スカーフの結び方で残るシワ|結ぶ位置を毎回ずらし、外したら素材で戻す

**今日使ったスカーフを外して、机の上に広げてみてください。**結び目のあった場所に、細かい波か、線か、光る部分が残っていませんか。
スカーフの結び跡は、どれも同じように見えて、戻り方が違います。跡が一晩で戻るか、線として残るか、艶が変わるかは、素材と結び方と、外したあとの数分で決まります。どの段階かが分かれば、次から何を変えればいいかも決まります。
結び目の大きさや位置で見え方を整える話はスカーフをおしゃれに見せる結び目の直径とずれに分けてあります。この記事は、結んだあとに残る跡の話です。
結論|跡は3段階。段階で直し方が変わる
| 段階 | 見え方 | 直し方 |
|---|---|---|
| 1|軽く波打つ | 結び目の場所が少し縮れているが、線はない | ハンガーに掛けて一晩おく |
| 2|線が残る | 結び目の輪郭が、折り線のように残っている | スチームか、当て布をして低温のアイロン |
| 3|艶が変わる | 結び目のあった場所だけ光る、または毛羽が寝ている | 表面は戻りにくい。結ぶ位置を変えて使う |
段階1と2は、ほぼ戻せる跡です。段階3は布の表面そのものが変わっているので、戻すより「その場所を使わない」ほうへ考えを切り替えます。
同じ1枚のスカーフに、段階の違う跡が混ざっていることもよくあります。中心は段階2、端に近い場所は段階1、というように。その場合は、いちばん深い跡の段階に合わせて直し方を選んでください。浅い跡は、深い跡を直す手順の中で一緒に戻ります。段階を決めるのは、布を広げてから最初の1分で十分です。時間をかけて見比べるほど、どの跡も深く見えてきます。
跡の段階は、窓の光に斜めにかざして見る
跡の段階は、正面から見るより、斜めから見るほうが正確に分かります。
- スカーフの端を両手で持ち、窓に向かって立つ
- 布を顔の高さに上げ、窓の光が布の表面を滑るように斜めに傾ける
- 結び目のあった場所に、影の線が出るかを見る
- 次に、布を少し回して、光が強く返る場所がないかを見る
3で影の線が出なければ段階1、線が出れば段階2です。4で光る場所があれば、段階3のてかりが始まっています。**正面から見て分からない跡も、斜めの光ではっきり出ます。**人の目に入るのは、歩いているときや、首を傾けたときの斜めの角度です。鏡の正面で気にならなくても、斜めで出る跡は、人からは見えていると考えてください。
跡を深くする4つの条件
結び跡は、同じスカーフでも日によって深さが違います。深くなる日には共通する条件があります。
| 条件 | 跡が深くなる理由 | 変えられること |
|---|---|---|
| 固く結んだ | 布が強く押しつぶされる | 指が1本入る強さで止める |
| 長い時間結んでいた | 押された形のまま布が落ち着く | 半日を超える日は途中で結び直す |
| 湿気や汗があった | 湿った繊維は形を覚えやすい | 雨の日や暑い室内では結ばない方法を選ぶ |
| 外したあと丸めて置いた | 跡の上に、さらにシワが重なる | 外したらすぐに吊るす |
この4つのうち、**いちばん効くのは最後の「外したあと」**です。結び方を変えなくても、外したあとの扱いだけで翌朝の跡はかなり浅くなります。
逆に言えば、4つのうち1つでも変えれば、跡は1段階浅くなると考えてください。全部を一度に変える必要はありません。雨の日だけ結ばない、帰宅したらすぐ吊るす、というように、続けやすいものから1つ選ぶほうが長続きします。
素材で、跡の残り方が変わる
洗濯表示の下にある素材の表示を見てください。跡の残り方は、素材でほぼ決まります。
| 素材 | 跡の残りやすさ | 特徴 |
|---|---|---|
| シルク | 残りやすい | 細い線が残る。強く押すと艶が変わる |
| レーヨン | とても残りやすい | 湿気を含むと特に深い線になる |
| 綿 | 残りやすい | 全体に細かい縮れが出る |
| 麻 | とても残りやすい | 太い折り線として残る |
| ウール | 戻りやすい | 一晩吊るすとほぼ消える |
| ポリエステル | 戻りやすい | 軽い波なら自然に戻る。高温には弱い |
| 混紡 | 割合による | ポリエステルやウールが多いほど戻りやすい |
シルク・レーヨン・麻は、結び方の工夫がいちばん効く素材です。ウールやポリエステルは、外したあと吊るすだけで足りることが多いので、結び方を選ぶ自由があります。
同じシルクでも、厚みで跡の残り方が変わります。薄く透けるようなシルクは、細かい縮れが全体に出やすい一方、アイロンで戻しやすい素材です。厚みのある艶やかなシルクは、跡の数は少ないものの、一度付いた線が深く残ります。手に取って、光が透けるかどうかで見分けてください。
結び方ごとに、跡の出る場所が違う
同じスカーフでも、結び方を変えると跡の出る場所が変わります。どこに跡が出ているかを見ると、自分がよく使っている結び方も分かります。手持ちのスカーフのうち、跡がいちばん深いものの結び方が、自分が無意識にいちばん多く使っている結び方です。
| 結び方 | 跡の出る場所 | 跡の深さ |
|---|---|---|
| ひと結び | 布の中ほどに1か所 | 浅い |
| 固結び(二度結ぶ) | 布の中ほどに2か所、重なって | 深い |
| リボン結び | 輪になった部分と中心の2か所 | 中くらい |
| ネクタイのような結び方 | 結び目の周りに細かく | 中くらい |
| 端を輪に通すだけ | 輪の折り返し部分 | 浅い |
| ねじってから結ぶ | ねじった全長に、斜めの細かい線 | 深い |
| 首に一周させて端を折り込む | 折り込んだ端だけ | とても浅い |
| スカーフリングで留める | リングを通した部分に、筒状の縮れ | 浅い |
**ねじってから結ぶ方法は、見た目に動きが出るぶん、跡も全長に残ります。**シルクやレーヨンでこの結び方をよく使う人は、次の「ずらし方」がとくに効きます。
結ぶ前のたたみ幅で、跡の太さが変わる
結び目の跡は、結ぶ前に何cm幅にたたんだかでも変わります。細くたたむほど布が何層にも重なり、その重なりがそのまま結び目に押し込まれるからです。
| たたみ幅 | 重なる層の数 | 跡の出方 |
|---|---|---|
| 3cm以下 | 多い | 細く深い線が何本も出る |
| 4〜6cm | 中くらい | 中くらいの線が数本 |
| 7〜10cm | 少ない | 浅く広い縮れ |
| たたまずに三角のまま | ほぼない | 縮れは出るが線にはなりにくい |
シルクやレーヨンのように跡が残りやすい素材は、細くたたむより、幅を持たせてふんわり結ぶほうが跡が浅く済みます。細い帯状にしたいときは、ウールやポリエステルのスカーフを選ぶと、たたみ幅を気にせず結べます。
たたむときに、折り目を指でなでつけないことも大事です。なでつけると、その線がたたみジワとして残り、結び跡と重なって深くなります。
同じ場所で結び続けると、跡は深くなる
スカーフをいつも同じたたみ方で、同じ位置で結んでいると、跡は毎回同じ場所に重なります。1回ごとの跡は浅くても、重なるうちに戻りにくい線になり、やがて段階3の艶の変化に進みます。
これを防ぐには、結ぶ位置を4つ決めて、使うたびに1つずつずらすのが確実です。大判の正方形なら、次のように回します。毎回どの順番だったかを覚えておくのは難しいので、スカーフを巻いてしまうときに、次に使うたたみ方の側を外にしておくと迷いません。
| 回 | たたみ方 | 結び目が来る場所 |
|---|---|---|
| 1回目 | 角と角を合わせて三角に折り、帯状にたたむ | 布の中心 |
| 2回目 | 1回目と反対の角どうしで三角に折る | 布の中心だが、折り線が直角に変わる |
| 3回目 | たたみ幅を1回目より3cm広くする | 中心から少し外れる |
| 4回目 | 帯状にたたんだあと、左右の長さを10cmずらして結ぶ | 中心から10cmほど外れた場所 |
| 5回目 | 1回目に戻る | 布の中心 |
細長いスカーフなら、左右の長さを変えることで結び目の位置をずらせます。毎回10cmずつ、結ぶ場所を端の側へ動かしていくと、同じ場所に跡が重なりません。
結ぶ強さは、指1本で決める
結び目は、固いほど跡が深くなります。強さの目安は、結び目に指が入るかどうかです。
| 結び目の固さ | 指の入り方 | 跡の見込み |
|---|---|---|
| 固い | 指が入らない | 段階2〜3になりやすい |
| ちょうどいい | 人差し指が1本、抵抗を感じながら入る | 段階1〜2で止まりやすい |
| ゆるい | 指が2本入る | 跡は浅いが、ほどけやすい |
| とてもゆるい | 結び目が自然に広がる | 跡はほぼ出ないが、形が保てない |
指1本がちょうどいい強さです。結んだあとに指を入れて確かめる癖をつけると、無意識に固く結んでしまうことが減ります。それでほどけやすいと感じる日は、結び目の強さを上げるのではなく、結ぶ前に布を首に一周させて土台を作ってください。土台があると、ゆるい結び目でも位置が保たれます。
結んでいる時間で、結び方を選ぶ
跡の深さは、結んでいた時間にほぼ比例します。その日に何時間スカーフを結んでいるかで、結び方を選び分けると跡を抑えられます。
| 結んでいる時間 | 向く結び方 | 理由 |
|---|---|---|
| 2時間以内 | 好きな結び方でよい | 短時間なら、どの結び方でも段階1で止まりやすい |
| 半日 | ひと結びか、輪に通す | 結び目が1か所なので、跡も1か所で済む |
| 丸一日 | リングで留めるか、一周させて折り込む | 押しつぶされる時間が長いので、結ばないほうが跡が浅い |
| 移動が多い日 | 首に一周させてから、ひと結び | 動いても位置が保たれ、結び直す回数が減る |
| 座っている時間が長い日 | 結び目を体の横に寄せる | 前かがみで結び目が押されるのを避ける |
丸一日結ぶ日は、昼に一度ほどいて結び直すだけでも、同じ場所にかかる時間が半分になります。化粧室に立ったついでに、結び目をほどき、布を軽く振ってから、たたみ幅を変えて結び直してください。
結ばずに留める方法
シルクやレーヨンで跡が気になる日は、結ばない方法を選ぶ手もあります。
| 方法 | やり方 | 跡の出方 |
|---|---|---|
| スカーフリング | 両端をリングに通して、首元で止める | リングの幅だけ浅く縮れる |
| ブローチ | 重ねた布をブローチで留める | 針の穴が残らないよう、薄い布では織り目の間に刺す |
| 首に一周させて折り込む | 一周させた端を、首に回した布の内側に入れる | ほぼ出ない |
| 襟の中に入れる | シャツの襟の内側に通し、前で垂らす | 出ない |
| 肩に掛ける | たたまずに肩に掛けて、羽織りの下に入れる | 出ない |
| 輪に通す | 半分に折って首に掛け、輪に反対側の端を通す | 折り返しに浅い線 |
ブローチを使うときは、薄いシルクに太い針を刺さないようにしてください。針の穴が開いたまま残ることがあります。糸の間を広げるように、そっと通すのが基本です。刺す場所も、毎回同じにしないでください。同じ場所に何度も通すと、そこだけ織り目が広がって穴のように見えてきます。
秋冬は、コートの襟の中で跡が増える
スカーフを使う機会が増える秋冬は、結び跡とは別の跡が増える季節でもあります。
| 秋冬の場面 | 起きること | 変えること |
|---|---|---|
| コートの襟の中に入れる | 襟に押されて、首の後ろに折り線が付く | 襟の外に出すか、襟の中では結ばない |
| マフラーを上から重ねる | 重みで結び目がつぶれる | スカーフは首の前だけにして、マフラーと重ならない位置にする |
| 暖房の効いた室内に長くいる | 乾燥で跡は付きにくいが、静電気で布が肌にまとわりつく | 室内に入ったら一度結び目をゆるめる |
| 雨や雪の日 | 湿気で跡が深くなる | 結ばない方法にする |
| 鞄の持ち手が当たる | 肩のあたりで布がこすれて、毛羽や艶の変化が出る | 鞄を持つ側と、スカーフを垂らす側を逆にする |
**秋冬に増える跡の多くは、上に重ねたものの重みでできます。**コートやマフラーを重ねる日は、スカーフを首の前だけに置き、上から押さえられない位置で結んでください。
外した直後の数分が、分かれ目
結び跡を浅くするには、外したあとの扱いがいちばん効きます。帰宅して外したら、次の順で扱ってください。
| 順番 | すること | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 結び目をほどいて、布を一度広げる | 結び目のまま置くと、跡が固まる |
| 2 | 両手で布の端を持って、軽く上下に振る | 縮れた部分に空気が入り、繊維が起き上がる |
| 3 | ハンガーに半分に掛けて吊るす | 布自体の重さで、跡が伸びる |
| 4 | 風が通る場所に一晩おく | 体温や湿気が抜けて、形が戻る |
| 5 | 翌朝、跡の段階を見直す | 段階1なら終わり。段階2ならスチームへ |
振るときは、引っ張らないことが大事です。濡れていない布でも、横に強く引くと、布目がゆがんで縁が波打ちます。上下にふわりと2〜3回振るだけで十分です。
ハンガーは、肩の形をした太いものより、細い棒状のものが向いています。太いハンガーに掛けると、掛けた場所にまた新しい折り線が付くからです。ハンガーに掛ける場所を、結び目のあった場所から離すことも覚えておいてください。結び目の跡を折り返しの位置に重ねると、そこだけ跡が二重になります。
スチームとアイロンは、洗濯表示の温度を守る
段階2の跡は、スチームかアイロンで戻します。温度は、洗濯表示のアイロンの記号の中にある点の数に従ってください。点が1つなら低い温度、2つなら中くらい、3つなら高い温度までかけられます。
| 素材 | よく使われる温度の目安 | 当て方 |
|---|---|---|
| シルク | 低い | 当て布をして、スチームは浮かせて当てる |
| レーヨン | 低い | 当て布をして、押さえずに滑らせる |
| ポリエステル | 低い〜中くらい | 当て布をする。高温で表面が溶けることがある |
| ウール | 中くらい | 当て布をして、スチームを浮かせる |
| 綿 | 中くらい〜高い | 当て布があると安心 |
| 麻 | 高い | 湿らせてからかけると線が消えやすい |
| アイロン不可の表示 | かけない | 吊るして、浴室の湿気を少し借りる |
表にある温度は目安で、手持ちのスカーフの洗濯表示が優先です。洗濯表示で水洗いやアイロンができないとされているものは、無理をせず吊るして戻す方法だけにしてください。表示が読めないほど古いものは、いちばん低い温度から試してください。
アイロンのかけ方|縁の巻き縫いには当てない
スカーフの縁は、布の端を細く丸めて縫ってあることが多く、この丸みが上品な縁取りになっています。ここにアイロンを押し当てると、丸みがつぶれて平らな縁になります。
| 手順 | すること |
|---|---|
| 1 | アイロン台にスカーフを裏返して広げる |
| 2 | 跡のある場所の上に、薄い綿の当て布を置く |
| 3 | 当て布の上から、アイロンを押さえずに滑らせる |
| 4 | 縁から2cm内側で止める。縁には当てない |
| 5 | 終わったら、すぐにたたまずに吊るして冷ます |
| 6 | 冷めてから、跡の段階をもう一度見る |
**温かいうちにたたむと、そのたたみ線が新しい跡になります。**アイロンのあとは、手で触って冷たくなるまで吊るしておいてください。布は温かいうちは形が動きやすく、冷めるときにその形で落ち着きます。アイロンで跡が消えたように見えても、冷める前に触ると、指の跡や置いた場所の形がそのまま残ります。
スチームだけで戻したい場合は、スカーフを吊るしたまま、スチームアイロンを布から2〜3cm浮かせて蒸気を当てます。当てたあと、布の下の端を軽く引いて重さをかけると、跡が伸びやすくなります。
霧吹きを使うときは、シルクに一点で当てない
跡を戻すために霧吹きを使う人は多いですが、シルクは水が一点に落ちると、乾いたあとに輪じみになることがあります。
霧吹きを使うなら、布から30cmほど離して、細かい霧を広く当ててください。それでも心配なときは、スカーフには直接かけず、当て布のほうを湿らせてからアイロンをかけると、水が一点に集まりません。シルクが家で扱えるかどうかの確かめ方はシルクの洗い方で、一滴の水で試す方法を紹介しています。
てかりが出たときの扱い
段階3のうち、結び目のあった場所だけ光るようになったものを、てかりと呼びます。布の表面が押しつぶされて平らになり、光を強く返すようになった状態です。
| てかりの程度 | 見え方 | 扱い方 |
|---|---|---|
| 軽い | 角度を変えると光る | 当て布をしてスチームを浮かせて当てる |
| 中くらい | 正面から見ても光るが、色は変わらない | スチームで少し目立たなくなる。結ぶ位置を変える |
| 強い | 光るうえに、色が少し濃く見える | 戻らない。その場所を結び目の内側に回す |
| 毛羽が寝た | ウールの表面が平らになった | 柔らかいブラシで毛並みを起こす |
**戻らないてかりは、隠す位置を決めて使い続けられます。**結び目の中に巻き込む、首の後ろに回す、たたんだときに内側に来るようにする。この3つのどれかで、光る部分は外から見えなくなります。
どちらとも取れるとき①|結び跡か、しまうときの折りジワか
外したときには気づかなかった線が、次に使うときに出ていることがあります。結び跡なのか、しまうときの折りジワなのかで、変えるものが違います。
| 線の形 | どちらか | 変えること |
|---|---|---|
| 放射状、または細かく縮れている | 結び跡 | 結ぶ位置と強さ |
| まっすぐな直線 | しまうときの折りジワ | たたみ方としまい方 |
| 直線が十字に交わる | 四つ折りで重ねて置いた跡 | 巻いてしまう |
| 直線と縮れが重なっている | 両方 | 外したら吊るし、しまうときは巻く |
**迷ったら、線がまっすぐかどうかを見てください。**まっすぐなら、結び方ではなく、しまい方の問題です。
しまい方の問題なら、結び方をどれだけ工夫しても線は減りません。反対に、結び跡なのにしまい方ばかり変えても、同じ場所の縮れは残ります。原因が2つに分かれることを知っておくだけで、手間をかける場所を間違えずに済みます。両方が重なっているスカーフは、まず外したらすぐ吊るす習慣を先に作り、そのうえでしまい方を巻く形に変えてください。
どちらとも取れるとき②|跡を気にせず使いたい
跡が付くのが気になって、スカーフを使う回数が減っている。こういうときは、跡を戻す手間より、跡が気にならない使い方に寄せるほうが続きます。
- **跡が目立たない柄を選ぶ。**細かい柄や、色数の多い柄は、細い線が柄に紛れる
- 跡が出にくい素材を普段用にする。ウールやポリエステルのスカーフを毎日用、シルクを特別な日用に分ける
- **結ばない方法を基本にする。**首に一周させて折り込むだけなら、跡はほぼ出ない
シルクのスカーフを普段にも使いたい場合は、結ぶ日と結ばない日を交互にするだけでも、同じ場所に跡が重なる回数が半分になります。
跡があっても気にせず使う、と決めるのも1つの答えです。スカーフは人との距離が近い場面ほど目に入りますが、立ち話の距離でも、浅い段階1の跡はほとんど読まれません。自分が広げたときにしか見えない跡なら、使う回数を減らすほうがもったいないと考えてください。
どちらとも取れるとき③|何年も同じ場所で結んできた
長く使っているスカーフは、同じ場所に跡が重なって、その部分だけ色が薄くなっていることがあります。摩擦で表面の色が抜けたものです。
この場合、**色が抜けた場所は元に戻りません。**ただ、スカーフは大きな1枚の布なので、たたみ方を変えれば、色の抜けた場所を内側に隠せます。三角にたたんでいたなら、長方形にたたむ。中心で結んでいたなら、端に近い位置で結ぶ。これまでと違うたたみ方を1つ覚えるだけで、同じスカーフの見え方が変わります。
柄の中心に色の抜けが来てしまった場合は、そのスカーフを鞄の持ち手に巻くなど、首元以外の使い方に回すのも1つの道です。持ち手に巻くときは細くたたむので、色の抜けた場所は折り込まれて見えなくなります。首元で使う回数が減れば、それ以上摩擦で色が抜けることもありません。
柄によって、跡の目立ち方が違う
同じ深さの跡でも、スカーフの柄によって目立ち方が違います。跡が気になるスカーフがあれば、柄も見てください。
| 柄 | 跡の目立ち方 | 理由 |
|---|---|---|
| 無地 | 目立つ | 線や縮れが、影としてそのまま出る |
| 光沢のある無地 | とても目立つ | 光の返り方が変わり、線が光って見える |
| 大きな柄 | 中くらい | 柄の境目に跡が重なると目立つ |
| 細かい柄 | 目立ちにくい | 細い線が柄に紛れる |
| 色数の多い柄 | 目立ちにくい | 色の切り替わりが多く、影が読まれにくい |
光沢のある無地のシルクは、跡がいちばん目に入りやすいスカーフです。柄のあるスカーフと同じ扱いで毎日結ぶと、数か月で段階3に進みやすくなります。特別な日に使う1枚として、結ばない方法を基本にすると、長くきれいに使えます。
出先で跡に気づいたとき
化粧室の鏡などで、結び目を直そうとして跡に気づくことがあります。出先では、アイロンもハンガーもありません。
| 状況 | すること |
|---|---|
| 結び直したいが、前の跡が見える | 跡の場所を結び目の内側に巻き込むように結び直す |
| 跡のある部分が顔の近くに来る | たたみ幅を変えて、跡の場所を首の後ろへ回す |
| 細かい縮れが気になる | 両手の手のひらで布を挟み、しばらく温めてから軽く引く |
| 結び目が固くなってほどけない | 爪を立てずに、結び目の根元を指の腹で押し広げる |
| 跡がどうしても気になる | 結ばずに首に一周させ、端を折り込む形に変える |
出先では、跡を消すより、跡を見えない場所に回すほうが早く済みます。帰宅してから、外した直後の手順で戻せば十分です。出先で無理に伸ばそうとして布を強く引くと、跡は消えないまま布目がゆがみ、かえって直しにくくなります。
しまい方|結び目のまま保管しない
跡の戻し方と同じくらい大事なのが、しまい方です。結び目を作ったまま引き出しに入れると、次に使うころには段階3まで進んでいることがあります。
| スカーフの大きさ | しまい方 | 注意 |
|---|---|---|
| 大判の正方形 | 巻いてしまう。紙の筒やタオルを芯にする | 四つ折りで重ねると十字の跡が付く |
| 中判の正方形 | ゆるく二つ折りにして、平らに置く | 上に重いものを重ねない |
| 細長いもの | 長さを半分に折り、ハンガーに掛ける | 同じ折り位置で掛け続けない |
| 薄手のシルク | 不織布の袋に入れて、平らに置く | 光の当たる場所に置かない |
| ウールのもの | 畳んで引き出しへ。防虫剤と一緒に | 季節の間は一度出して広げる |
巻いてしまうのが、いちばん跡が付かない方法です。芯に使う筒は、使い終わったラップの芯などの手近なものでも構いません。筒に巻くときは、柄のある表を外側にして、きつく巻かずに空気を含ませるように巻いてください。きつく巻くと、今度は筒に沿った細かい線が付きます。帽子やストールと一緒の収納の考え方は帽子・ストール・ベルトのクローゼット収納にまとめてあります。
新しいスカーフは、最初の折り線を先に消す
買ったばかりのスカーフには、売り場でたたまれていた折り線が付いていることがあります。この線を残したまま結ぶと、折り線と結び跡が重なり、最初の1回から深い跡になります。
| 最初の折り線 | 消し方 |
|---|---|
| 軽い線 | 広げて一晩吊るす |
| はっきりした線 | 当て布をして、洗濯表示の温度でアイロン |
| 十字に交わる線 | 交わる点から先にスチームを当てる |
| 箱に入っていた深い線 | 吊るしてスチームを当て、下の端を軽く引いて重さをかける |
最初の1回を、線のない状態から始めるだけで、その後の跡の付き方が変わります。初めて使う前の晩に広げて吊るしておく、というひと手間を習慣にしてください。
よくある行き違い
| よくある思い込み | 実際 |
|---|---|
| 固く結べば一日ほどけずに済む | 固く結ぶほど跡が深くなる。土台を作ればゆるくても止まる |
| シルクは霧吹きで湿らせてアイロン | 水が一点に落ちると輪じみになることがある |
| アイロンは高い温度のほうが早く戻る | 高温は艶の変化や、表面が溶ける原因になる |
| 縁までしっかりアイロンをかける | 巻き縫いの丸みがつぶれて平らになる |
| 跡は使うたびに少しずつ戻る | 同じ場所で結び続けると、跡は重なって深くなる |
| 跡が付いたスカーフはもう首に巻けない | 跡の場所を結び目の内側に回せば使える |
手持ちのスカーフで確かめる順番
| 手順 | すること |
|---|---|
| 1 | 手持ちのスカーフを全部広げて、跡の段階を見る |
| 2 | 素材の表示を見て、跡が残りやすい素材を分ける |
| 3 | 跡の場所から、よく使っている結び方を確かめる |
| 4 | 段階2のものに、当て布をしてスチームを当てる |
| 5 | 段階3のものは、跡を隠せるたたみ方を1つ決める |
| 6 | 次に使うときから、結ぶ位置を4つの順で回す |
| 7 | 外したらすぐ吊るし、しまうときは巻く |
まとめ
- スカーフの結び跡は、軽く波打つ・線が残る・艶が変わるの3段階
- シルク・レーヨン・麻は跡が残りやすく、ウール・ポリエステルは戻りやすい
- 結ぶ強さは指1本。結ぶ位置は4つ決めて毎回ずらす
- 外した直後に広げて振り、吊るすだけで翌朝の跡が浅くなる
- アイロンは洗濯表示の温度で、当て布をして、縁の巻き縫いには当てない
- 戻らない跡は、結び目の内側や首の後ろに回して使う
今日外したスカーフが机の上に丸まっているなら、まず一度広げて、ハンガーに掛けてください。明日の朝、跡の段階がひとつ下がっているはずです。
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よくある問い
- Q. スカーフの結び跡は、放っておけば取れますか
- 素材と跡の深さによります。ウールやポリエステルの軽い波打ちなら、ハンガーに掛けて一晩おくだけで戻ることが多いです。シルクやレーヨンで、結び目の輪郭が線として残っている場合は、吊るしておくだけでは戻りにくいので、スチームを当てるか、当て布をして低い温度のアイロンをかけます。どちらにしても、外した直後に丸めて置かないことが、跡を浅くするいちばんの近道です。
- Q. シルクのスカーフに霧吹きをしてもいいですか
- シルクは水が一点に落ちると、乾いたあとに輪じみになることがあります。霧吹きを使うなら、布から離して細かい霧を広く当てるか、当て布のほうを湿らせてください。心配なときは、スカーフの角など目立たない場所に水を一滴落とし、乾いた跡を確かめてから進めると安全です。スチームアイロンの蒸気を、布から浮かせて当てる方法も使えます。
- Q. 結び跡が付かない結び方はありますか
- まったく付かない結び方はありませんが、跡を浅くする方法はあります。固く結ぶより、ひと結びで止める。結ぶ代わりにスカーフリングやブローチで留める。首に一周させて、端を内側に折り込むだけにする。結ぶ場合も、指が1本入るくらいの強さにしておくと、布が押しつぶされにくくなります。結ぶ位置を毎回ずらすことも、同じ場所に深い跡を作らないために効きます。
- Q. アイロンをかけたら、結び目のあった場所だけ光るようになりました
- てかりと呼ばれる状態で、布の表面が押しつぶされて平らになり、光を強く返すようになったものです。当て布をせずに高い温度で押さえたときや、同じ場所で長く結び続けたときに出ます。軽いものなら、当て布をしてスチームを浮かせて当てると目立たなくなることがあります。戻らない場合は、その部分が結び目の内側や首の後ろに来るように、たたみ方と結ぶ位置を変えて使ってください。
— メグラシ編集部





