マフラーの巻き方、シンプルなのにほどける|止まる点を1つ作って直す

**今朝巻いたマフラーを、駅に着くまでに何回直しましたか。**2回以上なら、巻き方の問題ではありません。布が止まる点が、どこにもないのです。
シンプルな巻き方がほどけるのは、手数が少ないからではありません。掛けるだけ、ひと巻きするだけの巻き方は、布どうしがこすれ合う力だけで形を保っているからです。滑る素材だと、その力が足りずにほどけます。直すなら、巻き方を複雑にする前に、止まる点を1つ足してください。
朝の鏡の前で整った形は、歩き出してから5分で最初に崩れます。肩が上下し、腕が振られ、首が左右に回るたびに、布は少しずつ動くからです。止まる点がないマフラーは、その小さな動きを全部そのまま受けて、ほどける方向へ進んでいきます。止まる点が1つあれば、動きはそこで止まり、形は夕方まで残ります。
どの巻き方を選ぶかは手数の少ないマフラーの巻き方で、条件ごとに振り分けてあります。この記事は、選んだ巻き方が崩れてしまうときの直し方です。
結論|ほどけるのは、止まる点が1つもないから
マフラーの形を保つ点は、3種類しかありません。布どうしがこすれ合う所、結び目、何かに挟まる所です。
| 巻き方 | 止まる点 | ほどける原因 | 足す止まる点 |
|---|---|---|---|
| 首に掛けるだけ | なし | 肩の傾きで端が滑り落ちる | 前のボタンを1つ閉める |
| ひと巻きして前に垂らす | こすれ合い1か所 | 滑る素材だと輪がゆるむ | 端をコートの襟に入れる |
| ひと巻きして後ろに流す | こすれ合い1か所 | 後ろの端が歩くたびに揺れて抜ける | 後ろの端を襟の内側に入れる |
| 二つ折りの輪に端を通す | こすれ合い2か所 | 輪が大きすぎると端が抜ける | 輪を締めて、端を1回ねじる |
| 二重に巻く | こすれ合い2か所 | 厚手だと重さで下がる | 前のボタンを1つ閉める |
| ひと結び | 結び目 | 滑る素材だと結び目がゆるむ | 結び目を横に寄せて平たくする |
| ねじって垂らす | こすれ合い1か所 | ねじりが戻ってほどける | 端を襟に入れる |
**止まる点が1か所以下の巻き方は、滑る素材では持ちません。**表の右端の「足す止まる点」は、どれも手数が1つ増えるだけです。
ほどけ方は4つに分かれる
同じ「ほどける」でも、崩れ方で原因が違います。どう崩れるかを先に見てください。
| 崩れ方 | 原因 | 直す場所 |
|---|---|---|
| 片方の端が肩から滑り落ちる | 肩の傾きと素材の滑り | 端を挟む点を作る |
| 首の周りの輪がゆるんで下がる | 輪の中で布が滑る | 輪を締め直し、こすれる面を増やす |
| 輪ごと片側に回っていく | 左右の端の長さの差 | 端の長さをそろえる |
| 結び目がほどける | 結び目が丸く、締まっていない | 結び目を平たく締める |
| 前に垂らした端が風で後ろへ回る | 端が軽く、固定点がない | 端をコートの前に挟む |
| 首元が広がって隙間ができる | 巻きがゆるい、または厚すぎる | 巻く回数を減らして締める |
| 夕方にだけ崩れる | 着脱の回数が多い | 外したあとの巻き直しを1動作にする |
いちばん多いのは、上の3つです。**端が落ちる、輪がゆるむ、片側に回る。**このうち、どれが起きているかで、次に見る場所が決まります。
見分けにくいときは、朝巻いた直後にスマートフォンで正面の写真を1枚撮っておき、昼にもう1枚撮って並べてください。端の高さが変わっていれば落ちている、首元の隙間が広がっていれば輪がゆるんでいる、結び目や端の位置が横に動いていれば回っています。2枚を見比べるだけで、どこを直せばいいかがはっきりします。
止まる点の3種類には、それぞれ得意と不得意がある
こすれ合い・結び目・挟み込みの3つは、どれも形を保つ点ですが、強さも見た目も違います。
| 止まる点 | 止める力 | 正面から見た形 | 外すとき | 向いている素材 |
|---|---|---|---|---|
| こすれ合い | 素材しだい。弱いことが多い | いちばんシンプル | すぐ外せる | 引っかかる素材 |
| 結び目 | 強い | 首元に塊ができる | ほどく手間がかかる | 滑る素材、薄手 |
| 挟み込み(襟・ボタン) | 強い | シンプルなまま | コートを脱ぐと外れる | どの素材でも |
| 挟み込み(ピン) | 強い | 表に出なければシンプル | 外す手間がかかる | 目の粗い編み物 |
シンプルな形のまま止めたいなら、挟み込みがいちばん相性のよい止まる点です。正面から見える形を変えずに、止める力だけを足せるからです。結び目は確かに止まりますが、形が変わるので、シンプルな巻き方を選んだ理由と少しぶつかります。
素材の滑りやすさを、30秒で確かめる
同じ巻き方でも、ほどけるマフラーとほどけないマフラーがあります。違いは、布の表面が滑るかどうかです。
- マフラーの両端を持ち、端どうしを重ねる
- 手のひらで上から軽く押さえ、前後にこすり合わせる
- 引っかかるか、すっと流れるかを見る
**すっと流れるなら、こすれ合いだけでは止まりません。**そのマフラーには、結び目か挟み込みの止まる点を足す必要があります。引っかかって動きにくいなら、ひと巻きするだけでも形が保たれます。
素材ごとの滑りやすさ
目安として、素材と糸の太さで、滑りやすさはおおよそ決まります。
| 素材・編み方 | 表面の滑り | ひと巻きで止まるか |
|---|---|---|
| 太い糸のウールの編み物 | 引っかかる | 止まる |
| 細い糸のウールの織物 | やや滑る | 厚手なら止まる、薄手は崩れる |
| カシミヤなどの細い獣毛 | 滑る | 止まりにくい |
| アクリルの編み物 | 引っかかる | 止まる。ただし静電気でまとわりつく |
| 綿の織物 | やや引っかかる | 止まる |
| 化繊の薄手の織物 | よく滑る | 止まらない |
| 表面を毛羽立てた起毛 | 引っかかる | 止まる |
| 縮めて目を詰めた厚手 | やや滑る | 厚みで止まるが、重さで下がる |
**手触りがなめらかで高級に感じるものほど、滑りやすい傾向があります。**毛足が短く、表面がそろっているからです。反対に、ざっくりした編み目や毛羽のある表面は、布どうしが絡んで止まります。
同じ素材でも、編んだものと織ったものでは滑りやすさが違います。編み物は表面に凹凸があり、布どうしが重なると目の間に引っかかります。織物は表面が平らなので、同じウールでも編み物より滑ります。手持ちのマフラーが織物で、しかも薄手なら、こすれ合いだけに頼る巻き方は避けたほうが無難です。
左右の端の長さの差が、ずれを作る
巻いたときに左右の端の長さが違うと、長いほうの重さに引かれて、首の周りの輪ごと回っていきます。
| 左右の端の差 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 5cm以内 | ほとんど回らない | そのまま |
| 5〜10cm | 半日かけて少し回る | 気になれば巻き直しの時にそろえる |
| 10〜15cm | 数時間で長いほうへ回る | 巻く前に中心を合わせる |
| 15cm以上 | 歩くうちに回る | 中心を合わせて巻き直す |
| わざと差をつけた巻き方 | 長いほうへ回る | 長い端をコートの前に挟む |
**巻く前に、マフラーの中心を首の後ろに合わせてください。**二つ折りにして真ん中をつまみ、その位置を首の後ろに当ててから巻き始めると、左右の差は5cm以内に収まります。わざと片側を長く垂らす巻き方は、それだけで回る向きの力が生まれるので、長い端を何かに挟む必要があります。
房のついたマフラーは、房の分だけ端が重くなります。左右で房の量が違う、片方の房だけ絡まって塊になっている、という状態でも、重いほうへ回ります。長さをそろえても回るときは、房の状態も見てください。
巻く高さで、ほどけ方が変わる
同じひと巻きでも、首のどの高さに巻くかで崩れ方が変わります。高く巻くと首の細い所に輪が来て締まりやすく、低く巻くと肩の上に乗って広がりやすくなります。
| 巻く高さ | 起きやすい崩れ | 合わせたい止め方 |
|---|---|---|
| あごのすぐ下 | 輪が上にずれて口元にかかる | 輪を少しゆるめ、端を襟に入れる |
| 首の真ん中 | いちばん崩れにくい | こすれ合いだけでも止まりやすい |
| 首の付け根 | 輪が肩に向かって広がる | 輪を締めて、前のボタンを閉める |
| 肩に乗せる | 端が肩から滑り落ちる | 端を前で交差させて挟む |
| 巻く高さが左右で違う | 低い側へ全体が回る | 首の後ろで高さをそろえてから巻く |
**迷ったら、首の真ん中の高さに輪を置いてください。**首の太さがいちばん安定している場所なので、輪が上にも下にも動きにくくなります。首の付け根まで下げたいときは、下がった分だけ止まる点を1つ足す、と考えておくと崩れません。
マフラーの幅で、止まり方が変わる
幅の狭いマフラーと、たたんで使う大判のマフラーでは、同じ巻き方でも止まり方が違います。
| 幅 | ひと巻きしたときの首元 | 崩れやすいところ |
|---|---|---|
| 20cm未満 | 細い帯になる | 輪が細く、滑りやすい |
| 20〜30cm | 標準的な厚み | 素材しだい |
| 30〜40cm | 首元に面ができる | 重さで輪が下がる |
| 大判を三つ折り | 厚みが出る | 折った層がずれて広がる |
| 大判を三角にたたむ | 前に面が垂れる | 三角の先が片側に回る |
幅の広いマフラーや大判を折って使うときは、折った層どうしが中でずれることが、ほどける原因になります。巻く前に折り目を軽く押さえ、層がそろった状態で首に掛けると、ずれが減ります。大判のたたみ方と巻き方の関係は大判ストールの巻き方で、たたんだあとの帯幅から整理しています。
直し方①|端をコートの襟の内側に入れる
手数を1つだけ足すなら、これがいちばん効きます。ひと巻きしたマフラーの端を、コートの襟の内側に5cmほど入れるだけです。
襟の内側に入った端は、コートの重さで押さえられ、動かなくなります。巻き方そのものは変わらないので、正面から見た形もシンプルなままです。
| コートの襟 | 入れる深さ | 向いている巻き方 |
|---|---|---|
| 折り返した襟 | 5cm前後 | ひと巻き、前に垂らす |
| 立った襟 | 3cm前後 | ひと巻き、後ろに流す |
| 襟なしの丸首 | 入れにくい | 前のボタンで止める |
| フードつき | フードの付け根に挟む | 二重巻き |
| 大きく開いた前合わせ | 前身頃の内側に挟む | ひと巻き、前に垂らす |
| 前を閉じないコート | 挟めない | 結ぶか、ピンで留める |
襟に入れるのは、左右の端のうち、首の後ろから回してきたほうの1本だけで構いません。前に残したもう1本は、そのまま垂らしておきます。両方を入れると首元が詰まり、マフラーを巻いている形が正面から見えにくくなります。
入れる深さを5cmより深くすると、襟が内側から押されて浮きます。浅すぎると、歩くうちに抜けます。コートの襟の形とマフラーの巻き方の組み合わせはコートに合うマフラーの巻き方で、首元の開き方から整理しています。
直し方②|前のボタンを1つ閉める
コートの前を開けて着ている日でも、いちばん上のボタンを1つだけ閉めると、マフラーの両端がその下に押さえられます。
首に掛けるだけの巻き方でも、これで端は落ちません。ボタンを閉めるのは1つだけにして、それより下は開けておくと、前が閉じた重たい印象になりません。
ボタンが胸より低い位置にしかないコートでは、ボタンで押さえる位置が低すぎて、マフラーが首から離れて浮きます。その場合は、直し方①の襟に入れる方法を選んでください。
前を閉じる留め具がファスナーのコートなら、ファスナーを鎖骨の下あたりまで上げるだけで同じ働きをします。上げすぎると首元が詰まってマフラーの面が見えなくなるので、マフラーの端が胸の上で押さえられる高さで止めてください。ボタンでもファスナーでも、止める位置は1か所で足ります。
直し方③|輪に通すなら、輪を締めて端をねじる
マフラーを二つ折りにして首に掛け、できた輪に両端を通す巻き方は、手数が少ないわりに止まりやすい巻き方です。それでもほどけるなら、輪の大きさが原因です。
輪が大きいと、通した端が輪の中で動き、歩くうちに抜けてきます。**端を通したあと、輪のほうを引いて締め、首元に指1本が入るくらいまで小さくしてください。**それでも抜けるなら、通した端を輪の手前で1回ねじります。ねじりが引っかかりになって、抜けにくくなります。
輪を締めすぎると、首元に布が寄って厚く見えます。指1本が入るくらい、というのは、締めたあとに人差し指を首と輪のあいだに入れて、軽く動かせる程度です。指が入らないほど締めると、首を回すたびに布が引っ張られ、かえって端が抜けやすくなります。
直し方④|結ぶなら、平たく締めて横に寄せる
滑る素材で、コートの襟にもボタンにも頼れない日は、結ぶのがいちばん確かです。ただ、結び目が丸く盛り上がると、首元に塊ができて目立ちます。
結び目は、ひと結びしたあと、両端を横に引いて平たく締めます。結び目をあごの真下ではなく、鎖骨の端のあたりへ寄せると、塊が首の正面から外れます。結ぶ回数は1回までにしてください。2回結ぶと、結び目の厚みが倍になります。
結んだあとの端の長さも見てください。結び目から下に垂れる端が、左右とも胸の高さで止まるくらいが目安です。端が長く残ると、その重さで結び目が下に引かれ、時間とともにゆるみます。長すぎるなら、結ぶ前に首に一周させて、端を短くしてから結びます。
直し方⑤|ピンで、重なった布の内側を留める
結びたくない、挟む場所もない。そういう日は、ピンで1か所だけ留めます。
| 留め具 | 向いている素材 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 大きめの安全ピン | 目の粗い編み物 | 表に出ないよう、内側で留める |
| 細い留め針 | 薄手の織物 | 細い糸で密に織った布は穴が残る |
| ブローチ | 厚手の編み物 | 重いと布が下がる。軽いものを選ぶ |
| クリップ状の留め具 | 厚手の織物 | 挟む力が強いと跡が残る |
| 何も使わない | 繊細な素材 | 挟み込みか結び目で止める |
留めるのは、重なった上の布と下の布を、内側でつなぐ1か所だけです。表から留めると、ピンが見えて、シンプルな巻き方の印象が変わります。留める位置は、首の横か後ろの、コートの襟に近い所が向いています。正面に近い位置で留めると、動いたときに布が引っ張られて留めた所が表にのぞきます。目の粗い編み物は、針が糸の間を通るので傷みにくく、細い糸で密に織ったマフラーは穴が残りやすくなります。
バッグの紐に引っ張られる日
ショルダーバッグを肩にかけると、紐がマフラーの端を押さえ、歩くたびに引っ張ります。これが、片側にずれていく原因になることがあります。
| バッグの持ち方 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 片方の肩にかける | 紐側の端が引っ張られて回る | 紐と反対側の端を少し長めにする |
| 斜めにかける | 紐が首元の輪を押して崩す | 紐をマフラーの上ではなく下に通す |
| 背負う | 肩の紐が両端を押さえる | ほぼ崩れない |
| 手に持つ | マフラーに触れない | 崩れない |
| 肘にかける | 腕の動きで端が揺れる | 端を襟に入れる |
**斜めにかける日は、マフラーを先に巻き、そのあとで紐を通してください。**紐をマフラーの上から通すと、紐が首元の輪を斜めに押し下げます。マフラーの端を紐の外に出して下に通すと、輪は押されずに残ります。
動きの多い日は、止まる点を2つにする
荷物を持つ、自転車に乗る、子どもを抱き上げる、何度も振り返る。体を大きく動かす日は、止まる点が1つでは足りないことがあります。
| 動き | 崩れる場所 | 足す止まる点 |
|---|---|---|
| 自転車に乗る | 前に垂らした端が風で後ろへ回る | 端をコートの前に挟み、さらにボタンを閉める |
| 子どもを抱き上げる | 端が引っ張られて輪がゆるむ | 輪を締めて端をねじり、襟に入れる |
| 重い荷物を肩にかける | 紐側の端が押されて回る | 端を短くして、荷物と反対側で結ぶ |
| 前かがみの作業が多い | 端が前に垂れて邪魔になる | 端を襟の内側に深めに入れる |
| 何度も振り返る | 首元の輪が回る | 輪を首の真ん中の高さで締める |
| 人混みで押される | 端が他人の荷物に引っかかる | 端を胸より上で止める |
**止まる点を2つにするときは、種類の違うものを組み合わせてください。**襟に入れる挟み込みと、輪を締めるこすれ合い。ボタンで押さえる挟み込みと、ねじりの引っかかり。同じ種類を2つ重ねるより、片方がゆるんだときにもう片方が残ります。
やりがちな直し方で、かえって崩れるもの
ほどけるのを止めようとして、別の崩れ方を招いてしまう直し方があります。
| やりがちな直し方 | 起きること | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 強く締める | 首元が詰まり、息苦しく感じて結局ゆるめる | 指1本入る締め具合で止まる点を足す |
| 何重にも巻く | 首元が厚くなり、重さで下がる | 巻く回数は2回までにする |
| 結び目を2回結ぶ | 塊が大きくなり、ほどくのに手間取る | 1回結んで平たく締める |
| 端を長く垂らして重さで押さえる | 長い端に引かれて全体が回る | 端は胸の高さまでにする |
| 何度も巻き直す | 折りぐせが増えて、かえって崩れやすくなる | 崩れの種類を見てから1か所だけ直す |
**崩れたら、全部をほどいて巻き直す前に、どこが崩れたかを見てください。**端が落ちただけなら端だけ、輪がゆるんだだけなら輪だけを直します。全部を巻き直すたびに布に新しい折りぐせが付き、その日のうちに崩れやすくなっていきます。
静電気でまとわりつく、ずれる
乾いた日は、マフラーがコートの襟や髪にまとわりつき、動くたびに引っ張られてずれます。これは滑りとは逆の問題で、くっつきすぎて形が崩れます。
アクリルや化繊のマフラーを、同じく化繊のコートに重ねると起きやすくなります。どちらかを綿やウールにすると、まとわりつきは減ります。髪の長い人は、マフラーを巻く前に髪を前か後ろのどちらかにまとめておくと、髪がマフラーの中に巻き込まれず、動くたびに引っ張られることもなくなります。服どうしの組み合わせで起きる静電気の減らし方は服の静電気にまとめています。
室内で外すたびに、形が崩れる
朝は整っていたのに、夕方には崩れている。着いた先で外して、出るときにまた巻くたびに、形が少しずつ変わっていくからです。
外すときは、ほどいてから二つ折りにしてバッグに入れるより、首に掛けていた形のまま輪を保って外すほうが、次に巻くときに早く戻ります。輪に通す巻き方なら、輪を残したまま頭から外し、次は頭からかぶせて端を引くだけです。
コートと一緒にハンガーに掛ける場所があるなら、マフラーはコートの襟に掛けたままにしておくと、折りぐせが付きません。丸めてバッグに入れると、取り出したときに丸めた形のしわが残り、そのしわから崩れやすくなります。
一日に何度も外す日は、巻き方そのものを手数の少ないほうへ寄せてください。何回外すかで巻き方を決める考え方は、手数の少ないマフラーの巻き方の中で、手数と場面の関係として整理しています。
鏡がない場所で、崩れを直す順番
外で崩れたとき、鏡がなくても直せる順番を決めておくと、手早く戻せます。
| 順番 | すること | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 1 | 両端を持って、左右の長さを合わせる | 端の先を指でつまんで、胸の同じ高さにそろえる |
| 2 | 首の周りの輪を後ろから引いて締める | 首元に指1本が入る |
| 3 | 輪の後ろの布を広げて、首の後ろに沿わせる | 首の後ろに布の面が当たる |
| 4 | 止まる点を戻す | 襟に入れる、ボタンを閉める、結び直す |
| 5 | 正面の端を指で整える | 端の角が下を向いている |
| 6 | 窓や店の前のガラスで一度だけ見る | 左右の高さがそろっている |
止まる点を戻すのは、形をそろえてから最後にしてください。先に襟に入れると、左右の長さが違ったまま固定されます。慣れてくると、1から4までは10秒ほどで終わります。外で直すたびにこの順番で動くと、鏡のある場所を探して歩く必要もなくなります。
どちらとも取れるとき①|滑る素材なのに、結びたくない
カシミヤのような滑る素材を、結ばずにシンプルに巻きたい。この場合は、コートの側で止めます。
**前を閉じるコートなら、端を襟の内側に入れるか、ボタンを1つ閉めてください。**これで、巻き方は掛けるだけかひと巻きのままで保てます。前を閉じないコートや、コートを着ない日は、結ぶかピンで留めるかのどちらかになります。結び目を横に寄せて平たく締めれば、首元の塊は小さく収まります。
滑る素材のマフラーは、薄くて軽いものが多く、結び目を作っても厚みが出にくいという良さもあります。厚手の編み物を結ぶと塊が目立ちますが、薄手の滑る一本なら、結び目は指先ほどの小さな膨らみで済みます。結ぶことに抵抗があるなら、まず一度、薄手の一本で結び目を横に寄せた形を鏡で見てから決めてください。
どちらとも取れるとき②|厚手で短い一本
厚手で短いマフラーは、ひと巻きすると端が短くなり、重さで輪が下がってきます。結ぼうにも、結ぶ長さが残りません。
この場合は、首に一周させずに、首に掛けて両端を前で交差させ、コートの前に挟んでください。巻かないので、長さが足りなくても形になります。短いマフラーの巻き方そのものはマフラーの巻き方、短い一本はで、残る端の長さから決めています。
どちらとも取れるとき③|前を開けたり閉じたりする日
電車の中では前を開け、外では閉じる。そういう日は、コートの襟やボタンに頼る止め方が、前を開けた瞬間に効かなくなります。
**止まる点を、コートではなくマフラーの中に作ってください。**輪に通す巻き方にして、輪を締めて端を1回ねじるか、ひと結びして横に寄せます。どちらもコートの前の開け閉めに関係なく形が残ります。前を開けたときに端が大きく揺れるなら、端の長さを胸の高さまでに短くしておくと、揺れが収まります。
どちらとも取れるとき④|風の強い日
風が強いと、前に垂らした端が後ろへ回り、首の周りの輪もゆるみます。
風の日は、垂らす端を短くし、巻く回数を1回増やしてください。巻く回数が増えると、こすれ合う面も増えて、輪がゆるみにくくなります。端は胸より上で止めて、コートの前に挟むと、風に持っていかれません。
巻く前に整えると、ほどけにくくなる
ほどけにくさは、巻く前の状態でも変わります。折りぐせがついていたり、たたんだ跡が残っていたりすると、布がその形に戻ろうとして、巻いた形が崩れます。
| 巻く前の状態 | 起きること | 整え方 |
|---|---|---|
| 二つ折りの折り目が強い | 折り目の所で布が折れて輪がゆるむ | 蒸気を当てて伸ばす |
| 端がねじれている | ねじれが戻るときに端が回る | 端を持って振り、まっすぐにする |
| 片面だけ毛羽が寝ている | 寝た面が滑る | ブラシで毛を起こす |
| 洗ったあとで縮んでいる | 短くなって端が足りない | 長さに合った巻き方に替える |
| 房が絡まっている | 端が重くなって片側に引かれる | 房を指でほぐしてそろえる |
巻く前の3分でできる整え方はマフラーの巻き方がかわいく決まらないのは、巻く前の3分に手順を並べています。端の房が絡まりやすいマフラーの洗い方はマフラーの洗い方で、端の始末から見分けています。
一週間、何回直したかを数える
直し方を試したら、一週間だけ、一日に何回マフラーを直したかを数えてください。
| 一日に直した回数 | 判断 |
|---|---|
| 0〜1回 | 止まる点は足りている |
| 2〜3回 | 止まる点をもう1つ足す |
| 4回以上 | 素材が巻き方に合っていない。結ぶか、別の一本に替える |
| 特定の場面だけ崩れる | その場面の止め方だけ変える |
| 朝だけ崩れる | 巻く前の整え方を見直す |
直す回数が減らないときは、巻き方ではなくマフラーの素材が合っていないことが多いです。滑る一本は結ぶ日用に、引っかかる一本はひと巻きの日用に、と役割を分けると、手持ちのまま解決します。
買い足すなら、売り場で滑りを確かめる
これからマフラーを買い足すなら、シンプルに巻きたい一本は、売り場で滑りやすさを見てから選んでください。見るのは3つだけです。
- 両端を重ねて手のひらでこすり、引っかかるかを見る
- 首に掛けて、前かがみになったときに端が肩から滑り落ちるかを見る
- 首に一周させて、残る端の長さが胸の高さに届くかを見る
**3つとも問題がなければ、止まる点を足さなくても、ひと巻きで一日持つ一本です。**1つ目で流れるようなら、手触りが気に入っていても、結ぶ日か、前を閉じるコートの日の一本として持つつもりで選びます。役割を決めてから買うと、手持ちの中で使われない一本が生まれにくくなります。
売り場の鏡の前で巻いたときは整って見えても、歩き出すと崩れる一本はあります。試着できるなら、巻いたまま売り場の中を10歩ほど歩いて、端の位置が変わるかを確かめてください。
まとめ
- シンプルな巻き方がほどけるのは、止まる点がないから。止まる点は、こすれ合い・結び目・挟み込みの3つ
- 素材が滑るかは、両端をこすり合わせて確かめる。流れるなら、結び目か挟み込みを足す
- 左右の端の差は10cm以内に。巻く前にマフラーの中心を首の後ろに合わせる
- 手数を1つだけ足すなら、端をコートの襟に5cm入れるか、前のボタンを1つ閉める
- 前を開け閉めする日は、止まる点をマフラーの中に作る
- 一週間、直した回数を数える。4回以上なら素材と巻き方の組み合わせを替える
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よくある問い
- Q. シンプルに巻いたマフラーが、すぐほどけてしまいます
- 布が止まる点がないのが原因です。止まる点は、布どうしがこすれ合う所、結び目、コートの襟やボタンに挟まる所の3種類しかありません。掛けるだけ、ひと巻きするだけの巻き方は、こすれ合いだけに頼っているので、滑る素材だとほどけます。巻き方を複雑にしなくても、端をコートの襟の内側に5cm入れる、前のボタンを1つ閉めるといった挟み込みを1つ足せば止まります。
- Q. マフラーが歩いているうちに片側にずれていきます
- 左右の端の長さに差があると、長いほうの重さに引かれて、首の周りの輪ごと回っていきます。差が15cmを超えると起きやすくなります。巻き終わったら、鏡で左右の端の高さを見て、差を10cm以内にそろえてください。ショルダーバッグを片側にかける日は、紐がマフラーの端を押さえて引っ張るので、バッグと反対側の端を少し長めにしておくと、回る向きがつり合います。
- Q. 結ぶとほどけにくいですが、首元がごつく見えます
- 結び目が正面の真ん中にあると、首元に塊ができて目立ちます。結び目を正面から少し横にずらし、あごの下ではなく鎖骨の端のあたりに置くと、塊が首の正面から外れます。さらに、ひと結びしたあと結び目を平たく押しつぶすように整えると厚みが減ります。それでも塊が気になる厚手のマフラーなら、結ぶのをやめて、コートの襟に端を入れる止め方に替えてください。
- Q. ピンで留めるのはありですか
- 滑る素材で、結ぶと形が崩れるマフラーには向いています。留めるのは表からではなく、重なった布の内側で、下の布と上の布を1か所だけつなぐ形にすると、ピンが表に出ません。目の粗いニットは針が糸の間を通るので傷みにくく、細い糸で密に織ったマフラーは穴が残りやすいので避けてください。
— メグラシ編集部





