運動靴の洗い方|次に履くまでの時間で、洗う範囲が決まる

運動靴を洗うとき、いちばん多い失敗は洗い方ではありません。
乾ききらないまま、次に履くことです。
だから、洗う前に決めることが1つあります。次に履くまで、何時間あるか。 この時間が、その日に洗える範囲の上限を決めています。
時間が足りないのに全体を洗うと、洗ったこと自体が次の日の状態を悪くします。逆に時間がたっぷりあるなら、中まで洗って構いません。決めるのはそこだけです。
運動靴の洗い方は、次に履くまでの時間で決まります
なぜ時間から決めるのか。理由は、運動靴が乾きにくい構造をしているからです。
布や革が何層も重なり、あいだに芯が入り、底が接着されています。水を含む場所が多く、しかも内側は風が通りません。
洗うこと自体は難しくありません。難しいのは乾かすことです。だから、乾かせる時間から逆算する。 これがいちばん失敗しない順番になります。
先に決める|次に履くのは何時間後か
カレンダーを見て、次にその靴を履く予定を確認してください。
12時間以内。 今日洗って、明日の朝に履く。この場合、中まで濡らす余裕はありません。
24〜36時間。 今日洗って、明後日に履く。中敷きを外せば、内側まで手を入れられます。
48時間以上。 数日空く。全体を洗えます。
この3つのどれかに当てはめてください。分からないときは短いほうに寄せます。 乾いていない靴を履くことになるより、汚れが少し残っているほうが困りません。
判定①|12時間以内|洗うのは表面だけ
時間がないときは、水を入れる範囲を表面に限定します。
やることは3つです。1つ、乾いたままブラシで土やほこりを落とす。 水を使う前に、乾いた状態で落とせるものを全部落とします。ここを飛ばすと、水を足したときに汚れが広がります。
2つ、濡らした布で表面を拭く。 布は固く絞ってください。水が垂れる状態だと、内側に入ります。
3つ、底の側面を別に拭く。 ここは汚れがたまりやすく、しかも乾きが早い場所です。
中敷きは外して、乾いた布で拭くだけにします。洗うと乾きません。
判定②|24〜36時間|中敷きを外して部分洗い
一日以上あるなら、範囲を広げられます。
先に中敷きを外してください。 外した中敷きは別に洗い、別に乾かします。これだけで乾く時間が大きく変わります。
本体は、内側と外側に分けて考えます。外側は、濡らして洗って構いません。 内側は、濡らした布を入れて拭く程度に留めます。内側に水をためると、この時間では乾ききりません。
紐は外して、別に洗います。紐が付いたままだと、通し穴のまわりが乾きません。
判定③|48時間以上|全体を洗える
二日以上あるなら、全体を洗えます。
それでも、つけ置きにはしないでください。 理由は後述しますが、接着で組まれた靴では、沈めている時間が長いほど接着面に水が回ります。
手順は、乾いた汚れを落とす、濡らす、洗う、すすぐ、水を切る、の順です。すすぎは、洗剤の残りが白く浮く原因になるので、思っているより一度多くやってください。
水を切るときは、絞らずに、布で挟んで押します。ねじると形が崩れ、その形のまま乾きます。
洗う前に見る3か所|中敷き・接着・素材
洗う範囲を決めたら、靴の側を3か所だけ確かめます。
1つ、中敷きが外れるか。 指を入れて、かかと側から持ち上げてみてください。外れるなら外します。
2つ、底と本体のつなぎ目。 縫い目が見えるか、接着だけかを見ます。
3つ、表面の素材。 布か、合わせた素材か、起毛しているか。
この3つで、水を入れていい範囲が決まります。
中敷きが外れるかどうかで、乾く時間が半分変わる
中敷きは、靴のなかでいちばん水を含む部品です。厚みがあり、面積があり、しかも靴の底に密着しています。
入れたまま乾かすと、乾く時間がおよそ倍になります。 中敷きの下は風が通らず、そこに水が残るからです。
外して別々に乾かせば、両方とも早く乾きます。中敷き自体は薄いので、単体なら数時間で乾きます。
外れない作りの靴は、判断を一段下げてください。 24時間あっても12時間の扱いにする、48時間あっても24時間の扱いにする。乾く時間が読めない以上、余裕を持たせるしかありません。
接着で組まれた靴と、縫ってある靴
底と本体のつなぎ方で、水に入れていい時間が変わります。
接着で組まれた靴。 つなぎ目に縫い目が見えず、圧着されている作りです。この靴は、水に沈めている時間が長いほど接着面に水が回ります。沈めるのではなく、濡らした布を当てて置く方法に替えてください。同じ時間をかけても、水が入る範囲が違います。
縫ってある靴。 つなぎ目に縫い目が見えます。この作りなら、短時間のつけ置きは問題になりにくくなります。ただし、縫い目そのものから水が入るので、乾く時間は長めに見てください。
どちらか分からない場合は、接着として扱ってください。 沈めない方法で洗っても、汚れは落ちます。
素材別|水を入れていい範囲
表面の素材でも、範囲が変わります。
布。 全体を濡らして構いません。乾くのも比較的早い部類です。ただし色の濃いものは、濡れたまま白いものに触れさせないでください。
合わせた素材。 表面は水を弾きますが、縫い目から入ります。表面を拭くだけで汚れが落ちるので、全体を濡らす必要がありません。
起毛している素材。 水を入れると毛足が寝ます。乾いた状態でブラシをかけて落とすのが基本で、水は部分的にしか使いません。全体を洗う対象から外してください。
ゴムの部分。 ここは水に強い場所です。汚れがたまりやすいので、ここだけ念入りにして構いません。
乾かし方|置く向きと、風の当て方
乾かすのは温度ではなく風です。
強い熱を当てないでください。 接着面や表面の素材が先に傷みます。乾くのは早くなりますが、その一回で靴の寿命が縮みます。
置き方には向きがあります。つま先を下げて斜めに立てかけ、履き口から中へ風が抜ける向きにしてください。中の空気が動かないと、外側だけ乾いて内側が残ります。
紐は外して別に、中敷きも別に置きます。この3つを分けるだけで、乾く時間がかなり短くなります。
乾く途中で白い輪が出ることがあります。これは、濡れた部分と乾いた部分の境目に汚れが押し寄せた跡です。直すには、輪の外側からもう一度全体を均一に濡らして、風を当てて一気に乾かします。部分的に濡らすと、別の場所に輪ができます。
早見表|時間と、洗う範囲
| 次に履くまで | 中敷き | 洗う範囲 | 乾かし方 |
|---|---|---|---|
| 12時間以内 | 外して拭く | 表面だけ | 風の通る場所に立てる |
| 24〜36時間 | 外して洗う | 外側と、内側は拭く | 本体・中敷き・紐を分ける |
| 48時間以上 | 外して洗う | 全体 | 同上、時間をかけて |
| 中敷きが外れない | — | 一段下げる | 履き口から風を通す |
表は時間と範囲の対応です。どの行に入るかは、予定を見ないと決まりません。
どちらとも取れるとき①|次に履く時間が読めない
いつ履くか決まっていない靴もあります。
このときは、短いほうで扱ってください。 表面だけ洗っておけば、翌日に急に必要になっても困りません。
もう1つの手として、洗うタイミングを予定の側で作る方法があります。次に履かない日が2日続くと分かっているときに洗う。そう決めてしまえば、毎回判定する必要がなくなります。
同じ靴を続けて履いている場合は、そもそも乾かす時間が取れません。間に別の一足を挟めるかどうかが、洗える頻度を決めています。
どちらとも取れるとき②|洗ったのに乾ききらない
朝になってまだ湿っている。この場合、履く前にできることがあります。
乾いた布を丸めて中に詰めて、10分置いてから取り出してください。 内側の水分が布に移ります。1回で足りなければ、乾いた布に替えてもう一度やります。
そのうえで、履き口を広げて風の通る場所に置きます。10分でも変わります。
それでも湿っているなら、その日は別の靴にしてください。湿ったまま履くと、次に乾かすときの時間がさらに延びます。
洗う頻度は、履いた回数ではなく汚れの種類で決める
どのくらいの間隔で洗えばいいか。回数で決めると、必要のない日にも洗うことになります。
見るのは、汚れの種類です。
乾いた土やほこり。 ブラシで落ちます。水を使う必要がありません。この種類だけなら、何度履いても洗う対象になりません。
濡れて付いた汚れ。 土が水を含んだ状態で染み込んでいます。乾いてからでは落ちにくくなるので、その日のうちに表面だけ洗うのがいちばん手数が少なくて済みます。
内側の汚れ。 中敷きの表面が硬くなる、履き口の内側が黒ずむ。これは時間をかけて溜まる種類なので、48時間空く日を待って全体を洗う対象です。
つまり、外側は汚れた日に、内側はまとめてという分け方になります。この分け方にすると、全体を洗う回数は思ったより減ります。
洗う回数が減れば、そのぶん靴の状態は保たれます。洗うこと自体が、靴にとっては負荷です。 落とせるものを乾いた状態で落としておくと、水を使う機会そのものが減ります。
まとめ|時間を決めれば、範囲は決まる
運動靴を洗うときは、洗い方より先に時間を決めます。
次に履くまで12時間以内なら表面だけ。24〜36時間なら中敷きを外して部分洗い。48時間以上あれば全体。中敷きが外れないなら、一段下げる。
接着で組まれた靴は沈めない。乾かすのは熱ではなく風。 この2つを守れば、洗ったことで状態が悪くなることはありません。
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— メグラシ編集部
よくある問い
- Q. 運動靴はどこまで洗ってよいですか。
- 次に履くまでの時間で決まります。12時間以内なら表面の汚れを落とすだけにしてください。中まで濡らすと、乾ききらないまま履くことになります。24〜36時間あるなら、中敷きを外して、内側と表面を分けて洗えます。48時間以上あれば全体を洗えます。時間が短いのに全体を洗うと、洗ったこと自体が次の日の状態を悪くします。
- Q. 中敷きは外したほうがよいですか。
- 外れるなら必ず外してください。中敷きは厚みがあって水を多く含むので、入れたまま乾かすと乾く時間がおよそ倍になります。外して別々に乾かせば、両方とも早く乾きます。外れない作りの靴は、内側に水を入れると乾く時間が読めなくなるので、全体を洗う判断そのものを一段下げてください。表面だけにするか、時間の余裕がある日に回します。
- Q. つけ置きしてもよいですか。
- 接着で組まれた靴では避けてください。底と本体が接着でつながっている靴は、水に沈めている時間が長いほど接着面に水が回ります。汚れを浮かせたいなら、沈めるのではなく、濡らした布を当てて置く方法に替えてください。同じ時間をかけても、水が入る範囲が違います。縫ってある靴なら、短時間のつけ置きは問題になりにくくなります。
- Q. 乾かすときに気をつけることはありますか。
- 温度ではなく風です。強い熱を当てると、接着面や表面の素材が先に傷みます。置き方は、つま先を下げて斜めに立てかけ、履き口から中へ風が抜ける向きにしてください。中の空気が動かないと、外側だけ乾いて内側が残ります。紐は外して別に乾かし、中敷きも別に置きます。この3つを分けるだけで、乾く時間がかなり短くなります。
- Q. 洗ったのに白い輪が出てしまいました。どうすればよいですか。
- 乾く途中で水が一か所に集まった跡です。濡れた部分と乾いた部分の境目に、汚れが押し寄せて残ります。直すには、輪の外側からもう一度全体を均一に濡らして、今度は風を当てて一気に乾かしてください。部分的に濡らすと、また別の場所に輪ができます。次からは、洗う範囲を面の途中で止めず、縫い目や切り替えの線まで一気に濡らすと出にくくなります。
— メグラシ編集部





