マフラーの結び方|結ぶか通すかは、生地をつまんだ厚みで選ぶ

**手元のマフラーを1枚だけつまんで、定規に当ててみてください。**厚みは何mmでしたか。
マフラーの結び方で迷うときは、結び方の手順より先に、その一本で結び目を作ってよいかを決めます。結び目は、生地の厚みに重なる枚数を掛けた厚さで首元に出るので、同じ結び方でも、薄い一本ではすっきり収まり、厚い一本では大きな塊になります。決め手になるのは、つまんだ厚みと、首に一周したあとに残る端の長さの2つです。
巻いたあとの見栄えの判定はマフラーの巻き方でおしゃれに見せる、歩くうちにほどけるときの直し方はマフラーの巻き方、シンプルなのにほどけるにあります。この記事は、結び方を選ぶ手前の話です。
結論|つまんだ厚みで、結ぶか通すかが決まる
| 1枚つまんだ厚み | 使える結び方 | 選ぶときの目安 |
|---|---|---|
| 3mm未満(薄手) | 7つすべて | 結び目の形で選んでよい |
| 3〜6mm(中くらい) | ひと結び・輪通し・後ろで結ぶ・結ばない | 結び目は1つまで |
| 6mmを超える(厚手) | 輪通し・結ばない | 結び目を作らない |
| 厚みが場所で違う(ケーブル編みなど) | いちばん厚い場所で判断 | 編み柄の山をつまむ |
**前に出る結び目の厚さが2cmを超えたら、結ばずに輪に通す。**これが全体を通した目安です。2cmを超えると、結び目が顎の下に当たり、コートの前を閉めたときに押し上げられて、首元だけが前に出て見えます。
厚みを測ったら、次に端の長さを測ります。結ぶには、結び目に使う長さと、その下に垂れる長さの両方が要るからです。2つの数字がそろえば、7つの結び方のうち、その一本で使えるものが2つか3つに絞れます。そこから先は、コートの前を開けるか閉めるか、室内で外すかどうかで選びます。
30秒で測る|生地を1枚つまんで、定規に当てる
厚みは、たたまずに1枚の状態で測ります。
- マフラーを平らに置き、端から20cmほど内側をつまむ
- 親指と人差し指で、生地が軽く平らになる強さで挟む
- 指の間に定規を当てて、挟んだ生地の厚さを読む
- 2枚重なっているので、読んだ数字を2で割る
強く押しつぶさないことが大事です。厚手のニットは押すと半分ほどに縮みますが、首に巻いたときはふくらんだ状態に戻ります。生地の表面が平らになったところで止めて読んでください。
| つまみ方 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 強く押しつぶす | 実際より薄く出る | 表面が平らになったところで止める |
| 端のすぐそばをつまむ | 縁の始末で厚く出る | 端から20cm内側をつまむ |
| フリンジの近くをつまむ | 結び目の部分が分からない | 首に当たる真ん中寄りで測る |
| 編み柄の谷をつまむ | 薄く出る | いちばん高い山をつまむ |
| 二つ折りのまま測る | 2倍の厚さになる | 1枚に開いて測る |
定規が手元に無いときは、硬貨の厚さと比べても構いません。一般的な硬貨はおよそ1.5〜2mmなので、硬貨2枚を重ねた高さより薄ければ薄手、3枚を超えたら厚手側と考えて大きく外れません。
手持ちのマフラーが何本かあるなら、全部を測って、厚い順に並べておくと便利です。朝に一本を選ぶとき、その一本がどの段にいるかが分かっていれば、結び方を考える時間がなくなります。同じ色や素材でも、編み方で厚みが倍ほど違うことは珍しくありません。
結び目の厚みは、重なる枚数で増える
結び目の厚さは、結び方ごとに前に重なる枚数でおおよそ決まります。
| 結び方 | 前に重なる枚数 | 厚み3mmの一本 | 厚み7mmの一本 |
|---|---|---|---|
| 結ばない | 2枚 | 6mm | 14mm |
| 輪通し | 3枚 | 9mm | 21mm |
| 後ろで結ぶ | 2枚(前は垂らすだけ) | 6mm | 14mm |
| ひと結び | 4枚 | 12mm | 28mm |
| ネクタイ結び | 4〜5枚 | 15mm | 35mm |
| リボン結び | 5〜6枚 | 18mm | 42mm |
| ふた結び | 6枚 | 18mm | 42mm |
**7mmの一本でひと結びにすると、結び目だけで3cm近くになります。**表の2cmの線を超える組み合わせは、結び方が上手でも首元が詰まって見えます。逆に、3mm未満の薄手なら、ふた結びでも2cmに収まります。
この表は、生地をそのまま重ねたときの目安です。実際には結び目の中で生地が少しつぶれるので、柔らかい生地ほど表より薄く、硬い生地ほど表より厚く出ます。境目に近いときは、一度結んでから、結び目を指でつまんで厚さを確かめてください。
もう1つ測る|首に一周して残る端の長さ
厚みの次は、長さです。首に一周させたあと、前に回ってきた左右の端の長さを測ります。
- マフラーの真ん中を首の後ろに当てる
- 左右の端を前に回し、首にゆるく一周させる
- 前に戻ってきた左右の端のうち、短いほうを測る
| 短いほうの端 | 使える結び方 | 垂れる長さの目安 |
|---|---|---|
| 25cm未満 | 結ばない・後ろで結ぶ | 結ぶと結び目しか残らない |
| 25〜35cm | 輪通し・後ろで結ぶ | 結び目の下に10〜15cm |
| 35〜40cm | ひと結び | 結び目の下に15〜20cm |
| 40〜45cm | ネクタイ結び・リボン結び | 結び目の下に20cm前後 |
| 45cm以上 | ふた結び | 結び目の下に20cm以上 |
結び目の下に垂れる部分が15cmより短いと、結び目だけが首元に乗っているように見えます。端の長さは、結び目に使う分と垂らす分の合計と考えてください。全長が短めの一本の扱いはマフラーの巻き方、短い一本はにまとめてあります。
端の長さは、首に巻くときのゆるみで変わります。きつめに巻くと端が長く残り、ゆるく巻くと短くなります。測るときは、ふだん外で巻くときと同じゆるみ、目安として首と布の間に指が2本入る程度で巻いてから測ってください。
結び方と、要る厚み・長さの早見
ここまでの2つの数字を、7つの結び方に当てはめると次のようになります。
| 結び方 | 厚みの上限 | 短いほうの端 | 首元の印象 |
|---|---|---|---|
| ひと結び | 6mm | 35cm以上 | 結び目が1つ、いちばん中立 |
| ふた結び | 3mm | 45cm以上 | 結び目が締まって小さく見える |
| ネクタイ結び | 4mm | 40cm以上 | 縦に細い結び目 |
| リボン結び | 3mm | 40cm以上 | 結び目に輪が2つ |
| 輪通し | 制限なし | 二つ折りで輪が作れる長さ | 結び目の芯が無く、平らに収まる |
| 後ろで結ぶ | 6mm | 25cm以上 | 前に結び目が無い |
| 結ばない | 制限なし | 制限なし | 端をコートの中へ |
**厚みと長さの両方を満たす結び方の中から選ぶ。**どちらか一方でも外れていると、結んだ直後はよくても、歩いているうちに結び目がふくらむか、端が抜けてきます。
表のうち、どれを選んでもよい一本なら、その日のコートと予定で決めます。前を閉めるコートの日は結び目の小さいもの、前を開ける日は結び目が見えても構わないものを選ぶ、というように、結び方を服の側から決められるようになります。
ひと結び|薄手と中くらいの基本
ひと結びは、首に一周させたあと、前で左右の端を1回だけ結ぶ形です。厚みは6mmまで、短いほうの端は35cm以上が目安です。
- 首に一周させ、左右の端を前で交差させる
- 上に来た端を、下の端の下から通して上に引き出す
- 引き出した端を下に下ろし、結び目を平らに整える
| 締め方 | 見え方 | 向く日 |
|---|---|---|
| 首との間に指2本 | ゆるく、結び目が少し下がる | コートの前を開ける日 |
| 首との間に指1本 | 結び目が首元に収まる | 風のある日 |
| 指が入らない | 結び目が硬く盛り上がる | 締めすぎ。ゆるめる |
**結び目を作ったら、結び目の表面を指で左右に広げて平らにします。**ねじれたまま締めると、生地の縁が立って結び目が実際より厚く見えます。中くらいの厚みの一本は、この一手で見え方が大きく変わります。
ひと結びは、手順が少なく、鏡が無くても同じ形に戻せるのがいちばんの利点です。外で結び直す機会が多い日や、通勤で毎朝同じ形にしたい日は、ひと結びを基本にしておくと迷いません。
ひと結びを横に寄せる
ひと結びの結び目を、首の中心から3〜5cm横にずらす形です。結び方は同じで、結ぶ位置だけを変えます。
| 寄せる幅 | 見え方 | 合うとき |
|---|---|---|
| 0cm(真ん中) | 左右がそろって、きちんと見える | コートの前を開ける日 |
| 3cm | 結び目が少し外れ、首の前が空く | 前を閉めるコート |
| 5cm | 結び目がコートの襟の内側に半分入る | 襟の大きいコート |
| 8cm以上 | 結び目が肩に乗り、ずれやすい | 寄せすぎ。5cmまで |
寄せる方向は、バッグを掛けない側にしてください。バッグを掛ける側に結び目があると、紐が結び目を引っかけて形が崩れます。
横に寄せた結び目は、真ん中に置いたときより首元の左右に差が生まれます。その差が、きちんとしすぎない印象を作ります。ただし、寄せた側の端が長く垂れすぎると片側だけが重く見えるので、結んだあとに左右の端の長さを見て、寄せた側を少し短めにしておくと釣り合いが取れます。
ふた結び|薄手だけ
ふた結びは、ひと結びのあと、もう一度同じ向きに結ぶ形です。結び目が締まって小さく見えますが、前に6枚重なるので、使えるのは厚み3mm未満の薄手だけです。
| 厚み | ふた結びにしたとき | 判断 |
|---|---|---|
| 2mm | 結び目が12mm前後 | 使える |
| 3mm | 結び目が18mm前後 | 使えるが、2cmに近い |
| 4mm | 結び目が24mm前後 | 2cmを超える。ひと結びにする |
| 5mm以上 | 結び目が硬い塊になる | 使わない |
端の長さも多く使います。短いほうが45cm以上ないと、2回結んだあとに垂れる部分がほとんど残りません。ふた結びは、薄手のウールや綿で、長さに余裕がある一本のときに選ぶ結び方です。10月のまだ厚手を出す前の時期に向いています。
ふた結びは、締めるほど結び目が小さく硬くなります。結び目が小さくなりすぎて首元で点のように見えるときは、2回目の結びを少しゆるめて、結び目に指1本分の余裕を残してください。そうすると、結び目が小さすぎず、生地の柔らかさも残ります。
ネクタイ結び|縦に細い結び目
片方の端をもう片方に巻きつけ、首元の輪に下から通して縦の結び目を作る形です。結び目が縦に細くなるので、首元に縦の線ができます。
- 首に一周させ、片方の端を長め、もう片方を短めにする
- 長いほうを、短いほうの前で横に1周巻く
- 首元の輪に下から通し、巻いた部分の中に上から差し込む
- 短いほうを軽く引いて、結び目を上に滑らせる
| 確かめるところ | ちょうどいい状態 | 外れているとき |
|---|---|---|
| 結び目の幅 | 生地の幅の半分ほど | 幅のまま残るなら、生地が厚い |
| 結び目の高さ | 鎖骨の間のくぼみの少し上 | 顎に当たるなら下げる |
| 垂れた端の長さ | 長いほうがみぞおちの上あたり | 腰まで届くなら一周を足す |
厚みは4mmまでが目安です。それより厚いと、巻きつけた部分がふくらんで、細い結び目になりません。
ネクタイ結びは、結び目が首の中心に縦に収まるので、襟の無いコートや、前を開けて着るジャケットと相性のよい結び方です。反対に、襟の大きいコートと合わせると、縦の結び目が襟に隠れてしまい、手間のわりに見え方が変わりません。その日のコートの襟を見てから選んでください。
リボン結び|薄手で幅の狭い一本
左右の端で輪を作って結ぶ形です。結び目に輪が2つできるので、前に5〜6枚重なります。使えるのは、厚み3mm未満で、幅が20cm以下の一本です。
| 幅 | リボン結びにしたとき | 判断 |
|---|---|---|
| 10cm以下 | 輪が小さく、首元に収まる | いちばん向く |
| 10〜20cm | 輪が大きくなる | 幅を半分にたたんでから結ぶ |
| 20cmを超える | 輪が肩まで広がる | 使わない |
**リボン結びは、輪の大きさを左右でそろえるより、少しずらしたほうが落ち着いて見えます。**片方の輪を2〜3cm小さくすると、結び目が横を向き、正面から見たときの厚さが目立ちにくくなります。
リボン結びは、ほかの結び方より甘い印象が出ます。仕事の日や改まった場面では、輪を小さく作り、垂らす端を短めにすると、甘さが控えめになります。休日なら輪を大きめに作っても構いませんが、そのときも幅は20cm以下に収めてください。
輪通し|厚手でも結び目が出ない
マフラーを二つ折りにして首に掛け、できた輪に両端を通す形です。結び目の芯ができないので、厚手でも首元が平らに収まります。
- マフラーを長さの半分で二つ折りにする
- 折り目の輪を片側、両端を反対側にして首に掛ける
- 両端をそろえて、輪の中に通す
- 輪の位置を首元まで上げ、端を軽く引いて整える
| 一本の状態 | 輪通しにしたとき | 整え方 |
|---|---|---|
| 厚手で全長150cm以上 | 平らに収まる | 端の長さを左右でそろえる |
| 厚手で全長130〜150cm | 端が短めになる | 輪を首元から少し下げる |
| 全長130cm未満 | 輪に通すと端がほとんど残らない | 結ばない形にする |
| 中くらいの厚み | 少しすっきりしすぎる | 輪を1回ねじってから通す |
厚手の一本で結び目を作りたいときは、ほとんどの場合、輪通しに替えるのが近道です。前に重なるのが3枚なので、7mmの一本でも2cm前後に収まります。
輪通しは、手順が少なく、外してもすぐに同じ形へ戻せるのも利点です。輪の位置を首元からどれだけ下げるかで、首の見え方が変わります。首元をしっかり覆いたい寒い日は輪を首に沿わせ、少し軽く見せたい日は輪を2〜3cm下げて、首と布の間に空きを作ってください。
輪通しのねじり|中くらいの厚みに
輪通しの輪を、端を通す前に1回ねじって通す形です。輪がねじれることで首元に結び目のような立体が生まれ、それでいて芯はできません。
| 厚み | ねじりの回数 | 見え方 |
|---|---|---|
| 3mm未満 | 1〜2回 | 結び目のように見える |
| 3〜6mm | 1回 | ちょうどいい立体 |
| 6mmを超える | ねじらない | ねじると輪が硬く盛り上がる |
ねじる向きは、上から見て時計回りでも反時計回りでも構いません。毎回同じ向きにしておくと、生地に癖が付いて形が早く決まります。
ねじりを入れるかどうかで迷う一本は、無地か柄かで決めてもかまいません。無地の一本はねじりを入れると陰影が生まれて首元に立体が出ますが、細かい柄の一本はねじると柄が重なって、どこが結び目か分かりにくくなります。柄の一本は、ねじらずに通すほうが柄そのものがきれいに見えます。
後ろで結ぶ|前に結び目を出したくない日
首の後ろで左右の端をひと結びし、結び目をそのまま後ろに置くか、結んだあとに首の前へ回す形です。前には垂れた端だけが見えるので、首元の厚さが最も小さく収まります。
| 結び目の置き場所 | 見え方 | 向く日 |
|---|---|---|
| 後ろのまま | 前は2本の端だけ | コートの襟が高い日 |
| 横まで回す | 結び目が肩口に見える | 前を開けるコート |
| 前まで回す | 首に輪が乗ったように見える | 中くらいの厚みまで |
後ろで結ぶ形は、端が25cmあれば作れます。短めの一本でも結び目を作れるのは、この形だけです。ただし、後ろの結び目は背もたれに当たるので、電車や車で長く座る日は横まで回してください。
後ろで結ぶ形は、首の後ろに結び目の厚さが集まるので、後ろ髪をまとめている日は髪とぶつかることがあります。その日は結び目を少し下げて、髪の結び目と重ならない高さにずらしてください。
結ばない|一周して端を内側へ
首に一周させて、両端をコートの襟の内側に入れるか、前に垂らしたままにする形です。厚みにも長さにも制限がありません。
| 端の扱い | 見え方 | 合うとき |
|---|---|---|
| 両端を前に垂らす | 縦に2本の線 | 前を開けるコート |
| 両端を襟の内側に入れる | 首元だけに布がある | 前を閉めるコート |
| 片方を肩の後ろに掛ける | 片側に流れる | 風の弱い日 |
厚手の一本で、輪通しにするほどの長さが無いときは、結ばない形が最も首元を軽く見せます。結び目を作れない一本を無理に結ぶより、結ばずに端の置き場所を決めるほうが、一日の形が崩れません。
結ばない形は、手抜きのように感じられることがありますが、厚手の一本では最も素材の厚みが生きる形です。厚手のマフラーは、生地そのものに量があるので、結び目で立体を作らなくても首元に十分な存在感が出ます。
幅が広いものは、先にたたんでから
幅が30cmを超える一本や大判のストールは、そのまま結ぶと結び目が大きな塊になります。先に縦にたたんで、帯の幅を決めてから結びます。
| 元の幅 | たたみ方 | 結ぶ前の帯の幅 |
|---|---|---|
| 30cm未満 | たたまない | そのまま |
| 30〜45cm | 縦に二つ折り | 15〜22cm |
| 45〜60cm | 縦に三つ折り | 15〜20cm |
| 60cmを超える | 対角に三角に折ってから細く | 15cm前後 |
たたむと枚数が増えるので、厚みも増えます。二つ折りにした一本は、つまんだ厚みを2倍にして、最初の表に当てはめ直してください。大判をたたむときの帯の決め方は大判ストールのたたみ方と巻き方で詳しく扱っています。
素材で、結び目の締まり方が変わる
同じ厚みでも、素材によって結び目が締まりやすいか、ほどけやすいかが違います。
| 素材 | 結び目 | 選ぶ結び方 |
|---|---|---|
| 毛足のあるウール | 締まりやすく、ほどけにくい | ひと結びが安定する |
| 表面がなめらかなカシミヤ | 締まるが、滑ってゆるみやすい | 輪通しか、結び目を横に寄せる |
| アクリル | 締まりにくく、ふくらむ | 結び目を作らない形 |
| 綿 | 締まりやすく、しわが残る | ふた結び・リボン結びも使える |
| 化繊の薄手 | 滑ってほどける | 後ろで結ぶか、ひと結びをきつめに |
| ボア・シャギー | 結び目が大きく見える | 結ばない |
**滑る素材は、締めたつもりでも歩くうちにゆるみます。**そういう一本で結び目を作りたいときは、ひと結びの結び目をコートの襟の内側に半分入れて、襟で押さえてください。
素材が分からない一本は、手のひらで生地を軽くこすってみてください。指が引っかかるように止まるなら締まりやすい素材、するすると滑るなら滑りやすい素材です。滑りやすい一本ほど、結び目に頼らず、輪通しや後ろで結ぶ形のように、生地どうしが広い面で触れる結び方が安定します。
柄と端で、結び目の見え方が変わる
結び目は首元のいちばん目に入る場所にできるので、柄や端の始末がどこに出るかも見ておきます。
| 一本の特徴 | 結び目に出るもの | 選び方 |
|---|---|---|
| 大きなチェック | 結び目で柄がつぶれて見える | 輪通しで面を広く見せる |
| 細かいチェック | 柄が結び目になじむ | どの結び方でもよい |
| 端だけに柄や色 | 結び方で柄の出る位置が変わる | 端を前に垂らす結び方 |
| フリンジが長い | 結び目の下でフリンジが揺れる | 垂れる長さを20cm以上に |
| フリンジが無い | 端の縁がそのまま見える | 端を内側に入れる形も選べる |
端に柄がある一本は、端を垂らす長さで柄の見え方が決まります。結び目の下に柄が半分隠れるなら、結ぶ位置を3cm上げるか、垂らす端を長いほうに替えてください。
結び目の位置|真ん中か、横か
結び目を首の中心に置くか、横に寄せるかは、コートの前を閉めるかどうかで決めます。
| コート | 結び目の位置 | 理由 |
|---|---|---|
| 前を開けて着る | 真ん中 | 縦の空きの中に結び目が収まる |
| 前を閉めて着る | 横に3〜5cm | 合わせとぶつからない |
| 襟の大きいコート | 横に5cm | 襟の内側に結び目が半分入る |
| 襟の無いコート | 真ん中か横、どちらでも | 首元が空いているので詰まりにくい |
| 前を開けたり閉めたりする | 横に3cm | どちらの状態でも外れにくい |
コートの襟の形と首元の空き方の関係はコートに合うマフラーの巻き方でまとめています。ここでは、結び目を置く位置だけを決めておけば十分です。
10月から冬へ|厚みが変わると、結び方も替える
秋の立ち上がりは薄手、冬が深まると厚手へと、季節が進むにつれて一本の厚みが変わります。結び方も、それに合わせて替えます。
| 時期 | よく使う厚み | 選ぶ結び方 |
|---|---|---|
| 10月 | 3mm未満の薄手 | ふた結び・リボン結び・ネクタイ結び |
| 11月 | 3〜5mm | ひと結び・ひと結びを横に寄せる |
| 12月 | 5〜7mm | 輪通し・輪通しのねじり |
| 1〜2月 | 7mmを超える厚手 | 輪通し・結ばない |
**秋に覚えた結び方を、冬の厚手にそのまま使わない。**10月に薄手でちょうどよかったふた結びを、12月の厚手で同じようにすると、結び目が倍以上の厚さになります。厚手に替えた日に、結び方も一段軽い側へ移してください。
反対に、冬の終わりに厚手から薄手へ戻すときは、結び方を一段重い側へ戻してよい時期です。薄手の一本を結ばずに掛けるだけだと、首元が物足りなく見えることがあります。厚みが減ったぶん、結び目で立体を足すと考えてください。
どちらとも取れるとき①|厚みがちょうど6mm
つまんだ厚みが6mm前後で、ひと結びと輪通しのどちらにも取れるときは、素材の硬さで決めます。
| 素材の手触り | 選ぶ結び方 | 理由 |
|---|---|---|
| 柔らかく、つまむとつぶれる | ひと結び | 結び目の中で生地がつぶれて薄くなる |
| 張りがあり、つまんでも戻る | 輪通し | 結び目が硬く盛り上がる |
| 毛足が長い | 輪通し | 毛足の分だけ厚く見える |
迷ったら、一度ひと結びにして鏡を見てください。**結び目が顎の下に触れるなら、輪通しに替えます。**触れなければ、そのままで構いません。
鏡は正面だけでなく、横からも見てください。正面からは収まって見えても、横から見ると結び目が前に張り出していることがあります。横から見て結び目が顎の先より前に出ていなければ、ひと結びのままで問題ありません。
どちらとも取れるとき②|結びたいのに端が短い
結び目を作りたいけれど、短いほうの端が35cmに届かないときは、一周させずに結びます。
| 短いほうの端 | 替え方 | 結果 |
|---|---|---|
| 30〜35cm | 首に一周させず、前で1回結ぶ | 端が20cmほど増える |
| 25〜30cm | 後ろで結んで横に回す | 前に端が2本残る |
| 25cm未満 | 結ばない | 端をコートの中へ |
首に一周させないと、首元の布は1周分少なくなります。そのぶん、10月から11月のまだ冷えすぎない時期の結び方と考えてください。冬の寒い日に端が足りない一本は、結び目より首に巻く周回を優先するほうが、一日を通して快適に過ごせます。
どちらとも取れるとき③|室内で外すことが多い
一日のうちに何度もマフラーを外す日は、外したあとに同じ形へ戻せるかで選びます。
| 外す回数 | 選ぶ結び方 | 理由 |
|---|---|---|
| 1日に1〜2回 | どれでもよい | 戻す手間が少ない |
| 1日に3〜5回 | ひと結び・輪通し | 鏡なしで同じ形に戻せる |
| 1日に6回以上 | 結ばない | 掛けるだけで済む |
ネクタイ結びやリボン結びは、外すたびに結び直すと形が毎回少しずつ違います。外す回数が多い日は、手順の少ない結び方を選ぶほうが、一日の終わりまで同じ見え方を保てます。
外したマフラーは、結び目をほどいてから畳むと、次に巻くときに癖が残りません。結んだまま鞄に入れると、結び目の部分だけに折り目が付き、次に別の結び方をしたときにその折り目が首元に出てしまいます。
結び目を平らに整える
どの結び方でも、最後に結び目を整える一手で、厚さの見え方が変わります。
- 結び目の表面を、指で左右に軽く広げる
- 生地の縁が外側に向いて立っていたら、内側に折り込む
- 結び目の下の端を軽く下に引いて、結び目を締める
- 鏡で横から見て、結び目が前に出すぎていないか確かめる
| 整える前 | 整えたあと |
|---|---|
| 結び目の表面がねじれている | 面がそろって平らに見える |
| 生地の縁が立っている | 縁が隠れて結び目が細く見える |
| 結び目が首から離れている | 首元に寄って収まる |
| 左右の端が絡まっている | 端がまっすぐ下に落ちる |
**横から見たときに、結び目が顎より前に出ていなければ大丈夫です。**前に出ているなら、結び目をひとつ横に寄せるか、結び方を一段軽い側に替えます。
まとめ|厚みと端の長さで、結び方を絞る
- 生地を1枚つまんで、厚みを測る。3mm未満・3〜6mm・6mmを超えるの3つに分ける
- 結び目の厚さは、厚みに前に重なる枚数を掛けた数になる。2cmを超えたら結ばない
- 首に一周して残る短いほうの端が、ひと結びは35cm、ネクタイ結びとリボン結びは40cm、ふた結びは45cm以上
- 厚手は輪通しか結ばない。中くらいはひと結びと輪通し。薄手はどれでも
- 幅の広い一本は先にたたみ、たたんだ厚みで判断し直す
- コートの前を閉める日は、結び目を横に3〜5cm寄せる
- 季節が進んで厚手に替えたら、結び方も一段軽い側へ
**今夜、手元のマフラーを1枚つまんで、定規に当ててみてください。**その数字で、明日の朝に使える結び方が2つか3つに絞れます。そこから先は、コートの前を開けるか閉めるかで選ぶだけです。
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よくある問い
- Q. 厚手のマフラーを結ぶと、首元がもこもこします
- 結び目は、生地の厚みに重なる枚数を掛けた厚さになります。ひと結びでも前に4枚重なるので、1枚が7mmあると結び目だけで3cm近い厚さになります。厚手の一本は、二つ折りにしてできる輪に端を通す結び方に替えてください。輪通しは前に重なるのが3枚までで、しかも結び目の芯ができないので、同じ一本でも首元の厚さが半分ほどに収まります。
- Q. 結んだ端が短すぎて、結び目だけが目立ちます
- 首に一周したあとの短いほうの端が35cmより短いと、結び目の下に垂れる部分が10cmほどしか残らず、結び目だけが首元に乗って見えます。その長さの一本は、首に一周させずに前で1回だけ結ぶか、後ろで結んで前に垂らすほうが端の長さを残せます。どちらでも短いと感じるなら、結ばずに端をコートの襟の内側に入れる形にしてください。
- Q. 結び目は真ん中と横、どちらがいいですか
- コートの前を閉める日は横、開ける日は真ん中が収まりやすい位置です。前を閉めると、真ん中の結び目はコートの合わせとぶつかって押し上げられます。横に3〜5cm寄せると、結び目がコートの襟の内側に半分入り、厚さが目立ちにくくなります。前を開ける日は、結び目が縦の空きの中に収まるので、真ん中でも詰まって見えません。
- Q. 薄手のストールにも同じ結び方が使えますか
- 使えます。薄手のストールは1枚の厚みが3mm未満のことが多いので、この記事の7つの結び方はどれも使えます。ただ、幅が40cmを超えるものは、そのまま結ぶと結び目が大きな塊になるので、先に縦に折りたたんで15〜20cmの帯にしてから結んでください。
— メグラシ編集部





