モード系レディース|黒の量より、直線と余白の置き場所で寄せる

**モード系レディースに寄せたいなら、黒い服を増やすより、まっすぐな線と、体から離れた余白を全身のどこに置くかを決めてください。**肩・裾・袖のどこかに直線を置くか、袖や身頃に体から離れた空間を作るか。モード系は、この2つのどちらかから寄せる系統です。
モード系を1文で言うと、服の形そのものを見せる系統です。体の線に沿って整えるきれいめや、やわらかさを足すフェミニンとは違い、服が体とは別の形を作っているのを見せます。黒やグレーが多く使われるのは、色で目を引かずに、形に目を向けてもらうためです。だから、黒い服が多いだけでは、モード系には見えません。
この記事では、手持ちの服を3つの目印で見分けて、あなたが直線から寄せるか、余白から寄せるかを決める手順をまとめます。そのうえで、どちらとも取れる場合の考え方と、秋冬に大人がモード系を着るときの調整、似合っているかの見分け方を書いています。
似合う系統そのものの見つけ方は服の系統診断で扱っています。同じく形のゆるさを使う系統としてはストリート系レディースがありますが、ストリート系がゆるさで力を抜く系統なのに対して、モード系はゆとりを形として整えて見せる系統です。この記事は、モード系に寄せる組み方の話です。
モード系を1文で言うと
モード系は、まっすぐな線と、体から離れた余白で、服の形そのものを見せる系統です。
ふだんの服は、体の線に沿うように作られています。肩の縫い目は肩の端に、ウエストはくびれの位置に、袖は腕に沿って。この「体に沿う」がそろうほど、きれいめや、コンサバに近づきます。
モード系は、このどれかを意図してずらします。肩の縫い目を肩の端より下に落とす。ウエストを作らずに、身頃をまっすぐ下ろす。袖を腕より太くして、腕のまわりに空間を作る。裾を体の線と関係なく、まっすぐ水平に切る。ずらした場所に、体とは別の線が生まれ、その線が服の形として目に入ります。
色が黒やグレー、白に寄りやすいのは、この形を邪魔しないためです。柄や鮮やかな色があると、目が色に行ってしまい、形が伝わりにくくなります。逆に言えば、形がはっきりしていれば、ネイビーやカーキ、キャメルでもモード系に見えます。
あなたは直線から寄せるか、余白から寄せるか
モード系への寄せ方は、2つに分かれます。手持ちの服と、自分が着たときの気持ちよさで選んでください。
1つめは、直線から寄せる方法です。肩、裾、襟、前立てなど、服の縁にまっすぐな線を置きます。肩が角ばったジャケット、裾が水平に切れたワイドパンツ、襟のないまっすぐな首まわりのコートなどがここに入ります。体の線は比較的見えたまま、服の縁だけが直線になるので、ふだんのきれいめの服に近い感覚で取り入れられます。
2つめは、余白から寄せる方法です。袖や身頃を体より大きく作って、体と服のあいだに空間を作ります。肩が落ちたコート、袖の太いニット、身頃が四角く広がるシャツなどがここに入ります。体の線が服の中に隠れて、服の形がそのまま全身の形になります。
どちらから寄せるか迷ったら、手持ちの服を見て、角ばった服とゆとりのある服のどちらが多いかを数えてください。多い方から寄せると、買い足す枚数が少なくてすみます。どちらも少ないなら、鏡の前で、ジャケットを着たときと、大きめのニットを着たときのどちらが気持ちよく見えるかで決めます。ジャケットなら直線から、ニットなら余白からが、無理なく続けられる方です。
手持ちの服を見分ける3つの目印|縫い目・裾・肩
手持ちの服がモード系に使えるかは、3つの目印で見分けられます。ハンガーにかけたまま見るだけで判断できます。
1つめは、肩の縫い目の位置です。肩の縫い目が、肩の端より3cm以上下にある服は、余白から寄せる服として使えます。縫い目が肩の端ぴったりにあり、肩に厚みや角のある服は、直線から寄せる服として使えます。縫い目が肩の端にあって、肩がなで肩に沿うやわらかい服は、モード系よりきれいめに入ります。
2つめは、裾の切れ方です。裾が床と平行にまっすぐ切れている服は、直線から寄せる服として使えます。裾が前後で長さの違う服や、片側だけ長い服は、形の動きで目を引くので、モード系の中でも強めの服です。裾が丸くカーブしていたり、すぼまっていたりする服は、やわらかさが出るので、モード系の中心には置きにくい服です。
3つめは、身頃の落ち方です。ハンガーにかけて、脇の下から裾までがまっすぐ下に落ちる服は、直線にも余白にも使えます。脇から裾に向かって広がる服は余白に、ウエストでくびれる服はきれいめやフェミニンに入ります。
この3つの目印で、手持ちの服を「直線」「余白」「どちらでもない」に分けてみてください。「どちらでもない」服が多いのは、ふつうのことです。モード系は、全身の1〜2か所に直線か余白があれば成り立つので、残りは「どちらでもない」服で組めます。
直線から寄せる組み方
直線から寄せるときは、全身の中に、まっすぐな線を2か所置きます。1か所だとふだんのきれいめに見え、3か所以上だと固く、制服のように見えやすくなります。
置きやすい場所は、肩と裾です。肩の角ばったジャケットか、肩に厚みのあるコートで上に1本、裾が水平に切れたパンツか、まっすぐなスカートで下に1本。この2本があると、全身が四角い枠の中に収まるように見えて、モード系らしい輪郭ができます。
襟まわりも、直線を置きやすい場所です。襟のないまっすぐな首まわりのコートや、首に沿って水平に切れたハイネックは、顔のすぐ下に1本の線を作ります。肩か裾のどちらかが直線にしにくい服しかない日は、首まわりで1本足すと、2か所がそろいます。
直線から寄せる日は、素材に張りがあるものを選んでください。張りのある生地は、線がそのまま形に残ります。やわらかく落ちる生地は、線が体の動きに合わせて曲がるので、直線の効果が弱くなります。秋冬なら、目の詰まったウールやギャバジン、厚手のコットンが向いています。
直線の服どうしを合わせるときは、線の向きをそろえます。肩の水平、裾の水平、首まわりの水平。横の線が平行に並ぶと、全身が整って見えます。斜めの線が混ざると、そこだけ動きが出るので、強めのモード系に寄ります。
手持ちの服で直線を作るときは、ボタンの留め方でも線が変わります。シャツのボタンをいちばん上まで留めると、首の下に水平の線が1本でき、前立てがまっすぐ縦に通ります。ジャケットの前を閉じると、前立ての縦の線と、裾の水平の線がそろって、四角い輪郭がはっきりします。同じ服でも、留めるか開けるかで直線の数が変わるので、鏡の前で両方を試してから決めてください。
パンツの折り目も、直線として使えます。センターに折り目のあるパンツは、脚の前にまっすぐな縦の線を1本通してくれます。折り目がとれかかっているパンツは、アイロンで折り目をつけ直すだけで、直線から寄せる服に変わります。
余白から寄せる組み方
余白から寄せるときは、全身の中に、体から離れた空間を1か所作ります。2か所以上作ると、服が体より大きく見えて、着ている人が服の中に埋もれて見えます。
いちばん作りやすいのは、袖まわりです。肩が落ちて、袖が太いニットやコートを着ると、腕と服のあいだに空間ができます。腕を下ろしたときに、脇と腕のあいだにすき間が見えれば、余白がきちんとできています。
身頃に余白を作るなら、四角く広がるシャツや、ウエストを作らないまっすぐなワンピースを選びます。脇から裾までが体から離れて落ちるので、胴まわりに空間ができます。この場合、袖まわりは体に沿う細めの形にして、余白を身頃の1か所に絞ってください。
下半身に余白を作るなら、太いワイドパンツか、ボリュームのあるロングスカートです。腰から下に大きな空間ができるので、上は体に沿う形のニットやシャツにします。上下とも余白があると、全身がひとつの大きな塊に見えます。
余白を作った場所の反対側には、体の線が見える場所を残してください。袖が太いなら手首、身頃が広いなら首まわり、ワイドパンツなら足首。体の細い部分が少しだけ見えると、余白が「服の大きさ」ではなく「形」として伝わります。
余白の服は、生地の重さで見え方が変わります。薄く軽い生地は、余白が体のまわりでふわりと浮いて、やわらかい印象になります。厚く重みのある生地は、余白が体から離れたまま下に落ちて、形がくっきり残ります。モード系に寄せたいなら、余白の服は、ある程度の重さのある生地を選んでください。秋冬なら、厚手のウールや、目の詰まったニット、張りのあるコットンが、余白を形として保ってくれます。
余白の服をハンガーにかけたとき、肩から裾までがまっすぐ下に落ちて、裾がふくらまずに止まるなら、重さが十分にあります。裾が外に広がって揺れるなら、余白はやわらかいフェミニン寄りに見えます。どちらがよいということではなく、モード系に寄せる日は前者を、やわらかさを足したい日は後者を選ぶ、という使い分けです。
黒以外で寄せる|色は2色まで、明るさの差で
モード系は黒が中心と思われがちですが、色はそれほど縛られません。大切なのは、色の数を2色までにして、形から目をそらさないことです。
黒以外で寄せやすい色は、グレー、白、ネイビー、カーキ、焦げ茶、キャメルなど、鮮やかさの少ない色です。どれを選んでも、全身を2色に収めれば、目は色ではなく形に向きます。グレーとキャメル、ネイビーと白、焦げ茶と黒など、手持ちの服で組みやすい2色を選んでください。
2色の組み方は、明るさの差で決めます。明るさの差が大きい組み合わせ、たとえば黒と白は、直線がくっきり見えます。直線から寄せる日に向いています。明るさの差が小さい組み合わせ、たとえばチャコールと黒、グレーとグレーは、形の輪郭がやわらかくなって、余白が大きな面として見えます。余白から寄せる日に向いています。
全身を1色でまとめるのも、モード系らしい方法です。同じ色で上から下までそろえると、全身の輪郭がひと続きの形として見えます。このときは、素材を変えて表面の光り方に差をつけると、形の切れ目が伝わって、のっぺりと見えるのを防げます。
差し色を入れたい日は、面積を小さく、全身の端に置いてください。靴、バッグ、手首のアクセサリーなど、体の中心から離れた場所に1か所だけ。中心に強い色があると、そこに目が集まって、形の印象が消えます。
靴とバッグで決まる半分
モード系は、服の形を見せる系統なので、足元と手元の形も全身の印象を大きく左右します。服をモード系に寄せても、靴とバッグがやわらかい形だと、全身がきれいめに戻ってしまいます。
靴は、つま先の形と、底の厚さで選びます。つま先が四角いもの、あるいは細く尖ったものは、直線から寄せる日に合います。底が厚くて平らなものは、余白から寄せる日に、下半身の重さを受け止めてくれます。丸いつま先で、底が薄く、甲が大きく見える靴は、やわらかい印象になるので、モード系の日には避けた方がまとまります。
バッグは、形が四角く、角がはっきりしたものか、反対に形が決まっていない、くたっとした大きな袋状のものが合います。前者は直線から寄せる日に、後者は余白から寄せる日に。丸みのある小さなバッグや、飾りの多いバッグは、甘さが出るので、モード系の日には合わせにくくなります。
靴とバッグの色は、服の2色のどちらかにそろえてください。服が黒とグレーなら、靴とバッグも黒かグレー。そろえることで、全身の色が2色のまま保たれ、形に目が向きます。
アクセサリーも、形で選びます。直線から寄せる日は、細い棒状のピアスや、角のある板状のバングルのように、線や面を感じさせるもの。余白から寄せる日は、大きめで形の単純な輪のピアスや、太いバングルを1つ。小さな飾りがたくさんついたものや、揺れる部分の多いものは、形より細かさに目が行くので、モード系の日には控えめにしてください。数は、首・耳・手首のうち1〜2か所までにすると、服の形を邪魔しません。
どちらとも取れるとき① 黒い服が多いだけでモードに見えない
黒い服をたくさん持っているのに、着るとモード系ではなく、地味なきれいめに見える。モード系にしたい人の悩みで、いちばん多いのがこれです。
原因は、黒い服のほとんどが体に沿う形であることです。肩の縫い目が肩の端にあり、ウエストがくびれ、裾がすぼまっている。こうした黒い服は、形が体の線と同じなので、色が黒でも、体の形がそのまま見えます。それはモード系ではなく、落ち着いたきれいめの装いです。
直し方は、黒い服の1枚を、形に直線か余白がある黒に替えることです。肩が落ちた黒いコート、裾が水平に切れた黒いワイドパンツ、四角く広がる黒いシャツ。この中から1枚を加えて、残りは手持ちの黒で組みます。1か所に形が生まれるだけで、同じ黒の装いがモード系に寄ります。
手持ちの黒で形を作ることもできます。体に沿う黒いニットの上に、ひとまわり大きな黒いシャツをボタンを開けて羽織る。黒いパンツの裾を、ロールアップではなくまっすぐ水平に折って、足首を出す。こうした小さな工夫でも、体の線とは違う線が1本生まれます。
それでも地味に見えるときは、素材の光り方を見てください。全身が同じマットな黒だと、形の切れ目が見えなくなります。つやのある黒と、マットな黒を組み合わせると、形の輪郭が浮き上がって見えます。
どちらとも取れるとき② きれいめと区別がつかない
直線から寄せていると、ジャケットにまっすぐなパンツという、ふだんの通勤服と同じ組み合わせになることがあります。モード系に寄せたつもりが、きれいめと区別がつかない。これも、よくある迷いです。
きれいめとモード系の境目は、直線が体のどこにあるかで分かれます。きれいめの直線は、体の線に沿っています。肩の端、ウエスト、くるぶし。モード系の直線は、体の線から少しずれた場所にあります。肩の端より外、腰より下、くるぶしより上。
見分けるには、鏡の前で、直線が体の区切りと一致しているかを確かめてください。ジャケットの肩が肩の端ぴったりで、裾が腰骨の位置で、パンツの裾がくるぶしなら、それはきれいめです。どこか1か所を、体の区切りから3cm以上ずらすと、モード系に寄ります。
ずらしやすいのは、丈です。ジャケットの丈を腰骨より下、太ももの途中まで長くする。パンツの丈をくるぶしより上で切る。丈がずれると、体の区切りと服の区切りが一致しなくなって、服の形が独立して見えるようになります。
きれいめとモード系のどちらに見えても困らない日は、境目に立った装いのままでかまいません。職場ではきれいめに、休日には丈を1か所ずらしてモード系に。同じ服で行き来できるのは、直線から寄せる方法の利点です。
どちらとも取れるとき③ 服に着られて見える
余白から寄せていると、服が大きすぎて、自分が服の中に埋もれたように見えることがあります。服に着られているように見える。これが、余白から寄せる日のいちばんの迷いです。
服に着られて見えるかどうかは、余白の数で決まります。袖も身頃もパンツも大きい日は、余白が3か所あって、全身が服の形だけになります。余白を1か所に絞り、残りを体に沿う形にすると、着ている人の輪郭が戻ってきます。
もうひとつの手がかりは、体の細い部分が見えているかです。首、手首、足首の3つのうち、少なくとも2つが見えていれば、服の中に体があることが伝わります。首まわりの詰まったニットに、袖が手を覆うコート、足首まで隠れるワイドパンツだと、3つとも隠れて、服だけが歩いているように見えます。袖を少しまくるか、パンツの裾を短くして、2つを見せてください。
身長と余白の大きさのつり合いも見ます。小柄な人が肩の大きく落ちたコートを着ると、肩の縫い目がひじの近くまで下がることがあります。肩の縫い目が、肩の端から10cm以上下がる服は、余白が大きすぎます。肩の端から3〜7cm下がる服なら、余白として形が伝わり、服に着られて見えにくくなります。
それでも着られて見えるなら、直線から寄せる方法に切り替えるのもひとつの判断です。余白が似合うかどうかは、骨格や体の厚みにも左右されます。どちらの方法でもモード系には寄せられるので、無理に余白にこだわる必要はありません。
似合っているかの見分け方
モード系が似合っているかは、全身写真で確かめるのがいちばん確実です。鏡より写真の方が、自分の姿を少し離れて見られるからです。
全身写真を撮ったら、画面を見て、最初に目が行く場所を確かめてください。最初に服の形が目に入り、2秒以内に顔に視線が戻ってくるなら、モード系が似合っています。服の形と顔の両方が、全身の中で役割を持っている状態です。
最初に服の形が目に入って、顔に視線が戻ってこないなら、形が強すぎます。直線か余白を1か所減らすか、顔のまわりに明るい色を少し足してください。白いシャツの襟を首元からのぞかせるだけでも、視線が顔に戻りやすくなります。
最初に顔に目が行って、服の形に気づかないなら、形が弱すぎます。直線か余白を1か所足すか、色を2色に絞って形を見えやすくしてください。
写真は、正面と横の2枚を撮ってください。モード系は、横から見たときの輪郭も大切です。正面ではまっすぐに見えても、横から見ると背中が丸く、服の線が崩れていることがあります。横の写真で服の輪郭が整っていれば、歩いているときも形が保たれます。
写真を撮る場所も、見え方を左右します。白い壁の前で撮ると、黒やグレーの服の輪郭がくっきり出て、形の強さがよくわかります。ふだん過ごす部屋や、駅までの道のように、実際にその服で立つ場所で撮ると、まわりの景色の中で形がどれくらい目立つかがわかります。両方で撮って見比べると、形の強さを日によって調整しやすくなります。撮った写真は、似合っていると感じた日のものだけ残しておいてください。数枚たまると、自分にとってちょうどよい直線と余白の量が、言葉にしなくても見えてきます。迷った朝は、その写真を見返して、同じ量の形を置けば、大きく外すことはありません。
職場で着る日の境目
モード系の服を職場に着ていくかどうかは、形の強さで決めます。
直線から寄せる装いは、職場でも浮きにくい装いです。肩の角ばったジャケットや、裾のまっすぐなパンツは、きちんとした印象と相性がよく、通勤服としても成り立ちます。丈を1か所ずらす程度なら、多くの職場で問題なく着られます。
余白から寄せる装いは、職場によって印象が分かれます。袖の太いニットや、肩の落ちたコートは、ゆるい印象が出るので、服装の決まりがきちんとした職場では、くだけて見えることがあります。職場で着るなら、余白を上着だけに絞って、中は体に沿うシャツやニットにしておくと、上着を脱いだときにきちんと見えます。
前後で長さの違う裾や、片側だけ長い服、強い斜めの線が入った服は、形の主張が強いので、休日に回すのが無難です。職場では、直線を2か所までにして、形の動きを抑えてください。
迷ったら、上着を脱いだ状態で、職場の他の人と並んだときを想像してください。上着を脱いでも浮かないなら、その装いは職場で着られます。
人と会う予定の多い日は、相手の目線の高さで形を選ぶのもひとつの方法です。座って話す時間が長い日は、上半身の形がよく見られるので、首まわりや肩に直線を1本置いておくと、きちんとした印象が伝わります。立って動く時間が長い日は、全身の輪郭が見られるので、裾のまっすぐなパンツやコートで下に直線を置くと、歩く姿が整って見えます。
年代での調整
モード系は、年齢を選ばない系統です。直線と余白は、体の線を見せる系統ではないので、年代による体の変化に左右されにくく、大人の方がむしろ落ち着いて着こなせます。
20代から30代は、直線と余白のどちらからでも寄せられます。形の強い服を2か所置いても、全身の勢いがつり合います。前後で長さの違う裾や、強い斜めの線にも挑戦しやすい年代です。
40代は、形の強い服を1か所に絞ると、落ち着いた大人のモード系になります。直線から寄せるなら、肩か裾のどちらか1か所を強くして、もう1か所は控えめな直線に。余白から寄せるなら、袖か身頃のどちらか1か所に絞ってください。素材は、張りのある上質なウールなど、形がきれいに残るものを選ぶと、形の強さを素材の質感が支えてくれます。
50代以降は、色の明るさで顔まわりを整えると、モード系が品よく決まります。黒一色より、チャコールやグレー、ネイビーを中心にして、顔の近くに少し明るい色を置く。形はそのままモード系で、色の明るさだけ顔に寄せると、全身の印象がやわらかくなりすぎずに、表情が明るく見えます。
どの年代でも共通するのは、形の強い場所を、全身で1〜2か所に絞ることです。年代が上がるほど、1か所に絞る方が、大人らしい落ち着きが出ます。
年代が変わると、手持ちの服の形も少しずつ変わっていきます。若いころに買った体に沿う服が多い人も、最近買った服にはゆとりのある形が増えていることがよくあります。年代の変わり目には、手持ちの服をもう一度3つの目印で分け直してみてください。直線と余白のどちらが増えているかを見ると、いまの自分に合う寄せ方が自然に見えてきます。
秋冬の調整|コートとニットで直線を保つ
秋冬は、モード系がいちばん組みやすい季節です。コートやニットのように、形がはっきりした服が増えるからです。ただ、重ね着が増えるぶん、直線や余白が崩れやすくもなります。
コートは、全身の形をいちばん大きく決める服です。直線から寄せるなら、肩に角があって、裾がまっすぐ切れたコートを選びます。余白から寄せるなら、肩が落ちて、身頃がまっすぐ広がるコートを。コートの形が決まれば、中に何を着ても、外から見た全身の輪郭はモード系に保たれます。
コートの中に着るニットは、コートの形を崩さないものを選びます。直線のコートの中に厚手のふくらんだニットを着ると、コートの肩や前立てが内側から押されて、直線が曲がります。直線のコートの日は、薄手で目の詰まったニットを。余白のコートの日は、中を体に沿う細めのニットにすると、コートの余白がきちんと残ります。
マフラーやストールは、首まわりに大きな塊を作るので、直線を隠すことがあります。直線から寄せる日は、マフラーを細めにして、まっすぐ下に垂らすと、縦の線が1本加わります。余白から寄せる日は、大判のストールを肩にかけて、余白の一部として使うと、首まわりがすっきりまとまります。
秋の始まりは、コートの代わりにジャケットやシャツで形を作ります。肩の角ばったジャケットか、四角く広がる厚手のシャツを1枚羽織るだけで、まだ薄着の季節でもモード系の輪郭ができます。
手持ちの服だけで最初の一週間を組むなら
モード系を始めるときに、服を一度にそろえる必要はありません。手持ちの服を3つの目印で分けたら、まずは買い足さずに一週間組んでみてください。
1日目と2日目は、「直線」に分けた服を1枚だけ使います。肩に角のあるジャケットか、裾のまっすぐなパンツのどちらかに、残りは「どちらでもない」服を合わせて、色を2色に絞ります。形の強い服が1枚だけなので、ふだんの装いとの差は小さく、周りの反応を気にせずに始められます。
3日目と4日目は、直線を2か所に増やします。肩と裾、あるいは首まわりと裾。全身写真を撮って、服の形と顔のどちらに先に目が行くかを確かめてください。
5日目と6日目は、「余白」に分けた服を1枚使って、余白から寄せる方法を試します。袖が太いニットや、肩の落ちたコートを1枚。余白の反対側に、首か手首か足首を見せることを忘れないでください。
7日目は、一週間の写真を並べて見比べます。直線の日と余白の日のどちらが自分らしく見えたか、どちらの日がいちばん気持ちよく過ごせたか。そこで選んだ方法を、次に買い足す1枚の手がかりにしてください。足りない形が1枚だけはっきりすれば、買い物で迷うことが少なくなります。
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よくある問い
- Q. モード系にしたいのに、黒い服を着ても地味に見えるだけです
- 黒い服が体に沿った形だと、モードではなく、落ち着いたきれいめに見えます。モード系に見えるのは、服の形が体の線と違う場所に線を作っているときです。肩が落ちた黒いコートや、裾がまっすぐ切れた黒いワイドパンツのように、形に直線か余白のある黒を1枚入れると、同じ黒でもモードに寄ります。
- Q. モード系ときれいめの違いはどこですか
- きれいめは体の線に沿って整える系統、モード系は体の線から離れた形を見せる系統です。見分けるなら、服を着て鏡の前で腕を下ろしたとき、脇と腕のあいだにすき間ができるかを見てください。すき間がなく体に沿うならきれいめ寄り、袖や身頃が体から離れて空間ができるならモード寄りです。
- Q. 40代や50代からモード系を始めても浮きませんか
- 浮きません。直線と余白は年齢を選ばないので、大人の方がむしろ形を落ち着いて見せられます。気をつけるのは、強い形を一度に2か所以上置かないことです。まずは肩が落ちたコートか、裾のまっすぐなパンツのどちらか1枚から始めて、残りはふだんの服のまま組んでみてください。
— メグラシ編集部





