆっくり引く
- 手のひらを当てて、体重を少しかけて10秒押さえる
- ハンガーに掛けて、乾くまで触らない
温風を使うなら、20cm以上離して、弱い風で当ててください。**アクリルや薄い化繊は熱で表面が変わることがあるので、温風は綿と麻だけにとどめます。**どうしても消えない1本の折り目は、その日は上に羽織るものを重ねて、見える位置から外すほうが早い場合もあります。
詰め方|畳むより先に、どこに入れるかを決める
次の旅でシワを減らすなら、畳み方の工夫より、どこに入れるかを先に決めるほうが効きます。
| 決める順番 | 決めること | ここで減るシワ |
|---|---|---|
| 1 | 戻らない服の枚数 | 折り目のシワ |
| 2 | 戻らない服を上の段に置く | 横に1本の折り目 |
| 3 | 重いものを底に置く | 押されたへこみ |
| 4 | 隙間を靴下や巻きもので埋める | 全体の細かいシワ |
| 5 | 折り目に薄い布を挟む | くっきりした線 |
| 6 | 着ない上着は入れない | コートのへこみ |
**1番目の「戻らない服の枚数」で、旅先の手間がほとんど決まります。**戻らない服が1枚なら、宿で直す時間は5分です。3枚あると、朝の支度の時間をシワが取り合います。
丸める・畳む・挟む|3つの詰め方の向き不向き
詰め方には3つの型があります。服ごとに向く型が違うので、1つに決めずに使い分けてください。
| 詰め方 | やり方 | 向く服 | 向かない服 |
|---|---|---|---|
| 丸める | 袖を胴に重ねて、裾からくるくる巻く | ニット・カットソー・肌着 | 張りのあるブラウス |
| 畳む | 2つ折りまでで止める | パンツ・厚手のスカート | 麻のブラウス |
| 挟む | 2枚を重ねて、折り目に互いを挟む | ブラウス2枚・シャツ | 厚手のニット |
| 立てる | ねじって筒にし、縦に入れる | プリーツスカート | ジャケット |
| 載せる | 畳まずにいちばん上に広げる | コート・ジャケット | 小さいもの |
「挟む」は、2枚の服を互い違いに重ねて、片方の折り目の内側にもう片方が入るように畳む方法です。**折り目の内側に布があると、折り目が鋭い線にならず、丸いカーブになります。**丸いカーブは、吊るすだけで消えやすくなります。
移動中にできるシワ|座る時間と、上着を脱ぐか
スーツケースの中だけでなく、着て移動している服にもシワはできます。秋冬は上着を着たまま座るかどうかで、背中のシワの出方が変わります。
| 移動の形 | 上着を着たまま座ると | 上着を脱いで座ると |
|---|---|---|
| 新幹線・特急 | 背中と腰にシワ | 中の服の背中にシワ |
| 飛行機 | 背中のシワと、膝の上の上着のシワ | 上着を棚に入れれば上着は無事 |
| 車 | シートベルトの位置に斜めのシワ | 中の服に斜めのシワ |
| バス | 背中と膝の裏 | 膝の裏 |
着いてすぐ人に会う予定がある日は、上着を脱いで、畳まずに膝の上か棚に置いて移動するほうが、着いたときの見た目が整います。中の服に出た背中のシワは上着で隠れますが、上着の背中のシワは隠れないからです。
秋冬の旅に多い服|シワの性格の一覧
秋冬の旅に持っていくことの多い服を、シワの性格で並べます。
| 服 | シワの出やすさ | 戻りやすさ | 詰める段 |
|---|---|---|---|
| ウールのニット | 出にくい | 戻る | 底の上 |
| 薄手のハイゲージニット | 少し出る | 戻る | 中 |
| 綿のシャツ・ブラウス | 出やすい | 戻りにくい | 上 |
| 化繊のとろみブラウス | 出にくい | 一度出ると戻りにくい | 上 |
| ウールのパンツ | 少し出る | 戻る | 底の上 |
| 綿のチノパン | 出やすい | 戻りにくい | 中 |
| ジャージー素材のワンピース | 出にくい | 戻る | 中 |
| プリーツスカート | ひだが崩れる | 吊るせば戻る | 立てて詰める |
| デニム | 出にくい | 膝は戻りにくい | 底の上 |
秋冬の旅は、夏の旅よりシワに強い服が多い季節です。ニットとウールは、出ても戻ります。シワの手間が増えるのは、ニットの中に着る綿のシャツと、食事の日のとろみブラウスです。この2つを何枚持っていくかが、旅先の朝の手間を決めます。
泊数で変わること|1泊・2泊・3泊以上
泊数が増えるほど、スーツケースの中で服が押されている時間が長くなります。同時に、宿で吊るせる夜も増えます。
| 泊数 | シワの出方 | 宿での直し方 | 戻らない服の上限 |
|---|---|---|---|
| 1泊 | 着る服が少なく、押される時間も短い | 着いた夜に1枚吊るす | 2枚まで |
| 2泊 | 2日目の服が長く押される | 着いた夜に2日目と3日目を吊るす | 2枚まで |
| 3泊以上 | 後半の服ほどシワが深い | 毎晩、翌日の服を1枚ずつ吊るす | 3枚まで |
| 途中で宿を移る | 詰め直すたびにシワが増える | 移る前の晩に戻る素材で通す | 1枚まで |
途中で宿を移る旅は、詰め直すたびに服が畳み直されます。移動の多い旅ほど、戻る素材の服を中心に組むと、朝の手間が増えません。旅先で気温が合わなかったときの直し方は、気温20度の旅行の服装に分けてあります。
帰りの荷物|着た服のシワを、家まで持ち帰らない
帰りのスーツケースは、着た服と着ていない服が混ざります。ここで適当に詰めると、着ていない服にまでシワがつき、家に帰ってからの手間が増えます。
| 服の状態 | 帰りに入れる場所 | 帰ってからすること |
|---|---|---|
| 着ていない・戻らない素材 | 上の段 | そのまま吊るす |
| 着ていない・戻る素材 | 中の段 | そのまましまう |
| 着た服(洗う) | 底の上・袋に入れる | 洗う |
| 着た服(洗わずに吊るす) | 上の段に軽く載せる | 帰った夜に吊るす |
| 買ったもの | 隙間か別の袋 | 袋から出す |
**着ていない服は、着た服と別の袋に分けて、上の段に戻してください。**着ていない服にシワがついて帰ってくると、次に着るときに直す手間が1回増えます。
宿の部屋で、吊るす場所が足りないとき
宿の部屋は、ハンガーの数も掛ける場所も限られています。旅館の部屋では、上着を掛ける場所が入口の近くに1か所だけ、ということも珍しくありません。吊るす服が多い日は、どれを吊るして、どれを広げて置くかを分けます。
| 服 | 吊るす場所がないときの置き方 | 置く場所の例 |
|---|---|---|
| 綿・麻のブラウス | 必ず吊るす | 部屋のハンガー |
| ウールのコート | 必ず吊るす | 入口の上着掛け |
| ニット | 平らに広げる | 座卓の上・椅子の座面 |
| ウールのパンツ | 椅子の背に二つ折りで掛ける | 椅子の背 |
| プリーツスカート | 吊るすのが向く | 浴室の手すり |
| カットソー | 畳んだままでよい | スーツケースの上 |
ハンガーが足りないときは、戻らない素材の服からハンガーを使い、戻る素材の服は平らに広げる順番にしてください。ニットはもともと吊るすより広げるほうが形が崩れないので、ハンガーを譲っても困りません。荷物に余裕があるなら、たためる細いハンガーを1本だけ持っていくと、ブラウス1枚ぶんの場所が確保できます。
連泊の夜と朝|前の晩にすること、朝にすること
連泊の旅では、毎晩の小さな手間で、朝の支度の時間が大きく変わります。夜と朝でやることを分けておくと、迷いません。
| いつ | すること | かかる時間 |
|---|---|---|
| 着いた夜 | 翌日の服をスーツケースから出して吊るす | 3分 |
| 入浴後 | 湯気の残る浴室に、戻りにくい服を15〜20分吊るす | 待つだけ |
| 寝る前 | 浴室から出して、部屋で吊るし直す | 1分 |
| 朝起きたら | 胸から上と袖口の折り目だけ確かめる | 2分 |
| 着る前 | 残った折り目を湿らせて手で引く | 5分 |
| 出かける前 | 翌日の服を上の段に移しておく | 1分 |
**夜の手間は合わせて5分ほどで、朝の手間を10分以上減らせます。**特に入浴後の浴室は、宿で手に入るいちばん効く湯気です。翌日の服をその日のうちに決めておくことが、そのままシワの対策になります。
どちらとも取れるとき①|素材表示が混紡で、どちらか分からない
毛と化繊、綿と化繊のように、2つ以上の素材が混ざっていると、どちらの性格に寄るか分かりにくくなります。
| 混ざり方 | 寄る性格 | 判断のしかた |
|---|---|---|
| 毛が半分以上 | 戻る側 | 底の上に入れてよい |
| 毛が半分未満で、化繊が多い | 出にくいが一度つくと残る | 上の段に入れる |
| 綿が半分以上 | 戻りにくい側 | 上の段に入れる |
| 綿と化繊が半々 | 中間 | 握る見分け方で決める |
| 麻が少しでも入る | 戻りにくい側に寄る | 上の段に入れる |
表示を見ても迷うときは、手で10秒握る見分け方に戻ってください。**表示より、手で握った結果のほうが、その服のいまの性格を正しく表しています。**洗いを重ねた服は、買ったときより戻りにくくなっていることがあるからです。
どちらとも取れるとき②|朝の時間がなく、直す時間が10分しかない
前の晩に吊るし忘れて、朝に気づいたときは、10分でできることに絞ります。
| 残り時間 | 優先する場所 | 方法 |
|---|---|---|
| 10分 | 胸から上の横の折り目 | 湿らせて手で引く |
| 5分 | 襟と袖口 | 指で押さえて形を整える |
| 3分 | 前のボタンの間 | 前を留めて、手で下に引く |
| 時間がない | 全体 | 上に1枚重ねて、折り目を隠す |
**朝の10分では、湯気を待つより、手で伸ばすほうが早く効きます。**湯気は時間がかかる方法なので、朝は浴室を使っているあいだに吊るしておける場合だけにしてください。直しきれなかった服は、その日は上着の下に回し、翌日の服と入れ替えるのも手です。
どちらとも取れるとき③|シワが残っても着ていいか迷う
シワをどこまで直すかは、人によって気になり方が違います。迷ったときは、見える距離で決めてください。
| 確かめる距離 | 折り目が見えるとき | 見えないとき |
|---|---|---|
| 鏡から50cm | 胸元・袖口なら直す | そのまま着てよい |
| 鏡から2m | 線として見えるなら直す | そのまま着てよい |
| 写真を撮る日 | 上半身は直す | 下半身はそのまま |
| 上着を脱がない日 | 上着だけ直す | 中の服はそのまま |
写真に写るのは、たいてい胸から上と、立ち姿の全身です。胸から上に横の折り目が1本あるなら直し、膝の裏のシワは気にしすぎなくて構いません。逆に、人と向かい合って長く話す食事の日は、袖口と襟が目に入るので、そこだけは整えてから出かけます。
シワが気になって旅の予定に集中できないときは、その服をその日の服から外すのも、立派な直し方です。旅の服は、予定どおりに着ることより、その日を気持ちよく過ごせることのほうが大事です。外した服は、翌日の朝までに吊るしておけば、次の日にはたいてい着られる状態に戻っています。持っていった服を全部着なければ、と考えすぎないでください。1枚を翌日に回すだけで、朝の慌ただしさはかなり減ります。
よくある行き違い
**「シワにならない畳み方を覚えれば、全部解決する」。**畳み方で減らせるのは折り目の深さまでです。戻らない素材は、どう畳んでも何かしらの線が残ります。持っていく服を替えるほうが早いことが多いです。
**「圧縮すれば荷物が減って、シワも出ない」。**圧縮すると、全体が強く押されるので、戻らない素材ほど折り目が深くなります。圧縮してよいのは、ニットやカットソーのような戻る素材だけです。
**「ポリエステルはシワにならないから安心」。**普段は出にくいのですが、スーツケースの中で強く押されてついた折り目は、湯気だけでは消えにくい性格があります。
**「朝に浴室の湯気で直せばいい」。**湯気は効きますが、時間がかかります。朝ではなく、前の晩の入浴後に吊るしておくほうが確実です。
装いに活かすなら
旅行の服のシワは、素材が「吊るせば戻る側」か「熱をかけないと戻らない側」かで、直し方が2つに分かれます。ニットとウールは吊るして湯気に当てれば戻り、綿・麻・張りのある化繊は手で伸ばすか熱をかけないと戻りません。
次の旅の前の晩に、持っていく服を並べて、1枚ずつ手で10秒握ってみてください。30秒たっても跡がはっきり残る服が2枚以上あるなら、1枚を戻る素材の服に替える。そして到着した夜に、翌日の服を吊るしておく。この2つだけで、旅先でスーツケースを開けた朝に、シワで1枚あきらめることはほとんどなくなります。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 旅行先でアイロンがないとき、シワはどうすればいいですか
- まず素材を見てください。ウールやニット、厚手の化繊なら、前の晩にハンガーに掛けて、入浴後の湯気が残る浴室に15〜20分吊るすだけで、たたみ跡はほとんど目立たなくなります。綿や麻、薄いレーヨンの折り目は湯気だけでは戻りきりません。霧吹きか濡らした手で折り目を軽く湿らせ、両手で布を挟んで縦横に引いてから吊るしてください。それでも残る1本の折り目は、宿によっては受付でアイロンを貸してもらえるので、到着した日のうちに聞いておくと朝に慌てません。
- Q. シワにならない畳み方はありますか
- 畳み方より効くのは、詰める位置と、折り目を作る回数です。重いもの、たとえば靴やポーチを底に置き、その上に戻りやすいニットやウール、いちばん上に戻りにくい綿や麻のブラウスを置きます。ブラウスは2つ折りまでにとどめ、折り目の内側に薄いニットや肌着を1枚挟むと、折り目が鋭い線になりません。くるくる丸める詰め方は、ニットやカットソーには向きますが、張りのあるブラウスやプリーツには丸めた跡が残ります。
- Q. シワが少し残ったまま着ても大丈夫ですか
- どこに残っているかで決めてください。胸から上と、肘から先の袖は人の目が向きやすく、写真にも写るので、ここに横の折り目が1本ある場合は直してから着ます。背中の下半分や、上着で隠れる場所なら、歩いているうちに体温で少しずつ戻る素材も多いです。迷ったときは、鏡から2m離れて全身を見て、折り目が線として見えるかどうかを基準にすると判断が早くなります。
- Q. 秋冬の旅行で、シワを気にしなくていい服はどれですか
- ウールのニット、厚手のジャージー素材のワンピースやパンツ、起毛した生地、細かい凹凸のある織りの生地は、シワが出ても戻りやすく、出ても目立ちにくい側です。逆に、薄い綿のブラウス、麻、張りのある化繊のスカートは、折り目が線として残りやすい側です。旅の服を選ぶ段階で、手で10秒握って離す見分け方を1枚ずつやっておくと、戻らない服を持っていく枚数を減らせます。
— メグラシ編集部





