マフラーの洗い方|洗っていいかどうかは、端の始末で決まる

マフラーで戻らなくなるのは、面ではありません。端です。
真ん中がどれだけきれいでも、フリンジがよじれ、耳がほつれ、幅だけが横に広がった一枚は、巻いた瞬間に分かります。だから洗う前に見るのは素材でも表示でもなく、まず端の作りです。
戻らなくなるのは、面ではなく端
面は広く、力が分散します。水の中で多少動いても、乾く頃には元の位置に戻ります。
端は違います。織りの終わりであり、糸が固定されていない場所です。ここだけは、水の中で起きたことがそのまま残ります。冬のあいだ何十回も巻く一枚で差が出るのは、ほぼ端の扱いによるものです。
見る1|端の作り|3種類しかない
広げて、短辺の端を見てください。
フリンジ:織り地から糸が房になって伸びています。いちばん動く端です。
縫い止め:端が折り返されて縫われているか、細い糸で巻いて始末されています。最も強く、扱いの自由度が高い側です。
織りっぱなしの耳:折り返しも房もなく、織り地がそのまま終わっています。一見きれいですが、糸が1本抜けると隣が抜けやすくなります。
見る2|フリンジの根元|結び目があるか
フリンジがある場合、根元を指でたどってください。
糸を数本まとめて結んだ玉があれば、水の中で動いてもそれ以上ほどけません。結び目なしなら、織り地から糸がそのまま伸びているだけなので、水流のたびに一本ずつほどけます。
ほどけた糸は乾いてから元に戻せません。結び目のない一枚は、洗えないのではなく、束ねてからでなければ洗えない一枚です。
見る3|毛足の長さ|端で絡む距離
表面を手のひらでなでて、寝ている毛がどれだけ動くかを見ます。毛足が指の第一関節より長ければ、水の中で隣の毛と絡みます。
絡みは面の真ん中でも起きますが、乾く途中でほどけます。端では、フリンジの糸と毛が混ざって固まり、ほどけません。毛足が長い一枚ほど、端の対策が重くなります。
見る4|幅|濡れると横に広がるか
乾いた状態で幅を測り、両手の指を使って覚えておきます。濡れた生地は重くなり、その重さで横に引かれます。
判定は簡単で、吊るして乾かした経験がある一枚は、すでに広がっている可能性が高いです。過去に洗って幅が変わったなら、その一枚は広がる側として扱ってください。
まだ一度も洗っていない一枚なら、編み地の性質から見当がつきます。指で横に引いて、幅が2割以上伸びて手を離すと戻るなら、水を含んだ状態では戻る力が足りません。広がる側です。引いてもほとんど伸びない織りの一枚は、幅が変わりにくい側です。伸びる余地があるかどうかが、そのまま濡れたときの結果になります。
4つを合わせて、洗い方を決める
| 端の作り | 根元の結び目 | 毛足 | 扱い |
|---|---|---|---|
| 縫い止め | ── | 短い | 通常どおり水に入れられる |
| 縫い止め | ── | 長い | 水に入れられる。乾き際にとかす |
| フリンジ | あり | 短い | そのまま水に入れられる |
| フリンジ | なし | 問わず | 束ねてから水に入れる |
| 織りっぱなしの耳 | ── | 問わず | ほつれを止めてから判定に戻す |
表で終わりにせず、自分の一枚の端を実際に指でたどってください。同じ見た目でも、結び目の有無で結論が変わります。
洗う前の30秒|端を束ねる
フリンジを数センチおきに分け、それぞれを緩く束ねます。強く縛ると、その位置に折り癖がつきます。指が1本通る程度の緩さで足ります。
織りっぱなしの耳にほつれがあるときは、抜けかけた糸を引かず、根元で短く切って裏側に折り込みます。進行を止めてから水に入れてください。止めずに入れると、洗っている数分で数センチ進みます。
水の中での動き|沈めるか、押すか
端が縫い止めで毛足が短い一枚は、押す動きを使って構いません。
フリンジがある一枚、毛足の長い一枚は、沈めて浮かせるだけにします。押すと水が横に動き、その流れが端に集まります。面のためにやった動きが、端を壊します。
水温は手が温度を感じない程度、洗剤は中性の性質のものを先に水へ溶かしてから入れます。浸けておく時間は3分まで。動きの選び方そのものには別の考え方があるので、手洗いの記事に譲ります。
脱水|端から水を落とす
絞りません。乾いたタオルの上に、マフラーを長い方向にまっすぐ置き、上からもう一枚重ねて手のひらで押します。
押す順番は、中央から端へです。端から中央に向かって押すと、水が中央に集まり、そこだけ最後まで乾きません。中央から端へ順に送れば、水は端から抜けます。
干し方|吊るすと、端に全部の重さが集まる
濡れたマフラーを竿に掛けると、上になった折り返しの位置に全体の重さがかかります。下がった両端は、その重さで縦に引かれ、同時に横に広がります。
だから**平らに置く以外の選択肢はありません。**幅の広い台の上に、元の幅に合わせて置き、両手で外側から内側へ寄せて形を決めます。ここで決めた幅が、そのまま乾いた幅になります。
竿を使うしかない場合は、二つ折りにせず、竿を2本使って全長を水平に支えてください。1本しかないときは、掛ける位置を1時間ごとにずらします。
乾いた後|束をほどく順番
完全に乾いてから、束ねたフリンジをほどきます。濡れているうちにほどくと、その場で絡み直します。
ほどく順番は端から中央へ。一束ずつ広げ、指で軽くしごいて向きをそろえます。毛足の長い一枚は、この段階で粗い歯のもので一方向にとかしてください。引っかかったら手前に戻し、位置を少しずらします。
洗う回数は、首に触れた面積で決める
回数で決めないでください。襟の高い上着の上から巻き、肌に触れていないなら、何回巻いても洗う必要はありません。
素肌の首に直接巻いた日は、触れた範囲に汗と皮脂が移ります。この場合は3回を目安にします。全体を洗うかわりに、触れた範囲だけを湿らせて処理する選択もあります。水に入れる回数が少ないほど、端は長く保ちます。
端が崩れたときに、戻せる範囲
幅が広がった:戻せます。全体を湿らせ、平らな面で元の幅に寄せながら乾かします。2回まで繰り返せます。
フリンジが縮れた:ある程度戻せます。湿らせて一本ずつ指でしごき、まっすぐにしてから乾かします。時間はかかりますが、確実に変わります。
フリンジがほどけて短くなった:戻せません。全体の長さをそろえて切り、意図した長さとして仕上げるのが現実的な落としどころです。
耳のほつれが進んだ:進行は止められますが、失われた分は戻りません。1センチ内側を縫って止めてください。
どちらとも取れるとき
**結び目があるように見えるが、確信が持てないとき。**ないものとして束ねてください。束ねる作業に失うものはありません。
**毛足が長いのか、単に起毛しているだけか分からないとき。**指の第一関節に当てて測り、届くかどうかで決めます。測って迷う長さなら、長い側として扱います。
**代えの利かない一枚で、端が織りっぱなしのとき。**全体を水に入れず、触れた範囲だけの処理に切り替えてください。端を一度も動かさなければ、崩れる理由がなくなります。
**端が縫い止めなのに、洗うたびに形が変わるとき。**原因は端ではなく干し方です。縫い止めは強い端ですが、吊るして全体の重さを一点に集めれば、そこから崩れます。端の判定が正しくても、干す姿勢を変えなければ結果は同じです。判定と干し方は別の話で、両方をそろえて初めて形が残ります。
**片方の端だけフリンジがある一枚。**弱いほうに合わせてください。フリンジのある側の条件で洗い、両端とも同じ扱いにします。片側だけ強く扱っても、水の中では全体が同じ流れを受けます。
シーズンの終わりに一度だけ洗いたいとき。判定を変える必要はありませんが、順番が変わります。仕舞う前の一回は、乾いたと思ってからさらに半日置くようにしてください。端の束ねた部分は最後まで湿りが残りやすく、そのまま仕舞うと翌年に出したときに跡になっています。
まとめ|端を決めてから、水に入れる
端の作りを3つのどれかに当てはめる。フリンジなら根元の結び目を探す。毛足を関節で測る。過去に幅が変わったかを思い出す。
面はあとから直せます。端だけは、水に入れる前にしか手を打てません。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. フリンジのあるマフラーは家で洗えますか
- フリンジの根元を見てから決めてください。糸を数本まとめて結んだ玉が根元にあれば、水の中で動いてもそれ以上ほどけません。結び目がなく、織り地からそのまま糸が伸びているだけなら、水の中で一本ずつほどけていきます。ほどけた糸は乾いた後に元へ戻せません。結び目がない一枚を洗うときは、フリンジ全体を数センチおきに緩く束ね、束ねたまま水に入れて、乾いてからほどいてください。
- Q. 洗ったら幅が広がってしまいました。戻せますか
- ある程度は戻せます。広がるのは、濡れて重くなった生地が自分の重さで横に引かれるからで、繊維そのものが変わったわけではありません。もう一度全体を湿らせ、平らな面に置いて、元の幅の位置を両手で寄せながら形を整え、そのまま乾かしてください。1回で戻らなければ2回まで繰り返せます。それ以上やっても変化しないなら、その幅で落ち着いたと考えます。次から吊るさず平らに置いて乾かせば、同じことは起きません。
- Q. マフラーは何回巻いたら洗えばいいですか
- 回数ではなく、首の肌に直接触れた面積で決めてください。襟の高い上着の上から巻き、肌に触れていないなら、5回でも10回でも洗う必要はありません。素肌の首に直接巻いた日は、触れた範囲に汗と皮脂が移っているので、3回を目安にします。全体を洗うかわりに、触れた範囲だけを湿らせて処理する選択もあります。マフラーは水に入れるたびに端が動くので、洗う回数は少ないほど一枚として長く保てます。
- Q. 端の耳がほつれてきました。洗ってもいいですか
- ほつれが進行中なら、洗う前に止めてください。織りっぱなしの耳は、糸が1本抜けると隣が抜けやすくなります。抜けかけた糸を引き抜かず、根元で短く切り、切った端を裏側に折り込んでください。応急的には、耳から1センチ内側を細かく縫って止める方法もあります。止めずに水に入れると、洗っている数分のあいだに数センチ進みます。止めた後なら、通常の判定に戻して構いません。
- Q. 毛足の長いマフラーが、洗った後に絡んで固まりました
- 乾く途中で毛の向きがそろわないまま固まった状態です。全体を蒸気で湿らせ、毛足の向きに沿って粗い歯のもので一方向にとかしてください。無理に引くと根元から抜けるので、引っかかったら手前に戻し、少しずつ位置をずらします。完全に乾く前、ひんやりする湿り気が残っているうちが最も戻しやすい状態です。乾き切ってから始めると、同じ作業に何倍も時間がかかります。
— メグラシ編集部





